JP2016176149A - 多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服 - Google Patents

多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服 Download PDF

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Abstract

【課題】カラーマッチングが容易で耐洗濯性が高く、かつ耐熱性及び難燃性も高い多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服を提供する。
【解決手段】本発明の多層構造紡績糸(20)は、芯成分(21)が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分(22)がポリベンズイミダゾール繊維を含み、鞘成分(22)はポリベンズイミダゾール繊維とメタ系アラミド繊維を含んで混紡されており、前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記メタ系アラミド繊維は少なくとも2色の異なった色であり、前記多層構造紡績糸(20)は見掛け上前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記メタ系アラミド繊維とは異なった色調である。本発明の耐熱性布帛は前記の多層構造紡績糸を使用したものであり、本発明の耐熱性防護服は前記耐熱性布帛を使用したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポリベンズイミダゾール繊維とパラ系アラミド繊維を含む多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服に関する。
防護服は、消防、救急隊員、救命隊員、海上救護員、軍隊、石油関連施設の作業員、化学工場の作業員などの作業服として使用されている。近年の米国、カナダ、豪州、及び一部の欧州における消防服は、耐熱性及び難燃性の優れたポリベンズイミダゾール繊維が使用されている。この繊維は強度が約2.4cN/decitex(decitexは以下dtexと略す)と弱いため、通常はパラ系アラミド繊維と交織した織物が使用されている。この織物は、経糸又は緯糸のうち、一方の糸がポリベンズイミダゾール繊維からなる紡績糸、他方の糸がパラ系アラミド繊維からなるフィラメント糸で構成されている。別の耐熱性及び難燃性の優れた織物として、本発明者らは芯にパラ系アラミド繊維の牽切紡績糸を使用し、鞘にメタ系アラミド繊維、難燃アクリル繊維又はポリエーテルイミド繊維等を使用した芯鞘紡績糸を提案している(特許文献1〜2)。
WO2009/014007号公報 WO2012/137556号公報
しかし、ポリベンズイミダゾール繊維は染色できないため、原着によって限られた色の繊維しか入手できず、様々な色の糸や布帛を得ることは困難であるという問題があった。また、従来のポリベンズイミダゾール繊維からなる紡績糸とパラ系アラミド繊維からなるフィラメント糸を交織した織物は、パラ系アラミド繊維が洗濯や着用時の擦過作用等によって容易にフィブリル化し、布帛表面に白化現象が生じて著しい外観不良を呈するという問題がある上、パラ系アラミド繊維は光によって変色し、かつ強度低下が容易に発生しやすいとやすい問題があった。また、特許文献1〜2に提案の繊維組成は、耐熱性及び難燃性が不足であるという問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、カラーマッチングが容易でフィブリル化による外観不良および光脆化が起こらず、かつ耐熱性及び難燃性も高い多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服を提供する。
本発明の多層構造紡績糸は、芯成分が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分がポリベンズイミダゾール繊維を含む多層構造紡績糸であって、前記鞘成分はポリベンズイミダゾール繊維と、難燃性繊維(但し、前記パラ系アラミド繊維糸及び前記ポリベンズイミダゾール繊維を除く)を含んで混紡されており、前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維は少なくとも2色の異なった色であり、前記多層構造紡績糸は見掛け上前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維とは異なった色調であることを特徴とする。
本発明の耐熱性布帛は、前記の多層構造紡績糸を使用したことを特徴とする。また、本発明の耐熱性防護服は、前記の耐熱性布帛を使用したことを特徴とする。
本発明の多層構造紡績糸は、芯成分が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分がポリベンズイミダゾール繊維を含む多層構造紡績糸であり、前記鞘成分はポリベンズイミダゾール繊維と、難燃性繊維(但し、前記パラ系アラミド繊維糸及び前記ポリベンズイミダゾール繊維を除く)を含んで混紡されており、前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維は少なくとも2色の異なった色であり、前記多層構造紡績糸は見掛け上前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維とは異なった色調であることにより、カラーマッチングが容易で、フィブリル化による外観不良を呈しないという意味で耐洗濯性が高く、かつ耐熱性及び難燃性も高い多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服を提供できる。