JP2016169653A - 多気筒エンジンの排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動圧排気系の可動部が当該可動部の可動範囲を規定する部材と接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制すること。
【解決手段】エンジンの複数の気筒に各々接続された複数の独立排気通路から延びる複数のノズル内通路が形成されたノズル部と、ノズル内通路から排出されたガスが流入する流入部、および、流入部を通過したガスが集合する集合部を有し、ノズル部の下流側に上下流方向に変位可能に設けられて、上流側に変位したときに流入部の流路面積を縮小し、下流側に変位したときに流入部の流路面積を拡大する筒状の可動部と、ノズル部に設けられ、可動部が上流方向に所定位置まで変位したときにノズル部と可動部との間に挟まれるように配置され、所定位置からの上流方向への可動部の変位を阻止する上流側緩衝部材とを備え、上流側緩衝部材は、可動部に接触する面が断面円弧状に形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、多気筒エンジンの排気装置に関する。
従来より、自動車等のエンジンにおいて、エゼクタ効果を利用して排気を促進することにより、エンジントルクを高めるようにしたエンジンの排気装置の開発が行われている。
エゼクタ効果を利用して排気を促進する排気装置には、例えば、特許文献1に記載されているように、排気通路の流路面積を変更することにより、さらに効果的にエンジントルクを高めるようにしたものがある。
特許文献1に記載のエンジンの排気装置は、複数の気筒にそれぞれ接続された独立排気通路の下流側部分に、上流側から順に、流路面積が下流側に向かうほど小さくなり、各独立排気通路とそれぞれ独立して連通する複数のガス通路が形成された絞り部と、各ガス通路を通過した排気が合流する筒状の合流部と、流路面積が下流側に向かうほど大きくなる筒状のディフューザ部とが設けられ、絞り部内の各ガス通路の流路面積を変更可能とした装置である。
絞り部、合流部、およびディフューザ部は、いわゆる動圧排気系を構成している。すなわち、動圧排気系は、独立排気通路から流入した排気ガスの流速を絞り部で高めて、その高速の排気ガスを合流部に流入させることにより合流部内に負圧を発生させ、その負圧で他の独立排気通路から排気ガスを吸い出す(掃気する)ように構成されたものである。
絞り部の構造について具体的に説明する。絞り部は、上記独立排気通路に接続される内管と、この内管の周面を囲む外管、上記合流部、および上記ディフューザ部を一体化させて成る可動部とで構成されている。内管は、下流側に向かうほど径が小さくなっており、その周壁に、内管内部と内管外部とを連通させる開口部が形成されている。外管は、下流側に向かうほど径が小さくなっている。内管と外管との間には、内管の周壁に形成された開口部から流出した排気ガスを合流部に導く流路が形成されている。外管を内管に対して排気ガスの流れ方向に沿って変位させることにより、内管と外管との間の流路面積、ひいては絞り部内のガス通路の流路面積が変更される。
内管は、外管の可動領域の上流端を規定している。つまり、外管が可動領域の上流端に変位すると、外管が内管に接触するため、外管のそれ以上の上流側への変位が阻止される。絞り部内のガス通路の流路面積を最小面積にする際には、内管と外管とを直接接触させて、内管と外管との間の流路を閉鎖する。
特開2013−57255号公報
特許文献1に記載の排気装置では、内管および外管は、いずれも全体が金属で構成されているため、内管と外管とが接触して接触音が生じたり、内管が外管の壁面に食いついたような状態になって外管の動きが悪くなる現象(いわゆる「かじり」と称される現象)が生じたり、排気ガスの熱を受けて熱膨張した内管が外管の内面に固着してしまう虞がある。
また、特許文献1に記載の排気装置では、排気装置が大型化して重量が増大する虞がある。具体的に説明すると、この排気装置では、合流部およびディフューザ部が一体化されているため、絞り部の流路面積を変更させる際には、合流部およびディフューザ部の双方を変位させなければならず、大型のアクチュエータが必要になり、これに伴い、排気装置が大型化して重量が増大する虞がある。
この問題を解消するために、例えば、ディフューザ部を外管および合流部とは別体に構成するとともに、外管、合流部、およびディフューザ部を筒状のアウターシェル内に収容し、ディフューザ部を動かさずに、外管および合流部をアウターシェル内で変位させることが考えられる。さらに、外管の可動領域の上流端を、外管が内管に接触する位置に規定し、外管の可動領域の下流端を、外管がアウターシェルに接触する位置に規定することが考えられる。
しかしながら、この構成の場合も、外管を可動領域の上流端まで変位させたときに、外管と内管との接触による接触音、かじり、および固着が生じる虞がある。また、外管を可動領域の下流端まで変位させたときに、外管とアウターシェルとの接触による接触音、かじり、および固着が生じる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、動圧排気系の可動部が当該可動部の可動範囲を規定する部材と接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制することができる多気筒エンジンの排気装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、複数の気筒を有するエンジンの当該複数の気筒に各々独立して接続された複数の独立排気通路から延びて、各前記独立排気通路から排出されたガスが各々独立して流入する複数のノズル内通路が形成されたノズル部と、前記ノズル内通路から排出されたガスが流入する流入部、および、当該流入部を通過したガスが集合する集合部を有し、ガスの流れ方向における前記ノズル部の下流側にガス流れの上下流方向に変位可能に設けられて、上流側に変位したときに前記流入部の流路面積を縮小し、下流側に変位したときに前記流入部の流路面積を拡大する筒状の可動部と、前記可動部を上下流方向に変位させる移動手段と、前記ノズル部および前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が上流方向に所定位置まで変位したときに前記ノズル部と前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より上流方向への前記可動部の変位を阻止する上流側緩衝部材とを備え、前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする、多気筒エンジンの排気装置を提供する。
