JP2016176554A - 制振構造体 - Google Patents

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真路 山本
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真路 山本
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和明 高畑
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Kazumasa Shibata
和誠 柴田
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Hiroki KASAMA
洋樹 笠間
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    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • F16F15/04Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems using elastic means
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    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F2236/00Mode of stressing of basic spring or damper elements or devices incorporating such elements
    • F16F2236/04Compression

Abstract

【課題】モータなどの加振源からフレームに伝達される振動を低減可能な制振構造体の提供。【解決手段】駆動フレーム101とピン部材114との間に圧縮保持した制振材112を歪ませて、駆動フレーム101を振動させる振動エネルギーを熱エネルギーに変換させる。そのための構成として、制振材112を圧縮して保持すると共に、制振材112の駆動フレーム101に接する面と反対側の面に駆動フレーム101の振動を伝える制振ピン110を、駆動フレーム101とメインフレーム102との間に設けた。こうすると、駆動フレーム101の振動が制振材112の表面側と裏面側の両面に効率的に伝えられ、制振材112に歪みが生じやすくなる。このように、制振ピン110を設けたことで、振動を効率よく低減して振動起因の放射音を大幅に低減することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、モータなどの加振源からフレームに伝達される振動を低減可能な制振構造体に関する。
近年、プリンタなどの事務製品や冷蔵庫などの家電製品、あるいは自動車や建材などの各種製品では、軽量化のため、例えば筐体等のフレーム類を厚みが薄い金属板などによって形成している。このようなフレーム類は、例えばモータ等の加振源で発生した振動が伝達されると放射音を発生する可能性がある。そこで、加振源から振動が伝達されるフレーム類などの被振動部材の振動を低減することが望まれる。例えば、被振動部材の一部又は全体の表面に制振材を貼りつけることで被振動部材の振動を低減する方法が従来から知られている(特許文献1)。また、被振動部材の振動を低減する別の方法として、2枚の金属薄板間に制振材を挟んで溶着した制振鋼板を被振動部材に貼りつける方法も知られている。
さらに、金属薄板を外板に用いた構造体において、金属薄板を補強する梁と金属薄板との間に音響減衰シートを当接させて、金属薄板を叩いた時に発生する響き音を低減させる金属薄板構造体が提案されている(特許文献2)。
一方、建築業界では、地震等によって発生し得る振幅が大きく且つ周波数が低い振動の振動エネルギーを吸収させることによって振動を低減する装置が多く見られる。例えば、内筒状剛性部材と外筒状剛性部材とを相対移動し得る2つの異なる物体にそれぞれ取り付ける。これら内筒状剛性部材と外筒状剛性部材とは、粘弾性エネルギー吸収体を介在させて一体的に結合されている。具体的には、内筒状剛性部材と外筒状剛性部材との間に未加硫ゴムを充填した状態で加硫したり樹脂材料を充填して発泡させたりして、両部材を一体的に接着している。そして、これら両部材の間に介在する粘弾性エネルギー吸収体によって、両部材間に生ずる振動を低減するダンパー装置が提案されている(特許文献3)。
特開2006−168652号公報 特開平9−125558号公報 特開2007−278411号公報
しかしながら、被振動部材に制振材や制振鋼板などを貼りつける方法の場合、多量の制振材を必要とするのでコスト高に繋がるだけでなく、そもそも振動を低減する効果があまり高くなかった。また、制振鋼板は曲げや絞り等の加工が難しいために、特に貼りつけ位置が限定される場合には設置が難しい。
特許文献2に記載の金属薄板構造体は、1枚の金属薄板(フレーム)の2辺間に梁が設置されるものである。梁を設置するのに広い面積が必要とされるので、金属薄板上に多くの部品が配置されている場合、梁の設置位置が限定され設置が難しくなる。また、金属薄板面積が広くなるほど多量の音響減衰シートが必要とされるので、コストが高くなる。
特許文献3に記載のダンパー装置は、地震のような振幅が大きく且つ周波数が低い振動に対する振動低減効果は大きい。しかし、地震に比較して振幅が小さくまた周波数が高い機械振動に対しては、粘弾性エネルギー吸収体に歪みが生じ難く振動低減効果が小さいと考えられる。また、内筒状剛性部材と外筒状剛性部材との間に未加硫ゴムを充填した状態で加硫したり樹脂材料を充填して発泡させたりして両部材を一体的に接着するため、製造の手間がかかる。例えば、金属加工工場で製造された両部材を、ゴムなどの材料の製造工場に持ち込んで両部材間にゴムなどの材料を充填することが考えられる。この場合、両部材と粘弾性エネルギー吸収体とをそれぞれ別に製造して、組み付け工場でこれらを組み付ける場合と比べて製造の手間がかかってしまう。特に、内筒状剛性部材と外筒状剛性部材とを振動を低減したい物体に組み付けた状態、あるいは、これら両部材が対象となる物体と一体に形成されている場合には、製造しにくい。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、低コストで、且つ、製造が容易で、少量の制振材であっても加振源からフレームに伝達された振動を十分に低減可能な振動低減効果の高い制振構造体の提供を目的とする。
本発明に係る制振構造体は、加振源を有し、前記加振源によって振動される第一フレームと、前記第一フレームに連結される第二フレームと、前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる突出部と、前記突出部の端部と対向する前記他方のフレームに設けられる対向部と、前記突出部と前記対向部との間で圧縮されて保持される制振材と、を備え、前記制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記突出部よりも剛性が低く、且つ、前記突出部と前記対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、ことを特徴とする。
本発明に係る制振構造体は、加振源を有し、前記加振源によって振動される第一フレームと、前記第一フレームに対向配置される第二フレームと、前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる突出部と、前記他方のフレームに設けられ、前記突出部の端部と前記突出部の突出する方向に交差する方向に対向した位置に配置される対向部と、前記突出部と前記対向部との間で圧縮されて保持される制振材と、を備え、前記制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記突出部よりも剛性が低く、且つ、前記突出部と前記対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、ことを特徴とする。
本発明に係る制振構造体は、第一加振源を有し、前記第一加振源によって振動される第一フレームと、前記第一フレームに連結される第二フレームと、前記第二フレームに連結される第三フレームと、前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる第一突出部と、前記第一突出部の端部と対向する前記第一フレーム又は前記第二フレームのうちの前記他方のフレームに設けられる第一対向部と、前記第一突出部と前記第一対向部との間で圧縮されて保持される第一制振材と、前記第二フレームと前記第三フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる第二突出部と、前記第二突出部の端部と対向する前記第二フレーム又は前記第三フレームのうちの前記他方のフレームに設けられる第二対向部と、前記第二突出部と前記第二対向部との間で圧縮されて保持される第二制振材と、を備え、前記第一制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記第一突出部よりも剛性が低く、且つ、前記第一突出部と前記第一対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上であり、前記第二制振材は、前記第二フレーム、前記第三フレーム、前記第二突出部よりも剛性が低く、且つ、前記第二突出部と前記第二対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、ことを特徴とする。
本発明によれば、低コストで、且つ、製造が容易で、少量の制振材であっても加振源からフレームに伝達される振動を十分に低減可能な振動低減効果の高い制振構造体を提供できる。
