JP2016175300A - 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム - Google Patents

三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2016175300A
JP2016175300A JP2015057743A JP2015057743A JP2016175300A JP 2016175300 A JP2016175300 A JP 2016175300A JP 2015057743 A JP2015057743 A JP 2015057743A JP 2015057743 A JP2015057743 A JP 2015057743A JP 2016175300 A JP2016175300 A JP 2016175300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
color
recording
dot
dots
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015057743A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016175300A5 (ja
Inventor
和田 啓志
Keiji Wada
啓志 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015057743A priority Critical patent/JP2016175300A/ja
Publication of JP2016175300A publication Critical patent/JP2016175300A/ja
Publication of JP2016175300A5 publication Critical patent/JP2016175300A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】色彩を有する三次元の物体を表すデータに基づき、より鮮やかに色を表す。
【解決手段】三次元造形装置は以下の処理を行う。(a)物体データDoに基づきインク色C,M,Y,Kのドットの種類s,m,lの記録率を決定する。(b)優先順位に基づき、記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う範囲が重複しないように、インク色C,M,Y,Kのドットの種類s,m,lに対して決定する。(c)ディザマトリクスDMの要素のうち、パラメータ範囲内の閾値の要素に対応する位置に、ドットを記録し、パラメータ範囲外の閾値の要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、インク色C,M,Y,Kのドットの種類s,m,lについて同一のディザマトリクスDMを使用して実行する。(d)記録の有無の決定に応じて、インク色のドットを物体の表面に記録しつつ、物体を造形する。
【選択図】図14

Description

本発明は、三次元の物体を造形する技術に関するものである。
従来、平面上の連続する位置に液滴を吐出して硬化させ、板状の部材を形成して、さらにその上に板状の部材を形成する処理を繰り返すことにより、三次元の物体を造形する技術が存在する(特許文献1)。そのような技術においては、C(シアン)色、M(マゼンタ)色、Y(イエロ)色の液滴を適切な割合で供給することにより、三次元の物体に所望の色彩を付与することができる。
特開2001−150556号公報
しかし、上記技術においては、色彩を有する三次元の物体を表すデータに基づいて、より鮮やかに色を表すことについては、十分考慮されていなかった。また、様々な向きを有する三次元の物体の表面において、三次元の物体を表すデータで指定された色を適切に再現することについても、十分考慮されていなかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は:互いに異なる色のインクを吐出することができる複数のインク吐出部と;前記インクによって構成される構造を支持する支持部と;前記支持部に対して、前記インクの吐出方向と交わる第1の方向、ならびに前記インクの吐出方向および前記第1の方向と交わる第2の方向に、前記複数のインク吐出部を相対的に移動させることができる走査部と;前記インクのドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられているディザマトリクスを格納する記憶部と;前記インク吐出部、前記支持部、前記走査部、および前記記憶部を制御して、前記複数のインク吐出部から、物体の形状および色を表す物体データに基づいてインクを吐出して、板状の構造を形成する処理を繰り返すことによって、すでに形成されている板状の構造の上に新たに板状の構造を形成し、前記物体を造形する制御部と、を備える。前記制御部は:(a)物体の形状および色を表す物体データに基づいて、複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する記録率決定部と;(b)前記複数のインク色のドットの種類に付された優先順位に基づいて、前記インク色のドットの前記記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色のドットの種類に対して順に決定するパラメータ範囲決定部と;(c)前記ディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録し、前記パラメータ範囲外の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、前記複数のインク色のドットの種類について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行するドット決定部と;(d)前記記録の有無の決定に応じて、前記インク色のドットを前記物体の表面に記録しつつ、前記物体を造形する造形処理部と、を備える。
このような態様とすれば、物体表面のうち、インク色ドットの記録率の合計が100%を超えない部位においては、各インク色のドットが異なる位置に記録されることとなる。その結果、物体表面のそのような部位について、鮮やかに色を表すことができる。
なお、板状の構造は、液滴のみによって構成される必要はない。すなわち、板状の構造は、液滴と他の構成要素とによって構成されていてもよい。また、板状の構造は、液滴が他の構成要素と反応し、または単独で変性して、他の物質に変化したもので構成されていてもよい。
(2)上記形態の三次元造形装置において、前記パラメータ範囲決定部は、それまでに決定した前記パラメータ範囲の大きさと、処理中のインク色のドットの種類の前記記録率の合計が100%を超える場合は、前記処理中のインク色のドットの種類の前記各パラメータ範囲の少なくとも一部を、0から始まるパラメータ範囲に再度、割り当てることができる、態様とすることができる。このような態様とすれば、インク色のドットの種類の記録率の合計が100%を超える部位についても、異なる種類のドットが重複した位置に記録されにくくなる。その結果、上記の処理を行わない通常のディザ処理に比べて、鮮やかに色を表すことができる。
(3)上記形態の三次元造形装置において、前記パラメータ範囲決定部は、前記記録率が最も高いドットの種類に対して、先頭および末尾以外の優先順位を割り当てることができる、態様とすることができる。このような態様とすれば、記録率が最も高い種類のドットが、他の種類のドットと同じ位置に記録される可能性を、低減できる。その結果、記録率が最も高い種類のドットを用いて再現される色を、物体の表面上で鮮やかに再現することができる。
(4)上記形態の三次元造形装置において、前記複数のインク色のドットのうちの1以上のインク色のドットは、前記ドットの種類として、大ドットと、大ドットよりも小さい小ドットと、を含む、態様とすることができる。このような態様とすれば、物体の表面上において、よりきめ細かく色の濃淡を再現しつつ、鮮やかにその色を再現することができる。
なお、上記形態の三次元造形装置において、前記記録率決定部は、前記インク色のドットの前記大ドットと前記小ドットの記録率を決定することができ;前記パラメータ範囲決定部は、前記複数のインク色の前記大ドットと前記小ドットにも付されている前記優先順位に基づいて、前記複数のインク色の前記大ドットと前記小ドットについても前記パラメータ範囲を決定することができ;前記ドット決定部は、前記記録の有無を決定する処理を、前記複数のインク色の前記大ドットと前記小ドットについても、前記同一の前記ディザマトリクスを使用して実行することができる、態様とすることができる。
(5)上記形態の三次元造形装置において、前記ディザマトリクスは、記録率が小さい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性が、前記記録率が小さい範囲よりも記録率が大きい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性よりも、高い、態様とすることができる。このような態様とすれば、インク色ドットの記録率が低い部分において、物体表面の色の印刷結果の品質を高くすることができる。
(6)上記形態の三次元造形装置において、前記ディザマトリクスは、前記対応する記録率の値の大きさによらず前記要素の分散性ほぼ一定である、態様とすることができる。このような態様とすれば、薄い色を付された部分と濃い色を付された部分とによらず、物体表面の色のむらを、同程度に低減することができる。
(7)上記形態の三次元造形装置において、前記物体データにおいて、前記物体はポリゴンで表されている態様とすることができる。そして、前記記録率決定部は:(a1)前記物体の前記ポリゴンの一つの面について、互いに直交する3つの基準面のうちの一つを選択する工程であって、前記一つの面の法線に対して、面の法線がなす角度がもっとも小さい基準面を選択することができ;(a2)前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、一つの面に付された色の濃度を変換することができ;(a3)前記変換後の色の濃度に基づいて、前記一つの面において記録すべき複数のインク色のドットの種類の記録率を決定することができ;前記ドット決定部は、前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、前記記録の有無が決定された各位置を、前記選択された基準面上の位置から、前記ポリゴンの前記一つの面上の位置に変換することができる、態様とすることができる。このような態様とすれば、さまざまな向きを有する物体の表面に、物体データにおいて指定された色を、正確に表現することができる。
(8)本発明の他の形態によれば、三次元の物体を造形する造型装置が提供される。この装置は:複数の色のインクを吐出することができるインク吐出部と;所定の領域内において、1色の前記インクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、前記複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には、前記所定の領域内において、前記各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配するように、前記インク吐出部を制御する、制御部と、を備える。
このような態様とすれば、互いに重複するボクセルにインクが配される態様に比べて、より鮮やかに色を表すことができる。
(9)上記形態の造形装置において、前記制御部が:前記色の前記ドットの記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、前記インクの色に対して決定し;ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録することを決定する処理を、前記複数の色について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行し;前記ドットの記録の決定に応じて、前記インク吐出部を制御して、前記物体を造形する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、簡易な処理で、各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配することができる。
(10)本発明の他の形態によれば、インクを吐出することによって三次元の物体を造形する方法が提供される。この方法は:(a)物体の形状および色を表す物体データに基づいて、複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する工程と;(b)前記複数のインク色のドットの種類に付された優先順位に基づいて、前記インク色のドットの前記記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色のドットの種類に対して順に決定する工程と;(c)ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録し、前記パラメータ範囲外の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、前記複数のインク色のドットの種類について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行する工程と;(d)前記記録の有無の決定に応じて、前記インク色のドットを前記物体の表面に記録しつつ、前記物体を造形する工程と、を備える。
