JP2016168827A - 三次元造形装置、三次元造形方法、およびコンピュータープログラム - Google Patents

三次元造形装置、三次元造形方法、およびコンピュータープログラム Download PDF

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Shinichi Nakamura
真一 中村
岡本 英司
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Abstract

【課題】三次元造形装置において各液滴の量のばらつきや、硬化処理の際の素材の変形により、物体データが表す形状には含まれていない凹凸が形成されてしまう可能性を低減する装置の提供。
【解決手段】複数の液滴吐出部Ntと、液滴によって構成される構造を支持する支持部11と、支持部11に対して液滴吐出部Ntを移動させることができる走査部52とを備え、物体の断面の形状を表す第1データDcに基づいて、液滴吐出部Ntから液滴を吐出して、断面の形状を有する板状部材Psを形成する処理を繰り返すことにより、複数の板状部材Psを重ねて形成する造形処理を行う。複数の液滴吐出部Ntに応じてあらかじめ定められた第2データDAに基づいて、断面形状の範囲内に液滴を吐出する調整処理を行う三次元造形装置100,200。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元の物体を造形する技術に関するものである。
従来、平面上の連続する位置に液滴を吐出して硬化させ、板状の部材を形成して、さらにその上に板状の部材を形成する処理を繰り返すことにより、三次元の物体を造形する技術が存在する(特許文献1)。
特開2009−12413号公報 特開2013−67121号公報
しかし、各液滴の量のばらつきや、硬化処理の際の素材の変形により、物体データが表す形状には含まれていない凹凸を形成されてしまう場合がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、液滴を吐出することによって物体を造形する三次元造形装置が提供される。この三次元造形装置は:それぞれ液滴を吐出することができる複数の液滴吐出部と;前記液滴によって構成される構造を支持する支持部と;前記支持部に対して、前記液滴の吐出方向と交わる第1の方向、ならびに前記液滴の吐出方向および前記第1の方向と交わる第2の方向に、前記複数の液滴吐出部を相対的に移動させることができる走査部と;前記液滴吐出部、前記支持部、および前記走査部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は:物体の断面の形状を表す第1のデータに基づいて、前記複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、前記断面の形状を有する板状の部材を形成する処理を、前記物体の複数の断面であって前記断面に垂直な方向に並ぶ異なる断面について、繰り返すことにより、複数の前記板状の部材を重ねて形成する造形処理を行う造形部と;前記複数の液滴吐出部に応じてあらかじめ定められた第2のデータに基づいて、前記断面の範囲内に液滴を吐出する調整処理を行う調整部と、を備える。
このような態様とすれば、各液滴の量のばらつきや、硬化処理の際の素材の変形により、物体データが表す形状には含まれていない凹凸を形成されてしまう可能性を、調整処理によって低減できる。
(2)上記形態の造形装置において、前記制御部が、さらに:同一の信号に基づいて前記複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、モデルを形成するモデル形成部と;前記モデルの形状に基づいて、前記第2のデータを形成する調整データ生成部と、を備える、態様とすることもできる。このような態様とすれば、同一の信号に基づいて各液滴吐出部から吐出される液滴によって実際に構成された物の形状に基づいて、第2のデータを形成することができる。このため、各液滴吐出部に起因する形状の誤差を、第2のデータに基づいて適切に補正することができる。なお、第2のデータは、モデルの表面の各部の液滴吐出方向の高さに応じて形成されることが好ましい。
(3)上記形態の造形装置において、前記調整データ生成部が:前記複数の液滴吐出部のそれぞれに対応する前記モデルの複数の部位における前記液滴の吐出方向の高さに基づいて、前記調整処理において、前記高さが最も高い部位を形成した基準吐出部以外の他の液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量を決定し;前記他の各液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量に基づいて前記第2のデータを形成する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、調整処理において、基準吐出部から液滴を吐出させない間に他の各液滴吐出部から液滴を吐出させることにより、各液滴吐出部の液滴の量のずれに起因して生じうる形状の誤差を、適切に補正することができる。なお、「前記高さが最も高い部位を形成した基準吐出部以外の他の液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量」は、「前記調整処理において、前記高さが最も高い部位を形成した基準吐出部から液滴から吐出させない間に、他の液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量」とすることができる。
(4)上記形態の造形装置において、前記第2のデータが、前記部位の前記高さが高い順にグループ1〜Ng(Ngは正の整数)にグループ分けされた前記他の液滴吐出部の情報を含む態様とすることもできる。そして、前記調整部が、前記調整処理において、グループj〜Ng(jは1〜Ngの整数)の前記液滴吐出部から、前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる処理を、1〜Ngの各jの値について実行する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、調整処理において、各グループ単位で順に、液滴吐出部が形成する部位の高さの不足分を形成して補填する態様に比べて、各グループの液滴吐出部が形成する部位の高さの不足分を、効率的に補填することができる。また、上記処理においては、より多くの液滴吐出部から液滴を吐出する処理が先に行われ、処理が進むにつれて、液滴を吐出する液滴吐出部が減少する可能性が高い。このため、調整処理において、先に吐出された液滴によりすでに形成された部位の上に、さらに追加される部位を形成することができる可能性が高い。
(5)上記形態の造形装置において、前記調整部が、前記調整処理において、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが小さい順に実行する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、調整処理において、より広い範囲について液滴が吐出され、徐々に液滴が吐出される範囲が小さくなる。このため、造型処理において形成された部位との結合を強固にすることができる。
(6)上記形態の造形装置において、前記調整部が、前記調整処理において、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが大きい順に実行する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、本来の高さに比べて低い領域から優先的に液滴が吐出されて調整処理が行われる。このため、調整処理で追加的に形成される部位の表面の平坦度を高くすることができる可能性が高い。
(7)上記形態の造形装置において、前記制御部が、前記調整処理が実行されるタイミングを決定する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、造形処理の進行とともに調整処理を実行することにより、適正な形状を有する物体を形成することができる。なお、制御部が決定する「前記調整処理が実行されるタイミング」は、「前記造形処理の間に前記調整処理が実行されるタイミング」とすることができる。
