JP2016174921A - 内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体光源の波長シフトなどに伴う色調の変化を補正する。
【解決手段】B−LED20b、G−LED20c、R−LED20dを有する。R−LED20dは、カラー撮像素子のRフィルタの透過波長範囲にピーク波長を有し、発光強度が大きくなる程、ピーク波長が長波長側にシフトする赤色光を発生する。光源制御部21は、目標光量に基づいて、B−LED20b、G−LED20c、R−LED20dに加える駆動量を設定する。通常用色変換部68は、B−LED20b、G−LED20c、R−LED20dに加える駆動量に応じて、色変換処理の内容を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、LEDなど複数の半導体光源を用いて検体内を照明する内視鏡システムに関する。
医療分野においては、光源装置、内視鏡装置、プロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いた診断が広く行われている。この内視鏡システムの光源装置としては、これまで、キセノンランプなどの広帯域光源が広く用いられてきたが、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)などの半導体光源も用いられつつある。
ここで、半導体光源には、温度変動や経時劣化などによって、出射光の発光量に変動が生ずることが知られている。複数色の半導体光源を組み合せて用いる場合、どのような明るさにおいても各色の半導体光源の発光量の比率を所定の設定比率に合わせておくこと要求されるが、温度変動等により、ある色の半導体光源の発光量が変動ずれてしまうと、発光量の比率が設定比率から外れて、色調が変動してしまうという問題がある。
そこで、特許文献1では、出射光の発光量の変動を防ぐため、出射光の光量を、センサなどの受光部で検出し、その受光部の検出結果に基づいて、出射光の色温度が一定になるように半導体光源を駆動制御している。また、特許文献2では、出射光の発光量の変動を防ぐため、半導体光源の温度を温度センサで検出し、この温度センサの検出結果に応じて、プロセッサ装置内で画像信号に乗じるゲインを変更している。この特許文献2では、ゲインの変更により、出射光の発光量の変動に伴う画像信号の変動が抑えられる(ただし、特許文献2の場合は、経時的な劣化までは検出することができない。)。
特開2010−158413公報 特許4787032号公報
半導体光源には、上記のような発光量の変動の他に、半導体光源に加える電流量に応じて、即ち、発光強度に応じて、温度ドリフト(波長シフト)が発生することが知られている。R-LEDの場合であれば、図18に示すように、発光強度が大きくなる程、波長シフトにより、ピーク波長が長波長側にシフトすることが知られている(図18の「弱」、「中」、「強」は発光強度の大きさを示している。(図20についても同様))。この波長シフトは、内視鏡画像上の色調に変化を及ぼすものであるため、内視鏡観察において様々な影響を与える。
例えば、色素を用いた観察において、クリスタルバイオレットを用いる場合、図19に示すように、R-LEDの発光強度が大きくなると、クリスタルバイオレットの出力値(反射光量)がリニアに変化しなくなる。特に、遠景観察時のように、R-LEDの発光量が増える場合は、赤味が強くなる。これは、図20に示すように、発光強度が大きくなる程、R-LEDのピーク波長が長波長側に波長シフトすることに加えて、クリスタルバイオレットの反射率は600nmよりも長波長側で徐々に増加するため、R-LEDの反射光量が多くなり過ぎるためである。このような波長シフトにより、クリスタルバイオレットの部分の赤みが強くなると、ドクターは、クリスタルバイオレットを出血部位と間違える可能性がある。
以上のような、クリスタルバイオレットの色味変化など波長シフトに伴う色調の変化については、波長シフトに合わせて補正する必要があるが、特許文献1のような光源補正や特許文献2のようなゲイン変更では補正することができない。
本発明は、半導体光源の波長シフトなどに伴う色調の変化を補正することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡システムは、検体を照明するための照明光を発するB−LED、G−LED、R−LEDと、光源制御部とを有する光源装置と、撮像面にRGBフィルタを備えたカラー撮像素子と、照明光で照明中の検体をカラー撮像素子で撮像して、複数の色信号からなる第1カラー画像信号を取得する画像信号取得部と、第1カラー画像信号に基づいて目標光量を算出する光量算出部と、第1カラー画像信号を、第1カラー画像信号と異なる第2カラー画像信号に変換する色変換処理を行う色変換部とを備え、R−LEDは、カラー撮像素子のRフィルタの透過波長範囲にピーク波長を有し、発光強度が大きくなる程、ピーク波長が長波側にシフトする赤色光を発生し、光源制御部は、光量算出部で算出した目標光量に基づいて、B−LED、G−LED、R−LEDに加える駆動量を設定し、色変換部は、B−LED、G−LED、R−LEDに加える駆動量に応じて、色変換処理の内容を変更する。
色変換処理は、第1カラー画像信号に対して第1係数を乗算することによって、第2カラー画像信号に変換する処理であり、第1係数は、B−LED、G−LED、R−LEDに加える駆動量に関連づけられていることが好ましい。駆動量は電流量であることが好ましい。光源制御部において、目標光量から、設定光量比に基づいて、B−LEDの目標光量、G−LEDの目標光量、R−LEDの目標光量を算出することが好ましい。
色変換処理は、第1カラー画像信号に対して、第1係数に加えて、第2係数を乗算することにより、第2カラー画像信号に変換する処理であり、第2係数は、カラー撮像素子を有する内視鏡のスコープIDに対応付けて記憶されていることが好ましい。通常観察モードと、特殊観察モードを有し、通常観察モードが選択された場合に、色変換部が、色変換処理の内容の変更を行うことが好ましい。
