JP2016175170A - 裁断装置及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体の裁断片からなる損紙を、廃棄処分するときまで保持可能とすることにより、その取り扱いを容易にすることができる裁断装置及び記録装置を提供する。【解決手段】記録装置11は、連続紙Sを搬送方向Yに搬送する搬送ローラー対23〜28と、連続紙Sを裁断方向Xに沿って裁断する裁断機構30と、裁断機構30の動作を制御する制御装置40と、連続紙Sが裁断されて形成される裁断片を収容可能な収容箱16と、裁断機構30及び収容箱16を内部に配置した筐体12とを備える。そして、制御装置40は、連続紙Sの搬送方向Yの端部を含む裁断片が収容箱16に収まるサイズで裁断されるように裁断機構30を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、媒体を裁断する裁断装置、及び裁断装置を備える記録装置に関する。
従来の記録装置の一例として、記録が行われた長尺状の媒体を紙管に対して円筒状に巻き重ねたロール体の状態で収容する筐体と、ロール体から巻き解かれた媒体を裁断する裁断機構と、媒体の裁断にともない生じる裁断片を収容する収容箱とを備えるプリンターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−124803号公報
ところで、例えばロール体から巻き解かれ終わるときの媒体の後端部は、紙管との接触により傷付く場合があり、そのような後端部を含む裁断片は記録が行われない損紙として取り扱われることが多い。そして、従来の記録装置では、そのような媒体の後端部を含む裁断片が損紙として筐体に形成された排紙口を介して筐体の外部に排出されていた。このため、ユーザーは、排出された損紙を廃棄処分する必要があるが、排紙口から排出される毎に速やかに廃棄処分を実行できるとは限らないため、廃棄処分するときまで損紙を記録装置とは別の場所に一時的に保管しておかなければならなかった。このように、従来の記録装置では、筐体から排出される損紙の取り扱いが煩雑であり、その点において改善の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体の裁断片からなる損紙を、廃棄処分するときまで保持可能とすることにより、その取り扱いを容易にすることができる裁断装置及び記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する裁断装置は、媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記媒体を前記第1方向と交差する第2方向に沿って裁断する裁断部と、前記裁断部の動作を制御する制御部と、前記媒体が裁断されて形成される裁断片を収容可能な収容部とを備え、前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部を含む裁断片が前記収容部に収まるサイズで裁断されるように前記裁断部を制御する。
上記構成によれば、第1方向に沿って搬送される媒体が第1方向と交差する第2方向に沿って裁断されて媒体の第1方向の端部を含む裁断片が形成されたとき、その裁断片は収容部に収容されるため、そのような裁断片からなる損紙が外部に排出されることが抑制される。これにより、ユーザーは裁断装置とは別の場所に媒体の第1方向の端部を含む裁断片からなる損紙を一時的に保管しておく必要がなくなる。したがって、媒体の裁断片からなる損紙を、廃棄処分するときまで保持可能とすることにより、その取り扱いを容易にすることができる。
また、上記裁断装置において、前記制御部は、前記裁断部が前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を前記第2方向に沿って裁断する場合、その裁断により形成された裁断片の少なくとも一枚における前記第1方向の寸法が、前記収容部の開口部における前記第1方向の寸法以上であって且つ前記開口部における前記第2方向の寸法未満となるように、前記裁断部を制御することが好ましい。
上記構成によれば、裁断部により裁断された裁断片を収容部に収容可能としつつ、裁断部による媒体の第1方向の端部寄りの部分の裁断回数を減らすことができる。このため、裁断部の使用頻度が減るため、裁断部の部品交換又はメンテナンスの頻度を減らすことができる。
また、上記裁断装置において、前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分が前記裁断部により複数の裁断片に裁断された場合において、前記媒体の前記第1方向の端部を含む裁断片の前記第1方向での寸法が他の裁断片の前記第1方向での寸法よりも長いことが好ましい。
