JP6209054B2 - エアマイクロメータ - Google Patents
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Description
非特許文献1に記載された背圧方式のエアマイクロメータは、空気源から供給される空気を、レギュレータ(調整バルブ)により圧力を安定化した後、絞り(オリフィス)により仕切られた流路を介してノズルからワークに噴出し、ノズルの背圧を測定する構造を備える。
<1>構成
図1に、本実施の形態に係るエアマイクロメータの概略図を示す。
本実施の形態に係るエアマイクロメータは、エアコンプレッサや調整バルブ等の空気源(図示せず)から供給される空気を、後述の測定ヘッド3のノズル22aから円筒状のワークWの内壁に向けて噴出する。そして、エアマイクロメータは、ノズル22aとワークWの内壁との間の隙間寸法を測定する。
空気配管13は、空気源から測定ヘッド3のノズル22aに至る空気流路中に介在する。
計測演算処理装置20は、アナログデジタル変換器24と、記憶部25と、演算処理部26と、入出力部27とを備える。
記憶部25は、圧力比率と隙間寸法との関係を示す校正データと、ノズルの断面積などの登録データとをテーブルデータとして記憶するものである。
更に、演算処理部26は、算出した圧力比率を示すデータと、テーブルデータとして記憶している校正データおよび登録データとから、ワーク寸法を算出する機能と、その算出した結果を入出力部27に出力する機能とを有する。
発明者は、従来方式のエアマイクロメータが抱えている課題を明確にしてその課題を解決するために、流体力学における連続の式と圧縮性流体に対するベルヌーイの式に基づいて、流路断面積変化に伴う空気流量の理論式を導出した。
ここで、ρは空気の密度、γは比熱比、Rは気体定数、αは流量係数である。式(1)は非特許文献1に記載の理論式と同等の理論式となった。
ここで、α1とα2は、それぞれ、オリフィス14部分とノズル22a部分の流量係数である。
ここで、ρnとρaは、それぞれ、背圧部と大気圧部の空気の密度である。
式(2)は、隙間寸法がオリフィス14の入口部の絶対圧力、ノズル22aの絶対背圧、大気圧、空気の絶対温度などに依存していることを示している。すなわち、従来の背圧方式のエアマイクロメータにおいて絶対背圧のみを測定する場合、絶対背圧から算出される隙間寸法は、オリフィス入口部の絶対圧力や大気圧の変動に影響されることを示している。
また、図3(c)および(d)は、大気圧paを0.10MPaに固定して、供給圧psを0.27,0.30,0.33[MPa]と変化させた場合のゲージ背圧PLに対する隙間寸法Zとその変化率を表すグラフである。
ここで、空気の比熱比γは、一定(γ=1,40307)であるので、Zoで規格化した式(6)は、絶対供給圧ps、絶対背圧pn、大気圧paのみに依存することが分かる。これら3つの圧力値を測定して、式(6)に基づいて隙間寸法を算出することは可能ではある。しかし、理論値と実測値とは完全に一致するわけではないので、実測値に基づいて校正するのが好ましい。この場合、校正データは、3つの圧力値をパラメータにしたものとなり、膨大なデータ量になるので、少ないパラメータで校正できる方法の創出を必要としている。
ここで、絶対圧力(第1圧力、第2圧力)ps,pnに加えて、大気圧との差圧であるゲージ圧力(第1ゲージ圧力、第2ゲージ圧力)という概念を導入し、供給圧力のゲージ圧力、すなわち、ゲージ供給圧(第2検出値)をPH(=ps−pa)、背圧のゲージ圧力、すなわち、ゲージ背圧(第1検出値)をPL(=pn−pa)とする。
発明者は、絶対背圧pn、ゲージ背圧(第1検出値)PL(=pn−pa)、差圧(ps−pn,PH−PL)、さらに、いくつかの圧力比率について、隙間寸法Zを算出するためのパラメータとしての妥当性を検討した。
その結果、第1の圧力比率(算出値)[PL/PH]、ならびに、第2の圧力比率(算出値)[(PH−PL)/PH]が、最適なパラメータであることを見出した。以下、この経緯について詳細に説明する。
また、図4(c)および(d)は、大気圧pa=0.10MPaに固定して、ps=0.27,0.30,0.33MPaと変化させた場合の第1の圧力比率に対する規格化隙間寸法とその変化率を表すグラフである。
図5(a)および(b)は、供給圧psを0.30[MPa]に固定して、大気圧paを0.09,0.10,0.11[MPa]と変化させた場合の第2の圧力比率に対する規格化隙間寸法とその変化率を表すグラフである。また、図5(c)および(d)は、大気圧paを0.10[MPa]に固定して、供給圧psを0.27,0.30,0.33[MPa]と変化させた場合の、第2の圧力比率に対する規格化隙間寸法とその変化率を表すグラフである。
図4および図5と図3との比較から、第1の圧力比率あるいは第2の圧力比率をパラメータにすれば、校正データに関するパラメータは一つで良いこととなり、その結果、校正データ量も少なり、校正データを生成し易くなる。
第1の圧力比率[PL/PH]をパラメータにした場合おける、計測演算処理部20の記憶部25に予めテーブルデータとして記憶しておく校正データと登録データについて、説明する。第2の圧力比率をパラメータにした場合においても同様に説明できる。
