JP2016176793A - 環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環境試験装置は、複合型ベント装置50と、保護装置51を有している。複合型ベント装置50は、高圧開閉型放圧ベント装置70と、低圧開閉型放圧ベント装置71を有するものである。低圧開閉型放圧ベント装置71には、表裏面を貫通する小開口53が形成されている。小開口53の上部側の開口端には、開閉部材55が設けられている。開閉部材55は、ヒンジ45を中心として水平姿勢から、ストッパ61に当接する立姿勢の位置まで揺動する。高圧開閉型放圧ベント装置70は低圧開閉型放圧ベント装置71よりも最低作動圧力が高く、且つ試験室11内の圧力を大気開放する際の有効開口面積が低圧開閉型放圧ベント装置よりも大きい。
【選択図】図2
Description
そのため環境試験の最中に、被試験物からガスが発生する場合がある。またガスの発生が急激に起こり、被試験物が予期せず破裂してしまう様なこともある。また引火性のガスが発生し、予期せず火炎が生じることもある。
そのため環境試験の最中に、試験室内の圧力が急激に上昇し、試験室内が急激に予期しない高圧状態となってしまう場合がある。このような非常事態が発生することを想定し、破裂板式の放圧ベント装置が設けられた環境試験装置がある。
この種の環境試験装置では、試験室に故意に脆弱な部分を作っておき、試験室内の圧力が爆発的に上昇した場合には、当該脆弱な部位を圧力上昇によって破壊させ、他の部位に損傷が及ぶことを防ぐ。
破裂板式の放圧ベント装置は、不可逆的な安全装置であると言え、一旦、放圧ベント装置が作動すると、試験室は大気開放状態のままとなる。そのため一旦、放圧ベント装置が作動すると、放圧ベントの破裂板を取り替えたり、放圧ベントを取り付け直すといった修理が必要となり、一定期間、環境試験装置が使えなくなってしまう場合がある。
そのため破裂板式の放圧ベント装置を採用する環境試験装置を使用して二次電池を試験すると、二次電池が放圧等を起こすたびに環境試験装置は故障状態となり不便である。
大容量の高圧開閉型放圧ベント装置は、従来技術と同様の予期しない爆発等に対処するものであり、環境試験装置自体の壊滅的な破壊を阻止するために設けられたものである。
本願発明では、高圧開閉型放圧ベント装置の他に、小容量の低圧開閉型放圧ベント装置を有している。低圧開閉型放圧ベント装置は、例えば二次電池を対象とする充放電試験で頻繁に発生するガスの発生や破裂、消火用ガスの噴射等に対処するものであり、予期された小規模のガス放出等に対処するものである。
低圧開閉型放圧ベント装置は高圧開閉型放圧ベント装置に比べて小型であり、作動した後の復旧が容易である。また作動した後に、自動的に復旧する様な構造を採用することもできる。
高圧開閉型放圧ベント装置は、試験室内の圧力が通常圧に戻っても試験室内の圧力を大気開放し続ける不可逆的ベント装置である。これに対して低圧開閉型放圧ベント装置は、試験室内の圧力が通常圧に戻ると試験室内を密閉状態に戻す可逆的ベント装置である。低圧開閉型放圧ベント装置は、一旦作動した後、試験室内の圧力が通常圧に戻ると自動的に復旧する。
本実施形態の環境試験装置1は、図2に示す様に、公知の環境試験装置に複合型ベント装置50と、保護装置51を付加したものである。
最初に公知の環境試験装置と共通する部分について簡単に説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、断熱壁20によって覆われた断熱槽22を有している。断熱槽22の内部には、図2の様に仕切り壁23があり、試験室11と空気調和機器設置部17に区画されている。
本実施形態では、空気調和機器設置部17は一連の空気流路を形成しており、当該空気流路に前記した加湿装置25、冷却装置26、加熱装置27、及び送風機28が置かれている。
また空気流路の出口側(開口30側)に、温度センサー33と湿度センサー34が設けられている。環境試験装置1では、前記した空気調和機器設置部17内の部材と、温度センサー33及び湿度センサー34によって試験室11内に所定の環境を作り、この環境を維持することができる。
