JP2016178194A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
半導体素子から発生する熱量の放熱性が高くかつ、剛性を有したベース基板を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】
実施形態の半導体装置は、ベース基板と、前記ベース基板に設置される半導体素子と、を具備した半導体装置であって、前記ベース基板は、少なくとも前記半導体素子が設置されている領域に前記半導体素子が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成され、その孔部内に周囲よりも熱伝導率の高い材料を具備している。
【選択図】図2
半導体素子から発生する熱量の放熱性が高くかつ、剛性を有したベース基板を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】
実施形態の半導体装置は、ベース基板と、前記ベース基板に設置される半導体素子と、を具備した半導体装置であって、前記ベース基板は、少なくとも前記半導体素子が設置されている領域に前記半導体素子が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成され、その孔部内に周囲よりも熱伝導率の高い材料を具備している。
【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
半導体素子をパッケージした半導体装置において、半導体素子からの発熱が半導体装置の特性を劣化させることが知られている。このため、ベース基板に熱伝導率の高いベース部材を用い、その上に半導体素子を設置することで、放熱性を良くし、半導体装置の特性の劣化を抑制している。近年では窒化ガリウム(GaN)等を用いて、大電力での駆動を可能とした半導体素子が開発されており、半導体装置の更なる放熱性の向上が必要となっている。
しかし、放熱性の向上のためにベース基板に使用される熱伝導率の高いベース部材の割合を高めるとヤング率が低下し、製造過程等における熱応力等によるベース基板の反りが発生してしまう。
本発明が解決しようとする課題は、半導体素子から発生する熱量の放熱性が高く、かつ、剛性を有したベース基板を有する半導体装置を提供する。
上記課題を解決するため、実施形態の半導体装置は、ベース基板と、前記ベース基板に設置される半導体素子と、を具備した半導体装置であって、前記ベース基板は、少なくとも前記半導体素子が設置されている領域に前記半導体素子が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成され、その孔部内に周囲よりも熱伝導率の高い材料を具備している。
以下、半導体装置の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態である半導体装置の平面図である。ただし、図1の半導体装置は後述する蓋部8による封止がされる前の状態である。本実施形態の半導体装置はベース基板1の上に複数の回路基板5と半導体素子6とが設けられており、半導体素子6を挟むように回路基板5が配置されている。回路基板5と半導体素子6とはワイヤ7にて電気的に接続されており、回路基板5同士を配線する場合についてもワイヤ7にて電気的に接続されている。また、本実施形態の半導体装置は、回路基板5を挟むようにセラミック端子3が設けられ、回路基板5とセラミック端子3とはワイヤ7にて電気的に接続されている。セラミック端子3はそれぞれ外部リード端子2と電気的に接続している。さらに回路基板5および半導体素子6の周囲を覆うように枠体4がベース基板1に設けられている。
図1は第1の実施形態である半導体装置の平面図である。ただし、図1の半導体装置は後述する蓋部8による封止がされる前の状態である。本実施形態の半導体装置はベース基板1の上に複数の回路基板5と半導体素子6とが設けられており、半導体素子6を挟むように回路基板5が配置されている。回路基板5と半導体素子6とはワイヤ7にて電気的に接続されており、回路基板5同士を配線する場合についてもワイヤ7にて電気的に接続されている。また、本実施形態の半導体装置は、回路基板5を挟むようにセラミック端子3が設けられ、回路基板5とセラミック端子3とはワイヤ7にて電気的に接続されている。セラミック端子3はそれぞれ外部リード端子2と電気的に接続している。さらに回路基板5および半導体素子6の周囲を覆うように枠体4がベース基板1に設けられている。
図2は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。ベース基板1の上に複数の回路基板5と半導体素子6とが設けられており、半導体素子6はベース基板1に設置されている。半導体素子6はベース基板1に金錫(AuSn)はんだ等を用いて接合されるが、直接接触して設置されてもよい。回路基板5を挟むように設けられたセラミック端子3はろう部材9でベース基板1にろう付けされている。また、セラミック端子3には外部リード端子2がろう部材9でろう付けされている。回路基板5および半導体素子6の周囲を覆うように設けられた枠体4はセラミック端子3およびベース基板1に設けられている。枠体4の上に蓋部8を乗せて封止することで、本実施形態の半導体装置は気密封止型の半導体装置となる。
本実施形態の半導体装置のベース基板1は厚さ方向に3層のベース部材により構成されている。熱伝導率の高い第1のベース部材10aの上に、第1のベース部材10aよりも剛性の高い第2のベース部材11aがろう部材9で接着されている。第2のベース部材11aの上に、第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い第3のベース部材12aがろう部材9で接着されている。第3のベース部材12aの上には半導体素子6が設置されている。
