JP2016170287A - 真空装置及び荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

真空装置及び荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所望位置で精度良くステージを停止させることができる真空装置及び荷電粒子ビーム描画装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る真空装置は、真空容器と、真空容器内に設けられたステージ11と、ステージ11を気体により所定方向に移動させるステージ移動機構12と、定常状態で電源を供給し、非定常状態で電源供給を止める供給制御部31dと、ステージ11に固定され、所定方向に沿う接触面を有する固定部材31aと、定常状態で電源が供給されることにより前述の接触面と接触せず、非定常状態で電源供給が止まることにより前述の接触面と接触するように変形する接触部材を有し、接触部材が接触面に接触することによりステージ11の移動を制限する制動部31bとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、真空装置及び荷電粒子ビーム描画装置に関する。
近年の大規模集積回路(LSI)の高集積化および大容量化に伴って、半導体デバイスに要求される回路線幅は益々微小になってきている。半導体デバイスに所望の回路パターンを形成するためには、リソグラフィ技術が用いられており、このリソグラフィ技術では、マスク(レチクル)と称される原画パターンを用いたパターン転写が行われている。このパターン転写に用いる高精度なマスクを製造するためには、優れた解像度を有する荷電粒子ビーム描画装置が用いられている。
荷電粒子ビーム描画装置は、真空容器内においてマスクやブランクなどの試料が置かれたステージを移動させつつ、ステージ上の試料の所定位置に荷電粒子ビームを偏向して照射し、ステージ上の試料にパターンを描画するものである。この荷電粒子ビーム描画装置は、ステージやステージ移動機構などを備えており、試料が置かれたステージをステージ移動機構により移動させる。このステージ移動機構としては、エアによりステージを移動させるエアベアリングステージ(エアスライドテーブル)が開発されている。
特開平10−318728号公報
しかしながら、前述のようにエアを用いるステージ移動機構では、ステージの移動中に異常が発生した場合(例えば、非常停止に応じてサーボがオフとなった場合など)、その異常が発生した位置でステージを停止させることができず、ステージはステージ移動機構のメカエンド(可動範囲の端)まで移動してしまう。この場合、ユーザは異常が発生した位置を視認することができないため、異常が発生した位置をログ情報などから調査する必要が生じ、ログ解析などの調査時間を要することになる。この調査時間を削減するため、異常が発生した位置で精度良くステージを停止させることが求められている。さらに、その異常が発生した位置以外にも、必要に応じて他の位置で精度良くステージを停止させることが求められている。
本発明が解決しようとする課題は、所望位置で精度良くステージを停止させることができる真空装置及び荷電粒子ビーム描画装置を提供することである。
本発明の実施形態に係る真空装置は、真空容器と、真空容器内に設けられたステージと、ステージを気体により所定方向に移動させるステージ移動機構と、定常状態で電源を供給し、非定常状態で電源供給を止める供給制御部と、ステージに固定され、所定方向に沿う接触面を有する固定部材と、定常状態で電源が供給されることにより接触面と接触せず、非定常状態で電源供給が止まることにより接触面と接触するように変形する接触部材を有し、接触部材が接触面に接触することによりステージの移動を制限する制動部とを備える。
また、上記実施形態に係る真空装置において、接触部材は、第1の接触部材と、この第1の接触部材と対向するように配置される第2の接触部材とを有し、接触面は、固定部材の表面である第1の接触面と、固定部材の裏面である第2の接触面とを有し、第1の接触部材および第2の接触部材は、電源供給が止まることにより、固定部材を挟んでそれぞれ第1の接触面および第2の接触面と接触するように変形し、第1の接触部材における第1の接触面に対する接触圧と、第2の接触部材における第2の接触面に対する接触圧は等しいことが望ましい。
また、上記実施形態に係る真空装置において、真空容器内に設けられ、ステージと共にステージ移動機構を支持して移動する移動ステージをさらに備え、制動部は、移動ステージ上に設けられていることが望ましい。