試験室11は、断熱槽22の一部に形成された空間であり、被試験物を設置して環境試験を行うための空間である。
本実施形態で採用する試験室11は、正面壁35、天面壁36、底面壁37、左右側面壁40,41及び奥面壁(仕切り壁23)を有している。
正面壁35、天面壁36、底面壁37、左右側面壁40,41は、いずれも断熱壁である。
本実施形態では、試験室11は、図1、図2の様に正面側に開閉扉21が設けられており、正面側を開放することができ、正面の開閉扉21を開いて被試験物を試験室11に出し入れすることができる。なお本実施形態では、正面壁35は実質的に開閉扉21によって構成されている。
また本実施形態では、開閉扉21が閉状態であることを検知する扉開閉検知手段38が設けられている。扉開閉検知手段38は、具体的にはリミットスイッチである。
複合型ベント装置50は、高圧開閉型放圧ベント装置70と、低圧開閉型放圧ベント装置71を合体したものであり、高圧開閉型放圧ベント装置70としての機能と、低圧開閉型放圧ベント装置71としての機能を備えている。
具体的に説明すると、複合型ベント装置50は、その外郭部分66が、高圧開閉型放圧ベント装置70の封止部材52として機能する。また複合型ベント装置50に形成された小開口53と開閉部材55によって低圧開閉型放圧ベント装置71が構成されている。
本実施形態の複合型ベント装置50は、前記した高圧開閉型放圧ベント装置70の封止部材52として機能する部位に、低圧開閉型放圧ベント装置71の構成要素たる小開口53と開閉部材55が設けられた構造である。
図4、図5に示す様に複合型ベント装置50の外郭部分66は、金属板56で覆われ、内部に断熱材57が内蔵されている。
複合型ベント装置50の上面には、全周に渡ってフランジ58が設けられている。
複合型ベント装置50には、中央に内径80mmから200mm程度の管60が配置されており、当該管60によって複合型ベント装置50の表裏面が貫通されている。従って複合型ベント装置50の中央には、表裏面を貫通する小開口53が形成されている。
小開口53の上部側の開口端には、図示しないシール部材が設けられている。
開閉部材55がストッパ61に設けられた開放検知手段62と当接した際の開閉部材55の角度は、図7(b)の様に水平に対して90度を超えない。具体的には開閉部材55は、70度から85度程度の姿勢で、開放検知手段62と当接する。
開放検知手段62は、開閉部材55が全開状態であることを検知するものであり、開閉部材55が開放検知手段62に当たった状態のときにオンを検知する。
封鎖検知手段63は、開閉部材55が全閉状態であることを検知するものであり、開閉部材55が小開口53の開口端に当たった状態のときオンを検知する。
なお複合型ベント装置50のフランジ58が、大開口65の縁と係合しており複合型ベント装置50が試験室11側に落下することはない。
また複合型ベント装置50と試験室11との間には、ネジやクギ、リベット等の強固な結合を実現する締結要素や、溶接等の永久締結構造はない。複合型ベント装置50は図示しない接着手段や粘着手段等の比較的結合強度が低い構造によって固定されているに過ぎない。「比較的結合強度が低い構造」の例としては、圧入等の物理的な摩擦力を利用したものや、接着剤等の化学的結合を利用したものが考えられる。
本実施形態では、接着層や粘着層が積層されたテープやシート等の接着部材を利用した構造が採用されている。
接着部材は例えばアルミ箔等の金属箔(具体的には金属テープ)の一面に粘着層が設けられたものであり、気密性と、ある程度の引っ張り強度を有している。しかしながら、複合型ベント装置50の取り付けには、ネジやリベット等の機械的締結要素や、溶接等の永久締結構造は採用されていないため、複合型ベント装置50に試験室11側から強い力が掛かると、接着部材(具体的には金属テープ)が剥がれ、複合型ベント装置50が試験室11の大開口65から離脱する。
