JP2016172970A - 路盤嵩上工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮設用地を確保することなく路盤を嵩上げすることができる路盤嵩上工法を実現する。【解決手段】路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を配置する工程と、軌框支持板10に設けられている貫通孔11aを通じて地中に鉛直向きに杭材20を埋入する工程と、地中に埋入した杭材20の上端に、所望する嵩上げ高さに達する嵩上用杭材30を鉛直向きに接続する工程と、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げる工程と、軌框支持板10を嵩上用杭材30の上端部に固定する工程と、を備えた路盤嵩上工法によって、軌框1を支えている路盤2を嵩上げして鉄道軌道100を構築した。【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道軌道などの路盤を嵩上げする路盤嵩上工法に関する。
従来、鉄道の軌道を高架化する方法として、既存の軌道の近傍に仮線を設け、その仮線で列車の運行を継続させている間に軌道に沿った高架橋を施工し、完成した高架橋上に本線を設け、仮線から本線への切り替え工事を行った後に、仮線を撤去するという仮線方式の工法が知られている。
また、盛土によって敷設されている鉄道の軌道を、高架橋による敷設に切り替える技術として、軌道の延伸方向に沿って複数の鋼管を盛土中に打設し、それら鋼管上に架け渡したスラブ桁上に軌道を設置した後に、盛土を撤去するという高架橋施工方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記仮線方式の工法を採用する場合、既存の軌道の近傍に仮線を設けるための用地を確保する必要があり、その用地取得のために事業費が増大する問題がある。
また、仮線を設けるための用地がない場合には、仮線方式の工法を実施することができない。
また、仮線を設けるための用地がない場合には、仮線方式の工法を実施することができない。
また、上記特許文献1の高架橋施工方法では、既存の盛土の法部を覆うように腹付盛土を設けて盛土の幅を広げ、その腹付盛土側に線路を一旦移設し、盛土の中央側に設置したスラブ桁上に線路を再度移設するといった手順をとるため、上記仮線方式の工法の場合と同様に、既存の盛土の両側に用地を確保するための問題が生じる。
本発明の目的は、仮設用地を確保することなく路盤を嵩上げすることができる路盤嵩上工法を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は路盤嵩上工法であって、
路盤上に敷設されている軌框の下側に軌框支持板を配置する工程と、
前記軌框支持板に設けられている貫通孔を通じて地中に鉛直向きに杭材を埋入する工程と、
地中に埋入した前記杭材の上端に、所望する嵩上げ高さに達する嵩上用杭材を接続する工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材に沿って上方に引き上げる工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材の所定位置に固定する工程と、
を備えるようにした。
路盤上に敷設されている軌框の下側に軌框支持板を配置する工程と、
前記軌框支持板に設けられている貫通孔を通じて地中に鉛直向きに杭材を埋入する工程と、
地中に埋入した前記杭材の上端に、所望する嵩上げ高さに達する嵩上用杭材を接続する工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材に沿って上方に引き上げる工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材の所定位置に固定する工程と、
を備えるようにした。
かかる構成の路盤嵩上工法であれば、既設の軌框の近傍に仮線を設けるための仮設用地を確保することなく、その軌框を支えている路盤を嵩上げすることができる。
