JP2016169465A - 製紙工程用ピッチコントロール剤およびピッチ障害防止方法 - Google Patents

製紙工程用ピッチコントロール剤およびピッチ障害防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製紙工程において発生するピッチ障害を効率よく防止することができる製紙工程用ピッチコントロール剤およびそれを用いるピッチ障害防止方法を提供することを課題とする。【解決手段】水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする製紙工程用ピッチコントロール剤により、上記の課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、製紙工程において使用し、製造装置類およびパルプへのピッチの付着を抑制し、ピッチによる紙製品の品質低下を防止するためのピッチコントロール剤(「ピッチ障害防止剤」ともいう)およびそれを用いた方法に関する。
従来から、紙およびパルプの製造工程においてはピッチによる障害が発生し、これを抑制・防止するため、様々な薬剤の開発が行われてきた。このピッチとは、木材やパルプおよび紙から遊離した天然樹脂やガム物質、さらには紙およびパルプの製造工程で使用される添加剤などに由来する有機物を主体とする非水溶性の粘着物質のことをいう。
一般に、ピッチは、紙およびパルプの製造工程の白水中では、コロイド状になって分散しているが、何らかの外的作用、例えば、大きな剪断力、pHの急激な変化、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)の過剰添加などによりコロイド状態が破壊されて、凝集、巨大化するものと考えられている。この凝集、巨大化したピッチは、その粘着性により、紙やパルプ、さらにはファンポンプ、配管内、チェスト、ワイヤー、フェルト、ロールなどの製造装置類に付着するだけでなく、この付着物が剥離して紙やパルプに再付着する。このようにして形成される紙の汚点・欠点が紙製品の品質を低下させる。また、発生する断紙が生産性・作業性を低下させるなどの障害を引き起こす。近年、紙の多様化により添加剤の種類やその使用量が増加し、製造工程中で使用する水のクローズド化が高くなるにつれて、従来にも増してピッチ障害の発生が増加するとともに、その発生形態が複雑化している。
このようなピッチ障害を抑制する方法として、微細タルクなどの無機系化合物にピッチ成分を吸着させる方法、凝集する前のピッチ粒子をパルプ繊維に定着させる方法、ピッチ粒子を分散させる方法およびこれらを組み合わせた方法などが提案され、実用化されている。
例えば、特開2004−218118号公報(特許文献1)には、特定のN値(窒素の質量%)および粘度を有する低粘度化したカチオン化デンプンから構成されるピッチコントロール剤が開示されている。
しかしながら、従来の添加剤や方法ではピッチ障害の防止効果が充分とはいえず、さらに有効な薬剤や方法が望まれている。
また、特開平03−45799号公報(特許文献2)には、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性アルミニウム塩と両性デンプン、水膨潤性カチオン共重合体およびベントナイトを添加する中性紙の製造方法が、特開昭63−275795号公報(特許文献3)には、カチオン化デンプンと両性アクリルアミド系ポリマーとの混合物に由来する共重合体と、ポリ塩化アルミニウムのような縮合水和アルミニウム塩を添加する製紙方法が開示されている。
しかしながら、上記の中性紙の製造方法および製紙方法は、製紙工程における歩留まり向上を目的としており、pHが10程度の高アルカリ雰囲気下でのピッチ障害の防止効果についても具体的に検討されていない。
なお、本発明の課題とは異なるものであり、製紙工程のピッチ障害の防止効果については記載されていないが、特表2012−531301号公報(特許公報4)には、デンプンなどをカチオン化した成分と、アルミニウムの両性塩などの多塩基性金属塩と、ポリマーとを含む、塗料および表面処理産業における水流からの塗料および吹き付け残渣の改善された分離のための組成物が開示されている。
特開2004−218118号公報 特開平03−45799号公報 特開昭63−275795号公報 特表2012−531301号公報
しかしながら、上記の先行技術で使用される添加剤には、それぞれ問題がある。
例えば、無機系化合物の微細タルクでは、質量当たりの効果が弱く、高い添加率を必要とするためコスト高になり、一方コストに合わせると添加量が減り、ピッチの十分な抑制効果を得ることが難しいという問題がある。
また、ピッチ障害の防止効果が十分ではないため、蒸解工程を経て洗浄されたあとのパルプスラリーに添加する場合などのようにpHが10程度の高アルカリ雰囲気下で上記添加剤やノニオン系界面活性剤、カチオンポリマーおよび微細タルクなどの従来のピッチコントロール剤を使用すると、過剰量の添加が必要となりコストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、製紙工程において発生するピッチ障害を効率よく防止することができる製紙工程用ピッチコントロール剤およびそれを用いるピッチ障害防止方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、高塩基性塩化アルミニウムのような水溶性アルミニウム化合物と、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物などの変性デンプンとを、特定の割合で併用することにより、それらの相乗効果で、製紙工程において発生するピッチ障害を効率よく防止でき、しかも高アルカリ環境下でも十分に効果を発揮する事実を見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする製紙工程用ピッチコントロール剤が提供される。
