JP2016175321A - サーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】印画品質を高めたサーマルプリントヘッドを提供する。
【解決手段】サーマルプリントヘッドは、回路基板に隣接して主走査方向dmに第1発熱体板20m1と第2発熱体板とが隣接して複数枚並んで放熱板の表面に載置された発熱体板20とを有し、発熱体板20は、発熱抵抗体の表面上の間隙であり発熱する発熱部23bを挟んで対向する電極層と、第1発熱体板20m1に形成された発熱部23bが主走査方向に並んだ第1発熱領域24m1と、第2発熱体板に形成された発熱部が主走査方向に並んだ第2発熱領域とが副走査方向dsに位置ずれして配され、第1発熱体板20m1における、第1発熱領域24m1と第2発熱体板との間であり副走査方向dsに沿って第2発熱領域と重なる箇所には、第1発熱領域24m1よりも表面が低い低表面部72uを形成するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、サーマルプリンタ等に用いられるサーマルプリントヘッドに関する。
サーマルプリントヘッドは、感熱記録紙等の被印刷体が搬送される方向に直交する方向(主走査方向)に配列された複数の発熱抵抗体の発熱部を発熱させ、その熱により被印刷体に文字や図形等の画像を形成する出力用デバイスである。このサーマルプリントヘッドは、バーコードプリンタ、デジタル製版機、ビデオプリンタ、イメージャ、シールプリンタ等の記録機器に広く利用されている。
一般的なサーマルプリントヘッドは、放熱板と、放熱板に取り付けられた発熱体板と、発熱体板と同じ側で放熱板に取り付けられた回路基板とを有している。この発熱体板の放熱板と相対する表面の反対側の表面の帯状に延びる発熱領域には、発熱抵抗体が所定の間隔で直線状に配列されている。また、発熱抵抗体を駆動する駆動回路の一部となる駆動IC(Integrated Circuit)は、例えば回路基板に搭載されている。
そのようなサーマルプリントヘッドには、複数個の発熱体板を主走査方向に沿って並べて放熱板に載置したものがある(例えば特許文献1参照)。
図10に従来のサーマルプリントヘッド1010を、図11に従来の発熱体板1020を示す。サーマルプリントヘッド1010は、発熱体板1020(1020m1及び20m2)、回路基板40(40m1及び40m2)及び放熱板30を有している。発熱体板1020には、帯状に延びる発熱領域1024(1024m1及び1024m2)が形成されている。回路基板40m1及び40m2は、それぞれ長方形の板状に形成され主走査方向dmに沿って並んで放熱板30に載置されている。発熱体板1020m2は、発熱体板1020m1を平面視で180度回転したように配置されている。発熱体板1020m1及び1020m2は、それぞれ長方形の板状に形成され主走査方向dmに沿って並んで、回路基板40m1及び40m2における搬送下流方向dsd側に隣接して放熱板30に載置されている。また発熱体板1020m1と発熱体板1020m2とは、主走査方向dmの中央部分において、副走査方向dsに対し傾斜する直線状に形成された連結部70で互いに連結されている。
このサーマルプリントヘッド1010を用いたサーマルプリンタは、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラ(図示せず)を有している。またこのサーマルプリンタは、感熱リボン(図示せず)を有している。被印刷媒体は、感熱リボンとプラテンローラの間を通るように搬送下流方向dsdに沿って搬送される。
サーマルプリンタは、サーマルプリントヘッド1010における発熱体板1020のニップ範囲51をプラテンローラに押し付ける方向へ押圧することにより、発熱領域24を感熱リボンを介し被印刷媒体に押し付けてニップ圧を加える。それとともにサーマルプリンタは、その被印刷媒体を搬送下流方向dsdに移動させ、発熱領域24の発熱パターンを被印刷媒体の移動と共に変化させることにより、加熱された感熱リボンを被印刷媒体に転写し、所望の画像を被印刷媒体60上に形成する。このニップ範囲51は、発熱領域1024m1及び1024m2を含み、副走査方向dsの中心が、発熱領域1024m1と1024m2との中間部分となっている。
発熱体板1020の支持基板22における保温層22bには、主走査方向dmに延びる突条21が形成されている。保温層22bは、保護層29で覆われている。発熱体板1020m1の発熱部23bは、主走査方向dmに等間隔をおいて配列されて、主走査方向dmに延びる発熱領域1024m1を形成する。この発熱領域1024m1は、発熱体板1020m2(すなわち連結部70)から離隔する主走査方向dmの端部近傍から、連結部70の近傍まで延設されている。また発熱体板1020m2の発熱部23bは、主走査方向dmに等間隔をおいて配列されて、主走査方向dmに延びる発熱領域1024m2を形成する。この発熱領域1024m2は、発熱体板1020m1(すなわち連結部70)から離隔する主走査方向dmの端部近傍から、連結部70の近傍まで延設されている。発熱体板1020m1における発熱領域1024m1と、発熱体板1020m2における発熱領域1024m2とにより、発熱体板1020m1及び1020m2が連結された発熱体板1020の主走査方向dmの一端から他端まで主走査方向dmに延びる発熱領域1024が形成される。この発熱領域1024m1と発熱領域1024m2とは、互いに副走査方向dsに位置ずれして配置されている。発熱領域1024m1及び1024m2において、突条21の上方以外における保護層29に対する突条21の上方における保護層29の高さである突条高さHは、20μmとなっている。
特開2001−260405号公報