具体的には、この路盤嵩上工法における、路盤上に敷設されている軌框の下側に軌框支持板を配置する作業、軌框支持板に設けられている貫通孔を通じて地中に鉛直向きに杭材を埋入する作業、地中に埋入した杭材の上端に嵩上用杭材を鉛直向きに立設させる作業、軌框支持板を嵩上用杭材に沿って上方に引き上げて嵩上用杭材の所定位置に固定する作業は、例えば終電後の夜間作業にて行うことができるので、軌框支持板を嵩上用杭材に沿って引き上げる作業の直前まで、嵩上げ前の軌框にて列車を運行させることが可能であり、軌框支持板を嵩上用杭材に固定して路盤ごと軌框を嵩上げした後には、速やかに列車の運行を開始することが可能になる。
つまり、この路盤嵩上工法によれば、列車の運行を継続させるための仮線を設けることなく、軌框を支えている路盤を嵩上げすることができる。
具体的には、この路盤嵩上工法における、路盤上に敷設されている軌框の下側に軌框支持板を配置する作業、軌框支持板に設けられている貫通孔を通じて地中に鉛直向きに杭材を埋入する作業、地中に埋入した杭材の上端に嵩上用杭材を鉛直向きに立設させる作業、軌框支持板を嵩上用杭材に沿って上方に引き上げて嵩上用杭材の所定位置に固定する作業は、例えば終電後の夜間作業にて行うことができるので、軌框支持板を嵩上用杭材に沿って引き上げる作業の直前まで、嵩上げ前の軌框にて列車を運行させることが可能であり、軌框支持板を嵩上用杭材に固定して路盤ごと軌框を嵩上げした後には、速やかに列車の運行を開始することが可能になる。
つまり、この路盤嵩上工法によれば、列車の運行を継続させるための仮線を設けることなく、軌框を支えている路盤を嵩上げすることができる。
また、望ましくは、
前記貫通孔は、前記軌框支持板の両側に設けられており、前記軌框支持板が前記軌框の下側に配置された状態で、前記軌框を挟む配置にあるようにした。
こうすることで、軌框を挟んだ両側に嵩上用杭材を立設させることができるので、軌框の両側で対を成す嵩上用杭材によって軌框支持板の姿勢を安定させ、その嵩上用杭材に沿わせて軌框支持板を好適に引き上げることが可能になる。
前記貫通孔は、前記軌框支持板の両側に設けられており、前記軌框支持板が前記軌框の下側に配置された状態で、前記軌框を挟む配置にあるようにした。
こうすることで、軌框を挟んだ両側に嵩上用杭材を立設させることができるので、軌框の両側で対を成す嵩上用杭材によって軌框支持板の姿勢を安定させ、その嵩上用杭材に沿わせて軌框支持板を好適に引き上げることが可能になる。
また、望ましくは、
前記軌框支持板は、互いの前端と後端が連結されて、前記軌框の延在方向に沿って複数連設されるようにした。
こうすることで、複数の軌框支持板を連設した範囲に亘って路盤を嵩上げすることができるので、1回当たりの引き上げ作業でより長い範囲の路盤を嵩上げすることができる。
前記軌框支持板は、互いの前端と後端が連結されて、前記軌框の延在方向に沿って複数連設されるようにした。
こうすることで、複数の軌框支持板を連設した範囲に亘って路盤を嵩上げすることができるので、1回当たりの引き上げ作業でより長い範囲の路盤を嵩上げすることができる。
また、望ましくは、
前記軌框支持板の内部には、前後方向に挿通された補強芯材が備えられており、前記軌框支持板同士を連結した状態で互いの補強芯材を連結するようにした。
前後する軌框支持板同士を連結した状態で、その軌框支持板内の補強芯材を連結することで、軌框支持板の連結構造を強化することができる。
前記軌框支持板の内部には、前後方向に挿通された補強芯材が備えられており、前記軌框支持板同士を連結した状態で互いの補強芯材を連結するようにした。
前後する軌框支持板同士を連結した状態で、その軌框支持板内の補強芯材を連結することで、軌框支持板の連結構造を強化することができる。
本発明によれば、仮設用地を確保することなく路盤を嵩上げすることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る路盤嵩上工法の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態の路盤嵩上工法により、地面Gより高い位置に軌框1を路盤2ごと嵩上してなる鉄道軌道100を示す説明図である。
この鉄道軌道100を例に、本実施形態の路盤嵩上工法について説明する。
この鉄道軌道100を例に、本実施形態の路盤嵩上工法について説明する。
図2に示すように、当初、軌框1が敷設されている路盤2は地面Gにある。軌框1は、レールと枕木を主要部にして構成されており、レールの延設方向に延在している。