本発明によれば、上流側緩衝部材は、動圧排気系の可動部がその可動領域の最上流位置まで変位したときに、ノズル部と可動部との間に挟まれるように配置される。従って、可動部がその可動領域の最上流位置まで変位したときに、可動部はノズル部とは接触せず、上流側緩衝部材を介してノズル部に近接するだけなので、可動部とノズル部とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。しかも、上流側緩衝部材は、ノズル部(または可動部)との接触面が断面円弧状に形成されているので、接触面が断面円弧状でない場合と比べて、上流側緩衝部材とノズル部(または可動部)との接触面積が大きくなり、その結果、上流側緩衝部材がノズル部(または可動部)に接触することによるかじりおよび固着の発生が抑制され、がたつきが生じにくくなって接触音の発生も抑制される。
本発明においては、前記ノズル部は、ガスの流れ方向における上下流方向に延びる筒状に形成され、前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の一方の全周に沿うリング状に形成されることが好ましい。
この構成によれば、上流側緩衝部材がリング状に形成されているので、製造誤差などにより可動部の中心軸がノズル部の中心軸に対してどちらの方向にずれていても、可動部とノズル部との接触が防止され、接触音、かじり、および固着が生じにくい。
本発明においては、前記上流側緩衝部材がシールリングであることが好ましい。
この構成によれば、流体の漏れ防止に用いられる一般的なシールリングを利用して、接触音、かじり、および固着の抑制と、シール性の確保とを容易に図ることができ、製造コストを抑えることができる。
本発明においては、前記上流側緩衝部材は前記ノズル部の外周面に設けられ、前記上流側緩衝部材における前記可動部側の面が、前記ノズル部の中心軸上で且つ前記上流側緩衝部材の上流側に位置する点を中心とする球面の一部で凸状に構成され、前記可動部における前記上流側緩衝部材側の面が、前記上流側緩衝部材における前記可動部側の面に沿う凹状に構成されていることが好ましい。
この構成によれば、製造誤差などにより可動部の中心軸がノズル部の中心軸に対して傾斜していても、上流側緩衝部材の凸面が可動部の凹面に接触するので、可動部とノズル部との接触が防止され、接触音、かじり、および固着が生じにくい。
本発明は、複数の気筒を有するエンジンの当該複数の気筒に各々独立して接続された複数の独立排気通路から延びて、各前記独立排気通路から排出されたガスが各々独立して流入する複数のノズル内通路が形成されたノズル部と、前記ノズル内通路から排出されたガスが流入する流入部、および、当該流入部を通過したガスが集合する集合部を有し、ガスの流れ方向における前記ノズル部の下流側にガス流れの上下流方向に変位可能に設けられて、上流側に変位したときに前記流入部の流路面積を縮小し、下流側に変位したときに前記流入部の流路面積を拡大する筒状の可動部と、前記可動部を上下流方向に変位させる移動手段と、前記可動部の周囲を覆い、内部で前記可動部が上下流方向に移動可能な筒状のアウターシェルと、前記アウターシェルおよび前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が下流方向に所定位置まで変位したときに前記アウターシェルと前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より下流方向への前記可動部の変位を阻止する下流側緩衝部材とを備え、前記下流側緩衝部材は、前記アウターシェルおよび前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする、多気筒エンジンの排気装置を提供する。
本発明によれば、下流側緩衝部材は、動圧排気系の可動部がその可動領域の最下流位置まで変位したときに、アウターシェルと可動部との間に挟まれるように配置される。従って、可動部がその可動領域の最下流位置まで変位したときに、可動部はアウターシェルとは接触せず、下流側緩衝部材を介してアウターシェルに近接するだけなので、可動部とアウターシェルとが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。しかも、下流側緩衝部材は、アウターシェル(または可動部)との接触面が断面円弧状に形成されているので、接触面が断面円弧状でない場合と比べて、下流側緩衝部材とアウターシェル(または可動部)との接触面積が大きくなり、その結果、下流側緩衝部材がアウターシェル(または可動部)に接触することによるかじりおよび固着の発生が抑制され、がたつきが生じにくくなって接触音の発生も抑制される。
本発明においては、前記ノズル部および前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が上流方向に所定位置まで変位したときに前記ノズル部と前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より上流方向への前記可動部の変位を阻止する上流側緩衝部材をさらに備え、前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、下流側緩衝部材がアウターシェル(または可動部)に接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制するとともに、上流側緩衝部材がノズル部(または可動部)に接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制することができる。
本発明においては、前記可動部は、下流側に向かうほど径が小さくなる可動部側縮径部を有し、前記アウターシェルは、前記可動部側縮径部の外周面に対向して下流側へ向かうほど径が小さくなるシェル側縮径部を有し、前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部における前記可動部側縮径部に対向する位置もしくは前記可動部側縮径部の内周面に設けられ、前記下流側緩衝部材は、前記可動部側縮径部の外周面もしくは前記シェル側縮径部の内周面に設けられることが好ましい。
この構成によれば、上流側緩衝部材を可動部側縮径部またはその付近に配置し、下流側緩衝部材を、可動部側縮径部の外周面に対向するシェル側縮径部またはその付近に配置するので、上流側緩衝部材および下流側緩衝部材の双方をシェル側縮径部内にコンパクトに配置することができる。