電磁弁78を開くと、ノズル77から試験室11内に二酸化炭素が噴射される。
ここで二次電池からの放圧や消火器からの消火ガスの噴射等があると、放圧等の程度に応じて複合型ベント装置50が動作することとなる。
説明の便宜上、複合型ベント装置50が無かった場合に、環境試験装置1の開閉扉21が変形してしまう程度の放圧を巨大放圧と称し、開閉扉21のパッキンが破壊される程度の放圧を大放圧と称し、それよりも規模の小さい放圧を小放圧と称する。
複合型ベント装置50の高圧開閉型放圧ベント装置70は、作動最低圧力が、開閉扉21の耐圧よりも低い。言い換えると、高圧開閉型放圧ベント装置70の作動最低圧力は、環境試験装置1に致命的な損傷を与えない限度に高い。
低圧開閉型放圧ベント装置71の作動最低圧力は、高圧開閉型放圧ベント装置70の作動最低圧力に比べてはるかに低く、例えば開閉扉21を勢い良く閉じた場合にも作動する。
また複合型ベント装置50を固定する接着部材(具体的には金属テープ)は、複数個の二次電池から同時に激しく放圧等があった場合に破壊されて複合型ベント装置50を開放する程度の強度で複合型ベント装置50を固定している。
本実施形態では、天面壁36に設けられた大開口65と、複合型ベント装置50の外郭部分66によって高圧開閉型放圧ベント装置70が構成されている。
また本実施形態では、複合型ベント装置50に形成された小開口53と複合型ベント装置50に載置された開閉部材55によって低圧開閉型放圧ベント装置71が構成されている。
そして小放圧が収まると、図6(c)の様に、開閉部材55は自重で元の姿勢に復帰する。小放圧が収まると、小開口53は半開状態から全閉状態となる。
低圧開閉型放圧ベント装置71は、試験室11内の圧力が通常圧に戻ると試験室11内を密閉状態に戻す可逆的ベント装置である。
高圧開閉型放圧ベント装置70が機能し、複合型ベント装置50が試験室11の大開口65から外れると、大開放検知スイッチ67が機能し、これを検知する。
また本実施形態では、試験室11の上部に防護ケース16が設けられているから、複合型ベント装置50が勢い良く吹き飛ばされても、周囲の機器や作業者に危害が加わることはない。
試験室11内の圧力が平常である場合は、図6(a)(c),図7(a)の様に、開閉部材55は小開口53の開口端と接していて小開口53を塞いでおり、小開口53は全閉状態である。小開口53が全閉状態である際には、封鎖検知手段63がオンを検知し、開放検知手段62はオフを検知する。
試験室11内で小放圧が発生すると、図6(b)の様に開閉部材55は小開口53の開口端を離れ、半開状態となって封鎖検知手段63の検知状態はオンからオフに変化する。この際、開閉部材55はストッパ61の位置まで至らず、開放検知手段62の検知状態はオフのままである。
試験室11内で小放圧が収まると、図6(c)の様に、開閉部材55の姿勢が元に戻って小開口53は全閉状態となり、開閉部材55が小開口53の開口端と接して封鎖検知手段63がオンを検知する。一方、開放検知手段62の検知状態はオフのままである。
さらにその後に小開口53は全閉状態となり、開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知し、同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知しない状態に復帰する。
この場合は、封鎖検知手段63の検知状態はオンとオフを交互に繰り返す。開放検知手段62はオフを検知し続ける。
開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知せず同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知しない状態と、開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知し同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知しない状態とを繰り返す場合には、試験室11内で小放圧が連続的に発生している可能性が高い。
