JP2016169946A - 位置検出装置 - Google Patents

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徳夫 君塚
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有祐 和佐
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広貴 杉田
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Abstract

【課題】広い測定レンジを実現することができ、測定データの連続性を確保することができる位置検出装置を提供する。
【解決手段】位置検出装置1は、被測定物Wに向けて加圧気体を噴出可能なノズル10と、第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とを仕切る仕切壁30と、第1のチャンバ11内の圧力を測定する第1の圧力センサ41と、第2のチャンバ12内の圧力を測定する第2の圧力センサ42と、第1の圧力センサ41と第2の圧力センサ42の出力値の差に基づいて、被測定物Wがノズル10から所定の距離未満に近づいたことを検出する位置検出部50とを備えている。仕切壁30には、第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とを連通するオリフィス32が形成される。オリフィス32は、第2のチャンバ12から第1のチャンバ11に向かって次第に径が小さくなる縮径部32Aと、縮径部32Aに接続され径が変化しない定径部32Bとを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、位置検出装置に係り、特に加圧気体を用いて被測定物の位置を検出する非接触式位置検出装置に関するものである。
一般に、加工装置により被加工物を加工する際には被加工物をテーブル上に固定して加工を行うが、加工精度を上げるためには、被加工物の被加工面がテーブルの表面と平行又は垂直となるように被加工物の平面度や真直度を維持する必要がある。しかしながら、この方法では、被加工物ごとに平面度や真直度を調整する必要があるため、加工時間の短い被加工物については稼働率が悪くなってしまい、この方法を適用することができない。
加工時間の短い被加工物にも対応すべく、油圧チャックなどを用いて被加工物の着脱を容易にするとともに、被加工物の基準面又は基準位置が加工装置に対して適切な位置となるように被加工物の位置を調整する方法も知られている。この被加工物の基準面や基準位置は、被加工物がチャックされる部分とは異なる部分に設定されることが多いため、被加工物の基準面や基準位置を高精度で検出し、適切な位置に被加工物を配置する必要がある。
従来から、このような基準面や基準位置の検出のために接触式センサが用いられることが多いが、接触式センサでは、接触式センサの検出点や被加工物の接触点に汚れや異物が付着することによって誤差が生じやすいという問題がある。そこで、最近では、接触式センサに代えて、加圧気体を用いて被加工物の表面の位置を検出する非接触式センサ(位置検出装置)が用いられることが多くなっている(例えば、特許文献1参照)。
このような位置検出装置は、加圧気体をオリフィスに通過させた後にこの加圧気体を被加工物に向かって噴出するものである。このとき、被加工物と位置検出装置との間の距離に応じてオリフィスの前後の圧力差が変化するため、圧力センサを用いてこの圧力差を測定することによって、被加工物が位置検出装置から所定の位置にあることを検出できる。
このような従来の位置検出装置の測定レンジは比較的狭いため、測定レンジを広げるためにはオリフィスの交換をする必要がある。例えば、0μm〜200μmを測定レンジとしてカバーするためには、0μm〜100μmを測定レンジとするオリフィスと100μm〜200μmを測定レンジとするオリフィスとを交換して0μm〜200μmの測定レンジを確保する必要がある。このように、従来の位置検出装置では、測定レンジを広げるためにオリフィスの交換という機械的な作業が伴うという問題があった。また、オリフィスを交換した後に較正作業も必要となるため、測定データの連続性が確保できないという問題もあった。