また、本発明によれば、製紙工程中のパルプスラリーに、有効成分として上記のピッチコントロール剤を、絶乾パルプ質量に対して0.01〜100g/kg添加して、ピッチによる紙製品の品質低下を防止することを特徴とするピッチ障害防止方法が提供される。
本発明によれば、製紙工程において発生するピッチ障害を効率よく防止することができる製紙工程用ピッチコントロール剤およびそれを用いるピッチ障害防止方法を提供することができる。すなわち、本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、低い添加率で高いピッチ障害防止効果が得られ、コストの低減を図ることができる。
また、本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、次の少なくともいずれか1つの要件:
(1)水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である
(2)水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である
(3)デンプン成分が、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上である
(4)デンプン成分が、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上である
(5)水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつ前記デンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである
(6)水溶性アルミニウム化合物と前記デンプン成分との配合割合が質量比で1:0.01〜1:3である
を満足する場合に、上記の効果をさらに発揮する。
pH8.5のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。 pH10のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。 pH8.5のパルプスラリーにおける硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。 pH8.0のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとデキストリンとのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。 試験例1において用いたパルプピッチ付着試験機の模式図である。
(1)製紙工程用ピッチコントロール剤
本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする。
[水溶性アルミニウム化合物]
本発明において用いる水溶性アルミニウム化合物は、後述のデンプン成分と相乗効果を発揮するものであれば特に限定されない。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムが挙げられ、本発明においては、これらの中の1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
これらの中でも、ピッチ障害の防止効果の点で、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上が好ましい。
ポリ塩化アルミニウムおよび高塩基性塩化アルミニウムは、Al23換算濃度および塩基度の異なる市販品があり、特に両濃度の高いものが一般に高塩基性塩化アルミニウムと称されている。
ポリ塩化アルミニウムは、例えば、水酸化アルミニウムを塩酸に溶解させたときに得られる塩基性塩化アルミニウムの重合体[Al2(OH)aCl6-a]b(式中、aおよびbは塩基度による変数であり、aは1以上5以下、bは10以下の整数である)であり、水処理凝集剤として知られている。その塩基度B(%)は変数aを用いて、B=(a/6)×100で示され、変動する。一般的にB=40〜65%の組成のものが市販されており容易に入手できる。
ポリ塩化アルミニウムは、公知の方法により合成したものであってもよいが、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
高塩基性塩化アルミニウムは、水酸化アルミニウムが重縮合することにより形成される無機のイオン性ポリマーAlc(OH)dCl3c-d(式中、cおよびdは塩基度による変数であり、cは通常1以上5未満、dは9以下の整数が一般的である)である。多核錯体となっているためアルミニウム単原子イオンより高い陽電荷を有しており、通常のアルミニウム塩に比べて酸根が1/4〜1/6当量しか分子中に含まれていない。その塩基度B(%)は変数cとdを用いて、B=(d/3c)×100で示され、変動する。一般的にB=70〜85%の組成のものが市販されており容易に入手できる。