本実施形態では、開閉部材55が半開状態となって一定時間が経過した場合は、開閉部材55の固着が疑われるから、表示装置(報知手段)5に「故障」の疑いがある旨の表示を行う。この場合の一定時間は、5秒以上であることが望ましい。
開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知せず同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知した場合には、試験室11内で大放圧が発生している可能性が高い。
開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知せず同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知する状態と、開閉部材55が小開口53を封鎖していることを封鎖検知手段63が検知し同時に開閉部材55が小開口53を開放していることを開放検知手段62が検知しない状態とが繰り返された場合には、試験室11内で大放圧が連続的に発生している可能性が高い。
本実施形態では、試験室11の開閉扉21が閉状態であることを検知する扉開閉検知手段38が設けられている。保護装置51や被試験物保護機能を起動させるか否かの判定と、表示装置(報知手段)5の表示内容は、開放検知手段62及び封鎖検知手段63の検知状況と、扉開閉検知手段38の検知状況に基づいて決定される。
試験室11内の圧力が放圧によって上昇するのは、開閉扉21が閉じられている場合に限って発生する現象であるから、表示装置(報知手段)5に警告等を表示する場合や、保護装置51等を起動する場合は、開閉扉21が閉じられていることを扉開閉検知手段38が検知していることが条件となる。
従って、開閉扉21が閉じられていることを扉開閉検知手段38が検知した後、一定の時間は、試験室11内の圧力が高くなっても、表示装置(報知手段)5や保護装置51等の起動をする必要はない。本発明者らの経験則によると、開閉扉21を開閉したことに起因する試験室11内の圧力上昇は、1分以内に収斂するので、タイマーで1分程度の時間を計時し、その間における開放検知手段62及び封鎖検知手段63の検知状況は、表示装置(報知手段)5に警告等を表示するか否か等の判断に反映させないことが望ましい。
また大放圧や巨大放圧が発生した場合、及び小放圧が連続的に発生した場合には、保護装置51が起動し、電磁弁78が開かれてノズル77から試験室11内に二酸化炭素が噴射される。
小放圧以上の放圧が発生した場合には、被試験物保護機能を動作させる。
一方、試験室11内で小放圧が連続的に発生し、図6(b)の様に開閉部材55が小開口53の開口端を離れた状態を維持して封鎖検知手段63がオフを一定時間検知し続けた場合や、開閉部材55が小開口53を閉鎖する状態と開放する状態を繰り返した場合は、表示装置(報知手段)5から強度の警告が発せられる。
また保護装置51が起動し、電磁弁78が開かれてノズル77から試験室11内に二酸化炭素が噴射される。
開放検知手段62と封鎖検知手段63とが同時にオフを検知した状態が長時間に渡って続く場合も何らかの故障であると考えられるから、表示装置(報知手段)5にその旨の表示がなされる。
試験室11内で大放圧が発生した場合であって、ベント装置が全く無い場合を想定すると、試験室11内の圧力は、図9の左のグラフの様に急激に上昇し、開閉扉21のパッキンを破壊してしまう。
その後、パッキンの破れから試験室11内のガスが逃げ、試験室11内の圧力は少しずつ低下する。
これに対して、破裂板式の放圧ベント装置(大ベント)だけを有する場合は、図9の中央のグラフの様に、大ベントの設定圧力を超えた段階で、大ベントが破壊され試験室11内の圧力は急激に低下する。破裂板式の放圧ベント装置(大ベント)だけを有する場合は、パッキンの破壊は防止できるが、破裂板式の放圧ベント装置(大ベント)が破壊されるので、試験の長期に渡る中断は免れない。
