JP2016169932A - 熱交換ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】柵状熱交換器を主要な構成として用いつつ、設置場所の地理的条件を緩和し、浅い地中に埋設しても高い熱交換効率が得られる熱交換ユニットを提供する
【解決手段】上端面が蓋体32で閉鎖された有底筒状容器30内に地下水と熱交換する熱交換器10が収納され、熱交換器は上下に延長する有底管状で開口端側に熱媒体流路(15a,15b)が接続された2本の中空筒状のヘッダーパイプ(11a,11b)が左右に配置されているとともに、2本のヘッダーパイプ間に上下方向に並んだ多数の細管12が接続された展開形状を有して上下方向を軸として巻回され、容器上端面から容器内部の底部側にて開口する地下水供給管41iと容器内部の上端側にて開口する地下水排出管41oと二本の熱媒体往還路(42a,42b)とが突出し、一方の熱媒体流路が2本の熱媒体往還路の一方に接続され、他方の熱媒体流路が他方の熱媒体往還路に接続されている。
【選択図】図4

Description

本発明は地中熱ヒートポンプシステムに用いられる熱交換ユニットに関する。
ヒートポンプは熱媒体を用いて低温部分と高温部分との間で熱を移動させるための技術であり、その技術を用いた複合装置がヒートポンプシステムである。ヒートポンプシステムにおいて低温部分と高温部分との温度差を生み出す熱源に対し、熱媒体から放熱させたり、熱媒体に吸熱させたりする熱交換動作を行う装置が熱交換器である。ヒートポンプシステムに利用される熱源としては大気、河川水、湖沼水、地中熱などが知られている。このようにヒートポンプシステムには熱源などが異なるいくつかの方式があるが、現状では大気を熱源としたヒートポンプ(以下、空気熱ヒートポンプとも言う)が主流である。
しかしながら空気熱ヒートポンプは厳寒地など低温環境下では熱交換の効率が悪くなることが知られている。またヒートポンプを冷房と暖房の双方に利用する場合、日本のように年間を通じて寒暖の差が大きな地域では空気熱は安定した熱源であるとは言い難い。一方地中熱や河川水、湖沼水などを熱源としたヒートポンプ(以下、一括して地中熱ヒートポンプとも言う)では、熱源の温度が年間を通じて安定している。また投入したエネルギーと取り出したエネルギーとの比である周知のCOP値については空気熱の2倍程度であり省エネルギーでもある。省エネルギーであることはヒートポンプシステムを構成するコンプレッサーなどの電源を要する機器での消費電力を抑えることでもあり、COの排出量削減にもつながる。すなわち地中熱ヒートポンプは環境負荷も小さい。そして近年では屋内施設の冷暖房システムに地中熱ヒートポンプを用いる事例が多くなってきた。なお以下の非特許文献1と2には地中熱ヒートポンプに関する技術について記載されており、非特許文献1には地中熱ヒートポンプに関する現状などについても記載されている。そして非特許文献3には本発明に関連する技術として柵状の熱交換器について記載されている。
環境省、"地中熱ヒートポンプシステム"、[online]、[平成26年11月13日検索]、インターネット<URL:https://www.env.go.jp/water/jiban/heatpump-sys_pamph.pdf> 新潟県地中熱利用研究会、"地中熱を利用した住宅用ヒートポンプについて"、[online]、[平成26年11月13日検索]、インターネット<URL:http://www.ngeoh.jp/info/files/20130209-3.pdf> INTERNATIONAL GROUND SOURCE HEAT PUMP ASSOCIATIN、"GCHP Results inNet-Zeo Energy Residence in Japan"、[online]、[平成26年11月13日検索]、インターネット<URL:http://www.igshpa.okstate.edu/pdf_files/2013_conf/proceedings/10-09-2013-1330-Results-From-a-Zero-Energy-Residence-in-Japan_Richard_Gordan_and_Tei_A_Gordon_and_Shinji_Takasugi.pdf>
