JP2016174485A - 微物採取シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂製の絶縁シート5の一方の面を微物採取面5aとし、他方の面を電圧印加面5bとした微物採取用シート4であって、上記電圧印加面5bには、全面にいきわたる導電性インク層6を備えるとともに、当該微物採取用シート4の使用単位における外周端面に、上記導電性インク層6の少なくとも一部を露出させた。
【選択図】 図1
Description
具体的には、採取目的の微物がありそうな個所に、絶縁性樹脂からなる絶縁シートを被せ、この絶縁シートを帯電させてその静電気によって微物を吸着するようにしている。
図7のように、上記帯電用電極バー2を、絶縁シート1に近づけて電極針に高電圧を印加すると、電極針による放電イオンによって上記絶縁シート1が帯電し、静電気を誘起させることができる。
上記従来の絶縁シートの電気抵抗値は、1×1015〔Ω〕以上と、非常に高いため、帯電用電極バー2を近づけてイオンを照射しても、この絶縁シート1にはほとんど電流が流れない。そこで、絶縁シート1全体に静電気を誘起させるために、作業者は、上記帯電用電極バー2を絶縁シート1の面に沿って移動させ、絶縁シート1の全面積を帯電させ、絶縁シート1に静電気を誘起させるようにしている。
ただし、上記絶縁シート1に重ねた金属板3が絶縁シート1から外側へはみ出していたり、はみ出さないまでも絶縁シート1の縁に近接していたりすると、その部分からアースに電流が逃げてしまうため、絶縁シート1の帯電を維持することができない。
しかし、絶縁シート1において帯電する部分は金属板3が載置された部分のみである。絶縁シート1のうち金属板3の外側の部分、すなわち幅a,bの部分は帯電せず、微物採取には寄与しない。そのため、絶縁シート1が有効利用されないという問題があった。
このような金属板3を、微物を吸着した絶縁シート1から取り除こうとして金属板3に触れると、金属板3から電流が流れ、触れた人は電撃を受ける。しかも、金属板3は導電性で電気抵抗値が低いので、電流が一気に流れ、触れた人は非常に激しい電撃を受けることになる。微物を採取する作業者が、毎回、このような激しい電撃を受けるのでは、作業性は落ちてしまう。
また、微物採取シートの使用単位における外周端面に露出した導電性インク層からアースへ、余分な電荷が流れるので、微物の採取後にその微物採取シートに触れても、電撃を受けることがない。
したがって、短時間での微物採取ができるとともに、作業者が電撃を受けることもなく、安心して効率的な微物採取作業ができる。
また、導電性インク層がシートの全面にいきわたっているため、導電性インク層の特定の個所にのみ電圧を印加すれば、電流が流れて全体を帯電させることができる。そのため、微物採取シートは挿入できるが帯電用の放電電極バーを挿入できない隙間のような場所であっても、隙間などの外部に出ているシートに電圧を印加して、隙間内のシートを帯電させることができる。したがって、上記のような狭い個所の微物も容易に採取することができる。
また、模様の密度を高くすれば、第2の発明と同様に、導電性インク層の一部が欠損してしまっても、シートの全面を短時間で帯電させる機能を維持することができる。
さらに、模様の有無によって、微物採取面と電圧印加面とを区別することが容易になる。
また、導電性インクで模様や、文字などを描けば、さらに電圧印加面と微物採取面とを見分けやすくなる。
上記絶縁シート5は、従来の絶縁シート1と同様に、絶縁性の樹脂材料からなり、電気抵抗値が1×1015〔Ω〕以上の可撓性を有するシートである。
また、上記導電性インク層6を形成する導電性インクの電気抵抗値は、1×104〔Ω〕〜1×106〔Ω〕であり、上記絶縁シート5と比べて十分に低い値である。
なお、図1では導電性インク層6を表わすために、絶縁シート5及び導電性インク層6の厚みを大きく現わしているが、上記絶縁シート5の厚みは図7に示した従来の絶縁シート1と同等である。
なお、上記微物採取シート4は、未使用時にはロール状に巻かれていて、現場でロールから繰り出したシートを、その幅方向にカットして、図1に示すように必要量だけ使用するようにしている。このようにカットされたものが、この発明の使用単位である。
そして、カットされた断面には、上記導電性インク層6が露出するが、この断面がロール状に巻かれたシートの幅方向の端部とともに使用単位の外周を構成する。
また、この実施形態では、上記導電性インクを絶縁シート5と異なる色にして、微物採取面5aと電圧印加面5bとを一目で区別できるようにしている。
