JP2016178114A - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供する。
【解決手段】所定の基板A及び基板Bのいずれか一方の表面処理基板2と、表面処理基板の表面処理が施された面上に配置された、カーボンナノチューブを含む熱電変換層5と、を有する。基板Aは樹脂基板を、(R1)M(X)で表される第1表面処理剤で表面処理して得られる。Mは、Si、TiまたはZrを表す。Xは、加水分解性基または水酸基を表す。R1は、1価の有機基を表し、R1のうち少なくとも一つは、芳香環を含む1価の有機基を表す。基板Bは樹脂基板を、反応性基を有し、かつ、(R2)M(X)で表される第2表面処理剤で表面処理した後、反応性基と反応する官能基及び芳香環を有する第3表面処理剤で表面処理して得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換素子に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料は、熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。このような熱電変換素子を応用した熱電発電は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源等に用いられている。
近年、熱電変換材料としてカーボンナノチューブ(以後、「CNT」とも称する)が着目されており、CNTを含む熱電変換材料に関する技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2012/121133号
一方、近年、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められている。
本発明者らは、特許文献1に記載されるようなCNTを含む熱電変換材料を用いて樹脂基板上に熱電変換層を作製して、その特性(発電量)を評価したところ、昨今要求されるレベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
また、近年、曲面や凹凸を有する機器の表面に熱電変換素子を取り付ける要望が増えており、熱電変換素子を折り曲げてもその特性が変化しづらい、耐曲げ性も求められている。
本発明は、上記実情に鑑みて、熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定の表面処理剤で表面処理された樹脂基板を使用することにより、所望の効果が得られることを見出した。
より具体的には、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 以下の基板Aおよび基板Bのいずれか一方の表面処理基板と、
表面処理基板の表面処理が施された面上に配置された、カーボンナノチューブを含む熱電変換層と、を有する、熱電変換素子。
基板A:樹脂基板を、(RM(X)で表される第1表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
なお、Mは、Si、TiまたはZrを表す。Xは、加水分解性基または水酸基を表す。Rは、1価の有機基を表し、Rのうち少なくとも一つは、芳香環を含む1価の有機基を表す。nは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=4である。ただし、1価の有機基には、加水分解性基および水酸基は含まれない。
基板B:樹脂基板を、反応性基を有し、かつ、(RM(X)で表される第2表面処理剤で表面処理した後、さらに、反応性基と反応する官能基および芳香環を有する第3表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
なお、Mは、Si、TiまたはZrを表す。Xは、加水分解性基または水酸基を表す。Rは、1価の有機基を表し、Rのうち少なくとも一つは、反応性基を含む1価の有機基を表す。nは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=4である。ただし、1価の有機基には、加水分解性基および水酸基は含まれない。
(2) 表面処理基板が、基板Bである、(1)に記載の熱電変換素子。
(3) 芳香環が、多環芳香環である、(1)または(2)に記載の熱電変換素子。
(4) 樹脂基板が、エネルギー線照射が施された樹脂基板である、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(5) 樹脂基板が、ポリイミド基板である、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換素子。
本発明によれば、熱電変換性能に優れると共に、耐曲げ性にも優れる熱電変換素子を提供することができる。
本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図である。図1中の矢印は熱電変換素子の使用時に付与される温度差の方向を示す。 (A)は、本発明の熱電変換素子の第2実施態様を概念的に示す上面図、(B)は、本発明の熱電変換素子の第2実施態様を概念的に示す正面図、(C)は、本発明の熱電変換素子の第2実施態様を概念的に示す底面図である。 (A)〜(C)は、本発明の熱電変換素子の第2実施態様の別の例を説明するための概念図である。 (A)〜(D)は、本発明の熱電変換モジュールの一例を説明するための概念図である。 (A)は、本発明の熱電変換素子に用いられる基板の別の例を示す概念図で、(B)は、本発明の熱電変換モジュールに用いられる基板の別の例を示す概念図である。
以下に、本発明の熱電変換素子の好適態様について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の熱電変換素子の特徴点の一つとしては、芳香環を有する表面処理剤で表面処理された樹脂基板を使用している点が挙げられる。本発明者は、従来技術において、CNTを用いた熱電変換層は樹脂基板との密着性が劣るため、熱電変換層と樹脂基板との間に空隙が生じやすく、結果として樹脂基板から熱電変換層への熱伝達効率が十分でないことを知見した。そこで、本発明者は、芳香環を有する表面処理剤で表面処理された樹脂基板(表面処理基板)を用いることにより、その表面処理基板上に配置される熱電変換層に含まれるCNTと、表面処理基板の表面上にある表面処理剤由来の芳香環とが相互作用して、表面処理基板と熱電変換層との密着性がより向上することを知見している。また、表面処理基板と熱電変換層との密着性が向上することに伴い、熱電変換素子を折り曲げた際にも、熱電変換層が表面処理基板から剥がれにくくなり、結果として特性(特に、抵抗値)の劣化が抑制されることも知見している。
<第1実施態様>
図1に、本発明の熱電変換素子の第1実施態様を概念的に示す。
図1に示すように、熱電変換素子1は、表面処理基板2と、表面処理基板2上でそれぞれ離間した位置に配置された第1電極3および第2電極4と、表面処理基板2上で第1電極3および第2電極4と接するように配置された熱電変換層5と、熱電変換層5上に配置された保護基板6とを有する。熱電変換素子1の使用時においては、図1に示すように、矢印の方向に温度差が付与される。
表面処理基板2の表面2aが後述する所定の表面処理剤で表面処理された面であり、熱電変換層5はこの表面2a上に接触するように配置される。
なお、上記態様では、第1電極および第2電極は基板上に配置されているが、熱電変換層と接触していればその位置は特に制限されない。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
[表面処理基板]
表面処理基板としては、以下の基板Aまたは基板Bが使用される。
基板A:樹脂基板を、(RM(X)で表される第1表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
基板B:樹脂基板を、反応性基を有し、かつ、(RM(X)で表される第2表面処理剤で表面処理した後、さらに、反応性基と反応する官能基および芳香環を有する第3表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
上述したように、上記基板Aおよび基板Bでは、樹脂基板を所定の表面処理剤により処理することにより、その表面上に芳香環が導入される。この芳香環があることにより、CNTとの相互作用が向上し、結果として表面処理基板と熱電変換層との密着性がより向上し、熱電変換特性(特に、発電量)が向上する。
以下では、まず、上記表面処理に使用される表面処理剤(第1表面処理剤〜第3表面処理剤)、および、樹脂基板について詳述する。
(第1表面処理剤)
第1表面処理剤は、(RM(X)で表される化合物である。第1表面処理剤においては、Xで表される加水分解性基が加水分解反応して形成される水酸基や、Xで表される水酸基を介して樹脂基板と反応(縮合反応)して、第1表面処理剤由来の芳香環が樹脂基板上に固定化される。