すなわち、異なった色の繊維を混紡すると同時に混色することによりカラーマッチングを容易とし、火炎に直接晒される部分には耐熱性と難燃性のより高いポリベンズイミダゾール繊維を含む鞘成分を配置し、芯成分には牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸を配置することにより、全体の強度と耐熱性と難燃性を高く維持し、かつ洗濯を繰り返してもパラ系アラミド繊維のフィブリル化による布帛表面の白化現象が起こりにくい布帛とすることができる。加えて、ポリベンズイミダゾール繊維は高い水分率を有するため、総熱損失(Total heat loss)が大きく、体内から発散する熱移動も大きくなるため着心地のよい耐熱性防護服となる。
図1は本発明の一実施例における芯鞘構造紡績糸を製造するためのリング精紡機の要部を示す斜視図である。 図2は本発明の一実施例における芯鞘構造紡績糸の模式的斜視図である。 図3は本発明の一実施例における織物の織組織図である。
本発明の多層構造紡績糸は、芯成分が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分はポリベンズイミダゾール繊維と、難燃性繊維(但し、前記パラ系アラミド繊維糸及び前記ポリベンズイミダゾール繊維を除く)を含んで混紡された繊維である。ポリベンズイミダゾール(以下「PBI」ともいう)繊維は、例えば2,2'-(m-phenylen)-5,5'-bibenzimidazoleのポリマーから作られる繊維であり、600℃を超える熱分解温度を持ち、荷重たわみ温度が410℃、ガラス転移点が427℃、酸素指数(OI)値が41以上である。この繊維は230℃の空気中で2週間暴露しても強度保持率は95%、窒素中では1000℃まで繊維性能を維持でき、本質的に不燃性であるとともに高耐熱性である(以上「繊維の百科事典」848頁,丸善,平成14年3月25日)。PBI繊維は米国PBI Performance Products, Inc.社製の製品が知られている。PBI繊維は、約14.6質量%の高い平衡水分率を有するため、この繊維を含む布帛はASTM F 1868 Part Cで測定される総熱損失(Total heat loss)が300W/m2以上となり、体内から発散する熱移動も大きくなるため着心地のよい耐熱性防護服となる。
パラ系アラミド繊維は、単独重合系として米国Du pont社製、商品名"ケブラー"(日本の東レ・デュポン社製も同一商品名)、帝人社製、商品名"トワロン"があり、共重合系として帝人社製、商品名"テクノーラ"がある。これらの繊維の引張強度は20.3〜24.7cN/dtex、熱分解開始温度は約500℃、酸素指数(OI)値は25〜29である。耐熱性及び難燃性はPBI繊維には劣るが、通常の繊維に比較すると高い。
本発明においては、鞘成分はPBI繊維と難燃性繊維(但し、前記パラ系アラミド繊維糸及び前記PBI繊維を除く)を含んで混紡されており、PBI繊維と前記難燃繊維は少なくとも2色の異なった色であり、見掛け上PBI繊維と前記難燃繊維とは異なった色調である。各繊維は混紡により混色され、所定の色調となり、これによりカラーマッチングが容易となる。
PBI繊維は生成り又は原着繊維が好ましい。ここで生成りとは、原着も染色もされていない状態をいう。PBI繊維は生成りの状態で黄色である。したがって、この黄色を生かして混色する。原着は、ポリマーに着色剤を加えて着色し、その後に繊維化したものである。したがって、色調は限られている。染色可能な繊維に色相を付与するには以下の三つのステージがある。(1)綿ステージ:バラバラの繊維塊を直接染色するバラ染め、短繊維束すなわちスライバー状態で染色するスライバー染め、これを巻上げてトップとしてから染色するトップ染めがある。(2)糸ステージ:糸状態で染色するのが糸染めであるが、これにはその形状により綛染め、染液を通りやすくするため特殊なダイコーンチューブにソフトに巻上げてから染色するコーン染めがある。(3)編織物ステージ:布帛の反物状態で染色するのが反染めである。生地糸を編織した後で染色するので別名後染めとも言う。これに対し、編織する前に既に色相が付与されている前記(1)は色糸、(2)は染糸と呼ばれ、両者は先染とも言う。
前記多層構造紡績糸の難燃性繊維は原着繊維、及びバラ染め、スライバー染め、トップ染め繊維並びに糸染めから選ばれる少なくとも一つで着色されているのが好ましい。布帛とした後の難燃性繊維は、後染めされていても良い。これにより、PBI繊維は生成り又は原着繊維であり、色調は限られているが、前記難燃性繊維を様々な色調とし混紡ないしは染色することにより、所望の色調を発現できる。
前記鞘成分を100質量%としたとき、PBI繊維は10質量%以上90質量%以下であり、前記難燃性繊維は10質量%以上90質量%以下であるのが好ましい。さらに好ましくは、PBI繊維が20質量%以上80質量%以下であり、前記難燃性繊維は20質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは、PBI繊維が30質量%以上70質量%以下であり、前記難燃性繊維は30質量%以上70質量%以下である。前記の範囲であればカラーマッチングが容易で耐熱性も高いものとなる。