この軌框1が敷設されている領域内で、例えば軌道と道路の立体交差や、堤防などの土地の嵩上げが行われることに伴い、軌框1(軌道)を当初の地面Gより高い位置に移設する必要が生じた場合に、以下の手順による路盤嵩上工法によって鉄道軌道100(図1参照)を施工する。なお、路盤嵩上工法の各工程は、終電後の夜間などの限られた作業時間帯に行うものとする。
この軌框1が敷設されている領域内で、例えば軌道と道路の立体交差や、堤防などの土地の嵩上げが行われることに伴い、軌框1(軌道)を当初の地面Gより高い位置に移設する必要が生じた場合に、以下の手順による路盤嵩上工法によって鉄道軌道100(図1参照)を施工する。なお、路盤嵩上工法の各工程は、終電後の夜間などの限られた作業時間帯に行うものとする。
まず、図3に示すように、路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を配置するように、軌框支持板10を路盤2の側方から路盤2中に押入して設置する(第1作業)。
この軌框支持板10を路盤2中に押し入れる際、その反対側から軌框支持板10を路盤2中に引き込むように補助を行ってもよい。
この軌框支持板10を路盤2中に押し入れる際、その反対側から軌框支持板10を路盤2中に引き込むように補助を行ってもよい。
軌框支持板10は、例えば、図4、図5に示すように、前端に雄型連結部10aが形成され、後端に雌型連結部10bが形成されている鉄筋コンクリート製のスラブ板である。雄型連結部10aは、軌框支持板10の左右幅方向に亘る凸部を有し、雌型連結部10bは、軌框支持板10の左右幅方向に亘る凹部を有している。
この軌框支持板10の左右両側に、軌框支持板10の板面と垂直向きとなる鋼管部材11が配設されている。鋼管部材11は、軌框支持板10の厚みとほぼ同じ長さを有しており、その鋼管部材11によって軌框支持板10にその板面と垂直な貫通孔11aが設けられている。
そして、図3に示すように、軌框支持板10が軌框1の下側に配置された状態で、軌框支持板10の貫通孔11a(鋼管部材11)は軌框1を挟む配置にある。
特に、貫通孔11aは軌框1から所定長離間した位置であって、その貫通孔11aの上方を列車が通過しない位置となるように、鋼管部材11が軌框支持板10の左右両側に配設されている。
この軌框支持板10の左右両側に、軌框支持板10の板面と垂直向きとなる鋼管部材11が配設されている。鋼管部材11は、軌框支持板10の厚みとほぼ同じ長さを有しており、その鋼管部材11によって軌框支持板10にその板面と垂直な貫通孔11aが設けられている。
そして、図3に示すように、軌框支持板10が軌框1の下側に配置された状態で、軌框支持板10の貫通孔11a(鋼管部材11)は軌框1を挟む配置にある。
特に、貫通孔11aは軌框1から所定長離間した位置であって、その貫通孔11aの上方を列車が通過しない位置となるように、鋼管部材11が軌框支持板10の左右両側に配設されている。
また、図4、図5に示すように、軌框支持板10の中央側には、雄型連結部10aと雌型連結部10bの間を貫く挿通穴10cが形成されており、軌框支持板10内部の挿通穴10cに補強芯材12が備えられている。この補強芯材12の雌型連結部10b側の端部には接続具12aが設けられている。
軌框支持板10における雄型連結部10aの凸部は、雌型連結部10bの凹部に嵌入可能に形成されている。
そして、軌框支持板10を路盤2の側方から路盤2中に押入する場合、軌框支持板10を横向きにスライド移動させて挿入するように押し入れる。
このとき、図4に示すように、先に路盤2中に押入されている軌框支持板10の雌型連結部10bの凹部に、軌框支持板10の雄型連結部10aの凸部を位置合わせするように軌框支持板10を押し入れることで、軌框支持板10の互いの前端と後端を連結することができる。特に、雌型連結部10bの凹部に沿って雄型連結部10aの凸部を案内させるようにして軌框支持板10の互いの前端と後端を連結することで、前後する軌框支持板10の向きにずれが生じ難くなる。
そして、軌框支持板10を路盤2の側方から路盤2中に押入する場合、軌框支持板10を横向きにスライド移動させて挿入するように押し入れる。