本発明に係る制振構造体を適用可能な画像形成装置の構成を示す概略断面図。 駆動ユニットの構成を示す上面断面図。 第1実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 制振ピンを示す斜視図であり、(a)は押圧部材のある場合、(b)は押圧部材のない場合である。 実験用簡易駆動ユニットを示す概略構成図であり、(a)はフレームのみ、(b)は全面制振材、(c)は制振ピン、(d)はピン部材のみを設けた場合である。 第1実施形態の駆動ユニットと比較例との実験結果を示すグラフであり、(a)は放射音の音圧レベル、(b)は音圧レベルのオーバーオール値を示す。 フレームをピン部材のみで結合した場合の実験結果を示すグラフであり、(a)は放射音の音圧レベル、(b)は音圧レベルのオーバーオール値を示す。 制振材の圧縮量を変えた場合の実験結果を示すグラフであり、(a)は放射音の音圧レベルのオーバーオール値、(b)は振動レベルのオーバーオール値を示す。 制振材と防振材を用いた場合の実験結果を示すグラフであり、(a)は放射音の音圧レベル、(b)は音圧レベルのオーバーオール値、(c)は振動レベルのオーバーオール値を示す。 制振材と防振材を用いた場合の放射音の音圧レベルと振動レベルを硬度毎に示すグラフ。 制振ピンとバネピンを用いた場合の実験結果を示すグラフであり、(a)は放射音の音圧レベル、(b)は音圧レベルのオーバーオール値、(c)は振動レベルのオーバーオール値を示す。 制振ピンの個数が異なる場合の実験結果を示すグラフであり、(a)は制振ピンの配置位置、(b)は放射音の音圧レベル、(c)は音圧レベルのオーバーオール値を示す。 第2実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第3実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第4実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第5実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第6実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第7実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。 第8実施形態の駆動ユニットを示す概略斜視図。 制振ピンを説明する断面図。 制振ピンとフレームの接続部を拡大して示す斜視図。 第8実施形態の駆動ユニットと比較例との実験結果を示すグラフ。 第9実施形態の駆動ユニットを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図を示す。 第10実施形態の駆動ユニットを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図を示す。 第11実施形態の駆動ユニットを示す概略断面図。
[画像形成装置]
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本発明に係る制振構造体を適用可能な画像形成装置について、図1を用いて説明する。図1に示す画像形成装置は、転写材搬送ベルト5に沿って画像形成部PY、PM、PC、PKを縦に配列したタンデム型直接転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて、転写材搬送ベルト5に担持され搬送される転写材S(記録用紙、OHPシート、布等のシート材など)に転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて、転写材搬送ベルト5に担持され搬送される転写材Sに転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、転写材搬送ベルト5に担持され搬送される転写材Sに転写される。四色のトナー像を転写された転写材Sは、転写材搬送ベルト5から曲率分離して定着装置14へ送り込まれる。転写材Sは、定着装置14で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、機体外部へ排出される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、同一に構成される。そこで、以下では、代表としてイエローの画像形成部PYについて説明し、その他の画像形成部PM、PC、PKについては、説明中の符号末尾のYを、M、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部PYは、像担持体としての感光ドラム1Yを囲んで、帯電ローラ2Y(一次帯電器)、露光装置3Y、現像装置4Y、転写ローラ12Yを配置している。感光ドラム1Yは、外周面に感光層が形成され、所定のプロセススピードで図1において時計回りに回転される。
帯電ローラ2Yは、感光ドラム1Yを一様な負極性の暗部電位に帯電させる。露光装置3Yは、各色の分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1Yの表面に画像の静電潜像を形成する。現像装置4Yは、トナーを感光ドラム1Yに供給して静電潜像をトナー像に現像する。
転写ローラ12Yは、転写材搬送ベルト5に圧接して、感光ドラム1Yと転写材搬送ベルト5との間にトナー像の転写部を形成する。転写ローラ12Yにトナーの帯電極性と逆極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラム1Yに担持されたトナー像が転写材搬送ベルト5上の転写材Sへ転写される。転写後に感光ドラム1Y上に担持されたまま残る所謂転写残トナーは、不図示のドラムクリーニング装置により除去される。
[駆動ユニット]
本実施形態において、画像形成部PYは単体で動作せず、画像形成装置本体に装着されて、装置本体から駆動力の伝達や電力の供給等を受けることで動作するプロセスカートリッジとして構成される。そのため、画像形成装置本体には、画像形成部PYを有するプロセスカートリッジを着脱可能な駆動ユニットが設けられている。画像形成部PYつまり感光ドラム1Y、帯電ローラ2Y、現像装置4Y等は、駆動ユニットによって動作される。図2に、駆動ユニットを示す。
図2に示すように、駆動ユニット100は、装置本体のメインフレーム102の板状(面状)部分に取り付けられる。駆動ユニット100は、メインフレーム102に対向する板状(面状)の駆動フレーム101を有する。駆動フレーム101には、回転駆動力を発生する駆動源としての駆動モータ103と、複数の回転体としてのギアを組み合わせたギア列104と、例えば感光ドラム1Y等の回転軸(不図示)を接続する接続部20が設けられている。駆動モータ103は駆動フレーム101の一方の面側(裏面側)に、ギア列104及び接続部20は駆動モータ103と反対側の駆動フレーム101の他方の面側(感光ドラム1Y等の取付側、表面側)に配置される。なお、本明細書では、説明の都合上、駆動ユニット100の各フレーム面に関して感光ドラム1Y等が取り付けられる面を表面と呼び、その反対側の面を裏面と呼ぶ。例えば図2の場合、図面下方が表面側に相当し、図面上方が裏面側に相当する。
駆動モータ103のモータ軸Mは、駆動フレーム101に設けられた貫通穴(不図示)を通り表面側へと突出している。モータ軸Mには、ギア列104のギアの1つを構成する駆動ギアが取り付けられている。駆動モータ103により発生される回転駆動力はギア列104を介して接続部20へと伝達され、これに伴い接続部20に接続された感光ドラム1Y等を回転させる。
ところで、駆動ユニット100の駆動モータ103やギア列104は振動を発生する加振源となり得、その振動は駆動フレーム101やメインフレーム102に伝達され得る。駆動フレーム101は、振動が伝達されると放射音を発生し得る。一般的に、板状(面状)のフレームは、広帯域の不規則振動が印加されると、フレーム面上に広帯域の周波数領域で数多くの共振が一度に励起される場合があり、その場合、鋭い固体伝播音つまり放射音を発生する。この点に鑑みると、放射音を低減するにはフレーム面の振動を低減する必要がある。そこで、本発明者らは、フレームの振動に起因する放射音を低減可能な制振構造体として、制振ピンを有する駆動ユニットを提案する。この駆動ユニットについて詳しく説明する。なお、図示の都合上、以下に示す各図では接続部20等の駆動ユニットの一部の図示を省略している。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る駆動ユニットについて説明する。まず、駆動ユニットについて図3を用いて説明する。図3に示す駆動ユニット100は、駆動モータ103とギア列104とが駆動フレーム101に設けられている。第一フレームとしての駆動フレーム101は、1枚の板の両端部が表面側に折り曲げられて第二フレームとしてのメインフレーム102に連結されている。これら駆動フレーム101とメインフレーム102とによって形成される空間内に、ギア列104が収められている。駆動フレーム101とメインフレーム102とは連結されるが故に、駆動モータ103で発生した振動は駆動フレーム101を振動させ、さらに駆動フレーム101を介して伝達されてメインフレーム102を振動させる。
図3に示すように、駆動ユニット100は、メインフレーム102から駆動フレーム101に向けて立設された制振ピン110を有する。制振ピン110(詳しくはピン部材114)は、一端がビス、カシメ、溶接、接着、磁石などの結合方法によってメインフレーム102に結合される。制振ピン110はメインフレーム102とほぼ同位相かつ同振幅で振動するように、メインフレーム102に剛に結合される。制振ピン110は、駆動フレーム101が振動した場合に振動振幅が平均よりも大きくなる箇所や、振動振幅が最も大きくなる箇所などに1乃至複数配置される。