上述したように地中熱ヒートポンプは環境負荷が小さくエネルギー消費が少ない。そのため将来の冷暖房システムとして有望視されている。しかしながら一般的な地中熱ヒートポンプシステムでは、非特許文献1にも記載されているように20〜100m程度のボーリングが必要であり、このボーリングによって形成した縦孔に熱交換媒体を往還させるためのパイプを熱交換器として埋設している。周知のごとくボーリングには多大な費用が掛かり、現状では地中熱ヒートポンプシステムは大規模施設を対象としたものに限られてしまう。したがって地中熱ヒートポンプシステムを小規模な施設(戸建て住宅など)へ適用させることが難しい。最近では地盤改良を目的として基礎工事に際して10m程度の深さのコンクリートの杭を打ち込み、この杭の内部に熱交換器となるパイプを埋め込む事例もある。しかし地盤改良の必要が無い場所では適用することができない。もちろん施工には大がかりな工事も必要となり一般住居用としては工事費が高くなる。もちろん工期も長くなる。
そこで非特許文献3に記載されている地中熱ヒートポンプでは、互いに平行となるように離間して配置された二本の樹脂製パイプ間に多数の細管を架け渡すように接続させてなる柵状の熱交換器を用い、浅い地中、河川水、湖沼水、あるいはマンホール内に貯まった水を熱源として利用している。図1にこの柵状熱交換器10の概略構造を示した。図1に示した例では、一端(18a,18b)が閉鎖し他端(17a,17b)側に開口部(13a,13b)を有する2本の樹脂製パイプ(以下、ヘッダーパイプ(11a、11b)とも言う)が互いに平行となるように離間して配置され、その2本のヘッダーパイプ間(11a−11b)には多数の樹脂製の細管12が掛け渡されて柵状に形成されている。各細管12の中空管内は2本のヘッダーパイプ(11a,11b)の中空内部に連絡している。それによって2本のヘッダーパイプ(11a,11b)の中空管内が細管12を介して連絡し合っている。
2本のヘッダーパイプ(11a,11b)のそれぞれの開口部(13a,13b)は対角の位置にあり、ヘッダーパイプ(11a,11b)の開口部(13a,13b)にはそれぞれ水、あるいは水にエチレングリコールを混入させた不凍液などの熱媒体を往還させるための熱媒体流路(15a、15b)が継ぎ手14を介して接続されている。そして冷暖房のいずれかに際し、例えば一方のヘッダーパイプ11aの熱媒体流路15aから熱媒体(矢印40a)を供給すると当該熱媒体40aが細管12を満たしつつ他方のヘッダーパイプ11bの熱媒体流路15bから熱媒体の供給源に向かって還流する(矢印40b)。このようにして柵状熱交換器10に対して熱媒体を供給すると、熱交換部20では各細管12内を熱媒体が通過する際にその熱媒体の熱を熱源に放熱させたり、熱源から熱媒体に対して吸熱させたりして熱媒体を冷却あるいは加温する。なお熱交換器によって冷却あるいは加温された熱媒体を冷暖房に用いる技術については上記非特許文献2などに詳しく記載されている。
以上説明したように、柵状熱交換器10を用いた地中熱ヒートポンプシステムでは,シート状の柵状熱交換器10を浅い地中に埋めたり、水中(河川、湖沼、マンホール、コンクリート枡など)に浸漬させたりするだけの簡素な構成となり、大深度のボーリングを要する従来の地中熱ヒートポンプと比較すると施工が容易で工費や工事期間を節約することができる。
しかしながら浅い地中は大深度の地中に比べれば温度が不安定であり、空気熱ヒートポンプと同様の問題が発生する可能性がある。また熱源(土など)と熱交換部とが密着していないので所望の熱量を確保するために、多数の柵状熱交換器を各所に埋設する必要もある。河川水や湖沼水の地中熱を利用する場合には当然のことながらヒートポンプシステムの設置場所の近辺に河川や湖沼があることが前提となる。すなわち設置場所の地理的条件が限定される。マンホールなどを用いる場合にはそのマンホール自体、およびマンホール内に水を導入するための配管設備を地中に設置する必要があり、一般住宅用途としては依然として工費が高くつく。マンホール内に導入する水についても水道水を用いる限り水温が年間を通じて安定しない。
