JP2016173158A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きい粘性抵抗力を発生させることができ、振動を減衰させることが可能な制振装置を提供する。
【解決手段】連結部2は、第1のスライダ10の第1の基部11に対し、第1の方向Xに相対的に移動不能かつ第2の方向Yに相対的に移動可能に、第2のスライダ20の第2の基部21に対し、第2の方向Yに相対的に移動不能かつ第1の方向Xに相対的に移動可能に組み合わせられている。第1の平板部4Aと、第1の抵抗部13と、第2の平板部5Aと、第2の抵抗部23とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置されている。粘性体6に浸かる第1の抵抗部13は、第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間において、桶3に対して第1の方向Xに移動可能に、粘性体6に浸かる第2の抵抗部23は、第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間において、桶3に対して第2の方向Yに移動可能に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物等の上部構造体と基礎等の下部構造体との間に設置され、下部構造体から上部構造体への地震等による震動の伝達を抑えるための制振装置に関する。
従来より、基礎等の下部構造体に固定された容器に収容された粘性体に、建物等の上部構造体に固定された支柱の下端に設けた円板を浸すように構成した制振装置が提案されている。かかる制振装置では、円板が粘性体内を水平方向に移動することにより、粘性体に粘性せん断を生じさせ、粘性抵抗力を発生させて、振動エネルギを減衰させている。
しかしながら、従来の上記制震装置では、円板が静止していた状態から、一方側に移動した場合、移動側に一定量の粘性体が存在するため、所望の粘性抵抗力を得ることができる。このとき、円板の移動に伴って、円板が移動した一方側に粘性体が移動するため、円板の移動前に比べ、円板の移動した一方側の粘性体の量が増え、粘性体の高さが移動前に比べ高くなる。逆に、円板が移動した一方側とは反対の他方側は、粘性体が一方側に移動した分、粘性体の量が減り、粘性体の高さが低くなる。次に円板が他方側に移動しようとしたとき、粘性体は高い粘度を有しているため、移動速度が遅く、一方側に移動した粘性体は他方側に戻りきっていない。このため、円板が他方側に移動したとき、一定量あった粘性体の量が減り、粘性体の高さが低い状態にあり、円板が他方側に移動したときに所望する粘性抵抗力を発生させることができない。このように従来の制震装置では、円板の移動方向において、継続して大きくかつ均一な所望する粘性抵抗力を発生させることができない。
そこで、本発明の目的は、地震等による震動に対して粘性体の高さの高低の変動を抑えることで大きくかつ均一な所望する粘性抵抗力を発生させることができ、振動を減衰させることが可能な制振装置を提供することである。
本発明の一態様による制振装置は、上部構造体と下部構造体との間に設置される制振装置であって、前記上部構造体に連結される連結部と、前記下部構造体に連結され、上側が開口し、粘性体を収容する収容部と、前記収容部に対して第1の方向に移動可能に設けられ、第1の基部と第1の抵抗部とを有する第1のスライダと、前記収容部に対して前記第1の方向に直交する第2の方向に移動可能に設けられ、第2の基部と第2の抵抗部とを有する第2のスライダと、第1の平板部を有する第1のセパレータと、第2の平板部を有する第2のセパレータと、を備え、前記第1の基部は、前記第2の方向に沿って延び、前記連結部が前記第1の方向に相対的に移動不能かつ前記第2の方向に相対的に移動可能に組み合わせられ、前記第1の抵抗部は、前記第2の方向に沿って延び、前記第1の基部の下側において前記粘性体に浸かるように設けられ、前記第2の基部は、前記第1の方向に沿って延び、前記連結部が前記第2の方向に相対的に移動不能かつ前記第1の方向に相対的に移動可能に組み合わせられ、前記第2の抵抗部は、前記第1の方向に沿って延び、前記第2の基部の下側において前記粘性体に浸かるように設けられ、前記第1の平板部と、前記第1の抵抗部と、前記第2の平板部と、前記第2の抵抗部とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置され、前記粘性体に浸かる前記第1の抵抗部は、前記第1の平板部と前記第2の平板部との間において、前記収容部に対して前記第1の方向に移動可能であり、前記粘性体に浸かる前記第2の抵抗部は、前記第2の平板部と前記収容部の底面との間において、前記収容部に対して前記第2の方向に移動可能である。
前記第1の平板部および前記第2の平板部は、矩形状をなし、前記第1のセパレータは、前記第1の平板部の各辺からそれぞれ下方に延びる第1の外周板を有して有蓋四角筒状をなし、前記第2のセパレータは、前記第2の平板部の各辺からそれぞれ下方に延びる第2の外周板を有して有蓋四角筒状をなし、前記第1の抵抗部は、前記第1のセパレータ内において前記第1の方向に移動可能に構成され、前記第2の抵抗部は、前記第2のセパレータ内において前記第2の方向に移動可能に構成されても良い。