(11)本発明の他の形態によれば、複数の色のインクを使用して三次元の物体を造形する方法が提供される。この方法は:所定の領域内において、1色の前記インクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、前記複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には、前記所定の領域内において、前記各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配する。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、三次元造形方法や三次元造形装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。 シアンの記録率が30%マゼンタの記録率が30%イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。 シアンの記録率が50%マゼンタの記録率が50%イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。 シアンの記録率が70%マゼンタの記録率が70%イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。 1層分の粉体層で形成された面においてすべての画素に色を付した硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を示すグラフである。 シアンの記録率が50%マゼンタの記録率が50%イエロの記録率が0という指定がされている記録面を図3に示した3個の記録方法で記録した場合の各態様の記録結果の波長ごとの透過率を示すグラフである。 シアンの記録率が50%マゼンタの記録率が50%イエロの記録率が0という指定がされている記録面を図3に示した3個の記録方法で記録した場合に各記録面を測色器で測って得えられた色をL色空間のa平面上に表した図である。 図3の記録面の記録結果の色に加えて図2の記録面の記録結果の色と図4記録面の記録結果の色もa平面上に示した図である。 図2の記録面の記録結果図3の記録面の記録結果および図4記録面の記録結果をL色空間のL平面上に示した図である。 本実施形態における三次元物体の造形の処理を説明するフローチャートである。 断面データDcを生成するステップS42の処理を示すフローチャートである。 インク色の階調値とインクの液滴の吐出率を示す図である。 図11のステップS425の処理の結果ある面の色を再現する際に記録される各インク色の大中小ドットの記録率を示す表である。 図11のステップS425の処理の内容を示す図である。 図11のステップS425の処理の結果ある面の色を再現する際に記録される各インク色の大中小ドットの記録率を示す表である。 図11のステップS425の処理の内容を図15の場合について示す図である。 シアンの中ドットmの記録率が15%であるときにディザマトリクスを利用して各画素へのドットの記録の有無を決定する方法を示す説明図である。 ディザマトリクスの作成方法の一例を示す説明図である。 第2実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としての三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。三次元造形装置100は、造形部10と、粉体供給部20と、平坦化機構30と、粉体回収部40と、ヘッド部50と、硬化エネルギー付与部60と、制御部70と、を備えている。制御部70には、コンピューター200が接続されている。三次元造形装置100とコンピューター200とをあわせて広義の「三次元造形装置」として捉えることもできる。
図1には、互いに直交するX方向とY方向とZ方向とを示している。Z方向は、鉛直方向に沿った方向であり、X方向は、水平方向に沿った方向である。Y方向は、Z方向およびX方向に垂直な方向である。
造形部10は、上面が開口している容器10cを備える構成であって、容器10cの内部において三次元物体を造形するための構成である。造形部10は、XY方向に沿った平坦な上面を有する造形ステージ11と、造形ステージ11の周囲を囲みZ方向に立設された枠体12と、造形ステージ11をZ方向に沿って移動させるアクチュエーター13とを備える。底面を構成する造形ステージ11と、側面を構成する枠体12と、によって、容器10cが構成される。制御部70がアクチュエーター13の動作を制御することによって、造形ステージ11は、枠体12内においてZ方向に移動することができる。容器10cには、三次元物体を構成する材料が供給される。第1実施形態においては、三次元物体の材料として、光硬化性を有する液体(以下、「硬化液」という)と、粉体とが用いられる。
粉体供給部20は、造形ステージ11と枠体12によって構成される容器10c内に、三次元物体を構成する材料としての粉体を供給する装置である。粉体供給部20は、例えば、ホッパーやディスペンサーにより構成される。
平坦化機構30は、容器10c内の粉体の上面を水平方向(XY方向)に移動することによって、容器10c内の粉体の上面を平坦にし、造形ステージ11上に粉体層を形成する。平坦化機構30は、例えば、スキージ(へら)やローラーによって構成される。平坦化機構30によって容器10c内の粉体の上面から押し出された粉体は、容器10cに隣接して設けられた粉体回収部40内に排出される。
三次元物体を構成するための硬化液は、液体の樹脂材料と重合開始剤との混合物である。液体の樹脂材料は、モノマーと、モノマーが結合したオリゴマーとを主成分とする。樹脂材料のモノマーは比較的低分子量のモノマーが選択されている。樹脂材料の1つのオリゴマーに含まれるモノマーの数は、数分子程度に調整されている。このようにモノマーおよびオリゴマーが調整されているため、硬化液の粘度は、ヘッド部50から液滴として吐出可能な程度の低い粘度となる。
重合開始剤は、紫外線が照射されると励起状態となってモノマーあるいはオリゴマーに働きかけて重合を開始させる。硬化液に紫外線が照射されて重合開始剤が励起状態になると、樹脂材料のモノマーが互いに重合してオリゴマーに成長し、またオリゴマー同士もところどころで重合する。その結果、硬化液は、速やかに硬化して固体となる。
三次元物体を構成する材料としての粉体の表面には、硬化液内に含まれているものとは別のタイプの重合開始剤が付着されている。粉体の表面に付着された重合開始剤は、硬化液と接触すると、硬化液のモノマーあるいはオリゴマーに働きかけて重合を開始させる性質を有している。そのため、容器10c内の粉体に硬化液が供給されると、硬化液が粉体の内部に浸透するとともに、粉体表面の重合開始剤に硬化液が接触して、硬化液が硬化する。その結果、硬化液が吐出された部分においては、硬化した硬化液によって粉体同士が結合される。なお、表面に重合開始剤が付着された粉体を用いる場合には、重合開始剤を含まない硬化液を用いることも可能である。
本実施形態のヘッド部50は、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドである。ヘッド部50は、ヘッド部50に接続されたタンク51から上述した硬化液の供給を受ける。制御部70は、ピエゾ素子に印加する信号の電圧の波形を制御することによって、ヘッド部50に設けられたノズルから吐出する一滴あたりの硬化液の量を調整することが可能である。
ヘッド部50に供給される硬化液には、シアン、マゼンタ、イエロまたはブラックの色が付されているものと、色が付されていないものとがある。ヘッド部50は、シアンの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNcのノズル列と、マゼンタの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNmのノズル列と、イエロの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNyのノズル列と、ブラックの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNkのノズル列と、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtのノズル列と、を備える。ノズルNc,Nm,Ny,Nkの数は互いに等しい。ノズルNtの数は、ノズルNc,Nm,Ny,Nkの合計数に等しい。
各ノズル列のノズルは、Y方向に沿って配されている。ノズル列Nc,Nm,Ny,Nk,Ntは、X方向に並んで配されている。三次元物体のうち、色が付された1以上の硬化液で粉体が結合されて形成された部分は、使用された1以上の硬化液の色に応じた色を有する。以下では、硬化液を「インク」と呼ぶことがある。そして、硬化液に付されているシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの色を「インク色」と呼ぶことがある。
ヘッド部50は、走査部52によって、容器10c(造形ステージ11)に対して、X方向およびY方向に移動可能である。走査部52によるヘッド部50の移動を「走査」とも呼ぶ。造形部10内の造形ステージ11がZ方向に移動することによって、ヘッド部50は、容器10cおよび容器10c内の三次元物体に対してZ方向に、相対的に移動可能である。
硬化エネルギー付与部60は、ヘッド部50から吐出された硬化液に、硬化液を硬化させるエネルギーを付与するための装置である。本実施形態では、硬化エネルギー付与部60は、発光装置61である。発光装置61からは、硬化液を硬化させるための硬化エネルギーとして、紫外線が照射される。
硬化エネルギー付与部60は、X方向についてヘッド部50と並ぶ位置においてヘッド部50に対して固定されている。ヘッド部50が走査部52によって移動されると、ヘッド部50とともに硬化エネルギー付与部60(発光装置61)も移動する。
制御部70は、コンピューター200のCPU210からの指示に従い、アクチュエーター13と、粉体供給部20と、平坦化機構30と、ヘッド部50と、硬化エネルギー付与部60と、を制御する。制御部70は、三次元造形装置100の各部を制御することにより、容器10c内に三次元物体を造形することができる。制御部70は、CPUとメモリーとROMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムをメモリーにロードして実行することによって、後述するようにモデルを印刷する機能や、三次元物体を造形する機能を実現する。なお、制御部70が有するこれらの機能は、コンピューター200側に備えられていてもよい。
コンピューター200は、CPU210とメモリー220とROMとを備えている。メモリー220には、半導体メモリーと、固定ディスクとを含む。CPU210は、固定ディスクに記憶されたコンピュータープログラムを半導体メモリーにロードして実行することによって、後述する断面データを生成する機能や、ドットのON/OFFを決定する機能を実現する。また、CPU210は、制御部70を介して、三次元造形装置100を制御し、動作させる。
図2は、シアンの記録率が30%、マゼンタの記録率が30%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。図2の左側に示す第1の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は記録面の異なる画素に吐出される。
図2の中段には、それぞれシアンとマゼンタの各位置におけるドットのON/OFFを示す。Mを付した位置に示される長方形は、記録面の各位置におけるマゼンタのドットのON/OFFを示すデータを表す。粗いハッチが付されている領域の画素には、マゼンタの硬化液が吐出される。ハッチが付されていない領域の画素には、マゼンタの硬化液は吐出されない。Cを付した位置に示される長方形は、記録面の各位置におけるシアンのドットのON/OFFを示すデータを表す。細かいハッチが付されている領域の画素には、シアンの硬化液が吐出される。ハッチが付されていない領域の画素には、シアンの硬化液は吐出されない。
図2の下段には、記録面を見たときの各色が付されている画素の割合を示す模式図を示す。なお、実際には、シアンが付された画素、マゼンタが付された画素、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液の両方が吐出されたためブルーが表されている画素(後述する)、および色が付されていない画素は、混在する。しかし、技術の理解を容易にするため、ここでは、各画素をまとめて配置して示す(図2の中段および下段参照)。
