JP2016175966A - 中性固化材及び固化処理方法 - Google Patents

中性固化材及び固化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】砒素等で汚染された土壌の初期強度を高めることができ,砒素の汚染土壌を土壌溶出量基準以下に不溶化し,かつ地下水等の処理土の周辺環境のpHを中性とすることができる中性固化材並びに中性固化材を用いた固化処理方法を提供する。【解決手段】軽焼酸化マグネシウム15〜55質量部、硫酸アルミニウム50〜80質量部及び硫酸第一鉄3〜20質量部からなる無機質粉末組成物と、瓦とを含む中性固化材である。また、中性固化材を、土壌1m3に対して20〜200kg/m3添加し混合する固化処理方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、砒素の汚染土壌等を不溶化するとともに、不溶化処理土の固化強度を短期に高めることができ、かつ処理土のpHを中性とする中性固化材及び固化処理方法に関する。
近年、道路・トンネル等では、鉛、砒素、フッ素を含有した土壌が大量に発生するケースがある。全ての汚染土壌を掘削除去することは困難であることから、道路路体用盛土、河川築提等に有効利用されることがあり、低コスト・短処理時間で土を改良しつつ汚染物質の溶出を防止できる中性固化材が着目されている。セメント系材料や酸化マグネシウム系材料による不溶化は、改良土又は地下水のpHがアルカリ性になりやすいため、不溶化機能を有する中性固化材が開発されている。例えば、軽焼マグネシアまたは軽焼マグネシア部分水和物に、炭酸カルシウムと硫酸アルミニウムや硫酸第一鉄などのような酸性硫酸塩化合物を添加した中性固化材が提案されている(特許文献1参照)。なお、ここで言う中性とはpHが5.8〜8.6の範囲である。
中性固化材で処理された改良土は盛土や河川築提等として有効に利用されることがあるため、改良特性の指標となるコーン指数(現場強度)が例えば400kN/m以上(第3種建設発生土)であることが望ましい。土質のばらつきや含水比の変動等によって、(現場/室内)強さ比が低下するため、コーン指数(室内強度)が例えば500kN/m程度以上が要求されることがある。中性固化材の初期強度発現性は比較的低くなることがあり、中性固化材の強度を増進させる助材として、多孔質材料であるパーライト、ゼオライト、ベントナイト等が開示されている(特許文献2〜5参照)。
特開2012−92180号公報 特開2003−334526号公報 特開2003−342569号公報 特開2006−187773号公報 特開2000−109830号公報
しかしながら、従来の強度増進材を添加した中性固化材の強度増加率が低く、中性固化材の強度増進材としては適していないことがあった。
そこで、本発明は、砒素等で汚染された土壌の初期強度を高めることができ、砒素の汚染土壌を土壌溶出量基準以下に不溶化し、かつ地下水等の処理土の周辺環境のpHを中性とすることができる中性固化材並びに中性固化材を用いた固化処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、軽焼酸化マグネシウム、硫酸アルミニウムおよび硫酸第一鉄から構成される無機質粉末組成物に、多孔質材料として瓦を所定量添加すると、従来の多孔質材料を添加した中性固化材よりも改良土の初期強度を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、軽焼酸化マグネシウム15〜55質量%、硫酸アルミニウム35〜80質量%及び硫酸第一鉄3〜20質量%からなる無機質粉末組成物と、瓦とを含む、中性固化材を提供する。この中性固化材によれば、改良土の初期強度を高めることができ、かつ砒素の不溶化が可能である。
また、本発明の中性固化材は、無機質粉末組成物100質量部に対して、瓦を1〜12質量部含む。この範囲にすることによって、より改良土の初期強度を高めることができ、かつ砒素の不溶化が可能である。
また、本発明の中性固化材は、前記瓦のBET比表面積が0.3〜3.0 m/gであることが好ましい。この範囲にすることによって、更に改良土の初期強度を高めることができ、かつ砒素の不溶化が可能である。
また、本発明の中性固化材は、前記瓦のSiO含有量が60〜70質量%、Al含有量が18〜25質量%、Fe含有量が2〜7質量%、CaO含有量が0.1〜3.0質量%、ほう素含有量が0.1〜60mg/kgであることが好ましい。
また、本発明は、前記中性固化材を、土壌1mに対して20〜200kg/m添加し混合する、固化処理方法を提供する。この固化処理方法によれば、改良土の初期強度を高めることができ、かつ砒素の不溶化が可能である。
また、本発明の固化処理方法は、前記土壌の砒素含有量が0.1〜100mg/kgである砒素汚染土壌であることが好ましい。