制振ピン110の他端は駆動フレーム101に結合されずに、駆動フレーム101との間で制振材112を保持できるようになっている。駆動フレーム101には、制振ピン110の端面に対向する位置に、対向部としての被圧接面30が設けられている。制振ピン110は、ピン部材114と駆動フレーム101の表面の一部である被圧接面30との間に制振材112を圧接させて保持する。即ち、制振材112は、ピン部材114と被圧接面30との間で圧縮された状態で保持される。例えば、制振ピン110は厚さ3mmの制振材112を圧縮量500μm(約17%)で圧縮した状態で保持することができる。制振材112は圧縮して使用するため、圧縮前の厚みが制振ピン110の端面と駆動フレーム101との間の隙間よりも大きい厚さのものが用いられる。また、制振材112は柔らかいつまり硬度の低い方が圧縮させ易いので、制振ピン110に用いるには硬度の低い方が適している。なお、制振材112は、駆動フレーム101に両面テープなどで固定されてよい。
制振材112は例えば特殊アクリルゴムなどで形成され、圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である振動エネルギー吸収部材である。また、制振材112は、その剛性が駆動フレーム101、メインフレーム102、ピン部材114の剛性よりも低い。制振材112としては、例えば北川工業社製ロストマーAGLなどの高減衰ゴムシート等が挙げられる。制振は構造体の共振点周りの振動エネルギーを熱エネルギーに変換させる技術であり、制振材は、被振動部材の表面を振動させる振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、被振動部材の振動を低減するものである。また、制振材は、圧縮されることによって圧縮前よりも損失係数が高くなるといった特性を持つ。そして、制振材112の損失係数が高いほど、被振動部材の振動はより大きく低減され得る。なお、ここで言う剛性とは変形のしやすさを表す概念であり、具体的にはヤング率によって表される。ヤング率は、引張試験で計測を行うことにより得られる。
これに対し、制振材112に似て非なるものとして防振材がある。防振は、例えば建築物等において構造体の振動を基礎部等の接合部から他の構造物や基礎に振動を伝達させない技術であり、防振材は、振動を発生する振動源と被振動源の間の振動伝達率を小さくすることで振動を遮断するものである。こうした防振材を上述の制振ピン110に使用すると、防振材の振動絶縁効果によって振動が防振材を設けた箇所で反射されるだけで、振動は被振動部材の表面に残り低減されない。そのため、振動に起因する放射音はほとんど低減されない。このように、防振材では振動を低減する効果が殆ど得られないため、制振ピン110に用いるには適さない。
機械インピーダンス法による損失係数は、以下に示す方法によって求められる。150mm×100mmに形成された板金フレームを対向配置し、これら2枚のフレーム間の中央部に直径10mmの制振材1を挟み込んだうえで、いずれか一方のフレームの中央部を制振材1が配置された側の反対側から加振器によって加振する。加振器に50Hz〜5KHzまでの広い周波数帯域のバーストランダム信号(F)を与え、一方のフレームを面外方向に振動させる。他方のフレームには複数の加速度ピックアップが設けられ、これらによる応答点の計測値に基づいて加速度を求める。求めた加速度を速度(V)に変換して、機械インピーダンス(F/V)の振幅(|Z|)を求める。これに基づき、損失係数(η)が求まる。
損失係数(η)=|Z|/(2πfm)
ここで、fは共振周波数、mは制振材の質量である。制振材1の圧縮時の損失係数は、制振材を挟んだ2枚のフレーム間のギャップを調整した後に制振材1を圧縮し、その状態で上記した方法に従って求めればよい。
制振ピン110について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。図4(a)に示す制振ピン110は、制振材112とピン部材114とを有する。突出部としてのピン部材114は、例えば材質としてSUS304が用いられ、直径5mmの円柱などの形状に形成される。勿論、ピン部材114の材質や形状等はこれに限られない。ただし、ピン部材114は、駆動フレーム101の面外方向の振動がメインフレーム102を介して制振材112に伝達されるように、剛性がメインフレーム102の剛性以上であるのが望ましい。
ピン部材114の端面には、押圧部材111が一体的に設けられる。押圧部材111は、例えば材質としてSUS304が用いられて直径15mm、厚さ5mmの円板形状に形成される。勿論、押圧部材111の材質や形状はこれに限られない。押圧部材111には、制振材112が両面テープなどで貼り付けられる。押圧部材111は、例えばピン部材114の端面の面積が極端に小さい場合などに設けられる。即ち、ピン部材114の端面の面積が小さい場合、ピン部材114の端面だけでは、振動低減のために必要な大きさの制振材112を均一に圧縮して保持することが難しくなる。そこで、振動低減に必要な大きさの制振材112を均一に圧縮した上で保持できるようにするために、ピン部材114の端面よりも面積の大きい押圧部材111が設けられる。したがって、振動低減に十分な大きさの制振材112を均一に圧縮して保持できれば、図4(b)に示すように、押圧部材111を設けることなく、ピン部材114の端面に制振材112を保持させてもよい。
図3に戻り、このような制振ピン110を有する駆動ユニット100では、駆動モータ103で振動が発生すると、駆動フレーム101が面外方向(図中X方向)に振動する。駆動フレーム101はメインフレーム102に連結されているので、駆動フレーム101の振動はメインフレーム102に伝達される。これに応じ、メインフレーム102も面外方向に振動し、その振動にあわせてピン部材114が振動する。駆動フレーム101の振動とピン部材114の振動とは、同位相かつ同振幅での振動となりにくく、駆動フレーム101とピン部材114とは位相差を生じて動く。そのため、駆動フレーム101と押圧部材111との間に圧縮保持された制振材112は、圧縮方向(駆動フレーム101の面外方向、ピン部材114の軸方向)にせん断応力が生じて歪みを生じる。この制振材112の歪みによって制振材内で摩擦が生じ、駆動フレーム101を振動させる振動エネルギーが熱エネルギーに変換される。制振材112は駆動フレーム101と押圧部材111の双方に密着されていることから、歪みによる摩擦が生じやすく、振動エネルギーが熱エネルギーに効率よく変換される。その結果、駆動フレーム101の振動が低減されて、振動に起因する放射音は低減する。
発明者らは、図3に示した駆動ユニット100を用いた場合の振動に起因する放射音の低減効果に関する検討実験を行った。そこで、この実験について図5(a)〜図12(c)を用いて説明する。
図5(a)〜図5(d)は、実験で使用した実験用簡易駆動ユニット50を示す。実験用簡易駆動ユニット50は、例えば駆動モータ103やギア列104等(図3参照)が加振源となり得る駆動ユニットを模擬したものである。図5(d)は、本実施形態に対応する2本の制振ピン110を有する駆動ユニットを模擬したものである。比較のために、図5(a)〜図5(c)に示す各駆動ユニットについても実験を行った。図5(a)は、駆動フレーム101とメインフレーム102のみの駆動ユニットを模擬したものである。図5(b)は、制振材112を駆動フレーム101の全面に貼りつけた駆動ユニットを模擬したものである。図5(c)は、駆動フレーム101とメインフレーム102とをピン部材114で結合した駆動ユニットを模擬したものである。なお、図5(d)に示す駆動ユニットで使用する制振材112は、図5(b)に示す駆動ユニットで使用した制振材112に比べて約15分の1の大きさの面積(駆動フレーム101と接する面積)とした。
実験用簡易駆動ユニット50のフレームは厚さ1mmのジンコート鋼板で形成し、駆動フレーム101とメインフレーム102に相当する2枚のフレームを上下2段に配置して連結した。駆動フレーム101の中央部には、加振器105を設置した。本実験では、加振器105に50Hz〜4KHzまでの広い周波数帯域のバーストランダム信号を与えて駆動フレーム101を面外方向(図中X方向)に振動させた。そして、LMS社製Test.Lab(不図示)を使用してマイクロフォン106にて放射音の音圧レベルPa(dB)を計測した。マイクロフォン106は、駆動フレーム101の中央部から上方へ50cm離れたところに設置した。
フレームは広帯域の不規則振動が印加されると、広帯域の周波数領域で数多くの共振が一度に励起されて放射音を発生する。フレームの振動が大きくなれば、放射音の音圧レベルは上がる。そこで、放射音の音圧レベルを測定することによってフレームの振動の大小を比較することができ、もって振動の低減の度合いを確かめることができる。また、駆動フレームに実験用振動ピックアップ(不図示)を設置し、駆動フレーム101の振動レベル(m/s)を計測した。なお、本明細書において音圧レベルPa(dB)はすべてA特性を掛けてあるので、以下の図中に示される音圧レベルの周波数軸は1/3オクターブ表示である。
図6(a)及び図6(b)では、図5(a)に示したフレームのみの場合(板金のみ)、図5(b)に示した制振材112を全面に貼りつけた場合(全面制振材)、図5(d)に示した制振ピン110を有する場合(制振ピン)の実験結果を示した。
図6(a)から理解できるように、制振ピンの場合には、全面制振材の場合に比べると制振材112の量が少ないにも関わらず、フレームのみの場合や全面制振材の場合に比べて、幅広い周波数帯域で放射音の音圧レベルを低減することができている。また、図6(b)に示した音圧レベルのオーバーオール値を比較すると、全面制振材の場合は、フレームのみの場合に比べて約2dB減少させることができている。他方、制振ピンの場合は、フレームのみの場合に比べて約6dB近くまで減少させることができている。このように、制振ピンの場合、全面制振材の場合に比べて制振材112を少量(例えば、面積で約15分の1)しか使用しないにも関わらず、フレームのみの場合は勿論のこと、全面制振材の場合に比べても大きな振動低減効果が得られる。