上記式中、Mは、Si(ケイ素原子)、Ti(チタン原子)またはZr(ジルコニウム原子)を表す。なかでも、熱電変換素子の熱電変換特性がより優れる、および/または、熱電変換素子の耐曲げ性がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、Siが好ましい。
Xは、加水分解性基または水酸基を表す。加水分解性基とは、Mに直結し、加水分解反応および/または縮合反応を進行し得る基であり、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、取り扱い性がより優れる点で、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基中の炭素原子の数は特に制限されないが、反応性に優れる点で、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
なお、Xが複数ある場合は、複数のXは同一であっても、異なっていてもよい。
は、1価の有機基(ただし、加水分解性基および水酸基を除く。)を表し、Rのうち少なくとも一つは、芳香環を含む1価の有機基を表す。
1価の有機基としては、加水分解性基および水酸基以外の有機基であればよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、または、これらを組み合わせた基が挙げられる。なかでも、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基が好ましく挙げられる。
のうち少なくとも一つは、芳香環を含む1価の有機基(以後、有機基Aとも称する)を表す。有機基Aとは、言い換えると、芳香環構造を含む1価の基である。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、Rの全てが芳香環を含む1価の有機基であることが好ましい。
有機基Aに含まれる芳香環としては、炭化水素芳香環であっても、複素芳香環であってもよい。
炭化水素芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、アズレン環、クリセン環、ペリレン環、トリフェニレン環、ペンタレン環、インダセン環、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、ナフタセン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、ヘキサフェン環などが挙げられる。
複素芳香環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、トリアジン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環などが挙げられる。
また、有機基Aに含まれる芳香環としては、単環芳香環であっても、多環芳香環(縮合多環芳香環)であってもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、多環芳香環が好ましく、環数が3以上の多環芳香環がより好ましい。なお、多環芳香環の環数の上限は特に制限されないが、10以下の場合が多く、5以下の場合がより多い。
多環芳香環とは、2以上の芳香環が縮合して形成される環構造である。
芳香環を含む1価の有機基の好適態様としては、式(1)で表される基が挙げられる。*は、Mとの結合位置を表す。
式(1) Ar−L−*
Arは芳香環を表す。芳香環の定義は、上述の通りである。
は、単結合、または、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐状または環状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO2−、−NR−、−CO−、−COO−、−CONR−、−SO3−、−SO2NR−、または、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。なかでも、アルキレン基、−O−、−COO−、−SO3−、または、これらの組み合わせが好ましい。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
なお、Arには、置換基が置換していてもよい。置換基としては、例えば、上記1価の有機基として例示した基が挙げられる。
nは1〜3の整数を表し、本発明の効果がより優れる点で、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
mは1〜3の整数を表し、本発明の効果がより優れる点で、2〜3が好ましく、3がより好ましい。
なお、n+m=4である。つまり、nとmとの合計は4の関係を満たす。
(第2表面処理剤)
第2表面処理剤は、反応性基を有し、かつ、(RM(X)で表される化合物である。第2表面処理剤においては、Xで表される加水分解性基が加水分解反応して形成される水酸基や、Xで表される水酸基を介して樹脂基板と反応(縮合反応)して、第2表面処理剤由来の反応性基が樹脂基板上に固定化される。
上記式中、M、X、nおよびmの定義は、上記第1表面処理剤の定義と同義である。
は、1価の有機基(ただし、加水分解性基および水酸基を除く)を表し、Rのうち少なくとも一つは、反応性基を含む1価の有機基を表す。
1価の有機基の定義は、上記Rで説明した1価の有機基の定義と同じである。
反応性基を含む1価の有機基に含まれる反応性基とは、後述する第3表面処理剤と反応し得る基であればよく、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、スチリル基、ビニル基、フェノール基、イソシアネート基、メルカプト基、またはカルボキシル基などが挙げられ、反応性がより優れる点で、メタクリロイル基またはアクリロイル基が好ましく挙げられる。
反応性基を含む1価の有機基の好適態様としては、式(2)で表される基が挙げられる。*は、Mとの結合位置を表す。
式(2) Y−L−*
Yは、反応性基を表す。反応性基の定義は、上述の通りである。
は、単結合、または、2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述の通りである。
(第3表面処理剤)
第3表面処理剤は、上記反応性基と反応する官能基および芳香環を有する化合物である。第2表面処理剤により表面処理が施されて、反応性基が導入された樹脂基板に対して、第3表面処理剤を使用すると、反応性基と第3表面処理剤とが反応して、芳香環を樹脂基板上に導入することができる。
第3表面処理剤に含まれる上記反応性基と反応する官能基としては、第2表面処理剤中の反応性基と反応して化学結合を形成し得る官能基であれば特に制限されない。例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、エポキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、スチリル基、ビニル基、フェノール基、イソシアネート基、メルカプト基、またはカルボキシル基などが挙げられる。
反応性基と、上記官能基との好適な組み合わせ(反応性基:官能基)としては、例えば、(メタクリロイル基:メルカプト基)、(アクリロイル基:メルカプト基)、(メルカプト基:メタクリロイル基)、(メルカプト基:アクリロイル基)、(エポキシ基:カルボン酸基)、(イソシアネート基:水酸基)などが挙げられる。
第3表面処理剤には、芳香環が含まれる。芳香環の定義は、上述の通りである。
第3表面処理剤の好適態様としては、式(3)で表される化合物が挙げられる。
式(3) Ar−L−Z
Arは、芳香環を表す。芳香環の定義は、上述の通りである。
は、単結合、または、2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述の通りである。
Zは、反応性基を反応する官能基を表す。この官能基の定義は、上述の通りである。
(樹脂基板)
上記表面処理剤によって表面処理が施される樹脂基板としては、樹脂で構成されていれば特に制限されない。樹脂基板はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。
より具体的には、樹脂基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート等のポリエステル基板、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、スミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィン基板、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、ポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミド基板、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、エルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネート基板、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトン基板、トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィド基板、ポリアセタール基板、ポリアミド基板、ポリフェニレンエーテル基板、ポリオレフィン基板(例えば、ポリエチレン基板)、ポリスチレン基板、ポリアリレート基板、ポリサルフォン基板、ポリエーテルサルフォン基板、フッ素樹脂基板、液晶ポリマー基板等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、および、本発明の効果がより優れる点から、ポリイミド基板が好ましい。