前記第1のスライダは、前記第1の基部と前記第1の抵抗部とを含む第1のスライダ本体部と、前記第1の方向において前記第1の抵抗部の一方の側に設けられた第1の補助抵抗部と、前記一方の側に対する他方の側に設けられた第2の補助抵抗部と、前記第1の抵抗部と前記第1の補助抵抗部とを接続し、前記第1の抵抗部の前記第1の方向に沿った移動に応じて、前記第1の補助抵抗部を前記第1の方向に沿って移動させる第1のリンク機構と、前記第1の抵抗部と前記第2の補助抵抗部とを接続し、前記第1の抵抗部の前記第1の方向に沿った移動に応じて、前記第1の補助抵抗部を前記第1の方向に沿って移動させる第2のリンク機構と、を有し、前記第2のスライダは、前記第2の基部と前記第2の抵抗部とを含む第2のスライダ本体部と、前記第2の方向において前記第2の抵抗部の一方の側に設けられた第3の補助抵抗部と、前記一方の側に対する他方の側に設けられた第4の補助抵抗部と、前記第2の抵抗部と前記第3の補助抵抗部とを接続し、前記第2の抵抗部の前記第2の方向に沿った移動に応じて、前記第3の補助抵抗部を前記第2の方向に沿って移動させる第3のリンク機構と、前記第2の抵抗部と前記第4の補助抵抗部とを接続し、前記第2の抵抗部の前記第2の方向に沿った移動に応じて、前記第4の補助抵抗部を前記第2の方向に沿って移動させる第4のリンク機構と、を有しても良い。
前記第2の方向に延びる前記第1の基部には、上下に貫通し、前記第2の方向に延びる第1の貫通孔が形成され、前記第1の方向に延びる前記第2の基部には、上下に貫通し、前記第1の方向に延びる第2の貫通孔が形成され、前記連結部は、鉛直方向に延びる柱状をなし、前記第2の方向に平行をなす一対の第1の側面と、前記第1の方向に平行をなす一対の第2の側面とを有し、前記連結部は、その前記一対の第1の側面が前記第1の貫通孔を形成する内周面に当接可能に、前記第1のスライダの前記第1の基部に対し組み合わせられ、前記一対の第2の側面が前記第2の貫通孔を形成する内周面に当接可能に、前記第2のスライダの前記第2の基部に対し組み合わせられても良い。
前記第1のスライダ本体部の前記第2の方向における両端には、前記収容部に対し前記第1の方向に移動可能に連結され、前記第1のスライダ本体部の前記第1の方向に沿った移動をガイドする一対の第1のガイド部が設けられ、前記第2のスライダ本体部の前記第1の方向における両端には、前記収容部に対し前記第2の方向に移動可能に連結され、前記第2のスライダ本体部の前記第2の方向に沿った移動をガイドする一対の第2のガイド部が設けられても良い。
本発明によれば、地震等による震動に対して粘性体の高さの高低の変動を抑えることで大きくかつ均一な所望する粘性抵抗力を発生させることができ、振動を減衰させることが可能な制振装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る制振装置の斜視図を示す。 第1の本実施形態に係る制振装置の分解斜視図を示す。 第1の実施形態に係る制振装置の連結部、第1のスライダ、および第2のスライダのみを示す図である。 下部構造体が水平方向に移動した時の制振装置の状態を示す図である。 第2の実施形態に係る制振装置の斜視図を示す。 第2の実施形態に係る制振装置の分解斜視図を示す。 制振装置の連結部の全体図を示す。 図6に示した制振装置からセパレータ部を削除した図を示す。 (a)は、第1のスライダの斜視図を示し、(b)は、第1の抵抗部および第1の補助部の斜視図を示す。 (a)は、セパレータ部の斜視図を示し、(b)は、セパレータ部の分解斜視図を示し、(c)は、セパレータ部の断面図を示す。 下部構造体が水平方向に移動した時の制振装置の状態を示す図である。 第1のスライダおよび第2のスライダが動作した状態を示す図である。 (a)は、第1のスライダが動作した状態を示す図であり、(b)は、第1の抵抗部および第1の補助部が動作した状態を示す図である。
本発明の第1の実施形態における制振装置について図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態における制振装置1の斜視図であり、図2は、第1の実施形態に係る制振装置1の分解斜視図であり、図3は、制振装置1の連結部2、第1のスライダ10、および第2のスライダ20のみを示す図である。
本実施形態における制振装置1は、建造物等の上部構造体と、基礎等の下部構造体との間の免震層に設置される制振装置である。
図1、2に示すように、制振装置1は、連結部2と、収容部である桶3と、第1のスライダ10と、第2のスライダ20と、第1のセパレータ4と、第2のセパレータ5とを備える。
連結部2は、鋼材等により構成され、上部構造体にボルト等により連結され固定される円柱部2Aと、円柱部2Aに対し鉛直方向に所定間隔で設けられた3つの鍔部2Bとを有する。
桶3は、鋼材等により構成され、底部3Aと筒状部3Bとにより上側が開口する有底筒状をなし、下部構造体にボルト等により連結され固定されている。筒状部3Bは、平面視矩形状をなしている。また、桶3は、粘性体6を収容している。粘性体6は、高粘度の高分子材料で構成され、その粘性抵抗力は速度依存性を有する。
第1のスライダ10は、鋼材等により構成され、桶3に対し第1の方向Xに移動可能に設けられ、第1の基部11と、一対の第1の腕部12と、第1の抵抗部13とを有する。
第1の基部11は、第2の方向Yに沿って延び、上下に貫通し第2の方向Yに延びる第1の貫通孔11aが形成されている。そして、連結部2は、その円柱部2Aが第1の貫通孔11aを貫通し、下側2つの鍔部2Bが第1の基部11を挟むようにして、第1の基部11に対し組み合わせられている。これにより、連結部2は、第1の基部11に対し、第1の方向Xに相対的に移動不能かつ第2の方向Yに相対的に移動可能に組み合わせられている。なお、第1の基部11に対し、黒鉛等が含まれた表面処理を施していても良い。
一対の第1の腕部12は、第1の基部11の第2の方向Yの両端部からそれぞれ下方に延び、筒状部3Bの内周面に当接するように設けられている。
第1の抵抗部13は、第2の方向Yに沿って延び、一対の第1の腕部12の下端に連結され、粘性体6に浸かった状態である。
第2のスライダ20は、鋼材等により構成され、桶3に対し第2の方向Yに移動可能に設けられ、第2の基部21と、一対の第2の腕部22と、第2の抵抗部23とを有する。
第2の基部21は、第1の方向Xに沿って延び、上下に貫通し第1の方向Xに延びる第2の貫通孔21aが形成されている。第2の基部21は、第1の基部11の上側に位置している。そして、連結部2は、その円柱部2Aが第2の貫通孔21aを貫通し、上側2つの鍔部2Bが第2の基部21を挟むようにして、第2の基部21に対し組み合わせられている。これにより、連結部2は、第2の基部21に対し、第2の方向Yに相対的に移動不能かつ第1の方向Xに相対的に移動可能に組み合わせられている。