上記構成によれば、裁断部による媒体の第1方向の端部寄りの部分を複数回に亘って裁断する場合において、最後に媒体の第1方向の端部を含む裁断片を裁断する際の手間を軽減することができる。
また、上記裁断装置において、前記制御部は、前記収容部に収容された前記裁断片の残量に基づいて、前記裁断部により前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を裁断して形成する裁断片の前記第1方向での寸法を変更することが好ましい。
上記構成によれば、例えば収容部内の裁断片の残量が少ないときには、媒体の第1方向の端部寄りの部分を裁断して形成する裁断片の第1方向での寸法を長くすることにより、裁断部による媒体の第1方向の端部寄りの部分の裁断回数を減らすことができる。一方、例えば収容部内の裁断片の残量が多いときには、媒体の第1方向の端部寄りの部分を裁断して形成する裁断片の第1方向での寸法を短くすることにより、収容部から裁断片が溢れることを抑制することができる。
また、上記裁断装置において、前記制御部は、前記収容部に収容された前記裁断片の残量が基準値以下のとき、前記裁断片の少なくとも一枚における前記第1方向での寸法が、前記収容部の開口部における前記第1方向での寸法以上となるように、前記裁断部を制御することが好ましい。
上記構成において、基準値とは、収容部の開口部における第1方向での開口寸法以上の長さの裁断片が収容部に収容されたとき、その裁断片が収容部から溢れるおそれのある収容部の裁断片の残量の下限値をいう。
上記構成によれば、裁断片の少なくとも一枚における第1方向での寸法を収容部の開口部における第1方向での開口寸法以上としても、裁断部による媒体の第1方向の端部寄りの部分の裁断回数を減らすことができるとともに、収容部から裁断片が溢れることを抑制することができる。
また、上記裁断装置においては、前記裁断部は、前記媒体を裁断する裁断刃と、前記裁断刃よりも前記媒体の前記第1方向の下流側において、前記媒体を挟持可能に配置された挟持ローラー対とを備え、前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を前記挟持ローラー対で挟持した状態で前記裁断刃により裁断して裁断片を形成し、前記挟持ローラー対により前記第1方向の上流側に前記裁断片を搬送して前記裁断片を前記収容部に収容させることが好ましい。
上記構成によれば、挟持ローラー対に挟持させることにより、裁断片の搬送方向に沿う第1方向での長さを長くしても、その裁断片が筐体の外部に排出されることを回避することができる。このため、裁断部による媒体の第1方向の端部寄りの部分の裁断回数を減らすことができる。
上記課題を解決する記録装置は、上記構成の裁断装置と、前記裁断装置における前記裁断部により裁断される前の状態の前記媒体に記録を行う記録部を備える。
上記構成によれば、記録装置において上記裁断装置における効果と同様の効果を得ることができる。
記録装置の第1実施形態の分解斜視図。 図1の記録装置の断面図。 裁断装置及び収容箱の斜視図。 (a)は通常裁断モードのときの裁断態様を示す媒体の平面図、(b)は損紙裁断モードのときの裁断態様を示す媒体の平面図。 裁断モード変更処理の処理手順を示すフローチャート。 記録装置の第2実施形態について、損紙裁断処理の処理手順を示すフローチャート。 (a)〜(c)は損紙裁断処理の一実行態様を示す裁断装置の一部断面図。 変形例の記録装置について、収容箱の裁断片の残量と裁断長さとの関係を示すマップ。
(第1実施形態)
以下、裁断装置を備えた記録装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の記録装置は、例えば、液体の一例であるインクを媒体に吐出することにより記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターで構成されている。また、そのプリンターは、印刷方式が媒体の搬送方向と交差する方向に記録部を移動させて印刷を行う、所謂シリアル方式のプリンターである。
図1に示すように、記録装置11は、前面側が開口した箱状の筐体12を備える。筐体12の前面上側には、媒体の一例である長尺の連続紙Sの端部又はその裁断片を筐体12の外部に排紙するための排紙口13が形成されている。
筐体12内には、前面側の開口部14を通じてホルダーユニット15が引出可能な状態で収容される。ホルダーユニット15は、連続紙Sを円筒状に巻き重ねたロール体Rを回転可能な状態で保持する。