このようなサーマルプリントヘッド1010においては、被印刷媒体が搬送される際に、連結部70近傍において突出する発熱領域1024m1と発熱領域1024m2との両方が該被印刷媒体に接触してしまい、印画品質を保てない可能性があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、印画品質を高め得るサーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明のサーマルプリントヘッドにおいては、放熱板と、放熱板に載置され駆動ICを搭載する回路基板と、回路基板に隣接して主走査方向に第1発熱体板と第2発熱体板とが隣接して複数枚並んで放熱板に載置された発熱体板とを有し、発熱体板は、回路基板に隣接して放熱板に載置された絶縁板と、絶縁板の表面に形成された保温層と、保温層の表面に形成され主走査方向に間隔をおいて複数配列され、駆動ICにより駆動される発熱抵抗体と、発熱抵抗体の表面に該発熱抵抗体の表面上の間隙であり発熱する発熱部を挟んで対向する電極層と、少なくとも発熱部の表面に形成される保護層と、電極層と駆動ICとを接続するボンディングワイヤとを設け、第1発熱体板に形成された発熱部が主走査方向に並んだ第1発熱領域と、第2発熱体板に形成された発熱部が主走査方向に並んだ第2発熱領域とが副走査方向に位置ずれして配され、第1発熱体板における、第1発熱領域と第2発熱体板との間であり副走査方向に沿って第2発熱領域と重なる箇所には、第1発熱領域よりも表面が低い第1低表面部が形成されているようにした。
また本発明のサーマルプリンタにおいては、放熱板と、放熱板に載置され駆動ICを搭載する回路基板と、回路基板に隣接して主走査方向に第1発熱体板と第2発熱体板とが隣接して複数枚並んで放熱板に載置された発熱体板とを有するサーマルプリントヘッドと、被印刷媒体をサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラとを有し、発熱体板は、回路基板に隣接して放熱板に載置された絶縁板と、絶縁板の表面に形成された保温層と、保温層の表面に形成され主走査方向に間隔をおいて複数配列され、駆動ICにより駆動される発熱抵抗体と、発熱抵抗体の表面に該発熱抵抗体の表面上の間隙であり発熱する発熱部を挟んで対向する電極層と、少なくとも発熱部の表面に形成される保護層と、電極層と駆動ICとを接続するボンディングワイヤとを設け、第1発熱体板に形成された発熱部が主走査方向に並んだ第1発熱領域と、第2発熱体板に形成された発熱部が主走査方向に並んだ第2発熱領域とが副走査方向に位置ずれして配され、第1発熱体板における、第1発熱領域と第2発熱体板との間であり副走査方向に沿って第2発熱領域と重なる箇所には、第1発熱領域よりも表面が低い第1低表面部が形成されているようにした。
これにより、副走査方向に沿って搬送される被印刷媒体が、第1発熱領域と第2発熱領域との両方に接触してしまうことを防止し、第1発熱領域又は第2発熱領域の何れか一方にのみ接触させるようにできる。
本発明によれば、副走査方向に沿って搬送される被印刷媒体が、第1発熱領域と第2発熱領域との両方に接触してしまうことを防止し、第1発熱領域又は第2発熱領域の何れか一方にのみ接触させるようにでき、かくして印画品質を向上し得るサーマルプリントヘッド及びサーマルプリンタを実現できる。
サーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの構成を示す一部断面図である。 発熱体板の構成を示す平面図である。 第1の実施の形態による発熱体板の構成(1)を示す平面図である。 第1の実施の形態による発熱体板の構成(2)を示し、図2及び図3におけるX−X矢視断面図である。 第1の実施の形態による発熱体板の構成(3)を示し、(A)は一部拡大平面図、(B)は(A)におけるY−Y矢視断面図である。 第1の実施の形態によるサーマルプリントヘッドの製造方法を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による発熱体板の構成を示す断面図である。 第3の実施の形態による発熱体板の構成を示す断面図である 第4の実施の形態による発熱体板の構成を示す断面図である。 従来の発熱体板の構成(1)を示す平面図である。 従来の発熱体板の構成(2)を示し、図10におけるX−X矢視断面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
なお、図1乃至図5並びに図7乃至図11では、副走査方向dsが、被印刷体を搬送する方向を表し、該副走査方向dsに直交する主走査方向dmが、被印刷体を搬送する方向に直交し発熱抵抗体23aが間隔をおいて複数配列され発熱領域24が延びる方向を表している。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.サーマルプリンタ及びサーマルプリントヘッドの構成]
図1乃至図4に示すように、本実施の形態のサーマルプリントヘッド10は、例えば発熱体板20(20m1及び20m2)、回路基板40(40m1及び40m2)及び放熱板30を有している。発熱体板20には、帯状に延びる発熱領域24(24m1及び24m2)が形成されている。回路基板40m1及び40m2は、それぞれ長方形の板状に形成され主走査方向dmに沿って並んで放熱板30に載置されている。第2発熱体板としての発熱体板20m2は、第1発熱体板としての発熱体板20m1とほぼ同様の構成が平面視で回転されずに同じ向きで配置されている。この発熱体板20m1と発熱体板20m2とは、互いに物理的及び電気的に独立している。発熱体板20m1及び20m2は、それぞれ長方形の板状に形成され主走査方向dmに沿って並んで、回路基板40m1及び40m2における副走査方向dsの一端側、すなわち被印刷媒体60が搬送される搬送方向の下流側である搬送下流方向dsd側に隣接して放熱板30に載置されている。また発熱体板20m1と発熱体板20m2とは、発熱体板20における主走査方向dmの中央部分において、副走査方向dsに対し傾斜する直線状に形成された連結部70で互いに連結されている。
放熱板30は、例えばアルミニウム等の金属で形成された板である。発熱領域24に所定の発熱パターンを形成するための制御信号や駆動電力は、回路基板40に入力され、さらに回路基板40と電気的に接続された発熱体板20に入力される。
このサーマルプリントヘッド10を用いたサーマルプリンタ1は、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラ50を有している。このプラテンローラ50は、主走査方向dmに平行な直線上に軸52を持つ。またプラテンローラ50は、該プラテンローラ50の周側面が発熱領域24に接するように配置され、軸52を中心に回転可能に設けられる。