樹脂基板の厚さは、取り扱い性、耐久性等の点から、好ましくは1〜3000μm、より好ましく5〜1000μm、さらに好ましくは5〜1000μm、特に好ましくは5〜800μmである。
なお、本発明の効果がより優れる点で、樹脂基板としては、その表面にエネルギー線照射が施された樹脂基板が好ましく挙げられる。このような処理が施された樹脂基板であれば、上述した表面処理剤との反応性に優れ、熱電変換層との密着性により優れる。なお、上述した表面処理は、エネルギー線照射が施された面側に施される。
エネルギー線照射の方法は特に制限されず、例えば、コロナ放電を利用したコロナ処理、プラズマ雰囲気にさらすプラズマ処理、紫外線照射を行う紫外線照射処理(好ましくは、オゾン雰囲気での紫外線照射を行うUV(紫外線)オゾン処理)、電子線を照射するEB(Electoron Beam)照射処理等、公知の処理方法を用いることができ、好ましくは、プラズマ処理、コロナ処理、UVオゾン処理が挙げられる。これらの処理により樹脂基板表面に極性を持つ水酸基、カルボキシル基または塩基性基等を生成させることができ、表面処理剤との反応性がさらに向上する。
(基板Aの製造方法)
基板Aは、樹脂基板を、(RM(X)で表される第1表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板である。
表面処理の方法としては、第1表面処理剤と樹脂基板とを接触させることができれば特に制限されず、例えば、第1表面処理剤を含む溶液中に樹脂基板を浸漬する方法や、樹脂基板上に第1表面処理剤を含む溶液を塗布する方法などが挙げられる。
上記溶液には、各種溶媒が含まれていてもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、水や有機溶媒が挙げられる。なお、上記溶液中での第1表面処理剤の濃度は特に制限されないが、生産性および反応性の点で、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。
また、上記溶液には、必要に応じて、酸触媒や塩基触媒などの触媒が含まれていてもよい。触媒が含まれることにより、加水分解反応および縮合反応がより効率的に進行する。
樹脂基板と第1表面処理剤(または、第1表面処理剤を含む溶液)との接触時間は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1〜72時間が好ましく、10〜48時間がより好ましい。
樹脂基板と第1表面処理剤(または、第1表面処理剤を含む溶液)とを接触させた後、必要に応じて、樹脂基板表面を溶媒で洗浄してもよい。
(基板Bの製造方法)
基板Bは、樹脂基板を、反応性基を有し、かつ、(RM(X)で表される第2表面処理剤で表面処理した後、さらに、反応性基と反応する官能基および芳香環を有する第3表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板である。
第2表面処理剤を用いた表面処理の方法としては、上述した第1表面処理剤を用いた表面処理方法と同じ方法で、第1表面処理剤の代わりに第2表面処理剤を使用する方法が挙げられる。
次に、第3表面処理剤を用いた表面処理の方法としては、第2表面処理剤で表面処理された樹脂基板と第3表面処理剤とを接触させることができれば特に制限されず、例えば、第2表面処理剤で表面処理された樹脂基板を第3表面処理剤を含む溶液中に浸漬する方法や、第2表面処理剤で表面処理された樹脂基板上に第3表面処理剤を含む溶液を塗布する方法などが挙げられる。
上記溶液には、各種溶媒が含まれていてもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、水や有機溶媒が挙げられる。
樹脂基板と第2表面処理剤(または、第2表面処理剤を含む溶液)との接触時間は特に制限されず、反応性基と官能基との種類によって適宜最適な条件が選択される。なかでも、通常、生産性の点から、1〜48時間が好ましく、2〜36時間がより好ましい。
また、上記接触の際には、必要に応じて、加熱処理を施してもよい。
樹脂基板と第3表面処理剤(または、第3表面処理剤を含む溶液)とを接触させた後、必要に応じて、樹脂基板表面を溶媒で洗浄してもよい。
[第1電極および第2電極]
第1電極および第2電極は、後述する熱電変換層と接して配置される部材である。
第1電極3および第2電極4を形成する電極材料としては、必要な導電率を有するものであれば、各種の材料で形成可能である。
具体的には、銅、銀、金、白金、ニッケル、アルミニウム、コンスタンタン、クロム、インジウム、鉄、銅合金などの金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の各種のデバイスで透明電極として利用されている材料等が例示される。中でも、銅、金、銀、白金、ニッケル、銅合金、アルミニウム、コンスタンタン等は好ましく例示され、銅、金、銀、白金、ニッケルはより好ましく例示される。
第1電極および第2電極の形成方法は、第1電極および第2電極の形成材料等に応じて、蒸着、印刷(例えば、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、インクジェット印刷など)、粘着・接着剤などを介しての基板への貼り付け等、公知の方法で行えばよい。電極パターンは、蒸着や印刷時にマスクを用いて形成してもよく、電極を面で形成後に、エッチング、サンドブラスト、レーザー彫刻、電子ビーム法等、公知の方法でパターニングして形成してもよい。
[熱電変換層]
熱電変換層は、表面処理基板上(表面処理基板の表面処理された面上)に配置される層であり、表面処理基板と優れた密着性を示す。
熱電変換層には、CNTが含まれる。CNTには、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、および、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。半導体性CNTと金属性CNTとを両方を用いる場合、組成物中の両者の含有比率は、組成物の用途に応じて適宜調整することができる。また、CNTには金属などが内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたものを用いてもよい。
CNTの平均長さは特に限定されず、組成物の用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、電極間距離にもよるが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、CNTの平均長さが0.01〜2000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましく、1〜1000μmが特に好ましい。
CNTの直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、15nm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0.4nm以上の場合が多い。
特に、単層CNTを用いる場合には、0.5〜2.2nmが好ましく、は1.0〜2.2nmがより好ましく、1.5〜2.0nmが特に好ましい。
本発明は、CNTを修飾または処理したCNTも利用可能である。修飾または処理方法としては、フェロセン誘導体や窒素置換フラーレン(アザフラーレン)を内包する方法、イオンドーピング法によりアルカリ金属(カリウムなど)や金属元素(インジウムなど)をCNTにドープする方法、真空中でCNTを加熱する方法等が例示される。
また、CNTを利用する場合には、単層CNTや多層CNTの他に、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カーボンナノビーズ、グラファイト、グラフェン、アモルファスカーボン等のナノカーボンが含まれてもよい。
熱電変換層中におけるCNTの含有量は特に制限されないが、熱電変換層の性能がより優れる点で、熱電変換層の全質量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが特に好ましい。
熱電変換層にはCNT以外の成分が含まれていてもよい。