照明光の光量を測定する光量測定センサを有することが好ましい。B−LED,G−LED,R−LEDのうち少なくとも2つのLEDに、それぞれのLEDから発せられた光の光量を測定する光量測定センサが設けられていることが好ましい。
B−LED,G−LED,R−LEDには、それぞれ各LEDから発せられる光の光量を測定する光量測定センサが設けられており、光源制御部は、目標光量から、設定光量比に基づいて、B−LEDの目標光量、G−LEDの目標光量、R−LEDの目標光量を算出し、光量測定センサで測定したB−LED,G−LED,R−LEDの光の光量と、B−LEDの目標光量、G−LEDの目標光量、R−LEDの目標光量との比較に基づいて、B−LED,G−LED,R−LEDの駆動量を設定することが好ましい。
第1カラー画像信号のR画像信号が大きくなる場合に、第2カラー画像信号R画像信号が小さくなるように、第1係数が設定されていることが好ましい。R−LEDへ加える電流量が大きくなって第1カラー画像信号のR画像信号が大きくなる場合に、第2カラー画像信号のR画像信号が小さくなるように、第1係数が設定されていることが好ましい。
本発明によれば、半導体光源の波長シフトなどに伴う色調の変化を補正することができる。
内視鏡システムの外観図である。 第1実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。 通常光の発光スペクトルを示すグラフである。 紫色狭帯域光Vn,緑色狭帯域光Gnの発光スペクトルを示すグラフである。 Bフィルタ、Gフィルタ、Rフィルタの分光透過率を示すグラフである。 C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタの分光透過率を示すグラフである。 第1実施形態の通常用色変換部の機能を示すブロック図である。 第1実施形態における通常観察モードの一連の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の通常用色変換部の機能を示すブロック図である。 第1マトリックス係数Mijが格納された大容量メモリを示す説明図である。 動画表示時における通常用色変換部の動作を示す説明図である。 静止画取得時における通常用色変換部の動作を示す説明図である。 白色版を示す平面図である。 発光強度の増大による紫色狭帯域光、青緑色狭帯域光、緑色光、赤色光の波長変動を示す説明図である。 光路結合部及び紫色狭帯域光、青緑色狭帯域光、緑色光、赤色光の光量を測定する光量測定センサを示すブロック図である。 3DLUTを示す説明図である。 図3とは異なる通常光の発光スペクトルを示すグラフである。 R-LEDの分光発光強度を示すグラフである。 R-LEDの発光強度とクリスタルバイオレットの出力値(反射光量値)との関係を示すグラフである。 R-LEDの規格化強度とクリスタルバイオレットの分光反射率を示すグラフである。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール19とを有する。内視鏡12は光源装置14と光学的に接続されるとともに、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、検体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられる湾曲部12c及び先端部12dを有している。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cは湾曲動作する。この湾曲動作に伴って、先端部12dが所望の方向に向けられる。
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、モード切替SW13aと、フリーズボタン13bが設けられている。モード切替SW13aは、通常観察モードと、特殊観察モードの2種類のモード間の切り替え操作に用いられる。通常観察モードは、白色光を用いて通常光画像をモニタ18上に表示するモードであり、特殊観察モードは、表層血管などの特定構造を粘膜とのコントラスト差を付けて強調表示することができる特定波長の光を用いて、モニタ18上に特殊光画像を表示するモードである。
フリーズボタン13bは、プロセッサ装置16にフリーズ信号を送信する。プロセッサ装置16は、フリーズ信号の受信待機中は、動画モードに設定されて、モニタ18に、通常光画像や特殊光画像などの動画を表示する。プロセッサ装置16は、フリーズ信号受信すると、受信してから一定時間の間だけ、動画モードから静止画モードに移行する。この静止画モード中に、現在取得中の画像の中からブレ等が無い高画質な静止画を選択し、選択した静止画を静止画用メモリ(図示省略)に記憶する。
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール19と電気的に接続される。モニタ18は、画像情報等を出力表示する。コンソール19は、機能設定等の入力操作を受け付けるUI(ユーザーインターフェース)として機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像情報等を記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
図2に示すように、光源装置14は、V-LED(Violet Light Emitting Diode)20a、B-LED(Blue Light Emitting Diode)20b、G-LED(Green Light Emitting Diode)20c、R-LED(Red Light Emitting Diode)20d、これら4色のLEDの駆動を制御する光源制御部21、G-LEDの光路上に挿脱される緑色狭帯域フィルタ22と、4色のLED20a〜20dから発せられる光の光路を結合する光路結合部23と、ガラス板24と、光量測定センサ25とを備えている。