筐体12の前面側には、開口部14を露出させる開位置(図1に示す位置)と、開口部14を覆う閉位置(図2に示す位置)とに配置可能な収容部の一例である収容箱16が筐体12に着脱可能に取り付けられる。収容箱16は、閉位置に配置された場合に記録装置11の外装の前面を構成する外装部17と、閉位置に配置された場合に筐体12に収まるように配置される箱形成部18とを備える。図1及び図2に示すとおり、収容箱16には、上側に向けて開口する開口部16Aが形成されている。開口部16Aは、平面視において各図における左右方向が長手方向となり、前後方向が短手方向となる矩形状に形成されている。
図2に示すように、記録装置11は、ホルダーユニット15から排紙口13に向かう第1方向の一例である搬送方向Yに連続紙Sを搬送するため、連続紙Sの搬送経路に沿って配置された搬送部の一例である搬送ローラー対23,24,25,26,27,28を備える。
筐体12内において、ホルダーユニット15を収容する空間において連続紙Sの搬送経路の途中には、ロール体Rから巻き解かれた連続紙Sに記録を行う記録部21が設けられている。記録部21は、連続紙Sに対してインクを吐出可能な記録ヘッド22を備える。また連続紙Sの搬送経路において、記録部21よりも下流側には、記録部21により記録が行われた連続紙Sを所定の搬送方向Yの長さに裁断する裁断部の一例である裁断機構30が設けられている。裁断機構30は、搬送ローラー対28よりも搬送方向Yの下流側、かつ収容箱16よりも上下方向の上側に配置されている。
裁断機構30は、連続紙Sの搬送方向Y(第1方向)と交差(好ましくは直交)する第2方向の一例である裁断方向X(図2においては紙面と直交する方向)に延びる固定刃31と、裁断方向Xに往復移動可能な円盤状の可動刃32と、固定刃31及び可動刃32により連続紙Sを裁断するときに連続紙Sを挟持する2個の挟持ローラー対33,34とを備える。固定刃31と可動刃32は裁断刃の一例である。また裁断機構30は、裁断方向Xに離間した一対のプーリーと、一対のプーリーに巻き掛けられ、可動刃32を支持するベルトと、一方のプーリーを回転させる電動モーターとを有する駆動機構(ともに図示略)を備える。
可動刃32は、駆動機構により、固定刃31に対して裁断方向Xに往復移動する。挟持ローラー対33は、搬送方向Yにおいて記録部21と固定刃31との間のうちの固定刃31寄りに配置されている。挟持ローラー対34は、搬送方向Yにおいて固定刃31と排紙口13との間のうちの排紙口13寄りに配置されている。
図3に示すように、裁断機構30は、可動刃32が例えば裁断方向Xの第1端側(図3では左端側)に寄せられた状態で、記録が行われた連続紙Sが固定刃31を通過するように搬送されたとき、駆動装置(図示略)により可動刃32を裁断方向Xの第1端側から第2端側(図3では右端側)に向けて移動させる。これにより、図3に示すとおり、連続紙Sが裁断方向Xに沿って裁断される。そして、裁断された裁断片CSは、固定刃31及び可動刃32の下方に配置された収容箱16に向けて落下して収容箱16に収容される。また、裁断機構30は、可動刃32を裁断方向Xの第2端側に移動させた後、その移動を停止させ、記録が行われた連続紙Sを次に裁断するときに、裁断方向Xの第2端側から第1端側に向けて移動させることにより、連続紙Sを裁断する。
また、図2に示すように、記録装置11は、記録部21、搬送ローラー対23〜28、及び裁断機構30を制御する制御部の一例である制御装置40を備える。制御装置40には、ホストコンピューター(図示略)からの印刷ジョブと、筐体12内において記録部21よりも搬送方向Yの上流側に設けられた光学系の紙端センサー41からの紙端信号とが入力される。制御装置40は、印刷ジョブ及び紙端信号に基づいて、搬送ローラー対23〜28による搬送動作、記録部21による連続紙Sへのインクの吐出動作、及び裁断機構30による裁断動作を制御する。本実施形態では、筐体12、収容箱16、搬送ローラー対23〜28、及び裁断機構30により、裁断装置が構成されている。
また制御装置40は、印刷ジョブ及び紙端信号に基づいて、裁断機構30による連続紙Sの裁断態様を制御する裁断制御を実行する。この裁断制御は、連続紙Sの搬送方向Y(連続紙Sの長手方向)の後端部、すなわちロール体Rから連続紙Sが巻き解かれ終わり、ロール体Rの芯から離れた連続紙Sが損紙となる端部寄りの部分(以下、「損紙部分SL」と称する。図4(b)参照。)における裁断機構30の動作を、連続紙Sにおける損紙部分SLよりも前側の部分の裁断機構30の動作とは異なるように制御する。このため、制御装置40は、裁断機構30を動作させる制御モードとして、損紙部分SLを裁断する裁断機構30の制御モードである損紙裁断モードと、損紙部分SLよりも前側の部分を裁断する裁断機構30の制御モードである通常裁断モードとを含む。