例えば、熱電変換層には、必要に応じて、バインダとして樹脂材料が含まれていてもよい。
樹脂材料は、公知の各種の非導電性の樹脂材料(ポリマー)が利用可能である。
具体的には、ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物、カーボネート化合物、エステル化合物、エポキシ化合物、シロキサン化合物、ゼラチン等の公知の各種の樹脂材料が利用可能である。
樹脂材料の含有量は特に制限されないが、熱電変換層の機械的強度の点で、樹脂材料/CNTの質量比で0.5〜10が好ましく、0.5〜5がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
熱電変換層には、必要に応じて、分散剤(CNTの分散剤)が含まれていてもよい。分散剤としては、界面活性剤が好ましく挙げられる。
界面活性剤は、CNTを分散させる機能を有するものであれば、公知の界面活性剤を使用することができる。より具体的には、界面活性剤は、水、極性溶媒、水と極性溶媒との混合物に溶解し、CNTを吸着する基を有するものであれば、各種の界面活性剤が利用可能である。
従って、界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。また、イオン性の界面活性剤は、カチオン性、アニオン性および両性のいずれでもよい。
一例として、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤およびでデオキシコール酸ナトリウムやコール酸ナトリウム等のカルボン酸系界面活性剤、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマーなどが例示される。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などが例示される。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤などが例示される。
さらに、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステルどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系界面活性剤などが例示される。
なかでも、イオン性の界面活性剤は好適に利用され、その中でも、コール酸塩やデオキシコール酸塩は好適に利用される。
熱電変換層が界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、低い方が好ましい。具体的には、界面活性剤/CNTの質量比が5以下であるのが好ましく、2以下であるのがより好ましい。
上記以外にも熱電変換層には、ドーパント、消泡剤、乾燥防止剤、防かび剤等が含まれていてもよい。
熱電変換層の平均厚さは、温度差を付与する観点等から、0.1〜1000μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。
なお、熱電変換層の平均厚さは、任意の10点における熱電変換層の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
熱電変換層の形成方法は特に制限されないが、一例として、水や有機溶剤等の溶剤に、CNT、および、さらに必要に応じて添加される樹脂材料や界面活性剤等の成分を溶解あるいは分散してなるCNT分散液を用いる方法が挙げられる。
上述した、表面処理基板上に上記CNT分散液を塗布し、成膜することにより、熱電変換層を形成することができる。
成膜方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法など、公知の塗布方法を用いることができる。
なお、熱電変換層を所定の位置に作製する際には、CNT分散液をパターン状に塗布する方法を用いることができる。
一例として、印刷法によって、表面処理基板上にCNT分散液をパターン印刷する方法が例示される。印刷方法は、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等、公知の各種の印刷法が利用可能である。
また、表面処理基板上の所定位置に型枠やマスクを設け、この型枠やマスクによって、CNT分散液やペーストをパターン状に塗布する方法も利用可能である。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
さらに、CNT分散液等をパターン状に塗布するのではなく、表面処理基板の全面にCNT分散液を塗布、乾燥した後、レーザー彫刻、サンドブラスト法、電子ビーム法、プラズマエッチング等のエッチングによって不要な部分を除去することにより、熱電変換層をパターニングして形成する方法も、利用できる。
なお、エッチングは、必要に応じて、フォトリソグラフィーを利用して形成したマスクや、メタルマスク等を用いて行ってもよい。
[保護基板]
保護基板は、熱電変換層上に配置される基板であり、熱電変換層を外部から保護する。保護基板は、必要に応じて、配置されればよい。
保護基板の種類は特に制限されず、熱電変換素子の耐曲げ性の点からは、樹脂基板が好ましい。樹脂基板の具体例としては、上述した表面処理基板で使用される樹脂基板で述べた具体例などが挙げられる。
<第2実施態様>
図2(A)〜図2(C)に、本発明の熱電変換素子の第2実施態様を概念的に示す。なお、図2(A)は上面図(図2(B)を紙面上方から見た図)、図2(B)は正面図(後述する基板等の面方向から見た図)、図2(C)は底面図(図2(B)を紙面下方から見た図)である。
図2(A)〜図2(C)に示すように、熱電変換素子10は、基本的に、第1基板12と、熱電変換層16と、粘着層18と、第2基板20と、第1電極26および第2電極28とを有して構成される。
具体的には、第1基板12の表面には、熱電変換層16が形成される。また、第1基板12の表面には、熱電変換層16を第1基板12の基板面方向(以下、単に『面方向』とも言う。言い換えれば、第1基板12および第2基板20を積層する方向とは直交する方向。)に挟むようにして、熱電変換層16に接続して第1電極26および第2電極28(電極対)が形成される。さらに、第1基板12、熱電変換層16、第1電極26および第2電極28を覆うように、粘着層18が設けられ、この粘着層18には、第2基板20が貼着される。
図2に示すように、第1基板12は、低熱伝導部12a、および、低熱伝導部12aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部12bを有する。同様に、第2基板20も、低熱伝導部20a、および、低熱伝導部20aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部20bを有する。熱電変換素子10においては、第1基板12の高熱伝導部12bが本発明における第1高熱伝導部に、第2基板20の低熱伝導部20aが本発明における低熱伝導層に、第2基板20の高熱伝導部20bが本発明における第2高熱伝導部に、それぞれ対応する。
なお、後段で詳述するように、第1基板12中の低熱伝導部12aが、上述した表面処理基板に該当する。
熱電変換素子10において、両基板は、互いの高熱伝導部が、第1電極26と第2電極28との離間方向(すなわち通電方向)に異なる位置となるように配置される。
熱電変換素子10は、好ましい態様として、粘着層18で貼着される第2基板20を有し、さらに、第1基板12および第2基板20が、共に、低熱伝導部および高熱伝導部を有する。熱電変換素子10は、高熱伝導部および低熱伝導部を有する基板を2枚用い、両基板の高熱伝導部を面方向に異なる位置として、この2枚の基板で熱電変換層を挟持してなる構成を有する。
すなわち、熱電変換素子10は、熱電変換層の面方向に温度差を生じさせて熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子(以下、in plane型の熱電変換素子とも言う)であって、図示例においては、低熱伝導部と低熱伝導部よりも熱伝導率が高い高熱伝導部とを有する基板を用いることにより、熱電変換層16の面方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
なお、本発明における高熱伝導部または低熱伝導部とは、隣接する層(隣接する高熱伝導部または低熱伝導部)に対して熱伝導率が高い、または低いことを示す。高熱伝導部と低熱伝導部との熱伝導率の比は、100:1以下が好ましく、500:1以下がより好ましく、100:1以下がさらに好ましい。
図示例の熱電変換素子10において、第1基板12および第2基板20は、配置位置、および、表裏や面方向(基板面方向)の向きが異なり、さらに、第1基板12中の低熱伝導部12aが上述した表面処理基板に該当する点を除いて、その構成は同じである。従って、以下の説明では、第1基板12と第2基板20とを区別する必要が有る場合を除いて、第1基板12を代表例として説明を行う。