光路結合部23で結合された光は、挿入部12a内に挿通されたライトガイド41及び照明レンズ45を介して、検体内に照射される。ガラス板24は、R-LED20dからの赤色光Rのうち大部分を光路結合部23に向けて透過させるとともに、一部を光量測定センサ25に向けてフレネル反射させる。なお、緑色狭帯域フィルタ22はフィルタ挿脱部22aにより挿脱される。なお、LEDの代わりに、LD(Laser Diode)を用いてもよい。
V-LED20aは、中心波長405nm、波長範囲380〜440nmの紫色狭帯域光Vnを発生する。B-LED20bは、中心波長460nm、波長範囲420〜500nmの青緑色狭帯域光Bnを発生する。G-LED20cは、波長範囲が480〜600nmに及ぶ正規分布の緑色光Gを発生する。R-LED20dは、中心波長620〜630nmで、波長範囲が600〜650nmに及ぶ赤色光Rを発生する。緑色狭帯域フィルタ22は、G-LED20cから発せられる緑色光Gのうち、530〜550nmの緑色狭帯域光Gnを透過させる。
光源制御部21は、通常観察モード時には、緑色狭帯域フィルタ22をG-LED20cの光路上から退避させた状態で、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dを全て点灯する。これにより、図3に示すように、紫色狭帯域光Vn、青緑色狭帯域光Bn、緑色光G、赤色光Rの4色の光が混色することで、通常光が生成される。一方、狭帯域観察モード時には、緑色狭帯域フィルタ22をG-LED20cの光路上に挿入した状態で、V-LED20a、G-LED20cを同時点灯することにより、紫色狭帯域光Vn、緑色狭帯域光Gnを同時に発生する。これにより、図4に示すように、V-LED20aからの紫色狭帯域光Vnと、緑色狭帯域フィルタ22で波長制限された緑色狭帯域光Gnとが同時に生成される。
光源制御部21は、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dに所定の電流量(LEDの駆動量の一種)を加えて、各LED20a〜20dの発光量を制御する。V-LED20a、B-LED20b、G-LED20cに加える電流量については、プロセッサ装置の光量算出部54から出力される目標光量設定信号に応じて決定される。これに対して、R-LED20dに加える電流量については、目標光量設定信号に加えて、光量測定センサ25で測定した赤色光Rの光量に基づいて決定される。なお、本実施形態では、各LED20a〜20dに加える電流量cは、ビット換算値、即ち、0〜1023(10ビット)の間の値で表記される。
図2に示すように、光量測定センサ25は、ガラス板24で反射した赤色光Rを受光するとともに、この受光した赤色光Rの光量に応じた光量測定信号を光源制御部21に出力する。光源制御部21は、光量測定センサ25から出力された光量測定信号とプロセッサ装置内の光量算出部54から出力された目標光量設定信号とを比較し、この比較結果に基づいて、R-LED20dの発光量が目標光量となるように、R-LED20dに加える電流量cを設定する。設定された電流量cは、R-LED20dに出力されるとともに、プロセッサ装置内でR-LED20dの波長シフトによる色調の変化を抑制するマトリックス処理を行うために、プロセッサ装置内の通常用色変換部68及び特殊用色変換部74にも出力される。
以上のように、本実施形態では、光量測定センサ25を用いて赤色光Rの発光量をモニタリングし、このモニタリング結果に基づいて、R-LED20dの光量をフィードバック制御することにより、R-LED20dの温度ドリフト(波長シフト)や経時劣化によって発光量に変動したとしても、その変動は、R-LED20dに加える電流量の再設定により是正されるため、R-LED20dの発光量は常に目標光量を維持することができる。
ライトガイド41は、光源装置14と内視鏡12を接続するユニバーサルコード(図示せず)内に内蔵されており、光路結合部23で結合された光を内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。なお、ライトガイド41としては、マルチモードファイバを使用することができる。一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径がφ0.3〜0.5mmの細径なファイバケーブルを使用することができる。
内視鏡12の先端部12dは照明光学系30aと撮像光学系30bを有している。照明光学系30aは照明レンズ45を有しており、この照明レンズ45を介して、ライトガイド41からの光が検体内に照射される。撮像光学系30bは、撮像レンズ46、撮像センサ48を有している。検体からの反射光は、撮像レンズ46を介して、撮像センサ48に入射する。これにより、撮像センサ48に検体の反射像が結像される。
撮像センサ48はカラーの撮像素子であり、検体の反射像を撮像して画像信号を出力する。この撮像センサ48は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等であることが好ましい。本発明で用いられるイメージセンサは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の画像信号を得るためのカラーイメージセンサ、即ち、撮像面にRGBフィルタを備えた、いわゆるRGBイメージセンサである。図5に示すように、RGBイメージセンサのBフィルタは380〜570nmの光を透過させ、Gフィルタは450〜630nmの光を透過させ、Rフィルタは580〜770nmの光を透過させる。
なお、撮像センサ48としては、RGBイメージセンサの代わりに、図6に示すような分光透過率を有するC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタを備えた、いわゆる補色イメージセンサであっても良い。補色イメージセンサの場合には、CMYGの4色の画像信号から色変換によってRGBの3色の画像信号を得ることができる。この場合には、CMYGの4色の画像信号からRGBの3色の画像信号に色変換する色変換手段を、内視鏡12又はプロセッサ装置16のいずれかに備えている必要がある。
