JP2016169998A - 心疾患のモニタリングマーカー及びその使用方法 - Google Patents

心疾患のモニタリングマーカー及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な操作によって、高精度に虚血性心疾患を評価するための方法及び手段を提供すること。
【解決手段】本発明は、狭心症などの虚血性心疾患の有無及び/又はその進行を評価するバイオマーカーの使用方法、キット及び装置に関する。具体的には、本発明は、バイオマーカーとして血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定し、その結果から、虚血性心疾患、中でも狭心症を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、狭心症などの虚血性心疾患の有無及び/又はその進行を評価するバイオマーカーの使用方法、キット及び装置に関する。
高齢化及び生活習慣の変化に伴い、狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患の患者数は年々増加している。虚血性心疾患の主な病因は、動脈硬化とそれによって動脈血管内に形成された不安定プラーク(病変)の破裂と急激な血栓形成、結果惹起された心筋虚血である。これらは自覚症状のないまま進行するため、疾患の進行を適切に評価するバイオマーカーが求められている。虚血性心疾患の体外診断は、古典的な危険因子(年齢、性別、脂質異常、高血圧、高血糖、喫煙)に加え、炎症、血管内皮障害、血栓形成関連因子を指標にした検定法が多数の疫学的研究において検討されている。中でもC反応性タンパク質(CRP)や脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)等がバイオマーカーとして最もよく研究され、大規模臨床試験による評価も実施されている。しかしながら、現時点では心疾患進行の直接的な指標とはなりえず、新規なバイオマーカーによる、定量性と再現性に優れた簡便な検定方法の開発が課題であった(非特許文献1)。
また、従来、動脈硬化の進行に従って発現が変動するタンパク質群をプロテオーム解析により同定し、その変動を発現プロファイルデータベースとして記録し、サンプル中のタンパク質の発現変動と照らし合わせて、動脈硬化の有無や進行ステージを検定する方法が報告されている(特許文献1及び2)。特許文献1では、動脈硬化のモデルマウスを用いた解析によって、フェツインB及び血漿プロテアーゼC1インヒビターを含む一群のタンパク質の発現量が動脈硬化性心疾患の進行度に相関していることを示している。特許文献2では、動脈硬化病変部位において一群のタンパク質の発現量が変動していることから、動脈硬化病変部位(組織片)におけるこれらタンパク質の発現量を測定することで動脈硬化性虚血性心疾患の進行を評価できることを明らかにしている。
フェツインBは肝臓由来のプロテアーゼ阻害因子であり、マウスを用いた研究により不妊に関わる因子であるとの報告があるが、狭心症を含む虚血性心疾患との関連を示す既報はない。また血漿プロテアーゼC1インヒビターは生体制御機構の一つとして知られる「捕体系」における調節因子であり、家族性・後天性の血管性浮腫の原因タンパク質である。動脈血管を障害した動脈硬化モデルマウスにおいて、血漿プロテアーゼC1インヒビターが病変における血管新生を抑制すること(非特許文献2)、血中の血漿プロテアーゼC1インヒビター濃度の低下が頚動脈内膜切除後の初期狭窄の発症の予測となりうること(非特許文献3)等が報告されているが、動脈硬化及び虚血性心疾患の進行にどのように関与しているのかは、これまでのところ殆ど明らかになっていない。
特開2011-232218号公報 特開2012-107989号公報
Wang X.及びConnolly T.M., Advances in Clinical Chemistry, 第50巻、第1-22頁、2010年 Shagdarsuren E. et al., Circulation, 第117巻、第70-78頁、2008年 Szeplaki G. et al., Arterioscler Thromb Vasc Biol., 第27巻、第2756-2762頁、2007年
上述のように、虚血性心疾患の診断に関連した種々の研究結果があるものの、虚血性心疾患、中でも狭心症の有無やその進行を高精度かつ簡易に検出できるバイオマーカーは知られていなかった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、簡便な操作によって、より高精度に虚血性心疾患、中でも狭心症の進行を評価することができる、虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、健常ボランティア、安定狭心症患者と急性心筋梗塞患者を選択し、血液検体を収集した。次に、検体中のマーカー候補の濃度を測定した。その結果、安定狭心症患者群においてフェツインBの血中濃度が有意に増加し、血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度が有意に減少することを見出した。また、これらの血中濃度が虚血性疾患の進行段階に応じて特異的に変化することを見出した。以上の知見から、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターは、虚血性心疾患、中でも狭心症の存否及びその進行度を評価するためのバイオマーカーとして使用できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
[1]被験者の血液由来サンプル中のフェツィンB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
上記ステップで測定したフェツィンB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度を基準値と比較するステップと、
上記ステップで得られた比較結果から虚血性心疾患を評価するステップ
を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価方法。
[2]被験者の第1時点における血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
上記被験者の第2時点における血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
上記ステップで測定した、第1の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)とを比較するステップと、
上記ステップで得られた比較結果から虚血性心疾患を評価するステップ
を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価方法。
[3]被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するための手段を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価用キット。
[4]被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定する測定部と、
上記測定部で測定したフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度を基準値又は前回の測定値と比較する比較部と、
