JP2016169465A - 製紙工程用ピッチコントロール剤およびピッチ障害防止方法 - Google Patents
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例えば、特開2004−218118号公報(特許文献1)には、特定のN値(窒素の質量%)および粘度を有する低粘度化したカチオン化デンプンから構成されるピッチコントロール剤が開示されている。
しかしながら、従来の添加剤や方法ではピッチ障害の防止効果が充分とはいえず、さらに有効な薬剤や方法が望まれている。
しかしながら、上記の中性紙の製造方法および製紙方法は、製紙工程における歩留まり向上を目的としており、pHが10程度の高アルカリ雰囲気下でのピッチ障害の防止効果についても具体的に検討されていない。
例えば、無機系化合物の微細タルクでは、質量当たりの効果が弱く、高い添加率を必要とするためコスト高になり、一方コストに合わせると添加量が減り、ピッチの十分な抑制効果を得ることが難しいという問題がある。
また、ピッチ障害の防止効果が十分ではないため、蒸解工程を経て洗浄されたあとのパルプスラリーに添加する場合などのようにpHが10程度の高アルカリ雰囲気下で上記添加剤やノニオン系界面活性剤、カチオンポリマーおよび微細タルクなどの従来のピッチコントロール剤を使用すると、過剰量の添加が必要となりコストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明は、製紙工程において発生するピッチ障害を効率よく防止することができる製紙工程用ピッチコントロール剤およびそれを用いるピッチ障害防止方法を提供することを課題とする。
(1)水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である
(2)水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である
(3)デンプン成分が、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上である
(4)デンプン成分が、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上である
(5)水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつ前記デンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである
(6)水溶性アルミニウム化合物と前記デンプン成分との配合割合が質量比で1:0.01〜1:3である
を満足する場合に、上記の効果をさらに発揮する。
本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする。
本発明において用いる水溶性アルミニウム化合物は、後述のデンプン成分と相乗効果を発揮するものであれば特に限定されない。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムが挙げられ、本発明においては、これらの中の1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
これらの中でも、ピッチ障害の防止効果の点で、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上が好ましい。
ポリ塩化アルミニウムは、例えば、水酸化アルミニウムを塩酸に溶解させたときに得られる塩基性塩化アルミニウムの重合体[Al2(OH)aCl6-a]b(式中、aおよびbは塩基度による変数であり、aは1以上5以下、bは10以下の整数である)であり、水処理凝集剤として知られている。その塩基度B(%)は変数aを用いて、B=(a/6)×100で示され、変動する。一般的にB=40〜65%の組成のものが市販されており容易に入手できる。
ポリ塩化アルミニウムは、公知の方法により合成したものであってもよいが、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
高塩基性塩化アルミニウムは、公知の方法により合成したものであってもよいが、実施例において用いられているような市販のものであってもよい。
本発明において用いるデンプン成分は、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択され、前述の水溶性アルミニウム化合物と相乗効果を発揮するものであれば特に限定されない。
デンプンとしては、トウモロコシ、コメ、小麦、ジャガイモ(馬鈴薯)、タピオカ、サツマイモなどを原料として、公知の方法により精製処理などに付したデンプン(生デンプン)が挙げられる。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、ヒドロキシアルキル化デンプンとしては、ヒドロキシメチル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプンなどが挙げられる。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、カルボキシアルキル化デンプンとしては、カルボキシメチル化デンプン、カルボキシエチル化デンプン、カルボキシプロピル化デンプンなどが挙げられ、これらの中でも、ピッチ障害の防止効果および化合物としての入手し易さの点で、カルボキシメチル化デンプンが特に好ましい。