図2に示すように、撮像センサ48から出力される画像信号は、CDS・AGC回路50に送信される。CDS・AGC回路50は、アナログ信号である画像信号に相関二重サンプリング(CDS)や自動利得制御(AGC)を行う。CDS・AGC回路50を経た画像信号は、A/D変換器(A/Dコンバータ)52により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換されたデジタル画像信号は、プロセッサ装置16に入力される。
プロセッサ装置16は、受信部53と、光量算出部54と、DSP56と、ノイズ除去部58と、画像処理切替部60と、通常光画像処理部62と、特殊光画像処理部64と、映像信号生成部66とを備えている。受信部53は内視鏡12からのRGBのデジタル画像信号を受信する。R画像信号は撮像センサ48のR画素(Rフィルタが設けられた画素)から出力される信号に対応し、G画像信号は撮像センサ48のG画素(Gフィルタが設けられた画素)から出力される信号に対応し、B画像信号は撮像センサ48のB画素(Bフィルタが設けられた画素)から出力される信号に対応している。
光量算出部54は、受信部53で受信したRGBのデジタル画像信号に基づいて露光量を算出するとともに、この算出された露光量に基づいて、目標光量を算出する。そして、光量算出部54は、算出された目標光量と、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20d間の設定光量比とに基づいて、各V-LED20a〜20dの目標光量を定めた目標光量設定信号を算出する。
例えば、光量算出部54で算出された光量が「P」で、設定光量比が「V-LED:B-LED:G-LED:R-LED=a:b:c:d」である場合、V-LED20aの目標光量は「P×(a/(a+b+c+d))」となり、B-LED20bの目標光量は「P×(b/(a+b+c+d))」となり、G-LED20cの目標光量は「P×(c/(a+b+c+d))」となり、R-LED20dの目標光量は「P×(d/(a+b+c+d))」となる。なお、光量比はコンソール19によって設定され、通常観察モードと特殊観察モードで異なる光量比が設定される。
DSP56は、RGB画像信号に対してガンマ補正、色補正処理を行う。ノイズ除去部58は、DSP56でガンマ補正等が施されたRGB画像信号に対してノイズ除去処理(例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等)を施すことによって、RGB画像信号からノイズを除去する。ノイズが除去されたRGB画像信号は、画像処理切替部60に送信される。
画像処理切替部60は、モード切替SW13aにより、通常観察モードにセットされている場合には、RGB画像信号を通常光画像処理部62に送信し、特殊観察モードにセットされている場合には、RGB画像信号を特殊光画像処理部64に送信する。
通常光画像処理部62は、通常用色変換部68と、通常用色彩強調部70と、通常用構造強調部72とを有し、検体内を通常の生体の色調で表現した通常光画像を生成する。通常用色変換部68は、RGB3チャンネルのデジタル画像信号に対して色変換処理を施すことにより、色変換済RGB画像信号を出力する。この通常用色変換部68では、詳しくは後述するように、R-LED20dの波長シフトや経時劣化による色調の変化を抑制するマトリックス処理が行われる。
通常用色変換部68では、更に、色変換済RGB画像信号に対して階調変換処理を行って、階調変換済RGB画像信号を出力する。通常用色彩強調部70は、階調変換済RGB画像信号に対して、各種色彩強調処理を施す。通常用構造強調部72は、色彩強調処理済RGB画像信号に対して、シャープネスや輪郭強調等の構造強調処理を行う。通常用構造強調部72で構造強調処理が施されたRGB画像信号は、映像信号生成部66に入力される。
通常用色変換部68は、図7に示すように、3×3のマトリックス回路80と、RGB画像信号入力部82と、RGB画像信号出力部84と、9つのLUT_Mij(i,jは、それぞれ0、1、2のいずれかの値)(本発明の第1テーブルに相当)と、乗算器86a〜86iと、加算器88a〜88fとを有している。各LUT_Mijは、10ビット分のR-LED20dの電流量cに対応する第1マトリックス係数Mij_cを記憶している(cは0又は1〜1023の整数)。この第1マトリックス係数Mij_cは、R-LED20dの波長シフトや経時劣化を補正するためのパラメータである。
また、各LUT_Mijは、光源装置内の光源制御部21と乗算器86a〜86iとの間に接続されており、光源制御部21からのR-LED20dの電流量cの入力に対して、その入力された電流量cに対応する第1マトリックス係数Mij_cを出力する。出力された第1マトリックス係数Mij_cは、乗算器86a〜86iによって、RGB画像信号入力部82からのRGB画像信号に対して乗算される。
加算器88aは、第1マトリックス係数M00_cが乗算されたR画像信号と、第1マトリックス係数M01_cが乗算されたG画像信号とを加算する。加算器88bは、加算器88aで加算された画像信号に対して、更に、第1マトリックス係数M02_cが乗算されたB画像信号を加算する。加算器88bを経た画像信号は、下記(1)式で示される色変換済R画像信号として、RGB画像信号出力部84から出力される。
色変換済R画像信号
=M00_c×R画像信号+M01_c×G画像信号+M02_c×B画像信号・・・(1)
上記のように、加算器88c〜88fを用いた演算を行うことで、下記(2)、(3)式で示される色変換済G画像信号及び色変換済B画像信号が、RGB画像信号出力部84から出力される。
色変換済G画像信号
=M10_c×R画像信号+M11_c×G画像信号+M12_c×B画像信号・・・(2)
色変換済B画像信号