上記比較部で得られた比較結果から虚血性心疾患を評価する判定部と
を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価装置。
本発明により、簡便な操作により、狭心症の有無及び/又はその重篤度を高精度に評価することができる。すなわち、本発明に係る狭心症の評価方法、評価用キット及び評価装置によれば、被験者から採取した血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するといった簡便な操作により、被験者に関して狭心症の有無、進行程度(重篤度)といった評価が可能となる。また本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置は、的確かつ簡便に、狭心症とそれに起因する障害発生と進行の可能性に関する検査又は分析、様々な試薬や医薬の開発、そして関連装置の開発にも利用できる。
フェツインBの血中濃度を指標にした狭心症への進行又は狭心症からの進行評価の模式図である。 低リスク群、安定狭心症群及び急性心筋梗塞群における血中フェツインB濃度を測定した結果を示す特性図である。 低リスク群、安定狭心症群及び急性心筋梗塞群における血中血漿プロテアーゼC1インヒビター濃度を測定した結果を示す特性図である。 本発明を適用した虚血性心疾患の評価装置の一例を示す概略図である。
本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置では、虚血性心疾患、中でも狭心症を評価するための新規なバイオマーカーを利用する。このバイオマーカーは、虚血性心疾患の進行に伴ってその発現が変動するタンパク質であるため、虚血性心疾患、中でも狭心症の発症の予測や、進行程度の判定、予後の予測、虚血性心疾患の治療薬又は治療法の有効性の評価などに有用である。新規なバイオマーカーは、血液由来サンプルに含まれるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターである。
ここで、虚血性心疾患とは、冠動脈が狭窄や閉塞することで心筋への血流が不足し、心筋の壊死や心臓の機能が低下する病気を意味する。特に、冠動脈の狭窄や閉塞の原因が動脈硬化である場合、動脈硬化性虚血性心疾患と称する。本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置で使用するバイオマーカーは、虚血性心疾患、中でも特に狭心症の評価に有用である。
また、虚血性心疾患には、安定狭心症、不安定狭心症及び労作性狭心症を含む狭心症、急性心筋梗塞及び陳旧性心筋梗塞を含む心筋梗塞、並びに心不全が含まれる。狭心症から心筋梗塞、そして心不全の順に、詳細には安定狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞及び心不全の順に、虚血性心疾患の重篤度が高いとされる。虚血性心疾患の重篤度、すなわち段階(ステージ)に応じて必要な処置も異なる。
用語「バイオマーカー」とは、虚血性心疾患を評価するために測定する対象となるタンパク質、すなわちフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビター、あるいは該タンパク質をコードする遺伝子(mRNA)を意味する。また「測定する」とは、タンパク質又は当該タンパク質をコードする遺伝子(mRNA)のサンプル中の存在量を求めることを意味する。また本発明では、「バイオマーカーを測定する」とは、バイオマーカーであるタンパク質又はその派生物若しくは誘導体を測定してもよいし、あるいは該タンパク質をコードする遺伝子(mRNA)の発現を測定してもよい。「派生物」及び「誘導体」とは、バイオマーカーであるタンパク質から派生する物質及び当該タンパク質に由来する物質をそれぞれ意味する。「派生物」及び「誘導体」には、例えば、シグナルペプチドを含むタンパク質、タンパク質の特定のサブユニット分子、修飾タンパク質、タンパク質断片などが含まれるが、これに限定されるものではない。
血液由来サンプルとは、虚血性心疾患について評価しようとする被験者から採取した血液、及び当該血液を処理して得られるサンプルを意味する。より具体的に、血液由来サンプルには、血液サンプル、血清サンプル及び血漿サンプルが含まれる。特に、血漿サンプルを使用する場合には、抗凝固剤としてEDTAを使用することが好ましいが、ヘパリン、クエン酸ナトリウムなど当該分野で公知又は汎用されているものを使用することができる。血液サンプルの場合、採血後は氷冷又は冷蔵保存することが好ましい。
また被験者は、ヒト、及びその他の哺乳動物、例えば霊長類(サル、チンパンジーなど)、家畜動物(ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなど)、ペット用動物(イヌ、ネコなど)、実験動物(マウス、ラット、ウサギなど)であり、さらには爬虫類及び鳥類などであってもよい。特に、ヒトを被験者とすることが好ましい。
バイオマーカーの測定は、血液由来サンプル中のその量又は濃度を、好ましくは半定量的又は定量的に測定することを意味し、その量は、絶対量であってもよいし又は相対量であってもよい。測定は、直接的又は間接的に行うことができる。直接的な測定は、サンプル中に存在するバイオマーカータンパク質又はmRNAの分子数と直接相関するシグナルに基づいて、その量又は濃度を測定することを含む。そのようなシグナルは、例えばタンパク質又はmRNAの特定の物理的又は化学的な特性に基づいている。間接的な測定は、二次成分(すなわちマーカータンパク質又はmRNA以外の成分)、例えば抗体などのリガンド、標識又は酵素反応生成物から得られるシグナルの測定である。
本発明の一実施形態では、バイオマーカーがタンパク質である場合、バイオマーカーの測定は、サンプル中のタンパク質の量を測定するための手段によって行うことができる。そのような手段は当技術分野で公知であり、例えば免疫アッセイの方法及び試薬などがある。また、バイオマーカーがタンパク質である場合、バイオマーカーの測定は、当該タンパク質に特有の物理的又は化学的特性を測定するための手段、例えば正確な分子量又はNMRスペクトル等を測定するための手段によって行うことができる。当該タンパク質を測定するための手段としては、バイオセンサー、プロテインチップ、免疫アッセイと連結した光学装置、質量分析計、NMR分析計、二次元電気泳動装置及びクロマトグラフィー装置等の分析装置が挙げられる。これら分析装置を単独で使用してバイオマーカーを測定してもよいが、複数の分析装置によりバイオマーカーを測定したものでもよい。
好ましい実施形態では、バイオマーカーがタンパク質である場合、バイオマーカーの測定は、免疫アッセイ(免疫学的測定法)により行うことができる。すなわち、血液由来サンプル中の当該タンパク質と、当該タンパク質に特異的に結合する抗体との反応に基づいて、バイオマーカーを測定する。免疫アッセイは、当該分野で汎用されている方法を限定することなく使用することができる。例えば、免疫アッセイとしては、液相系及び固相系のいずれでもよい。検出の容易性の点で、固相系の免疫アッセイを利用することが好ましい。また、免疫アッセイの形式も限定されるものではなく、直接固相法の他、サンドイッチ法、競合法、ウエスタンブロッティング法、ELISA(enzyme linked immunosorbent assay)法などであってもよい。