以上説明したように、本発明によれば、動圧排気系の可動部が当該可動部の可動範囲を規定する部材と接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置の概略側面図である。 本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置の概略正面図である。 ノズル部の下流端部を示す図である。 スライド部が最上流位置にある状態のアウターシェル内部を示した図である。 スライド部が最上流位置にあるときの多気筒エンジンの排気装置を示す部分断面図である。 図6に示す多気筒エンジンの排気装置を、ガス流れの上下流方向に沿って緩衝部材を切断した状態で示す部分断面図である。 図7の要部を拡大して示す断面図である。 スライド部が最下流位置にあるときの多気筒エンジンの排気装置を示す部分断面図である。 図9に示す多気筒エンジンの排気装置を、ガス流れの上下流方向に沿って緩衝部材を切断した状態で示す部分断面図である。 図10の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンの運転状態(運転領域)を示した図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置100の概略構成図である。図2は、図1の概略側面図である。図3は、図1の概略正面図である。なお、図1では、後述するスライドアクチュエータ70の図示は省略している。
なお、以下の説明では、排気ガスの流れ方向における上流側を「上流側」、排気ガスの流れ方向における下流側を「下流側」、上流側の端部を「上流端部」、下流側の端部を「下流端部」、排気ガスの流れに沿った方向を「上下流方向」と各々称する。
図1に示されるように、本実施形態における多気筒エンジンの排気装置100は、エンジン1に取り付けられるものである。本発明におけるエンジン1は、車幅方向に4つの気筒12a〜12dが並ぶ直列4気筒4サイクルガソリンエンジンである。エンジン1のシリンダヘッド9には、車幅方向に沿って車両の右側から順に、第1気筒12a,第2気筒12b,第3気筒12c,および第4気筒12dが形成されている。
エンジン1は、各気筒12a〜12dにおいて、180℃Aずつずれたタイミングで気筒内の混合気に点火が行われて、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程がそれぞれ180℃Aずつずれるように構成されている。本実施形態では、第1気筒12a→第3気筒12c→第4気筒12d→第2気筒12bの順に点火が行われてこの順に排気行程等が実施される。
図1に示されるように、エンジン1のシリンダヘッド9には、上記混合気に点火を行う点火プラグ15が各気筒12の燃焼室に臨む位置に設けられている。
シリンダヘッド9には、気筒12毎に、2つの吸気ポート17および2つの排気ポート18が形成されている。吸気ポート17は、各気筒12内に吸気を導入するためのものである。排気ポート18は、各気筒12内から排気を排出するためのものである。各吸気ポート17には、当該吸気ポート17を開閉して吸気ポート17と気筒12内部とを連通あるいは遮断するための吸気弁19が設けられている。各排気ポート18には、当該排気ポート18を開閉して排気ポート18と気筒12内部とを連通あるいは遮断するための排気弁20が設けられている。吸気弁19は、吸気弁駆動機構30により駆動されて吸気ポート17を開閉し、排気弁20は、排気弁駆動機構40により駆動されて排気ポート18を開閉する。
吸気弁駆動機構30は、吸気弁19に連結された吸気カムシャフト31と、吸気VVT(Valiable Valve Timing)32とを有している。吸気カムシャフト31は、周知のチェーン/スプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトの回転に伴い回転して吸気弁19を開閉駆動する。吸気VVT32は、吸気カムシャフト31と同軸に配置されてクランクシャフトにより直接駆動される所定の被駆動軸と吸気カムシャフト31との間の位相差を変更する。これにより、吸気VVT32は、クランクシャフトと吸気カムシャフト31との間の位相差すなわち吸気弁19のバルブタイミングを変更する。吸気VVT32としては、液圧式のものや電磁式のもの等が用いられる。
排気弁駆動機構40は、吸気弁駆動機構30とほぼ同様の構造を有しており、排気弁20およびクランクシャフトに連結された排気カムシャフト41と、排気カムシャフト41とクランクシャフトとの位相差を変更することで排気弁20のバルブタイミングを変更する排気VVT42とを有している。
次に、本実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置100の構成について詳説する。
図1に示されるように、多気筒エンジンの排気装置100は、エンジン1の各気筒12a〜12dに各々独立して接続されて下流端が束ねられた4つの独立排気管52と、独立排気管52の下流端に接続された動圧排気系60と、動圧排気系60の下流端に接続された下流側排気管80と、動圧排気系60の後述するスライド部62を上下流方向にスライド変位させるためのスライドアクチュエータ70(図2,3参照)とを備えている。
<下流側排気管80の構成>
下流側排気管80は、1つの通路が形成された略円筒状部材である。各気筒12から排出された排気ガスは、後述するように、それぞれ独立して各独立排気通路52aを通過した後、動圧排気系60内で合流し、その後、下流側排気管80を通って排気装置100の外部に排出される。下流側排気管80には、触媒装置やマフラー等が配置されている。
<独立排気管52の構成>
独立排気管52は、図1等に示されるように、気筒12の排気ポート18から下流側に延びる部材である。各独立排気管52には、気筒12から排出された排気ガスを動圧排気系60に導く独立排気通路52aが形成されている。各独立排気管52は、動圧排気系60の上流端に向かって延びており、動圧排気系60の上流端付近で束ねられて、動圧排気系60の上流端に接続されている。
<動圧排気系60の構成>
動圧排気系60は、独立排気管52から排出された排気ガスの流速を高めて、その高速の排気ガスにより負圧を発生させ、その負圧で他の独立排気管52から排気ガスを吸い出す(掃気する)ように構成されたものである。図1に示されるように、動圧排気系60は、全体として、その流路面積が、下流側に向かって次第に小さくなった後、一定状態を維持して延び、その後、下流側に向かって次第に大きくなるような形状を有している。