第1の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は記録面の異なる画素に吐出される結果、記録面は、30%のシアンが付された面積、30%のマゼンタが付された面積、および40%の色が付されていない面積を有することとなる(図2の左側の上段参照)。なお、図2の上段の面積比を表す各表において、色が付されていない部分を「W」で表す。
図2の左右方向の中央に示す第2の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液の一部は重複する画素に配される。シアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される画素においては、ブルーが再現される。図2の上段の面積比を表す表において、ブルーが再現される部分を「Blue」で表す。第2の態様においては、全体の20%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図2の左右方向中央の中段参照)。その結果、記録面は、10%のシアンが付された面積、10%のマゼンタが付された面積、20%のブルーが付された面積、および60%色が付されていない面積を有することとなる(図2の左右方向中央の上段および下段参照)。なお、図2〜図4において、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液の両方が吐出されたためブルーが表されている画素の領域を、左上から右下に向かう斜線で表されたハッチで示す。シアンとマゼンタの画素の領域を、それぞれ図の中段と同じハッチで示す。
図2の右側に示す第3の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は、すべて重複する画素に配される。すなわち、第3の態様においては、全体の30%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図2の右側の中段参照)。その結果、記録面は、30%のブルーが付された面積、および70%色が付されていない面積を有することとなる(図2の右側の上段および下段参照)。
図2の例において、第1の態様で記録された記録面、第2の態様で記録された記録面、および第3の態様で記録された記録面は、いずれもシアンの記録率が30%、マゼンタの記録率が30%、イエロの記録率が0という指定にしたがって記録された面である(図2の中段参照)。しかし、それぞれの方法で記録された記録面の人の目による見え方は、異なる。
図3は、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。図3の表記法は、図2と同じである。図3の左側に示す第1の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は記録面の異なる画素に配される(図3の左側の中段参照)。その結果、記録面は、50%のシアンが付された面積、50%のマゼンタが付された面積を有することとなる(図3の左側の上段および下段参照)。
図3の左右方向中央に示す第2の態様においては、全体の30%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図3の左右方向中央の中段参照)。その結果、記録面は、20%のシアンが付された面積、20%のマゼンタが付された面積、30%のブルーが付された面積、および30%色が付されていない面積を有することとなる(図3の左右方向中央の上段および下段参照)。
図3の右側に示す第3の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は、すべて重複する画素に配される。すなわち、第3の態様においては、全体の50%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図3の右側の中段参照)。その結果、記録面は、50%のブルーが付された面積、および50%色が付されていない面積を有することとなる(図3の右側の上段および下段参照)。
図3の例において、第1の態様で記録された記録面、第2の態様で記録された記録面、および第3の態様で記録された記録面は、いずれもシアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定にしたがって記録された面である(図3の中段参照)。しかし、それぞれの方法で記録された記録面の人の目による見え方は、異なる。
図4は、シアンの記録率が70%、マゼンタの記録率が70%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録方法の3個の態様を示す図である。図4の表記法は、図2と同様である。図4の左側に示す第1の態様においては、全体の40%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図4の左側の中段参照)。その結果、記録面は、30%のシアンが付された面積、30%のマゼンタが付された面積、および40%のブルーが付された面積を有することとなる(図4の左側の上段および下段参照)。
図4の左右方向中央に示す第2の態様においては、全体の50%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図4の左右方向中央の中段参照)。その結果、記録面は、20%のシアンが付された面積、20%のマゼンタが付された面積、50%のブルーが付された面積、および10%色が付されていない面積を有することとなる(図4の左右方向中央の上段および下段参照)。
図4の右側に示す第3の態様においては、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液は、すべて重複する画素に配される。すなわち、第3の態様においては、全体の70%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される(図4の右側の中段参照)。その結果、記録面は、70%のブルーが付された面積、および30%色が付されていない面積を有することとなる(図4の右側の上段および下段参照)。
図4の例において、第1の態様で記録された記録面、第2の態様で記録された記録面、および第3の態様で記録された記録面は、いずれもシアンの記録率が70%、マゼンタの記録率が70%、イエロの記録率が0という指定にしたがって記録された面である(図4の中段参照)。しかし、それぞれの方法で記録された記録面の人の目による見え方は、異なる。
図5は、1層分の粉体層で形成された面において、すべての画素に色を付した硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を示すグラフである。破線は、すべての画素にシアンの硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を示す。一点鎖線は、すべての画素にマゼンタの硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を示す。二点鎖線は、すべての画素にイエロの硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を示す。実線は、すべての画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液を記録してブルーが再現された場合の波長ごとの透過率を示す。
図5より、すべての画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液を記録してブルーが再現された場合の透過率は、いずれの波長においても、すべての画素にマゼンタの硬化液を記録した場合の透過率、および、すべての画素にシアンの硬化液を記録した場合の透過率よりも、低いことが分かる。このため、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液を記録してブルーが再現された画素が多い記録面(図2〜図4の右端の態様参照)の明度は、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液が記録された画素が少ない記録面(図2〜図4の左端の態様参照)の明度よりも、低くなると考えられる。
図6は、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面を、図3に示した3個の記録方法で記録した場合の、各態様の記録結果の波長ごとの透過率を示すグラフである。なお、透過率は、シアンが付された画素、マゼンタが付された画素、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液の両方が吐出されたためブルーが付された画素、および色が付されていない画素が、記録面上に分散配置された状態で測定されたものである。各透過率は、各記録面の一定値以上の面積について、測定器で測定を行って得た値である。各透過率の測定を行った部分の面積は、得られる透過率が記録面全体についての平均値とみなしうる程度に十分な大きさを有している。
図6において、破線は、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液が記録面の異なる画素に配される第1の態様の透過率を示すグラフである(図3の左側参照)。一点鎖線は、全体の30%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される第2の態様の透過率を示すグラフである(図3の左右方向中央参照)。二点鎖線は、全体の50%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される第3の態様の透過率を示すグラフである(図3の右側参照)。また、参考までに、すべての画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液を記録した場合の波長ごとの透過率を、実線で示す。
図6の各態様の透過率の相違からも分かるように、いずれもシアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定にしたがって記録された面であっても、各色の硬化液をどの画素に吐出するかによって、見え方、すなわち再現される色は、異なる。図6より、第1〜第3の態様のうち、第3の態様(図3の右側参照)が、すべての波長において最も透過率が高く、第1の態様(図3の左側参照)が、すべての波長において最も透過率が低いことが分かる。このため、記録面の明度は、第1の態様(図3の左側参照)、第2の態様(図3の左右方向中央参照)、第3の態様(図3の右側参照)の順に高いと考えられる。
図7は、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面を、図3に示した3個の記録方法で記録した場合に、各記録面を測色器で測って得えられた色を、L色空間のa平面上に表した図である。
図7において、Pb0は、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液が記録面の異なる画素に配される第1の態様の記録面の色を示す(図3の左側参照)。Pb30は、全体の30%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される第2の態様の透過率を示す(図3の左右方向中央参照)。Pb50は、全体の50%の画素にシアンの硬化液とマゼンタの硬化液がいずれも吐出される第3の態様の透過率を示す(図3の右側参照)。
また、図7においては、参考までに、全体の50%の画素にシアンの硬化液が吐出された場合の記録面を測色器で測って得えられた色を、Xで示す。全体の50%の画素にマゼンタの硬化液が吐出された場合の記録面を測色器で測って得えられた色を、四角で示す。なお、各記録面のうち測色器で測定を行った部分の面積は、得られる色情報が記録面全体についての平均値とみなしうる程度に十分な大きさを有している。
図7より、シアンとマゼンタの硬化液が同じ画素に吐出される割合が増えると、色は、a平面の原点、すなわち、無彩色に近づくことが分かる。よって、ある色を再現するために、異なる色の硬化液(インク)を記録する際には、できるだけ異なる画素(位置)に記録した方が、彩度の高い色を再現できることがわかる。
図8は、図3の記録面の記録結果の色に加えて、図2の記録面の記録結果の色と、図4記録面の記録結果の色も、a平面上に示した図である。図8においては、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図3参照)を黒塗りの丸と三角で示す。シアンの記録率が30%、マゼンタの記録率が30%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図2参照)を右上から左下に向かう斜線のハッチで塗られた丸と三角で示す。シアンの記録率が70%、マゼンタの記録率が70%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図4参照)を白抜きの丸と三角で示す。