ここで、バイオマーカーであるタンパク質に対する抗体はモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体のいずれであってもよいし、あるいはバイオマーカーであるタンパク質のエピトープに結合することができるFab、Fvフラグメントなどであってもよい。バイオマーカーを測定する際に一次抗体と二次抗体を使用する場合には、両方ともモノクローナル抗体を用いることもでき、あるいは、一次抗体と二次抗体のいずれか一方をポリクローナル抗体とすることもできる。抗体は、当技術分野で公知の方法により調製することができ、また市販品として入手してもよい。
バイオマーカーであるタンパク質と抗体との結合は、周知の方法に従って測定できる。バイオマーカーであるタンパク質と抗体との結合を測定する方法は、特に限定されず、採用する免疫アッセイの種類及び形式、使用する標識の種類などに応じて、各アッセイについての有効かつ最適な測定方法を決定することができる。例えば、血液由来サンプル中のバイオマーカーと抗体との結合を容易に検出するために、該抗体を標識することにより該結合を直接検出するか、又は標識二次抗体若しくはビオチン−アビジン複合体等を用いることにより間接的に検出することができる。
免疫アッセイとして固相系を選択する場合には、例えば血液由来サンプル中のタンパク質成分を固相に固定化することができ、例えば、(1)血液由来サンプルからタンパク質成分を調製する工程、(2)SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画する工程、(3)ゲル上のタンパク質を固相に転写する工程、(4)バイオマーカーであるタンパク質と特異的に結合する抗体(一次抗体)と反応させる工程、(5)固相を洗浄する工程、(6)固相に一次抗体に対し特異的に結合する標識抗体(二次抗体)を接触させる工程、(7)固相を洗浄する工程、(8)該標識に基づいてバイオマーカーを測定する工程からなる方法を採用することができる。あるいは、バイオマーカーであるタンパク質と特異的に結合する抗体を固相に固定してもよい。この方法は、いわゆる「サンドイッチ法」と呼ばれる方法であり、マーカーとして酵素を用いる場合には、「ELISA」として広く用いられている方法である。このような固相系の方法は、極微量のタンパク質の検出と操作の簡便化のため好ましい方法である。
固相系においては、バイオマーカーであるタンパク質と特異的に結合する抗体又はサンプル中のタンパク質成分を固相(プレート、膜、ビーズ等)上に固定化し、この固相上においてバイオマーカーと固体との免疫学的結合を試験する。固相は、当技術分野で慣用的に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば市販のニトロセルロース膜又はPVDF膜を用いることができる。上記抗体又はサンプル中のタンパク質成分を固相上に固定化することによって、未結合のサンプル成分や試薬を容易に除去することができる。また特に、数十種類の抗体を固定化したメンブレンを用いるタンパク質アレイ法では、少量の被験者由来のサンプル(血漿など)を用いて多種類のマーカータンパク質の発現を短時間で解析することができる。またこのような免疫アッセイは、例えば操作が簡便なテストストリップにおいても実施することができる。すなわち、虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置では、数十種類の抗体を固定化したメンブレンを用いるタンパク質アレイ法を適用することができる。
免疫アッセイとして液相系を選択する場合には、例えば、標識化抗体とサンプルとを接触させて標識化抗体とバイオマーカーであるタンパク質とを結合させ、この結合体を分離し、標識シグナルを検出する。あるいは、バイオマーカーであるタンパク質に対する抗体(一次抗体)と血液由来サンプルとを接触させて一次抗体とバイオマーカーであるタンパク質タンパク質とを結合させ、この結合体に標識化抗体(二次抗体)を結合させ、この三者の結合体における標識シグナルを検出することもできる。あるいは、さらにシグナルを増強させるためには、非標識の二次抗体を先ず抗体+マーカータンパク質結合体に結合させ、この二次抗体に標識物質を結合させるようにしてもよい。このような二次抗体への標識物質の結合は、例えば二次抗体をビオチン化し、標識物質をアビジン化しておくことによって行うことができる。
免疫アッセイにおいて使用する抗体を標識するための標識としては、酵素、放射性同位体、蛍光色素又はアビジン−ビオチン系を使用することができる。酵素としては、通常の酵素免疫アッセイ(EIA)に用いられる酵素、例えば、パーオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等を用いることができる。また、酵素阻害物質や補酵素等を用いることもできる。これら酵素と抗体との結合は、マレイミド化合物等の架橋剤を用いる公知の方法によって行うことができる。放射性同位体としては、125Iや3H等の通常のラジオイムノアッセイ(RIA)で用いられているものを使用することができる。蛍光色素としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)やテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等の通常の蛍光抗体法に用いられるものを使用することができる。
ビオチン−アビジン複合体系を利用する場合には、ビオチン化した抗体とサンプルとを反応させ、得られた複合体に標識を付加したアビジンを反応させる。アビジンは、ビオチンと特異的に結合することができるため、アビジンに付加した標識のシグナルを検出することによって、抗体とマーカータンパク質との結合を測定することができる。アビジンに付加する標識は特に限定されるものではないが、例えば酵素標識(ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼなど)が好ましい。
標識シグナルの検出もまた、当技術分野で公知の方法に従って行うことができる。例えば、酵素標識を用いる場合には、酵素作用によって分解して発色する基質を加え、基質の分解量を光学的に測定することによって酵素活性を求め、これを結合抗体量に換算し、標準値との比較から抗体量が算出される。基質は、使用する酵素の種類に応じて異なり、例えば酵素としてパーオキシダーゼを使用する場合には、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジシンを、また酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、パラニトロフェノール等を用いることができる。放射性標識を用いる場合には、放射性標識の発する放射線量をシンチレーションカウンター等により測定する。蛍光標識は、例えば蛍光顕微鏡、プレートリーダー等を用いて検出及び定量することができる。
また本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置においては、バイオマーカーの測定は、血液由来サンプルに含まれる、バイオマーカーであるタンパク質をコードするmRNAの量を測定するための手段によって行うことができる。そのような手段としては、特に限定されず、当技術分野で公知の如何なる手法を使用することができる。例えば、そのような手段としては、上記タンパク質をコードするDNAの全部若しくは一部の配列又はその相補配列を含むプライマーDNA又はプローブDNAが挙げられる。該プライマーDNA又はプローブDNAは、被験者から採取した血液由来サンプル中に含まれる上記タンパク質のmRNA又は該mRNAに対応するcDNAと特異的に結合する。
プライマーDNA及びプローブDNAは、バイオマーカーであるタンパク質をコードするDNAの塩基配列に基づいて、公知のプログラムにより容易に設計することができ、また当業者に公知の方法に従って調製することができる。