このサーマルプリンタ1は、感熱リボン63を有している。感熱リボン63は、プラテンローラ50の軸52に平行な軸65の周りにロール状に巻かれている。ロール状に巻かれた感熱リボン63は、その軸65に平行な軸66の周りに巻き取られる。巻き取り側の軸66は、モータ等によって駆動される。感熱リボン63は、プラテンローラ50の周側面とサーマルプリントヘッド10との間を通るように搬送される。被印刷媒体60は、感熱リボン63とプラテンローラ50の間を通るように搬送下流方向dsdに沿って搬送される。また感熱リボン63は、巻き取り方向に複数の種類の色の領域が形成されている。感熱リボン63の各色の領域は、所定の温度以上になると発色し、その際に接触している被印刷媒体60にその色が転写される。
サーマルプリンタ1は、駆動モータにより構成された図示しないヘッド押圧部によりサーマルプリントヘッド10における発熱体板20のニップ範囲51をプラテンローラ50に押し付ける方向へ押圧することにより、発熱領域24を感熱リボン63を介しフィルム等の被印刷媒体60に押し付けてニップ圧を加える。それとともにサーマルプリンタ1は、その被印刷媒体60を搬送下流方向dsdに移動させ、発熱領域24の発熱パターンを被印刷媒体60の移動と共に変化させることにより、加熱された感熱リボン63を被印刷媒体60に転写し、所望の画像を被印刷媒体60上に形成する。このニップ範囲51は、発熱領域24m1及び24m2を含み、副走査方向dsの中心が、発熱領域24m1と24m2との間の中間部分となっている。
発熱体板20m1は、支持基板22と、発熱抵抗体層23と、電極層28と、保護層29とを有している。発熱体板20m2は、発熱体板20m1とほぼ同様に構成されているため、以下では主に発熱体板20m1について説明する。
支持基板22は、例えばアルミナ(Al)等のセラミックの絶縁板22aと、この絶縁板22aの上面に25μmの厚みで層状に形成されたグレーズ層と称される保温層22bとを有している。保温層22bは、例えば酸化珪素(SiO)で形成される。また保温層22bには、2mm幅で主走査方向dmに延びる突条21が形成されている。
発熱抵抗体層23は、保温層22bの上面の一部に層状に、例えばTaSiO等のサーメットで形成される。発熱抵抗体層23は、発熱抵抗体23aが主走査方向dmに間隔をおき、1枚の発熱体板20m1における主走査方向dmの一端側から他端側まで連続して一列に配列され、それぞれ突条21を跨いで副走査方向dsに延設している。
電極層28は、発熱抵抗体層23の上面の一部に層状に形成される。電極層28は、例えばアルミニウム(Al)で形成された共通電極28b(共通電極母線28b1及び共通電極子線28b2)、個別電極28a及び折返電極28cにより構成される。
共通電極28bの共通電極母線28b1は、発熱体板20の主走査方向dmの一端側から他端側に亘って延びている。共通電極母線28b1は、回路基板40m1上の回路パターンとボンディングワイヤで接続されることにより、駆動電力を供給される。個別電極28aと、共通電極28bの共通電極子線28b2とは、発熱抵抗体23aの上面に層状に、主走査方向dmに交互に形成される。個別電極28aは、主走査方向dmに等間隔をおき、1枚の発熱体板20m1における主走査方向dmの一端側から他端側まで連続して主走査方向dmに沿って一列に配列される。共通電極28bの複数の共通電極子線28b2は、主走査方向dmに等間隔をおき、1枚の発熱体板20m1における主走査方向dmの一端側から他端側まで連続して主走査方向dmに沿って個別電極28aと交互に一列に配列される。また共通電極子線28b2は、発熱体板20m1における回路基板40m1に近接する側、すなわち発熱体板20m1における搬送下流方向dsd側の逆側である搬送上流方向dsu側の端部が、共通電極母線28b1に接続している。
折返電極28cはU字型の形状であり、個別電極28a及び共通電極子線28b2よりも搬送下流方向dsd側において、発熱抵抗体層23の上面に層状に形成されている。共通電極子線28b2の搬送下流方向dsd側における端部(発熱抵抗体23aの第2端の他方)と、折返電極28cの搬送上流方向dsu側における一端(発熱抵抗体23aの第1端の他方)とは、発熱抵抗体長となる所定長さの間隙を副走査方向dsから挟むよう対向して配置される。同様に折返電極28cの搬送上流方向dsu側における他端(発熱抵抗体23aの第1端の一方)と、個別電極28aの搬送下流方向dsd側における端部(発熱抵抗体23aの第2端の一方)とは、所定長さの間隙を副走査方向dsから挟むよう対向して配置される。これにより折返電極28cは、主走査方向dmに隣り合う一対の発熱抵抗体23aを導通接続している。
共通電極母線28b1を流れてきた電流は、共通電極子線28b2と折返電極28cとの間隙部分に位置する発熱抵抗体23aと、個別電極28aと折返電極28cとの間隙部分に位置する発熱抵抗体23aとを通ることになるため、サーマルプリントヘッド10が被印刷媒体60に印画する際に発熱する発熱部23bとなる。この発熱部23bは、主走査方向dmに等間隔をおいて配列されて、主走査方向dmに延びる発熱領域24m1を形成する。また発熱体板20m1における発熱領域24m1と、発熱体板20m2における発熱領域24m2とにより、発熱体板20m1及び20m2が連結された発熱体板20の主走査方向dmの一端から他端まで主走査方向dmに延びる発熱領域24が形成される。この第1発熱領域としての発熱領域24m1と第2発熱領域としての発熱領域24m2とは、副走査方向dsのピッチが1.5μmとなるよう、互いに副走査方向dsに位置ずれして配置されている。発熱領域24m1と連結部70との間には、後述する低表面部72uが形成されている。また発熱領域24m2と連結部70との間には、後述する低表面部72dが形成されている。
個別電極28aのボンディングパッド26には、ボンディングワイヤ44の一端が接続され、その他端は回路基板40m1上の駆動IC42と接続され、発熱領域24m1に所定の発熱パターンを形成するための制御信号が供給される。駆動IC42にはボンディングワイヤ45の一端が接続され、その他端は回路基板40m1上の回路パターンと接続される。
個別電極28a、共通電極28b及び発熱抵抗体層23は、例えば酸窒化珪素(SiON)でなる保護層29で覆われている。この保護層29は、個別電極28aの一部の表面には設けられておらず、この部分にボンディングワイヤ44が接続される。保護層29は、膜厚が20μm程度となっている。駆動IC42及びボンディングワイヤ44は、樹脂48で封止されている。なお図4には、従来の発熱体板1020(図11)における保護層1029を破線で示している。
[1−2.低表面部の構成]