=M20_c×R画像信号+M21_c×G画像信号+M22_c×B画像信号・・・(3)
なお、各LUT_Mijに記憶するR-LED20dの電流量cと第1マトリックス係数Mijとの対応関係は、内視鏡出荷時の測定により得られ、以下のようにして定められる。まず、R-LED20dに最小電流量Cminを加えて赤色光Rを発光し、この赤色光Rで照明中の検体を撮像してRGB画像信号を出力する。この出力したRGB画像信号と、目標とするRGB画像信号とに基づいて、第1マトリックス係数Mij_0を決定する。この決定した第1マトリックス係数Mij_0をLUT_Mijに格納する。次に、R-LED20dに加える電流量cを徐々に増加させ、増加させる毎に、同様の手順で、第1マトリックス係数Mij_p(qは1〜1023の間の整数)を算出してLUT_Mijに格納する。
なお、R-LEDは、発光強度が大きくなる程、即ち、電流量cが大きくなる程、ピーク波長が長波長側にシフトすることから(図18、図20参照)、この波長シフトに伴う色調の変化が補正されるように、第1マトリックス係数Mij_cが定められる。例えば、クリスタルバイオレットを用いた色素観察時には、R-LEDの発光強度が大きくなると赤味が強くなるが、これを補正するためには、電流量cが一定値を超える場合に、色変換済R画像信号が小さくなるように、第1マトリックス係数M00_c,M01_c,M02_cを定めればよい。例えば、R画像信号に乗算されるM00_cを小さくするか、もしくは、G画像信号及びR画像信号に乗算されるM01_c,M02_cを大きくすればよい。
特殊光画像処理部64は、特殊用色変換部74と、特殊用色彩強調部76と、特殊用構造強調部78とを有し、表層血管など特定構造を強調表示した特殊光画像を生成する。特殊用色変換部74は、RGB3チャンネルのデジタル画像信号に対して色変換処理を施すことにより、色変換済RGB画像信号を出力する。この特殊用色変換部74は、通常用色変換部68と同様の方法で、R-LED20dの波長シフトや経時劣化による色調の変化を抑制することに加えて、特殊光画像を疑似カラー表示するためのマトリックス処理が行われる。
特殊用色変換部74では、更に、色変換済RGB画像信号に対して階調変換処理を行って、階調変換済RGB画像信号を出力する。特殊用色彩強調部76は、階調変換済RGB画像信号に対して、各種色彩強調処理を施す。特殊用構造強調部78は、色彩強調処理済RGB画像信号に対して、シャープネスや輪郭強調等の構造強調処理を行う。特殊用構造強調部78で構造強調処理が施されたRGB画像信号は、映像信号生成部66に入力される。
映像信号生成部66は、通常光画像処理部62又は特殊光画像処理部64から入力されたRGB画像信号を、モニタ18で表示可能画像として表示するための映像信号に変換する。この変換後の映像信号に基づいて、モニタ18は、通常観察モード時には通常光画像を表示し、特殊光観察モード時には特殊光画像を表示する。
次に、本発明の作用について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。モード切替SW13aにより通常観察モードに設定されると、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dが全て点灯する。これにより、紫色狭帯域光Vn、青緑色狭帯域光Bn、緑色光G、赤色光Rがそれぞれ合波した通常光が検体内に発光される。通常光で照明された検体は、撮像センサ48によって撮像される。撮像センサ48からはRGB画像信号が出力される。
光源装置14内では、R-LED20dから発せられる赤色光Rは、光量測定センサ25で発光量が測定される。光量測定センサ25が測定した光量測定信号は、光源制御部21に出力される。光源制御部21では、光量測定信号とプロセッサ装置内の光量算出部54から出力された目標光量設定信号とを比較し、この比較結果に基づいて、R-LED20dの発光量が目標光量となるように、R-LED20dに加える電流量cを設定する。設定された電流量cは、R-LED20dに出力されるとともに、プロセッサ装置内の通常用色変換部68にも出力される。
光源制御部21から出力されたR-LED20dの電流量cは、通常用色変換部68内の3×3のマトリックス回路80に入力される。3×3のマトリックス回路80では、電流量cが各LUT_Mijに入力される。各LUT_Mijは、入力された電流量cに対応する第1マトリックス係数Mij_cを出力する。この出力された第1マトリックス係数Mij_cに基づくマトリックス処理を、RGB画像信号に対して行う。これにより、色変換済RGB画像信号が得られる。この色変換済RGB画像信号に基づいて通常光画像が生成されて、モニタ18に表示される。通常光画像においては、R-LED20dの波長シフトや経時劣化により生じる色調の変化が抑制されている。
[第2実施形態]
第1実施形態では、R-LEDの電流量cの全てに対応する第1マトリックス係数Mij_c(i,jは0、1、2いずれかの値、cは0又は1〜1023の整数)をマトリックス回路80内のLUT_Mijに記憶してマトリックス処理を行ったが、この場合には、メモリ量が膨大になるため、第2実施形態では、マトリックス回路80のLUT_Mijとは別の大容量メモリに、R-LEDの電流量cの全てに対応する第1マトリックス係数Mij_cを記憶させておき、必要に応じて、大容量メモリから第1マトリックス係数Mij_cを読み出してマトリックス処理を行う。
図9に示すように、第2実施形態の通常用色変換部68は、第1実施形態と同様の3×3のマトリックス回路80に加えて、制御部101と、大容量メモリ102と、ビットシフト回路103とを備えている。制御部101は光源制御部21及びフリーズボタン13bに接続されており、光源制御部21からの電流量c及びフリーズボタン13bからのフリーズ信号が入力される。また、制御部101は、ビットシフト回路103を介して、大容量メモリ102に接続されており、ビットシフト回路103は、3×3のマトリックス回路80に接続されている。大容量メモリ102には、図10に示すように、10ビット分のR-LED20dの電流量cに対応する第1マトリックス係数Mij_c(i,jは0、1、2いずれかの値、cは0又は1〜1023の整数)が記憶されている。なお、第2実施形態の特殊用色変換部74についても、上記と同様の構成を有している。