このとき、図4に示すように、先に路盤2中に押入されている軌框支持板10の雌型連結部10bの凹部に、軌框支持板10の雄型連結部10aの凸部を位置合わせするように軌框支持板10を押し入れることで、軌框支持板10の互いの前端と後端を連結することができる。特に、雌型連結部10bの凹部に沿って雄型連結部10aの凸部を案内させるようにして軌框支持板10の互いの前端と後端を連結することで、前後する軌框支持板10の向きにずれが生じ難くなる。
そして、図5(a)に示すように、前後する軌框支持板10同士を連結した後、後側の軌框支持板10の補強芯材12を雄型連結部10a側から突き出すように前進させ、図5(b)に示すように、前側の軌框支持板10の補強芯材12の接続具12aに嵌入し、互いの補強芯材12を連結する。
前後する軌框支持板10同士を連結した状態で、その軌框支持板10内部で互いの補強芯材12を連結することで、軌框支持板10の連結構造を強化することができる。
このようにして、順次軌框支持板10を路盤2に押入し、互いの補強芯材12を連結することを繰り返して、軌框1の延在方向に沿って複数の軌框支持板10を連設する。複数の軌框支持板10を連結させて連設しておくことで、後述する第4作業にて、複数の軌框支持板10を連設した範囲に亘って路盤2を嵩上げすることができるので、1回当たりの引き上げ作業でより長い範囲の路盤2を嵩上げすることが可能になる。
前後する軌框支持板10同士を連結した状態で、その軌框支持板10内部で互いの補強芯材12を連結することで、軌框支持板10の連結構造を強化することができる。
このようにして、順次軌框支持板10を路盤2に押入し、互いの補強芯材12を連結することを繰り返して、軌框1の延在方向に沿って複数の軌框支持板10を連設する。複数の軌框支持板10を連結させて連設しておくことで、後述する第4作業にて、複数の軌框支持板10を連設した範囲に亘って路盤2を嵩上げすることができるので、1回当たりの引き上げ作業でより長い範囲の路盤2を嵩上げすることが可能になる。
次いで、図6に示すように、軌框支持板10に設けられている貫通孔11aを通じて地中に鉛直向きに杭材20を埋入する(第2作業)。この杭材20は、例えば鋼管杭であり、軌框支持板10の貫通孔11a(鋼管部材11)に挿通可能な外径サイズを有している。
そして、図7に示すように、下端側の杭材20が所定の深度、あるいは安定地盤に達するまで、複数の杭材20を接続してその埋入を繰り返す。本実施形態では左右とも2本の杭材20を接続しているが、3本以上接続してもよく、あるいは1本の杭材20であってもよい。
なお、杭材20の接続は、ボルトナットによる接続、ネジ式の接続、嵌合式の接続など任意の接続手法によって行うようにすればよい。
こうして、軌框1の延在方向に沿って連設されている全ての軌框支持板10に対して杭材20を設置する。
そして、図7に示すように、下端側の杭材20が所定の深度、あるいは安定地盤に達するまで、複数の杭材20を接続してその埋入を繰り返す。本実施形態では左右とも2本の杭材20を接続しているが、3本以上接続してもよく、あるいは1本の杭材20であってもよい。
なお、杭材20の接続は、ボルトナットによる接続、ネジ式の接続、嵌合式の接続など任意の接続手法によって行うようにすればよい。
こうして、軌框1の延在方向に沿って連設されている全ての軌框支持板10に対して杭材20を設置する。
次いで、図8に示すように、地中に圧入するなどして埋設した杭材20の上端に、所望する嵩上げ高さに達する嵩上用杭材30を接続し、軌框1の両側に鉛直向きに嵩上用杭材30を立設させる(第3作業)。本実施形態では左右とも1本の嵩上用杭材30を用いているが、2本以上の嵩上用杭材30を接続して、所望する嵩上げ高さに達せさせるようにしてもよい。
この嵩上用杭材30は、例えば鋼管杭であり、軌框支持板10の貫通孔11a(鋼管部材11)に挿通可能な外径サイズを有している。なお、嵩上用杭材30は、杭材20と同じ鋼管杭を用いることができる。
そして、軌框1の延在方向に沿って連設されている全ての軌框支持板10に対して嵩上用杭材30を設置する。
なお、軌框1の延在方向に沿う地点毎に所望する嵩上げ高さが異なる場合、長さの異なる嵩上用杭材30を用いるようにすればよい。こうすることで、嵩上する軌框1(軌道)に傾斜をつけることも可能になる。