そこで本発明は、柵状熱交換器を主要な構成として用いつつ、設置場所の地理的条件を緩和し、浅い地中に埋設しても高い熱交換効率が得られる熱交換ユニットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、地下熱ヒートポンプシステムを構成する熱交換ユニットであって、
地下水と熱交換を行うための熱交換器が、上下方向を軸としつつ下方を底とした有底筒状の容器内に収納されてなり、
前記容器は、上端面が蓋体により閉鎖されているとともに、当該蓋体から上方に突出しつつ当該容器の内部に連絡する地下水供給管、地下水排出管、および熱媒体を往還させるための二本の熱媒体往還路を備え、
前記熱交換器は、有底管状で開口端側に熱媒体流路の一端が接続された2本のヘッダーパイプと、当該2本のヘッダーパイプの内部空間を連絡させる多数の細管とを備え、
前記熱交換器は、上下に延長しつつ左右に離間して配置された前記2本の中空筒状のヘッダーパイプの側面間に左右に延長する前記多数の細管が上下方向に並んだ状態で接続された柵状の展開形状を有するとともに、当該柵状の熱交換器が上下方向を軸として巻回された状態で前記容器内に収納され、
前記地下水供給管は前記容器内部の底部側にて開口し、
前記地下水排出管は前記容器内部の上端側にて開口し、
前記容器内部において、前記熱交換器の前記二本のヘッダーパイプの一方に接続されている前記熱媒体流路が前記二本の熱媒体往還路の一方に接続され、他方の前記ヘッダーパイプに接続されている前記熱媒体流路が他方の前記熱媒体往還路に接続されている、
ことを特徴とする熱交換ユニットとしている。
前記地下熱ヒートポンプシステムを構成する組み立て済みの一部材としてプレハブ生産されてなることを特徴とする熱交換ユニットとすることもできる。また前記熱源供給管が複数本に分岐し、分岐したそれぞれの熱源供給管が前記熱交換器の巻回形状の円筒領域内に介在して径方向で隣接する細管の間に間隙を設けるスペーサーを兼ねていることとすれば好適である。前記容器が円筒状の樹脂製パイプの両端に円板状の蓋体を接着させることで形成されている熱交換ユニットとしてもよい。
本発明の熱交換器によれば、設置が容易で、設置場所の地理的条件も緩く、しかも充分に安定した熱源を用いたヒートポンプシステムを構築することができる。それによってシステムの構築に係る工費や工期を削減させることができる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
本発明の実施例に係る熱交換ユニットを構成する柵状熱交換器の構成を示す図である。 上記柵状熱交換器を巻回したときの状態を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る熱交換ユニットの外観を示す図である。 上記第1の実施例に係る熱交換ユニットの内部構造を示す図である。 上記第1の実施例に係る熱交換ユニットを用いたヒートポンプシステムの一例を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る熱交換ユニットの内部構造を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===本発明の実施例について===
上述したように柵状熱交換器10は設置が容易であるものの単純に地中に埋設したり河川水や湖沼水に浸漬したりするだけでは、熱交換効率が低かったり、地理的条件が限定されたりするなどの問題がある。そこで本発明者は熱交換器が井戸から汲み上げられる地下水(以下、井戸水)と熱交換を行うヒートポンプを構築することを考えた。河川や湖沼などの水ではなく井戸水を用いるのであれば地理的条件をある程度解消することができる。また井戸水は地中熱と接触しているため年間を通じて温度が安定している。なお熱交換器が井戸水と熱交換を行うように構成されたヒートポンプシステムでは、地下水が本来の熱源である地中熱と熱交換を行う熱媒体として作用するとともに、熱交換器内を流通する熱媒体が地下水と熱交換を行う。すなわち熱交換器は井戸水を介して地中熱と熱交換を行うように構成され、この構成において井戸水は間接的な熱源として作用する。