制御部101は、フリーズ信号がプロセッサ装置16に入力されない動画モード時には、大容量メモリ102から一部のマトリックス係数Mijのみを読み出し、その一部の読み出した第1マトリックス係数Mijをマトリックス回路80内のLUT_Mijに記憶させてマトリックス処理を行う。これにより、LUT_Mijに記憶する第1マトリックス係数Mijの数を減らすことができるため、メモリ容量を削減することができる。例えば、図10に示すように、各LUT_Mijに全ての電流量分の第1マトリックス係数を記憶させた場合には、3×3×1024のメモリ容量が必要となるが、7ビット(128)の間隔で間引いた場合には、3×3×8だけのメモリ容量だけで済むようになる。
これに対して、制御部101は、フリーズ信号がプロセッサ装置16に入力される静止画モード時には、大容量メモリ102から電流量cに対応する第1マトリックス係数Mijを読み出して、この読み出した第1マトリックス係数Mijに基づいてダイレクトにマトリックス処理を行う。そのため、静止画取得時には、マトリックス回路80内のLUT_Mijは用いられない。
第1マトリックス係数M00の読出しに関しては、以下のように行われる。動画モード時には、図11に示すように、大容量メモリのM00_0〜M00_1023の中から、ビットシフト回路103により、M00_0, M00_128, M00_256・・・M00_896のように、第1マトリックス係数M00が間引かれて読み出される。この間引かれた第1マトリックス係数M00はLUT_M00に格納される。次に、LUT_M00と乗算器86eとの間が、マトリックス係数切替スイッチ105により接続状態にされる。そして、動画モード中は、LUT_M00に格納された第1マトリックス係数に基づいて、マトリックス処理が行われる。例えば、電流量cが入力されると、LUT_M00に格納された第1マトリックス係数の中から、入力された電流量cにもっとも近い電流量に対応する第1マトリックス係数が選択される。そして、この選択された第1マトリックス係数に基づいて、マトリックス処理が行われる。
これに対して、静止画モード時には、図12に示すように、LUT_M00と乗算器86eとの間がマトリックス係数切替スイッチ105により非接続状態となる一方、制御部101と乗算器86eとの間が接続状態になる。次に、大容量メモリ102から電流量cに対応する第1マトリックス係数M00を読み出す。この読み出された第1マトリックス係数M00は、LUT_M00を経由することなく、乗算器86aによってダイレクトにR画像信号に乗算される。第1マトリックス係数M01〜M22の読出しについても、第1マトリックス係数M00の読出しと同様にして行われる。
なお、第2実施形態では、静止画モード時には、大容量メモリから電流量cに対応する第1マトリックス係数を読み出してマトリックス処理を行ったが、これに代えて、動画モード時にマトリックス回路80内のLUT_Mijに格納した第1マトリックス係数Mijに基づいて補間処理し、この補間処理により得られる第1マトリックス係数を用いてマトリックス処理を行ってもよい。例えば、LUT_Mij内において、電流量が7ビット(128)の間隔で間引きされた第1マトリックスMijが格納されている場合、電流量cが128〜256の間にある場合の補間処理は、下記(4)式のように行われる。
Mij_c=((c-128)×Mij_256+(256-c)×Mij_128)/128・・・(4)
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、R-LEDの波長シフトや経時劣化に伴う色調の変化をマトリックス処理により補正したが、これに加えて、スコープ間の個体差、即ち、撮像センサ48の分光感度のバラツキによる色調の変化をマトリックス処理により行ってもよい。第3実施形態では、内視鏡診断前に事前にキャリブレーションを行って、スコープ間の個体差を吸収するための、即ち、撮像センサ48の分光感度のバラツキを補正するための第2マトリックス係数CMij(i,jは0、1、2いずれかの値)を算出する。そして、下記(5)式のように、第1マトリックス係数Mij_cと第2マトリックス係数CMijを乗算して得られる補正マトリックス係数Mij_c´を用いて、第1及び第2実施形態と同様の方法でマトリックス処理を行う。
Mij_c´=CMij×Mij_c・・・(5)
キャリブレーションによる第2マトリックス係数(CM00〜CM22の9つの係数)の算出方法は、以下のような手順で行われる。まず、図13に示す白板110に向けて、紫色狭帯域光Vn,青緑色狭帯域光Bn、緑色光G、赤色光Rの4種類の単色光をそれぞれ照射し、照射毎に、撮像センサ48から3色分のR画像信号、G画像信号、B画像信号を出力する。これにより、単色光照射時には、合計で12の画像信号(4種類の光の照射×3色の画像信号)が得られる。
次に、紫色狭帯域光Vn,青緑色狭帯域光Bn、緑色光G、赤色光Rの中からそれぞれ2色の光を組み合せた2色混色光、即ち、6種類の混色光をそれぞれ照射し、照射毎に、撮像センサ48から3色分のR画像信号、G画像信号、B画像信号を出力する。これにより、2色混色光照射時には、合計で18の画像信号(6種類の光の照射×3色の画像信号)が得られる。また、紫色狭帯域光Vn,青緑色狭帯域光Bn、緑色光G、赤色光Rの中からそれぞれ3色の光を組み合せた3色混色光、即ち、3種類の混色光をそれぞれ照射し、照射毎に、撮像センサ48から3色分のR画像信号、G画像信号、B画像信号を出力する。これにより、3色混色光照射時には、合計で9の画像信号(3種類の光の照射×3色の画像信号)が得られる。