ベース基板1は、少なくとも半導体素子6が設置されている領域に、半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成されている。孔部とはベース基板1に形成された孔、および孔近傍のベース基板1の部分であり、本実施形態及び以下の実施形態において同様とする。本実施形態では孔部は第2のベース部材11aに形成されている。孔部内には周囲の第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い材料(以下、孔部内の材料13とする。)が設けられている。孔部内の材料13は周囲の第2のベース部材11aおよび第1のベース部材10a、第3のベース部材12aとはろう部材9で接着されている。
孔部内の材料13は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、面積が大きくなる形状を有している。
半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内の材料13は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより、半導体装置の熱は第3のベース部材12aから孔部内の材料13を介して第1のベース部材10aに効率よく拡散する。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11aを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
また、ろう部材9は第2のベース部材11aと比較して熱伝導率の高い部材である。このため、本実施形態の変形例として、孔部の形状を半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って開口の面積が大きくなるように形成し、孔部内の材料13は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ面積を均一とし、孔部と孔部内の材料13との間をろう部材9を設けても良い。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図3は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図3は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の半導体装置のベース基板1は厚さ方向に3層のベース部材により構成されている。熱伝導率の高い第1のベース部材10bの上に、第1のベース部材10bよりも剛性の高い第2のベース部材11aがろう部材9で接着されている。第2のベース部材11aの上に、第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い第3のベース部材12aがろう部材9で接着されている。第3のベース部材12aの上には半導体素子6が設置されている。
ベース基板1は、少なくとも半導体素子6が設置されている領域に、半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成されている。本実施形態では孔部は第2のベース部材11aに形成されている。孔部内には周囲の第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い、第1のベース部材10bの一部の領域が設けられている。第1のベース部材10bの一部の領域は周囲の第2のベース部材11aおよび第3のベース部材12aとはろう部材9で接着されている。
孔部内に設けられている第1のベース部材10bの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、面積が大きくなる形状を有している。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内に設けられている第1のベース部材10bの一部の領域は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより、本実施形態の半導体装置の熱は第3のベース部材12aから孔部内の第1のベース部材10bに効率よく拡散する。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11aを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
また、本実施形態の変形例として、孔部の形状を半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って開口の面積が大きくなるように形成し、孔部内に設けられている第1のベース部材10bの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ面積を均一とし、孔部との間をろう部材9を設けても良い。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図4は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第3の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図4は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の半導体装置は第1の実施形態の半導体装置の孔部内の材料13をろう部材9に置換したものである。即ち、第2のベース部材11aに形成された孔部内にろう部材9を設けた構造である。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより、本実施形態の半導体装置の熱は第3のベース部材12aから孔部内のろう部材9を介して第1のベース部材10aに効率よく拡散する。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11aを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図5は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第4の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図5は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の半導体装置のベース基板1は厚さ方向に3層のベース部材により構成されている。熱伝導率の高い第1のベース部材10cの上に第1のベース部材10cよりも剛性の高い第2のベース部材11aがろう部材9で接着されている。第2のベース部材11aの上に第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い第3のベース部材12bがろう部材9で接着されている。