そして井戸は一般住宅用地においても既に設置されていたり、飲料水や中水(雑用水)用途として、その設置が住宅の建築計画にすでに含まれていたりする場合が多い。したがって井戸水を介して地中熱と熱交換を行うヒートポンプシステムでは、冷暖房システムのための熱源(例えば、大深度の縦孔など)を別途用意するための費用が不要となる。熱交換器に対して熱媒体を循環させるとともに、その熱媒体を圧縮膨張するコンプレッサーや膨張弁を含んだ室外機については、空気熱ヒートポンプを用いた従来の冷暖房システム用の室外機と置換するだけなので、大きな費用負担とはならない。やはり地中熱ヒートポンプを一般住居にも広く普及させるためには、熱交換器を設置するための初期費用を抑制することが重要となる。
しかし井戸水を間接的な熱源(以下、便宜的に「熱源」と称する)とするだけでは、柵状熱交換器を設置する場所(マンホールやコンクリート枡など)を別途用意する必要が依然としてある。マンホールなどの内側に井戸水を導入するための配管設備も必要となる。そこで柵状熱交換器を一体的な容器内に収納するとともに、その容器内に井戸水を連続的に供給したり、柵状熱交換器に対して熱媒体を往還させたりするための配管を備えた一体的なユニットとして熱交換器を提供できれば、現場では配管の接続とその容器一体型の熱交換器(以下、熱交換ユニットとも言う)の埋設作業だけで地中熱ヒートポンプシステムを構築できるのではないかと考えた。そして本発明は、このような考察に基づいて鋭意研究を重ねた結果想到したものである。
==柵状熱交換器===
上述したように本発明の実施例にかかる熱交換ユニットでは図1に示した柵状熱交換器10を使用する。まず実施例において使用した柵状熱交換器10の詳細を図1に基づいて説明する。図中に示したようにヘッダーパイプ(11a,11b)の延長方向を上下方向とし、細管12の延長方向を左右方向とすると、ヘッダーパイプ(11a,11b)は外径25mm、上下の長さL1=0.9mのポリエチレン(PE)製のパイプ材からなり、パイプ材の一端(18a,18b)側には例えばPEなどからなる樹脂製の円板状部材が熱溶着などの方法によって接着されてなる底部が形成されて閉鎖されている。そして他端側には開口(13a,13b)を有している。そしてこの開口(13a,13b)には樹脂製(例えばPE製)の継ぎ手14が接続され、その継ぎ手14には媒体流路(15a,15b)が接続されている。媒体流路(15a,15b)は樹脂製のパイプであってもよいし、軟質樹脂からなるチューブなどであってもよい。なおヘッダーパイプ(11a,11b)の外径と肉厚との比(SDR)は10である。すなわち内径は22.5mmである。
細管12は外径6mm、SDR=8のPE製で柔軟性を有している。そしてこの細管12が117本上下方向に並んで熱交換部20を構成している。また柵状熱交換器10を展開したときの左右のヘッダーパイプ(11a、11b)の中心間の距離L2は5.6mである。なお図1に示した柵状熱交換器10では、一方のヘッダーパイプ11aは上端側に開口17aを有し下端18a側が閉鎖されている。他方のヘッダーパイプ11bは下端18b側に開口17bを有している。それによって一方のヘッダーパイプ(11aまたは11b)に熱媒体を流入させて、対角に位置する他方のヘッダーパイプ(11bまたは11a)から熱媒体を流出させるまでに熱媒体が全ての細管12に確実に充填される。なお当然のことながら柵状熱交換器10は上述した仕様に限定されない。
===第1の実施例===