前記多層構造紡績糸を100質量%としたとき、芯成分は20〜40質量%であり、鞘成分は60〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは芯成分が22〜35質量%であり、鞘成分が65〜78質量%である。芯成分が20質量%未満では、芯成分の牽切紡績糸を極細としなければならず、牽切紡績糸を製造することに困難が伴う。また、芯成分が40質量%を超えると、鞘繊維の被覆性が低くなる。また、鞘成分が60質量%未満では被覆性が良好とならず、80質量%を超すと多層構造紡績糸全体の繊度が高くなり好ましくない。
前記PBI繊維はトウブレークした牽切繊維、バイアスカット又はスクエアカットされている繊維であることが好ましい。トウブレークした牽切繊維であれば、芯成分の牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸に近似した繊維(ともに引きちぎり繊維)であるため、芯成分と鞘成分の親和性が良く一体性の良い多層構造紡績糸となる。鞘成分はバイアスカット又はスクエアカットされていても良い。バイアスカットとは、長繊維束(トウ)の進行方向に対し直角切りと斜め切りを交互に繰り返すことをいう。例えば76/102mmバイアスカットとした場合、その繊維長は最短の76mmから最長の102mmまで一様に分布している。これに対しスクエアカットとは、一定長の直角切りだけを繰り返すので、例えば51mmスクエアカットとした場合、すべての繊維長は均一に51mmとなる。
さらに近年では、繊維長の異なるスクエアカット同士を混合した、例えば76mm(33%)+89mm(34%)+102mm(33%)のような、ミックスカットと称される階段状の分布を有する商品も市中に流通している。カットされた繊維の好ましい繊維長は30〜180mmの範囲、更に好ましくは45〜150mm、特に好ましくは50〜125mmの範囲である。この範囲であればさらに強力を高く維持できる。また、単繊維繊度は1〜5dtexの範囲が好ましく、更に好ましくは1.5〜4dtexの範囲である。
前記難燃性繊維は、JIS K 7201-2測定される酸素指数(O.I)が26以上であることが好ましい。前記の範囲であれば、前記芯成分の牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸と、鞘成分のPBI繊維と相俟って耐熱性及び難燃性の高い多層構造紡績糸が得られる。前記難燃性繊維は、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリエーテルイミド繊維、難燃ウール、難燃性レーヨン、難燃性コットン及び難燃性アクリル繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維が好ましい。
鞘成分繊維はその繊度と繊維長に応じた紡績方法によって、最適な形状・形態の被覆短繊維束まで加工される。仏式梳毛紡績は太い繊度と長い繊維長を有する羊毛に適した方法である。ここにおいて色相や異種繊維の混合は、例えば混毛インターセクティング ギル ボックス(intersecting gill box)に各々が100%組成である複数種の繊維束(スライバー)を通し、後のコーマーや前紡工程におけるダブリング及びドラフティング作用によって、平行かつ均整化する。以下この方法を「スライバー混紡」という。この方法は歩留りが良く、多品種少量生産に好適である。これに対し綿紡績は細い繊度と短い繊維長を有する綿花に適した方法である。ここにおいて色相や異種繊維の混合は、混打綿や梳綿工程中の主としてカード機でなされる。以下この方法を「カード混紡」といい、歩留りは悪いが小品種大量生産に好適である。
前記被覆繊維には、更に帯電防止繊維が混紡されているのが好ましい。帯電防止繊維が混紡されていると静電気による発火を防止できる。帯電防止繊維は0.1〜1質量%の範囲混紡するのが好ましい。
前記多層構造紡績糸は、メートル番手で28〜52番(繊度:357〜192dtex)の範囲であるのが好ましい。この範囲であれば、作業性の良い防護服が得られる。
本発明は前記の多層構造紡績糸を使用して耐熱性布帛とする。布帛は織物が好ましい。前記耐熱性布帛は、EN532の防炎性試験において、炎が端に達せず、穴も開かず、溶融物はなく、平均残炎時間が2秒以下、平均残塵時間が2秒以下であるのが好ましい。また、前記耐熱性布帛は、ISO 11613-1999の耐熱性試験180℃、5分において、生地が溶融、落下、分離及び発火せず、収縮率は5%以下であるのが好ましい。この物性であれば耐熱性も難燃性も非常に優れたレベルである。また、前記耐熱性布帛は、JIS K 7201-2で測定される酸素指数(O.I)が26以上であるのが好ましく、さらに好ましくは26〜50、より好ましくは32〜50、とくに好ましくは37〜48である。これにより難燃性が高いものとなる。
前記耐熱性布帛は、フィブリル化による外観不良を呈しないという意味で耐洗濯性を測定するための試験である国際性能基準ISO 11613-1999に規定されているISO 6330-1984, 2A-Eにしたがい、5回洗濯した後においても、白化が見られないことが好ましい。これにより、製品価値を高く維持できる。また耐光性は、JIS L 0842.7.2(a)のカーボンアーク灯試験、及びJIS L 0843のキセノンアーク灯試験でいずれも2−3級以上が好ましい。これにより光による変色が低く、製品価値を高く維持できる。
本発明の耐熱性布帛を使用した耐熱性防護服は、消防服のほか、救急隊員、救命隊員、海上救護員、軍隊、石油関連施設の作業員、化学工場の作業員などの作業服として好適である。消防服の場合は、外層に本発明の耐熱性布帛を使用するのが好ましい。耐熱性が高いからである。
以下、鞘成分に混紡する難燃性繊維について説明する。
(1)メタ系アラミド繊維
メタ系アラミド繊維は、例えば米国Du pont社製、商品名"ノーメッスク"(日本の東レ・デュポン社製も同一商品名)、帝人社製、商品名"コーネックス"などがある。酸素指数(OI)は29〜30である。