そのため試験が長時間に渡って中断することはない。
しかしながら、巨大放圧は、予期しない規模の放圧であり、滅多に発生することはない。
なお本実施形態によると、低圧開閉型放圧ベント装置71の設定圧力を超えた段階で低圧開閉型放圧ベント装置71が開くので、図10の右のグラフの様に、低圧開閉型放圧ベント装置71の設定圧力を超えた段階で圧力上昇がやや鈍化する。そのため図10の様に高圧開閉型放圧ベント装置70が作動するタイミングを遅らせる効果が期待できる。
破裂板式の放圧ベント装置(大ベント)だけを有する場合も同様であり、図11の中央のグラフの様に、圧力が上昇し、小放圧が収まると、試験室11の隙間等からガスが逃げ、試験室11内の圧力は少しずつ低下する。
この様な場合は、環境試験装置1を急激に破壊することはないものの、パッキン等は、長時間に渡って高い圧力にさらされることとなり、痛みやすい。
この場合にも、開閉部材55が浮き上がって小開口53を開放することとなるが、放圧等が発生した訳ではないから、警報等を発するべきではない。
具体的な対策としては、封鎖検知手段63に短時間のタイマーを介在させ、極短時間だけ封鎖検知手段63がオフを検知した場合は、警告等を表示させないプログラムとすることが考えられる。
また図13、図14に示す複合型ベント装置80,81は、外郭部を二つに分割し、その一方に低圧開閉型放圧ベント装置71を形成せしめている。
図13に示す複合型ベント装置80は、外郭部分66を中央で分割した例を示し、図14に示す複合型ベント装置81は、低圧開閉型放圧ベント装置71側が大きくなる様に分割した例を示す。
同様に外郭部分66を分割する場合、分割面積に大小を設けると、放圧能力に変化を持たせることができ、放圧等が発生した場合に、試験室11内の圧力を段階的に開放するとができる。
また複数のベント装置の一つを試験室11の左右側面壁40,41等の天面壁36以外の面に設けてもよい。
さらに大、中、小という様に3以上のベント装置を設けてもよい。
例えば、開閉部材55が開放検知手段62と当接した際の開閉部材55の角度を90度を超える角度とすることにより、開閉部材55の全開状態を維持させることができる。
しかしながら、開閉部材55が小開口53を開いた状態を維持して封鎖検知手段63がオフを一定時間検知し続けた場合、試験室11内で小放圧が連続的に発生しているという仮説に立ち、表示装置(報知手段)5から強度の警告を発する構造としてもよい。
図16、図17を参照しつつ他の構造の高圧開閉型放圧ベント装置82を備えた複合型ベント装置83について説明する。
複合型ベント装置83は、図16の様に上蓋部材85と、箔部材86と、グラスウール等の断熱綿87によって構成されている。
上蓋部材85には、管60(小開口53)と、開閉部材55、ヒンジ45、ストッパ61、開放検知手段62及び封鎖検知手段63が設けられている。
これらの構造は、前記した実施形態と同一であるから、詳細な説明を省略する。
上蓋部材85の管60の下端は、試験室11の天面壁36の近傍に垂下している。そして管60の周囲と、試験室11の天井面89との間に箔部材86が設けられている。箔部材86は、具体的にはアルミ箔である。
そして箔部材86と上蓋部材85の間に、断熱綿87が詰め込まれている。
例えば一回でも小開口53が全開状態となれば表示装置(報知手段)5から強度の警告を発するが、保護装置51はこれだけでは起動させず、小開口53が全開状態となることが一定時間内に複数回発生したことを条件として保護装置51を起動することとしてもよい。
大開放検知スイッチ67は必ずしも必要ではない。
低圧開閉型放圧ベント装置71の開閉部材55は軽いので、被試験物からの放圧等だけでなく、消火器からの消火ガスの噴射等による試験室11の圧力上昇にも対応することができ、試験室11に与えるストレスが小さくなる。
また初期の急激な圧力上昇が小口径の低圧開閉型放圧ベント装置71によって緩和されるので、大口径のダンパ板を使用する場合に懸念される強度や重量の影響で追従性が悪いという短所を解消することができる。