被験者から採取した血液由来サンプルに含まれるバイオマーカーであるmRNAを測定するためには、上記プライマーDNA及び/又はプローブDNAをそれぞれ増幅反応又はハイブリダイゼーション反応に使用し、その増幅産物又はハイブリッド産物を検出する。そのような反応を行う場合には、通常は、当技術分野で周知の方法を使用して被験者由来のサンプルからmRNA又は該mRNAに対応するcDNAを調製する。例えば、RNAを抽出する場合には、グアニジン−塩化セシウム超遠心法、ホットフェノール法、又はチオシアン酸グアジニウム−フェノール−クロロホルム(AGPC)法などを利用することができる。cDNAは、公知の逆転写酵素を利用して調製することができる。以上のように調製したサンプルを用いて、以下に示す増幅反応及び/又はハイブリダイゼーション反応を行う。
プライマーDNAを用いてmRNA又はcDNAを鋳型とした増幅反応を行い、その特異的増幅反応を検出することにより、血液由来サンプルに含まれるバイオマーカーであるmRNAを測定することができる。増幅手法としては、特に限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の原理を利用した公知の方法(PCR、RT-PCR、リアルタイムPCRなど)を挙げることができる。増幅産物の検出には、増幅反応により得られる増幅産物を特異的に認識することができる公知の手段を用いることができる。例えば、アガロースゲル電気泳動法等を利用して、特定のサイズの増幅断片が増幅されているか否かを確認することにより、特異的な増幅反応を検出することができる。
あるいは、増幅反応の過程で取り込まれるdNTPに、放射性同位体、蛍光物質、発光物質などの標識体を作用させ、この標識体を検出することができる。放射性同位体としては、32P、125I、35Sなどを用いることができる。また蛍光物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、スルホローダミン(SR)、テトラメチルローダミン(TRITC)などを用いることができる。また発光物質としてはルシフェリンなどを用いることができる。これら標識体の種類や標識体の導入方法等に関しては、特に制限されることはなく、従来公知の各種手段を用いることができる。例えば標識体の導入方法としては、放射性同位体を用いるランダムプライム法が挙げられる。
標識したdNTPを取り込んだ増幅産物を観察する方法としては、上述した標識体を検出するための当技術分野で公知の方法であればいずれの方法でもよい。例えば、標識体として放射性同位体を用いた場合には、放射活性を、例えば液体シンチレーションカウンター、γ-カウンターなどにより計測することができる。また標識体として蛍光を用いた場合には、その蛍光を蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダーなどを用いて検出することができる。
また、プローブDNAを用いてサンプルに対するハイブリダイゼーション反応を行い、その特異的結合(ハイブリッド)を検出することにより、血液由来サンプルに含まれるバイオマーカーであるmRNAを測定することもできる。ハイブリダイゼーション反応では、プローブDNAが、血液由来サンプルに含まれるバイオマーカーであるmRNA又は当該mRNAから合成されるcDNAのみと特異的に結合するような条件、すなわちストリンジェントな条件下で行う。ハイブリダイゼーションを行う場合には、プローブDNAに蛍光標識(フルオレセイン、ローダミンなど)、放射性標識(32Pなど)、ビオチン標識等の適当な標識を付加することができる。
標識化したプローブDNAを用いた検出は、サンプル又はそれから調製したmRNA若しくはcDNAとプローブDNAとをハイブリダイズ可能なように接触させることを含む。具体的には、サンプル又はmRNA若しくはcDNAを適当な固相に固定化し、標識を付加したプローブDNAを添加することにより、あるいは標識プローブDNAを適当な固相に固定化し、サンプル又はmRNA若しくはcDNAを添加することにより、プローブDNAとサンプル又はmRNA若しくはcDNAとを接触させてハイブリダイゼーション反応を行い、ハイブリダイズしなかったプローブDNAを除去した後、サンプル又はmRNA若しくはcDNAとハイブリダイズしているプローブDNAの標識を検出する。標識が検出された場合には、血液由来サンプル中に、バイオマーカーであるタンパク質のmRNAが発現していることとなる。標識化プローブDNAを用いた測定方法の例としては、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等を挙げることができる。
以上のようにして、被験者から採取した血液由来サンプルに含まれるバイオマーカーを測定し、その結果に基づいて被験者における虚血性心疾患を評価することが可能である。さらに、被検者から複数の時点に採取した血液由来サンプルにおいてバイオマーカーを測定してもよい。
本明細書中、「虚血性心疾患の評価」とは、被験者における虚血性心疾患、中でも狭心症の存在を判定すること、被験者に存在する狭心症の進行程度(重篤度)を決定することを含む意味である。虚血性心疾患の重篤度、例えば狭心症や心筋梗塞の段階に応じて必要な処置が異なることから、虚血性心疾患の進行程度を決定することは重要である。また、このように行った被験者における虚血性心疾患の評価は、被験者に存在する虚血性心疾患の治療効果を評価すること、被験者に存在する虚血性心疾患の予後を予測する際にも利用することができる。また本発明において「評価」は、既に評価又は診断された虚血性心疾患の継続的なモニタリング、及び既に行った虚血性心疾患の評価又は診断の確認も包含する。
なお、本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置による「評価」は、統計学的に有意な割合の被験者を評価できることを意図している。よって本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置による「評価」には、評価対象の被験者の全て(すなわち100%)について必ず正しい結果が得られない場合も含まれる。統計的に有意な割合は、様々な周知の統計評価ツール、例えば信頼区間の決定、p値の決定、スチューデントのt検定、マン・ホイットニー検定等を用いて決定することができる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%である。p値は、好ましくは、0.1、0.01、0.005又は0.0001である。より好ましくは、被験者の少なくとも60%、少なくとも80%又は少なくとも90%を、本発明に係る虚血性心疾患の評価方法、評価用キット及び評価装置によによって適切に評価することができる。
虚血性心疾患の評価の具体例は次のとおりである。一実施形態において、被験者の血液由来サンプルにおけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定し、例えばフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度をそれぞれ基準値と比較する。
基準値は、特定の虚血性心疾患の進行段階の指標となるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度、又はその量若しくは濃度の範囲である。例えば、基準値は、健常者(集団)又は狭心症の低リスク者(集団)に由来するものとすることができる。あるいは、基準値は、狭心症患者(患者集団)に由来するものとすることができる。あるいは基準値は、心筋梗塞患者(患者集団)に由来するものとすることができる。個々の被験体に適用する基準値は、被験体の種類、年齢、性別などの様々な生理学的パラメータに応じて変化しうる。