(2)難燃ウール
難燃ウールとしては一般的なメリノ種などのウールを使用し、ザプロ加工と言われるチタンとジルコニウム塩により処理した難燃ウールがある。ウールは非改質ウールを使用しても良いし、スケールを除去して防縮加工しても良い。このような非改質ウール又は改質ウールを使用するのは、吸湿性を向上し、輻射熱を遮断し、高温で過酷な環境下における作業で発汗して濡れても着心地を良好に保て、人体保護のための耐熱性を発揮できるからである。酸素指数(OI)は27〜33である。
(3)難燃レーヨン
難燃レーヨンとしては、例えばプロバン加工(オルブライト&ウイルソン社が開発したテトラキスヒドロキシメチルホスホニウム塩を用いたアンモニアキュアリング加工)、チバ・ガイギー社が開発したピロパテックスCP加工(N−メチロールジメチルホスノプロピオンアミド加工)、オーストリア国レンチング社の商品名“ビスコースFR”等がある。酸素指数(OI)は26である。
(4)難燃性コットン
プロバン加工(コットンにテトラキスヒドロキシメチルホスホニウム塩をアンモニアキュアリング法により付着させた加工)、ピロパテックスCP加工(N−メチロールジメチルホスノプロピオンアミド加工)等の難燃コットンを使用できる。酸素指数(OI)は26である。
(5)難燃性アクリル繊維
アクリロニトリルに難燃剤として塩化ビニル系モノマーを共重合したアクリル繊維を使用できる。カネカ社製、商品名“プロテックス”などがある。酸素指数(OI)は29〜37である。
(6)ポリエーテルイミド繊維
ポリエーテルイミド(PEI)繊維としては、例えばSABIC Innovative Plastics社製“ULTEM”(酸素指数(OI)32)がある。この繊維は約3cN/dtex程度の引張強度がある。ポリエーテルイミド単繊維の繊度は3.9dtex(3.5デニール)以下が好ましく、更に好ましくは2.8dtex(2.5デニール)以下である。3.9dtex(3.5デニール)以下であれば、柔軟で風合いもよく、作業服として好適である。ポリエーテルイミド繊維の好ましい平均繊維長は30〜180mmの範囲であり、更に好ましくは45〜150mmであり、特に好ましくは50〜125mmの範囲である。前記範囲であれば紡績し易い。
(7)ポリアリレート繊維
ポリアリレート繊維としては、クラレ社製、商品名“ベクトラン”がある。この繊維は強度が18〜22cN/dtex,弾性率600〜741cN/dtex,融点又は分解温度が300℃、酸素指数(OI)は27〜28である。
(8)ポリベンズオキサゾール繊維
ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維としては、東洋紡社製、商品名“ザイロン”がある。この繊維は引張強度が37cN/dtex,弾性率270MPa, 融点又は分解温度が670℃、酸素指数(OI)は64である。
次に芯鞘紡績糸について説明する。まず芯成分として牽切紡績糸を使用する。芯成分は牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸である。ここで牽切紡績糸とは、長繊維束(トウ)をドラフトしてカット(引きちぎり)し、加撚して紡績糸としたものをいう。ドラフト−加撚を1つの精紡機で行う直紡方式であっても良いし、一旦スラーバーとし撚り掛けして2工程以上で紡績糸(パーロック方式又はコンバータ法)としてもよい。好ましくは、直紡方式である。牽切糸を使用することにより、強力を高く維持でき、鞘繊維との一体性に優れた芯鞘構造紡績糸が得られる。
牽切紡績糸の好ましい繊度は、単糸で5.56〜20.0 tex(メートル番手で50〜180番単糸)の範囲が好ましく、更に好ましくは6.67〜16.7 tex(メートル番手で60〜150番単糸)の範囲である。繊度が前記の範囲であれば、強力も高く、風合いなどの面からも耐熱性防護服等に好適である。また、撚り数はメートル番手125番単糸で350〜550回/mが好ましく、更に好ましくは400〜500回/mである。撚り数が前記範囲であれば、被覆繊維との一体性がさらに高いものとなる。また、好ましい繊維長は30〜180mmの範囲に分布しており、平均繊維長は45〜150mm、好ましくは50〜125mmの範囲である。この範囲であれば強力をさらに高く維持できる。
本発明において、牽切紡績糸単糸の繊度をS0 (tex)、その撚り数をT0 (回/m) とすると、同単糸の撚り係数Ks0は、次に示す数式によって計算する。
Ks0=T0・√S0
前記紡績糸を番手表示する場合は、単糸の番手をC0 (m/g)、その撚り数をT0 (回/m) とすると、同単糸の撚り係数Kc0 は、次に示す数式によって計算する。
Kc0=T0/√C0
次に本発明の芯鞘構造糸を製造するための装置と方法について説明する。図1は本発明の一実施例におけるリング精紡機の要部を示す斜視図である。積極回転駆動するフロントボトムローラ1に、直径の異なる2つの大小の円柱体2,3を錘ごとに設ける。2つの円柱体2,3は軸方向に同軸に直結する。2つの円柱体2,3の上に、2つの直径の異なる円筒形のフロントトップローラ4,5をのせる。2つのフロントトップローラ4,5の直径差は下側の2つの円柱体2,3の直径差と略同じであるが、大小は下側の2つの円柱体2,3とは逆である。2つのフロントトップローラ4,5はゴムコットで被覆され、荷重を掛けた共通のアーバー6にそれぞれ独立に転動可能に外嵌する。粗糸ボビンから引き出した短繊維束16は、ガイドバーからトランペットフィーダー7を介してバックローラ8に供給する。