図8において、シアンの記録率が90%、マゼンタの記録率が90%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果を左上から右下に向かう斜線のハッチで塗られた丸と三角で示す。シアンの記録率が100%、マゼンタの記録率が100%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果をクロスハッチで塗られた三角で示す。なお、いずれの記録においても、三角で示されている地点は、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液が、すべて重複する画素に吐出される記録方法の記録結果の色を示す。
図8より、各色の硬化液(インク)の記録率の高さによらず、シアンとマゼンタの硬化液が同じ画素に吐出される割合が増えると、記録結果が表す色は、無彩色に近づく、すなわち、彩度が低下することが分かる。よって、ある色を再現するために、異なる色の硬化液(インク)を記録する際には、できるだけ異なる画素(位置)に記録した方が、再度の高い色を再現できることがわかる。なお、インクの記録率が高い方が、原点から遠く、彩度が高いのは、インクの記録率が高い方が、有彩色のインクが記録されない画素(無彩色の画素)が少なくなるためであると考えられる。
図9は、図2の記録面の記録結果、図3の記録面の記録結果、および図4記録面の記録結果を、L色空間のL平面上に示した図である。図9においては、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図3参照)を黒塗りの丸と三角で示す。シアンの記録率が30%、マゼンタの記録率が30%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図2参照)を右上から左下に向かう斜線のハッチで塗られた丸と三角で示す。シアンの記録率が70%、マゼンタの記録率が70%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果(図4参照)を白抜きの丸と三角で示す。
図9において、シアンの記録率が90%、マゼンタの記録率が90%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果を左上から右下に向かう斜線のハッチで塗られた丸と三角で示す。シアンの記録率が100%、マゼンタの記録率が100%、イエロの記録率が0という指定がされている記録面の記録結果をクロスハッチで塗られた三角で示す。なお、いずれの記録においても、三角で示されている地点は、シアンの硬化液とマゼンタの硬化液が、すべて重複する画素に吐出される記録方法の記録結果の色を示す。
図9より、各色の硬化液(インク)の記録率の高さによらず、シアンとマゼンタの硬化液が同じ画素に吐出される割合が増えると、記録結果が表す色は、彩度が低下しつつ、明度が上がることが分かる。これは、シアンとマゼンタの硬化液が同じ画素に吐出される割合が増えると、彩度の低い画素が増える一方で、色が付されない画素が増えるためであると考えられる。
また、図9より、各グラフがa方向について互いに一部重複していることから、同じaの値を有する色を、インクの記録率が異なる印刷において再現しうることがわかる(たとえば、図9のa=14近傍参照)。図9において、破線の折れ線グラフと一点鎖線の折れ線グラフで囲まれた領域については、同じaの値を有する色を、インクの記録率が異なる2以上の印刷において再現しうる。
そして、図9より、同じaの値を有する色を再現しうる2以上の印刷のうち、インクの記録率が低い方が、色の明度が高いことが分かる。たとえば、図9のa=14近傍においては、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%の記録結果(黒塗りの丸)と、シアンの記録率が70%、マゼンタの記録率が70%の記録結果(白抜きの丸)とは、同じ14近傍のaの値を有する色を再現しうる。そして、シアンの記録率が50%、マゼンタの記録率が50%の記録結果(黒塗りの丸)の方が、マゼンタの記録率が70%の記録結果(白抜きの丸)に比べて、明度が高い色を再現する。
よって、あらかじめ定められた硬化液(インク)を使って、より広い範囲の色(同じL値に対してa、bが正方向または負方向に遠い色)を再現するためには、言い換えれば、異なる色の硬化液を記録する際に、できるだけ異なる画素(位置)に記録した方が好ましいことがわかる。すなわち、ガマットを広くするには、異なる色の硬化液を記録する際に、できるだけ異なる画素(位置)に記録した方が好ましい。
図10は、本実施形態における三次元物体の造形の処理を説明するフローチャートである。まず、ステップS42において、コンピューター200のCPU210が、三次元物体の形状および色を表す三次元データDoから、その三次元物体の形状をZ方向の造形解像度(例えば、600dpi)に従って、Z方向に垂直な面でスライスして得られる複数の板状の構造のXY方向に沿った形状および色を表すデータを生成する。このデータを「断面データDc」と呼ぶ。
三次元データDoは、三次元物体のデータをポリゴンの集合として保持している。また、三次元データDoは、各ポリゴンの色の情報を、たとえば、レッド、グリーン、ブルーの基準色の階調値(それぞれ0〜255)の組合せとして有している。
断面データDcは、X方向およびY方向について所定の造形解像度(例えば、XYの各方向について600dpi×600dpi)にしたがって定められ、各インク色のドットの形成の有無の情報が格納された二次元のラスターデータによって表される。断面データDcが含む情報は、XY座標上の各ボクセルへの硬化液の種類ごと、および液滴の種類ごとの吐出の有無を表す。なお、X方向、Y方向およびZ方向の解像度に応じて定められた3次元空間内を仕切る直方体または立方体の仮想的な要素を、本明細書において「ボクセル」と呼ぶ。なお、各ボクセルに配される硬化液の量は、硬化後のボクセル内の素材の体積が一定となるように調整される。より具体的には、色が付された硬化液の投入量に応じて、無色の硬化液の投入量を調整することにより、調整が行われる。
図10のステップS44においては、CPU210は、三次元造形装置100の制御部70を介して、粉体供給部20および平坦化機構30を制御して容器10c内に粉体層を形成する。そして、CPU210は、断面データDcに従って、制御部70を介してヘッド部50を駆動して、硬化液を粉体層に吐出する。
より具体的には、制御部70は、走査部52を介して、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、断面データDcに従って、各ノズル列の各ノズルからシアン、マゼンタ、イエロもしくはブラックの色が付された硬化液、または無色の硬化液を吐出させる。その際、粉体層上の各部位を、まず、ヘッド部50が通過し、その後、硬化エネルギー付与部60が通過するように、制御部70によってヘッド部50および硬化エネルギー付与部60が走査される。
その後、制御部70は、走査部52を介して、X方向への走査開始前の位置に、X方向に沿ってヘッド部50を移動させる。X方向への走査が終了すると、制御部70は、走査部52を介して、Y方向にヘッド部50を走査させる。そして、制御部70は、再度、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、各ノズルから液滴を吐出させる。そのようにして、液滴を吐出しつつ行われるX方向への走査と、Y方向への走査とを、繰り返すことにより、容器10c内の粉体層内に、1層分の断面データDcに対応する板状の構造Psが形成される(図1参照)。液滴によって構成される板状の構造Psは、造形ステージ11によって支持される。
ステップS46においては、CPU210は、三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成したか否かを判定する。三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成していない場合には(ステップS46:No)、処理は、ステップS48に進む。
ステップS48においては、CPU210は、制御部70を介してアクチュエーター13を駆動して、造形ステージ11を、Z方向の造形解像度(例えば、600dpi)に応じた積層ピッチ分、Z方向下向きに降下させる(図1参照)。その後、処理はステップS44に戻って、同様の処理が繰り返される。すなわち、制御部70は、造形ステージ11上にすでに形成された板状の構造Psの上に新たな粉体層を形成する(図1参照)。
一方、図10のステップS46において、三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成した場合には(ステップS46:Yes)、CPU210は、処理を終了する。なお、ステップS44〜S48の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、造形処理部216として図1に示す。造形処理部216は、三次元造形装置100の制御部70とともにステップS44〜S48の処理を実現する。
図11は、断面データDcを生成するステップS42の処理を示すフローチャートである。三次元データDoは、三次元物体のデータをポリゴンの集合として保持している。各ポリゴンは、所定の向きを有している。それぞれのポリゴンの向きは、X軸方向に垂直なyz平面、Y軸方向に垂直なzx平面、Z軸方向に垂直なxy平面のいずれかと一致するとは限らない。
ステップS421において、CPU210は、三次元物体を表すポリゴンの一つについて、基準面としてのyz平面、zx平面、xy平面、のうち、ポリゴンの面の法線に対して、面の法線(それぞれX軸、Y軸、Z軸)がなす角が最も小さい平面を選択する。
ステップS422において、CPU210は、選択された基準面にポリゴンを投影した場合に再現される形状および色を特定する。選択された基準面に対してポリゴンが傾いている場合、選択された基準面にそのポリゴンを投影した場合には、ポリゴンは変形する。すなわち、ポリゴンとは異なる形が基準面に画定される。また、その変形に伴い、ポリゴンに付された色の濃度(単位面積当たりの色の量)も変化する。
ステップS422において、CPU210は、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きに応じて、ポリゴンに付された色(基準色の階調値の組合せ)を、基準面に投射された場合の色(基準色の階調値の組合せ)に変換する。また、CPU210は、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きに応じて、ポリゴンの形状を、基準面に投射された場合の形状に変換する。なお、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きは、たとえば、互いに直交する3軸を中心とする3個の相対的な回転角度によって、特定することができる。この段階においては、変換後の色は、三次元データDoの各ポリゴンの色情報と同様、レッド、グリーン、ブルーの階調値の組合せで表されている。
ステップS423においては、コンピューター200のCPU210は、変換後の色、すなわち、基準面に投影された際のポリゴンの色の情報(レッド、グリーン、ブルーの階調値の組合せ)を、三次元造形装置100の基準色の階調値の組合せで表されるデータに変換する。より具体的には、CPU210は、基準面に投影された際のポリゴンの色の情報を、三次元造形装置100が使用する有彩色の硬化液の色(たとえば、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック)の階調値(それぞれ0〜255)で表される情報に、変換する。
より具体的には、コンピューター200のメモリー220(固定ディスク)には、ポリゴンの色を表す際に使用される基本色であるレッド、グリーン、ブルーの階調値の組合せを、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの階調値の組合せと対応づけて記憶している三次元ルックアップテーブルが格納してされる。CPU210は、この三次元ルックアップテーブルを参照して、ポリゴンの色を表すレッド、グリーン、ブルーの階調値(それぞれ0〜255)の組合せを、インク色であるシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの階調値(それぞれ0〜255)の組合せに変換する。
ステップS424において、CPU210は、各インク色の階調値に基づいて、選択された基準面における各インク色の大ドット、中ドット、小ドットの記録率を決定する。大ドット、中ドット、小ドットは、記録面における大きさが異なるドットである。それら大きさの異なるドットは、互いに量が異なる硬化液の液滴を記録面に吐出するによって、形成することができる。なお、本明細書において、大ドット、中ドット、小ドットの区分を「ドットの種類」と呼ぶ。
図12は、インク色の階調値とインクの液滴の吐出率を示す図である。図12において、横軸GV0は、物体のある部分において表現すべきあるインク色の階調値であり、縦軸は、そのインクの大中小いずれかの液滴の記録率である。ここで、「記録率」は、その部分のボクセルに対して、液滴吐出部としてのピエゾ素子およびノズルから液滴が吐出されるべき割合(確率)を表す指令値である。