図1に示されるように、動圧排気系60は、上流端が独立排気管52に接続され、下流端が下流側排気管80に接続された筒状のアウターシェル61と、このアウターシェル61の内部にそれぞれ収容されるノズル部64、スライド部62、およびディフューザ部63とを有する。ノズル部64、スライド部62、およびディフューザ部63は、この順で上流側から順に配置されている。
<ノズル部64の構成>
図7に示されるように、ノズル部64は、上下流方向に延びる管状部材であり、独立排気管52の下流端から下流側へ延びている。ノズル部64は、アウターシェル61内の上流端部に配置されている。ノズル部64には、各独立排気通路52から排出された排気がそれぞれ独立して流入する4つのノズル内通路64a(図4,7参照)が形成されている。4つのノズル内通路64aは、4つの独立排気通路52にそれぞれ対応して設けられている。図4,7に示されるように、各ノズル内通路64aは、同一の構造を有しており、ノズル部64の中心軸X1周りに互いに等間隔(90°間隔)に並んでいる。
図7に示されるように、ノズル部64は、ノズル側ストレート部64bと、ノズル側縮径部64cとを有している。
ノズル側ストレート部64bは、独立排気管52の下流端から同一径を維持しつつ下流側に延びる円筒状をなしている。ノズル側ストレート部64b内のノズル内通路64aは、ノズル部64の中心軸X1に沿って直線状に延びている。
図7,8に示されるように、ノズル側ストレート部64bの周壁の下端部には、上流側緩衝部材65が設けられている。上流側緩衝部材65は、ノズル部64の外周面に取り付けられるリング状の部材である。上流側緩衝部材65の外周面は、スライド部62における後述の湾曲部62aの内周面に沿った形状(断面円弧状)をなしている。具体的には、上流側緩衝部材65の外周面は、ノズル部64の中心軸X1上の点P1を中心とする半径R1の球面の一部をなすように形成されている。つまり、中心軸X1を通る平面で上流側緩衝部材65を切断すると、その切断面の外縁(中心軸X1とは反対側の縁)が円弧状となる。点P1は、中心軸X1上で上流側緩衝部材65よりも上流側に位置している。
上流側緩衝部材65の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、膨張黒鉛とステンレスメッシュとを組み合わせて構成することができる。具体的には、例えば、帯状のステンレスメッシュシートに帯状の膨張黒鉛シートを重ね合わせたものをリング状に巻回し、その巻回したものを外周面が断面円弧状をなすように加圧成形することにより、上流側緩衝部材65を製造することができる。膨張黒鉛を用いたリング状部材は、一般的に、ガスケット等のシールリングとして用いられるものである。本実施形態では、このように一般的に用いられているシールリングを上流側緩衝部材65に用いることにより、上流側緩衝部材65にかかるコストを抑えることができる。
図7,8に示されるように、上流側緩衝部材65は、スライド部62が上流方向に所定位置(後述するスライド部62の可動領域の最上流位置)まで変位したときにノズル部64とスライド部62との間に挟まれるように配置される。つまり、上流側緩衝部材65は、スライド部62が上記所定位置まで変位したときに、スライド部62の湾曲部62aに接触するように配置されている。このように配置されることにより、上流側緩衝部材65は、ノズル部64と協働してスライド部62の上記所定位置からの上流方向への変位を阻止する。すなわち、上流側緩衝部材65は、ノズル部64と協働してスライド部62の可動領域の最も上流側の位置(最上流位置)を規定する。
ノズル側縮径部64cは、ノズル側ストレート部64bの下流端から下流側に延びており、下流側に向かうに従って縮径する略円錐台形状をなしている。つまり、ノズル側縮径部64cの周壁は、下流側に向かうに従って中心軸X1側に傾斜するよう構成されている。これに伴い、ノズル側縮径部64c内のノズル内通路64aの流路面積は、ノズル側ストレート部64b内のノズル内通路64aの流路面積よりも小さくなっている。詳細には、ノズル側ストレート部64b内の流路面積は上下流方向全体に亘り一定であり、ノズル側縮径部64c内の流路面積は下流側に向かうに従って小さくなっている。ノズル部64の下流端の内径は、例えば、ノズル部64の上流端の内径の約半分に設定されている。
図4,7に示されるように、ノズル側縮径部64cの周壁には、ノズル内通路64aの内側と外側とを連通させる開口部64dが形成されている。図4に示されるように、開口部64dは、ノズル部64の中心軸X1周りに等間隔で(90°間隔で)設けられている。図5に示されるように、ノズル側縮径部64cの周壁の一部が、下流端から上流側に向かって略半円状に切り欠かれることで開口部64dが形成されている。ここで、ノズル側縮径部64cの周壁が、上記のように下流側に向かうに従って中心軸X1側に傾斜していることから、開口部64dは下流側に向けて開口している。
<スライド部62の構成>
スライド部(本発明の「可動部」に相当)62は、ノズル部64およびアウターシェル61と同軸上にあって上下流方向に延びる管状部材である。つまり、スライド部62の中心軸X2は、ノズル部64の中心軸X1およびアウターシェル61の中心軸X3と一致している。
スライド部62には、1つの通路が形成されている。スライド部62は、独立排気通路52aからノズル内通路64aに流入した排気ガスが通過する通路の流路面積を変更するために、スライドアクチュエータ70により駆動されて上下流方向に変位する。
図7,9に示されるように、スライド部62の下流端部は、ディフューザ部63内を上下流方向にスライド変位する。
スライド部62は、湾曲部62aと、スライド側縮径部62bと、スライド側ストレート部62cとを有し、上下流方向に延びる筒状の部材である。湾曲部62aおよびスライド側縮径部62bは、本発明の「流入部」に相当する。スライド側ストレート部62cは、本発明の「集合部」に相当する。
図8に示されるように、湾曲部62aは、スライド部62の上流端から下流側に延びる筒状部分である。湾曲部62aの内周面は、スライド部62の中心軸X2上の点P1を中心とする半径R1の球面の一部をなすように形成されている。つまり、中心軸X2を通る平面で湾曲部62aを切断すると、その切断面の内縁(中心軸X2側の縁)が円弧状となる。点P1は、中心軸X2上で湾曲部62aよりも上流側に位置している。