本発明の実施例に係る熱交換ユニットは上述した柵状熱交換器10を上下方向を軸として巻回させたものを容器内に収納したものである。図2に巻回状態にある柵状熱交換器10の外観を示した。この例では上方に熱媒体流路15aが接続されたヘッダーパイプ11aを中心側として柵状熱交換器10が巻回されている。もちろん下方に熱媒体流路15bが接続されたヘッダーパイプ11bが中心側に配置されていてもよい。
以下に本発明の実施例に共通する基本構成を備えた熱交換ユニットを第1の実施例として挙げる。図3と図4に第1の実施例に係る熱交換ユニット1の構造を示した。図3は当該熱交換ユニット1の外観図であり、図4は熱交換ユニット1の内部構造を示す分解斜視図である。これらの図に示したように熱交換ユニット1は密閉された容器30内に巻回した柵状熱交換器10を収納した構造である。
容器30は有底円筒状の一体成形品の開口を円板状の蓋体で閉鎖した構造とすることもできるが、この例では配水管などにも用いられる直径60cm程度の一般的な樹脂製(例えばPE製)パイプを長さ1m程度で切断してなる容器本体31の両端に同様の樹脂からなる円板状の蓋体(32、33)を熱溶着などの方法によって接着した構造である。それによって容器30は製造が容易で生産性が高く、熱交換ユニット1をより安価に提供できるようになっている。もちろん容器本体31の容積が大きくなれば底に掛かる水圧も大きくなるため、容器本体31は製造コストと耐久性を勘案して適宜な構造のものを採用すればよい。そして円筒状の容器本体31の軸方向を上下方向として図中に示したように上下の各方向を規定すると、上方の蓋体(以下、上蓋32とも言う)からは容器30の内部に連絡する四つの配管(41i,41o,42a,42b)が突出している。具体的には、熱源となる井戸水を容器30内に供給する井戸水供給管41i、容器30内に満たされた井戸水を排出するため井戸水排出管41o、熱媒体を室外機などの外部の機器から容器30内部の柵状熱交換器10に供給したり、柵状熱交換器10にて放熱あるいは吸熱させた後の熱媒体を外部の機器に還流させたりするための管路(以下、媒体往還路(42a,42b)とも言う)である。なお下方の蓋体(以下、底板33とも言う)は容器30の底面を形成している。
また図4に示したように、熱交換ユニット1の容器30の内部には、図2に示した巻回状態にある柵状熱交換器10が収納されており、容器30外から案内された2本の媒体往還路(42a,42b)のそれぞれが2本の媒体流路(15a,15b)に個別に接続されている。また井戸水供給管41iと井戸水排出管41oは上蓋32を介して容器30の内部に案内されて、当該容器30内で開口している。井戸水供給管41iは容器30の底部に向かって延長しつつその底部近傍に開口部43iを有している。井戸水排出管41oは容器30内部の上端面近傍に開口部43oを有している。それによって容器30内に満たされた井戸水が容器30の上方と下方で温度差が生じないようになっている。また井戸水供給管41iにより容器3内の底部側から供給される井戸水は、加圧しなくても、容器内で水位が上昇するのと同じように自然に容器3外へ排出されるようになっている。
図5に第1の実施例に係る熱交換ユニットを用いたヒートポンプシステム100の概略構成を示した。熱交換ユニット1については、容器30内の柵状熱交換器10を上下方向を含む断面図によって示している。そして当該ヒートポンプシステム100は、井戸110から地下水をくみ上げるためのポンプ120、熱交換ユニット1、実質的にヒートポンプの本体である室外機140、および屋内の冷暖房機器(室内機)150などを含んで構成されている。
この図に示したように熱交換ユニット1は地下に埋設されており、上蓋32から突出する各種配管(41i,41o,42a,42b)が地上に露出している。そしてそれらの配管(41i,41o,42a,42b)のうち井戸水供給管41iにはポンプ120が排出する井戸水の流通管路130iが接続されている。それによって地下水が容器30内に供給されつつ井戸水排出管41oを介して容器30外に排出される。排出される井戸水については、例えば井戸水排出管41oを中水の供給経路などに接続することで再利用することができる。井戸水に取水制限が設けられている場合などでは容器30外に排水された井戸水を再度井戸110に戻すこともある。もちろんそのまま下水として廃棄する場合もある。このようにして容器30内には井戸110から随時供給される井戸水Wが容器30内を満たしつつ随時排水がされる(図中、白抜き矢印を参照)。それによって容器30内に井戸水Wが滞留することなく容器30内には常時安定した温度の井戸水Wが満たされた状態となる。