高塩基性塩化アルミニウムは、公知の方法により合成したものであってもよいが、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
[デンプン成分]
本発明において用いるデンプン成分は、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択され、前述の水溶性アルミニウム化合物と相乗効果を発揮するものであれば特に限定されない。
デンプンとしては、トウモロコシ、コメ、小麦、ジャガイモ(馬鈴薯)、タピオカ、サツマイモなどを原料として、公知の方法により精製処理などに付したデンプン(生デンプン)が挙げられる。
変性デンプンとしては、例えば、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプンおよびカチオン化デンプンなどのエーテル化デンプン;酢酸デンプン、オクテニルコハク酸デンプンおよびリン酸デンプンなどのエステル化デンプン;架橋デンプン;グラフト化デンプン;多孔質デンプンなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキル化デンプンとしては、公知の方法により上記のデンプンにヒドロキシアルキル基をエーテル化により導入したものが挙げられる。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、ヒドロキシアルキル化デンプンとしては、ヒドロキシメチル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプンなどが挙げられる。
カルボキシアルキル化デンプンとしては、公知の方法により上記のデンプンにカルボキシアルキル基をエーテル化により導入したものが挙げられる。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、カルボキシアルキル化デンプンとしては、カルボキシメチル化デンプン、カルボキシエチル化デンプン、カルボキシプロピル化デンプンなどが挙げられ、これらの中でも、ピッチ障害の防止効果および化合物としての入手し易さの点で、カルボキシメチル化デンプンが特に好ましい。
カチオン化デンプンとしては、公知の方法により上記のデンプンをカチオン化したものが挙げられる。
架橋デンプンとしては、公知の方法により上記のデンプンを架橋したものが挙げられる。リン酸ジデンプン、グリセロールジデンプンおよびヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンなどが挙げられる。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンとしては、ヒドロキシメチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシエチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンなどが挙げられ、これらの中でもピッチ障害の防止効果および化合物としての入手し易さの点で、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンが特に好ましい。
多孔質デンプンとしては、公知の方法、例えば、上記のデンプンや変性デンプンを酵素や酸で分解し、乾燥して粉末状にしたものが挙げられ、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
上記のデンプン成分の分解物としては、上記のデンプン成分の一部または全部を酸または酵素により、好ましくは酵素により加水分解したものが挙げられる。
デンプン成分の分解物としては、例えば、上記のデンプンの加水分解により得られる低分子量の炭化水素化合物であるデキストリンが挙げられる。
デンプン成分は、公知の方法により合成(処理)したものであってもよいが、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
本発明においては、上記のデンプン成分の1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
上記のデンプン成分の中でも、ピッチ障害の防止効果の点で、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上であるのが好ましく、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上であるのがより好ましく、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物およびデキストリンなどのような分解物が製剤の容易性などの点で特に好ましい。
上記のように、本発明においては、水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつデンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである組み合わせが特に好ましい。
[配合割合]
水溶性アルミニウム化合物とデンプン成分との配合割合、すなわち両者が相乗効果を奏する割合は、両者の種類や添加の条件(pH、温度など)により変化するが、通常、質量比で1:0.01〜1:3であるのが好ましい。