スライド側縮径部62bは、湾曲部62aの下流端から下流側へ延びる筒状部分であり、ノズル側縮径部64cに沿って延びる形状を有している。すなわち、スライド側縮径部62bは、下流側に向かうに従ってスライド部62の中心軸X2側に傾斜するよう構成されており、下流側に向かうほど径が小さくなる円錐台状に形成されている。これに伴い、スライド側縮径部62bの流路面積は下流側に向かうほど小さくなっている。
湾曲部62aおよびスライド側縮径部62bは、ノズル部64の下流端部を覆うように配置されている。
具体的には、図6〜8に示されるように、スライド部62が最上流位置に変位しているときには、スライド部62の湾曲部62aおよびスライド側縮径部62bは、ノズル側ストレート部64bの下流端部、ノズル部側縮径部64c、および上流側緩衝部材65を覆う。そして、湾曲部62aの内周面は、上流側緩衝部材65の外周面に接触する。この状態において、湾曲部62aおよびスライド側縮径部62bとノズル側縮径部64cとは互いに接してはいないものの、その距離は小さく、互いに近接した状態となる。
一方、図9〜11に示されるように、スライド部62が最下流位置に変位しているときには、湾曲部62aおよびスライド側縮径部62bは、ノズル側縮径部64cを覆う。この状態において、湾曲部62aの内周面は、上流側緩衝部材65の外周面から大きく離間する。
隆起部62dは、スライド側縮径部62bの下流端部に設けられている。図6〜11に示されるように、隆起部62dは、スライド側縮径部62bの外周面から径方向外側へ隆起しており、スライド側縮径部62bの全周に亘って形成されている。隆起部62dの下流側部分は、周方向全体に亘ってリング状に切り欠かれている。この切欠部には、リング状の下流側緩衝部材66が取り付けられている。
下流側緩衝部材66の外周面は、後述するアウターシェル61の膨出部61eの内周面(凹面)に沿った形状(断面円弧状)をなしている。具体的には、図11に示されるように、下流側緩衝部材66の外周面は、スライド部62の中心軸X2上の点P2を中心とする半径R2の球面の一部をなすように形成されている。つまり、中心軸X2を通る平面で下流側緩衝部材66を切断すると、その切断面の外縁(中心軸X2とは反対側の縁)が円弧状となる。点P2は、中心軸X2上で下流側緩衝部材66よりも上流側に位置している。
下流側緩衝部材66は、上流側緩衝部材65と同様の材料で構成することができる。
図10,11に示されるように、下流側緩衝部材66は、スライド部62が下流方向に所定位置(後述するスライド部62の可動領域の最下流位置)まで変位したときにアウターシェル61とスライド部62との間に挟まれるように配置される。つまり、下流側緩衝部材66は、上記所定位置まで変位したときに、アウターシェル61の膨出部61eの内周面に接触するように配置されている。このように配置されることにより、下流側緩衝部材66は、アウターシェル61と協働してスライド部62の上記所定位置からの下流方向への変位を阻止する。すなわち、下流側緩衝部材66は、アウターシェル61と協働してスライド部62の可動領域の最も下流側の位置(最下流位置)を規定する。
図6〜8に示されるように、スライド部62が最上流位置に変位している状態では、スライド側縮径部62bはノズル部側縮径部64cのほぼ全体と近接する結果、図7の矢印に示すように、スライド側縮径部62bによってノズル部側縮径部64cの各開口部64dが実質的に塞がれた状態となる。具体的には、スライド側縮径部62bとノズル部側縮径部64cの間には、若干の隙間があるものの、その隙間は狭いため、スライド側縮径部62bとノズル部側縮径部64cの間の空間には、殆ど排気ガスが流れない。従って、独立排気通路52からノズル内通路64aに流入した排気は、開口部64dからノズル部64外に流出することなくノズル内通路64aを通過し、ノズル内通路64aの下流端から下流側に流れていく。
一方、図9〜11に示されるように、スライド部62が上記最上流位置から下流側にスライド変位して、最下流位置に到達すると、スライド側縮径部62bはノズル部側縮径部64cから下流側に大きく離間する。これに伴い、これら縮径部62b,64c間には通路が形成されるとともに、各開口部64dは開放される。このため、スライド部62が最下流位置に変位した状態では、独立排気通路52からノズル内通路64aに流入した排気ガスの一部は、スライド側縮径部62bとノズル部側縮径部64cとの間に形成された通路(以下、「外部通路64e」と称する)を通って下流に流れていく。すなわち、図10,11の矢印で示すように、独立排気通路52からノズル内通路64aに流入した排気ガスは、ノズル内通路64aに加えてこの外部通路64eを通過する。
このように、本実施形態では、スライド部62の位置が、最上流位置と、これよりも下流側の位置とに変位することで、独立排気通路52からノズル内通路64aに流入した排気ガスが通過する通路が、ノズル内通路64aのみと、ノズル内通路64aおよび外部通路64eとに切り替えられ、これにより、排気ガスが通過する通路の流路面積が切り替えられる。すなわち、スライド部62の位置が最上流位置とされることで、排気ガスが通過する通路の流路面積は最小とされ、スライド部62の位置が最上流位置よも下流側とされることで、この流路面積が最小よりも大きくされる。そして、この流路面積の切替に伴って、ノズル内通路64aから下流に排出される排気の速度が切り替えられる。具体的には、スライド部62の位置が最上流位置とされて排気ガスが通過する通路の流路面積が最小とされると、この排気がノズル内通路64aから下流側に排出される速度は高くなる。一方、スライド部62の位置が最下流位置とされて上記排気が通過する通路の流路面積が最大とされると、排気ガスがノズル内通路64aから下流側に排出される速度は低く抑えられる。
ここで、各ノズル内通路64aは各独立排気通路52とそれぞれ個別に連通している。そのため、ノズル内通路64a内の排気は他のノズル内通路64a内の排気と混合することなく流下する。これに対して、スライド部側縮径部とノズル部側縮径部との間の空間は、中心軸X1周りの全周で連通している。しかしながら、上記のように開口部64dが下流向きに開口していることから、外部通路64eにおいても、独立排気通路52およびノズル内通路64aを通過した排気ガスは、他の独立排気通路52、64aを通過した排気とほとんど混合することなく、独立して流下する。
スライド側ストレート部62cは、各独立排気通路52からそれぞれ排出されてノズル内通路64a、あるいはノズル内通路64aおよび外部通路64eを独立して通過した排気ガス、すなわち、各気筒12a〜12dから排出された排気ガスが、合流する部分である。