好ましくは、バイオマーカーの量又は濃度と特定の虚血性心疾患の進行段階との相関をデータベースとして記録する。そして、測定された血液由来サンプル中のバイオマーカーの量又は濃度を、データベース中の基準値と比較することができる。このようなデータベースは、虚血性心疾患、特に狭心症の有無や進行段階の指標となる基準値又は基準範囲として有用である。
バイオマーカーであるフェツインBは、図1及び2に示すように、健常者又は狭心症の低リスク者(HC/LR)では、その量又は濃度が低く、狭心症(安定性狭心症:SA)のリスク上昇から発症と共にその量又は濃度が上昇し、狭心症が増悪して心筋梗塞(急性心筋梗塞:AMI)へ進行するとその量又は濃度が低下する挙動を示す。すなわち、フェツインBは、狭心症の段階で極大を示す。一方、血漿プロテアーゼC1インヒビターは、図3に示すように、健常者又は狭心症の低リスク者(HC/LR)では、その量又は濃度が高く、狭心症(安定性狭心症:SA)のリスク上昇から発症と共にその量又は濃度が低下し、狭心症が増悪して心筋梗塞(急性心筋梗塞:AMI)へ進行するとその量又は濃度が上昇する挙動を示す。すなわち、フェツインBは、狭心症の段階で極小を示す。
従って、基準値が健常者(集団)又は狭心症の低リスク者(集団)に由来するとき、フェツインBの量又は濃度が基準値より高い場合、あるいは血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が基準値より低い場合には、被験者が狭心症を発症している可能性が高いことを示す。特に、フェツインBの量又は濃度が基準値より高く、同時に血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が基準値より低い場合には、被験者が狭心症を発症している可能性がより高いことを示す。
一方、基準値が狭心症のリスクが高い又は狭心症に罹患していると診断された患者(集団)に由来するとき、フェツインBの量又は濃度が基準値と同程度又は有意差がないと判断される場合、あるいは血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が基準値と同程度又は有意差がないと判断される場合には、被験者が狭心症を発症している可能性が高いことを示す。特に、フェツインBの量又は濃度が基準値と同程度であり、同時に血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が基準値と同程度である場合には、被験者が狭心症を発症している可能性がより高いことを示す。
別の実施形態では、被験者から複数の時点で血液由来サンプルを採取し、それぞれの測定時点における血液由来サンプルに含まれるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定し、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度をそれぞれの測定時点で比較する。より具体的には、第1の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)とを比較する。測定は、経時的に少なくとも2回、3回、4回、5回、10回、15回、20回、30回、又はそれ以上の回で、例えば1日、2日、5日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、半年、1年、2年、3年、5年、又はそれ以上の期間を空けて、行うことができる。この比較によって、経時的なモニタリングを行うことができ、狭心症への進行又は狭心症からの進行を評価することができる。
例えば、図1及び2に示すように、フェツインBの量又は濃度が前回の測定値よりも増加した場合、被験者が狭心症を発症し、進行が続いている可能性が高いことを示す。一方、フェツインBの量又は濃度が前回の測定値よりも低下した場合、被験者の狭心症が急性心筋梗塞に向って増悪している可能性が高いことを示す。また例えば、図3に示すように、血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が前回の測定値よりも低下した場合、被験者が狭心症を発症し、進行が続いている可能性が高いことを示す。一方、血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が前回の測定値よりも上昇した場合、被験者の狭心症が急性心筋梗塞に向って増悪している可能性が高いことを示す。
より具体的に説明すると、第1の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(a)と第2の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(b)との比(b/a)が1未満である場合、あるいは第1の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)との比(b/a)が1を超える場合、好ましくは1を超える値を連続して示す場合に、被験者の狭心症が増悪した可能性が高い、すなわち狭心症がさらに進行した可能性が高いことを示す。
一方、例えば、第1の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(a)と第2の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(b)との比(b/a)が1を超える場合、あるいは第1の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)との比(b/a)が1未満である場合に、被験者が、虚血性心疾患に罹患していない又は低リスクから狭心症を発症した可能性が高い、すなわち狭心症に進行した可能性が高いことを示す。
さらに虚血性心疾患の評価方法は、他の従来公知の虚血性心疾患の診断方法と組み合わせて行ってもよい。そのような公知の虚血性心疾患の診断方法としては、心疾患の生理学的及び生化学的マーカーの測定(例えば高血圧、コレステロール値、トリグリセリド値)、心電図による測定、心エコー、動脈脈波伝播速度(PWV:pulse wave velocity)の測定、冠動脈CT、心筋シンチグラム、及びカテーテル検査を伴う冠動脈造影(CAG)が挙げられる。
本発明の虚血性心疾患の評価方法によって、虚血性心疾患、中でも狭心症の発症を早期に判定することができる。すなわち、他の従来公知の虚血性心疾患の診断方法によっては認識されない早期の狭心症の存在を判定することができる。また、狭心症が存在する場合には、その進行程度(重篤度)を判断することができる。そのため、被験者は、虚血性心疾患の治療を早期に、かつ疾患の進行において適切な治療を適時に受けることが可能となる。特に、血液由来サンプルを利用して虚血性心疾患の評価ができるため、従来の方法に比べ、非侵襲的に、迅速にかつ簡易に評価できるという利点もある。
上述の評価結果に基づいて、医師は、被験者の虚血性心疾患について診断を行い、適切な処置を行うことができる。すなわち本発明は、被験者において虚血性心疾患を評価し、治療する方法にも関する。例えば、本発明に係る虚血性心疾患の評価方法に従って被験者における虚血性心疾患を評価し、被験者が虚血性心疾患の狭心症を発症した可能性が高いと評価された場合、被験者において狭心症を治療する又は狭心症の進行を予防する処置を行う。あるいは、被験者が虚血性心疾患の狭心症を発症した可能性が高いと評価された場合、さらに侵襲性の高いカテーテル検査(冠動脈造影など)を行い、狭心症の存在を確定してもよい。