短繊維束15は芯繊維のパラ系アラミド牽切繊維束とし、短繊維束16は被覆繊維束とする。図示していないが、トランペットフィーダー7はフロントボトムローラ1の軸方向に揺動させることが可能であり、その揺動幅は調節することができる。バックローラ8から送出されてドラフトエプロン9を経た短繊維束Bは、大径側円柱体3と小径側の円筒形フロントトップローラ5に把持されて紡出される。短繊維束Aは、ヤーンガイド14を介して、小径の円柱体2と大径の円筒形フロントトップローラ4に供給して紡出される。
小径側円柱体2から紡出される短繊維束15の紡出速度よりも、大径側円柱体3から紡出される短繊維束16の送出速度の方が速いから、スネルワイヤ10を介して2本の紡出された短繊維束15、16を撚り合わせると、短繊維束15の周りに短繊維束16が絡み、短繊維束15を芯とし短繊維束16が鞘となる芯鞘型の多層構造紡績糸17が形成される。
短繊維束15に対する短繊維束16のオーバーフィード率は5〜9%が好ましく、更に好ましくは6〜8%である。オーバーフィード率が前記の範囲であると、短繊維束16は短繊維束15を「こより状」に包み込み、ほぼ100%の被覆率で芯繊維を被覆できる。
形成された多層構造紡績糸17は、アンチノードリング11とトラベラ12を介して錘上の糸管13に巻き取られる。短繊維束15,16の円柱体2,3上の把時位置が錘ごとに多少のばらつきがあっても、両者の送出速度比は常に一定であるから、製造した芯鞘型の多層構造紡績糸17の性状が錘ごとにばらつくおそれはない。又、トランペットフィーダー7をフロントボトムローラ1の軸方向に可能な範囲で揺動させると、フロントトップローラ5のゴムコット被覆の短繊維束16との摩擦領域が分散し、ゴムコット被覆の早期摩耗を防止することができる。図示していないが、ヤーンガイド14は、フロントボトムローラ1の軸方向に揺動させて円筒形フロントトップローラ4のゴムコット被覆の摩耗を軽減することが望ましい。
芯鞘型の多層構造紡績糸単糸の好ましい撚り方向は牽切糸単糸と同方向であり、かつ最も好ましい撚り数Tmax (回/m) は、鞘繊維を被覆した後の単糸繊度に関わらず、牽切紡績糸繊度S0 (tex) とその撚り数T0 (回/m) によって決定され、次式が成立する。
max=Rs・T0・√S0
ここにおいて、比例定数Rs=0.495とすれば、芯繊維と鞘繊維はいわばボルトとナットのように最高度の一体性を示し、芯鞘型の多層構造紡績糸の単糸強力は極大値を取る。
前記単糸を番手表示する場合、最も好ましい撚り数Tmax (回/m) は、牽切紡績糸単糸番手C0 (m/g) とその撚り数T0 (回/m) によって決定され、次式が成立する。
max=Rc・T0/√C0
ここにおいて、比例定数Rc=15.7とすれば、最高度の一体性を示し、多層構造紡績糸の単糸強力は極大値を取る。
以上のようにして得られた多層構造紡績糸20を図2に示す。図2において芯成分繊維21は牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分繊維22はPBI繊維とメタアラミド繊維を含み、芯成分21の周囲を被覆しており、一体性も良いため、洗濯してもパラ系アラミド繊維糸の摩耗などによる傷みは減少されるか、又はパラ系アラミド繊維が紡績糸の表面に現れる割合が少なくなり、着用や洗濯によって摩耗などの傷みが生じても外観を悪くすることはない。同様に変色や強度低下の恐れもない。いずれにしても品位の低下を防止できる。
本発明の防護服用布帛は、前記芯鞘紡績糸(単糸)を2本撚り合わせて双糸にし、これを織物にするのが好ましい。双糸を使う理由は、単糸の2倍以上の強度をもってして製織時の糸切れを防止する抱合力を付与するとともに、単糸の持つ太さムラを相殺させ、織物の目風をきれいにするためである。双糸は一例としてダブルツイスター等の撚り機を使用して製造する。ダブルツイスターはその名前の通り、スピンドル1回転で2回の撚りが得られるので生産性抜群である。しかし非常に長い撚りかけ糸道に6ヶ所もの擦過地点があるため、せっかくの被覆部分が剥ぎ取られ、乱されて芯部が露出しやすい傾向にある。好ましくは同2地点のリングツイスター、最も好ましくは同2地点で極めて短い撚りかけ糸道のアップツイスターである。
木綿(コットン)に代表される親水性繊維の織物においては、タテ糸として単糸に糊付けをして使用する。製織時にタテ糸は隣接同士で織機開口運動の度毎に繰り返し摩擦し合い、張力を受ける度毎に撚りを戻す方向へ回転する。その結果、タテ糸の表面毛羽が絡み合い、糸からさらなる毛羽を引き出して抱合力を低下させ、やがては切断に到って織機を停台させる。繊維が親水性であれば澱粉等が糸に糊着しやすく、表面毛羽は糊剤で固められているので製織中に抱合力が低下することもなく、タテ糸切れは発生しない。なおかつ織り上げた後は精練工程中の水洗で容易に除去することが可能である。
これに対しウールや多くの合成繊維は疎水性であるため、澱粉等が効果的に作用しない。仮に特殊な糊剤を用いて糸表面に塗布できたとしても、織り上げた後の精練工程中において水洗い程度の手段で簡便かつ安価に除去できる方法は現時点で見いだされていない。
織機におけるタテ糸切れは、糸を構成する単繊維強力(cN/dtex)よりは、表面毛羽の擦れ具合・絡み合い・剥ぎ取りに関する抱合力の方にはるかに大きく依存している。従って、タテ糸は双糸とするのが好ましい。
単糸の撚り方向・撚り係数K1に対して、双糸のそれをSとするかZとするか、またその場合の撚り係数K2は、どのような織物にするかによって設定される。毛織物を例に取れば、ジョーゼットやボイルのようにシボ感やシャリ感を得たい場合は、単糸Z撚りに対し、双糸もZ撚りとしてK2を大きめに設定したいわゆる強撚糸とする。逆にサキソニーやフラノのように織物表面に毛羽をたくさん出してソフトでふくらみやぬめり感を持たせたい場合は、縮絨や起毛が促進されるよう単糸Z撚りに対し、双糸はS撚りとしてK2を小さめに設定したいわゆる甘撚とする。