最後に、各色LEDを全て点灯して通常光を照射し、または、各色LEDを全て消灯してBk光とそれぞれを照射し、照射毎に、撮像センサ48から3色分のR画像信号、G画像信号、B画像信号を出力する。これにより、通常光及びBk光照射時には、合計で6の画像信号(2種類の光の照射×3色の画像信号)が得られる。
以上のように、単色光、2色混色光、3色混色光、通常光、Bk光の照射によって、合計で45の画像信号が得られる。この45の画像信号と、目標とする45の画像信号に基づいて、第2マトリックス係数(CM00〜CM22)を算出する。なお、45色の光を用いて、第2マトリックス係数を算出したが、45色以下の光を用いて、第2マトリックス係数を算出してもよい。
なお、本実施形態のように、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20c、R-LED20dの4色のLEDを備える内視鏡システムの代わりに、R-LED、G-LED、B-LEDの3色のLEDを備える内視鏡システムの場合であれば、以下のようにして、第2マトリックス係数の算出が行われる。まず、白板110(図13参照)に向けて、「R光(R-LEDを点灯)」、「G光(G-LEDを点灯)」、「B光(B-LEDを点灯)」、「C光(B-LED、G-LEDを同時点灯)」、「M光(B-LED、R-LEDを同時点灯)」、「Y光(G-LED、R-LEDを同時点灯)」、「W光(B-LED、G-LED、R-LEDを同時点灯)」、「Bk光(B-LED、G-LED、R-LEDを全て消灯)」をそれぞれ照射し、照射毎に、撮像センサ48から3色分のR画像信号、G画像信号、B画像信号を出力する。これにより、合計で24の画像信号(8種類の光の照射×3色の画像信号)が得られる。この24の画像信号と、目標とする24の画像信号に基づいて、第2マトリックス係数(CM00〜CM22)を算出する。なお、8色の光を用いて、第2マトリックス係数を算出したが、8色以下の光を用いて、第2マトリックス係数を算出してもよい。
また、第3実施形態では、キャリブレーションにより第2マトリックス係数を算出したが、内視鏡製造時などに、上記キャリブレーションに相当する処理を行って、第2マトリックス係数を算出し、この算出した第2マトリックス係数と内視鏡のスコープIDとを対応付けてプロセッサ装置内のメモリ(図示省略(本発明の第2メモリに相当))に記憶してもよい。そして、実際の内視鏡使用時には、内視鏡がプロセッサ装置に接続されたときには、プロセッサ装置内のID読み取り部でスコープIDを読み取り、この読み取ったスコープIDに対応する第2マトリックス係数を用いてマトリックス処理を行う。
なお、上記第1〜第3実施形態では、R-LED20dのみ発光量を測定し、この測定結果に基づいてプロセッサ装置内でマトリックス処理を行ったが、その他の色のV-LED20a、B-LED20b、G-LED20cについても、図14に示すように、発光強度を大きくすると、紫色狭帯域光Vn、青緑色狭帯域光Bn、緑色光Gの中心波長が長波長側にシフトする波長シフトが生ずる。なお、図14では、「Vn(大)」は「Vn(小)」よりも発光強度が大きいことを、「Bn(大)」は「Bn(小)」よりも発光強度が大きいことを、「G(大)」は「G(小)」よりも発光強度が大きいことを、「R(大)」は「R(小)」よりも発光強度が大きいことをそれぞれ示している。
そこで、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20cについてもそれぞれ発光量を測定し、その測定結果に基づいてマトリックス処理を行ってもよい。図15に示すように、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20cの発光量については、光量測定センサ25と同様に、光量測定センサ120〜122により測定される。光量測定センサ120〜122は、ガラス板125〜127で反射した紫色狭帯域光Vn、青緑色狭帯域光Bn、緑色光Gの発光量を測定する。なお、ガラス板125〜127は、ガラス板25と同様であり、紫色狭帯域光Vn、青緑色狭帯域光Bn、緑色光Gのうち大部分を光路結合部23に向けて透過させ、一部を光量測定センサ120〜122に向けて反射させる。
光源制御部21は、各光量測定センサ25及び120〜122から出力される光量測定信号と、各LED20a〜20dの目標光量設定信号とに基づいて、各LED20a〜20dに加える電流量を設定する。ここで、V-LED20aの電流量をcvとし、B-LED20bの電流量をcbとし、G-LED20cの電流量をcgとし、R-LED20dの電流量をcrとする。設定された電流量は各LED20a〜20dに出力されるとともに、通常用色変換部68及び特殊用色変換部74に出力される。
通常用色変換部68及び特殊用色変換部74では、各LED20a〜20dの波長シフト等による色ムラを補正するためのマトリックス処理を行う。そのため、通常用色変換部68及び特殊用色変換部74には、R-LED20dの波長シフトや経時劣化を補正するための第1マトリックス係数Mij_crの他に、V-LED20a、B-LED20b、G-LED20cの波長シフトや経時劣化を補正するための第1マトリックス係数Mij_cv、Mij_cb、Mij_cgを、それぞれ、電流量cv、cb、cg、cgに関連付けて記憶させておく。そして、実際のマトリックス処理時には、光源制御部21で設定された電流量cv、cb、cg、cgに対応する4つの第1マトリックス係数をそれぞれ掛け合わせたMij_cv×Mij_cb×Mij_cg×Mij_crを、RGB画像信号に乗算する。これにより、波長シフト等による色ムラが補正された色変換済RGB画像信号が得られる。
なお、上記第1〜第3実施形態では、3×3のマトリックス回路80を用いて、R-LED20dの波長シフトや経時劣化に伴う色調の変化を補正したが、これに代えて、3DLUT(3次元ルックアップテーブル(3-Dimesion Look Up Table))(本発明の第2テーブルに相当)を用いて、補正してもよい。図16に示すように、3DLUT130は、RGB画像信号と色変換済RGB画像信号が対応付けて記憶されており、RGB画像信号の入力に対して、色変換済RGB画像信号を出力する。この3DLUT130は、R-LED20dの電流量毎に複数設けられている。