水溶性アルミニウム化合物1に対して、デンプン成分が0.01未満、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが過剰である場合、およびデンプン成分が3を超える、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが過少である場合、両者の優れた相乗効果が得られず、また前者ではピッチが過剰に凝集し析出することがあり、後者ではピッチ同士の凝集を妨げることができず後工程で障害となることがある。
より好ましい配合割合は、質量比で1:0.01〜1:1であり、特に好ましい範囲は1:0.01〜1:0.5である。
具体的な水溶性アルミニウム化合物とデンプン成分との組み合わせにおける好ましい配合割合を列挙する。
高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH8.5のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:3である。
高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH10のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH8.5のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
高塩基性塩化アルミニウムとデキストリンとの好ましい配合割合(pH8.0のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
[製紙工程用ピッチコントロール剤]
本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、通常液剤の形態で製剤化して用いるのが好ましい。
液剤とする場合には、溶剤として水を用いた液剤とするのが好ましい。
その液剤濃度は、添加対象のパルプスラリー濃度やピッチ成分の種類、量、抄造条件などにより適宜設定すればよいが、通常、10〜500g/kgである。
液剤濃度が10g/kg未満の場合、添加対象に液剤を多量に添加する必要があることがある。一方、液剤濃度が500g/kgを超える場合、液剤の取り扱いが難しくなることがある。
好ましい濃度は、50〜500g/kgである。
(2)ピッチ障害防止方法
本発明のピッチ障害防止方法は、製紙工程中のパルプスラリーに、有効成分として上記のピッチコントロール剤を、絶乾パルプ質量に対して0.01〜100g/kg添加して、ピッチによる紙製品の品質低下を防止することを特徴とする。
ピッチコントロール剤の添加量が0.01g/kg未満の場合、ピッチ障害の防止効果が充分に得られないことがあるので好ましくない。一方、ピッチコントロール剤の添加量が100g/kgを超える場合、ピッチが凝集するだけでなく、パルプ繊維や微細繊維などが凝集を起こしたり、紙の地合いなどに悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。なお、ピッチ成分の種類、量、抄造条件などによっては、前記のような悪影響を及ぼさないこともあり、そのような場合には、上記の範囲を超えて本発明のピッチコントロール剤を添加しても許容されることもある。
好ましいピッチコントロール剤の添加量は、0.01〜20g/kgである。
本発明のピッチ障害防止方法は、ピッチ障害が発生しているか、あるいは発生する可能性のある製紙工程に適用できる。具体的には、製紙工程においてピッチ障害が発生している段階あるいはその前段階のパルプスラリーや白水に添加することにより、その目的を達成することができる。
添加方法としては、製紙工程の各段階における機器またはそれらをつなぐ配管内に本発明のピッチコントロール剤を、所要の濃度になるように添加する方法が挙げられる。
本発明を以下の製剤例および試験例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
製剤例では次の化合物を用いた。
[水溶性アルミニウム化合物]
・ポリ塩化アルミニウム:PAC
(含量Al23として30質量%、大明化学工業株式会社製、製品名:ポリ塩化アルミニウム粉末パック、塩基度:40〜60%)
・高塩基性塩化アルミニウム:AA
(含量Al23として23.5質量%、多木化学工業株式会社製、製品名:タキバイン#1500、塩基度:82〜85%)
・硫酸アルミニウム:AS
(含量Al2(SO43として54質量%、キシダ化学株式会社製、製品名:硫酸アルミニウム(14〜18水))
[デンプン成分]
・デンプン:St
(含量100質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:でんぷん、とうもろこし由来)
・カチオン化デンプン:CS
(含量100質量%、日本食品化工株式会社製、製品名:ネオタック♯30T)
・ヒドロキシプロピル化デンプン分解物:HPS
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:PENON PKW)
・デキストリン:DS
(含量100質量%、松谷化学工業株式会社製、製品名:TK−16)
・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:HS
(含量100質量%、松谷化学工業株式会社製、製品名:松谷あさがお)
・多孔質デンプン:OWP