図12において、表現すべきインク色の階調値に対する小ドット、中ドット、大ドットの記録率(小液滴、中液滴、大液滴の吐出率)は、それぞれ一点鎖線Ds、二点差線Dm、実線Dlで表されている。たとえば、階調値が56である領域を表現するときには、小液滴のみをその領域の87.5%のボクセルに供給する。階調値が128である領域を表現するときには、中液滴のみをその領域の100%のボクセルに供給する。そして、階調値が96であるときには、その領域の50%のボクセルに小液滴を供給し、50%のボクセルに中液滴を供給する。
コンピューター200のメモリー220には、図8に示したインク色の階調値と、そのインク色の大中小ドットの記録率とを対応づけたルックアップテーブルを、各インク色について保持している。ステップS424においては、CPU210は、それらのデータを参照して、各インク色について、階調値に基づいて、大中小ドットの記録率を決定する。
なお、図12は、図11のステップS424の処理の技術的理解を容易にするため、簡略化されている。このため、図12は、図11のステップS424で各インク色に対して使用する正確なルックアップテーブルを反映するものではない。ステップS423およびS424の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、記録率決定部212として図1に示す。
図11のステップS425では、CPU210は、ステップS424で決定した各インク色の大中小ドットの記録率に基づいて、各インク色の大中小ドットのパラメータ範囲を決定する。
図13は、図11のステップS425の処理の結果、ある面の色を再現する際に記録されるべき各インク色の大中小ドットの記録率を示す表である。図13において、「s」は小ドットを示す。「m」は中ドットを示す。「l」は、大ドットを示す。他の図においても、大中小ドットを示す場合には、「s」、「m」、「l」の文字を使用する。図13の例においては、ブラックとイエロのドットは記録されない。なお、図13は、図11のステップS425の処理内容を説明するための例示である。このため、図13は、本実施形態におけるある色を再現する際の実際の各色の各種ドットの記録率を正確に反映するものではない。
本実施形態においては、各インク色の大中小の各ドットには、優先順位が定められている。より具体的には、インク色同士においては、シアン、マゼンタ、ブラック、イエロの順に優先順位が定められている。そして、各インク色内においては、大ドット、中ドット、小ドットの順に優先順位が定められている。言い換えれば、シアンの大ドットからイエロの小ドットまで、12等級の優先順位が定められている。
図14は、図11のステップS425の処理の内容を示す図である。ステップS425では、CPU210は、各インク色の大中小ドットに付された優先順位に基づいて、インク色のドットの記録率(図11のS424、および図12参照)に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、各インク色の大中小ドットに対して順に決定する。その際、CPU210は、隣り合うパラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色の大中小ドットのパラメータ範囲を決定する。
具体的には、優先順位が最も高いシアンの大ドットについて、まず、最小値0から始まるパラメータ範囲を付与する。付されるパラメータ範囲の大きさは、そのドットの記録率に等しい。図13の例では、シアンの大ドット(l)の記録率は、5%である。このため、図14の例では、最小値0以上5%未満の範囲がシアンの大ドット(l)に割り当てられる。
次に、CPU210は、2番目の優先順位を有するシアンの中ドット(m)に対して、すでに決定されたパラメータ範囲に続くように、パラメータ範囲を設定する。図13の例では、シアンの中ドット(m)の記録率は、10%である。このため、図14の例では、シアンの大ドットに割り当てられた0以上5%未満の範囲に隣接した5%以上15%未満の範囲が、シアンの中ドット(m)に割り当てられる。
同様に、シアンの小ドット、マゼンタの小中大ドットのパラメータ範囲が割り当てられる。その結果、たとえば、15%以上35%未満の範囲(幅20%)が、シアンの小ドットに割り当てられ、60%以上65%未満の範囲(幅5%)が、マゼンタの小ドットに割り当てられる。なお、図13の例では、ブラックとイエロの大中小ドットの記録率はいずれも0である。このため、図14では、ブラックとイエロの大中小ドットには、パラメータ範囲が割り当てられない。
図13の例では、各インク色のドットの記録率が低いため、図14の処理において、パラメータ範囲の上端が100%を超えていない。しかし、各インク色の各サイズのドットの記録率が高く、パラメータ範囲の上端が100%を超える場合には、CPU210は、100%を超える部分について、再び0からパラメータ範囲を設定する。
このような処理を行うことにより、後述するディザマトリクスに対応する領域内において、1色のインクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には(図14参照)、ディザマトリクスに対応する領域内において、各色のインクは、互いに重複しないボクセルに配される。その結果、互いに重複するボクセルにインクが配される態様に比べて、より鮮やかに色が表される。
図15は、図11のステップS425の処理の結果、ある面の色を再現する際に記録される各インク色の大中小ドットの記録率を示す表である。図15の表記法は図13と同じである。図15の例では、当該部分において、図13の例とは異なる色を再現する。このため、図15の例においては、シアン、マゼンタに加え、ブラックとイエロのドットも記録される。なお、図15は、図11のステップS425の処理内容を説明するための例示である。このため、図15は、本実施形態におけるある色を再現する際の実際の各色の各種ドットの記録率を正確に反映するものではない。
図16は、図11のステップS425の処理の内容を図15の場合について示す図である。図15の例において、シアン、マゼンタの大中小ドットの記録率は、図13と同じである。このため、図16において、シアンおよびマゼンタの大中小ドットのパラメータ範囲は、図14と同じである。マゼンタの小ドットのパラメータ範囲の設定に続いて、ブラックのパラメータ範囲が設定される。
マゼンタの小ドットのパラメータ範囲が60%以上65%未満である。ブラックの大ドット(l)の記録率は0であることから(図15参照)、ブラックの大ドット(l)のパラメータ範囲は設定されない。ブラックの中ドット(m)の記録率は、5%である。このため、マゼンタの小ドットに割り当てられた60以上65%未満の範囲に隣接した65%以上70%未満の範囲が、ブラックの中ドット(m)に割り当てられる。
同様に、ブラックの小ドット(s)、イエロの大ドット(l)のパラメータ範囲が割り当てられる。その結果、80%以上95%未満の範囲(幅15%)が、イエロの大ドット(l)に割り当てられる。
次に、イエロの中ドットの記録率は、10%である。このため、イエロの大ドットに割り当てられた80以上95%未満の範囲に隣接した位置に、幅10%のパラメータ範囲を設定すると、パラメータ範囲の上端は100%を超える。そのような場合には、CPU210は、100%を超える部分について、再び0からパラメータ範囲を設定する。その結果、イエロの中ドット(m)には、95%以上100%未満の範囲と、0以上5%未満の範囲が割り当てられる。そして、イエロの小ドット(s)の記録率は0であることから(図15参照)、イエロの小ドット(s)のパラメータ範囲は設定されない。
なお、各インク色のドットの記録率が高く、再びパラメータ範囲の上端が100%を超える場合には、さらに、CPU210は、100%を超える部分について、再び0からパラメータ範囲を設定する。すなわち、CPU210は、パラメータ範囲の上端が100%を超えるたびに、100%を超える部分について、再び0からパラメータ範囲を設定する。ステップS425の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、パラメータ範囲決定部218として図1に示す。
図11のステップS426では、CPU210は、コンピューター200の固定ディスクから、各インク色(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック)の大中小ドット用の共通のディザマトリクスを読み出す。ディザマトリクスは、それぞれしきい値を有するm個×n個の要素を含むマトリクスである(m、nは、それぞれ2以上の整数)。そして、CPU210は、各インク色のドットのパラメータ範囲と、ディザマトリクスと、から、各インク色のドットの基準面上の各画素への記録または不記録を決定する。
図17は、マゼンタの中ドット(m)の記録率が15%であるときに(図13および図14参照)、ディザマトリクスを利用して各画素へのドットの記録の有無を決定する方法を示す説明図である。
図11のステップS426においては、まず、基準面のポリゴンに対応する領域の中から、データ変換の対象となる対象画素グループが選択される。ここでは、ディザマトリクスの4個×4個の要素の配列に対応する4行×4列の16個の画素が、順に選択されていくものとする。そして、選択された対象画素グループについて、順にディザマトリクスDMを利用したデータ変換が行われる。
たとえば、図17においてマゼンタの中ドット(m)の記録率が15%である領域の記録率データDdを図17の左端に示す。図11のステップS425で作成されたマゼンタの中ドット(m)のパラメータ範囲は、45%以上60%未満とされる(図14参照)。マゼンタの中ドット(m)のパラメータ範囲のデータを図17の左から2番目に示す。
ステップS425で作成されたパラメータ範囲のデータと、ディザマトリクスDMと、を利用して、対象画素におけるドットの形成の有無が決定される。ディザマトリクスDMは、ドットを形成するか否かの判断を行うための閾値を要素ごとに有している。CPU210は、パラメータ範囲内の閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録する旨の決定をする。そして、CPU210は、パラメータ範囲外の閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しない旨の決定をする。
本実施形態では、各色の大中小ドットのパラメータ範囲は0から100%までの値を有し(図14および図16参照)、ディザマトリクスDMは対象画素グループに対応する4×4のマトリクスである。このため、ディザマトリクスDMが有する各しきい値は、0から100までの階調値の範囲を均等に16分割する値である。マゼンタの中ドット(m)用の各画素位置のパラメータ範囲と、対応するディザマトリクスDMの閾値との比較が行われ、各画素のドットの形成の有無が決定されると、ドットの形成の有無は、図17の右端に示すようになる。
図11のステップS426では、各インク色の大中小ドットに関して、同様の処理が行われる。その際、同一のディザマトリクスが使用される。図11のステップS426においては、基準面上のポリゴンに対応する領域内の各画素についての、C、M、Yの大中小ドット記録率(0〜100)で表されていた色は、以上のような処理で、基準面上の各画素に対するC、M、Y、Kのドットの記録の有無で表されたデータに変換される。
図11のステップS426においては、その後、CPU210は、基準面上の各画素に対するC、M、Y、Kのドットの記録の有無で表されたデータを、ポリゴンの面(記録面)に沿った各ボクセルにおける各サイズのドットの記録の有無を表すデータに変換する。すなわち、CPU210は、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きに応じて、記録の有無が決定された基準面上の各ボクセル(画素)の位置を、ポリゴンの面に対応する各ボクセルの位置に変換する。
なお、ドットの形成の有無の決定(ステップS425,S426)に先立って、あらかじめ基準面に適合させた色変換が行われている(ステップS423)。このため、ステップS426の逆変換においては、ドット形成位置の変換は行われるが、色の濃度の変換は不要である。ステップS426の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、ドット決定部214として図1に示す。
ステップS424〜S426の処理においては、各インク色の各大きさのドットの記録率の合計が100%を超えない部位においては、各インク色の各大きさのドットが、異なるパラメータ範囲に割り付けられ(図14参照)、同一のディザマトリクスを利用して処理が行われる(図17参照)。このため、各インク色の各大きさのドットは、互いに異なる位置に記録されることとなる。
すなわち、本実施形態においては、ステップS426において、ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、パラメータ範囲内の閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録することを決定する処理が、複数の色について同一のディザマトリクスを使用して実行される。そして、図10のS44〜S48の処理において、ドットの記録の決定に応じて、物体が造形される。その結果、簡易な処理で、各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配することができる。