特開2008−8685号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、広い測定レンジを実現することができ、測定データの連続性を確保することができる位置検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、広い測定レンジを実現することができ、測定データの連続性を確保することができる位置検出装置が提供される。この位置検出装置は、被測定物の表面に向けて加圧気体を噴出可能なノズルと、上記ノズルに連通する第1のチャンバと、気体供給源から上記加圧気体が供給される第2のチャンバと、上記第1のチャンバと上記第2のチャンバとを仕切る仕切壁とを備えている。この仕切壁には、上記第1のチャンバと上記第2のチャンバとを連通するオリフィスが形成される。上記位置検出装置は、上記第1のチャンバ内の圧力を測定する第1の圧力センサと、上記第2のチャンバ内の圧力を測定する第2の圧力センサと、上記第1の圧力センサの出力値と上記第2の圧力センサの出力値との差に基づいて、上記被測定物の表面が上記ノズルから所定の距離未満に近づいたことを検出する位置検出部とを備えている。上記オリフィスは、上記第2のチャンバから上記第1のチャンバに向かって次第に径が小さくなる縮径部と、該縮径部に接続され径が変化しない定径部とを含んでいる。
このように、本発明によれば、オリフィスが第2のチャンバから第1のチャンバに向かって次第に径が小さくなる縮径部を含んでいるので、オリフィスの上流側(第2のチャンバ側)において不連続的に渦が発生することが抑制される。したがって、圧力センサが渦の影響を受けにくくなるため、従来の位置検出装置に比べて測定レンジが広くなる。
また、上記オリフィスは、上記定径部に接続され上記第2のチャンバから上記第1のチャンバに向かって次第に径が大きくなる拡径部をさらに含んでいてもよく、あるいは、上記定径部に接続され上記定径部の径を維持する整流板部をさらに含んでいてもよい。このように、オリフィスが拡径部や整流板部を含んでいるので、オリフィスの下流側(第1のチャンバ側)において不連続的に渦が発生することが抑制される。したがって、圧力センサが渦の影響を受けにくくなるため、従来の位置検出装置に比べて測定レンジが広くなる。
本発明によれば、オリフィスが第2のチャンバから第1のチャンバに向かって次第に径が小さくなる縮径部を含んでいるので、オリフィスの上流側(第2のチャンバ側)において不連続的に渦が発生することが抑制される。したがって、圧力センサが渦の影響を受けにくくなるため、従来の位置検出装置に比べて測定レンジが広くなる。
本発明の一実施形態における位置検出装置を示す図である。 図1に示す位置検出装置の第1のチャンバ内の圧力とノズルから被測定物の表面までの距離との関係を模式的に示すグラフである。 従来の位置検出装置におけるオリフィスを示す図である。 図3に示すオリフィス付近の流れを模式的に図である。 図3に示す従来の位置検出装置の第1のチャンバ内の圧力とノズルから被測定物の表面までの距離との関係を模式的に示すグラフである。 図1に示す位置検出装置のオリフィス付近の流れを模式的に図である。 図1に示す位置検出装置の第1のチャンバ内の圧力とノズルから被測定物の表面までの距離との関係を模式的に示すグラフである。 図3に示す従来の位置検出装置における検出距離と繰り返し精度との関係を示すグラフである。 図1に示す位置検出装置における検出距離と繰り返し精度との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態における位置検出装置を示す図である。
以下、本発明に係る位置検出装置の実施形態について図1から図10を参照して詳細に説明する。なお、図1から図10において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態における位置検出装置1の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態における位置検出装置1は、被測定物Wの表面Sに向けて加圧気体を噴出可能なノズル10と、ノズル10に連通する第1のチャンバ11と、気体供給源20からレギュレータ22を介して加圧気体が供給される第2のチャンバ12と、第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とを仕切る仕切壁30と、第1のチャンバ11内の圧力を測定する第1の圧力センサ41と、第2のチャンバ12内の圧力を測定する第2の圧力センサ42とを備えている。
仕切壁30には、仕切壁30を貫通するオリフィス32が形成されており、このオリフィス32によって第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とが連通される。第1の圧力センサ41は、第1のチャンバ11に連通する経路41Aを有しており、例えば、第1のチャンバ11内の圧力を受けるダイアフラムの変形を検出することにより第1のチャンバ11内の圧力を測定するものである。同様に、第2の圧力センサ42は、第2のチャンバ12に連通する経路42Aを有しており、例えば、第2のチャンバ12内の圧力を受けるダイアフラムの変形を検出することにより第2のチャンバ12内の圧力を測定するものである。このような圧力センサ41,42としては既知の種々の圧力センサを用いることができる。