本発明によれば、砒素等で汚染された土壌の初期強度を高めることができ、砒素の汚染土壌を土壌溶出量基準以下に不溶化し、かつ地下水等の処理土の周辺環境のpHを中性とすることが可能な中性固化材並びに固化処理方法を提供することができる。
廃瓦のX線回折パターンを示す図である。
以下、本発明の中性固化材並びに固化処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
<中性固化材>
本発明の中性固化材は、軽焼酸化マグネシウム15〜55質量%、硫酸アルミニウム35〜80質量%(無水物換算)及び硫酸第一鉄3〜20質量%(無水物換算)からなる無機質粉末組成物と、瓦とを含む。
ここで軽焼酸化マグネシウムとは、水酸化マグネシウム(Mg(OH))やマグネサイト鉱石(MgCO)を600〜900℃の低温で焼成することで得られる酸化マグネシウムを意味する。
軽焼酸化マグネシウムの含有量は無水物換算で15〜55質量%が好ましく、16〜54質量%がより好ましく、17〜53質量%がさらに好ましく、18〜52質量%が特に好ましい。
軽焼酸化マグネシウムの含有量が15質量%未満では強度発現性が低下するため好ましくない。また、軽焼酸化マグネシウムの含有量が55質量%を超えると処理土のpHが8.6を上回り、地下水等の周辺環境がアルカリ性になるので好ましくない。
硫酸アルミニウムの含有量は無水物換算で35〜80質量%が好ましく、36〜78質量%がより好ましく、37〜76質量%がさらに好ましく、38〜74質量%が特に好ましい。硫酸アルミニウムの含有量が35質量%未満ではpHを中性に確保する(pH8.6以下)ことが難しくなるため好ましくない。また、硫酸アルミニウムの含有量が80質量%を超えるとpHを中性に確保する(pH5.8以上)ことが難しくなるので好ましくない。
硫酸第一鉄の含有量は3〜20質量%が好ましく、4〜18質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましく、6〜12質量%が特に好ましい。
硫酸第一鉄の含有量が3質量%未満では砒素の不溶化が困難になるため好ましくない。また、硫酸第一鉄の含有量が20質量%を超えると強度発現性が低下するので好ましくない。 無機質粉末組成物は、軽焼酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム及び硫酸第一鉄の他に、石膏、石灰石粉、炭酸カルシウム等を少量含んでも良い。
瓦の含有量は無機質粉末組成物100質量部に対して1〜12質量部が好ましく、2〜12質量部がより好ましく、3〜11質量部がさらに好ましく、5〜10質量部が特に好ましい。瓦の含有量が1質量部未満では強度発現効果が低くなるため好ましくない。また、瓦の含有量が12質量部を超えると強度発現効果が低下することがあるので好ましくない。
軽焼酸化マグネシウムは市販の軽焼酸化マグネシウムであれば十分に使用することができるが、その酸化マグネシウムは水和活性が高いことが好ましい。例えば、そのブレーン比表面積やBET比表面積が大きい軽焼酸化マグネシウムがより好ましい。
軽焼酸化マグネシウムのブレーン比表面積は、6000〜20000cm/gであることが好ましく、7000〜20000cm/gであることがより好ましく、8000〜20000cm/gであることがさらに好ましい。ブレーン比表面積が6000cm/g未満では軽焼酸化マグネシウム組成物の水和活性が低くなり、不溶化効果や固化性能が不十分であるため好ましくない。ブレーン比表面積が20000m2/gを超えると粉体やスラリーの流動性が低下し、中性固化材の発塵性や施工性等が悪くなるため好ましくない。軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積は、5〜30m/gであることが好ましく、7〜30m/gであることがより好ましく、8〜30m/gであることがさらに好ましい。BET比表面積が5m/g未満では軽焼酸化マグネシウム組成物の水和活性が低くなり、不溶化効果や固化性能が不十分であるため好ましくない。BET比表面積が30m/gを超えると粉体やスラリーの流動性が低下するため好ましくない
軽焼酸化マグネシウムのMgO含有率は80質量%以上で、CaO含有率が3質量%以下であることが好ましい。MgO含有率は85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。MgO含有率が80質量%未満では、処理土の周辺環境(地下水等)のpH緩衝能が低下する恐れがあり、また不溶化性能が低下する恐れがあるため好ましくない。