図7(a)及び図7(b)は、図5(c)に示したピン部材114でフレームを直接結合した場合の実験結果を示すグラフである。比較のため、図5(a)に示したフレームのみの場合の実験結果も示した。
図7(a)に示すように、フレームのみの場合に比べて(ref)、ピン部材114のみの場合は(ピン結合)、幅広い周波数帯域で音圧レベルがほぼ同じか、あるいは特定の周波数帯によっては音圧レベルが上がっている。また、図7(b)に示すように、ピン部材114のみの場合はフレームのみの場合よりも約4dB増であった。このように、ピン部材114のみの場合は放射音を大きくするという結果が得られた。
これは、制振材112を挟まずにピン部材114でフレームを直接結合すると、駆動ユニット100全体としての剛性が高くなり、ピン部材114を介してフレーム間で振動がより効率よく伝達されてしまうからである。そうであるから、放射音を低減させたい場合には、図5(d)に示すように、ピン部材114の一端側はフレームと結合させ、他端はフレームに結合させないことが重要である。そこで、図3に示した駆動ユニット100では、制振ピン110はメインフレーム102に結合されるだけで駆動フレーム101には結合されずに、駆動フレーム101側では制振材112を圧縮して保持するだけにしている。
既に述べた通り、制振材112は、圧縮されることによって圧縮前よりも損失係数が高くなるといった特性を持つ。そして、制振材112の損失係数が高くなれば、駆動フレーム101の振動はより大きく低減されることを、発明者らは実験により確かめている。その実験結果を図8(a)及び図8(b)に示す。図8(a)及び図8(b)は、図5(d)に示した制振ピン110を有する場合において、制振材112の圧縮量を変更した場合の実験結果を示すグラフである。比較のため、図5(a)に示したフレームのみの場合(ref)の実験結果も示した。
図8(a)に示すように、フレームのみの場合、放射音の音圧レベルは約80dBであった。他方、制振ピン110を有する場合、制振材112を圧縮していない状態(圧縮量0mm)で放射音の音圧レベルは約77.6dBであり、フレームのみの場合に比べて音圧レベルが小さい。そして、制振材112を圧縮量0.1mm、0.2mm、0.5mmで圧縮した場合の放射音の音圧レベルは、それぞれ約75dB、約73.7dB、約73.2dBであった。即ち、制振材112の圧縮量が増すにつれて、放射音の音圧レベルは小さくなっている。
また、図8(b)に示すように、制振材112を圧縮量0.1mm、0.5mmで圧縮した場合の駆動フレーム101の振動レベルは、それぞれ約24m/s、約21m/sであった。即ち、制振材112の圧縮量が増すにつれて駆動フレーム101の振動レベルが小さくなっている。
図8(a)及び図8(b)に示した実験結果からすれば、放射音の音圧レベルや駆動フレーム101の振動レベルをより小さくするには制振材112の圧縮量をできる限り大きくした方がよいように思われる。しかし、制振材112の圧縮量を増すと、駆動フレーム101に大きな応力がかかり、その結果として駆動フレーム101(又はメインフレーム102)に歪みが生じ得る。フレームに歪みが生じると、特に制振ピン110が複数配置されている場合に顕著であるが、音圧レベルや振動レベルが大きく上がってしまい得る。これは、制振材112が駆動フレーム101から離間する方向に移動してしまい、制振材112の圧縮量が減る、あるいは制振材112が駆動フレーム101から離れてしまうことによる。これを避けるため、制振材112の圧縮量はフレームに歪みが生じない程度に抑える必要がある。また、制振材112を圧縮しすぎると制振材112の硬度が高くなってしまい、フレームの振動に伴って制振材112が歪みづらくなる、つまりはせん断変形し難くなる。制振材112はせん断変形しなければ振動エネルギーを熱エネルギーに変換できず、その結果、振動は低減せず、放射音の音圧レベルは下がらない。これらの点に鑑み、制振材112の最適な圧縮量は、圧縮前の制振材112の厚み(ピン部材114の軸方向の厚み)や硬度等によって異なるが、圧縮前の厚みに対して0%よりも大きく50%以下とするのが望ましい。そして、制振材112は圧縮されて用いられることに鑑みれば、圧縮前の硬度ができる限り低い制振材112を用いる方が望ましい。
上述したように、制振ピン110に使用されるのは制振材112であり、防振材は使用されない。これは、防振材を制振ピン110に使用した場合、放射音はほとんど低減されないことが発明者らによって確かめられたからである。図9(a)に、制振材を制振ピン110に使用した場合と、防振材を制振ピン110に使用した場合の、放射音の音圧レベルを示す。
図9(a)から理解できるように、防振材を使用した場合は、制振材を使用した場合に比べて殆どの周波数帯域で音圧レベルが大きかった。また、図9(b)に示した放射音の音圧レベルのオーバーオール値を比較すると、制振材を用いた場合では約73dB、防振材を用いた場合では約76.5dBであった。さらに、図9(c)に示した駆動フレーム101の振動レベルのオーバーオール値を比較すると、制振材を用いた場合では約21m/s、防振材を用いた場合では約26m/sであった。即ち、防振材を用いた場合は制振材を用いた場合に比べて、オーバーオール値で音圧レベルが約3.5dB大きく、また振動レベルが約5m/s大きかった。このように、防振材は制振材に比べて放射音の音圧レベルや振動レベルを低減する効果が小さいので、制振ピン110に用いるには適さない。
発明者らは、制振材112の硬度を変えた場合の放射音の低減効果を確かめるための実験を行った。実験結果を図10に示す。図10では、縦軸に放射音の音圧レベルを示し、横軸に制振材の硬度を示した。ここでは、アスカーC硬度計で測定した場合の硬度を示している。勿論、これに限らず、硬度の測定は例えばJIS K6253のデュロメータなどで測定してもよい。なお、図10には、防振材を制振ピン110に使用した場合の放射音の低減効果の実験結果も示した(図中に四角で記す)。
図10に示すように、制振材112の硬度が大きくなると放射音の音圧レベルは大きくなり、反対に制振材112の硬度が小さくなると放射音の音圧レベルは小さくなる。この実験結果からは、制振材112の硬度が低いとより高い振動低減効果が得られることが分かる。即ち、一般的に硬度の小さい制振材112は元々の損失係数が比較的に高い。制振材112は圧縮されると硬度が大きくなるが、圧縮前の硬度が小さければ小さいほどより大きな圧縮量で圧縮したとしても、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し得るに十分な損失係数が得られる。つまり、硬度の小さい制振材112は損失係数を高くする圧縮効果が得られやすい。他方、圧縮前の硬度が大きい制振材112では、そもそも圧縮すること自体が難しく、また例え圧縮できたとしても制振材112が硬くなりすぎて歪みが生じ難くなる。このように、制振ピン110に使用する制振材112としては、硬度の大きいものよりも硬度の小さいものの方が圧縮効果を得やすいので望ましい。具体的には、制振材112は例えばアスカーC硬度で70度以下であるのが望ましい。
なお、図10に示すように、防振材では例え硬度が小さくても、制振材112のような振動低減効果は得られない。これは、防振材はそもそも損失係数が小さく、また圧縮したとしても損失係数があまり変化しない特性を有するが故に、振動エネルギーが熱エネルギーへと変換され難いからである。
制振ピン110のピン部材114は、少なくともメインフレーム102よりも剛性が高い方が望ましい。即ち、ピン部材114の剛性は、少なくとも結合される側のフレームの剛性以上であるとよい。ここで、図11(a)に、制振ピン110を有する駆動ユニット100の場合と、制振ピン110の代わりにバネピンを設けた駆動ユニット100の場合の、放射音の音圧レベルを示す。ここで言うバネピンとは、図4(a)に示した制振ピン110の軸部としてピン部材114の代わりに例えばバネのような弾性部材を有し、軸部の剛性がピン部材114に比べて低いものを指す。
図11(a)から理解できるように、バネピンの場合は、制振ピン110の場合に比べて殆どの周波数帯域で放射音の音圧レベルが大きかった。また、図11(b)に示した放射音の音圧レベルのオーバーオール値を比較すると、制振ピン110の場合では約73dB、バネピンの場合では約75.5dBであった。さらに、図11(c)に示した駆動フレーム101の振動レベルのオーバーオール値を比較すると、制振ピン110の場合では約73m/s、バネピンの場合では約76m/sであった。即ち、バネピンの場合は制振ピン110の場合に比べて、オーバーオール値で音圧レベルが約2.5dB大きく、また振動レベルが約3m/s大きかった。
このように、バネピンでは、制振ピン110に比べて放射音の音圧レベルや振動レベルを低減する効果が小さかった。これは、以下の理由による。バネピンは軸部の剛性が低い故に、駆動フレーム101が振動すると駆動フレーム101と軸部のみが一緒に振動し得る。その場合、軸部が防振材のように機能し、振動が制振材112まで伝達し難い。そうすると、制振材112に生ずる歪みが小さくなって、振動エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が落ち高い振動低減効果を得難くなるのである。他方、制振ピン110は軸部の剛性が高い故に、駆動フレーム101が振動した際に軸部のみが振動することがない。そのため、駆動フレーム101が振動すると、その振動はメインフレーム102を介して制振材112まで伝達されて、制振材112を歪ませる。制振材112が歪むと摩擦が生じることから、振動エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が上がる。