(8)上記形態の造形装置において、前記調整処理が、前記板状の部材を形成する前記処理が一定回数行われるたびに実行される、態様とすることもできる。このような態様とすれば、造形処理が開始される前や、すべての造形処理が完了した後に、調整処理がまとめて実行される態様に比べて、断面に垂直な方向の各位置における物体の形状の誤差を小さくすることができる。
(9)上記形態の造形装置において、前記調整部が、少なくとも、前記複数の断面のうち最も大きい断面について前記板状の部材を形成する前記処理が実行されるのに続いて、前記調整処理を実行する、態様とすることもできる。このような態様とすれば、断面に垂直な方向に投影したときの物体の各位置における高さ方向の形状誤差を、適切に補正することができる。
(10)本発明の他の形態によれば、物体を造形する方法が提供される。この方法は:(a)物体の断面の形状を表す第1のデータに基づいて、複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、前記断面の形状を有する板状の部材を形成する処理を、前記物体の複数の断面であって前記断面に垂直な方向に並ぶ異なる断面について、繰り返すことにより、複数の前記板状の部材を重ねて形成する工程と;(b)前記複数の液滴吐出部に応じてあらかじめ定められた第2のデータに基づいて、前記断面の範囲内に液滴を吐出する工程と、を備える。
なお、工程(b)は、工程(a)に先だって行われてもよく、工程(a)の後に行われてもよい。また、工程(b)は、工程(a)の処理中において繰り返される板状の部材を形成する処理の間に行われてもよい。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、三次元造形方法や三次元造形装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。 本実施形態における三次元物体の造形の処理を説明するフローチャートである。 モデルPt0の上面のうち最も高い領域の高さを100%としたときの各領域の高さを示したグラフである。 調整のために各ノズルが吐出すべき液滴の量の割合を示すグラフである。 2次元パターンPa1〜Pa8を示す図である。 ステップS454の処理で使用される2次元データPaiを示す図である。 第2実施形態において図2のステップS454で行われる処理を示す図である。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としての三次元造形装置の概略構成を示す説明図である。三次元造形装置100は、造形部10と、ヘッド部50と、硬化エネルギー付与部60と、制御部70と、測定器80と、を備えている。制御部70には、コンピューター200が接続されている。三次元造形装置100とコンピューター200とをあわせて広義の「三次元造形装置」として捉えることもできる。
図1には、互いに直行するX方向とY方向とZ方向とを示している。Z方向は、鉛直方向に沿った方向であり、X方向は、水平方向に沿った方向である。Y方向は、Z方向およびX方向に垂直な方向である。
造形部10は、上面が開口している容器10cを備える構成であって、容器10cの内部において三次元物体を造形するための構成である。造形部10は、XY方向に沿った平坦な上面を有する造形ステージ11と、造形ステージ11の周囲を囲みZ方向に立設された枠体12と、造形ステージ11をZ方向に沿って移動させるアクチュエーター13とを備える。底面を構成する造形ステージ11と、側面を構成する枠体12と、によって、容器10cが構成される。ただし、枠体12は省略してもよい。制御部70がアクチュエーター13の動作を制御することによって、造形ステージ11は、枠体12内においてZ方向に移動することができる。容器10cには、三次元物体を構成する材料が供給される。第1実施形態においては、三次元物体の材料として、光硬化性を有する液体(以下、「硬化液」という)が用いられる。
三次元物体を構成するための硬化液は、液体の樹脂材料と重合開始剤との混合物である。液体の樹脂材料は、モノマーと、モノマーが結合したオリゴマーとを主成分とする。樹脂材料のモノマーは比較的低分子量のモノマーが選択されている。樹脂材料の1つのオリゴマーに含まれるモノマーの数は、数分子程度に調整されている。このようにモノマーおよびオリゴマーが調整されているため、硬化液の粘度は、ヘッド部50から液滴として吐出可能で、かつ、着弾後、硬化エネルギー付与部60から紫外線を照射されるまでの間、所定の高さを維持できる程度の粘度となる。
重合開始剤は、紫外光が照射されると励起状態となってモノマーあるいはオリゴマーに働きかけて重合を開始させる。硬化液に紫外光が照射されて重合開始剤が励起状態になると、樹脂材料のモノマーが互いに重合してオリゴマーに成長し、またオリゴマー同士もところどころで重合する。その結果、硬化液は、速やかに硬化して固体となる。
本実施形態のヘッド部50は、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドである。ヘッド部50は、ヘッド部50に接続されたタンク51から上述した硬化液の供給を受ける。制御部70は、ピエゾ素子に印加する信号の電圧の波形を制御することによって、ヘッド部50に設けられたノズルから吐出する一滴あたりの硬化液の量を調整することが可能である。
図1のヘッド部50に供給される硬化液には、シアン、マゼンタ、またはイエロの色が付されているものと、色が付されていないものとがある。ヘッド部50は、シアンの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNcのノズル列と、マゼンタの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNmのノズル列と、イエロの色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルNyのノズル列と、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtのノズル列と、を備える。ノズルNc,Nm,Nyの数は互いに等しい。ノズルNtの数は、ノズルNc,Nm,Nyの合計数に等しい。
図1のヘッド部50に供給される硬化液には、さらに、サポート材として機能する硬化液が含まれる。ヘッド部50は、上述のノズル列に加えて、さらに、サポート材の液滴を吐出するノズルNsのノズル列を備える。ノズルNsの数は、ノズルNc,Nm,Nyの合計数に等しい。
サポート材は、上記各色の硬化液を硬化させる硬化エネルギーと同等の硬化エネルギーによって硬化する液体である。サポート材は、硬化後に、水や所定の溶液に晒すことで溶解し、簡単に除去することが可能な材料である。サポート材を、三次元物体の輪郭の外側に吐出すれば、下層よりも上層の断面体が大きい形状の物体を造形する場合に、その面積の大きな部分を、下層のサポート材によって支えることができる。
各ノズル列のノズルは、Y方向に沿って配されている。ノズル列Nc,Nm,Ny,Nt,Nsは、X方向に並んで配されている。三次元物体のうち、色が付された1以上の硬化液で形成された部分は、使用された1以上の硬化液の色に応じた色を有する。三次元物体のうち、無色の硬化液で形成された部分は、無色である。
ヘッド部50は、走査部52によって、容器10c(造形ステージ11)に対して、X方向およびY方向に移動可能である。走査部52によるヘッド部50の移動を「走査」とも呼ぶ。造形部10内の造形ステージ11がZ方向に移動することによって、ヘッド部50は、容器10cおよび容器10c内の三次元物体に対してZ方向に、相対的に移動可能である。
硬化エネルギー付与部60は、ヘッド部50から吐出された硬化液に、硬化液を硬化させるエネルギーを付与するための装置である。本実施形態では、硬化エネルギー付与部60は、発光装置61である。発光装置61からは、硬化液を硬化させるための硬化エネルギーとして、紫外線が照射される。
硬化エネルギー付与部60は、X方向についてヘッド部50と並ぶ位置においてヘッド部50に対して固定されている。ヘッド部50が走査部52によって移動されると、ヘッド部50とともに硬化エネルギー付与部60(発光装置61)も移動する。