よって、図3に示すように、連結部2は、第1のスライダ10および第2のスライダ20に対し連結されている。そして、連結部2が相対的に第1の方向Xに沿って移動する場合、第1のスライダ10は、連結部2と共に第1の方向Xに移動し、第2のスライダ20は移動せず、第2のスライダ20の第2の基部21の第2の貫通孔21a内を連結部2が移動する。一方、連結部2が相対的に第2の方向Yに沿って移動する場合、第2のスライダ20は、連結部2と共に第2の方向Yに移動し、第1のスライダ10は移動せず、第1のスライダ10の第1の基部11の第1の貫通孔11a内を連結部2が移動する。なお、第2の基部21に対し、黒鉛等が含まれた表面処理を施していても良い。
一対の第2の腕部22は、第2の基部21の第1の方向Xの両端部からそれぞれ下方に延び、筒状部3Bの内周面に当接するように設けられている。
第2の抵抗部23は、第1の方向Xに沿って延び、一対の第2の腕部22の下端に連結され、粘性体6に浸かった状態である。また、第2の抵抗部23は、第1の抵抗部13の下側であって、桶3の底部3A上に位置する。
第1のセパレータ4は、鋼材等により構成され、矩形状の第1の平板部4Aからなり、連結部2の最も下側の鍔部2Bと、第1の抵抗部13との間に設けられている。第1のセパレータ4は、その四隅が図示せぬ固定具を介して筒状部3Bの四隅または底部3Aに固定されることにより、桶3に対し固定されている。
第2のセパレータ5は、鋼材等により構成され、矩形状の第2の平板部5Aからなり、第1の抵抗部13と、第2の抵抗部23との間に設けられている。第2のセパレータ5は、第1のセパレータ4と同様に、その四隅が図示せぬ固定具を介して筒状部3Bの四隅または底部3Aに固定されることにより、桶3に対し固定されている。
このように、第1の平板部4Aと、第1の抵抗部13と、第2の平板部5Aと、第2の抵抗部23とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置されている。また、粘性体6に浸かる第1の抵抗部13は、第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間において、桶3に対して第1の方向Xに移動可能に設けられ、粘性体6に浸かる第2の抵抗部23は、第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間において、桶3に対して第2の方向Yに移動可能に設けられている。
次に、制振装置1による振動の減衰動作について、図1、4を参照して説明する。
例えば、地震が発生すると、振動が下部構造体に伝わり、下部構造体が水平方向に移動する。ここで、下部構造体は、図1に示す第1の方向Xおよび第2の方向Yに交差する第3の方向Z(紙面左上側)に移動したとする。
下部構造体の移動と共に、桶3と、桶3に固定された第1セパレータ4および第2セパレータ5も、第3の方向Zに移動する。この移動により、上部構造体に連結された連結部2は相対的に第3の方向Zの反対側の方向(紙面右下側)に移動する。すなわち、図4に示すように、連結部2は、桶3、第1セパレータ4、および第2セパレータ5に対し、相対的に紙面右下側へ移動する。そして、連結部2の移動に伴って、連結部2に対し結合された第1のスライダ10と第2のスライダ20も移動する。詳細には、連結部2は、第1のスライダ10の第1の基部11の第1の貫通孔11a内および第2スライダ20の第2の基部21の第2の貫通孔21a内を移動し、これに伴い、第1のスライダ10は桶3の筒状部3Aの内周面に沿って第1の方向Xに、第2のスライダ20は桶3の筒状部3Aの内周面に沿って第2の方向Yに移動する。
そして、第1のスライダ10の移動により、第1の抵抗部13が第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間に存在する粘性体6を押し出すようにして移動する。これにより、粘性体6が第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間から流出するように流動する。同様に、第2のスライダ20の移動により、第2の抵抗部23が第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間に存在する粘性体6を押し出すようにして移動する。これにより、粘性体6が第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間から流出するように流動する。
このような粘性体6の流動による粘性抵抗力により、振動が減衰される。
また、速度依存性を有する粘性体6は、第1のスライダ10の第1の抵抗部13および第2のスライダ20の第2の抵抗部23の、桶3、第1の平板部4Aおよび第2の平板部5Aに対する相対的な移動速度に応じた粘性抵抗力を発生する。すなわち、第1のスライダ10の第1の抵抗部13が、第1の平板部4Aおよび第2の平板部5Aに対し相対的に高速で移動しようとすると、粘性体6は大きな粘性抵抗力を発生する。同様に、第2のスライダ20の第2の抵抗部23が、第2の平板部5Aおよび桶3の底部3Aに対し相対的に高速で移動しようとすると、粘性体6は大きな粘性抵抗力を発生する。このように、第1のスライダ10の第1の抵抗部13および第2のスライダ20の第2の抵抗部23が、桶3、第1の平板部4Aおよび第2の平板部5Aに対して相対的に高速移動するときは、大きな粘性抵抗力により振動を減衰させることができる。
一方、第1のスライダ10の第1の抵抗部13が、第1の平板部4Aおよび第2の平板部5Aに対し相対的に低速で移動するときは、粘性体6には大きな粘性抵抗力を発生しない。同様に、第2のスライダ20の第2の抵抗部23が、第2の平板部5Aおよび桶3の底部3Aに対し相対的に低速で移動しようとするときは、粘性体6には大きな粘性抵抗力を発生しない。