よって、本実施形態によれば、物体表面の各インク色の各大きさのドットの記録率の合計が100%を超えない部位について、鮮やかに色を表すことができる。
また、ステップS424〜S426の処理においては、インク色の各大きさのドットの記録率の合計が100%を超える部位についても、各インク色の各大きさのドットが重複した位置に記録されにくくなる。たとえば、インク色の各大きさのドットの記録率の合計が100〜200%の範囲内にある各インク色の各種のドットについては、インク色の各大きさのドットの記録率の合計が100%を超えない場合と同様に、互いに重複する位置にドットが記録されにくい(図16の下段の図参照)。記録率の合計が200%以上の範囲についても、記録率の合計の幅が100%の範囲ごとに、同様の効果が得られる。その結果、本実施形態によれば、ステップS424〜S426の処理を行わない通常のディザ処理に比べて、鮮やかに色を表すことができる。
ステップS427においては、コンピューター200のCPU210は、三次元データDoが有する物体の形状および色を表すすべてのポリゴンについて、ステップS421〜S426の処理が行われたか否かを判定する。ステップS421〜S426の処理が行われていないポリゴンが存在する場合には(S427:No)、処理はステップS421に戻り、未処理のポリゴンについてステップS421〜S426の処理が行われる。すべてのポリゴンについて、ステップS421〜S426の処理が行われた場合には(S427:Yes)、処理はステップS428に進む。
ステップS428では、コンピューター200のCPU210は、ポリゴンの面に沿った各ボクセルにおけるドットの記録の有無を表すデータに基づいて、X方向およびY方向について所定の造形解像度(例えば、XYの各方向について600dpi×600dpi)にしたがって定められ、各インク色のドットの形成の有無の情報を有している断面データDcを形成する。そして、処理は、図10のS44に進む。
図11のステップS421〜S428の処理を行うことにより、様々な向きを有する三次元の物体の表面において、三次元の物体を表すデータで指定された色を適切に再現することができる。
図18は、ディザマトリクスの作成方法の一例を示す説明図である。なお、図18は、ディザマトリクスの作成方法の原理を説明するためのものである。このため、図18の閾値の配置は、本実施形態のディザマトリクスの作成方法を正確に反映するものではない。
m個×n個(m,nは2以上の整数)の要素を含むディザマトリクスを生成する際には、まず、図18に示すように、各要素に、順に、0から1づつ増える整数を配置する。その際、各要素の配置の分散性を確保しつつ、整数の配置を行う。最後の要素には、(m×n−1)の値が割り当てられる。
0から1づつ増える整数を各要素に配置する際には、たとえば、まだ整数が配置されていない要素のうち、すでに整数が配置された画素からの距離のばらつきが最大となるような位置の要素に、次の整数を配置することができる。そのような処理でディザマトリクスを作成することにより、閾値(記録率)の低い領域(記録率50%未満の閾値が配された要素)において、閾値(記録率)の高い領域(記録率50%以上の閾値が配された要素)よりも、分散性の高いディザマトリクスが作成されることが期待できる。なお、「分散性が高い」とは、要素の分布が、空間周波数領域において、所定の空間周波数以下の低周波領域より高周波側にピークを持つノイズ特性を有することを意味している。
上記のようなディザマトリクスを使用することにより、インク色ドットの記録率が特に低い部分(たとえば各インク色の各大きさのドットの記録率の合計が50%以下の部分)において、物体表面の色の印刷結果の品質を高くすることができる。
その後、各要素に割り当てられた整数値に、100/(m×n)を掛ける。以上のようにして、各要素に閾値を有するディザマトリクスを生成することができる(図18参照)。各要素に割り当てられた閾値は記録率(0〜100%)に相当する。よって、各要素の閾値と記録率を比較することによって、ドットの形成の有無を決定することができる(図11のS424および図17参照)。
以上で説明した本実施形態の三次元造形装置によれば、特に、記録すべきインクの濃度が低い領域、より具体的には、各インク色の各種ドットの記録率の合計が100%未満の領域において、重複する画素(ボクセル)にインクが吐出されない。このため、そのような領域において、色彩を有する三次元の物体を表すデータに基づいて、より鮮やかに色を表すことができる。
なお、本実施形態における三次元造形装置100とコンピューター200とが、[課題を解決するための手段]における「三次元造形装置」に相当する。ノズルNc,Nm,Ny,Nkと各ノズルに対応するピエゾ素子が、「インク吐出部」に相当する。造形ステージ11が「支持部」に相当する。X方向が「第1の方向」に相当する。Y方向が「第2の方向」に相当する。メモリー220(固定ディスク)が、「記憶部」に相当する。コンピューター200のCPU210と、三次元造形装置100の制御部70が、「制御部」に相当する。
B.第2実施例:
図19は、第2実施形態における三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。第1実施形態の三次元造形装置100は、造形部10内に供給された粉体に対して硬化液を吐出することによって三次元物体を造形する。これに対して、第2実施形態の三次元造形装置100aは、粉体を用いることなく、樹脂を含有する硬化液のみによって三次元物体を造形する。第2実施形態において、コンピューター200のCPU210および三次元造形装置100aの制御部70による生成される断面データの生成、および断面データから生成される液滴のON/OFFのデータの生成などのデータ処理は、第1実施形態の処理と同じ処理である。
三次元造形装置100aは、造形部10と、ヘッド部50と、硬化エネルギー付与部60と、制御部70と、を備えている。造形部10は、第1実施形態と同様に、造形ステージ11と枠体12とアクチュエーター13とを備えている。ただし、枠体12は省略してもよい。ヘッド部50には、タンク51が接続されている。硬化エネルギー付与部60は、X方向についてヘッド部50と並ぶようにヘッド部50に対して固定された発光装置61である。
三次元造形装置100aは、第1実施形態の三次元造形装置100から、粉体供給部20と平坦化機構30と粉体回収部40とを省略した構成となっている。三次元造形装置100aの他の点は、第1実施形態の三次元造形装置100と同じである。このような三次元造形装置100aであっても、粉体層を形成する処理を除き、第1実施形態の三次元造形装置100と同様の処理によって三次元物体を造形することができる。
第2実施形態においては、サポート材を用いて三次元物体を造形することが可能である。本実施形態におけるサポート材とは、硬化液を硬化させる硬化エネルギーと同等の硬化エネルギーによって硬化する液体であり、硬化後に、水や所定の溶液に晒すことで溶解し、簡単に除去することが可能な材料である。サポート材を、三次元物体の輪郭の外側に向けて吐出すれば、下層よりも上層の断面体の面積が大きい形状の物体を造形する場合に、その面積の大きな部分を、下層のサポート材によって支えることができる。
第2実施形態の三次元造形装置100は、ヘッド部50に、硬化液とサポート材とを吐出するためのノズルがそれぞれ備えられ、また、ヘッド部50には、硬化液が収容されたタンクと、サポート材が収容されたタンクとが接続される。本実施形態では、ヘッド部50は、硬化液を吐出する走査と同じ走査においてサポート材を吐出する。なお、ヘッド部50は、硬化液を吐出する走査と異なる走査においてサポート材を吐出することも可能である。
このような態様においても、第1実施形態の図10、および図11の処理により、色彩を有する三次元の物体を表すデータに基づいて、より鮮やかに色を表すことができる。
C.変形例:
C1.変形例1:
上記実施形態においては、1色の硬化液を吐出するノズルは、Y方向に沿って配された1列のノズルである。しかし、1色の硬化液を吐出するノズルは、2列以上のノズルとすることもできる。また、1色の硬化液を吐出するノズルは、Y方向に沿って千鳥状に(ジグザグに)配された態様とすることもできる。すなわち、1色の硬化液を吐出するノズルは、液滴を吐出しつつ行われる操作の方向とは異なる方向について、互いに異なる位置に配された複数のノズルを含む態様とすることができる。
C2.変形例2:
上記実施形態においては、造形に使用されるインクは、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4色である。しかし、造形に使用されるインクは、それらのうちの2色以上とすることができる。また、三次元造形装置が吐出することができ、造形に使用されるインクは、5色以上であってもよい。
C3.変形例3:
上記実施例においては、各インク色のドットは、大きさの異なる大中小のドットを含む。しかし、少なくとも1以上のインクについて、2種類または4種類以上の大きさのドットを形成するようにすることもできる。
一方、少なくとも1以上のインクについて、1種類の大きさのドットのみを形成するようにすることもできる。そのようなインクにおいては、ドットの種類は1種類であり、パラメータ範囲を決定する際の優先順位は、インク色に対して一つだけが設定される。
C4.変形例4:
上記実施形態においては、X方向およびY方向については、造形ステージ11は移動せず、液滴吐出部としてのノズルおよびピエゾ素子を備えるヘッド部50が、走査部52によって移動する。また、Z方向については、ヘッド部50は移動せず、支持部としての造形ステージ11がアクチュエーター13によって移動する。しかし、互いに交わる3方向について、液滴吐出部が移動する態様とすることもできる。そして、互いに交わる3方向について、支持部が移動する態様とすることもできる。また、互いに交わる2方向について、支持部が移動し、それら2方向に交わる1方向に液滴吐出部が移動する態様とすることもできる。
なお、上記実施形態では、液滴吐出部としてのノズルおよびピエゾ素子を備えるヘッド部50と、支持部としての造形ステージ11とは、互いに直交するX,Y,Z方向に移動される。しかし、液滴吐出部と支持部とが相対移動する方向は、直交していなくてもよい。ただし、互いに交わる方向であることが好ましい。
C5.変形例5:
上記実施形態においては、硬化エネルギー付与部60としての発光装置61は、ヘッド部50に対してX方向の一方の側に設けられている。しかし、硬化エネルギー付与部60としての発光装置61は、ヘッド部50に対してX方向の両側に設けることもできる。
C6.変形例6:
上記実施形態において、CPU210は、ポリゴンの面の法線に対して、面の法線がなす角が最も小さい基準面を選択する(図11のS421参照)。しかし、基準面の選択は、他の方法で行われることもできる。たとえば、ポリゴンの面内の3点と、基準面内の3点との距離のばらつきが最も小さい基準面を選択することもできる。ただし、選択された基準面は、3個の基準面のうち、ポリゴンの面の法線に対して、面の法線がなす角が最も小さい基準面である。
C7.変形例7:
上記実施形態においては、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きに応じて、ポリゴンの形状の変換および色の濃度変換、ならびにそれらの逆変換が行われる(図11のS422、S426参照)。しかし、たとえば、三次元データDoが表す物体の外形が、X軸方向に垂直なyz平面、Y軸方向に垂直なzx平面、およびZ軸方向に垂直なxy平面の組合せで構成される場合には、ポリゴンの面と基準面との相対的な傾きに応じた上記の変換および逆変換は、省略することもできる。
C8.変形例8:
上記実施形態においては、色変換の際に、レッド、グリーン、ブルーの0〜255の階調値の組合せを、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの0〜255の階調値の組合せ異変換し、その後、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの記録率(濃度)を計算する(図11のS423,S424参照)。しかし、各インク色の記録率を決定する際の処理は、他の処理とすることもできる。たとえば、ポリゴンの色を表す基本色(たとえば、レッド、グリーン、ブルー)の階調値の組合せを、直接、インク色の各種ドットの記録率(0〜100%)の組合せに変換してもよい。
C9.変形例9:
上記実施形態においては、各大きさのドットには、インクによらず、大中小の順に優先順位が与えられている。すなわち、インクによらず各大きさのドットの相互の優先順位の関係は共通である。しかし、各大きさのドットの相互の優先順位は、インク色ごとに異なっていてもよい。
C10.変形例10:
上記実施形態においては、各インクの各大きさのドットには、あらかじめ優先順位が割り当てられている。しかし、この優先順位は、処理する三次元データDoに応じて定めることができる。たとえば、図11のステップS424の後において、最も記録率の高いインク色のドットの種類を、優先順位の先頭および末尾以外に割り当てることが好ましい。そのような態様とすれば、ドット記録率の合計が100%を超える場合に、当該ドットが他の種類のドットと同じ画素位置に記録される可能性を低減することができる(図16参照)。その結果、最もよく使用される種類のドットを使用して再現される色について、鮮やかに記録することができる。なお、このような処理を行うCPU210の機能部は、パラメータ範囲決定部218である。
また、図11のステップS424の後において、各インク色ごとのドットの記録率の合計を算出し、最も記録率の高いインク色の各種ドットを、優先順位の先頭および末尾以外に割り当てることも好ましい。そのような態様とすれば、ドット記録率の合計が100%を超える場合に、当該インク色の各種ドットが他の種類のドットと同じ画素位置に記録される可能性を低減することができる(図16参照)。最もよく使用されるインク色を使用して再現される色について、鮮やかに記録することができる。
なお、図11のステップS424の後における各種ドットの記録率を保存しておき、所定期間ごとに、平均してもっともドットの記録率が高いドットの種類またはインク色を決定し、それらを優先順位の先頭および末尾以外に割り当てることも好ましい。
また、仕向地ごとの一般的傾向として、もっともドットの記録率が高いドットの種類またはインク色があらかじめ分かっている場合には、それらを優先順位の先頭および末尾以外に割り当てることもできる。
C11.変形例11:
上記実施形態においては、各インク色の各種のドットに優先順位に従って順に割り当てられるパラメータ範囲は、隣同士、互いに接している(図14および図16参照)。しかし、各インク色の各種のドットに優先順位に従って順に割り当てられるパラメータ範囲は、少なくとも一部の隣接するパラメータ範囲の組合せにおいて、離れていてもよい。ただし、隣接するパラメータ範囲の組合せは、互いに接している方が好ましい。そのような態様においては、ドット記録率の合計を小さくすることができ。このため、異なる種類のドットが同一の画素位置に記録される可能性を低減することができる(図16参照)。
C12.変形例12:
上記実施形態においては、閾値(記録率)の低い領域(たとえば、記録率50%未満の領域)において、閾値(記録率)の高い領域よりも、分散性の高いディザマトリクスが使用される。しかし、使用されるディザマトリクスは、対応する記録率の値の大きさによらず要素の分散性ほぼ一定であるものとすることもできる。
そのようなディザマトリクスは、たとえば、順に、0から1づつ増える整数を配置する際に(図18参照)、乱数に基づいて各要素に整数を配置する手法により、生成することができる。さらに、乱数に基づいてそのようなディザマトリクスを複数、生成し、その中から、対応する記録率の値の大きさによらず要素の分散性ほぼ一定であるディザマトリクスを選択することもできる。
なお、「対応する記録率の値の大きさによらず要素の分散性ほぼ一定である」とは、ディザマトリクスが含む閾値のうち、任意の数値範囲内に含まれる複数の閾値をとりだしても、その閾値の要素の分布が、空間周波数領域において、所定の空間周波数以下の低周波領域より高周波側にある所定範囲内にピークを持つノイズ特性を有することを意味している。
C13.変形例13:
上記実施形態においては、各インク色の記録率に基づいて生成されたパラメータ範囲が、ディザマトリクスの各要素の閾値と比較されて、ドットの形成の有無が判定される(図11のS426、および図17参照)。しかし、ドットの形成の有無を決定するに際しては、各インク色の各サイズのドットの記録率を表す階調値(たとえば、それぞれ0〜255)をディザマトリクスの各要素の閾値と比較する態様とすることもできる。そのような態様においては、たとえば、ディザマトリクスは、各要素に、階調値に対応する範囲(0〜255)内の値を備えることが好ましい。すなわち、インク色の各サイズのドットの記録率(濃度)を表すパラメータと、ディザマトリクスの各要素の値と、の比較が行われることにより、ドットの形成の有無が決定されればよい。
C14.変形例14:
上記実施形態では、造形する三次元物体の最表面およびその一つ内側のボクセルに、色が付された硬化液の液滴が供給される。そして、造形する三次元物体の内部のボクセルには、色が付されていない硬化液の液滴が供給される。しかし、造形する三次元物体の内部にも、色が付された硬化液の液滴を供給する態様とすることもできる。そのように形成された三次元物体は、切断された場合の切断面にも色および模様を備えることとなる。
C15.その他:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…造形部
10c…容器
11…造形ステージ
12…枠体
13…アクチュエーター
20…粉体供給部
30…平坦化機構
40…粉体回収部
50…ヘッド部
51…タンク
52…走査部
60…硬化エネルギー付与部
61…発光装置
70…制御部
100,100a…三次元造形装置
200…コンピューター
210…CPU
220…メモリー
a,b,c,d…ディザマトリクス内の小領域
DM…ディザマトリクス
Nc…シアンのノズル
Dc…断面データ
Dd…記録率データ
Do…三次元データ
Nk…ブラックのノズル
Nm…マゼンタのノズル
Nt…ノズル
Ny…ノズル
Ps…板状の構造

Claims (20)

  1. 三次元造形装置であって、
    互いに異なる色のインクを吐出することができる複数のインク吐出部と、
    前記インクによって構成される構造を支持する支持部と、
    前記支持部に対して、前記インクの吐出方向と交わる第1の方向、ならびに前記インクの吐出方向および前記第1の方向と交わる第2の方向に、前記複数のインク吐出部を相対的に移動させることができる走査部と、
    前記インクのドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられているディザマトリクスを格納する記憶部と、
    前記インク吐出部、前記支持部、前記走査部、および前記記憶部を制御して、前記複数のインク吐出部から、物体の形状および色を表す物体データに基づいてインクを吐出して、板状の構造を形成する処理を繰り返すことによって、すでに形成されている板状の構造の上に新たに板状の構造を形成し、前記物体を造形する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    (a)物体の形状および色を表す物体データに基づいて、複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する記録率決定部と、
    (b)前記複数のインク色のドットの種類に付された優先順位に基づいて、前記インク色のドットの前記記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色のドットの種類に対して順に決定するパラメータ範囲決定部と、
    (c)前記ディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録し、前記パラメータ範囲外の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、前記複数のインク色のドットの種類について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行するドット決定部と、
    (d)前記記録の有無の決定に応じて、前記インク色のドットを前記物体の表面に記録しつつ、前記物体を造形する造形処理部と、を備える、三次元造形装置。
  2. 請求項1記載の装置であって、
    前記パラメータ範囲決定部は、それまでに決定した前記パラメータ範囲の大きさと、処理中のインク色のドットの種類の前記記録率の合計が100%を超える場合は、前記処理中のインク色のドットの種類の前記各パラメータ範囲の少なくとも一部を、0から始まるパラメータ範囲に再度、割り当てることができる、三次元造形装置。
  3. 請求項2記載の装置であって、
    前記パラメータ範囲決定部は、前記記録率が最も高いドットの種類に対して、先頭および末尾以外の優先順位を割り当てることができる、三次元造形装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の装置であって、
    前記複数のインク色のドットのうちの1以上のインク色のドットは、前記ドットの種類として、大ドットと、大ドットよりも小さい小ドットと、を含む、三次元造形装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の装置であって、
    前記ディザマトリクスは、記録率が小さい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性が、前記記録率が小さい範囲よりも記録率が大きい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性よりも、高い、三次元造形装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の装置であって、
    前記ディザマトリクスは、前記対応する記録率の値の大きさによらず前記要素の分散性ほぼ一定である、三次元造形装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の装置であって、
    前記物体データにおいて、前記物体はポリゴンで表されており、
    前記記録率決定部は、
    (a1)前記物体の前記ポリゴンの一つの面について、互いに直交する3つの基準面のうちの一つを選択する工程であって、前記一つの面の法線に対して、面の法線がなす角度がもっとも小さい基準面を選択することができ、
    (a2)前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、一つの面に付された色の濃度を変換することができ、
    (a3)前記変換後の色の濃度に基づいて、前記一つの面において記録すべき複数のインク色のドットの種類の記録率を決定することができ、
    前記ドット決定部は、前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、前記記録の有無が決定された各位置を、前記選択された基準面上の位置から、前記ポリゴンの前記一つの面上の位置に変換することができる、三次元造形装置。
  8. 三次元の物体を造形する造型装置であって、
    複数の色のインクを吐出することができるインク吐出部と、
    所定の領域内において、1色の前記インクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、前記複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には、前記所定の領域内において、前記各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配するように、前記インク吐出部を制御する、制御部と、を備える造型装置。
  9. 請求項8記載の造型装置であって、
    前記制御部は、
    前記色の前記ドットの記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、前記インクの色に対して決定し、
    ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録することを決定する処理を、前記複数の色について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行し、
    前記ドットの記録の決定に応じて、前記インク吐出部を制御して、前記物体を造形する、造形装置。
  10. インクを吐出することによって三次元の物体を造形する方法であって、
    (a)物体の形状および色を表す物体データに基づいて、複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する工程と、
    (b)前記複数のインク色のドットの種類に付された優先順位に基づいて、前記インク色のドットの前記記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色のドットの種類に対して順に決定する工程と、
    (c)ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録し、前記パラメータ範囲外の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、前記複数のインク色のドットの種類について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行する工程と、
    (d)前記記録の有無の決定に応じて、前記インク色のドットを前記物体の表面に記録しつつ、前記物体を造形する工程と、を備える物体造形方法。
  11. 請求項10記載の物体造形方法であって、
    前記工程(b)は、それまでに決定した前記パラメータ範囲の大きさと、処理中のインク色のドットの種類の前記記録率の合計が100%を超える場合は、前記処理中のインク色のドットの種類の前記各パラメータ範囲の少なくとも一部を、0から始まるパラメータ範囲に再度、割り当てる、方法。