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:ロンフードOWP)
・多孔質デンプン:Q
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:オイルQ 50)
[公知のピッチコントロール剤]
・ノニオン系界面活性剤:NS
(含量100質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油)
・カチオン系ポリマー:CP
(含量20質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム)
・タルク:Talc
(含量100質量%、キシダ化学株式会社製、製品名:タルク)
[製剤例1]
撹拌機(新東科学株式会社製、製品名:スリーワンモーター、型式:BL1200)を備えた1Lのガラス製ビーカーに純水726gを入れ、回転数400rpmで撹拌しながら、デンプン成分としてのヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSを112g添加し、1時間保持した。
その後、水溶性アルミニウム化合物としての高塩基性塩化アルミニウムAAを162g添加し、10分撹拌して、有効成分として濃度150g/kgのピッチコントロール剤1(製剤1)を得た。
絶乾パルプ質量に対してピッチコントロール剤が15.0g/kgとなるように製剤1を添加する際において、絶乾150gのパルプに対して製剤1は有効成分として15g添加することになる。このとき、製剤1中のデンプン成分の配合量Sと水溶性アルミニウム化合物の配合量Aは表1に記載のとおり、それぞれ11.2g/kgおよび3.8g/kgであり、それらの配合割合S/Aは2.95である。
[製剤例2〜6]
デンプン成分HPSおよび水溶性アルミニウム化合物AAの配合量を表1に記載のように変更すること以外は製剤例1と同様にして、製剤2〜6を得た。
[製剤例7]
製剤例1と同様の撹拌機を備え、温度90℃に制御された温浴に設置した1Lのガラス製ビーカーに純水420gを入れ、回転数400rpmで撹拌しながら、デンプン成分としてのデンプンStを18g添加し、1時間保持した。
その後、温浴の温度を40℃まで低下させ、混合物を冷却した後、水溶性アルミニウム化合物としての高塩基性塩化アルミニウムAAを562g添加し、10分撹拌して、有効成分として濃度150g/kgのピッチコントロール剤7(製剤7)を得た。
製剤7のデンプン成分の配合量Sと水溶性アルミニウム化合物の配合量Aは、それぞれ1.8g/kgおよび13.2g/kgであり、それらの配合割合S/Aは0.14である。
[製剤例8〜10]
デンプン成分と水溶性アルミニウム化合物との配合割合S/Aを0.14に、水溶性アルミニウム化合物を高塩基性塩化アルミニウムAAに固定し、デンプン成分として、それぞれカチオン化デンプンCS、デキストリンDSおよびヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンHSを用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤8〜10を得た。
但し、デンプン成分がデキストリンおよびヒドロキシプロピル化デンプン分解物のような分解物である場合には、製剤化の過程で加温しなかった(以下の製剤例でも同様)。
[製剤例11〜13]
デンプン成分と水溶性アルミニウム化合物との配合割合S/Aを0.14に、水溶性アルミニウム化合物をポリ塩化アルミニウムPACに固定し、デンプン成分として、それぞれカチオン化デンプンCS、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSおよびデキストリンDSを用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤11〜13を得た。
[製剤例14および15]
デンプン成分としてのヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSと、水溶性アルミニウム化合物としての硫酸アルミニウムASとを表1に示す配合割合で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤14および15を得た。
[比較製剤例1〜12]
デンプン成分または水溶性アルミニウム化合物および公知のピッチコントロール剤であるノニオン系界面活性剤、カチオン系ポリマーまたはタルクを表1に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、比較製剤1〜12を得た。
[製剤例16〜20および比較製剤例13〜18]
デンプン成分および/または水溶性アルミニウム化合物を表2に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤16〜20および比較製剤13〜18を得た。
試験例1[ピッチ付着の抑制効果の確認試験]
JAPAN TAPPI(日本紙パルプ技術協会)紙パルプ試験方法No.11:2000「パルプ−ピッチの金網付着量試験方法」に準じてピッチ付着の抑制効果の確認試験を実施した。
なお、図5は、試験例1において用いたパルプピッチ付着試験機の模式図である。