ここで、アルキルは炭素数1〜4程度であり、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンとしては、ヒドロキシメチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシエチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンなどが挙げられ、これらの中でもピッチ障害の防止効果および化合物としての入手し易さの点で、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンが特に好ましい。
デンプン成分の分解物としては、例えば、上記のデンプンの加水分解により得られる低分子量の炭化水素化合物であるデキストリンが挙げられる。
本発明においては、上記のデンプン成分の1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
上記のデンプン成分の中でも、ピッチ障害の防止効果の点で、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上であるのが好ましく、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上であるのがより好ましく、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物およびデキストリンなどのような分解物が製剤の容易性などの点で特に好ましい。
上記のように、本発明においては、水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつデンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである組み合わせが特に好ましい。
水溶性アルミニウム化合物とデンプン成分との配合割合、すなわち両者が相乗効果を奏する割合は、両者の種類や添加の条件(pH、温度など)により変化するが、通常、質量比で1:0.01〜1:3であるのが好ましい。
水溶性アルミニウム化合物1に対して、デンプン成分が0.01未満、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが過剰である場合、およびデンプン成分が3を超える、すなわち高塩基性塩化アルミニウムが過少である場合、両者の優れた相乗効果が得られず、また前者ではピッチが過剰に凝集し析出することがあり、後者ではピッチ同士の凝集を妨げることができず後工程で障害となることがある。
より好ましい配合割合は、質量比で1:0.01〜1:1であり、特に好ましい範囲は1:0.01〜1:0.5である。
高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH8.5のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:3である。
高塩基性塩化アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH10のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物との好ましい配合割合(pH8.5のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
高塩基性塩化アルミニウムとデキストリンとの好ましい配合割合(pH8.0のパルプスラリーへの添加時)は、質量比で1:0.01〜1:3であり、特に好ましい範囲は1:0.1〜1:0.5である。
本発明の製紙工程用ピッチコントロール剤は、通常液剤の形態で製剤化して用いるのが好ましい。
液剤とする場合には、溶剤として水を用いた液剤とするのが好ましい。
その液剤濃度は、添加対象のパルプスラリー濃度やピッチ成分の種類、量、抄造条件などにより適宜設定すればよいが、通常、10〜500g/kgである。
液剤濃度が10g/kg未満の場合、添加対象に液剤を多量に添加する必要があることがある。一方、液剤濃度が500g/kgを超える場合、液剤の取り扱いが難しくなることがある。
好ましい濃度は、50〜500g/kgである。
本発明のピッチ障害防止方法は、製紙工程中のパルプスラリーに、有効成分として上記のピッチコントロール剤を、絶乾パルプ質量に対して0.01〜100g/kg添加して、ピッチによる紙製品の品質低下を防止することを特徴とする。
好ましいピッチコントロール剤の添加量は、0.01〜20g/kgである。
[水溶性アルミニウム化合物]
・ポリ塩化アルミニウム:PAC
(含量Al2O3として30質量%、大明化学工業株式会社製、製品名:ポリ塩化アルミニウム粉末パック、塩基度:40〜60%)
・高塩基性塩化アルミニウム:AA
(含量Al2O3として23.5質量%、多木化学工業株式会社製、製品名:タキバイン#1500、塩基度:82〜85%)
・硫酸アルミニウム:AS
(含量Al2(SO4)3として54質量%、キシダ化学株式会社製、製品名:硫酸アルミニウム(14〜18水))
・デンプン:St
(含量100質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:でんぷん、とうもろこし由来)
・カチオン化デンプン:CS
(含量100質量%、日本食品化工株式会社製、製品名:ネオタック♯30T)
・ヒドロキシプロピル化デンプン分解物:HPS
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:PENON PKW)
・デキストリン:DS
(含量100質量%、松谷化学工業株式会社製、製品名:TK−16)
・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン:HS
(含量100質量%、松谷化学工業株式会社製、製品名:松谷あさがお)
・多孔質デンプン:OWP