本発明の実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置は、上記実施形態に係るいずれか一つの真空装置を備える。
また、上記実施形態に係る荷電粒子ビーム描画装置において、接触部材の透磁率は1.001以下であることが望ましい。
本発明の一態様によれば、所望位置で精度良くステージを停止させることができる。
実施の一形態に係る荷電粒子ビーム描画装置の概略構成を示す図である。 実施の一形態に係るステージブレーキ装置の概略構成を示す図である。 実施の一形態に係るステージ移動機構及びステージブレーキ機構(制動部)の概略構成を示す斜視図である。 実施の一形態に係るステージブレーキ機構(制動部)の概略構成を拡大して示す斜視図である。
実施の一形態について図面を参照して説明する。なお、実施の一形態では、一例として、本発明に係る真空装置を適用した荷電粒子ビーム描画装置について説明する。
図1に示すように、実施の一形態に係る荷電粒子ビーム描画装置1は、荷電粒子ビームによる描画を行う描画部2と、その描画部2を制御する制御部3とを備えている。この荷電粒子ビーム描画装置1は、荷電粒子ビームとして例えば電子ビームBを用いた可変成形型の描画装置の一例である。なお、荷電粒子ビームとしては、電子ビームに限るものではなく、イオンビームなど他の荷電粒子ビームを用いることも可能である。
描画部2は、マスクやブランクなど描画対象となる試料Wを収容する描画チャンバ(描画室)2aと、その描画チャンバ2aにつながる光学鏡筒2bとを有している。描画チャンバ2aは、気密性を有する真空チャンバ(真空容器)として機能する。また、光学鏡筒2bは、描画チャンバ2aの上面に設けられており、光学系により電子ビームBを成形および偏向し、描画チャンバ2a内の試料Wに対して照射する。このとき、描画チャンバ2aおよび光学鏡筒2bの内部は減圧されて真空状態になっている。
描画チャンバ2a内には、試料Wを支持するステージ11と、そのステージ11を移動させるステージ移動機構12とを備えている。このステージ移動機構12は、浮上用エア(空気の膜)によりステージ11を浮上させて、その浮上状態のステージ11を移動用エアにより水平方向に移動させるエアベアリングステージ(エアスライドテーブル)である。なお、ここでは、エア(エアの供給ライン)を浮上用と移動用にわけているが、これに限るものではなく、エアを浮上用と移動用にわけずに用いることも可能である。また、エア以外にも、真空に影響を与えない窒素ガスや不活性ガスなどの気体を用いることも可能である。
光学鏡筒2b内には、電子ビームBを出射する電子銃などの出射部21と、電子ビームBを集光する照明レンズ22と、ビーム成形用の第1の成形アパーチャ23と、投影用の投影レンズ24と、ビーム成形用の成形偏向器25と、ビーム成形用の第2の成形アパーチャ26と、試料W上にビーム焦点を結ぶ対物レンズ27と、試料Wに対するビームショット位置を制御するための副偏向器28および主偏向器29とが配置されている。これらの各部21〜29が光学系として機能する。
この描画部2では、電子ビームBが出射部21から出射され、照明レンズ22により第1の成形アパーチャ23に照射される。この第1の成形アパーチャ23は例えば矩形状の開口を有している。これにより、電子ビームBが第1の成形アパーチャ23を通過すると、その電子ビームの断面形状は矩形状に成形され、投影レンズ24により第2の成形アパーチャ26に投影される。なお、この投影位置は成形偏向器25により偏向可能であり、投影位置の変更により電子ビームBの形状と寸法を制御することができる。その後、第2の成形アパーチャ26を通過した電子ビームBは、その焦点が対物レンズ27によりステージ11上の試料Wに合わされて照射される。このとき、ステージ11上の試料Wに対する電子ビームBのショット位置は副偏向器28および主偏向器29により制御可能である。
制御部3は、描画データを記憶する描画データ記憶部3aと、その描画データを処理してショットデータを生成するショットデータ生成部3bと、描画部2を制御する描画制御部3cとを備えている。なお、制御部3は、電気回路などのハードウエアにより構成されても良く、また、各機能を実行するプログラムなどのソフトウエアにより構成されても良く、あるいは、それらの両方の組合せにより構成されても良い。