制振ピン110は固体伝播音の寄与度の高いフレームに対し、支配的な振動モード腹部位置近傍に設けるのが望ましい。固体伝播音の寄与度の高いフレームとは、振動伝搬経路解析や音響ホログラフィー等を用いて、ピークの高い周波数の振動や音への寄与度の高いフレームがどのフレームであるかを調べた結果から得られる、寄与度の高いフレームである。第1実施形態の駆動ユニット100では、駆動フレーム101が寄与度の高いフレームに該当する。また、支配的な振動モード腹部位置とは、固体伝播音の寄与度の高いフレームにおいて、ターゲットとする周波数の実稼働モード形状を計測する結果得られる、振動振幅の大きい箇所である。具体的には、制振ピン110は、駆動フレーム101が振動した際の振動振幅が大きい箇所に配置されるとよい。振動振幅が大きい箇所に制振ピン110を配置することによって、制振材112が大きく歪んで振動エネルギーが制振材112に効率よく伝達される。
発明者らは、制振ピン110の配置位置を異ならせた場合の放射音の低減効果を確かめるための実験を行った。この実験では、図12(a)に示すように、制振ピン110を振動振幅の最も大きい駆動フレーム101の中央部(図中丸)にのみ配置した場合と、駆動フレーム101の中央部以外の4箇所の位置(図中四角)に配置した場合の実験を行った。
図12(b)の放射音の音圧レベルに示されるように、制振ピン110を振動振幅の最も大きい箇所のみに1個だけ配置した場合は、中央部以外の4箇所の位置に配置した場合と比べて殆どの周波数帯域で放射音の音圧レベルが小さくなっている。また、図12(c)に示した放射音の音圧レベルのオーバーオール値を比較すると、振動振幅の最も大きい箇所のみに1個だけ配置した場合では約74.5dB、駆動フレーム101の中央部以外の4箇所の位置に配置した場合では約76dBであった。これらの実験結果から、制振ピン110を振動振幅の最も大きい箇所に配置できるならば、1個の制振ピン110だけで十分な振動低減効果が得られることが分かった。したがって、制振ピン110は可能であれば複数配置してもよいが、振動振幅の最も大きい箇所に配置できれば無駄に数を増やさずとも同等の振動低減効果が得られるので、振動振幅の最も大きい箇所に配置するのが望ましい。
以上のように、図3に示した駆動ユニット100では、駆動フレーム101と制振ピン110との間に圧縮保持した制振材112を歪ませることにより、駆動フレーム101を振動させる振動エネルギーを熱エネルギーに変換させるようにした。そのための構成として、制振材112を圧縮して保持すると共に、駆動フレーム101に接する面と反対側の面に駆動フレーム101の振動を伝える制振ピン110を、駆動フレーム101とメインフレーム102との間に設けた。こうすると、駆動フレーム101の振動が制振材112の表面側と裏面側の両面に効率的に伝えられ(振動伝達率が高い)、制振材112に歪みが生じやすくなる。このような構成は簡易であり、また簡易であることから小型化しやすい。それ故に、従来のような全面に制振材を貼りつける方法よりも、かなり少ない量の制振材112だけで従来以上の振動低減効果が得られる。即ち、大幅にコストを削減することができる。また、制振ピン110はフレーム面の小さなスペースに設けることができるため、フレーム面に多くの部品が配置されているような場合であっても容易に設けることができる。また、制振材112とピン部材114とは別部材であるため、駆動フレーム101とメインフレーム102との間に組み付け易く、製造が容易である。さらには、制振ピン110は振動波形の大きい箇所などの任意の箇所に設けることができることから、より効率的に振動を低減させることができる。このようにして、制振ピン110を設けたことで、振動を効率よく低減して振動起因の放射音を大幅に低減することができる。
本発明の第2〜第7実施形態について説明する。以下、説明を理解しやすくするために、各実施形態では、主に図3に示した第1実施形態の駆動ユニット100、あるいはその実施形態の比較対象となる実施形態の駆動ユニットと異なる点について詳しく説明していく。その他の構成及び作用については、第1実施形態若しくは比較対象となる実施形態の駆動ユニットと同様である。
<第2実施形態>
まず、本発明の第2実施形態について、図13を用いて説明する。図13に示す駆動ユニット200は、制振ピン110aの向きが反対である点が図3に示した駆動ユニット100と異なる。即ち、制振ピン110a(詳しくはピン部材114a)は駆動フレーム101に剛に結合され、メインフレーム102には制振ピン110aの他端に対向する位置に被圧接面30aが設けられている。制振ピン110aは、メインフレーム102の表面の一部である被圧接面30aに制振材112aを圧接して保持する。制振材112aは、ピン部材114とメインフレーム102の被圧接面30aとの間で圧縮された状態で保持される。こうした構成は、駆動フレーム101の表面側にギア列104等が多数配置されるが故に制振材を圧接させるスペースがないような場合に採用することが好ましい。あるいは、駆動モータ103以外の他の加振源(不図示)から伝達された振動がメインフレーム102を介して駆動ユニット100へ影響する場合などに採用することが好ましい。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について、図14を用いて説明する。例えば駆動モータ103の回転駆動力をより多くのギア列104、104aを介して伝達させる必要がある場合には、駆動フレーム101を1段にとどまらず2段以上の多段に構成した多段構成の駆動ユニットが装置本体に設けられる。図14に、2段構成の駆動ユニット300を示す。図14に示す駆動ユニット300は、2段構成である点が図3に示した駆動ユニット100と異なる。
図14に示す駆動ユニット300は、第一フレームとしての駆動フレーム101aと、第二フレームとしての中間フレーム101bと、第三フレームとしてのメインフレーム102を有する。駆動フレーム101aには、第一加振源としての駆動モータ103及びギア列104が設けられている。中間フレーム101bは裏面側で駆動フレーム101aに連結され、表面側でメインフレーム102に連結されている。中間フレーム101bには、表面側に第二加振源としてのギア列104aが設けられている。ギア列104aのギアの1つは、中間フレーム101bの表面側まで延設されたアイドルギア軸113に固定され、ギア列104を介してアイドルギア軸113が回転することにより回転される。これにより、駆動モータ103の回転駆動力がギア列104aへと伝達される。駆動フレーム101aは、ギア列104aによる振動が中間フレーム101bを介して伝達されるように連結されている。従って、駆動フレーム101aは、駆動モータ103及びギア列104によって振動し得ると共にギア列104aによっても振動し得る。また、中間フレーム101bも、駆動フレーム101aは、駆動モータ103及びギア列104によって振動し得ると共にギア列104aによっても振動し得る。この駆動ユニット300の上段は、メインフレーム102が中間フレーム101bで置き換えられた点以外は図3に示した駆動ユニット100と同様である。即ち、制振ピン110は、第一突出部としてのピン部材114が中間フレーム101bに剛に結合されている。そして、駆動フレーム101aには、制振ピン110の他端に対向する位置に第一対向部としての被圧接面30が設けられている。第一制振材としての制振材112は、ピン部材114と駆動フレーム101aの被圧接面30との間で圧縮された状態で保持される。
他方、駆動ユニット300の下段を見ると、制振ピン110bは第二突出部として、制振ピン110と同様の構成の制振ピン110bがメインフレーム102に剛に結合されている。そして、中間フレーム101bには、制振ピン110bの他端に対向する位置に第二対向部としての被圧接面30bが設けられている。制振ピン110bのピン部材114bは、中間フレーム101bの表面の一部である被圧接面30bに、制振材112と同様の第二制振材112bを圧接して保持する。したがって、第二制振材112bは、ピン部材114bと中間フレーム101bの被圧接面30bとの間で圧縮された状態で保持される。このように、多段構成の駆動ユニット300の場合には、駆動フレーム101a及び中間フレーム101bの両方に制振材112、112bを圧接することによって、より高い振動低減効果が得られる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態について、図15を用いて説明する。図15に示す駆動ユニット400は2段構成の駆動ユニットであり、図14に示した駆動ユニット300の上段が図13に示した駆動ユニット200に置き換えられた構成である。ただし、制振ピン110aのピン部材114aが制振材112aを圧接する被圧接面30aと、制振ピン110bのピン部材114bが第二制振材112bを圧接する被圧接面30bとが、中間フレーム101bの表面側と裏面側で同じ位置に設けられている。即ち、制振ピン110aと制振ピン110bとは中間フレーム101bを挟んで互いに対向する位置に逆向きに配置され、制振材112aと第二制振材112bとを中間フレーム101bの表裏からそれぞれ圧縮する。
このように、中間フレーム101bを挟んで制振材112aと第二制振材112bとを圧縮する理由は、以下の通りである。例えば図14に示した駆動ユニット300の場合、振動低減効果を高めるために第二制振材112bの圧縮量を増すと、中間フレーム101bに歪みが生じ得る。中間フレーム101bに歪みが生じると、ギア列104aのギアの噛み合いに影響するので、場合によってはギアから異音が発生し得る。しかし、図15に示した駆動ユニット400では、制振材112aと第二制振材112bとを圧縮しても、中間フレーム101bにかかる圧縮応力が表裏で打ち消し合う方向に作用するから、中間フレーム101bに歪みが生じ難くなる。特に、互いの圧縮応力がほぼ同じとなるようにすれば、中間フレーム101bの歪みをより小さく、あるいは、ほぼなくすことができる。即ち、制振材を圧縮する故に生じ得る中間フレーム101bの歪みの発生を防ぐために、圧縮に伴い生じる圧縮応力が釣り合う、あるいは、低減されるようにしている。これによれば、第二制振材112bの圧縮量を増しても中間フレーム101bに歪みが生じ難くなるので、より高い振動低減効果を得やすい。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態について、図16を用いて説明する。図16に示す駆動ユニット500は、図15に示した駆動ユニット400の上段側に、中間フレーム101bに剛に結合され、制振材112を駆動フレーム101aの被圧接面30に圧接する制振ピン110を追加して設けたものである。また、下段側に、中間フレーム101bに剛に結合され、第二制振材112cをメインフレーム102の被圧接面30cに圧接する制振ピン110cを追加して設けたものである。