以上のように、本実施形態の制振装置1では、連結部2は、第1のスライダ10の第2の方向Yに沿って延びる第1の基部11に対し、第1の方向Xに相対的に移動不能かつ第2の方向Yに相対的に移動可能に組み合わせられ、かつ、第2のスライダ20の第1の方向Xに沿って延びる第2の基部21に対し、第2の方向Yに相対的に移動不能かつ第1の方向Xに相対的に移動可能に組み合わせられている。そして、第1の平板部4Aと、第1の抵抗部13と、第2の平板部5Aと、第2の抵抗部23とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置されている。また、粘性体6に浸かる第1の抵抗部13は、第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間において、桶3に対して第1の方向Xに移動可能に設けられ、粘性体6に浸かる第2の抵抗部23は、第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間において、桶3に対して第2の方向Yに移動可能に設けられている。
このような構成において、地震発生時に、下部構造体が水平方向に移動することにより、連結部2に組み合わせられた第1のスライダ10と第2のスライダ20とが、桶3、第1のスライダ10、および第2のスライダ20に対し相対的に移動する。その結果、第1のスライダ10の第1の抵抗部13が、第1の平板部4Aと第2の平板部5Aとの間をそれらの間に存在する粘性体6を押し出すように移動し、第2のスライダ20の第2の抵抗部23が、第2の平板部5Aと桶3の底部3Aとの間をそれらの間に存在する粘性体6を押し出すように移動する。
よって、粘性体6は、第1の平板部4A、第2の平板部5A、および桶3の底部3Aにより、第1の抵抗部13および第2の抵抗部23に押されても鉛直方向に逃げることはないので、大きな粘性抵抗力を発生させることができ、大きな振動を減衰させることができる。
次に、第2の実施形態における制振装置について図面を参照しながら説明する。図5は、第2の実施形態に係る制振装置101の斜視図を示し、図6は、第2の実施形態に係る制振装置101の分解斜視図を示し、図7は、連結部102の全体図を示している。なお、第1の実施形態の制振装置1と同一の部材(同一の機能を有する部材)について、同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
図5、図6に示すように、制振装置101は、連結部102と、収容部である桶3と、第1のスライダ110と、第2のスライダ120と、セパレータ部30とを備える。
連結部102は、鋼材等により構成され、図7に示すように、上部構造体にボルト等により連結され鉛直方向に延び柱状をなす柱部102Aと、柱部102Aに対し鉛直方向に所定間隔で設けられた2つの鍔部102Bとを有する。柱部102Aは、第1スライダ110の第1の基部11の第1の貫通孔11aおよび第2スライダ120の第2の基部21の第2の貫通孔21aを貫通し、2つの鍔部102Bが第2の基部21を挟むようして、連結部102は、第1の基部11および第2の基部21に対し連結されている。
柱部102Aは、第2の方向Yに平行をなす一対の第1の側面102Cと、第1の方向Xに平行をなす一対の第2の側面102Dとを有している。図6に示すように、第1の側面102Cは、第1の基部11の第1の貫通孔11aを形成する内周面に当接可能に構成され、第2の側面102Dは、第2の基部21の第2の貫通孔21aを形成する内周面に当接可能に構成される。
次に、第1のスライダ110および第2のスライダ120の構成について図8、図9を参照して説明する。
図8は、図6に示した制振装置101からセパレータ部30を削除した図を示し、図9(a)は、第1のスライダ110の斜視図を示し、図9(b)は、第1の抵抗部13および第1の補助部40の斜視図を示している。
第1のスライダ110は、鋼材等により構成され、桶3に対し第1の方向Xに移動可能に設けられ、第1の基部11と、一対の第1の腕部12と、第1の抵抗部13と、第1の補助部40と、一対の第1のガイド部14とを有する。第1の基部11と、一対の第1の腕部12と、第1の抵抗部13とが、第1のスライダ本体部110Aに相当する。
図9に示すように、第1の補助部40は、少なくとも1本(本実施形態では2本)の第1の補助抵抗部41と、少なくとも1本(本実施形態では2本)の第2の補助抵抗部42と、第1のリンク機構43と、第2のリンク機構44とを有する。
2本の第1の補助抵抗部41は、平板状をなし、第1の抵抗部13の第1の方向Xにおける左下側(一方の側)に、第2の方向Yに延びる第1の抵抗部13と平行に並べられ、第1のリンク機構43により並列に接続されている。
第1のリンク機構43は、4本の第1のリンク部43Aにより構成され、各第1のリンク部43Aは、複数のアーム43Bにより構成される。複数のアーム部43Bが、各端部で互い回転可能に第1の方向Xに沿って連なるように接続される。かかる構成により、各第1のリンク部43は、山部と谷部を形成して、山部と谷部の角度を変えながら伸縮するように構成されている。なお、図8、9においては、各第1のリンク部43について一本のアーム43Bにのみ参照番号を付している。
2本の第1のリンク部43Aを一組として、各組の2本の第1のリンク部43Aが第1の抵抗部13の第2の方向Yの両端にそれぞれ鉛直方向に間隔をあけて配置され、各第1のリンク部43Aの一端が第1の抵抗部13に連結され、他端がセパレータ部30の側板部33に連結されるように構成されている。そして、各第1の補助抵抗部41の第2の方向Yにおける両端が、各組の2本の第1のリンク部43Aに挟まれるようにしてそれぞれ2本の第1のリンク部43Aに対し連結されている。そして、第1のリンク機構43の伸縮動作に応じて、2本の第1の補助抵抗部41は、第1の方向Xに沿って移動する。このように、第1のリンク機構43は、第1の抵抗部13と第1の補助抵抗部41とを接続し、第1の抵抗部13の第1の方向Xに沿った移動に応じて、第1の補助抵抗部41を第1の方向Xに沿って移動させるように構成されている。