スライド側ストレート部62cは、各気筒12a〜2dから排出された排気が合流し、十分に混合して良好に整流化されるように、その流路面積が下流側部分で一定とされている。
本実施形態では、スライド側ストレート部62cの上流側部分は、下流側に向かうほど流路面積が小さくなるよう構成される一方、下流側部分は、流路面積一定で下流側に延びている。具体的には、スライド側ストレート部62cの上流側部分は、中心軸X2を中心として下流側に向かうに従って縮径する略円錐台形状をなしており、スライド側ストレート部62cの下流側部分は、径が一定の円筒状をなしている。スライド側ストレート部62cの上流側部分は、スライド側縮径部62bの下流端に連続して延びおり、スライド側ストレート部62cの下流側部分は、この上流側部分の下流端から流路面積一定で延びている。
<ディフューザ部63の構成>
ディフューザ部63は、下流側に向かうに従って流路面積が拡大するよう構成された筒状部分である。具体的には、ディフューザ部63の上流側部分63aは上下流方向に径が一定の円筒状をなしている。この上流側部分63aよりも下流側の部分63bは、下流側に向かうほど径が大きい略円錐台状をなしている。
ディフューザ部63の内側には、上流側からスライド側ストレート部62cの下流端部が挿通されている。スライド側ストレート部62cの下流端部は、ディフューザ部63の上流側部分63aの内周面によりスライド可能に支持されている。ディフューザ部63の上流側部分63aの内径は、スライド側ストレート部62cの下流端部の外径よりもわずかに大きい寸法に設定されている。スライド部62の変位時には、スライド側ストレート部62cの下流端部が、ディフューザ部63内において、ディフューザ部63の軸方向に沿って上下流方向に移動する。
ディフューザ部63は、上記のようにスライド部62をスライド変位可能に支持した状態で、アウターシェル61に固定されている。本実施形態では、ディフューザ部63は、アウターシェル61に溶接されている。
<アウターシェル61の構成>
上記のように、アウターシェル61は、ノズル部64、スライド部62、ディフューザ部63、上流側緩衝部材65、および下流側緩衝部材66を収容する管状部材である。図6,7に示されるように、アウターシェル61は、上流から順に、第1部分61a、第2部分61b、第3部分61c、および第4部分61dを有する。
第1部分61aは、スライド部62の上流側部分、ノズル部64、および上流側緩衝部材65を囲んで(覆って)おり、上下流方向に同一径を維持しつつ下流側へ円筒状に延びている。
第2部分61b(本発明の「シェル側縮径部」に相当)は、スライド部62のスライド側縮径部62b、隆起部62d、下流側緩衝部材66、およびストレート部62cの上流側部分を囲んで、下流側に延びている。第2部分61bは、下流に向かうに従って中心軸X2側に傾斜するように構成されており、下流側に向かうほど径が小さくなる円錐台状に形成されている。
第2部分61bにおける上下流方向の下流端部には、その周方向全体に亘って、外側に膨出する膨出部61eが形成されている。膨出部61eは、上下流方向に所定の長さに亘って形成されている。具体的には、膨出部61eの上下流方向の長さは、下流側緩衝部材66の上下流方向の長さとほぼ同じとなっている。膨出部61eの内周面は、下流側緩衝部材66の外周面に沿った形状(断面円弧状)に形成されている。具体的には、図11に示されるように、膨出部61eの内周面は、アウターシェル61の中心軸X3上の点P2を中心とする半径R2の球面の一部をなすように形成されている。つまり、中心軸X3を通る平面で膨出部61eを切断すると、その切断面の内縁(中心軸X3側の縁)が円弧状となる。点P2は、中心軸X3上で膨出部61eよりも上流側に位置している。
第3部分61cは、スライド側ストレート部62cの円筒状の下流側部分を囲んでおり、この外形に沿って延びている。
第4部分61dは、ディフューザ部63を囲んでおり、ディフューザ部63の外形に沿って略円錐台形状に形成されている。ディフューザ部63は、この第4部分61dに固定されている。
<スライドアクチュエータ70の構成>
スライド部62をスライド変位させるためのスライドアクチュエータ70(本発明の「移動手段」に相当)について説明する。
本実施形態では、スライドアクチュエータ70は、ダイアフラム式のアクチュエータである。スライドアクチュエータ70は、図3に示されるように、ダイアフラム本体71と、ダイアフラム本体71から所定の方向に延びてダイアフラム本体71によってこのダイアフラム本体71と接離する方向にスライド変位される第1シャフト72と、第1シャフト72の先端(ダイアフラム本体71とは反対側)に接続されるレバー部75と、レバー部75に固定される第2シャフト73と、第2シャフト73の先端(レバー部75とは反対側)に接続されるとともにスライド部62に接続されるフォーク部74(図6参照)とを備える。第1シャフト72は、アウターシェル61の中心軸X3(図2参照)に沿った方向に変位する。
レバー部75は、板状部材であり、上下流方向と直交する方向に延びている。第1シャフト72は、このレバー部75の上端付近に固定されている。
第2シャフト73は、円柱部材であり、レバー部75からアウターシェル61に向かって延びている。第2シャフト73は、レバー部75の中央付近に固定されている。
以上のように構成されたスライドアクチュエータ70では、ダイアフラム本体71によって第1シャフト72がスライド変位されると、レバー部75が第2シャフト73の中心軸が通る部分を支点として揺動し、これに伴い第2シャフト73がその中心軸を中心として回転し、この第2シャフト73の回転に伴ってフォーク部74が回動することで、スライド部72をスライド変位させる(図9参照)。具体的には、図6に示す状態から第1シャフト72がスライド変位すると、レバー部75の揺動、第2シャフト73の回転、第2シャフト73の回転に伴い、フォーク部74が回動して、図9に示される状態となる。
ここで、ダイアフラム本体71は、オンオフ制御され、第1シャフト72の位置を第1の位置と第2の位置との2つの位置で切り替えるようになっており、これに伴いスライド部62は、その位置が最上流位置と最下流位置との2つの位置で切り替えられるようになっている。例えば、スライドアクチュエータ70がオンとされることで、スライド部62は最上流位置とされ、オフとされることで、スライド部62は最下流位置とされる。
<制御系の構成>