図示例の熱電変換素子10において、第1基板12(第2基板20)は、低熱伝導部12a(低熱伝導部20a)となる板状物の、一方の面の半分の領域を覆うように、高熱伝導部12b(高熱伝導部20b)を積層してなる構成を有する。すなわち、第1基板12において、高熱伝導部12bは、低熱伝導部12aすなわち第1基板12の半面を覆うように設けられる。
従って、第1基板12の一面は、面方向の半分の領域が低熱伝導部12aで、残りの半分の領域は高熱伝導部12bとなる。また、第1基板12の他方の面(12c)は、全面が低熱伝導部12aとなる。熱電変換素子10では、第1基板12の低熱伝導部12aの高熱伝導部12bが形成されていない側の面(12c)が、熱電変換層16の形成面となる。
なお、本発明の熱電変換素子において、第1基板12は、低熱伝導部の表面に高熱伝導部を積層してなる構成以外にも、各種の構成が利用可能である。例えば、第1基板は、図5(A)に概念的に示すように、低熱伝導部12aとなる板状物の、一方の面の半分の領域に凹部を形成して、この凹部に、表面が均一となるように高熱伝導部12bを組み込んでなる構成でもよい。
低熱伝導部12aは、上述した表面処理基板に該当する。より具体的には、低熱伝導部12aの熱電変換層16側の表面12cは、上述した表面処理基板2の表面処理が施された表面2aに該当する。熱電変換素子10においては、低熱伝導部12aの表面12c上に熱電変換層16が配置されており、低熱伝導部12aと熱電変換層16との密着性に優れる。
なお、低熱伝導部20aとしては、公知の樹脂基板を使用することができる。樹脂基板の種類としては、上述した第1実施態様で述べた例が挙げられる。
高熱伝導部12bは、低熱伝導部12aよりも熱伝導率が高いものであれば、各種の材料からなるフィルムや金属箔が例示される。
具体的には、熱伝導率等の点で、金、銀、銅、アルミニウム等の各種の金属が例示される。中でも、熱伝導率、経済性等の点で、銅およびアルミニウムは好適に利用される。
なお、本発明において、第1基板12の厚さ、低熱伝導部12aの厚さ、高熱伝導部12bの厚さ等は、高熱伝導部12bおよび低熱伝導部12aの形成材料、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。なお、第1基板12の厚さとは、高熱伝導部12bが無い領域の低熱伝導部12aの厚さである。本発明者らの検討によれば、第1基板12の厚さは、2〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましい。
また、第1基板12の面方向(基板面と直交する方向から見た際)の大きさ、第1基板12における高熱伝導部12bの面方向の面積率等も、低熱伝導部12aおよび高熱伝導部12bの形成材料、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
さらに、第1基板12における高熱伝導部12bの面方向の位置も、図示例に限定されず、各種の位置が利用可能である。
例えば、第1基板12において、高熱伝導部12bは、面方向において低熱伝導部12aに内包されてもよい。あるいは、高熱伝導部12bは、面方向において、一部を第1基板12の端部に位置し、それ以外の領域を低熱伝導部12aに内包されてもよい。
さらに、第1基板12は、面方向に複数の高熱伝導部12bを有してもよい。
なお、図2に示す熱電変換素子10は、第1基板12と第2基板20との間での温度差を生じ易い好ましい態様として、第1基板12および第2基板20は、共に、高熱伝導部12bおよび高熱伝導部20bを積層方向の外側に位置している。
しかしながら、本発明は、これ以外にも、第1基板12および第2基板20が、共に、高熱伝導部12bおよび高熱伝導部20bを積層方向の内側に位置する構成でもよい。あるいは、第1基板12が高熱伝導部12bを積層方向の外側に位置し、第2基板20が高熱伝導部20bを積層方向の内側に位置するような構成でもよい。
なお、高熱伝導部が金属等の導電性を有する材料で形成され、かつ、高熱伝導部が積層方向の内側に配置される構成において、高熱伝導部と、第1電極26、第2電極28および熱電変換層16の少なくとも1つとが電気的に接続されてしまう場合には、高熱伝導部と、第1電極26、第2電極28および熱電変換層16の少なくとも1つとの絶縁性を確保するために、間に絶縁層を設けてもよい。
熱電変換素子10において、第1基板12の全面が低熱伝導部12aである面(12c)には、熱電変換層16が形成される。なお、上述したように、表面12cは、上述した表面処理基板の表面処理が施された面に該当する。
熱電変換層16の態様は、上述した第1実施態様の熱電変換層5の態様と同じであり、CNTが少なくとも含まれる。
また、熱電変換層16の上には、粘着層18を介して第2基板20が設けられる。第2基板20は、低熱伝導部20aの高熱伝導部20bが形成されていない側の面を熱電変換層16に向けて設けられる。
両基板の高熱伝導部12bおよび20bは、熱電変換層16の面方向に効率的に温度差を生じさせるように配置される。即ち、両基板の高熱伝導部12bおよび20bは、熱電変換層16に対して、面方向に異なる位置に配置されるのが好ましく、両基板の低熱伝導部と高熱伝導部との境界を、熱電変換層16の面方向の中心に一致して設けることがより好ましく、この境界が電極の離間方向に離間するように配置されるのがさらに好ましい。
また、熱電変換層16には、面方向に挟むように、第1電極26および第2電極28からなる電極対が接続される。
熱電変換素子は、例えば、熱源との接触などによる加熱によって温度差が生じることにより、この温度差に応じて、熱電変換層の内部において、この温度差の方向のキャリア密度に差が生じ、電力が発生する。
例えば、第1基板12側に熱源を設け、第1基板12の高熱伝導部12bと、第2基板20の高熱伝導部20bとの間に温度差を生じさせることにより、熱電変換層16の内部において、この温度差の方向のキャリア密度に差が生じ、発電する。また、第1電極26および第2電極28に配線を接続することにより、加熱によって発生した電力(電気エネルギー)が取り出される。
本発明の熱電変換素子10において、熱電変換層16の厚さ、面方向の大きさ、基板に対する面方向の面積率等は、熱電変換層16の形成材料、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
図2(A)〜図2(C)に示す例においては、熱電変換層16は、直方体状であるが、本発明の熱電変換素子において、熱電変換層16は、各種の形状が利用可能である。
例えば、熱電変換層は、四角錐台状等であってもよい。あるいは、円柱状、四角以外の角柱状、円錐台、角錐台、不定形状等であってもよい。
第1基板12の表面には、熱電変換層16を面方向で挟むように、第1電極26および第2電極28が設けられる。
熱電変換素子10においては、図2(A)〜図2(C)等に示すように、第1電極26および第2電極28は、熱電変換層16の端部で第1基板12から立ち上がり、熱電変換層16の側面から上面の端部近傍に到る形状を有している。
なお、本発明の熱電変換素子において、第1電極26および第2電極28の形状は、図2(A)〜図2(C)に示される形状に限定はされず、十分な導電性で熱電変換層16に接続されるものであれば、各種の形状が利用可能である。
例えば、図3(A)に概念的に示すように、第1基板12の表面に離間して形成された板状の第1電極30および第2電極32の端部を、熱電変換層16が覆うような構成であってもよい。図2(B)等に示される構成は、第1基板12の表面に熱電変換層を形成した後に、第1電極26および第2電極28を形成することで作製できる。これに対し、図3(A)に示される構成は、先に第1基板12の表面に第1電極30および第2電極32を形成した後に、熱電変換層16を形成することで、作製できる。
また、図3(B)に概念的に示すように、図3(A)に示される構成に、さらに、第1電極30および第2電極32に接続して、熱電変換層16の側面から上面の端部近傍に至って接触する補助電極30aおよび32aを有する構成であってもよい。
さらに、図3(C)に概念的に示すように、熱電変換層16の側面に、第1電極34および第2電極36が当接するだけの構成であってもよい。
第1電極26および第2電極28の態様は、上述した第1実施態様で述べた第1電極3および第2電極4と同義である。
また、第1電極26および第2電極28の厚さや大きさ、形状等も、熱電変換層16の厚さや大きさ、形状、熱電変換素子10の大きさ等に応じて、適宜、設定すればよい。
図示例の熱電変換素子10は、第1基板12の上に、熱電変換層16ならびに第1電極26および第2電極28を覆って粘着層18を有し、この粘着層18に第2基板20が貼着される。
粘着層18の形成材料は、第1基板12(低熱伝導部12a)、第2基板20(低熱伝導部20a)、第1電極26および第2電極28の形成材料等に応じて、これらを貼着可能なものが、各種、利用可能である。
具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)、α-オレフィンポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプン等が例示される。また、粘着層18は、市販の両面テープや粘着フィルムを利用して形成してもよい。