図2及び図4(a)に示すように、通常裁断モードは、連続紙Sにおいて記録が行われた部分を単位長さごとに裁断機構30により裁断する動作を実行させるものであり、既知の制御により実行される。そして、通常裁断モードにより裁断された連続紙Sは、単票CPとなり、挟持ローラー対34により排紙口13を通じて筐体12の外部に排出される。一方、連続紙Sから単票CPが裁断されることにより形成された裁断片CSは、連続紙Sから切り離されて収容箱16に収容される。なお、制御装置40は、通常裁断モードにおける裁断片CSの搬送方向Yの長さ(以下、「通常裁断長さLA」と称する。)が収容箱16の開口部16Aにおける第1方向での寸法である搬送方向Yの長さ(以下、「箱長さLB」と称する。)よりも短くなるように裁断機構30を制御している。
図2及び図4(b)に示すように、損紙裁断モードは、損紙部分SLを、搬送方向Yの所定長さ(以下、「損紙裁断長さLC」と称する。)ごとに連続的に裁断する。この場合、損紙部分SLは、複数枚の裁断片CSとなり、排紙口13から筐体12の外部に排出されず、収容箱16に落下して収容される。なお、制御装置40は、損紙裁断モードにおける損紙裁断長さLCが通常裁断長さLAよりも長くかつ箱長さLBよりも短くなるように裁断機構30を制御している。このため、損紙裁断モードにより裁断される損紙部分SLの裁断片CSは、収容箱16に収まるサイズとなる。
制御装置40は、損紙裁断モードが実行されるとき、搬送方向Yにおける損紙部分SLの長さ(以下、「損紙部分長さL」と称する。)を演算し、演算された損紙部分長さLから裁断回数Nを演算する。そして制御装置40は、裁断回数Nに基づき、裁断機構30の動作を制御する。
なお、損紙部分長さLは、紙端センサー41の紙端信号、印刷ジョブ、及び連続紙Sの搬送量に基づいて演算される。この演算方法の一例として、紙端センサー41の紙端信号に基づいて、損紙部分SLが検出されたとき、通常裁断モードにおける最後の印刷ジョブに基づく裁断機構30による裁断位置と、損紙部分SLにおける搬送方向Yの上流側の端部との間の距離を損紙部分長さLとして演算する。
また裁断回数Nは、損紙部分長さLから収容箱16の箱長さLBを減算した値を、損紙裁断長さLCで除算することにより求められる。この除算により余りが生じた場合、箱長さLBに加算する。これにより、損紙部分SLにおける搬送方向Yの上流側の端部を含む裁断片となる最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さは、収容箱16の箱長さLB以上となる。また、図3に示すとおり、収容箱16の開口部16Aの裁断方向Xの長さは箱長さLBの2倍以上となるため、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さは、収容箱16の開口部16Aにおける第2方向(裁断方向X)の長さ(以下、「箱幅長さXB」と称する。)未満となる。
また、制御装置40は、裁断制御において、標準状態として通常裁断モードに設定する一方、損紙部分SLが裁断機構30に搬送されたときに損紙裁断モードに変更する裁断モード変更処理を実行する。その裁断モード変更処理の処理手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、裁断モード変更処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
図5に示すように、制御装置40は、まず、損紙部分SLを検出したか否かを判定する(ステップS11)。この判定は、紙端センサー41(図2参照)が連続紙Sの搬送方向Yの上流側の端部となる紙端を検出した否かの判定に基づいて行われる。
ここで、制御装置40は、損紙部分SLを検出したとき(ステップS11:YES)、通常裁断モードにおける最後の裁断、すなわち、裁断機構30が連続紙Sからの最後の1枚の単票CPの裁断を実行したか否かを判定する(ステップS12)。この判定は、印刷ジョブに基づいて行われる。
そして、制御装置40は、通常裁断モードにおける最後の裁断を実行したとき(ステップS12:YES)、裁断モードを通常裁断モードから損紙裁断モードに変更する(ステップS13)。一方、制御装置40は、損紙部分SLを検出していないとき(ステップS11:NO)、又は損紙部分SLを検出した後において通常裁断モードにおける最後の裁断を実行していないとき(ステップS12:NO)、通常裁断モードを維持する(ステップS14)。