2本の第2の補助抵抗部42と第2のリンク機構44は、第1の抵抗部13の第1の方向Xにおける右上側(他方の側)に設けられており、2本の第1の補助抵抗部41と第1のリンク機構43とほぼ同様の構成であるので詳細な説明を省略する。第2のリンク機構44は、第1のリンク機構43の4本の第1のリンク部42Aに対応する4本の第2のリンク部44Aを有し、各第2のリンク部44Aは、複数のアーム44Bにより構成される。そして、第2のリンク機構44の伸縮動作に応じて、2本の第2の補助抵抗部42は、第1の方向Xに沿って移動する。第2のリンク機構44は、第1の抵抗部13と第2の補助抵抗部42とを接続し、第1の抵抗部13の第1の方向Xに沿った移動に応じて、第2の補助抵抗部42を第1の方向Xに沿って移動させるように構成されている。
図8、図9(a)に示すように、各第1のガイド部14は、それぞれ第2の腕部12の外側(第1スライダ本体部110Aの第2の方向Yにおける両端)に連結され、第1の方向Xに直交する断面が略鉤状をなす鉤状部14Aを有する。図5に示すように、各鉤状部14Aに、桶3の筒状部3Bが嵌ることにより、各第1のガイド部14が桶3の筒状部3Bに対し第1の方向Xに移動可能に連結されている。
図8に示すように、第2のスライダ120は、鋼材等により構成され、桶3に対し第2の方向Yに移動可能に設けられ、第2の基部21と、一対の第2の腕部22と、第2の抵抗部23と、第2の補助部50と、一対の第2のガイド部24とを有する。第2の基部21と、一対の第2の腕部22と、第2の抵抗部23とが、第2のスライダ本体部120Aに相当する。
第2の補助部50の構成は、図9に示した第1の補助部40の構成と向きが異なる以外は同じであるので、詳細な説明は省略する。
図8に示すように、第2の補助部50は、少なくとも1本(本実施形態では2本)の第3の補助抵抗部51と、少なくとも1本(本実施形態では2本)の第4の補助抵抗部52と、第3のリンク機構53と、第4のリンク機構54とを有する。複数の第3の補助抵抗部51、複数の第4の補助抵抗部52、第3のリンク機構53、および、第4のリンク機構54は、それぞれ第2の補助部40の複数の第1の補助抵抗部41、複数の第2の補助抵抗部42、第1のリンク機構43、および、第2のリンク機構44に対応する。
2本の第3の補助抵抗部51と第3のリンク機構53は、第2の抵抗部23の第2の方向Yにおける左側(一方の側)に設けられている。第3のリンク機構53は、第1のリンク機構43と同様に、4本の第3のリンク部53Aにより構成され(図8には2本のみ図示)、各第3のリンク部53Aは、複数のアーム53Bにより構成される。第3のリンク機構53は、第2の抵抗部23と第3の補助抵抗部51とを接続し、第2の抵抗部23の第2の方向Yに沿った移動に応じて、第3の補助抵抗部51を第2の方向Yに沿って移動させるように構成されている。
2本の第4の補助抵抗部52と第4のリンク機構54は、第2の抵抗部23の第2の方向Yにおける右側(他方の側)に設けられている。第4のリンク機構54は、第2のリンク機構44と同様に、4本の第4のリンク部54Aにより構成され(図8には2本のみ図示)、各第4のリンク部54Aは、複数のアーム54Bにより構成される。第4のリンク機構54は、第2の抵抗部23と第4の補助抵抗部52とを接続し、第2の抵抗部23の第2の方向Yに沿った移動に応じて、第4の補助抵抗部52を第2の方向Yに沿って移動させるように構成されている。
各第2のガイド部24は、それぞれ第2の腕部22の外側(第2スライダ本体部120Aの第1の方向Xにおける両端)に連結され、第2の方向Xに直交する断面が略鉤状をなす鉤状部24Aを有する。図5に示すように、各鉤状部24Aに、桶3の筒状部3Bが嵌ることにより、各第2のガイド部24が桶3の筒状部3Bに対し第2の方向Yに移動可能に連結されている。
次に、セパレータ部30の構成について、図10を参照して説明する。
図10(a)は、セパレータ部30の斜視図を示し、図10(b)は、セパレータ部30の分解斜視図を示し、図10(c)は、セパレータ部30の断面図を示している。
図10(a)、(b)に示すように、セパレータ部30は、鋼材等により構成され、第1の蓋部31と、第2の蓋部32と、一対の側板部33とを有する。
第1の蓋部31は、略矩形状をなす第1の平板部31Aと、第1の平板部31Aの第2の方向Yにおける両端辺からそれぞれ下方に延びる一対の第1の外周板31Bとを有する。第2の蓋部32は、略矩形状をなす第2の平板部32Aと、第2の平板部32Aの第2の方向Yにおける両端辺からそれぞれ下方に延びる一対の第2の外周板32Bとを有する。各第2の外周板32Bの下端には、桶3の底部3Aに固定される設置部32Cが設けられている。セパレータ部30は、設置部32Cが底部3Aに対しボルト等により連結されることにより、桶3に対し固定されている。
各側板部33は、第1の蓋部31および第2の蓋部32に対し、それらの第1の方向Xの両端の開口を閉じるように接続されている。第1の蓋部31および第2の蓋部32が一対の側板部33に接続された状態で、第1の蓋部31と第2の蓋部32との間には、第1の隙間34が形成され、一対の側板部33と桶3の底部3Aとの間には、設置部32Cにより第2の隙間35が形成されている。第1の蓋部31と一対の側板部33の上側部分とにより、有蓋四角筒状をなす第1のセパレータが構成され、第2の蓋部32と一対の側板部33の下側部分とにより、有蓋四角筒状をなす第2のセパレータが構成される。また、第1の平板部31Aと、第1の抵抗部13と、第2の平板部32Aと、第2の抵抗部23とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置されている。