描画データ記憶部3aは、試料Wにパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部である。この描画データは、設計データ(レイアウトデータ)が荷電粒子ビーム描画装置1用のフォーマットに変換されたデータであり、外部装置から描画データ記憶部3aに入力されて保存されている。描画データ記憶部3aとしては、例えば、磁気ディスク装置や半導体ディスク装置(フラッシュメモリ)などを用いることが可能である。
ショットデータ生成部3bは、描画データにより規定される描画パターンをストライプ状(短冊状)の複数のストライプ領域(例えば、長手方向がX方向であり、短手方向がY方向である)に分割し、さらに、各ストライプ領域を行列状の多数のサブ領域に分割する。加えて、ショットデータ生成部3bは、各サブ領域内の図形の形状や大きさ、位置などを決定し、ショットデータを生成する。
描画制御部3cは、前述の描画パターンを描画する描画制御の一例として、ステージ移動機構12によりステージ11をストライプ領域の長手方向(例えばX方向)に移動させつつ、電子ビームBを主偏向器29により各サブ領域に位置決めし、副偏向器28によりサブ領域の所定位置にショットして図形を描画する制御を行う。その後、一つのストライプ領域の描画が完了すると、ステージ11をY方向にステップ移動させてから次のストライプ領域の描画を行い、これを繰り返して試料Wの描画領域の全体に電子ビームBによる描画を行う制御を実行する。
このような荷電粒子ビーム描画装置1は、図2に示すように、前述のステージ移動機構12により移動するステージ11を停止させるステージブレーキ装置31を備えている。このステージブレーキ装置31は、ステージ11の側面に固定された固定部材31aと、その固定部材31aを挟んでステージ11の移動を制限する制動部31bと、その制動部31bに電圧(電力)を供給する電源ユニット31cと、電源ユニット31cから制動部31bへの電源供給(電力供給)を制御する第1の供給制御部31d及び第2の供給制御部31eとを備えている。
固定部材31aは板状に形成されており、ステージ11の一側面に取り付けられている。また、制動部31bは、定常状態で電源ユニット31cからの電源供給により固定部材31aを挟まずにステージ11の移動を許可し(ブレーキOFF)、非定常状態で電源の非供給により固定部材31aを挟んでステージ11の移動を制限する(ブレーキON)。電源ユニット31cは制動部31bに電気的に接続されている。なお、電源の非供給によりブレーキをオンにすることで、電源供給によりブレーキをオンにする場合に比べ、非常停止時や地震時など制動部31dに電源が供給されなくなった場合でも、異常が発生した位置にステージ11を停止させることが可能となる。
第1の供給制御部31dは、例えばスイッチ32やリレー33などを有しており、電源ユニット31cから制動部31bへの電源供給を制御する。この第1の供給制御部31dは、ステージ11を停止させる停止指示を検出する第1の検出部34に電気的に接続することができる。第1の検出部34としては、例えば、非常停止ボタンなどの入力デバイスを用いることが可能であり、また、震度を検知し、検知した震度が所定値以上であるか否かを判断し、震度が所定値以上であると判断した場合に停止指示を検出するように構成することも可能である。
この第1の供給制御部31dは、第1の検出部34が停止指示を検出すると(非定常状態)、停止指示に基づいて制動部31bに対する電源供給を止め、ステージ11の移動を制限する。通常、スイッチ32はオン状態であり、制動部31bは固定部材31aを挟んでいないが(ブレーキOFF)、例えば、ユーザにより非常停止ボタンが押されると、停止指示(停止信号)が第1の検出部34により検出され、スイッチ32はオフ状態となる。スイッチ32がオフ状態になると、リレー33もオフ状態となり、電源ユニット31cから電源が制動部31bに供給されなくなる。これに応じて制動部31bは固定部材31aを挟み、その固定部材31aにつながるステージ11の移動を制限する(ブレーキON)。
第2の供給制御部31eは、例えばステージコントローラであり、ステージ11の位置情報に基づいて、電源ユニット31cから制動部31bへの電源供給を制御する。この第2の供給制御部31eは座標カウンタ(位置情報部)35に電気的に接続されており、この座標カウンタ35は、ステージ11の位置を検出するレーザ干渉計(位置検出部)36に電気的に接続されている。座標カウンタ35は、レーザ干渉計36から検出信号を受け取り、その検出信号に基づいてステージ11の位置情報(例えば、リアルタイムのXY座標の位置情報)を第2の供給制御部31eに入力する。