測定器80は、造形ステージ11上に配された対象物のZ方向の位置(高さ)を測定することができるセンサである。本実施形態では、測定器80は、X方向についてヘッド部50を挟んで硬化エネルギー付与部60とは逆の側において、ヘッド部50に対して固定されている。走査部52によって、測定器80も、造形ステージ11に対してX方向およびY方向に移動することができる。コンピューター200のCPU210は、制御部70を介して測定器80を使用して、造形ステージ11上の各位置における対象物のZ方向の高さを測定することができる。
制御部70は、コンピューター200のCPU210からの指示に従い、アクチュエーター13と、ヘッド部50と、硬化エネルギー付与部60と、測定器80と、を制御する。制御部70は、三次元造形装置100の各部を制御することにより、容器10c内に三次元物体を造形することができる。制御部70は、CPUとメモリーとROMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されたコンピュータープログラムをメモリーにロードして実行することによって、後述するようにモデルを印刷する機能や、三次元物体を造形する機能を実現する。なお、制御部70が有するこれらの機能は、コンピューター200側に備えられていてもよい。
コンピューター200は、CPU210とメモリーとROMとを備えている。CPU210は、ROMに記憶されたコンピュータープログラムをメモリーにロードして実行することによって、後述する断面データを生成する機能や、測定結果に応じて調整データを生成する機能を実現する。また、CPU210は、制御部70を介して、三次元造形装置100を制御し、動作させる。
図2は、本実施形態における三次元物体の造形の処理を説明するフローチャートである。ステップS10においては、コンピューター200のCPU210は、モデルを印刷する。ここでは、モデルは、X,Y,Z方向にそれぞれ垂直な面を有する直方体の形状を有する。より具体的には、CPU210は、コンピューター200のROM内に格納されているモデル用のデータを使用して、制御部70を介してヘッド部50の一つのノズル列のピエゾ素子を駆動して、硬化液を容器10c内に吐出する。その結果、造形ステージ11上に、硬化液を使用して直方体のモデルPt0が形成される。
ここでは、モデルPt0の形成に使用するノズル列は、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtのうちの一列とする。モデルの形成においては、各ノズルに対応するピエゾ素子には、同一の基準信号が供給される。基準信号は、理想的に形成されたピエゾ素子およびノズルを仮定した場合に、13ngの液滴が吐出される駆動信号である。
ステップS10におけるモデルの形成においては、以下のような、いわゆる擬似バンド印刷の一部の処理が行われる。制御部70は、走査部52を介して、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、Y方向に配された一つのノズル列の各ノズルから液滴を吐出させる。その際、容器10c内の各部位を、まず、ヘッド部50が通過し、その後、硬化エネルギー付与部60が通過するように、ヘッド部50および硬化エネルギー付与部60が走査される。その結果、ヘッド部50から容器10c内に吐出された硬化液は、その後、硬化エネルギー付与部60によって紫外線を照射され、硬化される。
その後、制御部70は、走査部52を介して、X方向への走査開始前の位置に、X方向に沿ってヘッド部50を移動させる。そして、制御部70は、走査部52を介して、Y方向にヘッド部50を走査させる。X方向への走査の間に行われるY方向への走査の大きさは、Y方向に沿って配されているノズルのピッチの1/n(nは2以上の整数。ここでは、n=4とする)である。そして、制御部70は、再度、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、各ノズルから液滴を吐出させる。
そのようにして、液滴を吐出しつつ行われるX方向への走査と、Y方向への走査とを、n回繰り返すことにより、モデルのうち、1層分の断面に対応する長方形の板状の構造が形成される。その後、CPU210は、制御部70を介してアクチュエーター13を駆動して、造形ステージ11を、Z方向の造形解像度(例えば、600dpi)に応じた積層ピッチ分、Z方向下向きに降下させる(図1参照)。そして、同様の処理が繰り返される。すなわち、制御部70は、ヘッド部50を当初の位置に戻し、造形ステージ11上にすでに形成された板状の構造Psの上に新たな板状の構造を形成する(図1参照)。そのような長方形の板状の構造を、M層(Mは正の整数。ここでは、M=55)重ねて形成する。その結果、造形ステージ11上に直方体のモデルPt0が形成される。
このような印刷によって印刷されたモデルPt0においては、Y方向について一定の範囲(すなわち、ノズルピッチの範囲)については、同一のノズルから吐出された液滴によって形成されている。本実施例では、その範囲はn本(n=4)の液滴吐出位置に相当する。なお、ステップS10の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、モデル形成部212として図1に示す。
図2のステップS20では、CPU210は、制御部70を介して測定器80を使用して、ステップS10で形成されたモデルPt0の上面の各位置における高さ(Z方向の位置)を、測定する。より具体的には、走査部52を使用して、モデルPt0上において、測定器80をX方向およびY方向に走査して、モデルPt0の上面の同一のノズルで形成された領域における高さを、そのような領域ごとに測定器80に測定させる。そして、CPU210は、各領域の高さの平均値を計算し、モデルPt0の上面のうち最も平均値が高い領域の高さの平均値に対して、Y方向に並ぶ他の各領域の高さの平均値の割合を計算する。各領域は、その領域を形成したノズルと対応づけることができる。
図3は、モデルPt0の上面のうち最も高い領域の高さを100%としたときの各領域の高さを示したグラフである。図3の横軸は、nライン(n=4)ずつの各領域を記録した180個のノズルの位置を液滴吐出位置(「ボクセル位置」ともいう)0〜720で示す。図3より、この例では、ボクセル位置400近傍のモデルPt0の上面が最も高い領域に対して、最も低いボクセル位置80近傍の領域では、その92%程度の高さしか達成されていないことがわかる。このように、高さ一定の物体を表す物体データ(三次元データDo)が与えられて造形を行っても、高さについてばらつきが生じるのは、各ノズルから吐出される液滴の量のばらつきや、硬化処理の際の素材の変形によるものと考えられる。なお、ステップS20の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、測定部214として図1に示す。
図4は、調整のために各ノズルが吐出すべき液滴の量の割合を示すグラフである。図4の横軸は、図3と同様、nライン(n=4)ずつの各領域を記録した180個のノズルの位置をボクセル位置(0〜720)で示す。図2のステップS32において、CPU210は、各ノズルについて、上面が均一な高さを有する直方体を形成できるように、各ノズルが、モデルのデータに応じた液滴の吐出に加えて追加的に吐出すべき液滴の量の割合を決定する。すなわち、CPU210は、各ノズルについて、モデルのデータに沿った正確な形状の物体を形成できるように、各ノズルが追加して吐出すべき液滴の量の割合を決定する。
図4において、各ノズルが追加で吐出すべき液滴の割合は、モデルの上面の高さが最も高い部位を形成したノズル(本明細書において「基準ノズル」と呼ぶ)の液滴の吐出量を100%としたときに、各ノズルが吐出すべき液滴の量の割合として表される。図4の例では、モデルのデータに沿った正確な形状の物体を形成できるようにするために、最大8%の液滴を、追加的に吐出する必要があることが分かる(ボクセル位置80近傍の領域参照)。図4のグラフの形状は、図3のグラフを反転させて得られる形状である。
図2のステップS34では、CPU210は、各ノズルが吐出すべき液滴の量の割合(図4参照)に基づいて、各ノズルについて、調整データDAを生成する。調整データDAは、形成すべき物体を表す三次元データDoに応じた液滴の吐出に加えて、高さの調整のために、液滴を吐出すべき追加吐出位置(ノズル)および液滴の量を定めるデータである。調整データDAは、物体の造形において一体として使用されるノズル群(本実施形態において、ノズル列)に応じて、物体の造形に先立って定められる。第1実施形態では、調整データDAは、Ng個(Ngは、正の整数。ここではNg=8)の2次元パターンPa1〜Pa8を備える。2次元パターンの数Ngは、後述するステップS454で調整データDAにしたがって設けられる調整用の層の数である。