そこで次に、本実施形態の裁断装置を備えた記録装置11の作用について説明する。
記録装置11は、紙端センサー41が損紙部分SLを検出した場合に損紙裁断モードを実行する。このため、損紙部分SLを複数回にわたり裁断して複数枚の裁断片CSを形成する。そして、これらの裁断片CSは、筐体12の内部に配置された収容箱16に収容される。このように、記録装置11は、排紙口13を通じて損紙部分SLを筐体12の外部に排出しない。
本実施形態の裁断装置を備えた記録装置11によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)損紙裁断モードにより損紙部分SLが裁断されたとき、その損紙部分SLにおける搬送方向Yの上流側の端部を含む最後の裁断片CSは、筐体12の内部に配置された収容箱16に収容されるため、筐体12の外部に排出されることが抑制される。これにより、ユーザーは、損紙部分SLの裁断片CSを記録装置11の外部に一時的に保管しておく必要がなくなる。したがって、損紙部分SLの裁断片CSを、廃棄処分するときまで筐体12内の収容箱16で保持可能とすることにより、その取り扱いを容易にすることができる。
(2)損紙裁断モードにおいて、裁断機構30により損紙部分SLが裁断されたとき、その損紙部分SLにおける搬送方向Yの上流側の端部を含む最後の裁断片CSの搬送方向Yの寸法が箱長さLB(図2参照)よりも長くなる一方、箱幅長さXB(図3参照)よりも短い。このため、裁断機構30により裁断された裁断片CSを収容箱16に収容可能としつつ、裁断機構30による損紙部分SLの裁断回数を減らすことができる。したがって、裁断機構30の使用頻度が減るため、裁断機構30の部品交換又はメンテナンスの頻度を減らすことができる。
(3)損紙裁断モードにより損紙部分SLが裁断されたとき、その損紙部分SLにおける搬送方向Yの上流側の端部を含む最後の裁断片CSの搬送方向Yの寸法が他の裁断片CSの搬送方向Yの寸法よりも長くなる。したがって、裁断機構30による損紙部分SLを複数回に亘って裁断する場合において、最後の裁断片CSを裁断する際の手間を軽減することができる。
(4)損紙裁断モードにおける損紙裁断長さLCは、通常裁断モードにおける裁断片CSの搬送方向Yの寸法よりも長くなる。したがって、裁断機構30による連続紙Sの裁断回数を減らすことができる。したがって、裁断機構30の使用頻度が減るため、裁断機構30の部品交換又はメンテナンスの頻度を減らすことができる。
(第2実施形態)
次に、裁断装置を備えた記録装置11の第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。第2実施形態の記録装置11は、損紙裁断モードの処理内容が第1実施形態の記録装置11とは異なる。以下、その相違点について説明する。また、以下の説明において、符号が付された記録装置11の構成要素は、図1〜図3の記録装置11の構成要素を示し、その説明を省略する。
制御装置40は、損紙裁断モードにおいて、図6に示すフローチャートの処理手順により損紙裁断処理を実行する。なお、以下では、図7に示す損紙裁断処理の実行態様とあわせて説明する。
図6に示すように、制御装置40は、まず、損紙部分SLの損紙部分長さLを演算し(ステップS21)、次に、損紙部分長さLが設定値以上か否かを判定する(ステップS22)。なお、本実施形態の設定値は、搬送方向Yにおいて挟持ローラー対33と挟持ローラー対34との間の距離や箱長さLBよりも長く、かつ収容箱16の深さ寸法(以下、「箱深さHB」と称する。図2参照)よりも短い値であり、試験等により予め設定される。また図3に示すとおり、箱深さHBは箱幅長さXB以下であるため、設定値は、箱幅長さXBよりも短い値である。
ここで、制御装置40は、損紙部分長さLが設定値以上のとき(ステップS22:YES)、裁断機構30による裁断態様を設定する(ステップS23)。具体的には、制御装置40は、損紙部分長さLから設定値を減算し、その残りの損紙部分SLについて第1実施形態の損紙部分SLの裁断と同様に裁断回数Nを演算する。一方、制御装置40は、演算した裁断回数Nに、設定値分の裁断片CSを裁断するための裁断を行うため、損紙部分SLの裁断回数を「N+1」に設定する。この場合、上述のとおり設定値が大きいため、本実施形態の損紙部分SLの裁断回数は、第1実施形態の損紙部分SLの裁断回数以下となる。