発熱体板20m1には、発熱体板20m2に最も近接する発熱部23bから該発熱体板20m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って、副走査方向dsの長さが突条21よりも広い範囲で保護層29が一定の厚さで除去された第1低表面部としての低表面部72uが形成されている。この低表面部72uは、保温層22b(すなわち絶縁板22a)の主面に垂直な低表面部壁面74uと、該低表面部壁面74uと直交して連結部70へ向かって延在し保温層22bの主面と平行な低表面部表面76uとを有する。低表面部72uは、低表面部離隔距離Lが20μmとなっており、発熱体板20m1において低表面部72uが形成されていない発熱部23bにおける保護層29の膨らみを示す突条高さHである20μmから、低表面部壁面74uの高さである低表面部深さDとして9μmの保護層29が除去されている。
発熱体板20m2には、発熱体板20m1と同様に、発熱体板20m1に最も近接する発熱部23bから該発熱体板20m1に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って、副走査方向dsの長さが突条21よりも広い範囲で保護層29が一定の厚さで除去された第2低表面部としての低表面部72dが形成されている。この低表面部72dは、保温層22b(すなわち絶縁板22a)の主面に垂直な低表面部壁面74dと、該低表面部壁面74dと直交して連結部70へ向かって延在し保温層22bの主面と平行な低表面部表面76dとを有する。低表面部72dは、低表面部離隔距離Lが20μmとなっており、発熱体板20m2において低表面部72dが形成されていない発熱部23bにおける保護層29の膨らみを示す突条高さHである20μmから、低表面部壁面74dの高さである低表面部深さDとして保護層29が9μmだけ除去されている。以下では低表面部72u及び72dをまとめて低表面部72と、低表面部壁面74u及び74dをまとめて低表面部壁面74と、低表面部表面76u及び76dをまとめて低表面部表面76とも呼ぶ。低表面部壁面74uと低表面部壁面74dとは、主走査方向dmの位置が揃っている。
このように発熱体板20m1には、該発熱体板20m1における、発熱領域24m1と発熱体板20m2(すなわち連結部70)との間であり副走査方向dsに沿って発熱領域24m2と重なる箇所の表面が発熱領域24m1よりも低く形成された低表面部72uが設けられている。また発熱体板20m2には、該発熱体板20m2における、発熱領域24m2と発熱体板20m1(すなわち連結部70)との間であり副走査方向dsに沿って発熱領域24m1と重なる箇所の表面が発熱領域24m2よりも低く形成された低表面部72dが設けられている。このように発熱体板20は、互いに副走査方向dsに位置ずれして突出する発熱領域24m1と発熱領域24m2とが、主走査方向dmに重ならないように配置することにより、発熱体板20の主走査方向dmの一端から他端に亘って、突出する発熱領域24が副走査方向dsに沿って2箇所は存在しないようにしている。
この低表面部72は、副走査方向dsに搬送される被印刷媒体60が発熱領域24m1及び24m2の両方には接触しないことにより印画品質を保ちつつ、プラテンローラ50から発熱体板20に加わる圧力がニップ範囲51内の全範囲に亘って設計上許容される範囲内で均等になるように平面視で最小限の大きさとなっている。
[1−3.サーマルプリントヘッドの製造方法]
ここで、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッド10の製造方法について図6を参照して説明する。まず、セラミック、例えばアルミナ(Al)等の絶縁板22aを用意する。次に、絶縁板22aの上面に、酸化珪素(SiO)を主成分とするガラスペーストをスクリーン印刷等により塗布し焼成して溶融し保温層22bを形成する(S1)。
その後、保温層22bの表面に発熱抵抗体層23及び電極層28からなる配線層を形成する(S2)。より具体的には、まず、絶縁板22aの表面と保温層22bの表面とに、サーメット等の抵抗材料をスパッタリング等で固着させ、その上にアルミニウム等の導電性材料をスパッタリング等で固着させる。その後、発熱抵抗体層23及び電極層28を、エッチングマスクを用いたフォトエングレービングプロセスでエッチングすることにより、主走査方向dmに間隔を置いて配列した発熱抵抗体23aと、発熱部23bに対応する間隙とをパターニング形成する。
次に、保護層29をスパッタリング等で全面に固着させることにより、保温層22b、発熱抵抗体層23、個別電極28a及び共通電極28bを覆い個別電極28aにおけるボンディングパッド26になる部分を除くよう保護層29を成膜する(S3)。
その後、保護層29を、発熱抵抗体層23及び電極層28とは別のエッチングマスクを用いたフォトエングレービングプロセスでエッチングすることにより、低表面部72をパターニング形成する(S4)。
このようにして形成された発熱体板20を、回路基板40とともに放熱板30に載置する(S5)。また、発熱体板20と回路基板40とをボンディングワイヤ44で結線し(S6)、さらにボンディングワイヤ44による結線部を樹脂48で封止する(S7)ことにより、サーマルプリントヘッド10が製造される。
[1−4.効果]
以上の構成においてサーマルプリントヘッド10は、発熱体板20m1において、発熱領域24m1と発熱体板20m2との間であり副走査方向dsに沿って発熱領域24m2と重なる箇所の表面が発熱領域24m1よりも低く形成された低表面部72uを設けると共に、発熱体板20m2において、発熱領域24m2と発熱体板20m1との間であり副走査方向dsに沿って発熱領域24m1と重なる箇所の表面が発熱領域24m2よりも低く形成された低表面部72dを設けるようにした。すなわちサーマルプリントヘッド10は、発熱体板20において、同じ高さに突出する保護層29が主走査方向dmの一端から他端までに亘って2箇所は存在しないようにした。
これによりサーマルプリントヘッド10は、副走査方向dsに沿って搬送される被印刷媒体60が、発熱領域24m1と発熱領域24m2との両方に接触してしまうことを防止し、発熱領域24m1又は発熱領域24m2の何れか一方にのみ接触させるようにでき、印画品質を向上させることができる。
またサーマルプリントヘッド10は、搬送上流方向dsu側に位置する発熱領域24m1に対し搬送下流方向dsd側に位置する発熱領域24m2が形成された発熱体板20m2に低表面部72dを設けるようにした。このためサーマルプリントヘッド10は、発熱領域24m1により被印刷媒体60に転写されたインクが発熱体板20m2において突出する保護層29に接触してしまい該インクが削れたり潰れたりして変化してしまうことを防止し、印画品質を向上させることができる。