そして、図10(c)に示すように、第1の隙間34に対し、第1のスライダ110の各第1の腕部12が挿入され、第1の腕部12に固定された第1の抵抗13が、第1の蓋部31と一対の側板部33の上側部分とにより構成される第1のセパレータ内において、第1の方向Xに沿って移動可能に構成されている。同様に、第2の隙間35に対し、第2のスライダ120の各第2の腕部22が挿入され、第2の腕部22に固定された第2の抵抗23が、第2の蓋部32と一対の側板部33の下側部分とにより構成される第2のセパレータ内において、第2の方向Yに沿って移動可能に構成されている。
次に、制振装置1による振動の減衰動作について、図5、図11〜13を参照して説明する。
図11は、本実施形態において下部構造体が水平方向に移動した時の制振装置101の状態を示す図であり、図12は、第1のスライダ110および第2のスライダ120が動作した状態を示す図であり、図13(a)は、第1のスライダ110が動作した状態を示す図であり、図13(b)は、第1の抵抗部13および第1の補助部40が動作した状態を示す図である。
例えば、地震が発生すると、振動が下部構造体に伝わり、下部構造体が水平方向に移動する。ここで、下部構造体は、図5に示す第1の方向Xおよび第2の方向Yに交差する第3の方向Z(紙面左下側)に移動したとする。
下部構造体の移動と共に、桶3と、桶3に固定された第1セパレータおよび第2セパレータを構成するセパレータ部30も、第3の方向Zに移動する。この移動により、上部構造体に連結された連結部102は相対的に第3の方向Zの反対側の方向(紙面右上側)に移動する。すなわち、図11に示すように、連結部102は、桶3、セパレータ部30に対し、相対的に紙面右上側へ移動する。そして、連結部102の移動に伴って、連結部102に対し結合された第1のスライダ本体部110Aと第2のスライダ本体部120aも移動する。詳細には、連結部102は、第1のスライダ本体部110Aの第1の基部11の第1の貫通孔11a内および第2のスライダ本体部120Aの第2の基部21の第2の貫通孔21a内を移動し、これに伴い、第1のスライダ本体部110Aは桶3の筒状部3Aの内周面に沿って第1の方向Xに、第2のスライダ本体部120Aは桶3の筒状部3Aの内周面に沿って第2の方向Yに移動する。
そして、第1のスライダ本体部110Aの移動により、第1の抵抗部13が、第1の蓋部31と一対の側板部33の上側部分とにより構成され有蓋四角筒状をなす第1のセパレータ内を、その中に存在する粘性体6をかき分けるようにして移動する。これにより、粘性体6が第1のセパレータ内を流動する。同様に、第2のスライダ本体部120Aの移動により、第2の抵抗部23が、第2の蓋部32と一対の側板部33の下側部分とにより構成され有蓋四角筒状をなす第2のセパレータ内を、その中に存在する粘性体6をかき分けるようにして移動する。これにより、粘性体6が第1のセパレータ内を流動する。
このような粘性体6の流動による粘性抵抗力により、振動が減衰される。
また、図12に示すように、第1のスライダ本体部110Aが第1の方向Xに移動することにより、第1の抵抗部13に接続された第1の補助部40の第1のリンク機構43および第2のリンク機構44は、第1の補助抵抗部41および第2の補助抵抗部42を第1の方向Xに沿って移動させる(第2のリンク機構については図13(b)を参照)。詳細には、図13(a)、(b)に示すように、第1の抵抗部13が、第1の方向Xにおける左下側(一方の側)から右上側(他方の側)へ移動する場合、第1の補助抵抗部41は、第1のリンク機構43により、他方の側へ向かって移動しながら、第1の抵抗部13に対して一方の側に位置する粘性体6を第1の抵抗部13へ向かって移動させる。この粘性体6の流動によっても粘性抵抗力が発生し、振動が減衰される。
なお、第1の抵抗部13が、第1の方向Xにおける右上側(他方の側)から左下側(一方の側)へ移動する場合、第1の補助抵抗部42は、第2のリンク機構44により、一方の側へ向かって移動しながら、第1の抵抗部13に対して他方の側に位置する粘性体6を第1の抵抗部13へ向かって移動させる。
また、図12に示すように、第2のスライダ本体部120Aが第2の方向Yに移動することにより、第2の抵抗部23に接続された第2の補助部50の第3のリンク機構53および第4のリンク機構54は、第3の補助抵抗部51および第4の補助抵抗部52を第2の方向Yに沿って移動させる。詳細には、第2の抵抗部23が、第2の方向Yにおける左上側(一方の側)から右下側(他方の側)へ移動する場合、第3の補助抵抗部51は、第3のリンク機構53により、他方の側へ向かって移動しながら、第2の抵抗部23に対して一方の側に位置する粘性体6を第2の抵抗部23へ向かって移動させる。この粘性体6の流動によっても粘性抵抗力が発生し、振動が減衰される。
なお、第2の抵抗部23が、第2の方向Yにおける右下側(他方の側)から左上側(一方の側)へ移動する場合、第3の補助抵抗部52は、第4のリンク機構54により、一方の側へ向かって移動しながら、第2の抵抗部23に対して他方の側に位置する粘性体6を第2の抵抗部23へ向かって移動させる。
また、図11に示すように、連結部102が桶3に対し相対的に第3の方向Zの反対側の方向(紙面右上側)に移動する際には、連結部102の第1の側面102Cは、第1の基部11の第1の貫通孔11aを形成する内周面に当接し押圧しながら移動し、連結部102の第2の側面102Dは、第2の基部21の第2の貫通孔21aを形成する内周面に当接し押圧しながら移動する。
また、図11に示すように、第1のスライダ本体部110Aの両端に設けられた一対の第1のガイド部14は、その鉤状部14Aに桶3の筒状部3Bが嵌り筒状部3Bに連結された状態で、第1のスライダ本体部110Aの第1の方向Xの移動をガイドしている。同様に、第2のスライダ本体部120Aの両端に設けられた一対の第2のガイド部24は、その鉤状部24Aに桶3の筒状部3Bが嵌り筒状部3Bに連結された状態で、第2のスライダ本体部120Aの第2の方向Yの移動をガイドしている。