まず、ロールから必要量繰り出してカットした微物採取シート4を、その微物採取面5aを、微物を採取したい目的の面、例えば床面7に対向させて置く(図2参照)。次に、電圧印加面5b側、この実施形態では上記導電性インク層6に帯電用電極バー2の図示していないイオン放射口を近づけて電圧を印加する。このとき、帯電用電極バー2を電圧印加面5bに沿って移動させなくても、導電性インク層6の一か所に近づけただけでも、電流が導電性インク層6を矢印Aのように流れ、微物採取シート4全体を帯電させることができる。
もちろん、上記帯電電極バー2を電圧印加面5bに沿って移動させてもよいが、移動させない場合であっても、約1400〔mm〕×450〔mm〕の長方形のシート全体を、5〔秒〕程度で帯電させることができることを確認済みである。なお、このとき帯電電極バー2には、−14〔kV〕を印加している。
微物採取面5aに微物が吸着したら、帯電用電極バー2の電圧印加を止めて、微物が吸着された微物採取シート4を床面7から剥がして持ち帰る。このとき、印加電圧を切ってすぐに微物採取シート4を触っても電撃を受けることはない。
つまり、この第1実施形態の微物採取シート4を用いれば、短時間での帯電によって微物採取を行なうことができるとともに、電撃を受ける心配もない。そのため、微物採取後の作業もスムーズにでき、微物採取作業全体の作業性が向上する。
上記したように導電性インク層6は、従来の絶縁シート1と比べて電気抵抗値が低く、電流を流すことができるため、帯電用電極バー2からのイオンを照射するとそれを短時間で電圧印加面5b全体にいきわたらせることができる。
この第1実施形態の微物採取シート4を用いたとき、短時間での帯電が可能になるとともに、電撃を受けることもないことについては、実際に確認済みである。
また、この第2実施形態の微物採取シート8もそれを巻いたロールから、必要長さだけカットして使用単位とする。このカットした断面には上記導電性インク層9を構成する線の端部が露出するとともに、上記ロール状に巻かれた微物採取シート8の幅方向端面にも、上記導電性インク層9の線を露出させている。したがって、この第2実施形態では、長方形の上記使用単位全周の端面に、上記導電性インク層9の端部が点線のように露出することになる。
また、微物採取面5aに微物を吸着させ後に印加電圧を切れば、余った電荷は図4に示す矢印Bのように上記導電性インク層9の端部から床面7へ流れる。
したがって、電圧印加面5b側の電位が下がり、触れても電撃を受けることがない点は、上記第1実施形態と同じである。
また、上記導電性インク層9の模様は、連続する六角形の密度が高く、線同士の接続部分を多く備えているので、例えば、ロール状にしたときや、繰り返し使用する過程で、導電性インク層9の一部が摩耗したり、剥離したりするようなことがあったとして、その他の部分で導電性インク層全体の電気的導通を維持できる。そのため、繰り返し使用する場合にも、短時間で帯電できる機能を維持することができる。
また、上記直線11bはその端部を微物採取シート10の幅方向端面に露出し、上記直線11aの端部は、使用単位にカットした切断面に露出する。
したがって、この第3実施形態の微物採取シート10も、上記第1,2実施形態と同様に、短時間での帯電及び微物採取を可能にするとともに、作業者に電撃を与えることがない。
上記導電性インク層13は、この微物採取シート12の長手方向に沿って配置されるとともに、導電性インクで塗りつぶされた円13aと、これら円13aから放射状に延びる複数の直線13bとで構成されている。
したがって、この第4実施形態の微物採取シート12も、上記他の実施形態と同様に、短時間での帯電及び微物採取を可能にするとともに、作業者に電撃を与えることがない。
ただし、模様の配置が偏りすぎていると、帯電が不均一になってしまう可能性があるので、均一な帯電を実現するという観点からは、アンバランスな模様よりも、均一な連続模様の方が好ましい。
4 微物採取シート
5 絶縁シート
5a 微物採取面
5b 電圧印加面
6 導電性インク層
8 微物採取シート
9 導電性インク層
10 微物採取シート
11 導電性インク層
12 微物採取シート
13 導電性インク層
Claims (4)
- 樹脂製の絶縁シートの一方の面を微物採取面とし、他方の面を電圧印加面とした微物採取用シートであって、
上記電圧印加面には、全面にいきわたる導電性インク層を備えるとともに、
当該微物採取用シートの使用単位における外周端面に、上記導電性インク層の少なくとも一部を露出させた微物採取用シート。 - 上記電圧印加面に設けた上記導電性インク層は、上記電圧印加面の全面を覆う請求項1に記載の微物採取用シート。
- 上記電圧印加面に設けた上記導電性インク層は、面もしくは線又は面及び線からなる模様を構成し、この模様は電気的に連続している請求項1に記載の微物採取用シート。
- 上記電圧印加面に設けた上記導電性インク層は、上記微物採取面とは異なる色の導電性インクで構成される請求項1〜3のいずれか1に記載の微物採取用シート。
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