またサーマルプリントヘッド10は、従来から存在している、個別電極28a及び共通電極28bをパターニングする工程と同様の、フォトエングレービングプロセスによるエッチングにより、保護層29をパターニングして低表面部72を形成するようにした。これによりサーマルプリントヘッド10は、低表面部72を形成する特殊な工程を追加することなく該低表面部72を形成できる。
またサーマルプリントヘッド10は、エッチングにより、保護層29をパターニングして低表面部72を形成するようにしたため、例えばブレード等で保護層29を研削する場合と比べて、低表面部離隔距離Lを正確にし、高い位置精度で低表面部72を形成できる。
以上の構成によれば、サーマルプリントヘッド10は、放熱板30と、放熱板30の上面に載置され駆動IC42を搭載する回路基板40と、回路基板40に隣接して主走査方向dmに発熱体板20m1と発熱体板20m2とが隣接して複数枚並んで放熱板30の上面に載置された発熱体板20とを有し、発熱体板20は、回路基板40に隣接して放熱板30の上面に載置された絶縁板22aと、絶縁板22aの上面に形成された保温層22bと、保温層22bの上面に形成され主走査方向dmに間隔をおいて複数配列され、駆動IC42により駆動される発熱抵抗体23aと、発熱抵抗体23aの表面に該発熱抵抗体23aの表面上の間隙であり発熱する発熱部23bを挟んで対向する電極層28と、少なくとも発熱部23bの上面に形成される保護層29と、電極層28と駆動IC42とを接続するボンディングワイヤ44とを設け、発熱体板20m1に形成された発熱部23bが主走査方向dmに並んだ発熱領域24m1と、発熱体板20m2に形成された発熱部23bが主走査方向dmに並んだ発熱領域24m2とが副走査方向dsに位置ずれして配され、発熱体板20m1における、発熱領域24m1と発熱体板20m2との間であり副走査方向dsに沿って発熱領域24m2と重なる箇所には、発熱領域24m1よりも表面が低い低表面部72uを形成するようにした。
これによりサーマルプリントヘッド10は、副走査方向dsに沿って搬送される被印刷媒体60が、発熱領域24m1と発熱領域24m2との両方に接触してしまうことを防止し、発熱領域24m1又は発熱領域24m2の何れか一方にのみ接触させるようにできる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.サーマルプリンタ、サーマルプリントヘッド及び低表面部の構成]
図1、図2及び図7に示すように、第2の実施の形態によるサーマルプリンタ101におけるサーマルプリントヘッド110の発熱体板120(120m1及び120m2)は、第1の実施の形態によるサーマルプリンタ1におけるサーマルプリントヘッド10の発熱体板20(20m1及び20m2)と比べて、保護層129が保護層29と、保温層122bが保温層22bと、低表面部172(172u及び172d)が低表面部72(72u及び72d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
保護層129は、保護層29よりも膜厚が薄く形成されており、例えば4μmとなっている。発熱体板120m1には、発熱体板120m2(図示せず)に最も近接する発熱部23bから該発熱体板120m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って、副走査方向dsの長さが突条21(図示せず)よりも広い範囲で保温層122bが一定の厚さで除去された低表面部172uが形成されている。この低表面部172uは、保温層122b(すなわち絶縁板22a(図示せず))の主面に垂直な低表面部壁面174uと、該低表面部壁面174uと直交して連結部70へ向かって延在し絶縁板22aの主面と平行な低表面部表面176uとを有する。低表面部172uは、低表面部離隔距離Lが20μmとなっており、発熱体板120m1において低表面部172uが形成されていない発熱部23bにおける保護層129の膨らみを示す突条高さH(図示せず)である20μmから、低表面部壁面174uの高さである低表面部深さDとして保温層122bが9μmだけ除去されている。発熱体板120m2は、発熱体板120m1と同様の構成であり、該発熱体板120m1を平面視で180度回転したように配置されている。以下では低表面部172u及び172dをまとめて低表面部172と、低表面部壁面174u及び174dをまとめて低表面部壁面174と、低表面部表面176u及び176dをまとめて低表面部表面176とも呼ぶ。低表面部壁面174uと低表面部壁面174dとは、主走査方向dmの位置が揃っている。
この低表面部172uは、例えば先端が平らなブレード等で保温層22bが研削され、保護層129が固着されることにより形成される。
このようにサーマルプリントヘッド110は、保護層129の厚さが、低表面部深さDである例えば9μmよりも薄い場合、保護層129をエッチング等で除去せずに、保温層122bを研削することにより低表面部172を形成するようにした。これによりサーマルプリントヘッド110は、保護層129の厚さが、低表面部深さDに満たない場合であっても、低表面部172を形成できる。
その他第2の実施の形態によるサーマルプリントヘッド110は、第1の実施の形態によるサーマルプリントヘッド10とほぼ同様の作用効果を奏する。
[3.第3の実施の形態]
[3−1.サーマルプリンタ、サーマルプリントヘッド及び低表面部の構成]
図1、図2及び図8に示すように、第3の実施の形態によるサーマルプリンタ201におけるサーマルプリントヘッド210の発熱体板220(220m1及び220m2)は、第2の実施の形態によるサーマルプリンタ101におけるサーマルプリントヘッド110の発熱体板120(120m1及び120m2)と比べて、保護層229が保護層129と、保温層222bが保温層122bと、低表面部272(272u及び272d)が低表面部172(172u及び172d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