図5は、2次元パターンPa1〜Pa8を示す図である。2次元パターンPa1〜Pa8は、それぞれ1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%の追加的な液滴の吐出を行わせるノズルの位置を表すデータである。各2次元パターンPa1〜Pa8のノズルの位置に対応するノズルは、モデルPt0の上面の対応する部位の高さが高い順、すなわち、基準ノズルが形成した部位の高さの98〜99%、97〜98%、・・・、91〜92%に、グループ分けされた、基準ノズル以外のノズルである。Ng個の2次元パターンを含む調整データDAは、これらNg個にグループ分けされたノズルの情報を含む。なお、Ng個の2次元パターンの一つについて、対象を特定せずに言及する場合は、2次元パターンPaiと表記する。
2次元パターンPaiの縦方向の位置は、ヘッド部50の一つのノズル列の各ピエゾ素子に対応する。より詳細には、2次元パターンPaiの縦方向の位置は、一つのノズル列内の各ピエゾ素子が記録するX方向のn本(ここでは、n=4)ずつのボクセルのラインの並びに対応する。これは、図2のステップS10のモデルPt0の形成に際して、1層を形成するために液滴が吐出されたボクセルのラインのY方向の位置に対応するものである。図5において、2次元パターンPaiの左側に、各ノズルによるボクセルラインの記録位置をボクセル数(0〜720)で示す(図3および図4の横軸も参照)。2次元パターンPaiは、横方向(X方向)についても、720個分のボクセルに対応するデータを有しているものとする。
図5の2次元パターンPa1〜Pa8において、黒く表されている部分は、後述するステップS454の調整処理で各2次元パターンにしたがって追加的に液滴を吐出すべきノズルに対応する領域(本明細書において「追加吐出位置」ともいう)である。白く表される位置は、ステップS454の調整処理において、液滴を吐出しないノズルに対応する領域である。追加吐出位置は、図2のステップS32において決定された、各ノズルの追加的に吐出すべき液滴の割合(図4参照)に応じて定められる。
図5の2次元パターンPa1は、形成した部位の高さが最大値に対して98%より大きく99%以下であったノズル(Pa1において、白く表示されている位置のノズル。図3のボクセル位置400の近傍参照)以外のノズルを対象として、追加的な液滴の吐出を行わせるための2次元パターンである。Pa2は、高さが最大値に対して97%より大きく98%以下であったノズル(Pa2において、白く表示されている位置のノズル。図3のボクセル位置300〜400の近傍参照)以外のノズルを対象として、追加的な液滴の吐出を行わせるための2次元パターンである。
同様に、形成した部位の高さが最大値に対して91%より大きく92%以下であったノズル(Pa8において、白く表示されている位置のノズル。図3のボクセル位置30〜80,600〜670の近傍参照)以外のノズルを対象として、追加的な液滴の吐出を行わせるための2次元パターンPa8までが、ステップS34で決定される。なお、図3〜図5は、説明のための図である。このため、図5に示した2次元パターンPa1〜Pa8は、図3および図4のデータと厳密には整合しない部分を含み得る。
ステップS32,S34の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、調整データ生成部216として図1に示す。ステップS10〜S34の処理は、無色の硬化液の液滴を吐出するノズル列Ntのすべてのノズル列について行われる。各ノズル列について生成された調整データDAは、後述するステップS454において、各ノズル列に対して適用される。
なお、本実施形態においては、モデルPt0の上面の最も高い領域と、最も低い領域との差が8%であったため、それぞれ1%刻みの追加吐出量に対応する8個の2次元パターンPa1〜Pa8(図5参照)が生成される。しかし、調整データDAが含む2次元パターンPaiの数Ngは、生成したモデルの上面の最も高い領域と、最も低い領域との差の割合と、調整処理の詳細さ(本実施形態では1%単位)に応じて定めうる。本実施形態では、1%単位で調整処理を行うこととし、2次元パターンPaiの数Ngは、モデルPt0の上面の最も高い領域と、最も低い領域との差の割合について、1%未満を切り捨てた数とする。
図2のステップS40においては、コンピューター200のCPU210は、三次元造形装置100を制御して、三次元の物体を造形する。まず、ステップS42において、CPU210が、三次元物体の形状を表す三次元データDoから、その三次元物体の形状をZ方向の造形解像度(例えば、600dpi)に従って、Z方向に垂直な面でスライスして得られる複数の板状の構造のXY方向に沿ったデータを生成する。このデータを「断面データ」と呼ぶ。すなわち、各断面データが表す複数の断面は、各断面に垂直な方向(Z方向)に並ぶ断面である。以下でより詳細に説明する。
三次元物体の形状を表す三次元データDoは、三次元の物体の形状を表すデータである。三次元データDoは、X方向、Y方向、およびZ方向について所定の造形解像度(例えば、1200dpi×1200dpi×1200dpi)を有している。本実施形態においては、三次元データDoは、色の情報を有していないものとする。断面データDcは、所定の断面(XY平面)における三次元の物体の形状を表す情報と、三次元の物体の周りに配されるべきサポート材の位置の情報と、を含むデータである。断面データDcは、X方向およびY方向について所定の造形解像度(例えば、600dpi×600dpi)を有している。
断面データDcの生成に際しては、CPU210は、三次元データDoに基づいて、三次元データDoの解像度(例えば、XYZの各方向について1200dpi×1200dpi×1200dpi)から、三次元造形装置100の性能に応じた解像度(例えば、XYZの各方向について600dpi×600dpi×600dpi)に解像度変換を行う。なお、X方向、Y方向およびZ方向の解像度に応じて定められた3次元空間内を仕切る直方体または立方体の仮想的な要素を、本明細書において「ボクセル」と呼ぶ。
ステップS42において、断面データDcは、X方向およびY方向について所定の造形解像度(例えば、XYの各方向について600dpi×600dpi)にしたがって定められた各要素に対して階調値が格納された二次元のラスターデータによって表される。各要素に格納された階調値は、その要素に対応するXY座標のボクセルに吐出する硬化液の量を表す。本実施形態では、技術の理解を容易にするため、各ボクセルに吐出する硬化液の量は一定であるものとする。
図2のステップS44においては、CPU210は、三次元データDoから生成された断面データDcに従って、制御部70を介してヘッド部50を駆動して、硬化液(三次元物体を構成する硬化液と、サポート剤とを含む)を容器10c内に吐出する。
より具体的には、制御部70は、走査部52を介して、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、断面データDcに従って、各ノズル列の各ノズルから硬化液を吐出させる。なお、本実施形態においては、三次元データDoは、色の情報を有していないため、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtから三次元の物体を構成するための硬化液を吐出させる。また、三次元の物体の外輪郭に接する所定の領域には、ノズルNsからサポート材の硬化液が吐出される。サポート材の硬化液が吐出される所定の領域は、三次元の物体をZ軸方向に投影したときの外輪郭を含む範囲とすることが好ましい。各硬化液を吐出させる際には、容器10c内の各部位を、まず、ヘッド部50が通過し、その後、硬化エネルギー付与部60が通過するように、制御部70によってヘッド部50および硬化エネルギー付与部60が走査される。なお、ヘッド部50は、硬化液を吐出する走査と異なる走査においてサポート材を吐出することも可能である。