狭心症が軽度の場合には、経過観察、食事療法、運動療法及び投薬を、単独で又は適宜組み合わせて行うことができる。治療薬又は予防薬としては、硝酸薬(例えば、ニトログリセリンなど)、カルシウム拮抗薬(例えば、ニフェジピン、ベラパミルなど)、β受容体遮断薬(例えば、プロプラノロール、ベタキソロールなど)、抗血小板剤(例えば、アスピリンなど)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また狭心症が重度であって心筋梗塞のリスクが高い場合には、上記の処置に加えて、カテーテル治療(例えば、風船、ステントを用いた治療)、外科的バイパス手術(例えば、冠動脈バイパス術)などを行うことができる。
本発明に係る虚血性心疾患の評価方法は、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターといったバイオマーカーを測定するための手段を備えた評価用キット及び/又は評価装置を用いることによって、容易かつ簡便に行うことができる。
評価用キットは、被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するための手段を含んでいる。評価用キットの一例は、免疫アッセイ用試薬セットであり、バイオマーカーであるタンパク質に対する抗体試薬、希釈や洗浄用緩衝液、標準抗原、各抗体試薬に特異的に結合をする標識抗体試薬、発色・発光・蛍光を生じさせる基質試薬、手順と評価方法を記載した手順書等により構成される。評価用キットに含まれる抗体は、予め標識されたものであってもよいし、又は標識されていなくてもよい。また、この抗体は、固相支持体(例えば、メンブレン、ビーズ等)に固定されていてもよい。
評価用キットは、上述した虚血性心疾患の評価方法を実施するための手順及びプロトコールを記載した説明書、評価において使用する基準値又は基準範囲を示した表などを含んでもよい。
評価用キットに含まれる構成要素は、個別に提供されてもよいし、又は単一の容器内に提供されてもよい。好ましくは、評価用キットは、上述した虚血性心疾患の評価方法を実施するために必要な構成要素の全てを、即時に使用することができるように、例えば調整された濃度の構成要素として含む。
一方、図4に示すように、本発明に係る虚血性心疾患の評価用装置4は、被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定する測定部1と、測定部1で測定したフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度を基準値又は前回の測定値と比較する比較部2と、比較部2で得られた比較結果から虚血性心疾患を評価する判定部3とを備えている。
ここで、測定部1は、上述のように、バイオマーカーがタンパク質である場合には血液由来サンプル中のタンパク質の量を測定するための手段、或いはタンパク質をコードするmRNAの量を測定するための手段を含んでいる。測定部1は、測定対象がタンパク質である場合、上述のように、バイオセンサー、プロテインチップ、免疫アッセイと連結した光学装置、質量分析計、NMR分析計、二次元電気泳動装置及びクロマトグラフィー装置等の分析装置を備えている。一方、測定部1は、測定対象が核酸である場合、上述したように、液体シンチレーションカウンター、γ-カウンター、蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダーなどの検出装置を備えている。
測定部1は、上述したような分析装置等から得られた測定値を処理するソフトウエアと計算機よりなるデータ解析部を備えている。データ解析部は、上述したような分析装置等から得られた測定値に基づいて検量線等のデータを参照することで、血液由来サンプルに含まれるフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度を算出する。データ解析部は、例えば、シグナル表示部分、測定値を分析するユニット、コンピュータユニット等を含むことができる。
また、比較部2は、バイオマーカーであるフェツインBの量若しくは濃度に関する基準値、血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度に関する基準値をそれぞれ記憶装置等から読み出し、上記測定部で測定したフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度と基準値とを比較する。このとき、比較部2は、血液由来サンプルの種類、すなわち血液であるか、血清、血漿であるかに応じて適切な基準値を選択して読み出す。あるいは、同一被験者における経時的モニタリングの場合には、比較部2は、前回の測定値を記憶装置等から読み出し、測定部2で測定したフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度と比較する。
さらに、判定部3は、比較部2においてフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度と基準値とを比較した結果に基づいて、あるいは比較部2において複数の時点におけるフェツインBの量若しくは濃度及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量若しくは濃度を比較した結果に基づいて、虚血性心疾患を評価する。ここで、判定部3は、被験者における狭心症の存在を示す情報及び/又は被験者に存在する狭心症の進行程度を示す情報を取得する。
ところで、上述したように、本発明に使用されるバイオマーカーを利用して、虚血性心疾患、中でも狭心症の治療薬又は治療法の有効性を評価、又は虚血性心疾患の治療薬候補をスクリーニングすることができる。具体的に、虚血性心疾患の治療薬又は治療法の有効性を評価方法、又は虚血性心疾患の治療薬候補をスクリーニング方法は、
(a)被験治療薬又は治療法による処置を受けた心疾患を有する動物からのサンプルにおいて、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビター発現を測定するステップ、
(b)(a)の結果に基づいて心疾患に対する被験治療薬又は治療法の有効性を評価するステップ
を含む。
対象となる動物は、虚血性心疾患を有するヒトであってもよいし、あるいは虚血性心疾患モデル動物(マウス、ラット、ウサギなど)であってもよい。一般的には、モデル動物において被験治療薬又は治療法の有効性が確認された後に、ヒトにおいて、例えば臨床試験などにより有効性の評価が行われる。
評価又はスクリーニングの対象となる被験治療薬又は治療法の種類は特に限定されるものではない。例えば、被験治療薬又は治療法は、任意の物質的因子、具体的には、天然に生じる分子、例えば、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物(糖等)、ステロイド、グリコペプチド、糖タンパク質、プロテオグリカンなど;天然に生じる分子の合成アナログ又は誘導体、例えば、ペプチド擬態物、核酸分子(アプタマー、アンチセンス核酸、二本鎖RNA(RNAi)等)など;天然に生じない分子、例えば低分子有機化合物(無機及び有機化合物ライブラリー、又はコンビナトリアルライブラリー等)など;並びにそれらの混合物を挙げることができる。また治療薬又は治療法は、単一物質であってもよいし、複数の物質から構成される複合体や、食品及び食餌等であってもよい。さらに、被験治療薬又は治療法は、上記のような物質的因子に加えて、放射線、紫外線などであってもよい。