前記紡績糸を番手表示する場合は、1/28〜1/52の範囲が好ましく、単糸の撚り係数Kc1は81〜87の範囲であり、前記双糸の撚り方向は前記単糸の撚り方向と逆であり、かつ撚り係数Kc2は78〜84の範囲とするのが好ましい。但し、単糸の撚り係数Kc1、双糸の撚り係数Kc2は、次に示す数式によって計算する。
Kc1=T1/√C1
Kc2=T2/√C1
ここにおいてT1は単糸の撚り数(回/m)、T2は双糸の撚り数(回/m)、C1は単糸番手(m/g)を表す。
前記範囲であると撚構造が安定し、糸包合性も高く、さらに目風がきれいでソフトな風合いの織物とすることができる。
得られた双糸は、撚り止めし、経糸と緯糸に使用して織物とする。織物組織は、平織(plain weave)、斜文織(twill weave、綾織ともいう)、又は朱子織(satin weave)組織、その他の変化織組織等を使用できる。編物にする場合は、横編、丸編、経編のいずれでも適用できる。編組織はどのようなものであっても良い。編物内に空気を含ませる場合は、二重接結パイル布帛に編成する。織物組織の中でもとくに好ましいのは図3に示すマット織であり、このマット織組織は、平+3/3マット織と称される。平織の部分は8本の経糸と緯糸で構成されプレーンな組織であり、3/3マット織の部分は経糸も緯糸も3本引き揃えられており、この部分は表面に突出している。したがって、滑り止め効果があるとともに、平組織が破れてもマット織の部分で止まり、破れにくい組織である。これは引き裂き止めという意味合いからRip Stop 構造と呼ばれている。
本発明の防護服用布帛の単位あたりの重量(目付)は100〜340g/m2の範囲が好ましい。前記範囲であれば、さらに軽くて着心地の良い作業服とすることができる。さらに好ましくは140〜300g/m2の範囲、とくに好ましくは180〜260g/m2の範囲である。
前記生地には帯電防止繊維を加えることが、活動時に帯電させないために好ましい。帯電防止繊維としては、金属繊維、炭素繊維、金属粒子や炭素粒子を練りこんだ繊維などがある。帯電防止繊維は、紡績糸に対して0.1〜1質量%の範囲加えることが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.7質量%の範囲である。帯電防止繊維糸は製織時に加えることもできる。例えばKBセーレン社製“ベルトロン”、クラレ社製“クラカーボ”、炭素繊維、金属繊維等を0.1〜1質量%の範囲加えるのが好ましい。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例、比較例における測定方法は次のとおりとした。
<酸素指数(O.I)試験>
JIS K 7201-2に従って測定した。
<耐熱性試験>
ISO 11613-1999に従って、180℃、5分の条件で測定した。
<防炎性試験>
EN532に従って測定した。
<耐燃焼性>
JIS L 1091A-4法で規定される、垂直に配置した織物試料の下端にブンゼンバーナーで12秒間接炎したときの炭化長、炎を外したときの残炎時間、及び残塵時間を測定した。
<耐洗濯性>
国際性能基準ISO 11613-1999に規定されているISO 6330-1984, 2A-Eにしたがい、5回洗濯した。
<帯電圧試験>
JIS L1094. 5.4法で規定される摩擦帯電減衰測定法により、帯電直後の電圧を測定した。
<総熱損失>
ASTM F 1868 Part Cに従って測定した。
<その他の物性>
JIS又は業界規格にしたがって測定した。
(実施例1〜4)
1.使用繊維
(1)芯成分
芯成分として、パラ系アラミド繊維、帝人社製商品名“テクノーラ”の牽切紡績糸(撚り数Z方向45回/10cm)、糸繊度8.0tex(メートル番手:1/125)(単繊維繊度1.7dtex、平均繊維長100mm、黒原着品)を使用した。
(2)鞘成分
下記の3種類の繊維を混紡した。
(i)PBI繊維
米国PBI Performance Products, Inc.社製のPBI単繊維繊度1.8dtex、のトウ(790000dtex(711000デニール),繊維本数444000本)を入手し、繊維長51mmのスクエアカットとして、カード混紡により繊維束(スライバー)を作製した。PBI繊維は生成り品(黄色)とした。
(ii)メタアラミド繊維
帝人社製、商品名"コーネックス"、(繊維長76/102mmバイアスカット、繊度2.2dtex)を使用した。
(iii)帯電防止繊維
帯電防止繊維はKBセーレン社製商品名“ベルトロン”、単繊維繊度5.6dtex、繊維長:89mmスクエアカットを使用した。
2.紡績糸双糸の作製
(1)芯鞘紡績糸
図1に示す方法によりパラ系アラミド繊維(黒原着品)25.6質量%を芯とし、PBI繊維73.9質量%と、帯電防止繊維0.5質量%をカード混紡した繊維束(スライバー)を鞘とし、芯鞘紡績糸を作製した。芯鞘紡績糸の撚り方向はZ、撚り数は63回/10cm、繊度312.5dtexとした。得られた糸の色調は表1にまとめて示す。
(2)双糸
前記芯鞘紡績糸をアップツイスターで撚り合わせて双糸とした。双糸の撚り方向はS、撚り数は60回/10cm、繊度625dtexとした。
3.織物の作製
実施例1の紡績糸を経糸と緯糸に使用し、レピア織機を使用して図3に示す平+3/3マット織り組織の織物を作製した。得られた織物の条件及び結果はまとめて表2に示す。
(比較例1)
鞘成分をメタアラミド繊維(帝人社製、商品名"コーネックス"、 繊維長76/102mmバイアスカット、繊度 2.2dtex、ベージュ色)73.9質量%とした以外は実施例1と同様に芯鞘紡績糸と織物を作成した。混紡糸の色調は表1に示し、織物の条件及び結果はまとめて表2に示す。