その後、制御部70は、走査部52を介して、X方向への走査開始前の位置に、X方向に沿ってヘッド部50を移動させる。X方向への走査が終了すると、制御部70は、走査部52を介して、Y方向にヘッド部50を走査させる。そして、制御部70は、再度、X方向についてヘッド部50を走査させつつ、各ノズルから液滴を吐出させる。そのようにして、液滴を吐出しつつ行われるX方向への走査と、Y方向への走査とを、繰り返すことにより、容器10c内に、1層分の断面データDcに対応する板状の構造Psが形成される(図1参照)。液滴によって構成される板状の構造Psは、造形ステージ11によって支持される。
なお、本実施形態においては、液滴を吐出しつつ行われるX方向の2以上の走査(具体的には4回の走査)と、X方向の各走査の間に行われるY方向の第1の走査と、が繰り返し行われる。そのような処理を、本明細書では、まとめて「単位処理」と呼ぶ。繰り返し行われる単位処理の間に、Y方向の第1の走査よりも走査量が大きいY方向の第2の走査が行われる。繰り返し行われる単位処理と、単位処理の間に行われるY方向の第2の走査とにより、X方向およびY方向に連続して並ぶ各ボクセルに液滴が供給される。
図2のステップS45においては、CPU210は、調整データDA(図5参照)に基づく調整処理を行う。ステップS452では、CPU210は、調整処理を行うか否かを判定する。より具体的には、CPU210は、ステップS44の処理が、連続して、すなわち、間にステップS454の処理を挟むことなくN回(Nは正の整数。ここでは、N=100)行われたか否かを判定する。ステップS44の処理が連続してN回行われた場合(ステップS452:Yes)には、処理は、ステップS454に進む。ステップS44の処理が連続してN回行われていない場合(ステップS452:No)には、処理は、ステップS46に進む。
ステップS454では、CPU210は、直前のステップS44の処理によって形成された板状の構造の上、すなわち、断面データDcが表す断面の範囲内に、調整データDA(図5参照)に基づいて、対応するノズルから液滴を吐出させる。ステップS454においても、各層の形成に際して、ステップS44と同様に、繰り返し行われる単位処理と、単位処理の間に行われるY方向の第2の走査とにより、連続する各ボクセルに液滴が供給される。ただし、ステップS454における調整処理においては、基準ノズル(モデルの上面の高さが最も高い部位を形成したノズル)による液滴の吐出は行われない。以下で、ステップS454の処理について詳細に説明する。
なお、図2のステップS10においては、ステップS44およびステップS454で行われる板状の構造の形成において行われる単位処理と同じ処理によって、一つの板状の構造が形成され、それを複数層分、繰り返すことにより、モデルPt0が形成される。そして、図2のステップS34においては、単位処理によって液滴が供給されるボクセルラインについて、2次元データPai(図5参照)が形成される。このように単位処理と対応させてモデルを形成し、対応する2次元データを形成することにより、以下のような効果が奏される。すなわち、ハードウェアとしてのノズルの配列と対応させてモデルを形成し2次元データを形成する態様に比べて、図2のステップS454の調整処理におけるデータ処理が容易となる。
図6は、ステップS454の処理で使用される2次元データPaiを示す図である。図6の縦の欄は、2次元データPaiを示す。図6の横の欄は、ステップS454の処理において順に形成される調整層の各層の番号(1〜8)を示している。図6の各欄において1が記載されている場合には、その欄が含まれる列に対応する層(1〜8)の形成において、その欄の行の2次元データが使用されることを示す。ステップS454では、グループ1〜グループ(Ng+1−i)(iは1〜Ngの整数)(本実施形態においてNg=8)から生成された調整用データに基づいて、ノズルから液滴を吐出させて三次元物体の上面における凹凸をならす処理を、iが1からNgまで繰り返し実行する。以下でその内容を詳細に説明する。
図2のステップS454では、CPU210は、すべての2次元データPai(ここでは、2次元データPa1〜Pa8。すなわち、i=1,Ng=8。図6の積層数1の列参照)を組み合わせたデータを用いて、追加吐出位置に相当するノズルから液滴の吐出を行わせる。2次元データPaiを組み合わせて調整用データを生成する際、いずれかの2次元データPaiにおいて白く表されている部分(インク滴非吐出)は、調整用データにおいて、白(インク滴非吐出)とされる。ここでは、液滴を吐出するノズルは、モデル上面の最も低い領域に対応するノズル、言い換えれば、吐出量が最大値に対して最も少ない区分(吐出量の多い順では最後のNg番目の区分)に属するノズルである。
次に、CPU210は、調整層のうちの第2層の形成のために、モデル上面の最も低い領域と2番目に低い領域に対応するノズル用の調整用2次元データ(ここでは、2次元データPa1〜Pa7の組み合わせ。すなわち、i=2,Ng=8。図6の積層数2の列参照)を用いて、追加吐出位置に相当するノズルから液滴の吐出を行わせる。このとき、液滴を吐出するノズルは、吐出量が最大値に対して1番目と2番目に少ない区分(吐出量の多い順では最後のNg番目の区分とNg−1番目の区分)に属するノズルである。
その後、CPU210は、調整層のうちの第3層の形成のために、モデル上面の最も低い領域から3番目に低い領域に対応するノズル用の調整用2次元データ(ここでは、2次元データPa1〜Pa6の組み合わせ。すなわち、i=3,Ng=8。図6の積層数3の列参照)を用いて、追加吐出位置に相当するノズルから液滴の吐出を行わせる。このとき、液滴を吐出するノズルは、吐出量が最大値に対して1〜3番目に少ない区分(吐出量の多い順では最後のNg番目の区分とNg−1,Ng−2番目の区分)に属するノズルである。
そのような処理を繰り返し、最後に、CPU210は、調整層のうちの第Ng層(第8層)の形成のために、モデル上面の2番目に高い領域に対応するノズル用の調整用2次元データ(ここでは、2次元データPa1。すなわち、i=Ng,Ng=8)のデータを用いて、2次元データPa1の追加吐出位置に相当するノズル(吐出量が最大値に対して99%以下であったノズル)から液滴の吐出を行わせる(図6の積層数8の列参照)。このとき、液滴を吐出するノズルは、吐出量が最大値である基準ノズル以外のノズルである。言い換えれば、本実施形態においては、吐出量が多い順におけるj番目の区分〜Ng番目の区分のノズル(jは1〜Ngの整数)から、調整用2次元データに応じて液滴が吐出させる処理が、jが大きい順に実行される。
なお、各層の形成においては、造形ステージ11の降下は行われない。形成される板状の構造Psとヘッド部50との間に、上記処理に十分なだけの間隙が存在するように、ヘッド部50は、設けられている。
このような処理で、最大でNg層(Ng=8)分の厚みを有する調整層の形成が行われる。その結果、ステップS44で連続してN層(N=100)形成された板状の構造に対して、調整のために各ノズルが吐出すべき割合(図4参照)の液滴が吐出され、N層分の構造の上面の凹凸(図3参照)が埋め合わされて、構造の上面は、ほぼ平らとなる。
また、図6に示す処理を行うことにより、1〜Ngの各ノズルグループ単位で順に、形成する部位の高さの不足分(1%、2%、・・・、8%)の構造を形成して補填する態様(下記、第2実施形態参照)に比べて、以下のような効果が得られる。すなわち、各部位の高さの不足分を効率的に補填することができる。
また、上記処理においては、よりモデル上面の高さが低い領域に対応するノズル、言い換えれば、吐出量の少ない区分のノズルから液滴を吐出する処理が先に行われ(図5のPa1〜Pa8の組合せ、ならびに図6の積層数1の列参照)、処理が進むにつれて、モデル上面の高さが高い領域に対応するノズル、言い換えれば、吐出量の多い区分のノズルから液滴が吐出される(図6の積層数2〜8の列参照)。このため、先に吐出された液滴によりすでに形成された層(部位)の上に、さらに追加される層(部位)を形成することができる。よって、形成途中の調整層が安定した状態を保ちつつ、調整層を形成することができる。
また、本実施形態では、ステップS44において板状の構造が形成される造形処理が一定回数(N回)行われるたびに、ステップS454の調整処理が行われる(図2のステップS452参照)。このため、板状の構造が一つも形成されないうちにあらかじめまとめてステップS454の調整処理が行われる態様や、板状の構造がすべて形成された後にまとめて調整処理が行われる態様に比べて、造形される物体の高さ方向(Z方向)の各位置において、形状を適切に補正することができる。