そして制御装置40は、設定された裁断態様に基づいて、裁断機構30による連続紙Sの裁断を実行する(ステップS24)。これにより、図7(a)に示すように、損紙部分SLが損紙裁断長さLCに裁断され、その裁断片CSが収容箱16に収容される。このとき、連続紙Sの搬送方向Yにおいて裁断刃(固定刃31、可動刃32)よりも上流側の挟持ローラー対33は損紙部分SLを搬送方向Yの下流側に搬送するように回転する一方、下流側の挟持ローラー対34は回転を停止している。
次に、制御装置40は、裁断機構30による損紙部分SLの裁断が終了したか否かを判定する(ステップS25)。このステップS25は、裁断回数が「N+1」未満のとき、裁断機構30による損紙部分SLの裁断が終了していないと判定し、裁断回数が「N+1」に達したとき、損紙部分SLの裁断が終了したと判定する。
そして制御装置40は、裁断機構30による損紙部分SLの裁断が終了したとき(ステップS25:YES)、挟持ローラー対34を用いて最後の裁断片CSを収容箱16に収容させる(ステップS26)。
具体的には、図7(b)に示すように、挟持ローラー対34は、最後の裁断片CSが搬送方向Yの下流側に搬送されるように規定回転数にわたり正転させる。このとき、最後の裁断片CSは、排紙口13から筐体12の外部に排出されるものの、挟持ローラー対34により保持されている。その後、図7(c)に示すように、最後の裁断片CSが搬送方向Yの上流側に搬送されるように挟持ローラー対34を逆転させる。これにより、図7(c)に示すとおり、最後の裁断片CSは、挟持ローラー対34から離間して収容箱16に収容される。
また、制御装置40は、裁断機構30による損紙部分SLの裁断が終了していないとき(ステップS25:NO)、裁断機構30による損紙部分SLの裁断を継続しつつ、ステップS25の判定に再び移行する。
一方、制御装置40は、損紙部分長さLが設定値未満のとき(ステップS22:NO)、第1実施形態の損紙裁断モードと同様に、裁断機構30により損紙部分SLを裁断する(ステップS27)。
本実施形態の記録装置11では、第1実施形態の記録装置11の(1)〜(4)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(5)損紙裁断モードにおいて最後に裁断された裁断片CSが挟持ローラー対34により挟持されて、挟持ローラー対34が最後の裁断片CSを搬送方向Yの上流側に向けて搬送するように駆動することで最後の裁断片CSが収容箱16に収容される。このように挟持ローラー対34に最後の裁断片CSを挟持させることにより、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さを長くすることができるため、損紙部分SLの裁断回数を減らすことができる。
(変形例)
第1及び第2実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記各実施形態において、紙端センサー41を搬送方向Yにおける記録部21と裁断機構30との間に配置してもよい。
・上記各実施形態において、収容箱16に代えて、筐体12の下方に裁断片CSを受けるトレイを筐体12に設けてもよい。要するに、筐体12内に裁断片CSを収容することができれば、収容部は収容箱16以外の構成であってもよい。
・上記各実施形態では、裁断モード変更処理により通常裁断モードと損紙裁断モードとを自動的に変更したが、ユーザーによる手動により通常裁断モードから損紙裁断モードに変更してもよい。この場合、記録装置11は、紙端センサー41の紙端信号に基づいて、操作部の操作パネル(図示略)への表示や警告音により、損紙部分SLが搬送されている旨をユーザーに報知する。また記録装置11は、紙端センサー41の紙端信号により、損紙部分SLが搬送されている情報を取得したとき、連続紙Sの搬送を停止する。そして、ユーザーが手動により損紙裁断モードに変更したとき、連続紙Sの搬送を再開する。
・上記各実施形態では、制御装置40が裁断機構30により損紙部分SLを裁断する際、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さが最も長くなるように裁断機構30を制御したが、裁断機構30の制御方法はこれに限られない。例えば、制御装置40は、損紙部分SLを損紙裁断長さLCで裁断する制御のみを実行してもよい。この場合、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さが損紙部分長さLに応じて変更される。
・上記各実施形態において、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さは、任意に設定可能である。例えば最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さは、収容箱16の箱長さLB未満にしてもよいし、収容箱16の箱深さHBよりも長くてもよいし、収容箱16の箱幅長さXB以上であってもよい。また、最後の裁断片CSの搬送方向Yの長さは、他の裁断片CSの搬送方向Yの長さ未満であってもよいし、通常裁断長さLA以下であってもよい。