Figure 2016176149
表1のとおり、PBI繊維は限られた色であるが、色調の異なるメタアラミド繊維を均一混紡することにより、様々な色調の糸が得られた。
Figure 2016176149
表2から次のことが分かる。
(1)燃焼性、とくに炭化長は短く、PBI繊維の大きな利点である。きわめて優れた表面保全性を示していると判断できる。
(2)PBI繊維を混用した織物の酸素指数は高く、難燃性がきわめて高い。
(3)PBI繊維を混用すると、摩擦帯電圧が150V以下の測定不能の状態となる。これはPBI繊維の水分率は14.6%であることに起因するものと推定される。摩擦帯電圧が低い布帛は静電気が発生しにくく安全性が高い。
(4)芯鞘紡績糸と同様に織物においても、PBI繊維は限られた色であるが、色調の異なるメタアラミド繊維を均一混紡することにより、様々な色調の織物が得られた。
(実施例5、比較例2)
この実施例では、実際の防火服を想定し、外層と中層と内層の3層からなる織物を積層して試験をした。
(1)外層
前記実施例1及び比較例1で得られた織物を使用した。
(2)中層(透湿防水層、モイスチャーバリアー)
メタアラミド繊維(繊度2.2dtex,繊維長76/102mmバイアスカット)85質量%、ウール15質量%の混紡紡績糸を用いた平織物(質量77g/m2)からなる基布に、透湿防水膜としてポリテトラフルオロエチレンフィルムをラミネートした質量105g/m2の中層を使用した。
(3)内層(防熱層、インナーライナー)
メタアラミド繊維(繊度2.2dtex,繊維長76/102mmバイアスカット)85質量%、ウール15質量%の混紡紡績糸を用いた16枚綜絖の蜂巣織物(質量213g/m2)を使用した。
以上の積層品の測定結果を表3にまとめて示す。なお、表3はISO11613欧州法によって測定した。
Figure 2016176149
表3から、すべての試験項目において合格であったことが分かる。前記3層積層品のASTM F 1868 Part Cによる総熱損失は表4に示すとおりである。
Figure 2016176149
表4から本発明の織物を外層に使用すると総熱損失が高いことがわかった。一般に総熱損失の値が高いと、消火活動により体内から発散する熱流束も大となるため、防護性偏重によってもたらされる熱中症の危険からは遠のき、衣服内の快適性が増すと考えられる。この総熱損失が高い理由は、PBI繊維の水分率が14.6%であることに起因するものと推定される。
(実施例6〜8)
鞘成分のPBI繊維と制電繊維の混紡品に換えて、PBI繊維と制電繊維とメタアラミド繊維(帝人社製、商品名"コーネックス"、繊維長76/102mmバイアスカット繊度2.2dtex,ベージュ色)の混紡品とした以外は実施例1と同様に実施した。得られた糸の酸素指数は表5に示し、織物の条件及び結果はまとめて表6に示す。
Figure 2016176149
表5のとおり、本発明の実施例の芯鞘紡績糸の酸素指数は高く、難燃性が高いことが分かる。加えて3種のオレンジ色の紡績糸とすることができた。
Figure 2016176149
表6から次のことが分かる。
(1)燃焼性、とくに炭化長はPBI繊維の混用率の増加に伴って顕著に減少するのは、PBI繊維の大きな利点である。きわめて優れた表面保全性を示していると判断できる。
(2)PBI繊維を混用した織物の酸素指数は高く、難燃性がきわめて高い。
(3)PBI繊維を混用すると、摩擦帯電圧が150V以下の測定不能の状態となる。これはPBI繊維の水分率は14.6%であることに起因するものと推定される。摩擦帯電圧が低い布帛は静電気が発生しにくく安全性が高い。
(4)洗濯寸法変化がPBI繊維混用率の増加に伴って高くなるのは、水分率が2〜3%のm−アラミド繊維に対して、PBI繊維の水分率は14.6%であることに起因するものと推定される。水分率が高いと、洗濯時に繊維が膨潤と収縮の差が大きくなり、寸法変化しやすい。
(5)耐光性を測定するためのカーボンアーク及びキセノンアーク灯照射下における変色の度合いがPBI繊維混用率の増加に伴って悪化する傾向にある。
(実施例9〜15)
多層構造紡績糸の鞘成分の混紡率を表7に示すとおりとした以外は実施例1と同様に実施した。表7において洗濯試験は生地傷みを測定するための洗濯試験のことである。なお、前記PBI繊維はトウブレークした牽切繊維であり、生成り品(黄色)又は黒原着を用いた。鞘成分の混紡はスライバー混紡とし、各繊維の内容は次の通りである。
(1)難燃性ウール繊維はオーストラリア産、メリノ種の非改質ウール(平均繊維長:75mm)を使用し、酸性染料を用いて常法によりオリーブグリーン色に染色した。難燃性を付与するためザプロ加工されている。
(2)難燃性レーヨンは、オーストリア国レンチング社の商品名“ビスコースFR”(平均繊度3.3dtex ,繊維長89mmミックスカット)を使用し、反応染料を用いて常法によりスカイブルー色に染色した。
(3)難燃性コットンはプロパン加工(コットンにテトラキスヒドロキシメチルホスホニウム塩をアンモニアキュアリング法により付着させた加工)したコットンを使用した。この場合染色はせずに生成りのままの白残しとした。
(4)難燃性アクリル繊維はカネカ社製、商品名"プロテックスM" (平均繊度3.3dtex , 繊維長82/120mmバイアスカット)を用いた。カチオン染料を用いて常法によりオリエンタルブルー色に染色した。
(5)ポリエーテルイミド(PEI)繊維はSABIC Innovative Plastics社製“ULTEM”(酸素指数(O.I)32)、単繊維繊度3.3dtex(3デニール)、繊維長76/102mmバイアスカットを使用した。分散染料を用いて常法により赤色に染色した。
(6)ポリアリレート繊維