この第2の供給制御部31eは、ステージ11を停止させる停止指示を検出する第2の検出部37に電気的に接続されている。第2の検出部37は、描画制御部3cなどから停止指示(例えば、停止位置を示す停止位置情報など)を受け取る。この第2の検出部37が停止指示を受け取ると、第2の供給制御部31eは停止指示に基づいて制動部31bに対する電源供給を止め、ステージ11の移動を制限する。通常、ステージ11の現在位置はステージ11の位置情報から特定されるため、例えば、停止位置情報が第2の検出部37により受け取られ、その停止位置情報に基づく停止位置にステージ11が到達すると、電源ユニット31cから電源が制動部31bに供給されなくなる。これに応じて制動部31bは固定部材31aを挟み、その固定部材31aにつながるステージ11の移動を制限する(ブレーキON)。
次に、前述のステージ移動機構12及び制動部(ステージブレーキ機構)31bについて詳しく説明する。
図3に示すように、ステージ移動機構12は、水平面内で互いに直交するX軸方向とY軸方向(以下、単にX方向およびY方向という)にステージ11を移動させる。このステージ移動機構12は、試料Wが載置されるステージ11をX方向に移動させる一対のX方向移動機構12aおよび12bと、それらのX方向移動機構12aおよび12bを支持するYステージ(移動ステージ)11aと、そのYステージ11aをY方向に移動させる一対のY方向移動機構12cおよび12dとを備えている。
一対のX方向移動機構12aおよび12bは、ステージ(Xステージ)11を浮上用エアにより浮かせ、その浮上状態のステージ11を移動用エアによりX方向に移動させる移動機構である。また、一対のY方向移動機構12cおよび12dも、Yステージ11aを浮上用エアにより浮かせ、その浮上状態のYステージ11aを移動用エアによりY方向に移動させる移動機構である。これらの移動機構は、複数のコントロールバルブ(図示せず)などにより、移動用エアの供給圧と排出圧との差圧を制御してステージ11または11aを移動させる。
ここで、前述の供給圧と排出圧を同圧としてそれらの差圧を無くし、ステージ11または11aを停止させようとしても、その応答性が悪いため、ステージ11または11aを停止させたい位置で停止させることが困難であり、ステージ11または11aの停止位置精度が悪くなる。また、前述の供給圧と排出圧を同圧とするためにバルブや配管などを追加した場合、追加個所などでエアの乱れが生じ、ステージ11または11aの精度(例えば位置精度や水平精度など)に影響が出てしまう。このような悪影響を避けるため、機械的なブレーキとして機能する制動部31bが必要となる。
図3においては、ステージ(Xステージ)11用のブレーキとして第1の制動部31bxがYステージ11a上に固定されており、さらに、Yステージ11a用のブレーキとして第2の制動部31byが架台(不図示)上に固定されている。ステージ11用の第1の制動部31bxはYステージ11a上に設けられているため、そのYステージ11a上のステージ11のY軸方向の移動に同期することになる。これにより、ステージ11のY軸方向の移動に第1の制動部31bxを同期させるために他の構成を用いる場合に比べ、構成を簡略化することができる。
なお、ステージ11の一側面には、前述のように固定部材31aが設けられており、さらに、Yステージ11aの一側面にも固定部材31aが設けられている。ステージ11に設けられた固定部材31aのX軸方向の長さは、ステージ11のストローク長(可動範囲)から決定され、ステージ11が可動範囲内でどの位置に存在しても、第1の制動部31bxによりステージ11の固定部材31aを挟んでブレーキをかけることが可能になるように設定されている。同様に、Yステージ11aに設けられた固定部材31aのY軸方向の長さも、Yステージ11aのストローク長から決定され、Yステージ11aが可動範囲内でどの位置に存在しても、第2の制動部31byによりYステージ11aの固定部材31aを挟んでブレーキをかけることが可能になるように設定されている。
図4に示すように、第1の制動部31bxは、ステージ11に固定された固定部材31aを間にして対向する第1の接触部材41及び第2の接触部材42と、それら第1の接触部材41及び第2の接触部材42を支持して案内する複数のガイド部材43と、それらのガイド部材43を支持する支持枠44とを備えている。なお、第2の制動部31byも第1の制動部31bxと同じ構造であるため、その説明を省略する。