したがって、実際のマトリックス処理時には、複数の3DLUT130の中から、R-LED20dに加える電流量に対応する3DLUTが選択される。この選択された3DLUTにより、RGB画像信号を色変換済RGB画像信号に変換する。なお、3DLUTの作成方法としては、所定の電流量で発光したときのRGB画像信号と色変換済RGB画像信号との関係を、電流量と関連付けて多数記憶しておき、その記憶した電流量、RGB画像信号、色変換済RGB画像信号間の相関関係に基づいて、3DLUTを作成する方法が考えられる。
なお、上記実施形態では、図3に示すような発光スペクトルを有する4色の光を用いたが、発光スペクトルはこれに限られない。例えば、図17に示すように、緑色光G及び赤色光Rについては、図3と同様のスペクトルを有する光にする一方で、紫色狭帯域光Vn*については、中心波長410〜420nmで、図3の紫色狭帯域光Vnよりもやや長波長側に波長範囲を有する光にし、青緑色狭帯域光Bn*については、中心波長445〜460nmで、図3の青緑色狭帯域光Bnよりもやや短波長側に波長範囲を有する光にしてもよい。
10 内視鏡システム
20a〜20d V-LED,B-LED,G-LED,R-LED(半導体光源)
21 光源制御部
25,120〜122 光量測定センサ
48 撮像センサ(画像信号取得手段)
68 通常用色変換部(色変換部)
74 特殊用色変換部(色変換部)
80 3×3マトリックス回路
102 大容量メモリ(第1メモリ)
130 3DLUT(第2テーブル)

Claims (11)

  1. 検体を照明するための照明光を発するB−LED、G−LED、R−LEDと、光源制御部とを有する光源装置と、
    撮像面にRGBフィルタを備えたカラー撮像素子と、
    前記照明光で照明中の検体を前記カラー撮像素子で撮像して、複数の色信号からなる第1カラー画像信号を取得する画像信号取得部と、
    前記第1カラー画像信号に基づいて目標光量を算出する光量算出部と、
    前記第1カラー画像信号を、前記第1カラー画像信号と異なる第2カラー画像信号に変換する色変換処理を行う色変換部とを備え、
    前記R−LEDは、前記カラー撮像素子のRフィルタの透過波長範囲にピーク波長を有し、発光強度が大きくなる程、ピーク波長が長波側にシフトする赤色光を発生し、
    前記光源制御部は、前記光量算出部で算出した前記目標光量に基づいて、前記B−LED、前記G−LED、前記R−LEDに加える駆動量を設定し、
    前記色変換部は、前記B−LED、前記G−LED、前記R−LEDに加える駆動量に応じて、前記色変換処理の内容を変更する内視鏡システム。
  2. 前記色変換処理は、前記第1カラー画像信号に対して第1係数を乗算することによって、前記第2カラー画像信号に変換する処理であり、
    前記第1係数は、前記B−LED、前記G−LED、前記R−LEDに加える駆動量に関連づけられている請求項1記載の内視鏡システム。
  3. 前記駆動量は電流量である請求項1または2記載の内視鏡システム。
  4. 前記光源制御部において、
    前記目標光量から、設定光量比に基づいて、前記B−LEDの目標光量、前記G−LEDの目標光量、前記R−LEDの目標光量を算出する請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
  5. 前記色変換処理は、前記第1カラー画像信号に対して、前記第1係数に加えて、第2係数を乗算することにより、前記第2カラー画像信号に変換する処理であり、
    前記第2係数は、前記カラー撮像素子を有する内視鏡のスコープIDに対応付けて記憶されている請求項2記載の内視鏡システム。
  6. 通常観察モードと、特殊観察モードを有し、
    前記通常観察モードが選択された場合に、前記色変換部が、前記色変換処理の内容の変更を行う請求項1ないし5いずれか1項記載の内視鏡システム。
  7. 前記照明光の光量を測定する光量測定センサを有する請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
  8. 前記B−LED,前記G−LED,前記R−LEDのうち少なくとも2つのLEDに、それぞれのLEDから発せられた光の光量を測定する光量測定センサが設けられている請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡システム。
  9. 前記B−LED,前記G−LED,前記R−LEDには、それぞれ各LEDから発せられる光の光量を測定する光量測定センサが設けられており、
    前記光源制御部は、
    前記目標光量から、設定光量比に基づいて、前記B−LEDの目標光量、前記G−LEDの目標光量、前記R−LEDの目標光量を算出し、
    前記光量測定センサで測定した前記B−LED,前記G−LED,前記R−LEDの光の光量と、前記B−LEDの目標光量、前記G−LEDの目標光量、前記R−LEDの目標光量との比較に基づいて、前記B−LED,前記G−LED,前記R−LEDの前記駆動量を設定する請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡システム。
  10. 前記第1カラー画像信号のR画像信号が大きくなる場合に、前記第2カラー画像信号のR画像信号が小さくなるように、前記第1係数が設定されている請求項2記載の内視鏡システム。
  11. 前記R−LEDへ加える電流量が大きくなって前記第1カラー画像信号のR画像信号が大きくなる場合に、前記第2カラー画像信号のR画像信号が小さくなるように、前記第1係数が設定されている請求項2記載の内視鏡システム。
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