ポリアリレート繊維としては、クラレ社製、商品名“ベクトラン”、単繊維繊度3.3dtex(3デニール)、繊維長76/102mmバイアスカットを使用した。酸素指数(O.I)は27〜28である。この場合ポリアリレート繊維は原着茶色を使用した。
(7)ポリベンズオキサゾール繊維
ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維としては、東洋紡社製、商品名“ザイロン”、単繊維繊度3.3dtex(3デニール)、繊維長76/102mmバイアスカットを使用した。酸素指数(O.I)は64である。PBO繊維は生成り(薄黄色)をそのまま使用した。
Figure 2016176149
表7からパラ系アラミド繊維を芯成分とし、PBI繊維と他の難燃性繊維(難燃ウール繊維、難燃性レーヨン繊維、難燃性コットン繊維、難燃性アクリル繊維、PEI繊維、ポリアリレート繊維又はPBO繊維)との混紡繊維を鞘成分とする多層構造紡績糸は、混色によるカーマッチングができ、かつフィブリル化による外観不良を呈しないという意味で耐洗濯性が高く、かつ耐熱性及び難燃性も高いことが確認できた。
本発明の耐熱性布帛を使用した耐熱性防護服は、消防服のほか、救急隊員、救命隊員、海上救護員、軍隊、石油関連施設の作業員、化学工場の作業員などの作業服として好適である。とくに芯成分が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分がPBI繊維とメタアラミド繊維を含む混紡繊維であるため、耐熱性と難燃性が高く、かつ様々な色調の布帛とすることができる。
1 フロントボトムローラ
2 大径円柱体
3 小系円柱体
4,5 フロントトップローラ
6 アーバー
7 トランペットフィーダー
8 バックローラ
9 ドラフトエプロン
10 スネルワイヤ
11 アンチノードリング
12 トラベラー
13 糸管
14 ヤーンガイド
15 短繊維束(芯繊維のパラ系アラミド牽切繊維束)
16 短繊維束(被覆繊維束)
17,20 多層構造紡績糸
21 芯成分繊維
22 鞘成分繊維

Claims (14)

  1. 芯成分が牽切紡績されたパラ系アラミド繊維糸であり、鞘成分がポリベンズイミダゾール繊維を含む多層構造紡績糸であって、
    前記鞘成分はポリベンズイミダゾール繊維と、難燃性繊維(但し、前記パラ系アラミド繊維糸及び前記ポリベンズイミダゾール繊維を除く)を含んで混紡されており、
    前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維は少なくとも2色の異なった色であり、
    前記多層構造紡績糸は見掛け上前記ポリベンズイミダゾール繊維と前記難燃性繊維とは異なった色調であることを特徴とする多層構造紡績糸。
  2. 前記ポリベンズイミダゾール繊維は生成り又は原着繊維である請求項1に記載の多層構造紡績糸。
  3. 前記難燃性繊維は原着繊維、綿染め繊維及び糸染めから選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の多層構造紡績糸。
  4. 前記鞘成分を100質量%としたとき、前記ポリベンズイミダゾール繊維は10質量%以上90質量%以下であり、前記難燃性繊維は10質量%以上90質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造紡績糸。
  5. 前記難燃性繊維は、JIS K 7201−2で測定される酸素指数(O.I)が26以上である請求項1〜4のいずれかに記載の多層構造紡績糸。
  6. 前記難燃性繊維は、メタ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリエーテルイミド繊維、難燃ウール、難燃性レーヨン、難燃性コットン及び難燃性アクリル繊維から選ばれる少なくとも一つの繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造紡績糸。
  7. 前記被覆繊維には、さらに帯電防止繊維が混紡されている請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造紡績糸。
  8. 前記多層構造紡績糸は、メートル番手で28〜52番(繊度:357〜192decitex)の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の多層構造紡績糸。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層構造紡績糸を使用した耐熱性布帛。
  10. 前記耐熱性布帛は、EN532の防炎性試験において、炎が端に達せず、穴も開かず、溶融物はなく、平均残炎時間が2秒以下、平均残塵時間が2秒以下である請求項9に記載の耐熱性布帛。
  11. 前記耐熱性布帛は、ISO11613:1999の耐熱性試験180℃、5分において、生地が溶融、落下、分離及び発火せず、収縮率は5%以下である請求項9又は10に記載の耐熱性布帛。
  12. 前記耐熱性布帛は、JIS K 7201−2で測定される酸素指数(O.I)が26以上である請求項9〜11のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  13. 前記耐熱性布帛の難燃性繊維は、後染めされている請求項9〜12のいずれかに記載の耐熱性布帛。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の耐熱性布帛を使用した耐熱性防護服。
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