第1の接触部材41は、アーチ状に湾曲した金属部材(本体)41aの内周面に膜型の圧電素子41bが貼り付けられ、さらに、アーチ状に湾曲した金属部材41aの外周面に接触パッド部材41cが取り付けられて構成されている。第2の接触部材42も、第1の接触部材41と同様の構造であり、アーチ状に湾曲した金属部材(本体)42aの内周面に膜型の圧電素子42bが貼り付けられ、さらに、アーチ状に湾曲した金属部材42aの外周面に接触パッド部材42cが取り付けられて構成されている。
金属部材41aや42aは湾曲形状の一例としてアーチ状に形成されている。これらの金属部材41aや42aは弾性を有しており、圧電素子41bや42bにより変形するが、元の形状に戻ることができる。また、圧電素子41bや42bは電源ユニット31cに電気的に接続されており、電圧の印加や非印加により形状が変化する。接触パッド部材41cおよび42cは固定部材31aを間にして対向しており、金属部材41aおよび42aの変形に応じて互いに固定部材31aに向かって移動して接触したり、逆に固定部材31aから離れたりする。
なお、金属部材41aや41bとしては、描画精度を保つため、純TiやTi合金などの非磁性材料を使用することが望ましく、一例として、透磁率1.001以下の素材を用いることが好適である。また、圧電素子41bや42bの大きさは、必要とする荷重によって決定される。接触パッド部材41cや42cとしては、摩擦係数が高く、また、パーティクルの発生を抑えるためには、例えば、バイトンゴムやPTFE、ポリイミド系、PEEKなどのフッ素樹脂を用いることが望ましい。
ガイド部材43は二つで一組みとなり、一組みのガイド部材43は第1の接触部材41の長手方向の両端部をスライド可能に支持し、もう一組みのガイド部材43は第2の接触部材42の長手方向の両端部をスライド可能に支持する。各ガイド部材43としては、描画精度を保つため、セラミックなどの非磁性材料を使用することが望ましく、一例として、透磁率1.001以下の素材を用いることが好適である。また、ブレーキ時に荷重がガイド部材43に加わるため、セラミックの中でも靱性が高いジルコニア材料を用いることが望ましい。
支持枠44は、第1の接触部材41と第2の接触部材42が固定部材31aを間にして対向するように各ガイド部材43を四隅に位置付けて支持している。この支持枠44としては、前述と同様、描画精度を保つため、セラミックなどの非磁性材料を使用することが望ましい。
このような第1の制動部31bxでは、定常状態、すなわち圧電素子41bおよび42bに電圧が印加されている状態で、金属部材41aおよび42aは非ブレーキ位置に存在し、接触パッド部材41cおよび42cが固定部材31aに接触せず、固定部材31aを挟み込まない(ブレーキOFF)。一方、非定常状態、すなわち圧電素子42bおよび42bに電圧が印加されていない状態で、金属部材41aおよび42aは前述の電圧印加状態よりも湾曲するブレーキ位置に存在し、接触パッド部材41cおよび42cは固定部材31aに接触し、固定部材31aを挟み込む(ブレーキON)。このように電圧が圧電素子41bおよび42bに非印加である場合にブレーキがオン状態となるため、非常停止時や地震時など電流が供給されなくなったときでも、所望位置でステージ11を停止させることができる。なお、Yステージ11aも前述と同じように第2の制動部31byによって所望位置で停止させることができる。
前述のブレーキON時において、第1の接触部材41の接触パッド部材41cは、固定部材31aの表面である第1の接触面に接触し、第2の接触部材42の接触パッド部材42cは、固定部材31aの裏面である第2の接触面に接触することになる。これらの第1の接触面および第2の接触面は、ステージ11の移動方向に沿う平面であり、一例として、ステージ11の移動方向に平行に沿う平面である。
ここで、前述のように固定部材31aを挟み込むことによってステージ11または11aを停止させる構造を用いている。一方で、固定部材31aを挟み込まずその固定部材31aの片面に部材を押し付ける機構を用いることも可能であるが、この場合には、浮上しているステージ11または11aが一方から押し付けられ、そのステージ11または11aを案内しているガイド面に接触して擦れるため、パーティクルが発生してしまう。これを避けるため、前述のように固定部材31aを挟み込むことでステージ11または11aを停止させる構造を用いることが有効である。また、よりパーティクルの発生を抑えるためには、第1の接触部材41における固定部材31aに対する接触圧(例えば接触面圧)と、第2の接触部材42における固定部材31aに対する接触圧(例えば接触面圧)を同じにすることが望ましい。