気体供給源20は、加圧された気体を外部に供給できるように構成されている。この気体供給源20内の加圧気体がレギュレータ22により所定の圧力(以下、供給圧力という)P0に調整されて第2のチャンバ12に供給される。第2のチャンバ12に供給された加圧気体は、仕切壁30のオリフィス32を通過して第1のチャンバ11にも流入し、ノズル10から被測定物Wの表面Sに向けて噴出される。
ここで、第1のチャンバ11内の圧力をP1、ノズル10から被測定物Wの表面Sまでの距離をDとすると、P1とDの関係は図2に示すようになる。すなわち、被測定物Wがノズル10からより遠くに位置すればするほど(Dが大きくなればなるほど)、加圧流体は抵抗を受けることなくノズル10から噴出されることとなるので、第1のチャンバ11の圧力P1は供給圧力P0から下がり大気圧に近づいていく。一方、被測定物Wがノズル10のより近くに位置すればするほど(Dが小さくなればなるほど)、ノズル10から噴出される加圧気体が被測定物Wの表面Sで抵抗を受けるため、第1のチャンバ11の圧力P1は加圧気体の供給圧力P0からあまり下がらずに維持される。したがって、第1の圧力センサ41で測定される圧力P1の変化を測定することにより被測定物Wの表面Sがノズル10に近づいたことを検出することができる。
この場合において、第1のチャンバ11の圧力P1は第2のチャンバ12の圧力P2に依存しているため、第1のチャンバ11の圧力P1のみを測定していたのでは安定的な測定結果とはならない。このため、本実施形態では、第1のチャンバ11の圧力P1に加えて第2のチャンバ12の圧力P2も測定している。そして、第1のチャンバ11の圧力P1と第2のチャンバ12の圧力P2との差P2−P1を算出し、この圧力差P2−P1が小さくなったことを検出することによって被測定物Wの表面Sがノズル10から所定の距離未満に近づいたことを検出している。このような圧力差P2−P1を用いることにより、第2のチャンバ12の圧力P2の変動の影響がキャンセルされるので精度のよい測定が可能となる。
図1に戻って、位置検出装置1は、第1の圧力センサ41及び第2の圧力センサ42の出力をA/D変換するA/Dコンバータ43と、A/D変換後の第1の圧力センサ41の出力値と第2の圧力センサ42の出力値との差に基づいて被測定物Wの表面Sがノズル10から所定の距離未満に近づいたことを検出する位置検出部50と、位置検出部50における処理結果を出力する出力部60とを有している。例えば、出力部60はLEDやディスプレイなどの出力機器から構成される。
ところで、従来の位置検出装置のオリフィスは、図3に示すように、チャンバ511,512の周壁511A,512Aから略垂直に延びる仕切壁530に形成された開口532により構成されている。このような構成のオリフィスでは、オリフィスの前後において渦が不連続的に発生しやすく、この不連続的に発生した渦が上述した測定レンジが狭くなる要因の1つになっていると考えられる。すなわち、従来の位置検出装置では、図4に示すように、仕切壁530の中央付近の流れF1は開口532を通過してそのままの流速で流れることができるが、その周囲の流れF2は仕切壁530に衝突して速度がゼロになってしまう。これが乱流や渦の原因となり、流れの全体の速度が上がると、周囲の流れF2による乱流や渦が中央の流れF1にも影響を与える。このため、図5に示すように、従来の位置検出装置における背圧特性が理論値から大きく離れてしまう。そして、ノズルから被測定物の表面までの距離Dが図5の範囲Rにあるときには検出圧力Pがほとんど変化しないため、この範囲Rの距離は測定できないこととなる。
このような観点から、本実施形態では、オリフィス32の形状を上述した渦の発生を抑制できる形状としている。より具体的には、本実施形態におけるオリフィス32は、図1に示すように、第2のチャンバ12から第1のチャンバ11に向かって次第に径が小さくなる縮径部32Aと、縮径部32Aに接続され径が変化しない定径部32Bと、定径部32Bに接続され定径部32Bの径を維持する整流板部32Cとから構成される。このような縮径部32Aを形成することにより、オリフィス32の上流側(第2のチャンバ12側)における渦の発生が抑制され、整流板部32Cを形成することにより、オリフィス32の下流側(第1のチャンバ11側)における渦の発生が抑制される。なお、縮径部32Aにおいて径が小さくなる割合(縮径部32Aの傾斜角度)や整流板部32Cの長さは、位置検出装置1が使用される圧力で渦の発生が最小となるように設定することが好ましい。なお、第1の圧力センサ41の経路41Aは整流板部32Cの下流側に位置しており、第2の圧力センサ42の経路42Aは縮径部32Aの上流側に位置している。