ベース基板1は、少なくとも半導体素子6が設置されている領域に、半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成されている。本実施形態では孔部は第2のベース部材11aおよび第3のベース部材12bに形成されている。孔部内には周囲の第2のベース部材11aよりも熱伝導率の高い、第1のベース部材10cの一部の領域が設けられている。第1のベース部材10cの一部の領域は周囲の第2のベース部材11aおよび第3のベース部材12bとはろう部材9で接着されている。また、この領域の上には半導体素子6が設置されている。
孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、面積が大きくなる形状を有している。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより、本実施形態の半導体装置の熱は第1のベース部材10cに効率よく拡散する。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11aを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
また、本実施形態の変形例として、孔部の形状を半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って開口の面積が大きくなるように形成し、孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ面積を均一とし、孔部との間をろう部材9を設けても良い。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図6は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第5の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図6は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の半導体装置のベース基板1は厚さ方向に2層のベース部材により構成されている。熱伝導率の高い第1のベース部材10cの上に第1のベース部材10cよりも剛性の高い第2のベース部材11bがろう部材9で接着されている。
ベース基板1は、少なくとも半導体素子6が設置されている領域に、半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成されている。本実施形態では孔部は第2のベース部材11bに形成されている。孔部内には周囲の第2のベース部材11bよりも熱伝導率の高い、第1のベース部材10cの一部の領域が設けられている。第1のベース部材10cの一部の領域の上には半導体素子6が設置されている。
孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、面積が大きくなる形状を有している。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより、本実施形態の半導体装置の熱は第1のベース部材10cに効率よく拡散する。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11bを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
また、本実施形態の変形例として、孔部の形状を半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って開口の面積が大きくなるように形成し、孔部内に設けられている第1のベース部材10cの一部の領域は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ面積を均一とし、孔部との間をろう部材9を設けても良い。
(第6の実施形態)
第6の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図7は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第6の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図7は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のベース基板1は第1のベース部材10dと第2のベース部材11cからなる。本実施形態では孔部は剛性の高い第2のベース部材11cに形成されている。孔部内には周囲の第2のベース部材11cよりも熱伝導率の高い、第1のベース部材10dが設けられている。第1のベース部材10dの上には半導体素子6が設置されている。第1のベース部材10dはろう部材9で第2のベース部材11cの孔部内に設けられている。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内に設けられている第1のベース部材10dは熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより熱が拡散し、本実施形態の半導体装置は放熱性に優れている。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い第2のベース部材11bを有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図8は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