絶乾150gの針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を温度50℃の温水で濃度3%に離解して3Lのガラス容器に入れ、さらに予めロジン(キシダ化学株式会社製、製品名:ロジン)10gおよびテレピン油(キシダ化学株式会社製、製品名:テレピン油)10gをエタノール80gに溶解させて調製しておいたピッチ分を添加した。
次いで、ガラス容器(図5の図番2)を温度50℃の恒温水槽(図5の図番1)に入れ、pH無調整の場合(pH8.5)と、高アルカリ雰囲気下を想定して水酸化カルシウム水溶液を用いてpH調整した場合(pH10)のそれぞれについて、表1および2に記載の製剤または比較製剤を、絶乾パルプ質量に対して15g/kgになるように添加した。
但し、製剤5は7.5g/kg、製剤6は3.0g/kg、比較製剤4は7.5g/kg、比較製剤12は160g/kgになるように添加した。
製剤1〜15および比較製剤1〜12についてはpH8.5で、製剤16〜20および比較製剤13〜18についてはpH10で試験した。(表1がpH8.5、表2が10の試験結果である。)
次いで、半径70mmの1/4円形の真鍮製の枠に製紙用金網を貼り付けた羽根12枚(図5の図番4)をシャフト(かきまぜ棒、図5の図番3)に約10度の傾斜でらせん状に取り付けた撹拌機(新東科学株式会社製、製品名:スリーワンモーター、型式:BL1200)を用いて、羽根の回転によってパルプが押し上げられる方向に回転数200rpmで60分間撹拌した。
撹拌終了後、羽根付きのシャフトを取り出し、水を入れた適当な容器中で緩やかに洗浄し、付着したパルプを洗い落とし、再び撹拌機に取り付け10分間空転して乾燥させた。
次いで、羽根を取り外してシャフトおよび羽根を、全使用量が200mL程度になるように溶剤(エタノールとシクロヘキサンを体積比1対2に混合したもの)で2回洗浄し、付着しているピッチを溶出させた。
次いで、ピッチ溶液の溶剤を精秤した容器に回収し、エバポレーターで濃縮後、ピッチ分を105℃の乾燥機で1時間乾燥させた。
次いで、薬剤無添加で実施したときのピッチ質量(100%)と、薬剤添加時のピッチ質量(X%)とを比較して、ピッチ付着の抑制効果(付着阻止率%)として算出した。
得られた結果をデンプン成分Sと水溶性アルミニウム化合物Aの配合量およびそれらの配合割合S/Aと共に表1および2に示す。
表1および2において、実施例および比較例の番号は、それぞれ製剤例および比較製剤例の番号に対応する。
Figure 2016169465
Figure 2016169465
図1および2はそれぞれ、pH8.5および10のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。
また、図3は、pH8.5のパルプスラリーにおける硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。
さらに、図4は、pH8.0のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとデキストリンとのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。
横軸に絶乾パルプ質量に対するデンプン成分の配合量(デンプン量、g/kg)を、縦軸にピッチ障害防止の抑制効果(付着抑制率%)を示す。すなわち、薬剤有効成分の絶乾パルプ質量に対する添加量15g/kgからデンプン量を減じた量が絶乾パルプ質量に対する水溶性アルミニウム化合物の配合量(g/kg)になる
表1および図1の結果によれば、混合液がpH8.5である場合、デンプン成分が0g/kg、すなわち水溶性アルミニウム化合物が15g/kgのとき、抑制効果が56%であり、一方、デンプン成分が15g/kg、すなわち水溶性アルミニウム化合物が0g/kgのとき、抑制効果が32%であることから、デンプンと水溶性アルミニウム化合物とを配合したときには、図1において上記の2点を結ぶ直線より上部側の効果、すなわち相乗効果が発揮され、優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。
また、比較製剤10〜12の公知のピッチコントロール剤よりも優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。
また、同様にして、表2および図2の結果によれば、混合液がpH10である場合、デンプン成分が0g/kg、すなわち水溶性アルミニウム化合物が15g/kgのとき、抑制効果が53%であり、一方、デンプン量が15g/kg、すなわち水溶性アルミニウム化合物が0g/kgのとき、抑制効果が0%であることから、デンプンと水溶性アルミニウム化合物とを配合したときには、相乗効果が発揮され、優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。
表1および図3の結果によれば、混合液がpH8.5である場合、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物が0g/kg、すなわち硫酸アルミニウムが15g/kgのとき、抑制効果が60%であり、一方、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物が15g/kg、すなわち硫酸アルミニウムが0g/kgのとき、抑制効果が32%であることから、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物と硫酸アルミニウムとを配合したときには、図3において上記の2点を結ぶ直線より上部側の効果、すなわち相乗効果が発揮され、優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。また、比較製剤4において硫酸アルミニウムを7.5g/kgにした時の単独での効果が低いことからも硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とを配合したときには相乗効果が発揮されていることがわかる。