保護層229は、保護層129と同様に、例えば4μmの膜厚となっている。発熱体板220m1には、発熱体板220m2(図示せず)に最も近接する発熱部23bから該発熱体板220m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って、副走査方向dsの長さが突条21(図示せず)よりも広い範囲で保温層222bが一定の厚さで除去された低表面部272uが形成されている。この低表面部272uは、保温層222b(すなわち絶縁板22a(図示せず))の主面に垂直な方向よりも連結部70へ向かう方向へ傾斜して絶縁板22aへ向かうよう形成された低表面部壁面274uと、該低表面部壁面274uから連結部70へ向かって延在し絶縁板22aの主面と平行な低表面部表面276uとを有する。低表面部272uは、低表面部離隔距離Lが20μmとなっており、発熱体板220m1において低表面部272uが形成されていない発熱部23bにおける保護層229の膨らみを示す突条高さH(図示せず)である20μmから、低表面部壁面274uの高さである低表面部深さDとして保温層222bが9μmだけ除去されている。発熱体板220m2は、発熱体板220m1と同様の構成であり、該発熱体板220m1を平面視で180度回転したように配置されている。以下では低表面部272u及び272dをまとめて低表面部272と、低表面部壁面274u及び274dをまとめて低表面部壁面274と、低表面部表面276u及び276dをまとめて低表面部表面276とも呼ぶ。低表面部壁面274uと低表面部壁面274dとは、主走査方向dmの位置が揃っている。
この低表面部272uは、例えば先端が平らでありテーパがついたブレード等で保温層222bが研削され、保護層229が固着されることにより形成される。
このようにサーマルプリントヘッド210は、絶縁板22aの主面に垂直な方向よりも連結部70へ向かう方向へ傾斜して絶縁板22aへ向かうように低表面部壁面274uを形成する、すなわち低表面部壁面174u(図7)よりも上方に対向するよう低表面部壁面274uを形成するようにした。これによりサーマルプリントヘッド210は、サーマルプリントヘッド110と比べて、保温層222bに保護層229をより安定的に固着させることができ、信頼性を向上させることができる。
その他第3の実施の形態によるサーマルプリントヘッド210は、第2の実施の形態によるサーマルプリントヘッド110とほぼ同様の作用効果を奏する。
[4.第4の実施の形態]
[4−1.サーマルプリントヘッド及び低表面部の構成]
図2及び図9に示すように、第4の実施の形態によるサーマルプリントヘッド310の発熱体板320(320m1及び320m2)は、第1の実施の形態によるサーマルプリントヘッド10の発熱体板20(20m1及び20m2)と比べて、保護層329が保護層29と、支持基板322の保温層322bが支持基板22の保温層22bと、低表面部372(372u及び372d)が低表面部72(72u及び72d)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
発熱体板320m1には、発熱体板320m2(図示せず)に最も近接する発熱部23bから該発熱体板320m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離L(図示せず)だけ離隔した箇所から、連結部70(図示せず)までに亘って、突条21が形成されておらず保温層322bの表面が突条21以外の箇所に対し平坦に形成された低表面部372uが形成されている。低表面部372uは、発熱体板320m1において低表面部372uが形成されていない発熱部23bにおける保護層329の膨らみを示す突条高さHである20μmだけ保温層322bが除去されている。発熱体板320m2は、発熱体板320m1と同様の構成であり、該発熱体板320m1を平面視で180度回転したように配置されている。
この低表面部372uは、絶縁板22aの上面に保温層322bを形成する際、該低表面部372uに相当する箇所に突条が形成されず、保護層329が固着されることにより形成される。
このようにサーマルプリントヘッド310は、保温層322bに突条を形成せずに保護層329を固着させることにより、低表面部372を形成するようにした。これによりサーマルプリントヘッド310は、発熱体板320の主走査方向dmの一端から他端に亘って、突出する発熱領域324が副走査方向dsに沿って2箇所存在しないようにすることができる。これによりサーマルプリントヘッド310は、副走査方向dsに沿って搬送される被印刷媒体60が、発熱領域324m1と発熱領域324m2との両方に接触してしまうことを防止し、発熱領域324m1又は発熱領域324m2の何れか一方にのみ接触させるようにでき、印画品質を向上させることができる。
その他第4の実施の形態によるサーマルプリントヘッド310は、第1の実施の形態によるサーマルプリントヘッド10とほぼ同様の作用効果を奏する。
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、発熱体板20m1に低表面部72uを、発熱体板20m2に低表面部72dをそれぞれ設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、発熱体板20m1の低表面部72uか、発熱体板20m2の低表面部72dかの何れか一方は形成せずに省略しても良い。その場合、上述したように、特に搬送下流方向dsd側に位置する発熱領域24m2が形成された発熱体板20m2に低表面部72dを設けると、発熱領域24m1により被印刷媒体60に転写されたインクが発熱体板20m2において突出する保護層29に接触してしまうことを防止できるため、好ましい。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、低表面部72の低表面部壁面74を絶縁板22aの主面に垂直にする場合について述べた。本発明はこれに限らず、低表面部72の低表面部壁面74を、低表面部272(図8)のように、絶縁板22aの主面に垂直な方向よりも連結部70へ向かう方向へ傾斜して絶縁板22aへ向かうように形成しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、発熱体板20m1における、発熱体板20m2に最も近接する発熱部23bから該発熱体板20m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って低表面部72uを形成する、すなわち低表面部72uには発熱抵抗体23aを設けない場合について述べた。本発明はこれに限らず、低表面部72uに発熱抵抗体23aを設けても良い。その場合、その発熱抵抗体23aには電流を流さず、発熱しないようにすれば良い。要は、発熱体板20m1における、発熱体板20m2に最も近接し発熱する発熱抵抗体23aよりも該発熱体板20m2に向かって主走査方向dmに低表面部離隔距離Lだけ離隔した箇所から、連結部70までに亘って低表面部72uを形成すれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、低表面部深さDを9μmとする場合について述べた。本発明はこれに限らず、低表面部深さDを他の種々の値としても良い。印画品質を向上できるのであれば、低表面部深さDは可能な限り小さい方が好ましい。