第7の実施形態の半導体装置の平面図は第1の実施形態と同様であり、図1と同様である。図8は図1のA−A’の部分における本実施形態の断面図である。回路基板5と半導体素子6と、セラミック端子3と、外部リード端子2と、枠体4と、蓋部8との配置およびワイヤ7による配線は第1の実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のベース基板1は第1の金属材料と第2の金属材料とからなる合金層14と第2の金属材料からなる金属層15とからなる。第1の金属材料は第2の金属材料よりも剛性が高く、第2の金属材料は第1の金属材料よりも熱伝導率が高い材料である。
ベース基板1の合金層14は少なくとも半導体素子6が設置されている領域に、半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成されている。孔部内には周囲の合金層14よりも熱伝導率の高い、金属層15が設けられている。金属層15の上には半導体素子6が設置されている。本実施形態は上記ろう部材9による層の接着をしていない。
以下に本実施形態の半導体装置の製造方法の工程を説明する。
第1の金属材料からベース基板1を形成する。このベース基板1に、半前記半導体素子6が設置される側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部を形成する。孔部の形成には切削加工、鍛造または鋳造などがある。切削加工は工具等により孔部を切り削る加工である。鍛造は第1の金属材料の孔部を形成する箇所にプレスにより孔部を形成する方法である。鋳造は溶融した第1の金属材料を、孔部が形成されるよう型に流し込み、冷却して形状を作成する方法である。
ベース基板1に孔部を形成した後、溶融した第2の金属材料にベース基板1を浸漬する。これにより、ベース基板1の第1の金属材料に第2の金属材料が含浸される。また、ベース基板1の孔部には第2の金属材料が入り、冷却されることで、孔部に第2の金属材料が埋設される。この含浸の工程により、第1の金属材料と第2の金属材料との合金からなる合金層14と、孔部に前記第2の金属材料からなる金属層15とからなるベース基板1が作成される。
含浸の工程については一例として以下のような工程がある。図9は第7の実施形態である半導体装置の製造方法の図である。ベース基板1に板状部材16をつけて、ベース基板1に形成された孔部の一方を塞ぐ。板状部材16を下にして溶融した第2の金属材料にベース基板1と板状部材16とを浸漬させる。これにより第1の金属材料には第2の金属材料が含浸し、板状部材16により一方を塞がれた孔部には第2の金属材料が溜まる。この第2の金属材料が冷却することで、孔部に第2の金属材料が埋設される。ベース基板1を冷却して第2の金属材料が固形となったら、板状部材16を剥離または切削してベース基板1より取り除く。その後ベース基板1の表面を研磨することで図8のベース基板1が作成される。
ベース基板1が作成された後、作成されたベース基板1の上に半導体素子6を設置し、回路基板5とセラミック端子3を配置し、ワイヤ7で配線する。ベース基板1およびセラミック端子3の上に枠体4を配置し、更にセラミック端子3の上に外部リード端子2を配置する。この後に蓋部8で封止する。
本実施形態は第1の実施形態と同様に、半導体装置に電圧を印加すると、半導体素子6での発熱量が大きく、半導体素子6が設置されている領域が最も温度が高い部分となる。半導体素子6が設置されている領域の熱は半導体素子6が設置されている側から反対側の方向へ向かって拡散をする。
そのため、本実施形態の孔部は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。また、孔部内に設けられている金属層15は熱の拡散方向に向かって広がって形成されている。これにより熱が拡散し、本実施形態の半導体装置は放熱性に優れている。また、本実施形態の半導体装置は剛性の高い合金層14を有するため、熱応力等によるベース基板1の反りを防ぐことができる。
上記の各実施形態において、ろう部材9は一例として、銀ろう等がある。ただし、上記の実施形態において、ろう部材9は銀ろうに限定をしない。
第1のベース部材10a、10b、10c、10dは一例として銀、銅、アルミニウムまたはダイヤモンド等がある。ただし、上記の実施形態において、第1のベース部材10a、10b、10c、10dはこれらに限定をしない。
第2のベース部材11a、11b、11cは一例としてモリブデン、タングステン、銅とモリブデンとの合金、銅とタングステンとの合金、鉄とニッケルとの合金または鉄とニッケルとコバルトとの合金等がある。ただし、上記の実施形態において、第2のベース部材11a、11b、11cはこれらに限定をしない。
第3のベース部材12a、12bは一例として銀、銅、アルミニウムまたはダイヤモンド等がある。ただし、上記の実施形態において、第3のベース部材12a、12bはこれらに限定をしない。
第1の実施形態および第3の実施形態における第3のベース部材12aは第1のベース部材10aと同一の材料でも良い。また、第2の実施形態における第3のベース部材12aは第1のベース部材10bと同一の材料でも良い。また、第4の実施形態における第3のベース部材12bは第1のベース部材10cと同一の材料でも良い。
第1の金属材料は一例としてモリブデンまたはタングステン等がある。ただし、上記の実施形態において、第1の金属材料はこれらに限定をしない。
第2の金属材料は銅等がある。ただし、上記の実施形態において、第2の金属材料はこれらに限定をしない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、そのほかの様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1‥‥ベース基板、