粘着層18の厚さは、粘着層18の形成材料、第1基板12および第2基板20の形成材料や大きさ等に応じて、十分な密着力が得られ、かつ、熱電変換層16に起因する段差を埋められる厚さを、適宜、設定すればよい。
なお、本発明の熱電変換素子は、熱電変換層と第1電極および第2電極とを同じ高さとして、粘着層を用いずに、熱電変換層と第1電極および第2電極との上に第2基板を積層して、公知の方法(自己貼着を含む)で第1基板、熱電変換層と第1電極および第2電極、第2基板を、互いに固定してもよい。
図示例の熱電変換素子10は、第1基板12の高熱伝導部12bと、第2基板20の高熱伝導部20bとが、電極間方向に対面して端部を当接するように、面方向の異なる位置に配置される。
本発明の熱電変換素子は、これ以外にも、各種の構成が利用可能である。
例えば、図2(A)〜図2(C)に示す例において、第1基板12の高熱伝導部12bを図中右側に移動し、第2基板20の高熱伝導部20bを図中左側に移動して、面方向において、両高熱伝導部を、電極間方向に離間させてもよい。具体的には、第1基板12の高熱伝導部12bと第2基板20の高熱伝導部20bとは、面方向において、第1電極26と第2電極28との離間方向における熱電変換層16の大きさに対して、電極間方向に10〜90%離間させるのが好ましく、10〜50%離間させるのがより好ましい。
逆に、図2に示す例において、第1基板12の高熱伝導部12bを図中左側に移動し、第2基板20の高熱伝導部20bを図中右側に移動することによって、両基板の高熱伝導部の一部を、面方向で重複させてもよい。
あるいは、第1基板に円形の高熱伝導部を形成し、第2基板に同サイズ(直径と一辺の長さとが一致)の正方形の高熱伝導部を形成して、両高熱伝導部の中心を面方向で一致させるように、両基板を配置してもよい。この構成でも、距離は短いが、両高熱伝導部は、端部(周辺)位置が面方向で異なるので、熱電変換層には面方向の温度差が生じ、厚さ方向に温度差を生じさせる熱電変換素子に比して、効率の良い発電が可能である。
すなわち、本発明においては、第1基板と第2基板とで、高熱伝導部が面方向に完全に重複しなければ、第1基板および第2基板は、各種の構成が利用可能である。言い換えれば、第1基板および第2基板は、基板面と垂直方向から見た際に、第1基板と第2基板との高熱伝導部が完全に重なっていなければ、各種の構成が利用可能である。
本発明の熱電変換素子において、低熱伝導層および第2高熱伝導部は、第2基板20を構成する低熱伝導部20aおよび高熱伝導部20bに限定はされず、低熱伝導層と、低熱伝導層に(接して)設けられる、低熱伝導層よりも熱伝導率が高い第2高熱伝導部とを有し(第2高熱伝導部が設けられる、高熱伝導部よりも熱伝導率が低い低熱伝導層とを有し)、かつ、第1高熱伝導部と第2高熱伝導部とが面方向で完全に重複しなければ、各種の構成が利用可能である。
例えば、粘着層18の上に低熱伝導層として絶縁層(絶縁性を有する層)を形成して、その上に、前述の高熱伝導部20bと同様の第2高熱伝導部を設けてもよい。
この際において、絶縁層は、公知の方法で形成すればよい。一例として、樹脂などの絶縁性物質からなる絶縁層を塗布法やフィルム(シート)の貼着によって形成する方法、金属酸化物の蒸着等によって絶縁層を形成する方法等が例示される。
また、図3(C)に示す構成において、熱電変換層16との段差が生じない厚さの第1電極34および第2電極36を形成し、粘着層を設けずに、この熱電変換層16と第1電極34および第2電極36との上に、先と同様に絶縁層を形成して、この絶縁層の上に、高熱伝導部20bと同様の第2高熱伝導部を設けてもよい。
あるいは、図2(A)〜図2(C)等に示される構成において、粘着層18を設けずに、熱電変換層16と、第1電極26および第2電極28とを覆って、段差を埋めるように、先と同様に絶縁層を形成し、この絶縁層の上に、高熱伝導部20bと同様の第2高熱伝導部を設けてもよい。
さらに、図2(A)〜図2(C)に示される例において、粘着層18が絶縁性を有する場合には、低熱伝導部20aを設けずに、粘着層18を低熱伝導層として、粘着層18の上に、高熱伝導部20bと同様の第2高熱伝導部を設けてもよい。この際においては、必要に応じて、粘着層18の粘着性が問題にならないように、全体を覆う層を設けてもよく、もしくは、粘着層18が露出する領域を覆う層を設けてもよい。
あるいは、粘着層18が絶縁性を有する場合には、粘着層18を低熱伝導層として、粘着層18を覆う層を設け、この層の上に、高熱伝導部20bと同様の第2高熱伝導部を設けてもよい。
なお、本発明において、絶縁性を有するとは、層を形成した際の1素子当たりの絶縁抵抗が0.1MΩ以上であることを示す。
<熱電変換モジュール>
図4(A)〜図4(D)に、このような本発明の熱電変換素子10を、複数、直列に接続してなる、本発明の熱電変換モジュールの一例を概念的に示す。なお、図4(A)〜図4(C)は上面図、図4(D)は正面図である。なお、後段で詳述するように、図4の熱電変換モジュールの態様においては、第1基板12Aの低熱伝導部12aが、上述した表面処理基板(基板Aまたは基板B)に該当する。
本例において、第1基板12Aおよび第2基板20Aは、矩形板状の低熱伝導材料の表面に、一方向に延在する四角柱状の高熱伝導部を、四角柱の低熱伝導部に接触する一辺の長さと等間隔で、四角柱の延在方向と直交する方向に配列してなる構成を有する。
すなわち、第1基板12Aおよび第2基板20Aは、一面の表面の全面が低熱伝導部で、他面の表面が、一方向に延在する低熱伝導部と高熱伝導部とが、延在方向と直交する方向に等間隔で交互に形成された構成を有する(図4(A)、図4(C)および図4(D)参照)。
なお、本例においても、第1基板(第2基板)は、低熱伝導部の表面に高熱伝導部を載置した構成以外の、各種の構成が利用可能である。例えば、第1基板は、図5(B)に概念的に示すように、第1基板は、矩形板状の低熱伝導材料に、一方向(図5(B)の紙面に直交する方向)に延在する溝を、延在方向と直交する方向に溝の幅と等間隔で形成して、この溝に高熱伝導材料を組み込んでなる構成でもよい。
図4(B)に示すように、熱電変換層16は矩形の面形状を有し、第1基板12Aの全面が低熱伝導部12aである側の表面(12c)(図4(D)を図中上下方向に表裏反転した状態)に、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界と中心とを面方向で一致させて形成される。熱電変換層16の図3(B)の横方向(以下、単に『横方向』とも言う)の大きさは、高熱伝導部12bの幅に対して0.5倍から2.0倍未満の間に設定される。すなわち、横方向とは、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの交互の配列方向である。
熱電変換層16は、横方向に、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界に対して、1境界置きに等間隔で形成される。すなわち、熱電変換層16は、横方向の中心が、高熱伝導部12bの幅の2倍の距離と同じ間隔で等間隔に形成される。
また、熱電変換層16は、横方向に等間隔に配列された熱電変換層16の列が、図4(B)の上下方向(以下、単に『上下方向』とも言う)に等間隔で配列されるように、二次元的に形成される。すなわち、上下方向とは、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bの延在方向である。
さらに、図4(B)に示すように、熱電変換層16の横方向の配列は、上下方向に隣接する列では、高熱伝導部12bの幅の分だけ、横方向にズレて形成される。すなわち、上下方向に隣接する列では、熱電変換層16は、横方向の中心が、高熱伝導部12bの幅の分だけ、互い違いに形成される。
各熱電変換層16は、第1電極26(第2電極28)によって直列に接続される。具体的には、図4(B)に示すように、図中横方向の熱電変換層16の配列において、第1電極26(構成を明確にするため、網掛けして示す)が、各熱電変換層16を横方向に挟むように設けられる。これにより、横方向に配列された熱電変換層16が、第1電極26によって直列に接続される。
熱電変換層16の横方向の列の端部では、上下方向に隣接する列の熱電変換層16が、第1電極26によって接続される。この横方向の列の端部での第1電極26による上下方向の熱電変換層16の接続は、一方の端部の熱電変換層16は上側の列の同側端部の熱電変換層16と接続され、他方の端部の熱電変換層16は下側の列の同側端部の熱電変換層16と接続される。
これにより、全ての熱電変換層16が、横方向に、複数回、折り返した1本の線のように直列で接続される。
図4(A)に概念的に示すように、熱電変換層16および第1電極26の上に、第2基板20Aの全面が低熱伝導部20aである側の面(20c)を下方にして、かつ、低熱伝導部12aと高熱伝導部12bとの境界を第1基板12Aと一致させて、第2基板20Aが積層される。この積層は、第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの高熱伝導部20bとが、互い違いになるように行われる。