また、CaO含有率は2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が特に好ましい。CaO含有率が3質量%を超えると、処理土の周辺環境(地下水等)のpHがアルカリ性になる恐れがあり、または不溶化性能が低下する恐れがあるため好ましくない。
軽焼酸化マグネシウムに含有するMgO含有率およびCaO含有率は、JIS M 8853:1998「セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法」を参考にして測定することができる。
硫酸アルミニウムは市販の硫酸アルミニウムであれば十分に使用することができ、粉末状または液状のどちらでも良いが、好ましくは粉末状が良い。また、硫酸アルミニウムは無水和物または水和物のいずれであっても良い。
硫酸第一鉄は市販の硫酸第一鉄であれば十分に使用することができ、粉末状または液状のどちらでも良いが、好ましくは粉末状が良い。また、硫酸第一鉄は無水和物または水和物のいずれであっても良い。
瓦には粘土瓦やセメント瓦などがあるが、本発明の中性固化材に使用する瓦は粘土瓦が好ましい。粘土瓦には釉薬瓦、いぶし瓦、無釉薬瓦に大別されるが、いずれも使用することが可能である。いぶし瓦や無釉薬瓦がより好ましい。いぶし瓦や無釉薬瓦では、ほう素等の有害物質含有量が少ないため好適である。また、瓦の粉砕品や廃瓦等を使用することが出来る。その粒度は5mmアンダーが好ましく、4mmアンダーがより好ましく、3mmアンダーがさらに好ましく、2mmアンダーが特に好ましい。本発明の中性固化材に使用する瓦の粒度が0.1mmアンダーの場合、強度発現性が十分に発揮されないため好ましくない。
瓦のBET比表面積は0.3〜3.0m/gが好ましく、0.4〜2.5m/gがより好ましく、0.5〜2.0m/gがさらに好ましく、0.6〜1.5m/gが特に好ましい。0.3m/g未満であれば強度発現効果が低下であり、3.0m/gを超えると、コストアップやスラリーでの施工性が低下を招くため好ましくない。
瓦のSiO含有量は60〜70質量%が好ましく、62〜68質量%がより好ましく、63〜67質量%がさらに好ましい。60質量%以下であれば強度発現性や砒素等の不溶化の面で好ましくなく、70質量%を超えると石英含有量が多くなりすぎ強度発現性や砒素等の不溶化の面で好ましくない。
また、Al含有量は18〜25質量%が好ましく、19〜24質量%がより好ましく、20〜23質量%がさらに好ましい。18質量%未満であれば強度発現性の面で好ましくなく、25質量%を超えると強度発現性や砒素等の不溶化の面で好ましくない。
また、Fe含有量が2〜7質量%が好ましく、3〜6質量%がより好ましく、4〜5質量%がさらに好ましい。2質量%以下であれば瓦の純度が強度発現性や砒素等の不溶化の面で好ましく、7質量%を超えると不純物等の混入が多くなり、強度発現性や砒素等の不溶化の面で好ましくない。
また、CaO含有量は0.1〜3.0質量%が好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましく、0.1〜1.0質量%がさらに好ましい。CaO含有量が3質量%を超えると、処理土の周辺環境(地下水等)のpHがアルカリ性になる恐れがあり、または不溶化性能が低下する恐れがあるため好ましくない。
また、ほう素含有量は0.1〜60mg/kgが好ましく、0.2〜40mg/kgがより好ましく、0.3〜20mg/kgがさらに好ましく、0.4〜10mg/kgが特に好ましい。0.1mg/mg未満であれば入手困難であることやコストアップになるため好ましくない。60mg/kgを超えるとほう素の溶出量が土壌溶出量基準を超過する恐れがあるため好ましくない。
本発明の中性固化材には、汚染土壌の性状に応じて、また本来の中性固化材の性能を損なわない範囲で、石灰石粉、珪石粉、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、炭酸マグネシウム、セピオライト、キレート、鉄粉などの各種添加剤と任意に混合することができる。なお、各種添加剤の混合については、事前の室内配合試験の結果および/又は現地混合機を使用した配合試験の結果によって決定するのが好ましい。
<固化処理方法>
本発明の固化処理方法によって地盤改良する土は、砒素の溶出量が0.011〜0.50mg/Lである汚染土壌が好ましく、0.011〜0.40mg/Lがより好ましく、0.011〜0.35mg/Lがさらに好ましく、0.011〜0.30mg/Lが特に好ましい。
本発明の固化処理方法で使用する中性固化材の添加量は、処理対象の汚染土壌の種類や汚染度合によって選定されるが、土に対して20〜200kg/m添加すれば十分な不溶化効果が得られる。好ましくは20〜150kg/m、より好ましくは20〜100kg/m、特に好ましくは20〜75kg/mで添加される。添加量が20kg/m未満であれば、中性固化材と土との混合が不十分になる可能性があるため好ましくない。一方、添加量が200kg/mを超えると処理コストが高くなりすぎるため経済的に好ましくない。