なお、ステップS45の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、調整部220として図1に示す。調整部220は、三次元造形装置100の制御部70とともにステップS45の処理を実現する。
ステップS46においては、CPU210は、三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成したか否かを判定する。三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成していない場合には(ステップS46:No)、処理は、ステップS48に進む。
ステップS48においては、CPU210は、制御部70を介してアクチュエーター13を駆動して、造形ステージ11を、Z方向の造形解像度(例えば、600dpi)に応じた積層ピッチ分、Z方向下向きに降下させる(図1参照)。その後、処理はステップS44に戻って、同様の処理が繰り返される。すなわち、制御部70は、造形ステージ11上にすでに形成された板状の構造Psの上に板状の構造Psを形成する(図1参照)。
一方、図2のステップS46において、三次元物体の形状を表す三次元データDoに対応するすべての断面データDcにしたがって板状の構造Psを形成した場合には(ステップS46:Yes)、CPU210は、処理を終了する。なお、ステップS42、S44、S46、S48の処理を実現するコンピューター200のCPU210の機能部を、造形部218として図1に示す。造形部218は、三次元造形装置100の制御部70とともにステップS42、S44、S46、S48の処理を実現する。
以上で説明した本実施形態によれば、液滴を吐出する液滴吐出部において、液滴の量のばらつきや、硬化処理の際の素材の変形がある場合にも、物体データに含まれない凹凸を形成してしまう可能性が低い造形を行うことができる。
なお、本実施形態における三次元造形装置100とコンピューター200とが、[課題を解決するための手段]における「三次元造形装置」に相当する。ノズルNtと各ノズルに対応するピエゾ素子が、「液滴吐出部」に相当する。基準ノズルおよび基準ノズルに接続されたピエゾ素子が、「基準吐出部」に相当する。造形ステージ11が「支持部」に相当する。X方向が「第1の方向」に相当する。Y方向が「第2の方向」に相当する。コンピューター200のCPU210と、三次元造形装置100の制御部70が、「制御部」に相当する。断面データDcが「第1のデータ」に相当する。調整データDAが「第2のデータ」に相当する。
B.第2実施形態:
第2実施形態において、コンピューター200のCPU210および三次元造形装置100aの制御部70による生成される断面データDcの生成、および調整データDAの生成などのデータ処理は、図2のステップS454の処理を除いて、第1実施形態の処理と同じ処理である。
図7は、第2実施形態において、図2のステップS454で行われる処理を示す図である。第2実施形態のステップS454では、CPU210は、まず、モデル上面の2番目に高い領域に対応するノズル用の2次元データ(2次元データPa8)を用いて、その追加吐出位置に相当するノズル(
吐出量が最大値に対して98%より大きく99%以下であったノズル)から液滴の吐出を行わせる(図7の最下段参照)。この2次元データPa8を用いた液滴吐出処理は、1層分、行われる(図7の最下段の層数の欄参照)。その結果、基準ノズルがN=100層の処理において達成する高さの1%分の高さを有する構造が、上記ノズルにより形成される。
次に、CPU210は、モデル上面の3番目に高い領域に対応するノズル用の2次元データ(2次元データPa7)を用いて、その追加吐出位置に相当するノズル(吐出量が最大値に対して97%より大きく98%以下であったノズル)から液滴の吐出を行わせる(図7の下から2行目参照)。この2次元データPa2を用いた液滴吐出処理は、2層分、行われる(図7の下から2行目の層数の欄参照)。その結果、基準ノズルがN=100層の処理において達成する高さの2%分の高さを有する構造が、上記ノズルにより形成される。
その後、CPU210は、モデル上面の4番目に高い領域に対応するノズル用の2次元データ(2次元データPa6)を用いて、その追加吐出位置に相当するノズル(吐出量が最大値に対して96%より大きく97%以下であったノズル)から液滴の吐出を行わせる(図7の下から3行目参照)。この2次元データPa6を用いた液滴吐出処理は、3層分、行われる(図7の下から3行目の層数の欄参照)。その結果、基準ノズルがN=100層の処理において達成する高さの3%分の高さを有する構造が、上記ノズルにより形成される。
そのような処理を繰り返し、最後に、CPU210は、モデル上面の最も低い領域に対応するノズル用の2次元データ(ここでは、2次元データPa1)のデータを用いて、2次元データPa8の追加吐出位置に相当するノズル(吐出量が最大値に対して91%より大きく92%以下であったノズル)から液滴の吐出を行わせる(図7の最上段参照)。この2次元データPa8を用いた液滴吐出処理は、8層分、行われる。その結果、基準ノズルがN=100層の処理において達成する高さの8%分の高さを有する構造が、上記ノズルにより形成される。
以上の処理の結果、ステップS454の調整処理は、合計36層分の処理として、実行される(図7の層数の欄の最下段参照)。
なお、各層の形成においては、第1実施形態と同様に、単位処理が繰り返し行われる。単位処理においては、間にY方向の微小送りを挟んだn回(n=4)のX方向の走査が行われる(図7の右から2番目の列参照)。また、各層の形成においては、造形ステージ11の降下は行われない。形成される粉体層とヘッド部50との間に、上記処理に十分なだけの間隙が存在するように、ヘッド部50は、設けられている。
このような処理によっても、最大でNg層(Ng=8)分の厚みを有する調整層の形成が行われ得る。その結果、ステップS44で連続してN層(N=100)形成された板状の構造に対して、調整のために各ノズルが吐出すべき割合(図4参照)の液滴が吐出され、N層分の構造の上面の凹凸(図3参照)が埋め合わされて、構造の上面は、ほぼ平らとなる。なお、以上の処理を実現するのは、コンピューター200のCPU210の機能部としての調整部220である(図1参照)。
C.変形例:
C1.変形例1:
上記実施形態においては、無色を含む1色の硬化液を吐出するノズルは、Y方向に沿って配された1列のノズルまたはその集合である。しかし、1色の硬化液を吐出するノズルは、Y方向に沿って千鳥状に(ジグザグに)配された態様とすることもできる。すなわち、1色の硬化液を吐出するノズルは、液滴を吐出しつつ行われる操作の方向とは異なる方向について、互いに異なる位置に配された複数のノズルを含む態様とすることができる。
C2.変形例2:
上記実施形態においては、X方向およびY方向については、造形ステージ11は移動せず、液滴吐出部としてのノズルおよびピエゾ素子を備えるヘッド部50が、走査部52によって移動する。また、Z方向については、ヘッド部50は移動せず、支持部としての造形ステージ11がアクチュエーター13によって移動する。しかし、互いに交わる3方向について、液滴吐出部が移動する態様とすることもできる。そして、互いに交わる3方向について、支持部が移動する態様とすることもできる。また、互いに交わる2方向について、支持部が移動し、それら2方向に交わる1方向に液滴吐出部が移動する態様とすることもできる。
なお、上記実施形態では、液滴吐出部としてのノズルおよびピエゾ素子を備えるヘッド部50と、支持部としての造形ステージ11とは、互いに直交するX,Y,Z方向に移動される。しかし、液滴吐出部と支持部とが相対移動する方向は、直交していなくてもよい。ただし、互いに交わる方向であることが好ましい。
C3.変形例3:
上記実施形態では、測定器80は、液滴吐出部としてのノズルおよびピエゾ素子を備えるヘッド部50に固定され、ヘッド部50とともに走査部52によって移動される。しかし、測定器は、液滴吐出部とは別に設けられていてもよい。ただし、支持部に対して液滴吐出部の1以上の移動方向と同じ1以上の方向に移動できるように構成されることが好ましい。また、測定器は、三次元造形装置の一部として設けられていなくてもよい。ただし、モデルを測定して、三次元造形装置の制御部に、モデルの各部の高さ(液滴吐出方向の位置)の情報を提供できるように構成されることが好ましい。