熱交換ユニット1の上蓋32から突出する熱媒体往還路(41a,41b)は、それぞれ室外機140から導出される熱媒体輸送路(160a,160b)が接続されている。熱媒体は室外機140のコンプレッサー141にて圧縮あるいは膨張弁142により膨張された上で容器30内部の柵状熱交換器10に供給される。このヒートポンプシステム100を例えば暖房運転させる際には、熱交換ユニット1における柵状熱交換器10から室外機140に運ばれた熱媒体をコンプレッサー141により圧縮して熱媒体の温度を上昇させ、その上昇した温度を室内機150によって放熱させる。放熱によって熱を奪われた熱媒体は室外機140の膨張弁142によって減圧されて温度を低下させて熱交換ユニット1に戻される(図中、実線矢印を参照)。この熱媒体は熱交換ユニット1の柵状熱交換器10により容器30内に満たされた井戸水Wの熱を吸熱し、再度室外機140に還流する。なお暖房運転における熱媒体の吸放熱の手順を逆にすれば冷房運転となる(図中、点線矢印を参照)。すなわち熱交換ユニット1から還流してきた熱媒体を膨張させて熱媒体を冷却し、圧縮した熱媒体を熱交換ユニット1に戻すことになる。
そして第1の実施例に係る熱交換ユニット1を用いたヒートポンプシステム100では、熱源となる井戸水Wが年間を通じてほぼ一定(例えば15℃程度)の温度を維持しており、室外機140にて冬期の暖房に必要な温度を得るための圧縮量、あるいは夏期の冷房に必要な温度差を得るための圧縮量が空気熱(例えば氷点下)に対して少なくて済み、省エネルギーとなる。
このように第1の実施例に係る熱交換ユニット1では、設置現場に井戸110さえあれば容器30部分が埋設できる程度の浅い穴を造設し、その穴に熱交換ユニット1を埋設するとともに、上蓋32が上方に突出する各種配管(41i,41o,42a,42b)に所定の配管(130i,130o,160a,160b)を接続するだけでよく、熱交換ユニット1を極めて短時間で設置することができる。
===第2の実施例===
上記第1の実施例に係る熱交換ユニット1では井戸水供給管41iが容器内の下方にて開口し、井戸水排出管41oが容器内の上方にて開口していた。それによって容器30内に上下方向での熱勾配が発生しないようになっていた。もちろん容器30内では水平方向の熱勾配も少ない方がより好ましい。また柵状熱交換器10が容器30内で「密」に巻回されていると、その巻回された円筒状の径方向で細管12が互いに接触してしまい、細管12と熱源である井戸水との接触面積が減少し、熱交換効率が低下する可能性がある。したがって細管同士(12−12)を離間させて柵状熱交換器10が「粗」に巻回されていることが望ましい。
そこで第2の実施例として、容器30内の水温分布をより少なくし、かつ柵状熱交換器10を粗に巻回させるための構成を備えた熱交換ユニットを挙げる。図6に第2の実施例に係る熱交換ユニット200の内部構造を一部破断斜視図によって示した。図示したように熱源となる井戸水の供給源を分散配置するために容器30内に案内された井戸水供給管41iが容器30内で複数の管路201〜203に分岐している。さらに分岐した各管路(以下、井戸水供給管201〜203とも言う)が巻回状態にある柵状熱交換器10の細管12同士を離間させるスペーサーの機能も担っている。この例では、上蓋32を介して容器30内部に案内された井戸水供給管41iの延長途上に分岐継ぎ手204が介在し、分岐継ぎ手204の分岐先のそれぞれに個別の井戸水供給管201〜203が接続されている。分岐先の各井戸水供給管201〜203は、それぞれが継ぎ手205を経由しながら延長し、最終的には容器30の底面近傍で開口している。そして上方から見たときに、この分岐した各井戸水供給管201〜203が螺旋を描く細管12に沿って容器30内の各所に分散配置され、柵状熱交換器10を巻回したときに螺旋を描く細管12同士が径方向で密着しないようになっている。それによって螺旋の径方向で隣接する細管間(12−12)に確実に間隙が生じ、容器30内の井戸水と細管12内の熱媒体との間の熱交換効率がより高くなる。