以上のように、本実施形態の制振装置101では、第1のスライダ110の移動により、第1の抵抗部13が、第1の蓋部31と一対の側板部33の上側部分とにより構成され有蓋四角筒状をなす第1のセパレータ内を、その中に存在する粘性体6をかき分けるように第1の方向Xに移動する。同様に、第2のスライダ120の移動により、第2の抵抗部23が、第2の蓋部32と一対の側板部33の下側部分とにより構成され有蓋四角筒状をなす第2のセパレータ内を、その中に存在する粘性体6をかき分けるように第2の方向Yに移動する。
かかる構成によれば、第1のセパレータおよび第2セパレータは有蓋四角筒状をなしているので、粘性体6は、四方が囲まれた空間に存在し、当該空間内を第1の抵抗部13および第2の抵抗部23が移動することとなる。その結果、第1の抵抗部13および第2の抵抗部23により押される粘性体6が逃げられる空間を少なくすることができるので、大きな粘性抵抗力を発生させることができ、大きな振動を減衰させることができる。
また、第1の抵抗部13が、第1の方向Xにおける一方の側から他方の側へ移動する場合、第1の補助抵抗部41は、第1のリンク機構43により、他方の側へ向かって移動しながら、第1の抵抗部13に対して一方の側に位置する粘性体6を第1の抵抗部13へ向かって移動させる。第1の抵抗部13が、第1の方向Xにおける他方の側から一方の側へ移動する場合、第1の補助抵抗部42は、第2のリンク機構44により、一方の側へ向かって移動しながら、第1の抵抗部13に対して他方の側に位置する粘性体6を第1の抵抗部13へ向かって移動させる。
また、第2の抵抗部23が、第2の方向Yにおける一方の側から他方の側へ移動する場合、第3の補助抵抗部51は、第3のリンク機構53により、他方の側へ向かって移動しながら、第2の抵抗部23に対して一方の側に位置する粘性体6を第2の抵抗部23へ向かって移動させる。第2の抵抗部23が、第2の方向Yにおける他方の側から一方の側へ移動する場合、第3の補助抵抗部52は、第4のリンク機構54により、一方の側へ向かって移動しながら、第2の抵抗部23に対して他方の側に位置する粘性体6を第2の抵抗部23へ向かって移動させる。
かかる構成によれば、第1の抵抗部13および第2の抵抗部23が移動する際に、移動した側の反対側に存在する粘性体6を第1の抵抗部13および第2の抵抗部23に追従して移動させることができる。よって、第1の抵抗部13および第2の抵抗部23が当該反対側に移動する時に、第1の抵抗部13および第2の抵抗部23に押される粘性体6が存在しないという状態を防止することができ、常に大きな粘性抵抗力を発生させることができる。
また、図7に示すように、連結部102は、鉛直方向に延び略正四角柱状をなす柱部102Aを有し、図11に示すように、連結部102が桶3に対し相対的に第3の方向Zの反対側の方向(紙面右上側)に移動する際には、連結部102の第1の側面102Cは、第1の基部11の第1の貫通孔11aを形成する内周面に当接し押圧しながら移動し、連結部102の第2の側面102Dは、第2の基部21の第2の貫通孔21aを形成する内周面に当接し押圧しながら移動する。
かかる構成によれば、連結部102の第1の側面102Cが、第1の基部11の第1の貫通孔11aを形成する内周面に面当接しながら押すので、第1の基部11が、その第2の方向Yにおける中央部から外れた部分を連結部102により押されたとしても、第1の基部11がねじれるのを抑制することができる。同様に、連結部102の第2の側面102Dが、第2の基部21の第1の貫通孔21aを形成する内周面に面当接しながら押すので、第2の基部21が、その第1の方向Xにおける中央部から外れた部分を連結部102により押されたとしても、第2の基部21がねじれるのを抑制することができる。
また、図11に示すように、第1のスライダ本体部110Aの両端に設けられた一対の第1のガイド部14は、その鉤状部14Aに桶3の筒状部3Bが嵌り筒状部3Bに連結された状態で、第1のスライダ本体部110Aの第1の方向Xの移動をガイドしている。同様に、第2のスライダ本体部120Aの両端に設けられた一対の第2のガイド部24は、その鉤状部24Aに桶3の筒状部3Bが嵌り筒状部3Bに連結された状態で、第2のスライダ本体部120Aの第2の方向Yの移動をガイドしている。
かかる構成によれば、第1のスライダ本体部110Aおよび第2のスライダ本体部120Aが、連結部102に押されて移動する際にねじれるのを抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
例えば、第1の実施形態における連結部2の円柱部2Aを、第2の実施形態における連結部102の柱部102Aのように略四角柱状にしても良い。同様に、第2の実施形態における連結部102の略四角柱状の柱部102Aを、第1の実施形態における連結部2の円柱部2Aのようにしても良い。また、第2の実施形態における連結部102の柱部102Aは、一対の第1の側面102Cと一対の第2の側面102Dとを有していれば、その形状は略四角柱状に限らない。また、第1の実施形態における第1のスライダ10に対し、第2の実施形態における第1スライダ110の補助部40および一対の第1のガイド部14を設けても良いし、第1の実施形態における第2のスライダ20に対し、第2の実施形態における第2スライダ120の第2の補助部50および一対の第2のガイド部24を設けても良い。
1、101:制振装置、 2、102:連結部、 3:桶、 4:第1のセパレータ、 5:第2のセパレータ、 6:粘性体、 10:第1のスライダ、 11:第1の基部、 11a:第1の貫通孔、 13:第1の抵抗部、 14:第1のガイド部、 20:第2のスライダ、 21:第2の基部、 21a:第2の貫通孔、 23:第2の抵抗部、 24:第2のガイド部、 30:セパレータ部、31:第1の蓋部、 32:第2の蓋部、 33:側板部、 41:第1の補助抵抗部、 42:第2の補助抵抗部、 43:第1のリンク機構、44:第2のリンク機構、 51:第3の補助抵抗部、 52第4の補助抵抗部、 53:第3のリンク機構、 54:第4のリンク機構、 102C:第1の側面、 102D:第2の側面、 110:第1のスライダ、 110A:第1のスライダ本体部、 120:第2のスライダ、 120A:第2のスライダ本体部