・上記各実施形態の損紙裁断モードにおいて、損紙裁断長さLCは任意に設定可能である。例えば、損紙裁断長さLCは、収容箱16の箱長さLBよりも長くてもよいし、箱深さHBよりも長くしてもよいし、収容箱16の箱幅長さXB以上であってもよい。また損紙裁断長さLCは通常裁断長さLA以下であってもよい。
・また、損紙裁断モードにおいて、損紙裁断長さLCを変更可能としてもよい。この場合、損紙裁断長さLCにより裁断された裁断片CSの少なくとも一枚の搬送方向Yの長さが箱長さLB以上又は箱深さHB以上であってもよい。
・また、損紙裁断長さLCを変更可能とした一例として、収容箱16の裁断片CSの残量に応じて損紙裁断長さLCを変更してもよい。具体的には、制御装置40は、収容箱16の裁断片CSの残量と損紙裁断長さLCとの関係を示すマップ(図8参照)を用いて、収容箱16の裁断片CSの残量から損紙裁断長さLCを設定する。なお、制御装置40は、収容箱16の裁断片CSの残量を、裁断機構30の裁断回数に基づいて演算してもよいし、収容箱16に光学系のセンサーを取り付けて、そのセンサーの信号に基づいて演算してもよい。
この構成によれば、例えば収容箱16内の裁断片CSの残量が少ないときに損紙裁断長さLCを長くすることにより、裁断機構30による裁断回数を減らすことができる。また、例えば収容箱16内の裁断片CSの残量が多いときに損紙裁断長さLCを短くすることにより、収容箱16から裁断片CSが溢れることを抑制することができる。
・上記各実施形態において、制御装置40は、収容箱16の裁断片CSの残量が予め設定された基準値である基準残量以下の場合、損紙裁断長さLCを箱長さLB以上にしてもよい。なお、基準残量とは、箱長さLB以上の裁断片CSが収容箱16に収容されたとき、その裁断片CSが収容箱16から溢れるおそれのある収容箱16の裁断片CSの残量の下限値をいう。
この構成によれば、損紙部分SLの裁断片CSの搬送方向Yの長さを箱長さLB以上にしても収容箱16から裁断片CSが溢れることがない場合において、裁断片CSの搬送方向Yの長さを箱長さLB以上とするため、損紙部分SLの裁断回数を減らすことができるとともに、収容箱16から裁断片CSが溢れることを抑制することができる。
・上記各実施形態において、ロール体Rとして、予め記録された連続紙Sが円筒状に巻き重ねられたロール体を用いてもよい。この場合、記録装置11は、連続紙Sに記録を行わない。
・上記第2実施形態において、設定値と損紙裁断長さLCとの関係は、任意に設定可能である。例えば設定値は、搬送方向Yにおける挟持ローラー対33と挟持ローラー対34との間の距離以上であれば、損紙裁断長さLC以下であってもよい。
・上記第2実施形態において、損紙裁断長さLCを搬送方向Yにおける挟持ローラー対33と挟持ローラー対34との間の距離以上としてもよい。この場合、裁断機構30により損紙部分SLが裁断されたとき、図7(b)(c)に示す挟持ローラー対34の回転制御が実行される。
・上記各実施形態において、収容箱16が筐体12の外部に取り付けられ、裁断片CSが例えば排紙口13から排紙されて収容箱16に落下して収容されるような構成であってもよい。
・上記各実施形態において、記録装置11は、媒体に記録することができるものであれば、ドットインパクトプリンターやレーザープリンターであってもよい。また、記録装置11は、記録機能だけを備えた構成に限定されず、複合機であってもよい。さらに、記録装置11は、シリアルプリンターに限定されず、ラインプリンター又はページプリンターであってもよい。
・上記各実施形態において、記録装置11は、複数のロール体Rを収容可能であり、その複数のロール体Rを切り替え可能な構成であってもよい。ロール体Rの後端部を含む連続紙Sの損紙部分SLが収容箱16に収容されることによって、ロール体Rの後端部を含む連続紙Sの損紙部分SLがロール体Rの排紙経路を塞ぐことが回避される。このため、ロール体Rにおいて全ての連続紙Sが巻き解かれた後、すなわちロール体Rが使い終わった後に他のロール体Rに切り替える際に特別な操作をしなくとも、スムーズな連続印刷を実行することができる。
・媒体は、連続紙に限定されず、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシート等であってもよい。