動物の被験治療薬又は治療法による処置は、その治療薬又は治療法の種類により異なるが、当業者であれば容易に決定することができる。例えば、被験治療薬の投与量、投与期間、投与経路などの投与条件は、当業者であれば適切に決定することができる。
また、被験治療薬又は治療法の有効性は、いくつかの条件で検討することも可能である。そのような条件としては、被験治療薬又は治療法で処置する時間又は期間、量(大小)、回数などが挙げられる。例えば、被験治療薬の希釈系列を調製するなどして複数の用量を設定することができる。
さらに、複数の被験治療薬又は治療法の相加作用、相乗作用などを検討する場合には、治療薬又は治療法を組み合わせて用いてもよい。
被験治療薬又は治療法の処置後の動物から採取した血液由来サンプル中のバイオマーカーを測定し、処置前の量又は濃度と比較することによって、被験治療薬又は治療法が、虚血性心疾患の改善、虚血性心疾患の進行の停止又は減速化に有効であるか否かを評価することができる。
以上から、本発明に係る虚血性心疾患、中でも狭心症の治療薬又は治療法の有効性の評価方法により、虚血性心疾患を治療又は予防するための治療薬又は治療法を見出し、さらには治療薬又は治療法の有効性を確認することができる。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施例に限定されるものではない。当業者には、本明細書に記載した本発明の発想に基づく様々な実施形態が可能であることは明らかである。
虚血性心疾患の進行におけるフェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの作用機構は殆ど明らかにされていない。そこで、本実施例では、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターについて、血中濃度を測定し、虚血性心疾患の罹患及びその重篤度との関連を検討した。
[材料及び方法]
以下の材料及び方法を本明細書に開示の実験において用いた。
動脈硬化性の虚血性心疾患(安定狭心症、急性心筋梗塞)患者のうち、年齢が45歳以上75歳未満の男性患者より同意を得て採血を実施した。このうち、安定狭心症群(SA)は73人、急性心筋梗塞群(AMI)は48人であった。また、健常ボランティアのうち、年齢が45歳以上75歳未満の男性患者69人より同意を得て、採血を実施し、健常・低リスク群(HC/LR)とした。一検体あたり真空採血管(EDTA-2Na血漿調製用:VP-NA050KN、テルモ)に採血後、直ちに血漿を分離し、−80℃に凍結保存した。
フェツインB及び血漿プロテアーゼC1インヒビターの検体中の濃度は、市販の測定キットを用いて測定した。フェツインBの測定はUSCNライフサイエンス社のヒトフェツインB検出キット(E91860HU、USCN)を用い、血漿プロテアーゼC1インヒビターの測定はUSCNライフサイエンス社のヒト血漿プロテアーゼC1インヒビター検出キット(E90235HU、USCN)を用い、それぞれキット付属の取扱説明書に従って実施した。尚、実験間誤差を把握するため、精度管理用プール血清(コンセーラ、日水製薬)を測定ごとに必ず用いた。
統計解析は、平均値±標準偏差(SD)として標記した。P値は片側のStudent’s t-検定を用いて計算した。
フェツインB及び血漿プロテアーゼC1インヒビターの測定結果を表1に示す。フェツインBの血中濃度の平均値は、健常・低リスク群(HC/LR)及び急性心筋梗塞群(AMI)で同程度であったが、安定狭心症群(SA)で最も高値を示した。血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度の平均値は、フェツインBとは逆に、健常・低リスク群(HC/LR)、急性心筋梗塞群(AMI)で同程度であったが、安定狭心症群(SA)で最も低値を示した。尚、簡略化のため以下表ならびに図中では、フェツインBをFetuin-B、血漿プロテアーゼC1インヒビターをC1NHと略記する。
Figure 2016169998
また、図2にフェツインBの濃度分布を示す。統計解析の結果、健常・低リスク群(HC/LR)と安定狭心症群(SA)間には有意差があり(p<0.05)、健常・低リスク群(HC/LR)と急性心筋梗塞群(AMI)間には有意差がなかった。
さらに、図3に血漿プロテアーゼC1インヒビターの濃度分布を示す。統計解析の結果、フェツインBと同様に、健常・低リスク群(HC/LR)と安定狭心症群(SA)間には有意差があり(p<0.05)、健常・低リスク群(HC/LR)と急性心筋梗塞群(AMI)間には有意差がなかった。
そして、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度の相関を解析したところ、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度は相関しないことが分かった(データは示さない)。
以上の結果から、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度は、狭心症と健常・低リスク群、狭心症と急性心筋梗塞群とを判別するための指標となることが明らかとなった。よって、例えば、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度についてそれぞれ基準値を設定し、フェツインB単独若しくは血漿プロテアーゼC1インヒビター単独、又はフェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターを共に測定し、基準値と比較することで虚血性心疾患の診断に有効な情報を得ることができる。
フェツインBの血中濃度は、健常・低リスク群(HC/LR)に比べて安定狭心症群(SA)で増加したことから、フェツインBの血中濃度を経時的に、数日から数週間の間隔をおいて測定し、濃度が前回の測定値を上回った場合に、健常・低リスク群(HC/LR)が狭心症に進行したと判断することができる。またフェツインBの血中濃度は、安定狭心症群(SA)に比べて急性心筋梗塞群(AMI)で減少したことから、フェツインBの血中濃度を経時的に、数日から数週間の間隔をおいてフェツインBの濃度を測定し、濃度が前回の測定値を下回った場合に、安定狭心症群(SA)が急性心筋梗塞(AMI)へ進行したと判断することができる。
同様に、血中プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度は、健常・低リスク群(HC/LR)に比べて安定狭心症群(SA)で減少したことから、フェツインBの血中濃度を経時的に、数日から数週間の間隔をおいて血中プロテアーゼC1インヒビターの濃度を測定し、濃度が前回の測定値を下回った場合に、健常・低リスク群(HC/LR)が狭心症に進行したと判断することができる。また血中プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度は、安定狭心症群(SA)に比べて急性心筋梗塞群(AMI)で増加したことから、血中プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度を経時的に、数日から数週間の間隔をおいて測定し、濃度が前回の測定値を上回った場合に、安定狭心症群(SA)が急性心筋梗塞(AMI)へ進行したと判断することができる。
このようにフェツイン単独又は血中プロテアーゼC1インヒビター単独あるいは両方をそれぞれ複数回経時的に測定し、前後の値を比較することで、狭心症への進行又は狭心症からの進行の診断に有効な情報を得ることができる。