===プレハブ生産について===
上記各実施例に係る熱交換ユニット(1,200)は、地下熱ヒートポンプシステムを構成する組み立て済みの一つの部材として提供すること、すなわち単体の製品として工場出荷される所謂「プレハブ生産」されたものとすればより好ましい。プレハブ生産品とすることで、熱交換ユニット(1,200)の設置現場では、その熱交換ユニットに対して何ら加工をせず、現場に既設の各種管路を熱交換ユニットの各管路に接続して、当該熱交換ユニットを埋設するだけでよく、地下熱ヒートポンプシステムを確実かつ短時間で構築することができる。とくに第2の実施例に係る熱交換ユニットでは、複数に分岐した配管をスペーサとして機能させるために、それらの配管を容器内の適所に配置しつつその配管を縫うようにして柵状熱交換器を巻回させる必要がある。そのため第2の実施例に係る熱交換ユニットをプレハブ生産品とすることで現地での施工時間を劇的に短縮できる。
1,200 熱交換ユニット、10 柵状熱交換器、11a,11b ヘッダーパイプ、12 細管、15a,15b 熱媒体流路、20 熱交換部、30 容器、
31 容器本体、32 蓋体、33 底板、41i,201〜203 井戸水供給管、
41o 井戸水排出管、42a,42b 熱媒体往還路、
100 地下熱ヒートポンプシステム、110 井戸、140 室外機、
150 室内機、W 井戸水

Claims (4)

  1. 地中熱ヒートポンプシステムを構成する熱交換ユニットであって、
    地下水を介して地中熱と熱交換を行うための熱交換器が、上下方向を軸としつつ下方を底とした有底筒状の容器内に収納されてなり、
    前記容器は、上端面が蓋体により閉鎖されているとともに、当該蓋体から上方に突出しつつ当該容器の内部に連絡する地下水供給管、地下水排出管、および熱媒体を往還させるための二本の熱媒体往還路を備え、
    前記熱交換器は、有底管状で開口端側に熱媒体流路の一端が接続された2本のヘッダーパイプと、当該2本のヘッダーパイプの内部空間を連絡させる多数の細管とを備え、
    前記熱交換器は、上下に延長しつつ左右に離間して配置された前記2本の中空筒状のヘッダーパイプの側面間に左右に延長する前記多数の細管が上下方向に並んだ状態で接続された柵状の展開形状を有するとともに、当該柵状の熱交換器が上下方向を軸として巻回された状態で前記容器内に収納され、
    前記地下水供給管は前記容器内部の底部側にて開口し、
    前記地下水排出管は前記容器内部の上端側にて開口し、
    前記容器内部において、前記熱交換器の前記二本のヘッダーパイプの一方に接続されている前記熱媒体流路が前記二本の熱媒体往還路の一方に接続され、他方の前記ヘッダーパイプに接続されている前記熱媒体流路が他方の前記熱媒体往還路に接続されている、
    ことを特徴とする熱交換ユニット。
  2. 請求項1において、前記地下熱ヒートポンプシステムを構成する組み立て済みの一部材としてプレハブ生産されてなることを特徴とする熱交換ユニット。
  3. 請求項1または2において、前記地下水供給管が複数本に分岐し、分岐したそれぞれの地下水供給管が前記熱交換器の巻回形状の円筒領域内に介在して径方向で隣接する細管の間に間隙を設けるスペーサーを兼ねていることを特徴とする熱交換ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記容器は円筒状の樹脂製パイプの両端に円板状の蓋体を接着させることで形成されていることを特徴とする熱交換ユニット。
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