このような構成により、図6に示すように、仕切壁30の中央付近の流れF3はオリフィス32を通過してそのままの流速で流れ、その周囲の流れF4は縮径部30Aによりオリフィス32に向かい、流れを加速するベクトルを生じさせる。これによって流れの全体の速度が上がる。このように流れの流速が上がることに加えて、第1の圧力センサ41及び第2の圧力センサ42の位置を最適化することにより、背圧特性を図7に示すように理論値に近づけることができる。したがって、図5に示す従来の位置検出装置の背圧特性に比べてより広範囲で測定を行うことが可能になる。
また、図7に示すように、理論値では圧力変化αを検出することによって、ノズル10から被測定物Wの表面Sまでの距離Dがd2からd1に変化したことを検出することができるが、本実施形態における位置検出装置1では圧力変化βを検出することによって距離Dがd2からd1に変化したことを検出することができる。ここで、図7に示すように、β>αであるため、本実施形態における位置検出装置1は、理論値を用いるよりも細かい分解能でノズル10から被測定物Wの表面Sまでの距離Dを検出することができることがわかる。
図3に示す従来のオリフィスを用いた位置検出装置において所定の検出距離に対して繰り返し精度を測定した。その結果を図8に示す。図1に示す位置検出装置1においても所定の検出距離に対して繰り返し精度を測定した。その結果を図9に示す。なお、いずれの場合も加圧気体の供給圧力は150kPaとした。図8に示すように、従来のオリフィスを用いた場合に、2μmの再現性を得ることができるのは検出距離が100μm〜250μmの範囲にあるときだけである。検出距離が250μmよりも長くなると誤差が非常に大きくばらつきも大きいことがわかる。一方、本実施形態のオリフィス32を用いた場合には、50μm〜400μmの検出距離の範囲にわたっておよそ2μmの再現性を得ることができた。このように、図1に示す形状のオリフィス32を用いることで、位置検出装置1の測定レンジを広くすることができることがわかる。このように本実施形態における位置検出装置1によれば、測定レンジを広くすることができるので、オリフィスの交換に伴う較正作業も必要なく、測定データの連続性も確保することができる。
また、オリフィス32の整流板部32Cに代えて、図10に示すように、第2のチャンバ12から第1のチャンバ11に向かって次第に径が大きくなる拡径部32Dを定径部32Bに接続してもよい。このような構成のオリフィス132によっても、上述した実施形態と同様に、オリフィス32の前後で渦が発生することを抑制することができ、測定レンジを広くすることができる。この場合において、縮径部32Aにおいて径が小さくなる割合(縮径部32Aの傾斜角度)や拡径部32Dにおいて径が大きくなる割合(拡径部32Dの傾斜角度)は、位置検出装置が使用される圧力で渦の発生が最小となるように設定することが好ましい。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 位置検出装置
10 ノズル
11 第1のチャンバ
12 第2のチャンバ
20 気体供給源
22 レギュレータ
30 仕切壁
32 オリフィス
32A 縮径部
32B 定径部
32C 整流板部
32D 拡径部
41 第1の圧力センサ
42 第2の圧力センサ
43 A/Dコンバータ
50 位置検出部
60 出力部

Claims (3)

  1. 被測定物の表面に向けて加圧気体を噴出可能なノズルと、
    前記ノズルに連通する第1のチャンバと、
    気体供給源から前記加圧気体が供給される第2のチャンバと、
    前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを仕切る仕切壁であって、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通するオリフィスが形成された仕切壁と、
    前記第1のチャンバ内の圧力を測定する第1の圧力センサと、
    前記第2のチャンバ内の圧力を測定する第2の圧力センサと、
    前記第1の圧力センサの出力値と前記第2の圧力センサの出力値との差に基づいて、前記被測定物の表面が前記ノズルから所定の距離未満に近づいたことを検出する位置検出部と、
    を備え、
    前記オリフィスは、
    前記第2のチャンバから前記第1のチャンバに向かって次第に径が小さくなる縮径部と、
    該縮径部に接続され径が変化しない定径部と、
    を含む、
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記オリフィスは、前記定径部に接続され前記第2のチャンバから前記第1のチャンバに向かって次第に径が大きくなる拡径部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記オリフィスは、前記定径部に接続され前記定径部の径を維持する整流板部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
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