さらに上述した実施の形態においては、低表面部離隔距離Lを20μmとする場合について述べた。本発明はこれに限らず、低表面部離隔距離Lを他の種々の値としても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、保護層29をエッチングで除去することにより低表面部72を形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ブレード等で保護層29を研削する等、種々の方法で保護層29を除去することにより低表面部72を形成しても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、保温層22bをブレードで研削することにより低表面部172を形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばフッ化水素酸でエッチングしたり、サンドブラストで削ったりする等、種々の方法で保温層122bを除去することにより低表面部172を形成しても良い。第3の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第4の実施の形態においては、保温層322bを形成する際に低表面部372uに相当する箇所に突条を形成しない場合について述べた。本発明はこれに限らず、一旦突条を形成した後に該突条を研削することにより保温層322bを形成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、2枚の発熱体板20である発熱体板20m1と発熱体板20m2とが主走査方向dmに並んで放熱板30に載置されたサーマルプリントヘッド10に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、3枚以上の任意の枚数の発熱体板が主走査方向dmに並んで放熱板30に載置されたサーマルプリントヘッドに本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、いわゆる折返電極方式のサーマルプリントヘッド10に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、主走査方向dmに沿って延設された共通電極から、個別電極が主走査方向dmに間隔を開けて副走査方向dsに沿って延在する、いわゆる共通電極方式に本発明を適用しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、発熱体板20m1と、該発熱体板20m1とほぼ同様の構成が平面視で回転せずに同じ方向で配置された発熱体板20m2とが主走査方向dmに沿って並んだ発熱体板20を有するサーマルプリントヘッド10に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、第1の発熱体板と、該第1の発熱体板が平面視で180度回転したように配置された第2の発熱体板とが主走査方向dmに沿って並んだ発熱体板を有するサーマルプリントヘッドに本発明を適用しても良い。その場合、第2の発熱体板を駆動する回路基板は、該第2の発熱体板に対し搬送下流方向dsd側に配置される。第2乃至第4の実施の形態においても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、放熱板としての放熱板30と、回路基板としての回路基板40と、発熱体板としての発熱体板20と、絶縁板としての絶縁板22aと、保温層としての保温層22bと、発熱抵抗体としての発熱抵抗体23aと、電極層としての電極層28と、保護層としての保護層29と、ボンディングワイヤとしてのボンディングワイヤ44と、第1低表面部としての低表面部72uとによってサーマルプリントヘッドとしてのサーマルプリントヘッド10を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる放熱板と、回路基板と、発熱体板と、絶縁板と、保温層と、発熱抵抗体と、電極層と、保護層と、ボンディングワイヤと、低表面部とによってサーマルプリントヘッドを構成しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、放熱板としての放熱板30と、回路基板としての回路基板40と、発熱体板としての発熱体板20を有するサーマルプリントヘッド10と、プラテンローラとしてのプラテンローラ50と、絶縁板としての絶縁板22aと、保温層としての保温層22bと、発熱抵抗体としての発熱抵抗体23aと、電極層としての電極層28と、保護層としての保護層29と、ボンディングワイヤとしてのボンディングワイヤ44と、第1低表面部としての低表面部72uとによってサーマルプリンタとしてのサーマルプリンタ1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる放熱板と、回路基板と、発熱体板と、プラテンローラと、絶縁板と、保温層と、発熱抵抗体と、電極層と、保護層と、ボンディングワイヤと、低表面部とによってサーマルプリンタを構成しても良い。