この場合、中間フレーム101bの歪みを極力抑えつつ、駆動モータ103による駆動フレーム101aの振動、さらには外部加振源(不図示)によるメインフレーム102の振動を、より低減させることができる。即ち、外部加振源によってメインフレーム102が振動される場合、メインフレーム102の振動が駆動フレーム101aまで伝達されて放射音の発生に寄与し得る。そこで、このような放射音に寄与する振動がメインフレーム102などにも発生し得る場合には、メインフレーム102との間にも制振材を圧接させるとより高い振動低減効果が得られ、放射音を低減することができる。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態について、図17を用いて説明する。図17に示す駆動ユニット600は、図3に示した駆動ユニット100に比べると、より多数のギアが組み合されたギア列104を有する。このような駆動ユニット600では、ギア列104のギアが振動しやすく、ギアが振動することによって放射音が発生する。特に、アイドルギアは固定軸としてのアイドルギア軸113に固定されずに回転自在に支持されているために振動しやすく、またアイドルギアの振動はアイドルギア軸113を介して駆動フレーム101に伝達され易い。そのため、駆動モータ103による振動だけでなく、アイドルギア軸113自体の振動を低減することは、振動低減効果をより高めるのに効果的である。
図17に示す駆動ユニット600は、アイドルギア軸113の一端が駆動フレーム101に結合される一方で、他端がメインフレーム102に結合されていない。そして、このアイドルギア軸113の端面とメインフレーム102との間に生じる空間には、制振材112が配置される。つまり、図17に示す駆動ユニット600ではアイドルギア軸113が制振ピンのピン部材を兼ね、制振材112はアイドルギア軸113の端面とメインフレーム102の被圧接面30との間で圧縮保持される。これによると、例えアイドルギアからアイドルギア軸113に振動が伝達されたとしても、その振動はアイドルギア軸113に伝達された時点で駆動フレーム101に固体伝播される前に低減されることから、効率よく振動を低減できる。また、スペース的に図4(a)や図4(b)に示したような制振ピン110を新たに設け難い場合には、上記のようにアイドルギア軸113を活用すれば容易に設けることができる。
なお、図17に示した駆動ユニット600では、アイドルギア軸113の端面にそのまま制振材112を配置したが、これに限らず、アイドルギア軸113の端面に押圧部材111を設けてより大きな制振材112を圧縮させるようにしてもよい。また、ピン部材114を有する制振ピン110と(図3参照)、ピン部材の代わりにアイドルギア軸113を用いた制振ピンとを併用してよい。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態について、図18を用いて説明する。図18に示す駆動ユニット700は、2段構成である点が図17に示した駆動ユニット600と異なる。図18に示す駆動ユニット700では、上段においてアイドルギア軸113が、下段においてアイドルギア軸113aが、それぞれ制振ピンのピン部材を兼ねる構成である。即ち、図18に示すように、アイドルギア軸113の端面と中間フレーム101bの被圧接面30との間に制振材112が配置され、制振材112はこれらの間で圧縮保持される。また、第二固定軸としてのアイドルギア軸113aの端面とメインフレーム102との間に制振材112dが配置され、制振材112dはこれらの間に圧縮保持される。このようにアイドルギア軸113、113aの端面にて制振材112を圧縮させることにより、駆動フレーム101aを振動させ得る振動を駆動フレーム101aに固体伝播される前に低減できるので、2段構成の場合であっても効率よく振動を低減できる。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態について、図19乃至図21を用いて説明する。図19に示す駆動ユニット800は、厚さ1mmの亜鉛メッキ鋼板で形成される駆動フレーム101とメインフレーム102とが互いに対向配置されている。駆動フレーム101の裏面側には駆動源としての駆動モータ103が固定され、モータ軸Mは駆動フレーム101に設けられた貫通穴40を通って表面側へと突出している。モータ軸Mの先端には、ピニオンギア122が取り付けられている。ピニオンギア122にはアイドルギア軸113に支持されたアイドルギア123が噛合され、アイドルギア123には出力ギア125が噛合され、ギア列104を構成する。出力ギア125には出力軸128が連結され、出力軸128はメインフレーム102に設けられた貫通穴41を通り表面側へと突出してプロセスカートリッジなど(不図示)に締結される。これにより、駆動モータ103の回転駆動力は、ギア列104の各ギアを介してプロセスカートリッジ(不図示)へと伝達される。なお、駆動フレーム101とメインフレーム102とは互いに連結されていてもよいし、連結されていなくてもよい。
図19に示す駆動ユニット800は、駆動フレーム101からメインフレーム102に向けて立設された制振ピン110eを有する。制振ピン110e(詳しくはピン部材114)は、一端がビス、カシメ、溶接、接着、磁石などの結合方法によって駆動フレーム101に結合されている。制振ピン110は駆動フレーム101と同位相かつ同振幅で振動するように、駆動フレーム101に剛に結合されている。
他方、制振ピン110の他端はメインフレーム102に結合されることなく、メインフレーム102に設けられた貫通穴42に通される。貫通穴42には制振材112が配置され、また貫通穴42の周囲には突起部131が形成されている(後述の図20参照)。制振ピン110eは、対向部としての突起部131に制振材112を圧接する。即ち、制振材112は、ピン部材114と突起部131との間で圧縮された状態で保持される。また、制振ピン110eは、駆動フレーム101の面外方向の振動(図中X方向)がピン部材114を介して制振材112に伝達されるように、ピン部材114の剛性が駆動フレーム101の剛性以上であるのが望ましい。制振ピン110eは、駆動フレーム101が振動した場合に振動振幅が最も大きくなる箇所などに1乃至複数配置される。
図20に示すように、メインフレーム102には、例えばφ11mmのバーリングで形成された円状の貫通穴42を囲んで対向部としての突起部131が設けられる。突起部131は、例えば貫通穴42に沿ってメインフレーム102の一部が表面側に折り曲げられることにより形成される。突起部131の内側には、例えば外径φ11mm、内径φ5mmの円筒形状の制振材112が固定される。この制振材112には、駆動フレーム101に一端が結合された例えばφ5.5mmのSUS製のピン部材114の他端が圧入可能になっている。制振材112は、圧入されたピン部材114の端部の周面に接した状態で固定される。こうして、制振材112は、外側の突起部131と内側のピン部材114との間にピン部材114の軸径方向(ピン部材114が突出する方向に交差する方向)に圧縮された状態で保持される。なお、制振材112は上述した各実施形態で用いたものと同じであるので、ここでの説明を省略する。
ピン部材114との間で制振材112を圧縮する突起部131は、上述のようなメインフレーム102の一部が折り曲げられることによって形成されたものに限らない。例えば、図21(a)に示すように、突起部131を形成する代わりに、メインフレーム102に円筒形状の樹脂製リング部材133を取り付けて設けるようにしてもよい。図21(a)に示す制振ピン110fは、ピン部材114と制振材112と対向部としてのリング部材133とから構成され、ピン部材114とリング部材133との間に制振材112を圧縮保持するものである。なお、リング部材133は、メインフレーム102の表面側に突出するように設けてもよいし、裏面側に突出するように設けてもよい。さらには、表面側と裏面側の両方に突出するように設けてもよい。
また、ピン部材114やリング部材133は、例えば四角形や六角柱などの多角形状に形成されてよい。即ち、制振材112をピン部材114の軸径方向(ピン部材114が突出する方向に交差する方向)に圧縮した状態で保持可能であれば、突起部131やリング部材133、ピン部材114の形状は特に限定されない。例えば、図21(b)に示すような制振ピン110gであってもよい。図21(b)に示す制振ピン110gは、断面矩形状の略直方体のピン部材114と、制振材112と、対向部としての断面矩形状の壁部材133a、133bとから構成される。壁部材133aと壁部材133bとは、互いが対面するように且つそれぞれが突出する方向に交差する方向に離間されて設けられる。即ち、壁部材133a、133bは、突出する方向に交差する方向に離れて対向する一対の面を形成する。これら壁部材133a、133bは、ピン部材114との間でそれぞれ制振材112を挟み、挟んだ制振材112を圧縮して保持可能である。なお、壁部材133a、133bは、メインフレーム102の一部を折り曲げて形成してもよいし、別に用意された部材をメインフレーム102に取り付けて設けてもよい。