なお、図示はされないが、第2基板20Aの積層に先立ち、第1基板12Aを全面的に覆うように、熱電変換層16および第1電極26の上に粘着層18が形成される。
従って、第1基板12Aの低熱伝導部12aと第2基板20Aの高熱伝導部20bのみの領域とが面方向に一致して対面し、第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの低熱伝導部20aのみの領域とが面方向に一致して対面する。
これにより、本発明の熱電変換素子10を、複数、直列に接続してなる、本発明の熱電変換モジュールが構成される。
なお、上記態様においては、第1基板12Aの低熱伝導部12aが、上述した表面処理基板(基板Aまたは基板B)に該当し、第1基板12Aの全面が低熱伝導部12aである側の面(12c)が表面処理基板の上述した表面処理が施された面に該当する。
つまり、熱電変換モジュール中の熱電変換層16は、第1基板12Aの低熱伝導部12aを構成する表面処理基板の表面処理が施された面(12c)上に配置される。
ここで、前述のように、熱電変換層16の横方向の配列は、上下方向に隣接する列では、熱電変換層16の横方向の中心線が、高熱伝導部12b(すなわち高熱伝導部20b)の幅の分だけ、横方向にズレて形成される。すなわち、上下方向に隣接する列では、熱電変換層16は、熱電変換層16の横方向の中心線が、高熱伝導部12bの幅の分だけ、互い違いに形成される。
そのため、折り返した1本の線のように直列に接続された熱電変換層16は、接続方向の一方向の流れにおいて、全ての熱電変換層16が、一方の半分が第1基板12Aの高熱伝導部12bと第2基板20Aの低熱伝導部20aのみの領域とに対面し、他方の半分が第1基板12Aの低熱伝導部12aのみの領域と第2基板20Aの高熱伝導部20bとに対面する。
例えば、図4(B)の上から下への直列の接続方向で見た場合には、図4(A)〜図4(C)に示すように、全ての熱電変換層16が、上流側半分が第1基板12Aの高熱伝導部12bおよび第2基板20Aの低熱伝導部20aのみの領域に対面し、下流側の半分が第1基板12Aの低熱伝導部12aのみの領域および第2基板20Aの高熱伝導部20bに対面する。
従って、第1基板12A側もしくは第2基板20A側に熱源を配置した際に、直列に接続された全ての熱電変換層16で、接続方向に対する熱の流れ方向すなわち発電した電気の流れ方向が一致し、熱電変換モジュールが適正に発電を行うことができる。
(熱電変換モジュールの製造方法)
以下に、図4(A)〜図4(D)に示す熱電変換モジュールの製造方法の一例を説明する。なお、熱電変換素子は、この熱電変換モジュールの製造方法に準じて製造できる。
まず、低熱伝導部12aおよび高熱伝導部12bを有する第1基板12A(第1基板12)、および、低熱伝導部20aおよび高熱伝導部20bを有する第2基板20A(第2基板20)を用意する。
なお、上述したように、低熱伝導部12aは、上述した表面処理基板に該当する。
第1基板12Aおよび第2基板20Aは、フォトリソグラフィー、エッチング、成膜技術等を利用して、公知の方法で作製すればよい。
例えば、基板(例えば、上述した表面処理基板)の両面に銅が積層された銅ポリイミドフィルムの一面を全てエッチングし、もう一方の面を高熱伝導部パターンとなるようにエッチングすることにより作製することができる。また、低熱伝導部となる基板(例えば、上述した表面処理基板)のシート状物を用意し、このシート状物に、帯状の高熱伝導部を延在方向と直交する方向に、帯の幅と等間隔で貼着して、第1基板12Aおよび第2基板20Aを作製すればよい。
なお、第1基板12Aおよび第2基板20Aは、市販品も利用可能である。
次いで、熱電変換層16を形成する。熱電変換層16の形成方法としては、第1実施態様で述べた熱電変換層5の形成方法が挙げられる。
次いで、熱電変換層16を面方向で挟むように、第1電極26および第2電極28を形成する。第1電極26および第2電極28の形成方法としては、第1実施態様で述べた第1電極3および第2電極4の形成方法が挙げられる。
次いで、第1基板12Aの全面に対応して、熱電変換層16、第1電極26および第2電極28を覆って、粘着層18を形成する。
粘着層18は、粘着層18の形成材料に応じて、塗布法等の公知の方法で形成すればよい。また、両面テープや粘着フィルムを利用して粘着層18を形成してもよいのは、前述のとおりである。
さらに、用意した第2基板20Aを、高熱伝導部20bが形成されていない側の面(20c)を向けて、熱電変換層16に貼着して、熱電変換モジュール(熱電変換素子10)を作製する。
あるいは、第1基板12Aに粘着層18を形成するのではなく、第2基板20Aの高熱伝導部20bが形成されていない面に粘着層18を形成して、第1基板12Aに貼着することで、熱電変換モジュール(熱電変換素子10)を作製してもよい。
なお、上記態様は、第1基板12Aの低熱伝導部12aが、表面処理基板(基板Aまたは基板B)に該当する態様であるが、この態様に限定されず、第1基板12Aの低熱伝導部12a、および、第2基板20Aの低熱伝導部20aの両方が上述した表面処理基板に該当する態様であってもよい。
このような本発明の熱電変換素子および熱電変換モジュールは、各種の用途に利用可能である。
一例として、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機などの発電機や、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサ用電源などの各種装置(デバイス)の電源等、様々な発電用途が例示される。また、本発明の熱電変換素子の用途としては、発電用途以外にも、感熱センサや熱電対などのセンサ素子用途も例示される。
以上、本発明の熱電変換素子および熱電変換モジュールについて詳細に説明したが、本発明は前述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて、本発明について、より詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<CNT分散液の調製>
水20mLに、CNT(名城ナノカーボン社製)500mg、および、デオキシコール酸ナトリウム1500mgを、投入した。
この溶液を、羽根付きホモジナイザーを用いて7分間分散した。得られた分散液を、さらに、高速旋回薄膜分散法(フィルミックス、プライミクス社製)を用いて周速30m/s、5分間攪拌処理を行い、CNT分散液を得た。
<表面処理基板の製造>
後述する表1に示すように、各実施例で使用する樹脂基板の表面処理を実施した。
具体的には、表1に示す各実施例にて使用する樹脂基板(ポリイミド基板、ポリカーボネート基板、または、ポリアミド基板)を用意して、前処理を実施する場合は、表1に記載の前処理を実施し、その後、表1に記載の各種表面処理剤を用いて樹脂基板の表面(前処理が実施されている場合は、前処理が施された樹脂基板の表面)を表面処理した。なお、表1中の「前処理」欄が「−」の場合は、前処理を実施していないことを意図する。
より具体的には、例えば、実施例1で使用する表面処理基板は、ポリイミド基板を、フェニルトリエトキシシランで表面処理した基板に該当する。
表1中の実施例8、11、12および13に関しては、第2表面処理剤で表面処理した後、第3表面処理剤にて表面処理を実施した。
以下、各処理の詳細を示す。
[UV−O処理方法]
ヤマト科学社製UVオゾン洗浄装置OC2506を使用し、樹脂基板を1分間UV照射することにより、表面処理を行った。
[N−プラズマ処理方法]
ヤマト科学社製プラズマクリーナーPDC210を使用し、樹脂基板を、窒素雰囲気下、200Wで60秒間にわたってプラズマ処理することにより、表面処理を行った。
[O−プラズマ処理方法]
ヤマト科学社製プラズマクリーナーPDC210を使用し、樹脂基板を、酸素雰囲気下、200Wで60秒間にわたってプラズマ処理することにより、表面処理を行った。
[第1表面処理剤または第2表面処理剤を用いた処理方法]
第1表面処理剤(または第2表面処理剤)2質量%、および、酢酸2質量%の水溶液を作製し、30分間室温で攪拌して、第1表面処理剤(または第2表面処理剤)を加水分解させた。その後、その溶液に樹脂基板を浸漬させ、1晩放置した。その後、樹脂基板を溶液から取り出し、エタノールで洗浄後、樹脂基板を100℃で1時間乾燥させた。
[実施例8の第3表面処理剤を用いた処理方法]
実施例8においては、上記[第1表面処理剤または第2表面処理剤を用いた処理方法]によって第2表面処理剤にて樹脂基板を表面した後、さらに以下の処理を実施した。
第2表面処理剤にて表面処理が施された樹脂基板を、第3表面処理剤(ベンゼンチオール)2質量%、および、トリエチルアミン0.5質量%のエタノール溶液に24時間浸漬した。その後、エタノール溶液から樹脂基板を取り出し、樹脂基板を130℃で2時間乾燥させ、その後、エタノール洗浄することにより、メタクリレート部位へのチオールの付加反応を実施した。本反応により、樹脂基板表面上にベンゼンチオール由来のベンゼン環が付与された。