この嵩上用杭材30は、例えば鋼管杭であり、軌框支持板10の貫通孔11a(鋼管部材11)に挿通可能な外径サイズを有している。なお、嵩上用杭材30は、杭材20と同じ鋼管杭を用いることができる。
そして、軌框1の延在方向に沿って連設されている全ての軌框支持板10に対して嵩上用杭材30を設置する。
なお、軌框1の延在方向に沿う地点毎に所望する嵩上げ高さが異なる場合、長さの異なる嵩上用杭材30を用いるようにすればよい。こうすることで、嵩上する軌框1(軌道)に傾斜をつけることも可能になる。
次いで、図9に示すように、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げ、路盤2ごと軌框1を嵩上げする(第4作業)。嵩上用杭材30は、軌框1を挟んだ左右両側に立設しているので、軌框1の両側で対を成す嵩上用杭材30によって左右のバランスをとって軌框支持板10の姿勢を安定させ、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿わせて好適に引き上げることができる。
ここでは、チェーンブロック5を用い、上フック5aを嵩上用杭材30の上端部に取り付け、下フック5bを軌框支持板10の下面に掛けるように取り付けて、軌框支持板10を引き上げている。
なお、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げるのにチェーンブロック5を用いることに限らず、例えば、ウインチなど他の機器や装置を用いてもよい。
ここでは、チェーンブロック5を用い、上フック5aを嵩上用杭材30の上端部に取り付け、下フック5bを軌框支持板10の下面に掛けるように取り付けて、軌框支持板10を引き上げている。
なお、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げるのにチェーンブロック5を用いることに限らず、例えば、ウインチなど他の機器や装置を用いてもよい。
次いで、図10に示すように、軌框支持板10を嵩上用杭材30の所定位置(ここでは上端部)に固定する(第5作業)。
具体的には、例えば、図11に示すように、嵩上用杭材30の内壁から鋼管部材11を貫いて軌框支持板10に達するボルトBを打ち込んで、軌框支持板10を嵩上用杭材30の上端部に固定する。また、嵩上用杭材30と鋼管部材11の一体化を強固にするため、嵩上用杭材30と鋼管部材11の隙間に樹脂材料などの接着剤を充填してもよい。
具体的には、例えば、図11に示すように、嵩上用杭材30の内壁から鋼管部材11を貫いて軌框支持板10に達するボルトBを打ち込んで、軌框支持板10を嵩上用杭材30の上端部に固定する。また、嵩上用杭材30と鋼管部材11の一体化を強固にするため、嵩上用杭材30と鋼管部材11の隙間に樹脂材料などの接着剤を充填してもよい。
次いで、図1に示すように、軌框1(レール)の延設方向に沿う嵩上用杭材30間に側壁材40を配設し、両側の側壁材40の間に気泡モルタルなどの充填材50を流し込み、硬化させることで、地面Gより高い位置に軌框1を路盤2ごと嵩上した鉄道軌道100を構築することができる。
以上のように、路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を挿入しておき、軌框1の両側に鉛直向きに立設させた嵩上用杭材30に沿って軌框支持板10を上方に引き上げ、路盤2ごと軌框1を嵩上げする路盤嵩上工法であれば、既設の軌框1(軌道)の近傍に仮線を設けるための仮設用地を確保することなく路盤2を嵩上げすることができる。
具体的には、本実施形態の路盤嵩上工法における、路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を設置する作業(第1作業)、軌框支持板10に設けられている貫通孔11aを通じて地中に鉛直向きに杭材20を埋入する作業(第2作業)、地中に埋入した杭材20の上端に嵩上用杭材30を鉛直向きに立設させる作業(第3作業)、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げて嵩上用杭材30の上端部に固定する作業(第4作業,第5作業)は、終電後の夜間作業にて行うことができるので、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って引き上げる作業の直前まで、嵩上げ前の路盤2に敷設されている軌框1にて列車を運行させることが可能であり、軌框支持板10を嵩上用杭材30に固定して路盤2ごと軌框1を嵩上げした後には、速やかに列車の運行を開始することが可能になる。