校正データは、絶対供給圧(ps=0.30MPa)と大気圧(pa=0.10MPa)を一定にして、圧力比率(PL/PH)に対する規格化隙間寸法(Z/Zo)の関係を示すグラフの略直線的な範囲に限定せず、より広い全範囲に亘って、圧力比率(PL/PH)と規格化隙間寸法(Z/Zo)の関係を実測したもの(図6参照、○印が実測値)とし、記憶部25により予め記憶しておく。すなわち、校正データは、対供給圧(ps=0.30MPa)と大気圧(pa=0.10MPa)を一定値に固定した場合における、式(6)が示す関係を実測したものである。後述するが、これにより、エアマイクロメータの測定範囲は、略直線的な範囲に限定されず、より広い測定範囲に適用することができる。また、Zoが異なる場合の隙間寸法Zでなく、規格化した規格化隙間寸法Z/Zoを用いるので、少ない校正データ量となる。
なお、本実施形態に係る計測演算処理装置20では、例えば、ゲージ供給圧(第2ゲージ圧力)PHと、ゲージ供給圧PHとゲージ背圧PLとの差圧(PH−PL)との、第2の圧力比率を算出し、算出した比率に基づいて隙間寸法Zを算出する処理を行うものであってもよい。
本実施形態に係る計測演算処理装置20は、ゲージ供給圧PHとゲージ背圧PLとの圧力比率(PL/PH)と隙間寸法Zとの関係を示すテーブルデータから、隙間寸法Zを算出する。
図7に、計測演算処理装置20の設定動作のフローチャートを示す。
まず、計測演算処理装置20は、マスタゲージ寸法設定を行う(ステップS101)。マスタゲージとは、筒状をした測定原器であり、ここでは内径の大きさの異なる2種類のマスタゲージを使用する場合について説明する。以下、この2種類のマスタゲージを、大マスタゲージおよび小マスタゲージと称する。ここにおいて、計測演算処理装置20は、ユーザが入出力部27を介して入力した大マスタゲージの実測寸法(X1とする)と小マスタゲージの実測寸法(X2とする)とを入力し、記憶部25により登録データとして記憶する(ステップ101、図6参照)。
結局、本実施の形態に係るエアマイクロメータでは、圧力比率に基づいて、ワークWとノズル22aとの間の隙間寸法を算出するので、空気源の供給圧(第2圧力)psの変動ならびに大気圧paの変動を考慮せずに上記寸法を算出する構成に比べて、空気源の供給圧psの変動ならびに大気圧paの変動に起因した寸法の測定精度の低下を抑制できる。
(1)実施の形態では、空気回路部10が絞り部としてオリフィス14を備える例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、オリフィス14の代わりに層流素子を用いてもよい。層流素子としては、例えば、多孔質部材やメッシュ等が挙げられる。また、多孔質部材としては、金属、セライック、ガラスなどの粉末を焼結させてなる多孔質体、或いは、フッ素樹脂などのポーラスポリマーからなる多孔質体が挙げられる。
本構成によれば、計測演算処理装置20は、外部機器から設定データを取得できるとともに、測定して得られたワークWの内径の寸法を示す数値データを外部機器に送信することができる。
本構成によれば、計測演算処理装置20は、最小二乗法を用いて、前述の式(6)で表される理論曲線のうち、3種類以上のマスタゲージそれぞれを測定して得られる測定データを通る曲線を算出する。従って、算出した曲線は、2種類のマスタゲージを使用した場合に比べて、より実測データを反映したものとなるので、寸法測定精度の向上を図ることができる。
本構成によれば、マスタゲージを必要とせず、登録設定も行う必要がないので、簡便に隙間寸法が算出できる。すなわち、計測演算処理装置20は、ワークWに対するPxを計測し、校正データから規格化隙間寸法Zxを求め、式:Z=Zx・Zoから隙間寸法Zを算出する(図6参照)。この場合、計測演算処理装置20は、予めZoを求めておき、記憶部25に記憶しておく必要がある。
3 測定ヘッド
10 空気回路部
13 空気配管
14 オリフィス(絞り部)
15,17 圧力センサ
20 計測演算処理装置
22a ノズル
Claims (3)
- 空気源から供給される空気を測定ヘッドのノズルから測定対象物に向けて噴出して、前記ノズルと前記測定対象物との間の隙間寸法を測定するエアマイクロメータであって、
前記空気源から前記測定ヘッドのノズルに至る空気流路中に介在し且つ一部に絞り部が設けられてなる空気配管と、
前記空気配管内部における、前記絞り部よりも前記ノズル側の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記絞り部よりも前記空気源側の圧力を検出する第2圧力センサと、
前記第1圧力センサの第1検出値と前記第2圧力センサの第2検出値との差圧と、前記第2検出値との比率である算出値を求め、当該算出値に基づいて前記隙間寸法を算出する処理を行う計測演算処理装置と、を備える
エアマイクロメータ。 - 前記計測演算処理装置は、前記算出値と前記隙間寸法との関係を示すテーブルデータから、前記隙間寸法を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のエアマイクロメータ。 - 前記第1検出値は、前記空気配管内部における、前記絞り部よりも前記ノズル側のゲージ圧力であり、
前記第2検出値は、前記空気配管内部における、前記絞り部よりも前記空気源側のゲージ圧力である
請求項1又は2に記載のエアマイクロメータ。
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