C4.変形例4:
上記実施形態においては、硬化エネルギー付与部60としての発光装置61は、ヘッド部50に対してX方向の一方の側に設けられている。しかし、硬化エネルギー付与部60としての発光装置61は、ヘッド部50に対してX方向の両側に設けることもできる。そのような態様において、測定器80は、硬化エネルギー付与部60を挟んでヘッド部50とは逆の側に設けられていてもよいし、ヘッド部50および硬化エネルギー付与部60とは、独立に設けられていてもよい。
また、発光装置が、ヘッド部に対してX方向の両側に設けられた態様においては、X方向についての往復両方向の走査で、液滴の吐出と硬化とを行うことができる。その際、X方向の走査においてヘッドに対して上流側に位置する発光装置は、OFFとすることができる。また、X方向の走査においてヘッドに対して上流側に位置する発光装置もONとし、それより前のX方向の走査において吐出された液滴をさらに硬化させるために使用されてもよい。
C5.変形例5:
上記実施形態においては、実際にモデルを形成して、そのモデルの測定値に基づいて調整データを生成している。しかし、調整データは、モデル用のデータを使用したシミュレーションの結果に基づいて、生成することもできる。
C6.変形例6:
上記実施形態においては、図2のステップS10において、モデルは、擬似バンド印刷内で実施される一部の処理により形成される。しかし、モデルは、他の印刷方法によって形成されてもよい。ただし、モデルは、断面データに従って行われる板状の構造の生成において少なくとも一部で使用される印刷方法と同じ走査方法で、生成されることが好ましい。
C7.変形例7:
上記実施形態においては、Ng=8の例を説明した。すなわち、調整データDAは、8個の2次元パターンPaiを含んでいる。しかし、調整データDAは、8個より少ない数の2次元パターンPai、たとえば7個や6個の2次元パターンPaiで構成されていてもよい。また、調整データDAは、8個より多い数の2次元パターンPai、たとえば9個や10個の2次元パターンPaiで構成されていてもよい。そして、調整データDAは、1個の2次元パターンPaiで構成されていてもよい。
C8.変形例8:
上記実施形態においては、単位処理は、液滴を吐出しつつ行われるX方向の4回の走査と、X方向の各走査の間に行われるY方向の第1の走査と、を含む。しかし、単位処理は、たとえば、液滴を吐出しつつ行われるX方向の1回の走査で構成されてもよい。そのような態様においては、モデルは、X方向の1回の走査で構成されることが好ましい。そして、2次元データPaiも、X方向の1回の走査で液滴が吐出されるY方向の液滴吐出位置(ボクセルライン)に関する情報を含むものとすることが好ましい。
C9.変形例9:
上記実施形態においては、ステップS44の板状構造の形成処理が連続してN回(N=100)行われると、ステップS454の調整処理が行われる。しかし、板状構造の形成処理が繰り返される間に、どのタイミングで調整処理が行われるかは、任意に設定しうる。調整処理を行うタイミングは、制御部としてのCPU210が定め得る。コンピューター200のCPU210は、そのようなタイミングを定めた後、その情報(板状構造の形成処理と調整処理の実施の前後関係を表す情報)を三次元造形装置100に送信することができる。そして、制御部70は、受信した調整処理を行うタイミングの情報に基づいて、ステップS452の判定処理を行うことができる。
たとえば、連続してN回(Nは2以上の整数)行われる板状構造の形成処理のうち、最も大きい断面が形成される板状構造の形成処理に続いて、調整処理を行う態様とすることができる。そのような態様とすれば、連続して形成されるN枚の板状構造のうち、最も大きい断面について、調整処理が行われないまま物体が造形されてしまう事態を防止することができる。
なお、少なくとも、断面データが表す複数の断面のうち最も大きい断面について板状の部材を形成する処理(図2のステップS44参照)が実行されるのに続いて、調整処理(同図、ステップS454参照)を実行することが好ましい。そのような態様とすれば、形成される物体の最も大きい断面について、調整処理が行われないまま物体が造形されてしまう事態を防止することができる。
なお、「前記複数の断面のうち最も大きい断面について、前記板状の部材を形成する前記処理が実行されるのに続いて、」とは、物体の前記断面のうち最も大きい断面について板状の部材を形成する処理が実行された後、次に板状の部材を形成する処理が実行される前に、という意味である。すなわち、物体の前記断面のうち最も大きい断面について板状の部材を形成する処理が実行された後、調整処理が実行されるのに先立って、板状の部材を形成する処理以外の処理が実行されてもよい。
また、すべての板状構造の形成処理が終了した後に調整処理を行う態様とすることもできる。また、最初の板状構造の形成処理が開始される前に調整処理を行う態様とすることもできる。
C10.変形例10:
上記実施形態においては、吐出量が多い順におけるj番目の区分〜Ng番目の区分のノズル(jは1〜Ngの整数)から、調整用2次元データに応じて液滴が吐出させる処理が、jが大きい順に実行される。しかし、この処理は、jが小さい順に実行されてもよい。
上記処理をjが小さい順に実行する態様とすれば、調整処理において、まず広い範囲について液滴が吐出され、徐々に液滴が吐出される範囲が小さくなる。このため、調整処理の最初において、造型処理において形成された部位の広い範囲に液滴が吐出される。このため、造型処理において形成された部位と、調整処理において形成された部位との接触面積を大きくすることができル。その結果、両者の結合を強固にすることができる。
一方、上記処理をjが大きい順に実行する態様とすれば、本来の高さに比べて低い領域から優先的に液滴が吐出されて調整処理が行われる。すなわち、本来の造形物の上面の形状が平坦であると仮定すると、深い谷について優先的に埋めたてが開始されられ、浅い凹部は後で埋められることになる。そして、その結果、調整処理の最後において、広い範囲に液滴が吐出される。このため、調整処理で追加的に形成される部位の表面の平坦度を高くすることができる可能性が高い。
C11.変形例11:
上記実施形態においては、ステップS454の調整処理において、ステップS44の板状構造の形成処理と同じ液滴を吐出している。しかし、調整処理においては、板状構造の形成処理よりも小さい(量が少ない)液滴を吐出する態様とすることもできる。そのような態様においては、より詳細な高さの調整を行うことができる。
C12.変形例12:
上記実施形態においては、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtのすべてのノズル列について、図2のステップS10〜S34,S45の処理が行われる。しかし、調整処理およびそのためのデータ生成の処理は、色が付された硬化液の液滴を吐出するノズルについて行われることもできる。また、調整処理およびそのためのデータ生成の処理は、無色の硬化液の液滴を吐出するノズルNtの一部のノズルについて行うこともできる。
C13.変形例13:
本発明は、インクを硬化させることによって造形を行うインクジェット方式の3次元プリンタに適用することもでき、粉体積層方式など、少なくとも一部が粒子で構成された層に液体を打ち込むことで該当部分を硬化させて造形を行う3次元プリンタに適用することもできる。
C14.その他:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…造形部
10c…容器
11…造形ステージ
12…枠体
13…アクチュエーター
50…ヘッド部
51…タンク
52…走査部
60…硬化エネルギー付与部
61…発光装置
70…制御部
80…高さ測定器
100…三次元造形装置
100a…三次元造形装置
200…コンピューター
210…CPU
212…モデル形成部
214…測定部
216…調整データ生成部
218…造形部
220…調整部
DA…調整データ
Dc…断面データ
Do…三次元データ
Nc…シアンの液滴を吐出するノズル
Nm…マゼンタの液滴を吐出するノズル
Nt…無色の液滴を吐出するノズル
Ny…イエロの液滴を吐出するノズル
Ps…板状の構造