  12. 請求項11記載の物体造形方法であって、
    前記工程(b)は、
    前記記録率が最も高いドットの種類に対して、先頭および末尾以外の優先順位を割り当てる、方法。
  13. 請求項10から12のいずれか1項に記載の物体造形方法であって、
    前記複数のインク色のドットのうちの1以上のインク色のドットは、前記ドットの種類として、大ドットと、大ドットよりも小さい小ドットと、を含む、方法。
  14. 請求項10から13のいずれか1項に記載の物体造形方法であって、
    前記ディザマトリクスは、記録率が小さい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性が、前記記録率が小さい範囲よりも記録率が大きい範囲に対応する前記閾値が含まれる要素の分散性よりも、高い、方法。
  15. 請求項10から13のいずれか1項に記載の物体造形方法であって、
    前記ディザマトリクスは、前記対応する記録率の値の大きさによらず前記要素の分散性ほぼ一定である、方法。
  16. 請求項10から15のいずれか1項に記載の物体造形方法であって、
    前記物体データにおいて、前記物体はポリゴンで表されており、
    前記工程(a)は、
    (a1)前記物体の前記ポリゴンの一つの面について、互いに直交する3つの基準面のうちの一つを選択する工程であって、前記一つの面の法線に対して、面の法線がなす角度がもっとも小さい基準面を選択する工程と、
    (a2)前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、一つの面に付された色の濃度を変換する工程と、
    (a3)前記変換後の色の濃度に基づいて、前記一つの面において記録すべき複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する工程と、を含み、
    前記工程(c)は、前記一つの面と前記選択された基準面との相対的な傾きに応じて、前記記録の有無が決定された各位置を、前記選択された基準面上の位置から、前記ポリゴンの前記一つの面上の位置に変換する工程を含む、方法。
  17. 複数の色のインクを使用して三次元の物体を造形する方法であって、
    所定の領域内において、1色の前記インクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、前記複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には、前記所定の領域内において、前記各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配する、造型方法。
  18. 請求項17記載の造型方法であって、
    前記色の前記ドットの記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、前記インクの色に対して決定する工程と、
    ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録することを決定する処理を、前記複数の色について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行する工程と、
    前記ドットの記録の決定に応じて、前記物体を造形する工程と、を備える造形方法。
  19. コンピューターを使用して三次元造形装置を制御しインク滴を吐出させることによって物体を造形させるためのコンピュータープログラムであって、
    (a)物体の形状および色を表す物体データに基づいて、複数のインク色のドットの種類の記録率を決定する機能と、
    (b)前記複数のインク色のドットの種類に付された優先順位に基づいて、前記インク色のドットの前記記録率に対応する大きさを有するパラメータ範囲を、隣り合う前記パラメータ範囲が互いに重複しないように、各インク色のドットの種類に対して順に決定する機能と、
    (c)ドットの記録率に相当する閾値が各要素に与えられたディザマトリクスの要素のうち、前記パラメータ範囲内の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録し、前記パラメータ範囲外の前記閾値を有する要素に対応する位置に、ドットを記録しないことを決定する処理を、前記複数のインク色のドットの種類について同一の前記ディザマトリクスを使用して実行する機能と、
    (d)前記記録の有無の決定に応じて、前記インク色のドットを前記物体の表面に記録しつつ、前記物体を造形する機能と、
    をコンピューターに実現させるための、コンピュータープログラム。
  20. コンピューターを使用して三次元造形装置を制御し、複数の色のインクを使用して三次元の物体を造形させるためのコンピュータープログラムであって、
    所定の領域内において、1色の前記インクが配されるボクセルの全ボクセルに対する割合を、前記複数の色について合計して得られる値が、100%以下である場合には、前記所定の領域内において、前記各色のインクを、互いに重複しないボクセルに配する機能をコンピューターに実現させるための、コンピュータープログラム。
JP2015057743A 2015-03-20 2015-03-20 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム Pending JP2016175300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015057743A JP2016175300A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015057743A JP2016175300A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016175300A true JP2016175300A (ja) 2016-10-06
JP2016175300A5 JP2016175300A5 (ja) 2018-03-15

Family

ID=57068679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015057743A Pending JP2016175300A (ja) 2015-03-20 2015-03-20 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016175300A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018067803A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 富士ゼロックス株式会社 データ処理装置、立体造形システム及びプログラム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052228A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Seiko Epson Corp 印刷装置および印刷方法
JP2010058519A (ja) * 1996-12-20 2010-03-18 Z Corp 三次元物体をプロトタイピングするための方法及び装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010058519A (ja) * 1996-12-20 2010-03-18 Z Corp 三次元物体をプロトタイピングするための方法及び装置
JP2010052228A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Seiko Epson Corp 印刷装置および印刷方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018067803A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 富士ゼロックス株式会社 データ処理装置、立体造形システム及びプログラム
CN107967715A (zh) * 2016-10-19 2018-04-27 富士施乐株式会社 数据处理装置、三维物体创建系统以及数据处理方法
CN107967715B (zh) * 2016-10-19 2023-11-07 富士胶片商业创新有限公司 数据处理装置、三维物体创建系统以及数据处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105904723B (zh) 三维造型装置以及三维物体制造方法
JP2016137703A (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法、およびコンピュータープログラム
EP3282682A1 (en) Forming method, forming system, and forming apparatus
JP2016013671A (ja) 凹凸形成装置および凹凸形成方法
JP6618688B2 (ja) 三次元造形装置、製造方法およびコンピュータープログラム
US8848246B2 (en) Image data generation method, image recording method, image data generation apparatus, and image recording apparatus
JP7081219B2 (ja) 液体吐出装置、及びプログラム
JP6040820B2 (ja) グロスコントロールテーブル追加方法
US9802362B2 (en) Three-dimensional formation apparatus, three-dimensional formation method, and computer program
JP2017113986A (ja) 立体物造形装置、立体物造形方法、及び、立体物造形装置の制御プログラム
US9827715B2 (en) Three-dimensional formation apparatus, three-dimensional formation method, and computer program
JP2017128066A (ja) 光沢制御装置、光沢制御方法、およびプログラム
US9931788B2 (en) Three-dimensional modeling apparatus and manufacturing method
JP2016137653A (ja) 三次元造形装置、造形方法、およびコンピュータープログラム
US20180200945A1 (en) Three-dimensional-object forming apparatus and three-dimensional forming method
JP6464839B2 (ja) 三次元造形装置、製造方法およびコンピュータープログラム
US10518479B2 (en) Three-dimensional object modeling device, method of molding three-dimensional object, and control program for three-dimensional object modeling device
US10449715B2 (en) Stereolithography color 3D printing method
JP2016175300A (ja) 三次元造形装置、物体造形方法、およびコンピュータープログラム
CN102442060A (zh) 印刷装置
US20160279881A1 (en) Three-dimensional modeling apparatus
JP2016175301A (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法、およびコンピュータープログラム
US20180281289A1 (en) Three-dimensional object modeling device, method of molding three-dimensional object, and control program for three-dimensional object modeling device
US10336009B2 (en) Three-dimensional modeling apparatus, three-dimensional modeling method and computer program
JP2016168827A (ja) 三次元造形装置、三次元造形方法、およびコンピュータープログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180111

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190212