2‥‥外部リード端子、
3‥‥セラミック端子、
4‥‥枠体、
5‥‥回路基板、
6‥‥半導体素子、
7‥‥ワイヤ、
8‥‥蓋部、
9‥‥ろう部材、
10a、10b、10c、10d‥‥第1のベース部材、
11a、11b、11c‥‥第2のベース部材、
12a、12b‥‥第3のベース部材、
13‥‥孔部内の材料、
14‥‥合金層、
15‥‥金属層、
16‥‥板状部材。
2‥‥外部リード端子、
3‥‥セラミック端子、
4‥‥枠体、
5‥‥回路基板、
6‥‥半導体素子、
7‥‥ワイヤ、
8‥‥蓋部、
9‥‥ろう部材、
10a、10b、10c、10d‥‥第1のベース部材、
11a、11b、11c‥‥第2のベース部材、
12a、12b‥‥第3のベース部材、
13‥‥孔部内の材料、
14‥‥合金層、
15‥‥金属層、
16‥‥板状部材。
Claims (11)
- ベース基板と、
前記ベース基板に設置される半導体素子と、
を具備した半導体装置であって、
前記ベース基板は、少なくとも前記半導体素子が設置されている領域に前記半導体素子が設置されている側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部が形成され、その孔部内に周囲よりも熱伝導率の高い材料が設けられている、
半導体装置。 - 前記ベース基板は、
第1のベース部材と、
前記第1のベース部材の上に形成され、前記第1のベース部材よりも剛性の高い第2のベース部材と、
前記第2のベース部材の上に形成され、前記第2のベース部材よりも熱伝導率の高い第3のベース部材と、
からなり、
前記孔部は前記第2のベース部材に形成され、前記孔部内に前記第2のベース部材よりも熱伝導率の高い材料が設けられている、
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記孔部内の材料は前記第1のベース部材と同一の材料または、前記第3のベース部材と同一の材料で構成された請求項2に記載の半導体装置。
- 前記第1のベース部材と前記第2のベース部材および、前記第2のベース部材と前記第3のベース部材とはろう部材で接着され、前記孔部はろう部材で構成されている請求項2に記載の半導体装置。
- 前記ベース基板は、
第1のベース部材と、
前記第1のベース部材の上に形成され、前記第1のベース部材よりも剛性の高い第2のベース部材と、
を具備し、
前記孔部は第2のベース部材に形成され、
前記孔部内の材料は前記第1のベース部材の一部の領域を成す、
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記ベース基板は、前記第2のベース部材よりも熱伝導率の高く、前記第2のベース部材の上に第3のベース部材を更に設けた、
請求項5に記載の半導体装置。 - 前記孔部はさらに前記第3のベース部材にも形成された、
請求項6に記載の半導体装置。 - 前記ベース基板は、
第1のベース部材と、
前記第1のベース部材よりも剛性の高く、前記孔部が形成された第2のベース部材と、
からなり、
前記第1のベース部材は、前記第2のベース部材と比べて熱伝導率が高く、前記孔部に設けられている、
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第1のベース部材は銀、銅、アルミニウムまたはダイヤモンドのいずれかであり、
前記第2のベース部材はモリブデン、タングステン、銅とモリブデンとの合金、銅とタングステンとの合金、鉄とニッケルとの合金または鉄とニッケルとコバルトとの合金のいずれかである、
請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記第3のベース部材は銀、銅、アルミニウムまたはダイヤモンドのいずれかである、
請求項2、請求項3、請求項4、請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置。 - ベース基板と、
前記ベース基板に設置される半導体素子と、
を具備した半導体装置の製造方法であって、
第1の金属材料によりベース基板を形成する工程と、
前記ベース基板に切削加工、鍛造または鋳造のいずれかにより、前記半導体素子が設置される領域に前記半導体素子が設置される側から反対側の方向へ向かうに従って、開口の面積が大きくなるように孔部を形成する工程と、
溶融した第2の金属材料に浸漬することにより第1の金属材料に第2の金属材料を含浸させると共に、前記孔部に第2の材料を埋設する工程と、
前記孔部に形成された第2の金属材料の上に半導体素子を設置する工程と、
からなる半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015056978A JP2016178194A (ja) | 2015-03-19 | 2015-03-19 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
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ID=57071319
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JP2015056978A Pending JP2016178194A (ja) | 2015-03-19 | 2015-03-19 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018073948A (ja) * | 2016-10-27 | 2018-05-10 | 京セラ株式会社 | 半導体パッケージおよび半導体装置 |
-
2015
- 2015-03-19 JP JP2015056978A patent/JP2016178194A/ja active Pending
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