[実施例11の第3表面処理剤を用いた処理方法]
実施例11においては、上記[第1表面処理剤または第2表面処理剤を用いた処理方法]によって第2表面処理剤にて樹脂基板を表面した後、さらに以下の処理を実施した。
第2表面処理剤にて表面処理が施された樹脂基板を、第3表面処理剤(2−ナフタレンチオール)2質量%、および、トリエチルアミン0.5質量%のエタノール溶液に24時間浸漬した。その後、エタノール溶液から樹脂基板を取り出し、樹脂基板を130℃で2時間乾燥させ、その後、エタノール洗浄することにより、アクリレート部位へのチオールの付加反応を行った。本反応により、樹脂基板表面上に2−ナフタレンチオール由来のナフタレン環が付与された。
[実施例12および13の第3表面処理剤を用いた処理方法]
実施例12および13においては、上記[第1表面処理剤または第2表面処理剤を用いた処理方法]によって第2表面処理剤にて樹脂基板を表面した後、さらに以下の処理を実施した。
第2表面処理剤にて表面処理が施された樹脂基板を、第3表面処理剤(2−ナフタレンカルボン酸または2−アントラセンカルボン酸)2質量%、および、p−トルエンスルホン酸0.5質量%のエタノール溶液に24時間浸漬した。その後、エタノール溶液から樹脂基板を取り出し、樹脂基板を130℃で2時間乾燥させ、その後、エタノール洗浄することにより、エポキシ部位へのカルボン酸の付加反応を行った。本反応により、樹脂基板表面上に2−ナフタレンカルボン酸由来のナフタレン環、または、2−アントラセンカルボン酸由来のアントラセン環が付与された。
<熱電変換素子の製造>
表1に記載の各実施例および比較例でそれぞれ用意した表面処理基板(厚さ25μm、15×12cm)の一面(表面処理が施されていない面)に、幅0.5mm、厚さ70μmの銅ストライプを0.5mm間隔で形成してなる第1基板12Aを用意した(図3(A)〜図3(D)参照)。
なお、第2基板20Aとしては、厚さ25μm、15×12cmの樹脂基板の一面に、幅0.5mm、厚さ70μmの銅ストライプを0.5mm間隔で形成してなる基板を用意した。なお、樹脂基板としては、各実施例および比較例で使用した表面処理基板を作製するために使用された樹脂基板を、それぞれ用意した。例えば、実施例1では、ポリイミド基板を上記樹脂基板として用いた。
この第1基板12Aの全面が低熱伝導部12aである面(表面処理が施された面)の6×6cmの領域に、スクリーン印刷によってCNT分散液を付与して、0.5×1mmのパターンを1785個、形成した。なお、パターンは、高熱伝導部と低熱伝導部との境界(銅ストライプの境界)と、0.5×1mmのパターンの中心とが一致するように形成した。
パターンを形成した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分間加熱し、さらに、130℃で2.5時間加熱することにより、パターンを乾燥した。
次いで、第1基板12Aを、エタノールに14時間、浸漬した。エタノールに浸漬した第1基板12Aを、ホットプレート上で50℃で30分間加熱し、さらに、130℃で150分間加熱することにより、熱電変換層16を作製した。
次いで、1785個の熱電変換層16を厚さ200nmの金の第1電極26で直列に接続した(図3(B)参照)。第1電極26の形成は、マスクを用いる真空蒸着によって行った。
一方、第2基板20Aの全面が低熱伝導部20aである面に、粘着層18として厚さ25μmの両面テープ(接着剤転写テープ8146−1、3M社製)を貼着した。
この両面テープを、熱電変換層16および第1電極26を覆うように貼着して、図3(A)〜図3(D)に示すような熱電変換モジュールを作製した。なお、第2基板20Aは、熱電変換層16の中心と銅ストライプの境界とが一致し、かつ、銅ストライプの延在方向が第1基板12Aと一致し、さらに、面方向において、第1基板12Aと銅ストライプが重ならないように貼着した。
作製した熱電変換モジュールについて、第1基板12側を下にしてホットプレートに載置し、かつ、第2基板20の上に温度制御用のペルチェ素子を設置した。
ホットプレートの温度を100℃で一定に保って、ペルチェ素子の温度を低下することにより、熱電変換モジュールの第1基板12と第2基板20との間に、10℃の温度差をつけた。
<評価>
(発電量(熱電変換特性)評価)
作製した熱電変換モジュールの発電量の測定を行い、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。
AA:発電量30μW以上
A:発電量25μW以上30μW未満
B:発電量20μW以上25μW未満
C:発電量15μW以上20μW未満
D:発電量15μW未満
(耐曲げ性評価)
作製した熱電変換モジュールを、直径32mmのマンドレル屈曲試験機にセットし、5回折り曲げ、その後、熱電変換モジュールの抵抗を測定することにより、耐曲げ性評価を行い、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1にまとめて示す。なお、以下の抵抗値変動率(%)は、{(曲げ試験後の熱電変換モジュールの抵抗値)−(曲げ試験前の熱電変換モジュールの抵抗値)/(曲げ試験後の熱電変換モジュールの抵抗値)}×100によって求められる。
AA:抵抗値変動率10%未満
A:抵抗値変動率10%以上15%未満
B:抵抗値変動率15%以上20%未満
C:抵抗値変動率20%以上25未満
D:抵抗値変動率25%以上
以下の表1で使用した各表面処理剤の構造式を以下に示す。
上記表1に示すように、所定の表面処理基板を使用した熱電変換素子は、熱電変換性能(発電量)に優れると共に、耐曲げ性にも優れることが確認された。
なかでも、実施例1〜3の比較より、樹脂基板としてポリイミド基板を使用すると、発電量がより優れることが確認された。
また、実施例1と実施例4〜6との比較より、前処理(エネルギー線照射処理)を実施した場合、耐曲げ性がより優れることが確認された。
また、実施例4、7〜8の比較より、MがSiの場合、耐曲げ性がより優れることが確認された。
また、実施例5と実施例11〜13との比較より、上述した基板Bを使用した場合(または、多環芳香環を含む場合)、発電量および耐折り曲げ性がより優れることが確認された。
一方、所定の表面処理剤による処理を実施していない比較例1〜7においては、所望の効果が得られなかった。
1,10 熱電変換素子
2 表面処理基板
6 保護基板
12,12A 第1基板
12a,20a 低熱伝導部
12b,20b 高熱伝導部
5,16 熱電変換層
18 粘着層
20,20A 第2基板
3,26,30,34 第1電極
4,28,32,36 第2電極

Claims (5)

  1. 以下の基板Aおよび基板Bのいずれか一方の表面処理基板と、
    前記表面処理基板の表面処理が施された面上に配置された、カーボンナノチューブを含む熱電変換層と、を有する、熱電変換素子。
    基板A:樹脂基板を、(RM(X)で表される第1表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
    なお、Mは、Si、TiまたはZrを表す。Xは、加水分解性基または水酸基を表す。Rは、1価の有機基を表し、Rのうち少なくとも一つは、芳香環を含む1価の有機基を表す。nは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=4である。ただし、前記1価の有機基には、前記加水分解性基および前記水酸基は含まれない。
    基板B:樹脂基板を、反応性基を有し、かつ、(RM(X)で表される第2表面処理剤で表面処理した後、さらに、前記反応性基と反応する官能基および芳香環を有する第3表面処理剤で表面処理して得られる表面処理基板。
    なお、Mは、Si、TiまたはZrを表す。Xは、加水分解性基または水酸基を表す。Rは、1価の有機基を表し、Rのうち少なくとも一つは、反応性基を含む1価の有機基を表す。nは1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=4である。ただし、前記1価の有機基には、前記加水分解性基および前記水酸基は含まれない。
  2. 前記表面処理基板が、前記基板Bである、請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記芳香環が、多環芳香環である、請求項1または2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記樹脂基板が、エネルギー線照射が施された樹脂基板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記樹脂基板が、ポリイミド基板である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
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