また、フェツインBと血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度と虚血性心疾患との関連性については、従来動脈硬化及び関連疾患の指標として用いられてきた高感度CRPといった血中マーカーとは異なっていることから、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの血中濃度の測定値が新規マーカーとして有用であることが示唆された。
以上のように、本明細書において本発明に係る技術範囲を詳細に説明したが、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、当業者が実施できる範囲が存することは明らかである。そのため、上述した発明特定事項については多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも特許請求の範囲内のものである。
本発明により、虚血性心疾患、特に狭心症の存在の有無とその進行を予測する技術が提供される。本発明により、虚血性心疾患、例えば狭心症の存在の有無とその状態又は進行の程度を簡便に判定できるので、虚血性心疾患の予防又は治療の分野で有用である。

Claims (15)

  1. 被験者の血液由来サンプル中のフェツィンB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
    上記ステップで測定したフェツィンB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度を基準値と比較するステップと、
    上記ステップで得られた比較結果から虚血性心疾患を評価するステップ
    を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価方法。
  2. 基準値が健常者又は狭心症の低リスク者に由来するとき、
    フェツインBの量又は濃度が上記基準値を上回る場合に、あるいは
    血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が上記基準値を下回る場合に、
    狭心症を発症している可能性が高いと評価する、請求項1に記載の方法。
  3. 被験者の第1時点における血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
    上記被験者の第2時点における血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップと、
    上記ステップで測定した、第1の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点におけるフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)とを比較するステップと、
    上記ステップで得られた比較結果から虚血性心疾患を評価するステップ
    を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価方法。
  4. フェツインBの量又は濃度の比(b/a)が1未満である場合、あるいは
    血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度の比(b/a)が1を超える場合に、
    狭心症が増悪した可能性が高いと評価する、請求項3に記載の方法。
  5. フェツインBの量又は濃度の比(b/a)が1を超える場合、あるいは
    血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度の比(b/a)が1未満である場合に、
    虚血性心疾患に罹患していない又は低リスクから狭心症を発症した可能性が高いと評価する、請求項3に記載の方法。
  6. 虚血性心疾患の評価が、被験者における狭心症の存在の判定及び/又は被験者に存在する狭心症の進行程度の決定である、請求項1又は3に記載の方法。
  7. 上記フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するステップでは、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターであるタンパク質を定量する、或いは当該タンパク質をコードするmRNAを定量する、請求項1又は3に記載の方法。
  8. 被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定するための手段を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価用キット。
  9. 測定されたフェツインBの量又は濃度が健常者又は狭心症の低リスク者に由来する基準値を上回る場合に、あるいは
    血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度が健常者又は狭心症の低リスク者に由来する基準値を下回る場合に、
    狭心症を発症した可能性が高いと評価される、請求項8に記載のキット。
  10. 第1の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(a)と第2の時点において測定されたフェツインBの量又は濃度(b)との比(b/a)が1未満である場合、あるいは
    第1の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(a)と第2の時点において測定された血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度(b)との比(b/a)が1を超える値を連続して示す場合に、
    狭心症が増悪した可能性が高いと評価される、請求項8に記載のキット。
  11. 上記手段は、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターであるタンパク質を測定する、或いは当該タンパク質をコードするmRNAを測定するものである、請求項8に記載のキット。
  12. 上記手段は、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターであるタンパク質に対して特異的に結合する物質である、請求項8に記載のキット。
  13. 上記手段は、フェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターに対する抗体が固相支持体に固定されたものである、請求項8に記載のキット。
  14. 被験者の血液由来サンプル中のフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターを測定する測定部と、
    上記測定部で測定したフェツインB及び/又は血漿プロテアーゼC1インヒビターの量又は濃度を基準値又は前回の測定値と比較する比較部と、
    上記比較部で得られた比較結果から虚血性心疾患を評価する判定部と
    を含むことを特徴とする虚血性心疾患の評価装置。
  15. 上記判定部は、被験者における狭心症の存在を示す情報及び/又は被験者に存在する狭心症の進行程度を示す情報を取得するものである、請求項14記載の装置。
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