低圧開閉型放圧ベント装置71の開閉部材55は軽量であり、且つ開閉式であってほとんど破損することがないので、通常の使用では高圧開閉型放圧ベント装置70が動作することがなく、メンテナンス性が高い。
低圧開閉型放圧ベント装置71は小さな圧力変化で開閉するので、大放圧が生じた場合でも圧力上昇速度を低下させられ、高圧開閉型放圧ベント装置70が動作する頻度を大幅に下げることができる。また、高圧開閉型放圧ベント装置70は少なくとも試験室11の設計耐圧以下で開放されるので、試験室11が破損する可能性が非常に低くなる。
大口径の高圧開閉型放圧ベント装置70と、小口径の低圧開閉型放圧ベント装置71を同一の平面であって且つ環境試験装置の天井に設置する場合は設置効率が高い。
そのため小さな環境試験器でも、大口径の高圧開閉型放圧ベント装置70と、小口径の低圧開閉型放圧ベント装置71を設置することが可能となる。
また各スイッチの動作状況の組み合わせで放圧の程度をある程度推測することができる。
また各スイッチの動作回数を組み合わせることで、さらに放圧の状況を推測することができる。
さらに判断した内容に応じた保護動作を行うことができる。
さらに開閉扉の開閉状況を組み合わせることで、誤検知の可能性を大幅に低下させることができる。
5 表示装置
11 試験室
17 空気調和機器設置部
25 加湿装置
26 冷却装置
27 加熱装置
28 送風機
38 扉開閉検知手段
45 ヒンジ
50 複合型ベント装置
51 保護装置
52 封止部材
53 小開口
55 開閉部材
61 ストッパ
62 開放検知手段
63 封鎖検知手段
65 大開口
70 高圧開閉型放圧ベント装置
71 低圧開閉型放圧ベント装置
80,81 複合型ベント装置
82 高圧開閉型放圧ベント装置
83 複合型ベント装置
Claims (4)
- 被試験物を配置する試験室と、試験室の内部の環境を調整する環境調整手段を有する環境試験装置において、
試験室内が異常高圧状態となった場合に試験室内の圧力を大気開放する少なくとも2以上の放圧ベント装置を有し、
一つの放圧ベント装置は低圧開閉型放圧ベント装置であり、他の一つの放圧ベント装置は高圧開閉型放圧ベント装置であり、高圧開閉型放圧ベント装置は低圧開閉型放圧ベント装置よりも最低作動圧力が高く、且つ試験室内の圧力を大気開放する際の有効開口面積が低圧開閉型放圧ベント装置よりも大きいことを特徴とする環境試験装置。 - 低圧開閉型放圧ベント装置は、試験室内が異常高圧状態となった場合に試験室内の圧力を大気開放し、試験室内の圧力が通常圧に戻ると試験室内を密閉状態に戻す可逆的ベント装置であり、高圧開閉型放圧ベント装置は、試験室内が異常高圧状態となった場合に試験室内の圧力を大気開放し、試験室内の圧力が通常圧に戻っても試験室内の圧力を大気開放し続ける不可逆的ベント装置であることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
- 高圧開閉型放圧ベント装置は、試験室に連通する大開口と当該大開口を封鎖・開放する封止部材によって構成され、低圧開閉型放圧ベント装置は、前記高圧開閉型放圧ベント装置の封止部材に設けられていて試験室に連通する小開口と当該小開口を封鎖・開放する開閉部材によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
- 低圧開閉型放圧ベント装置又は高圧開閉型放圧ベント装置の少なくとも一方に、試験室内の圧力を大気開放する状態となったことを検知する開閉検知手段が設けられ、
装置及び/又は被試験物の損傷を防ぐ保護装置を有し、前記開閉検知手段が試験室内の圧力を大気開放する状態となったことを検知したことを条件の一つとして保護装置が起動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
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