・記録部21から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、記録部21から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料などの固形物からなる粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体がインクである場合、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
11…記録装置、12…筐体、16…収容部の一例である収容箱、16A…開口部、21…記録部、23,24,25,26,27,28…搬送部の一例である搬送ローラー対、30…裁断部の一例である裁断機構、31…裁断刃の一例である固定刃、32…裁断刃の一例である可動刃、34…挟持ローラー対、40…制御部の一例である制御装置、S…媒体の一例である連続紙、SL…媒体の第1方向の端部寄りの部分の一例である損紙部分、CS…裁断片、LC…損紙裁断長さ、LB…収容部の開口部における第1方向の寸法である箱長さ、XB…収容部の開口部における第2方向の寸法である箱幅長さ、X…第2方向の一例である裁断方向、Y…第1方向の一例である搬送方向。

Claims (7)

  1. 媒体を第1方向に搬送する搬送部と、
    前記媒体を前記第1方向と交差する第2方向に沿って裁断する裁断部と、
    前記裁断部の動作を制御する制御部と、
    前記媒体が裁断されて形成される裁断片を収容可能な収容部と
    を備え、
    前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部を含む裁断片が前記収容部に収まるサイズで裁断されるように前記裁断部を制御する
    ことを特徴とする裁断装置。
  2. 前記制御部は、前記裁断部が前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を前記第2方向に沿って裁断する場合、その裁断により形成された裁断片の少なくとも一枚における前記第1方向の寸法が、前記収容部の開口部における前記第1方向の寸法以上であって且つ前記開口部における前記第2方向の寸法未満となるように、前記裁断部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の裁断装置。
  3. 前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分が前記裁断部により複数の裁断片に裁断された場合において、前記媒体の前記第1方向の端部を含む裁断片の前記第1方向での寸法が他の裁断片の前記第1方向での寸法よりも長い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の裁断装置。
  4. 前記制御部は、前記収容部に収容された前記裁断片の残量に基づいて、前記裁断部により前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を裁断して形成する裁断片の前記第1方向での寸法を変更する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の裁断装置。
  5. 前記制御部は、前記収容部に収容された前記裁断片の残量が基準値以下のとき、前記裁断片の少なくとも一枚における前記第1方向での寸法が、前記収容部の開口部における前記第1方向での寸法以上となるように、前記裁断部を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の裁断装置。
  6. 前記裁断部は、前記媒体を裁断する裁断刃と、前記裁断刃よりも前記媒体の前記第1方向の下流側において、前記媒体を挟持可能に配置された挟持ローラー対とを備え、
    前記制御部は、前記媒体の前記第1方向の端部寄りの部分を前記挟持ローラー対で挟持した状態で前記裁断刃により裁断して裁断片を形成し、前記挟持ローラー対により前記第1方向の上流側に前記裁断片を搬送して前記裁断片を前記収容部に収容させる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の裁断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の裁断装置と、
    前記裁断装置における前記裁断部により裁断される前の状態の前記媒体に記録を行う記録部と
    を備える
    ことを特徴とする記録装置。
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