1、101、201……サーマルプリンタ、10、110、210、310、1010…サーマルプリントヘッド、20m1、20m2、120m1、120m2、220m1、220m2、320m1、320m2、1020m1、1020m2……発熱体板、21……突条、22、322……支持基板、22a……絶縁板、22b、122b、222b、322b……保温層、23……発熱抵抗体層、23a……発熱抵抗体、23b……発熱部、24m1、24m2、324m1、324m2、……発熱領域、26……ボンディングパッド、28……電極層、28a……個別電極、28b……共通電極、28b1……共通電極母線、28b2……共通電極子線、28c……折返電極、29、129、229、329……保護層、30…放熱板、40m1、40m2……回路基板、42……駆動IC、44……ボンディングワイヤ、45……ボンディングワイヤ、48……樹脂、50……プラテンローラ、51……ニップ範囲、52……軸、60……被印刷媒体、63……感熱リボン、65……軸、66……軸、70……連結部、72u、72d、172u、172d、272u、272d、372u、372d……低表面部、74u、74d、174u、174d、274u、274d……低表面部壁面、76u、76d、176u、176d、276u、276d……低表面部表面、L……低表面部離隔距離、D……低表面部深さ、H……発熱部高さ、dm……主走査方向、ds……副走査方向、dsd……搬送下流方向、dsu……搬送上流方向。

Claims (10)

  1. 放熱板と、
    前記放熱板に載置され駆動ICを搭載する回路基板と、
    前記回路基板に隣接して主走査方向に第1発熱体板と第2発熱体板とが隣接して複数枚並んで前記放熱板に載置された発熱体板と
    を有するサーマルプリントヘッドであって、
    前記発熱体板は、
    前記回路基板に隣接して前記放熱板に載置された絶縁板と、
    前記絶縁板の表面に形成された保温層と、
    前記保温層の表面に形成され主走査方向に間隔をおいて複数配列され、前記駆動ICにより駆動される発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の表面に該発熱抵抗体の表面上の間隙であり発熱する発熱部を挟んで対向する電極層と、
    少なくとも前記発熱部の表面に形成される保護層と、
    前記電極層と前記駆動ICとを接続するボンディングワイヤと
    を有し、
    前記第1発熱体板に形成された前記発熱部が前記主走査方向に並んだ第1発熱領域と、前記第2発熱体板に形成された前記発熱部が前記主走査方向に並んだ第2発熱領域とが前記主走査方向に直交する副走査方向に位置ずれして配され、
    前記第1発熱体板における、前記第1発熱領域と前記第2発熱体板との間であり前記副走査方向に沿って前記第2発熱領域と重なる箇所には、前記第1発熱領域よりも表面が低い第1低表面部が形成されている
    サーマルプリントヘッド。
  2. 前記第2発熱体板における、前記第2発熱領域と前記第1発熱体板との間であり前記副走査方向に沿って前記第1発熱領域と重なる箇所には、前記第2発熱領域よりも表面が低い第2低表面部が形成されている
    請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 前記第1低表面部における前記保護層は、前記第1発熱領域における前記保護層よりも膜厚が薄く形成され、前記第2低表面部における前記保護層は、前記第2発熱領域における前記保護層よりも膜厚が薄く形成されている
    請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 前記第1低表面部及び前記第2低表面部は、前記保護層がエッチングされ形成されている
    請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 前記第1低表面部における前記保温層は、前記第1発熱領域における前記保温層よりも膜厚が薄く形成され、前記第2低表面部における前記保温層は、前記第2発熱領域における前記保温層よりも膜厚が薄く形成されている
    請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
  6. 前記第1低表面部及び前記第2低表面部は、前記絶縁板の主面とほぼ平行な低表面部表面と、該低表面部表面に対し垂直に形成された低表面部壁面とを有する
    請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
  7. 前記第1低表面部及び前記第2低表面部は、前記絶縁板の主面とほぼ平行な低表面部表面と、該低表面部表面に対し垂直な方向から傾斜して形成された低表面部壁面とを有する
    請求項5に記載のサーマルプリントヘッド。
  8. 前記第1発熱体板と前記第2発熱体板とは、前記副走査方向に対し傾斜した方向に沿う連結部を介し隣接して前記主走査方向に並んでいる
    請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  9. 放熱板と、
    前記放熱板に載置され駆動ICを搭載する回路基板と、
    前記回路基板に隣接して主走査方向に第1発熱体板と第2発熱体板とが隣接して複数枚並んで前記放熱板に載置された発熱体板と
    を有するサーマルプリントヘッドと、
    被印刷媒体を前記サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラと
    を有するサーマルプリンタであって、
    前記発熱体板は、
    前記回路基板に隣接して前記放熱板に載置された絶縁板と、
    前記絶縁板の表面に形成された保温層と、
    前記保温層の表面に形成され主走査方向に間隔をおいて複数配列され、前記駆動ICにより駆動される発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の表面に該発熱抵抗体の表面上の間隙であり発熱する発熱部を挟んで対向する電極層と、
    少なくとも前記発熱部の表面に形成される保護層と、
    前記電極層と前記駆動ICとを接続するボンディングワイヤと
    を有し、
    前記第1発熱体板に形成された前記発熱部が前記主走査方向に並んだ第1発熱領域と、前記第2発熱体板に形成された前記発熱部が前記主走査方向に並んだ第2発熱領域とが前記主走査方向に直交する副走査方向に位置ずれして配され、
    前記第1発熱体板における、前記第1発熱領域と前記第2発熱体板との間であり前記副走査方向に沿って前記第2発熱領域と重なる箇所には、前記第1発熱領域よりも表面が低い第1低表面部が形成されている
    サーマルプリンタ。
  10. 前記第2発熱領域は、前記第1発熱領域よりも前記被印刷媒体の搬送方向の下流側に設けられている
    請求項9に記載のサーマルプリンタ。
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