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:ロンフードOWP)
・多孔質デンプン:Q
(含量100質量%、日澱化学株式会社製、製品名:オイルQ 50)
・ノニオン系界面活性剤:NS
(含量100質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油)
・カチオン系ポリマー:CP
(含量20質量%、和光純薬工業株式会社製、製品名:ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム)
・タルク:Talc
(含量100質量%、キシダ化学株式会社製、製品名:タルク)
撹拌機(新東科学株式会社製、製品名:スリーワンモーター、型式:BL1200)を備えた1Lのガラス製ビーカーに純水726gを入れ、回転数400rpmで撹拌しながら、デンプン成分としてのヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSを112g添加し、1時間保持した。
その後、水溶性アルミニウム化合物としての高塩基性塩化アルミニウムAAを162g添加し、10分撹拌して、有効成分として濃度150g/kgのピッチコントロール剤1(製剤1)を得た。
絶乾パルプ質量に対してピッチコントロール剤が15.0g/kgとなるように製剤1を添加する際において、絶乾150gのパルプに対して製剤1は有効成分として15g添加することになる。このとき、製剤1中のデンプン成分の配合量Sと水溶性アルミニウム化合物の配合量Aは表1に記載のとおり、それぞれ11.2g/kgおよび3.8g/kgであり、それらの配合割合S/Aは2.95である。
デンプン成分HPSおよび水溶性アルミニウム化合物AAの配合量を表1に記載のように変更すること以外は製剤例1と同様にして、製剤2〜6を得た。
製剤例1と同様の撹拌機を備え、温度90℃に制御された温浴に設置した1Lのガラス製ビーカーに純水420gを入れ、回転数400rpmで撹拌しながら、デンプン成分としてのデンプンStを18g添加し、1時間保持した。
その後、温浴の温度を40℃まで低下させ、混合物を冷却した後、水溶性アルミニウム化合物としての高塩基性塩化アルミニウムAAを562g添加し、10分撹拌して、有効成分として濃度150g/kgのピッチコントロール剤7(製剤7)を得た。
製剤7のデンプン成分の配合量Sと水溶性アルミニウム化合物の配合量Aは、それぞれ1.8g/kgおよび13.2g/kgであり、それらの配合割合S/Aは0.14である。
デンプン成分と水溶性アルミニウム化合物との配合割合S/Aを0.14に、水溶性アルミニウム化合物を高塩基性塩化アルミニウムAAに固定し、デンプン成分として、それぞれカチオン化デンプンCS、デキストリンDSおよびヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンHSを用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤8〜10を得た。
但し、デンプン成分がデキストリンおよびヒドロキシプロピル化デンプン分解物のような分解物である場合には、製剤化の過程で加温しなかった(以下の製剤例でも同様)。
デンプン成分と水溶性アルミニウム化合物との配合割合S/Aを0.14に、水溶性アルミニウム化合物をポリ塩化アルミニウムPACに固定し、デンプン成分として、それぞれカチオン化デンプンCS、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSおよびデキストリンDSを用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤11〜13を得た。
デンプン成分としてのヒドロキシプロピル化デンプン分解物HPSと、水溶性アルミニウム化合物としての硫酸アルミニウムASとを表1に示す配合割合で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤14および15を得た。
デンプン成分または水溶性アルミニウム化合物および公知のピッチコントロール剤であるノニオン系界面活性剤、カチオン系ポリマーまたはタルクを表1に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、比較製剤1〜12を得た。
デンプン成分および/または水溶性アルミニウム化合物を表2に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤16〜20および比較製剤13〜18を得た。
JAPAN TAPPI(日本紙パルプ技術協会)紙パルプ試験方法No.11:2000「パルプ−ピッチの金網付着量試験方法」に準じてピッチ付着の抑制効果の確認試験を実施した。
なお、図5は、試験例1において用いたパルプピッチ付着試験機の模式図である。
絶乾150gの針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を温度50℃の温水で濃度3%に離解して3Lのガラス容器に入れ、さらに予めロジン(キシダ化学株式会社製、製品名:ロジン)10gおよびテレピン油(キシダ化学株式会社製、製品名:テレピン油)10gをエタノール80gに溶解させて調製しておいたピッチ分を添加した。
但し、製剤5は7.5g/kg、製剤6は3.0g/kg、比較製剤4は7.5g/kg、比較製剤12は160g/kgになるように添加した。
製剤1〜15および比較製剤1〜12についてはpH8.5で、製剤16〜20および比較製剤13〜18についてはpH10で試験した。(表1がpH8.5、表2が10の試験結果である。)