次に、本実施形態に係る排気装置100の制御系統について説明する。本実施形態の排気装置100は、その各部が図外のECU(Electronic Control Unit)によって統括的に制御される。ECUは、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。
ECUは、車両の運転状態(運転領域)を検出する図外のセンサから車両の運転状態を入力し、その運転状態に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつ、排気装置100の各部を制御する。
本実施形態では、図12に示すように、運転領域として、エンジン回転数が低くエンジン負荷が高い低速高負荷領域(第1領域)A1と、エンジン回転数が低くエンジン負荷が低い低速低負荷領域(第2領域)A2と、エンジン回転数が高くエンジン負荷が高い高速領域(第3領域)A3とが設定されている。
以下、各運転領域で実施される制御内容について説明する。
(低速高負荷領域A1における制御)
低速高負荷領域A1では、スライド部62が最上流位置に変位するように、ECUによりスライドアクチュエータ70が制御される。具体的には、低速高負荷領域A1では、ECUは、スライドアクチュエータ70をオンとする制御を行う。
この制御は、主として、エゼクタ効果を高めて、このエゼクタ効果により各気筒12a〜12d内の掃気を促進してエンジントルクを確保することを目的として実施される。
スライド部62が最上流位置に変位したとき、スライド部62は上流側緩衝部材65に接触し、ノズル部64には接触しない。従って、スライド部62とノズル部64とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。また、上流側緩衝部材65が断面円弧状に形成されているため、上流側緩衝部材65とノズル部64とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制することができる。
(低速低負荷領域A2における制御)
低速低負荷領域A2では、スライド部62が最下流位置に変位するように、ECUによりスライドアクチュエータ70が制御される。具体的には、低速低負荷領域A2では、ECUは、スライドアクチュエータ70をオフとする制御を行う。
この制御は、主として、気筒12a〜12d内に残留ガス量を確保して、吸気のポンピングロスを抑制するとともに、燃焼温度を低く抑えて冷却損失の増大を抑制し、これにより、適正なエンジントルクを確保することを目的として実施される。
スライド部62が最下流位置に変位したとき、アウターシェル61は下流側緩衝部材66に接触し、スライド部62には接触しない。従って、スライド部62とアウターシェル61とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。また、下流側緩衝部材66が断面円弧状に形成されているため、下流側緩衝部材66とアウターシェル61とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を抑制することができる。
(高速領域A3における制御)
高速領域A3では、スライド部62が最下流位置に変位するように、ECUによりスライドアクチュエータ70が制御される。具体的には、高速領域A3では、ECUは、スライドアクチュエータ70をオフとする制御を行う。
この制御は、主として、背圧を低く抑え、これにより掃気性能を高めて、高いエンジントルクを確保することを目的として実施される。
高速領域A3における制御においても、低速低負荷領域A2における制御と同様に、スライド部62とアウターシェル61とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上流側緩衝部材65は、スライド部62がその可動領域の最上流位置まで変位したときにノズル部64とスライド部62との間に挟まれるように配置される。従って、スライド部62がその可動領域の最上流位置まで変位したときに、スライド部62はノズル部64とは接触せず、上流側緩衝部材65を介してノズル部64に近接するだけなので、スライド部62とノズル部64とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。しかも、上流側緩衝部材65は、スライド部62との接触面が断面円弧状に形成されているので、接触面が断面円弧状でない場合と比べて、上流側緩衝部材65とスライド部62との接触面積が大きくなり、その結果、上流側緩衝部材65がスライド部62に接触することによるかじりおよび固着の発生が抑制され、がたつきが生じにくくなって接触音の発生も抑制される。
また、本実施形態によれば、上流側緩衝部材65がリング状に形成されているので、製造誤差などによりスライド部62の中心軸X2がノズル部64の中心軸X1に対してどちらの方向にずれていても、スライド部62とノズル部64との接触が防止され、接触音、かじり、および固着が生じにくい。
また、本実施形態によれば、流体の漏れ防止に用いられる一般的なシールリングを、上流側緩衝部材65および下流側緩衝部材66に流用して、接触音、かじり、および固着の抑制と、シール性の確保とを容易に図ることができ、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、上流側緩衝部材65におけるスライド部62側の面が球面C1の一部で凸状に構成され、スライド部62における上流側緩衝部材65側の面が、球面C1の一部で凹状に構成されているので、製造誤差などによりスライド部62の中心軸X2がノズル部64の中心軸X1に対して傾斜していても、上流側緩衝部材65の凸球面がスライド部62の凹球面に接触するので、スライド部62とノズル部64との接触が防止され、接触音、かじり、および固着が生じにくい。下流側緩衝部材66についても同様である。
また、本実施形態によれば、下流側緩衝部材66は、スライド部62がその可動領域の最下流位置まで変位したときに、アウターシェル61とスライド部62との間に挟まれるように配置される。従って、スライド部62がその可動領域の最下流位置まで変位したときに、スライド部62はアウターシェル61とは接触せず、下流側緩衝部材66を介してアウターシェル61に近接するだけなので、スライド部62とアウターシェル61とが接触することによる接触音、かじり、および固着の発生を防止することができる。しかも、下流側緩衝部材66は、アウターシェル61との接触面が断面円弧状に形成されているので、接触面が断面円弧状でない場合と比べて、下流側緩衝部材66とアウターシェル61との接触面積が大きくなり、その結果、下流側緩衝部材66がアウターシェル61に接触することによるかじりおよび固着の発生が抑制され、がたつきが生じにくくなって接触音の発生も抑制される。