なお、中性固化材の添加量は、事前の室内配合試験の結果および/又は現地混合機を使用した配合試験の結果によって決定するのが好ましい。
また、汚染土壌への中性固化材の添加は、粉体の状態又はスラリーの状態のいずれでも使用することができる。中性固化材と汚染土壌との混合は、バックホウ、ミキシングバケット装着バックホウ、スタビライザー、自走式土質改良機、定置式ミキサー、トレンチャー型撹拌混合機、深層混合処理機、パワーブレンダー、プラント混合等による通常用いられる混合方法で良い。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.使用材料
本発明では、宇部マテリアルズ(株)製の軽焼酸化マグネシウムを用い、硫酸アルミニウムは大明化学工業(株)製(商品名:硫酸アルミニウム、14水和物)を、硫酸第一鉄はチタン工業(株)製(商品名:硫酸第一鉄、7水和物)を使用した。また、多孔質材料として、愛知県陶器瓦工業組合製の廃瓦(商品名:特殊シャモット、0.5mmアンダー品、BET比表面積0.76m/g)、宇部興産(株)製のゼオライト(ウベゼオライト)、クニミネ工業製のベントナイト(クニゲルFs)を使用した。
[軽焼酸化マグネシウムの化学組成]
使用した軽焼酸化マグネシウムの化学組成を表1に示す。軽焼酸化マグネシウムの化学組成は、JIS M 8853:1998「セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法」に準拠して測定した。なお、表中の単位は質量%である。
Figure 2016175966

[酸化マグネシウムのブレーン比表面積]
使用した軽焼酸化マグネシウムのブレーン比表面積は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に従い、ブレーン空気透過装置を用いて測定した。その結果を表2に示す。
[軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積]
前記軽焼酸化マグネシウムのBET比表面積は、高精度ガス吸着装置(日本ベル社製、BELSORP−mini)を用いて、定容量型ガス吸着法にて測定した。その結果を表2に示す。
[軽焼酸化マグネシウムの密度]
使用した軽焼酸化マグネシウムの密度は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に従い、ルシャテリエフラスコを用いて測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2016175966

[多孔質材料の化学組成]
使用した多孔質材料の化学組成を表3に示す。多孔質材料の化学組成は、JIS M 8853:1998「セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法」に準拠して測定した。なお、ほう素の含有量測定では、環境庁告示19号に準拠して試料を調製し、測定はJIS K0102−47.3に準拠して行った。
Figure 2016175966

[廃瓦に含まれる化合物の同定]
粉末X線回折(RINT−2500、リガク社製)を用いて廃瓦に含まれる化合物を同定した結果を図1に示す。図1に示すように、廃瓦に含まれる主な化合物としては石英とムライトであることが確認された。粘土原料にはカオリナイト、雲母鉱物、石英などから構成されるが、粘土瓦の製造において高温焼成したときにムライトが生成し、石英は融点が高いため残存していると推察できる。その高温焼成・冷却工程において、瓦内部に空隙が生じ、多孔質性を有するものと考えられる。
[試料土]
本発明では、山口県で採取した土を供した。試料土の性状を表4に示す。含水比はJIS A 1203「土の含水比試験方法」に準拠して測定した。湿潤密度は、直径5cm、高さ10cmの型枠に試料土を充填し、充填された試料土の質量と型枠の容積から求めた。また、pHは環境庁告示18号法の検液を用いて測定し、粒度はJIS A 1204「土の粒度試験方法」に準拠して測定した。
Figure 2016175966
[模擬汚染土]
珪砂(63質量%、宇部サンド工業製)とカオリナイト(37質量%、カナヤ興産製)を事前に混合した後、砒酸水素二ナトリウム七水和物(NaHAsO・7HO、和光純薬工業(株)製)水溶液を所定量添加し、ソイルミキサーで低速で2.5分間練り混ぜ、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で2.5分間練り混ぜた後、ポリエチレン袋で密封した状態で1日間養生することにより模擬汚染土壌を作製した。