以上説明したように、実施の一形態によれば、定常状態における電源の供給により固定部材31aを挟まずにステージ11の移動を許可し、非定常状態における電源の非供給により固定部材31aを挟んでステージ11の移動を制限する制動部31bを設けることによって、ステージ11を機械的に停止させることができる。これにより、停止指示に応じて応答性が良くステージ11を停止させることが可能となるので、ステージ11の移動中にステージ移動機構12などに異常が発生した場合、その異常が発生した位置など所望位置で精度良くステージ11を停止させることができる。
(他の実施形態)
前述の実施の一形態においては、製造装置の一例として荷電粒子ビーム描画装置1について説明しているが、これに限るものではなく、真空下で製造を行う各種の製造装置に本発明に係る真空装置を適用することが可能であり、例えば、真空下で工作を行う工作機械などの製造装置にも適用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 荷電粒子ビーム描画装置
2 描画部
2a 描画チャンバ
3 制御部
3a 描画データ記憶部
3b ショットデータ生成部
3c 描画制御部
11 ステージ(Xスライダ)
11a Yスライダ
12 ステージ移動機構
12a X方向移動機構
12b X方向移動機構
12c Y方向移動機構
12d Y方向移動機構
21 出射部
22 照明レンズ
23 第1の成形アパーチャ
24 投影レンズ
25 成形偏向器
26 第2の成形アパーチャ
27 対物レンズ
28 副偏向器
29 主偏向器
31 ステージブレーキ装置
31a 固定部材
31b 制動部
31bx 第1の制動部
31by 第2の制動部
31c 電源ユニット
31d 第1の供給制御部
31e 第2の供給制御部
32 スイッチ
33 リレー
34 第1の検出部
35 座標カウンタ
36 レーザ干渉計
37 第2の検出部
41 第1の接触部材
41a 金属部材
41b 圧電素子
41c 接触パッド部材
42 第2の接触部材
42a 金属部材
42b 圧電素子
42c 接触パッド部材
43 ガイド部材
44 支持枠
B 電子ビーム
W 試料

Claims (5)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内に設けられたステージと、
    前記ステージを気体により所定方向に移動させるステージ移動機構と、
    定常状態で電源を供給し、非定常状態で前記電源供給を止める供給制御部と、
    前記ステージに固定され、前記所定方向に沿う接触面を有する固定部材と、
    前記定常状態で前記電源が供給されることにより前記接触面と接触せず、前記非定常状態で前記電源供給が止まることにより前記接触面と接触するように変形する接触部材を有し、前記接触部材が前記接触面に接触することにより前記ステージの移動を制限する制動部と、
    を備えることを特徴とする真空装置。
  2. 前記接触部材は、第1の接触部材と、この第1の接触部材と対向するように配置される第2の接触部材とを有し、
    前記接触面は、前記固定部材の表面である第1の接触面と、前記固定部材の裏面である第2の接触面とを有し、
    前記第1の接触部材および前記第2の接触部材は、前記電源供給が止まることにより、前記固定部材を挟んでそれぞれ前記第1の接触面および前記第2の接触面と接触するように変形し、
    前記第1の接触部材における前記第1の接触面に対する接触圧と、前記第2の接触部材における前記第2の接触面に対する接触圧は等しいことを特徴とする請求項1に記載の真空装置。
  3. 前記真空容器内に設けられ、前記ステージと共に前記ステージ移動機構を支持して移動する移動ステージをさらに備え、
    前記制動部は、前記移動ステージ上に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の真空装置を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記接触部材の透磁率は1.001以下であることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
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