Pt0…ステップS10で形成されるモデル

Claims (19)

  1. 液滴を吐出することによって物体を造形する三次元造形装置であって、
    それぞれ液滴を吐出することができる複数の液滴吐出部と、
    前記液滴によって構成される構造を支持する支持部と、
    前記支持部に対して、前記液滴の吐出方向と交わる第1の方向、ならびに前記液滴の吐出方向および前記第1の方向と交わる第2の方向に、前記複数の液滴吐出部を相対的に移動させることができる走査部と、
    前記液滴吐出部、前記支持部、および前記走査部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    物体の断面の形状を表す第1のデータに基づいて、前記複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、前記断面の形状を有する板状の部材を形成する処理を、前記物体の複数の断面であって前記断面に垂直な方向に並ぶ異なる断面について、繰り返すことにより、複数の前記板状の部材を重ねて形成する造形処理を行う造形部と、
    前記複数の液滴吐出部に応じてあらかじめ定められた第2のデータに基づいて、前記断面の範囲内に液滴を吐出する調整処理を行う調整部と、を備える、造形装置。
  2. 請求項1記載の造形装置であって、
    前記制御部は、さらに、
    同一の信号に基づいて前記複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、モデルを形成するモデル形成部と、
    前記モデルの形状に基づいて、前記第2のデータを形成する調整データ生成部と、を備える、造形装置。
  3. 請求項2記載の造形装置であって、
    前記調整データ生成部は、
    前記複数の液滴吐出部のそれぞれに対応する前記モデルの複数の部位における前記液滴の吐出方向の高さに基づいて、前記調整処理において、前記高さが最も高い部位を形成した基準吐出部以外の他の液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量を決定し、
    前記他の各液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量に基づいて前記第2のデータを形成する、造形装置。
  4. 請求項3記載の造形装置であって、
    前記第2のデータは、前記部位の前記高さが高い順にグループ1〜Ng(Ngは正の整数)にグループ分けされた前記他の液滴吐出部の情報を含み、
    前記調整部は、前記調整処理において、グループj〜Ng(jは1〜Ngの整数)の前記液滴吐出部から、前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる処理を、1〜Ngの各jの値について実行する、造形装置。
  5. 請求項4記載の造形装置であって、
    前記調整部は、前記調整処理において、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが小さい順に実行する、造形装置。
  6. 請求項4記載の造形装置であって、
    前記調整部は、前記調整処理において、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが大きい順に実行する、造形装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の造形装置であって、
    前記制御部は、前記調整処理が実行されるタイミングを決定する、造形装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の造形装置であって、
    前記調整処理は、前記板状の部材を形成する前記処理が一定回数行われるたびに実行される、造形装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の造形装置であって、
    前記調整部は、少なくとも、前記複数の断面のうち最も大きい断面について前記板状の部材を形成する前記処理が実行されるのに続いて、前記調整処理を実行する、造形装置。
  10. 物体を造形する方法であって、
    (a)物体の断面の形状を表す第1のデータに基づいて、複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、前記断面の形状を有する板状の部材を形成する処理を、前記物体の複数の断面であって前記断面に垂直な方向に並ぶ異なる断面について、繰り返すことにより、複数の前記板状の部材を重ねて形成する工程と、
    (b)前記複数の液滴吐出部に応じてあらかじめ定められた第2のデータに基づいて、前記断面の範囲内に液滴を吐出する工程と、を備える、造形方法。
  11. 請求項10記載の方法であって、さらに、
    (c)同一の信号に基づいて前記複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、モデルを形成する工程と、
    (d)前記モデルの形状に基づいて、前記第2のデータを形成する工程と、を備える、造形方法。
  12. 請求項11記載の方法であって、
    前記工程(d)は、
    (d1)前記複数の液滴吐出部のそれぞれに対応する前記モデルの複数の部位における前記液滴の吐出方向の高さに基づいて、前記工程(b)において、前記高さが最も高い部位を形成した基準吐出部以外の他の液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量を決定する工程と、
    (d2)前記他の各液滴吐出部から吐出させるべき液滴の量に基づいて前記第2のデータを形成する工程と、を含む、造形方法。
  13. 請求項12記載の方法であって、
    前記第2のデータは、前記部位の前記高さが高い順にグループ1〜Ng(Ngは正の整数)にグループ分けされた前記他の液滴吐出部の情報を含み、
    前記工程(b)は、グループj〜Ng(jは1〜Ngの整数)の前記液滴吐出部から、前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる処理を、1〜Ngの各jの値について実行する工程である、方法。
  14. 請求項13記載の方法であって、
    前記工程(b)は、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが小さい順に実行する工程である、方法。
  15. 請求項13記載の方法であって、
    前記工程(b)は、前記グループj〜Ngの前記液滴吐出部から前記第2のデータに応じて液滴を吐出させる前記処理を、jが大きい順に実行する工程である、方法。
  16. 請求項10から15のいずれか1項に記載の方法であって、さらに、
    (e)前記工程(b)が実行されるべきタイミングを決定する工程を含む、造形方法。
  17. 請求項10から16のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記工程(b)は、前記板状の部材を形成する前記処理が一定回数行われるたびに実行される、造形方法。
  18. 請求項10から17のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記工程(b)は、少なくとも、前記複数の断面のうち最も大きい断面について前記板状の部材を形成する前記処理が実行されるのに続いて、実行される、造形方法。
  19. コンピューターを使用して三次元造形装置を制御して液滴を吐出させることによって物体を造形させるためのコンピュータープログラムであって、
    物体の断面の形状を表す第1のデータに基づいて、複数の液滴吐出部から液滴を吐出することにより、前記断面の形状を有する板状の部材を形成する処理を、前記物体の複数の断面であって前記断面に垂直な方向に並ぶ異なる断面について、繰り返すことにより、複数の前記板状の部材を重ねて形成する機能と、
    前記複数の液滴吐出部に応じてあらかじめ定められた第2のデータに基づいて、前記断面の範囲内に液滴を吐出する機能と、
    をコンピューターに実現させるための、コンピュータープログラム。
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