後述する表3および図4の結果によれば、混合液がpH8.0である場合、デキストリンが0g/kg、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが15g/kgのとき、抑制効果が50%であり、一方、デキストリンが15g/kg、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが0g/kgのとき、抑制効果が42%であることから、デキストリンと高塩基性塩化アルミニウムとを配合したときには、図4において上記の2点を結ぶ直線より上部側の効果、すなわち相乗効果が発揮され、優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。
また、表1および2の結果によれば、デンプン成分と水溶性アルミニウム化合物との配合割合を固定し、いずれか一方の化合物を変化させた場合にも、同等の効果が得られることがわかる。
また、ピッチコントロール剤の有効成分としての添加量が、製剤5および6のように7.5g/kgおよび3g/kgになっても十分にピッチ抑制効果が得られることがわかる。
[製剤例21〜25および比較製剤例19〜24]
デンプン成分および/または水溶性アルミニウム化合物を表3に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤21〜25および比較製剤例19〜24を得た。
試験例2[ピッチ付着の抑制効果の確認試験]
ピッチ分としてアクリル酸エステル樹脂製品(エーワン合同会社製、製品名:PPCラベル)の水溶解液を用い、pH無調整(pH8.0)で、表3に記載の製剤または比較製剤を用いること以外は試験例1と同様にして、ピッチ付着の抑制効果の確認試験を実施した。
得られた結果をデンプン成分Sと水溶性アルミニウム化合物Aの配合量およびそれらの配合割合S/Aと共に表3に示す。
表3において、実施例および比較例の番号は、それぞれ製剤例および比較製剤例の番号に対応する。
Figure 2016169465
表3の結果によれば、ピッチ成分を木材やパルプおよび紙から遊離した天然樹脂やガム物質を想定したロジンやテレピン油から、紙およびパルプの製造工程で使用される添加剤などに由来する有機物を主体とする非水溶性の粘着物質を想定したアクリル酸エステルに置き換えても、試験例1の場合(表1および2の結果)と同様に、水溶性アルミニウムとデンプン成分との配合により相乗効果が発揮され、優れたピッチ抑制防止効果が得られることがわかる。
また、結果を示していないが、ピッチ成分としてエチレン酢酸ビニルを用いた場合でも試験例2と同様に、優れたピッチ抑制防止効果が得られることを試験により確認している。
1 恒温水槽
2 ガラス容器
3 シャフト
4 羽根

Claims (8)

  1. 水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする製紙工程用ピッチコントロール剤。
  2. 前記水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である請求項1に記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
  3. 前記水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である請求項1または2に記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
  4. 前記デンプン成分が、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
  5. 前記デンプン成分が、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上である請求項1〜4のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
  6. 前記水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつ前記デンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである請求項1〜5のいずれか1つに記載のピッチコントロール剤。
  7. 前記水溶性アルミニウム化合物と前記デンプン成分との配合割合が質量比で1:0.01〜1:3である請求項1〜6のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
  8. 製紙工程中のパルプスラリーに、有効成分として請求項1〜7のいずれか1つに記載のピッチコントロール剤を、絶乾パルプ質量に対して0.01〜100g/kg添加して、ピッチによる紙製品の品質低下を防止することを特徴とするピッチ障害防止方法。
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