図19に戻り、制振ピン110eを有する駆動ユニット800では、駆動モータ103で振動が発生すると、駆動フレーム101が面外方向(図中X方向)に振動する。駆動フレーム101はメインフレーム102に連結されているので、駆動フレーム101の振動はメインフレーム102に伝達される。そのため、メインフレーム102が振動する、つまり突起部131が振動する。また、駆動フレーム101には制振ピン101eが結合されているので、その振動にあわせてピン部材114が振動する。この場合、駆動フレーム101とメインフレーム102は、同位相かつ同振幅での振動となりにくく、ピン部材114と突起部131は位相差を生じて動く。そのため、ピン部材114と突起部131との間に圧縮保持された制振材112は、せん断方向(駆動フレーム101の面外方向、ピン部材114の軸方向)に歪みを生じる。この制振材112の歪みによって制振材内で摩擦が生じ、駆動フレーム101を振動させる振動エネルギーが熱エネルギーに変換される。制振材112は駆動フレーム101と突起部131の双方に密着されていることから、歪みによる摩擦が生じやすく、振動エネルギーが熱エネルギーに効率よく変換される。その結果、駆動フレーム101の振動が低減されて、振動に起因する放射音は低減する。
発明者らは、図19に示した駆動ユニット800を用いた場合の振動に起因する放射音の低減効果に関する検討実験を行った。本実験では、駆動ユニット800の駆動モータ103を2200rpmで駆動して、駆動フレーム101を面外方向に振動させた。そして、LMS社製Test.Lab(不図示)を使用してマイクロフォン(不図示)にて放射音の音圧レベルPa(dB)を計測した。不図示のマイクロフォンは、駆動フレーム101の中央部から上方へ30cm離れたところに設置した。
実験結果を図22に示す。図22に、図19に示した駆動ユニット800で行った実験結果を示す。図22は、放射音の音圧レベルのオーバーオール値を示すグラフである。この実験では、比較のために、制振ピン110を有しないフレームのみの場合(ref)、駆動フレーム101の一面に制振材を貼りつけた場合(一面制振材)についても計測した。
図22から理解できるように、放射音の音圧レベルのオーバーオール値は、フレームのみの場合は70.3dB、制振材を貼りつけた場合は69.5dB、駆動ユニット800の場合には68.9dBであった。即ち、駆動ユニット800の場合には、フレームのみの場合や制振材を貼りつけた場合に比べて放射音の音圧レベルのオーバーオール値を減少できている。このように、図19に示した駆動ユニット800は、一面に制振材を貼るよりも高い振動低減効果が得られる。言い換えれば、従来に比べると少量の制振材しか用いていないにも関わらず、より高い振動低減効果が得られる。
以上のように、図19に示した駆動ユニット800でも、上述した図3に示した駆動ユニット100と同様の効果が得られる。即ち、構成が簡易であり小型化しやすく、少量の制振材112だけで従来以上の振動低減効果が得られるので、コストを削減できる。また、フレーム面に多くの部品が配置されている場合でも、より効率的に振動を低減させることができる。このように、制振ピン110eを設けたことで、振動を効率よく低減して振動起因の放射音を大幅に低減することができる。
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態について、図23(a)及び図23(b)を用いて説明する。既に述べたように、多数のギアが組み合されたギア列を有する駆動ユニットでは、アイドルギア軸の振動を抑制することは、振動低減効果を高めるのに効果がある。そこで、図19に示した駆動ユニット800の場合であっても、別途に制振ピン110eを設けずとも、アイドルギア軸113をピン部材114の代わりに用いることのできるようにするとよい。そうした駆動ユニットを図23(a)及び図23(b)に示す。
図23(a)に示すように、駆動ユニット800Aでは、メインフレーム102においてアイドルギア軸113の同軸上に貫通孔43と突起部131とを設け、突起部131に円筒形状の制振材112を配置する。そして、制振材112の内側にピン部材114の代わりにアイドルギア軸113を圧入させる。この場合、図23(b)に示すように、アイドルギア軸113の先端部では、アイドルギア軸113の外周を囲むように環状の制振材112が位置し、さらに制振材112の外周を囲むように突起部131が位置する。制振材112は、突起部131とアイドルギア軸113との間で圧縮して保持される。このようにすると、突起部131とアイドルギア軸113とが振動によって相対移動可能となり、相対移動した際に制振材112に歪みが発生するので振動を低減することができる。つまり、アイドルギア軸113に起因する放射音を効果的に低減することができる。
<第10実施形態>
本発明の第10実施形態について、図24(a)及び図24(b)を用いて説明する。図24(a)に示すように、画像形成装置では、プロセスカートリッジを着脱可能な駆動ユニット800が振動すると、その振動がメインフレーム102を介して装置本体を覆っている外装138にまで伝達される場合がある。そうすると、外装138が振動してしまい、外装138から放射音が発生され得る。また、外装138自体は装置内部の機器などから発生される音を遮断するが、この音が空気中を伝搬して装置内部から外装138を振動させることがある。そのため、メインフレーム102を介して外装138に伝達される振動と相まって、外装138から発生される放射音はより大きくなり得る。それ故、駆動ユニット800のフレームの振動を低減することに加えて外装138の振動を低減することは、画像形成装置全体としてみれば放射音の低減に関し非常に有効である。
図24(a)及び図24(b)に示すように、外装138には装置本体内部側に向けて外装138の面外方向に突出するリブ139が一体形成されている。メインフレーム102には貫通穴44、突起部131が形成され、突起部131には円筒形状の制振材112が配置されている。この制振材112の内側に、リブ139の一端部が圧入される。このようにして、外装138は、リブ139を介して駆動ユニット800(図19参照)のメインフレーム102に連結される。外装138がメインフレーム102に連結された場合、制振材112は、突起部131とリブ139との間にリブ139の軸径方向(リブ139が突出する方向に交差する方向)に圧縮された状態で保持される。制振材112については、上述した実施形態と同様であるのでここでの説明を省略する。これにより、突起部131及びリブ139が振動により相対移動すると、制振材112に歪みが発生するので振動が低減される。
<第11実施形態>
上述した各実施形態では、例えば図3に示した駆動ユニット100、図19に示した駆動ユニット800のように、制振ピン110を、駆動フレーム101とメインフレーム102の被圧接面に向けて立設するように設けたが、これに限らない。例えば、メインフレーム102にピン部材114の先端を結合した場合には、他端の端面が駆動フレーム101の被圧接面ではなくメインフレーム102に対し垂直に立設された垂直面に対向するように、制振ピン110を設けてもよい。以下、説明する。
図25に、第11実施形態の駆動ユニット100Aを示す。図25に示す駆動ユニット100Aでは、メインフレーム102から駆動フレーム101の被圧接面101dに向かって立設されたピン部材114dが途中から駆動フレーム101の垂直面101cに向かうように折り曲げられている。制振ピン110dの他端は垂直面101cに結合されず、押圧部材111dを介して制振材112を保持できるようになっている。駆動フレーム101の垂直面101cには、制振ピン110dの他端に対向する位置に対向部としての被圧接面30dが設けられている。制振ピン110dは、被圧接面30dに制振材112を圧接して保持する。即ち、制振材112は、制振ピン110dのピン部材114dと被圧接面30dとの間で圧縮された状態で保持される。
この駆動ユニット100Aでは、駆動モータ103で振動が発生すると、駆動フレーム101及びメインフレーム102が面外方向(図中X方向)に振動する。この場合でも、駆動フレーム101の振動と、ピン部材114d及び押圧部材111dの振動は、同位相かつ同振幅での振動となりにくく、駆動フレーム101とピン部材114d及び押圧部材111dとは位相差を生じて動く。そのため、駆動フレーム101と押圧部材111dとの間に圧縮保持された制振材112は、せん断方向(圧縮方向に交差する方向)に歪みを生じる。この制振材112の歪みによって制振材内で摩擦が生じ、駆動フレーム101を振動させる振動エネルギーが熱エネルギーに変換される。制振材112は駆動フレーム101と押圧部材111dの双方に密着されていることから、歪みによる摩擦が生じやすく、振動エネルギーが熱エネルギーに効率よく変換される。その結果、駆動フレーム101の振動が低減されて、振動に起因する放射音は低減する。
<他の実施形態>
なお、上述した第8乃至第10実施形態の各駆動ユニットでは、メインフレーム102側で制振材112を圧縮し保持させる構成としたが、これに限らず、駆動フレーム101側で制振材112を圧縮し保持させる構成としてもよい。例えば、駆動フレーム101に突起部131を形成し、突起部131の内周に制振材112を配置し、この制振材112の内周にメインフレーム102に固定されたピン部材114を圧入する構成としてもよい。
なお、制振材112としては、より効果的に振動低減効果を得るために0.1以上の損失係数を持つ制振材112を使用するのが望ましい。より好ましくは、圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.4以上の制振材112を使用するとよい。
なお、上述した各実施形態に係る駆動ユニットは、画像形成部を有するプロセスカートリッジを駆動する駆動ユニットに限らない。例えば、現像装置を有する現像カートリッジを駆動する現像駆動ユニットや、感光ドラム、帯電ローラ、露光装置を有するドラムカートリッジを駆動するドラム駆動ユニットなどにも適用可能である。
なお、上述した各実施形態に係る駆動ユニットは、転写材搬送ベルト5に搬送される転写材Sに感光ドラム1Y〜1Kから直接転写する画像形成装置(図1参照)に適用した場合を説明したが、これに限らない。例えば、転写材搬送ベルト5の代わりに中間転写体を設けておき、各色の感光ドラム1Y〜1Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後に、転写材Sに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置にも適用できる。