次いで、半径70mmの1/4円形の真鍮製の枠に製紙用金網を貼り付けた羽根12枚(図5の図番4)をシャフト(かきまぜ棒、図5の図番3)に約10度の傾斜でらせん状に取り付けた撹拌機(新東科学株式会社製、製品名:スリーワンモーター、型式:BL1200)を用いて、羽根の回転によってパルプが押し上げられる方向に回転数200rpmで60分間撹拌した。
次いで、羽根を取り外してシャフトおよび羽根を、全使用量が200mL程度になるように溶剤(エタノールとシクロヘキサンを体積比1対2に混合したもの)で2回洗浄し、付着しているピッチを溶出させた。
次いで、ピッチ溶液の溶剤を精秤した容器に回収し、エバポレーターで濃縮後、ピッチ分を105℃の乾燥機で1時間乾燥させた。
次いで、薬剤無添加で実施したときのピッチ質量(100%)と、薬剤添加時のピッチ質量(X%)とを比較して、ピッチ付着の抑制効果(付着阻止率%)として算出した。
得られた結果をデンプン成分Sと水溶性アルミニウム化合物Aの配合量およびそれらの配合割合S/Aと共に表1および2に示す。
表1および2において、実施例および比較例の番号は、それぞれ製剤例および比較製剤例の番号に対応する。
また、図3は、pH8.5のパルプスラリーにおける硫酸アルミニウムとヒドロキシプロピル化デンプン分解物とのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。
さらに、図4は、pH8.0のパルプスラリーにおける高塩基性塩化アルミニウムとデキストリンとのピッチ障害防止の相乗効果を示す図である。
横軸に絶乾パルプ質量に対するデンプン成分の配合量(デンプン量、g/kg)を、縦軸にピッチ障害防止の抑制効果(付着抑制率%)を示す。すなわち、薬剤有効成分の絶乾パルプ質量に対する添加量15g/kgからデンプン量を減じた量が絶乾パルプ質量に対する水溶性アルミニウム化合物の配合量(g/kg)になる
また、比較製剤10〜12の公知のピッチコントロール剤よりも優れたピッチ障害防止効果が得られることがわかる。
また、ピッチコントロール剤の有効成分としての添加量が、製剤5および6のように7.5g/kgおよび3g/kgになっても十分にピッチ抑制効果が得られることがわかる。
デンプン成分および/または水溶性アルミニウム化合物を表3に示す配合量で用いること以外は上記の製剤例と同様にして、製剤21〜25および比較製剤例19〜24を得た。
ピッチ分としてアクリル酸エステル樹脂製品(エーワン合同会社製、製品名:PPCラベル)の水溶解液を用い、pH無調整(pH8.0)で、表3に記載の製剤または比較製剤を用いること以外は試験例1と同様にして、ピッチ付着の抑制効果の確認試験を実施した。
得られた結果をデンプン成分Sと水溶性アルミニウム化合物Aの配合量およびそれらの配合割合S/Aと共に表3に示す。
表3において、実施例および比較例の番号は、それぞれ製剤例および比較製剤例の番号に対応する。
また、結果を示していないが、ピッチ成分としてエチレン酢酸ビニルを用いた場合でも試験例2と同様に、優れたピッチ抑制防止効果が得られることを試験により確認している。
2 ガラス容器
3 シャフト
4 羽根
Claims (8)
- 水溶性アルミニウム化合物と、デンプン、変性デンプンおよびそれらの分解物から選択されるデンプン成分とを、相乗効果を奏する割合で有効成分として含有することを特徴とする製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 前記水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である請求項1に記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 前記水溶性アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、高塩基性塩化アルミニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される1種または2種以上である請求項1または2に記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 前記デンプン成分が、デンプン、ヒドロキシアルキル化デンプン、カルボキシアルキル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デンプンおよび多孔質デンプンならびにそれらの分解物から選択される1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 前記デンプン成分が、デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピル化デンプン分解物、カチオン化デンプン、ヒドロキシアルキル化リン酸架橋デンプンおよび多孔質デンプンから選択される1種または2種以上である請求項1〜4のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 前記水溶性アルミニウム化合物が高塩基性塩化アルミニウムであり、かつ前記デンプン成分がヒドロキシプロピル化デンプン分解物またはデキストリンである請求項1〜5のいずれか1つに記載のピッチコントロール剤。
- 前記水溶性アルミニウム化合物と前記デンプン成分との配合割合が質量比で1:0.01〜1:3である請求項1〜6のいずれか1つに記載の製紙工程用ピッチコントロール剤。
- 製紙工程中のパルプスラリーに、有効成分として請求項1〜7のいずれか1つに記載のピッチコントロール剤を、絶乾パルプ質量に対して0.01〜100g/kg添加して、ピッチによる紙製品の品質低下を防止することを特徴とするピッチ障害防止方法。
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