また、本実施形態によれば、上流側緩衝部材65をノズル部64のノズル側縮径部64c近傍(ノズル側ストレート部64bの下流端部)に配置し、下流側緩衝部材66をスライド側縮径部62bに配置するので、上流側緩衝部材65および下流側緩衝部材66の双方をアウターシェル61の第2部分(シェル側縮径部)61b内にコンパクトに配置することができる。
なお、上記実施形態においては、上流側緩衝部材65をノズル部64の外周面に設けたが、これに代えて、スライド部62の内周面に設けてもよい。また、上記実施形態においては、下流側緩衝部材66をスライド部62の外周面に設けたが、これに代えて、アウターシェル61の内周面に設けてもよい。
また、上記実施形態においては、ディフューザ部63の上流側部分63aの内径が、スライド側ストレート部62cの下流端部の外径よりもわずかに大きい寸法に設定されているものとしたが、製造誤差や熱変形により、接触音、かじり、固着が懸念される場合には、両者間にクリアランスを設定し接触させない構造とすることもできる。
1 エンジン
12a〜12d 気筒
52a 独立排気通路
61 アウターシェル
61b 第2部分(シェル側縮径部)
62 スライド部(可動部)
62b スライド側縮径部(流入部)
62c スライド側ストレート部(集合部)
64 ノズル部
64a ノズル内通路
65 上流側緩衝部材
66 下流側緩衝部材

Claims (7)

  1. 複数の気筒を有するエンジンの当該複数の気筒に各々独立して接続された複数の独立排気通路から延びて、各前記独立排気通路から排出されたガスが各々独立して流入する複数のノズル内通路が形成されたノズル部と、
    前記ノズル内通路から排出されたガスが流入する流入部、および、当該流入部を通過したガスが集合する集合部を有し、ガスの流れ方向における前記ノズル部の下流側にガス流れの上下流方向に変位可能に設けられて、上流側に変位したときに前記流入部の流路面積を縮小し、下流側に変位したときに前記流入部の流路面積を拡大する筒状の可動部と、
    前記可動部を上下流方向に変位させる移動手段と、
    前記ノズル部および前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が上流方向に所定位置まで変位したときに前記ノズル部と前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より上流方向への前記可動部の変位を阻止する上流側緩衝部材とを備え、
    前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする、多気筒エンジンの排気装置。
  2. 前記ノズル部は、ガスの流れ方向における上下流方向に延びる筒状に形成され、
    前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の一方の全周に沿うリング状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の多気筒エンジンの排気装置。
  3. 前記上流側緩衝部材がシールリングであることを特徴とする、請求項1または2に記載の多気筒エンジンの排気装置。
  4. 前記上流側緩衝部材は前記ノズル部の外周面に設けられ、
    前記上流側緩衝部材における前記可動部側の面が、前記ノズル部の中心軸上で且つ前記上流側緩衝部材の上流側に位置する点を中心とする球面の一部で凸状に構成され、前記可動部における前記上流側緩衝部材側の面が、前記上流側緩衝部材における前記可動部側の面に沿う凹状に構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の多気筒エンジンの排気装置。
  5. 複数の気筒を有するエンジンの当該複数の気筒に各々独立して接続された複数の独立排気通路から延びて、各前記独立排気通路から排出されたガスが各々独立して流入する複数のノズル内通路が形成されたノズル部と、
    前記ノズル内通路から排出されたガスが流入する流入部、および、当該流入部を通過したガスが集合する集合部を有し、ガスの流れ方向における前記ノズル部の下流側にガス流れの上下流方向に変位可能に設けられて、上流側に変位したときに前記流入部の流路面積を縮小し、下流側に変位したときに前記流入部の流路面積を拡大する筒状の可動部と、
    前記可動部を上下流方向に変位させる移動手段と、
    前記可動部の周囲を覆い、内部で前記可動部が上下流方向に移動可能な筒状のアウターシェルと、
    前記アウターシェルおよび前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が下流方向に所定位置まで変位したときに前記アウターシェルと前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より下流方向への前記可動部の変位を阻止する下流側緩衝部材とを備え、
    前記下流側緩衝部材は、前記アウターシェルおよび前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする、多気筒エンジンの排気装置。
  6. 前記ノズル部および前記可動部の一方に設けられ、前記可動部が上流方向に所定位置まで変位したときに前記ノズル部と前記可動部との間に挟まれるように配置され、前記所定位置より上流方向への前記可動部の変位を阻止する上流側緩衝部材をさらに備え、
    前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部および前記可動部の他方に接触する面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の多気筒エンジンの排気装置。
  7. 前記可動部は、下流側に向かうほど径が小さくなる可動部側縮径部を有し、
    前記アウターシェルは、前記可動部側縮径部の外周面に対向して下流側へ向かうほど径が小さくなるシェル側縮径部を有し、
    前記上流側緩衝部材は、前記ノズル部における前記可動部側縮径部に対向する位置もしくは前記可動部側縮径部の内周面に設けられ、前記下流側緩衝部材は、前記可動部側縮径部の外周面もしくは前記シェル側縮径部の内周面に設けられることを特徴とする、請求項6に記載の多気筒エンジンの排気装置。
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