Claims (5)

  1. 上部構造体と下部構造体との間に設置される制振装置であって、
    前記上部構造体に連結される連結部と、
    前記下部構造体に連結され、上側が開口し、粘性体を収容する収容部と、
    前記収容部に対して第1の方向に移動可能に設けられ、第1の基部と第1の抵抗部とを有する第1のスライダと、
    前記収容部に対して前記第1の方向に直交する第2の方向に移動可能に設けられ、第2の基部と第2の抵抗部とを有する第2のスライダと、
    第1の平板部を有する第1のセパレータと、
    第2の平板部を有する第2のセパレータと、を備え、
    前記第1の基部は、前記第2の方向に沿って延び、前記連結部が前記第1の方向に相対的に移動不能かつ前記第2の方向に相対的に移動可能に組み合わせられ、
    前記第1の抵抗部は、前記第2の方向に沿って延び、前記第1の基部の下側において前記粘性体に浸かるように設けられ、
    前記第2の基部は、前記第1の方向に沿って延び、前記連結部が前記第2の方向に相対的に移動不能かつ前記第1の方向に相対的に移動可能に組み合わせられ、
    前記第2の抵抗部は、前記第1の方向に沿って延び、前記第2の基部の下側において前記粘性体に浸かるように設けられ、
    前記第1の平板部と、前記第1の抵抗部と、前記第2の平板部と、前記第2の抵抗部とは、上側からこの順に隣接して鉛直方向に並んで配置され、
    前記粘性体に浸かる前記第1の抵抗部は、前記第1の平板部と前記第2の平板部との間において、前記収容部に対して前記第1の方向に移動可能であり、
    前記粘性体に浸かる前記第2の抵抗部は、前記第2の平板部と前記収容部の底面との間において、前記収容部に対して前記第2の方向に移動可能である制振装置。
  2. 前記第1の平板部および前記第2の平板部は、矩形状をなし、
    前記第1のセパレータは、前記第1の平板部の各辺からそれぞれ下方に延びる第1の外周板を有して有蓋四角筒状をなし、
    前記第2のセパレータは、前記第2の平板部の各辺からそれぞれ下方に延びる第2の外周板を有して有蓋四角筒状をなし、
    前記第1の抵抗部は、前記第1のセパレータ内において前記第1の方向に移動可能に構成され、
    前記第2の抵抗部は、前記第2のセパレータ内において前記第2の方向に移動可能に構成された請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記第1のスライダは、
    前記第1の基部と前記第1の抵抗部とを含む第1のスライダ本体部と、
    前記第1の方向において前記第1の抵抗部の一方の側に設けられた第1の補助抵抗部と、
    前記一方の側に対する他方の側に設けられた第2の補助抵抗部と、
    前記第1の抵抗部と前記第1の補助抵抗部とを接続し、前記第1の抵抗部の前記第1の方向に沿った移動に応じて、前記第1の補助抵抗部を前記第1の方向に沿って移動させる第1のリンク機構と、
    前記第1の抵抗部と前記第2の補助抵抗部とを接続し、前記第1の抵抗部の前記第1の方向に沿った移動に応じて、前記第1の補助抵抗部を前記第1の方向に沿って移動させる第2のリンク機構と、を有し、
    前記第2のスライダは、
    前記第2の基部と前記第2の抵抗部とを含む第2のスライダ本体部と、
    前記第2の方向において前記第2の抵抗部の一方の側に設けられた第3の補助抵抗部と、
    前記一方の側に対する他方の側に設けられた第4の補助抵抗部と、
    前記第2の抵抗部と前記第3の補助抵抗部とを接続し、前記第2の抵抗部の前記第2の方向に沿った移動に応じて、前記第3の補助抵抗部を前記第2の方向に沿って移動させる第3のリンク機構と、
    前記第2の抵抗部と前記第4の補助抵抗部とを接続し、前記第2の抵抗部の前記第2の方向に沿った移動に応じて、前記第4の補助抵抗部を前記第2の方向に沿って移動させる第4のリンク機構と、を有する、
    請求項1または請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記第2の方向に延びる前記第1の基部には、上下に貫通し、前記第2の方向に延びる第1の貫通孔が形成され、
    前記第1の方向に延びる前記第2の基部には、上下に貫通し、前記第1の方向に延びる第2の貫通孔が形成され、
    前記連結部は、鉛直方向に延びる柱状をなし、前記第2の方向に平行をなす一対の第1の側面と、前記第1の方向に平行をなす一対の第2の側面とを有し、
    前記連結部は、その前記一対の第1の側面が前記第1の貫通孔を形成する内周面に当接可能に、前記第1のスライダの前記第1の基部に対し組み合わせられ、前記一対の第2の側面が前記第2の貫通孔を形成する内周面に当接可能に、前記第2のスライダの前記第2の基部に対し組み合わせられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制振装置。
  5. 前記第1のスライダ本体部の前記第2の方向における両端には、前記収容部に対し前記第1の方向に移動可能に連結され、前記第1のスライダ本体部の前記第1の方向に沿った移動をガイドする一対の第1のガイド部が設けられ、
    前記第2のスライダ本体部の前記第1の方向における両端には、前記収容部に対し前記第2の方向に移動可能に連結され、前記第2のスライダ本体部の前記第2の方向に沿った移動をガイドする一対の第2のガイド部が設けられている請求項3または請求項4に記載の制振装置。

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