30(30a)…対向部(第一対向部、被圧接面)、30b(30c)…第二対向部(被圧接面)、101(101a)…第一フレーム(駆動フレーム)、101b…第二フレーム(中間フレーム)、102…第二フレーム(メインフレーム)、102a…第三フレーム(メインフレーム)、103…加振源(駆動手段、駆動モータ)、104…回転体(ギア列)、100(100A、200〜800)…駆動ユニット、112(112a)…制振材(第一制振材)、112b(112c)…第二制振材、113…固定軸(第二加振源、アイドルギア軸)、114(114a、114d)…突出部(第一突出部、ピン部材)、114b(114c)…第二突出部(ピン部材)、131…対向部(突起部)、133…対向部(リング部材)、133a(133b)…対向部(壁部材)

Claims (21)

  1. 加振源を有し、前記加振源によって振動される第一フレームと、
    前記第一フレームに連結される第二フレームと、
    前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる突出部と、
    前記突出部の端部と対向する前記他方のフレームに設けられる対向部と、
    前記突出部と前記対向部との間で圧縮されて保持される制振材と、
    を備え、
    前記制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記突出部よりも剛性が低く、且つ、前記突出部と前記対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、
    ことを特徴とする制振構造体。
  2. 前記対向部は、前記他方のフレームの表面の一部であり、
    前記制振材は、前記突出部の端面と前記他方のフレームの表面の一部との間で圧縮されて保持される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制振構造体。
  3. 加振源を有し、前記加振源によって振動される第一フレームと、
    前記第一フレームに対向配置される第二フレームと、
    前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる突出部と、
    前記他方のフレームに設けられ、前記突出部の端部と前記突出部の突出する方向に交差する方向に対向した位置に配置される対向部と、
    前記突出部と前記対向部との間で圧縮されて保持される制振材と、
    を備え、
    前記制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記突出部よりも剛性が低く、且つ、前記突出部と前記対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、
    ことを特徴とする制振構造体。
  4. 前記第一フレームと前記第二フレームとは連結されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の制振構造体。
  5. 前記突出部は、剛性が少なくとも前記一方のフレームの剛性以上である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制振構造体。
  6. 前記対向部は、前記制振材の取りつけられていない状態で前記第一フレームの表面の振動振幅が平均よりも大きくなる1乃至複数の位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制振構造体。
  7. 前記加振源は、駆動源と、前記駆動源により回転駆動される回転体と、前記第一フレームに固定され前記回転体を支持する固定軸とを有し、
    前記突出部は、前記固定軸である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制振構造体。
  8. 前記制振材は、圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.4以上である、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制振構造体。
  9. 前記制振材は、アスカーC硬度で70度以下の硬度である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制振構造体。
  10. 前記制振材は、圧縮前の厚さから0%よりも大きく50%以下で圧縮される、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制振構造体。
  11. 第一加振源を有し、前記第一加振源によって振動される第一フレームと、
    前記第一フレームに連結される第二フレームと、
    前記第二フレームに連結される第三フレームと、
    前記第一フレームと前記第二フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる第一突出部と、
    前記第一突出部の端部と対向する前記第一フレーム又は前記第二フレームのうちの前記他方のフレームに設けられる第一対向部と、
    前記第一突出部と前記第一対向部との間で圧縮されて保持される第一制振材と、
    前記第二フレームと前記第三フレームとのうちの一方のフレームから他方のフレームに向けて突出して設けられる第二突出部と、
    前記第二突出部の端部と対向する前記第二フレーム又は前記第三フレームのうちの前記他方のフレームに設けられる第二対向部と、
    前記第二突出部と前記第二対向部との間で圧縮されて保持される第二制振材と、
    を備え、
    前記第一制振材は、前記第一フレーム、前記第二フレーム、前記第一突出部よりも剛性が低く、且つ、前記第一突出部と前記第一対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上であり、
    前記第二制振材は、前記第二フレーム、前記第三フレーム、前記第二突出部よりも剛性が低く、且つ、前記第二突出部と前記第二対向部との間に圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.05以上である、
    ことを特徴とする制振構造体。
  12. 前記第一突出部は、剛性が少なくとも前記第一フレームと前記第二フレームのうちの前記一方のフレームの剛性以上である、
    ことを特徴とする請求項11に記載の制振構造体。
  13. 前記第二突出部は、剛性が少なくとも前記第二フレームと前記第三フレームのうちの前記一方のフレームの剛性以上である、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の制振構造体。
  14. 前記第二フレームは第二加振源を有し、
    前記第一フレームは、前記第二加振源による振動が第二フレームを介して伝達されるように前記第二フレームと連結されている、
    ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の制振構造体。
  15. 前記第一突出部は、前記第一フレームから前記第二フレームに向けて突出して設けられ、
    前記第二突出部は、前記第三フレームから前記第二フレームの前記第一対向部に対向する位置に向けて突出して設けられ、
    前記第一制振材と前記第二制振材とは、前記第二フレームと、該第二フレームの両面の互いに対向する位置にそれぞれ設けられた前記第一対向部、前記第二対向部との間で圧縮されて保持される、
    ことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の制振構造体。
  16. 前記第一対向部は、前記第一制振材の取りつけられていない状態で前記第一フレームの表面の振動振幅が平均よりも大きくなる1乃至複数の位置に設けられ、
    前記第二対向部は、前記第二制振材の取りつけられていない状態で前記第二フレームの表面の振動振幅が平均よりも大きくなる1乃至複数の位置に設けられる、
    ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の制振構造体。
  17. 前記第一加振源は、駆動源と、前記駆動源により回転駆動される回転体と、前記回転体を支持して前記第一フレームに固定される固定軸とを有し、
    前記第一突出部は、前記固定軸である、
    ことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の制振構造体。
  18. 前記第二加振源は、前記第一加振源の駆動源により回転駆動される回転体と、前記回転体を支持して前記第二フレームに固定される第二固定軸とを有し、
    前記第二突出部は、前記第二固定軸である、
    ことを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の制振構造体。
  19. 前記第一制振材及び前記第二制振材は、圧縮された状態で機械インピーダンス法による損失係数が0.4以上である、
    ことを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の制振構造体。
  20. 前記第一制振材及び前記第二制振材は、アスカーC硬度で70度以下の硬度である、
    ことを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の制振構造体。
  21. 前記第一制振材及び前記第二制振材は、圧縮前の厚さから0%よりも大きく50%以下で圧縮される、
    ことを特徴とする請求項11乃至20のいずれか1項に記載の制振構造体。
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