つまり、この路盤嵩上工法によれば、列車の運行を継続させるための仮線を設けることなく、軌框1を支えている路盤2を嵩上げすることができる。
よって、仮設用地を取得するための事業費がかからないので、施工コストを抑えて路盤2ごと軌框1を嵩上げしてなる鉄道軌道100を構築することができる。
つまり、この路盤嵩上工法によれば、列車の運行を継続させるための仮線を設けることなく、軌框1を支えている路盤2を嵩上げすることができる。
よって、仮設用地を取得するための事業費がかからないので、施工コストを抑えて路盤2ごと軌框1を嵩上げしてなる鉄道軌道100を構築することができる。
ここで、上記の第5作業後に速やかに列車の運行を開始するためには、軌框支持板10を嵩上用杭材30の上端部に固定した状態で、その軌框支持板10上の路盤2の軌框1に列車を走行させることができる強度を有するように軌框支持板10や嵩上用杭材30などを設計する。こうすれば、夜間作業で路盤2ごと軌框1を嵩上げした後(図10参照)、翌朝には速やかに列車の運行を開始することが可能になる。
なお、軌框支持板10を嵩上用杭材30に沿って上方に引き上げて嵩上用杭材30の上端部に固定する作業や、側壁材40や充填材50によって軌框支持板10や嵩上用杭材30を補強する作業が一夜で行えない場合でも、それまでの作業(第1〜第3作業)を終電後の夜間に行うことができるので、列車を運休させての作業期間を短くすることができる。
このように、本実施形態の路盤嵩上工法は、仮設用地を確保することなく軌框1を支える路盤2を嵩上げすることができ、また、列車を運休させることなく、或いは列車を運休させる期間を短くして、その路盤2を嵩上げすることができる優れた技術である。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を配置するように、軌框支持板10を路盤2の側方から路盤2中に押し入れて設置したが、軌框1の下側のバラストを一旦除去し、軌框1の下側に軌框支持板10を設置した後にバラストを戻して路盤2を再度構築するようにしてもよい。
この場合、まず、軌框1がずれたり沈降してしまわないように、例えば軌框1を支持する軌框支持構造物を設置する。その軌框支持構造物の設置後に、軌框1の下側のバラストを一旦除去し、軌框1の下側に形成した空間に軌框支持板10を配置する。
次いで、図12(a)に示すように、前側の軌框支持板10の雌型連結部10bに後側の軌框支持板10の雄型連結部10aを差し込む。
次いで、図12(b)に示すように、後側の軌框支持板10の挿通穴10cに補強芯材12を挿入し、その補強芯材12を前側の軌框支持板10の接続具12aに螺合する。
次いで、図12(c)に示すように、後側の軌框支持板10の補強芯材12の後端に接続具12aに螺合して取り付ける。
更に、図12(d)に示すように、軌框支持板10同士を連結することと、軌框支持板10内で補強芯材12を連結することを繰り返し、軌框1の延在方向に沿って複数の軌框支持板10を連設する。
所定数の軌框支持板10を連設した後にバラストを戻して路盤2を再構築する。
そして、路盤2を再構築した後に、杭材20を埋入する第2作業に移行する。
軌框支持板10を連結する工程をこのように行っても、仮設用地を確保することなく軌框1を支える路盤2を嵩上げすることができる。
上記実施形態では、路盤2上に敷設されている軌框1の下側に軌框支持板10を配置するように、軌框支持板10を路盤2の側方から路盤2中に押し入れて設置したが、軌框1の下側のバラストを一旦除去し、軌框1の下側に軌框支持板10を設置した後にバラストを戻して路盤2を再度構築するようにしてもよい。
この場合、まず、軌框1がずれたり沈降してしまわないように、例えば軌框1を支持する軌框支持構造物を設置する。その軌框支持構造物の設置後に、軌框1の下側のバラストを一旦除去し、軌框1の下側に形成した空間に軌框支持板10を配置する。
次いで、図12(a)に示すように、前側の軌框支持板10の雌型連結部10bに後側の軌框支持板10の雄型連結部10aを差し込む。