作製した模擬汚染土の性状を表5に示す。含水比はJIS A 1203「土の含水比試験方法」に準拠して測定した。湿潤密度は、直径5cm、高さ10cmの型枠に試料土を充填し、充填された試料土の質量と型枠の容積から求めた。また、pHは環境庁告示18号法の検液を用いて測定し、粒度はJIS A 1204「土の粒度試験方法」に準拠して測定した。砒素含有量および溶出量は、環境庁告示19号法および環境庁告示18号法にて試料を調製し、測定はJIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して行った。
Figure 2016175966
2.試験方法
[一軸圧縮強さ]
各種中性固化材を前記試料土に60kg/m添加し、ソイルミキサーにて低速で1.5分間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で1.5分間練り混ぜた。このようにして得られた処理土は、φ5×10cmのモールドに3層に分けて充填し円柱供試体を作製し、20℃で材齢1日まで密封養生した後、JIS A 1216「土の一軸圧縮試験」に準拠して一軸圧縮強さを測定し、一軸圧縮強さとコーン指数の関係よりコーン指数を求めた。
[処理土のpH]
一軸圧縮試験後の試験体を粗砕した後、環境庁告示18号法の検液を作製し、検液のpHはガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー社製)にて測定した。
[不溶化試験]
各種中性固化材を前記模擬汚染土に30kg/m添加し、ソイルミキサーにて低速で1.5分間練り混ぜた後、容器やパドルに付着した土を掻き落とし、さらに低速で1.5分間練り混ぜた。このようにして得られた処理土は、ポリエチレン袋で密封した状態で、20℃、1日間養生した後、環境庁告示18号法に準拠して検液を作製した。その検液の重金属濃度をJIS K 0102「工場排水試験方法」に準拠して測定した。

3.試験結果
[固化処理土のコーン指数]
軽焼酸化マグネシウムが32.5質量%、硫酸アルミニウムが57.5質量%、硫酸第一鉄が10質量%からなる無機質粉末組成物に、多孔質材料として廃瓦、ゼオライト、ベントナイトを3〜10質量%(外割)添加し中性固化材を作製した(配合No.2〜10)。また参考例として、多孔質材料を添加してない中性固化材も作製した(配合No.1)。処理対象土としては表4に示した試料土を使用した。これらの中性固化材で改良した処理土のコーン指数(材齢1日)を表6に示す。
Figure 2016175966

[砒素およびほう素の溶出試験結果]
上述した配合No.1、3及び4の中性固化材で処理した固化処理土からの砒素およびほう素溶出量を測定した。処理対象土としては表5に示した模擬汚染土を使用した。その結果を表7に示す。
Figure 2016175966
表6に示すように、本発明の廃瓦を添加した中性固化材(実施例1〜3)は、ゼオライトやベントナイトを添加した場合(比較例1〜3および比較例4〜5)に比べ、強度増加率(%)/添加率(質量%)が大きく、強度増加効果が高いことがわかる。
また、表7に示すように、本発明の廃瓦を添加した中性固化材(実施例4及び5)では、砒素やほう素の溶出量に悪影響を及ぼさないことが確認された。
以上のように、本発明の範囲の軽焼酸化マグネシウム15〜55質量%と、硫酸アルミニウム35〜80質量%、硫酸第一鉄3〜20質量%から構成される無機質粉末組成物と、瓦とを含む中性固化材は、多孔質材料としてゼオライト、ベントナイトを使用した中性固化材に比べて、その改良土の初期強度が高く、砒素やほう素の溶出量に悪影響を及ぼさないことがわかる。

Claims (6)

  1. 軽焼酸化マグネシウム15〜55質量%、硫酸アルミニウム35〜80質量%及び硫酸第一鉄3〜20質量%からなる無機質粉末組成物と、瓦とを含むことを特徴とする中性固化材。
  2. 前記無機質粉末組成物100質量部に対して、瓦を1〜12質量部含む、請求項1記載の中性固化材。
  3. 前記瓦のBET比表面積が0.3〜3.0m/gである、請求項1又は2記載の中性固化材。
  4. 前記瓦のSiO含有量が60〜70質量%、Al含有量が18〜25質量%、Fe含有量が2〜7質量%、CaO含有量が0.1〜3.0質量%及びほう素含有量が0.1〜60mg/kgである、請求項1〜3の何れか1項記載の中性固化材。
  5. 請求項1〜請求項4記載の何れか1項記載の中性固化材を、土壌1mに対して20〜200kg/m添加し混合することを特徴とする固化処理方法。
  6. 前記土壌は砒素含有量が0.1〜100mg/kgの砒素汚染土壌である、請求項5記載の固化処理方法。
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