次いで、図12(b)に示すように、後側の軌框支持板10の挿通穴10cに補強芯材12を挿入し、その補強芯材12を前側の軌框支持板10の接続具12aに螺合する。
次いで、図12(c)に示すように、後側の軌框支持板10の補強芯材12の後端に接続具12aに螺合して取り付ける。
更に、図12(d)に示すように、軌框支持板10同士を連結することと、軌框支持板10内で補強芯材12を連結することを繰り返し、軌框1の延在方向に沿って複数の軌框支持板10を連設する。
所定数の軌框支持板10を連設した後にバラストを戻して路盤2を再構築する。
そして、路盤2を再構築した後に、杭材20を埋入する第2作業に移行する。
軌框支持板10を連結する工程をこのように行っても、仮設用地を確保することなく軌框1を支える路盤2を嵩上げすることができる。
なお、以上の実施の形態においては、軌框支持板10を引き上げて固定した後、軌框1の延設方向に沿う嵩上用杭材30間に側壁材40を配設し、両側の側壁材40の間に充填材50(気泡モルタル)を充填してなる盛土(例えば気泡モルタル盛土)上に軌框1を嵩上げした鉄道軌道100を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、軌框支持板10を引き上げて固定した後、軌框1の延設方向に沿う嵩上用杭材30の周囲に補強材を配設し、その嵩上用杭材30の間に梁などの支持構造物を配設してなる高架橋上に軌框1を嵩上げした鉄道軌道100を構築するようにしてもよい。
例えば、軌框支持板10を引き上げて固定した後、軌框1の延設方向に沿う嵩上用杭材30の周囲に補強材を配設し、その嵩上用杭材30の間に梁などの支持構造物を配設してなる高架橋上に軌框1を嵩上げした鉄道軌道100を構築するようにしてもよい。
また、路盤2ごと軌框1を嵩上することに限らず、軌框1を直接下支えするように軌框支持板10を設置して軌框1自体を嵩上するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 軌框
2 路盤
5 チェーンブロック
10 軌框支持板
10a 雄型連結部
10b 雌型連結部
10c 挿通穴
11 鋼管部材
11a 貫通孔
12 補強芯材
12a 接続具
20 杭材
30 嵩上用杭材
40 側壁材
50 充填材
100 鉄道軌道
2 路盤
5 チェーンブロック
10 軌框支持板
10a 雄型連結部
10b 雌型連結部
10c 挿通穴
11 鋼管部材
11a 貫通孔
12 補強芯材
12a 接続具
20 杭材
30 嵩上用杭材
40 側壁材
50 充填材
100 鉄道軌道
Claims (4)
- 路盤上に敷設されている軌框の下側に軌框支持板を配置する工程と、
前記軌框支持板に設けられている貫通孔を通じて地中に鉛直向きに杭材を埋入する工程と、
地中に埋入した前記杭材の上端に、所望する嵩上げ高さに達する嵩上用杭材を接続する工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材に沿って上方に引き上げる工程と、
前記軌框支持板を前記嵩上用杭材の所定位置に固定する工程と、
を備えたことを特徴とする路盤嵩上工法。 - 前記貫通孔は、前記軌框支持板の両側に設けられており、前記軌框支持板が前記軌框の下側に配置された状態で、前記軌框を挟む配置にあることを特徴とする請求項1に記載の路盤嵩上工法。
- 前記軌框支持板は、互いの前端と後端が連結されて、前記軌框の延在方向に沿って複数連設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の路盤嵩上工法。
- 前記軌框支持板の内部には、前後方向に挿通された補強芯材が備えられており、前記軌框支持板同士を連結した状態で互いの補強芯材を連結することを特徴とする請求項3に記載の路盤嵩上工法。
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2015
- 2015-03-17 JP JP2015052801A patent/JP2016172970A/ja active Pending
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