JP2016169416A - シリコンナノ粒子発光体の製造方法およびそのシリコンナノ粒子発光体を用いた発光素子 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記の技術では酸化ケイ素膜中に埋め込むシリコンの量を調整することで、シリコンナノ粒子のサイズを制御し各色を発色させる技術、或いは、酸化ケイ素膜とシリコンナノ粒子との熱膨張係数の差を緩和し、界面の欠陥を減少させて、ある特定の波長の発光強度を向上させるための技術に留まっている。
そのため、上記の従来の技術では、要求される光の波長帯域に応じて発光強度を高める機能が不十分であり、電子デバイスの機能を更に向上させる方法としては、限界があると考えられる。
(1)基板上に形成された酸化ケイ素膜中に、スパッタリングによりシリコンを分散させる工程において、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する入射方向が、基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ基板温度を300℃以下にしてスパッタリングを行い、その後、非酸化雰囲気で800℃から1350℃で熱処理することを特徴とするシリコンナノ粒子発光体の製造方法である。
(2)(1)に記載のスパッタリングにおいて、正対するターゲット面に対し基板表面を10°から80°に傾斜させることによりターゲットからの被スパッタ粒子の入射方向を制御することを特徴とするシリコンナノ粒子発光体の製造方法である。
(3)熱処理を900℃〜1300℃の温度、且つ10分から120分の範囲で行うことを特徴とする(1)または(2)に記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法である。
(4)熱処理を窒素ガスまたは窒素化合物ガスが3体積%以上含まれるガス雰囲気にして行うことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法である。
(5)基板の算術平均粗さRaが5nmから50nmであることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法である。
(6)(1)から(5)記載のいずれかの方法で製造されたシリコンナノ粒子発光体を用いてなることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の製造方法は、前記シリコンナノ粒子を形成させる過程において、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する入射方向が、基板の法線に対し斜めになるようにして、シリコンが分散された酸化ケイ素膜を作製することで、その後の熱処理により、均一な粒径のシリコンナノ粒子、さらにはシリコンナノ粒子表面に安定な表面欠陥低減層を形成させ、発光強度の高いシリコンナノ粒子を得ることを特徴とする。
シリコン等の半導体基板やSiO2からなる基板等の誘電体基板上に、シリコン含有酸化ケイ素膜を形成するためのターゲットとして、酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))を用い、酸化ケイ素膜中に含有させるシリコン量を制御するためにターゲット上にシリコンチップを配置しても良い。
前記方法で形成されたシリコン含有酸化ケイ素膜を、非酸化ガス雰囲気で熱処理を行う。非酸化性ガスとして主にアルゴンが選択されるが、窒素ガスまたは窒素化合物ガスが含まれるとより好ましい。前記ガスそれぞれに含まれる窒素原子のモル量や、窒素原子の化学ポテンシャルによって、最適濃度が決まると考えられるが、実験の結果、いずれのガスでも3体積%以上含まれるガス雰囲気にするとより発光強度が向上した。
本発明のシリコンナノ粒子発光体は、前記シリコンナノ粒子を含有する酸化ケイ素膜と、当該酸化ケイ素膜がその上に形成された基板とを含む構造を有する。本発明のシリコンナノ粒子発光体は、短波長の光を長波長に変換できるため、青色の光と、その光を赤色と緑色の光に波長変換して重ねることで白色光を合成することができるので、本発明のシリコンナノ粒子発光体を発光素子に用いることができる。例えば、図2(a)、(b)に示すように、青色LED21を光源として、導光板20として本発明のシリコンナノ粒子発光体を用いて、液晶等の白色バックライト30を構成しても良い。尚、図2(a)のバックライト30はオンエッジ方式であり、(b)のバックライト40は表面実装方式である。
試料1〜8のシリコンナノ粒子発光体の製造条件を表1に示す。尚、試料1〜8の前記基板はターゲット表面と対向し、且つ平行であり、ターゲット法線上に近い位置に設置し、ターゲットからスパッタされた粒子の内、前記基板表面に対し、ある特定の角度を持った被スパッタ粒子のみが飛来できるように、前記基板とターゲットの間にマスク(コリメーター)を挿入するか、或いは、マスクは挿入せずに、ターゲット法線上に近い位置で、且つ法線に対し前記基板を傾斜させて、被スパッタ粒子を斜め入射させる方法とした。
試料2は、前記基板を400℃に加熱してシリコン含有酸化ケイ素膜を形成し、成膜後に850℃で熱処理したものである。試料3は、基板を加熱せずにシリコン含有酸化ケイ素膜を形成し、750℃で熱処理したものである。試料4は、その基板を加熱せずに傾斜角度を5°にして、850°で熱処理することによって製造された。
熱処理温度により、シリコンナノ粒子の大きさが変わり、蛍光ピーク波長が変わるため、熱処理温度1000℃にして、さらには、窒素ガス雰囲気で熱処理した場合での実験も行った。
尚、ターゲット及び基板は、試料1〜8と同様のものが使用され、前記基板を傾斜する方法も、試料1〜8と同様に行われた。試料11、12は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料9、10は本発明に対する比較例である。試料9〜12の製造条件と、試料9の蛍光ピーク強度を1としたときの試料10〜12の各製造条件での蛍光測定結果を表1に示す。
熱処理温度を1150℃にした場合で、基板表面粗さの効果、熱処理雰囲気ガス組成の影響を調査した。
尚、ターゲット及び基板は、試料1〜8と同様のものが使用され、前記基板を傾斜する方法も、試料1〜8と同様に行われた。試料18〜26は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料13〜17は本発明に対する比較例である。試料13〜26の製造条件と、試料13の蛍光ピーク強度を1としたときの試料14〜26の各製造条件での蛍光測定結果を表1に示す。
ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向と、蛍光強度の向上とのこのような関係は、他の比較例及び発明例においても同様に見られる。試料9、10、13〜17はターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向が10°未満或いは80°超であるが、いずれも蛍光ピーク強度が不十分であった。これに対し、本発明例である試料5〜8、11、12、18〜26は比較対象とされる試料に対して、少なくとも30%以上の蛍光ピーク強度の増加がある。特に、試料18〜26は、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向の条件を満たすことに加えて、窒素ガスまたは窒素化合物ガスを含むガス雰囲気で熱処理が好適な温度範囲で行われており、比較対象とされる試料に対して少なくとも2倍程度の蛍光強度を有していることが分かる。
また、本発明によれば、シリコンナノ粒子の蛍光ピーク強度の波長を600nm〜840nmの広い範囲にわたって調整できることが示された。
2 基板
3 酸化ケイ素膜
3a 空孔或いは空隙
4 シリコン
5 シリコンナノ粒子
5a シェル
5b シリコンコア
10 ターゲット
11 シリコンチップ
20 導光板
21 青色LED
22 発光体
23 リフレクター
30、40 バックライト
Claims (6)
- 基板上に形成された酸化ケイ素膜中に、スパッタリングによりシリコンを分散させる工程において、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する入射方向が、前記基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記基板温度を300℃以下にしてスパッタリングを行い、その後、非酸化雰囲気で800℃から1350℃で熱処理することを特徴とするシリコンナノ粒子発光体の製造方法。
- 前記スパッタリングにおいて、正対するターゲット面に対し、前記基板表面を10°から80°に傾斜させることによりターゲットからの被スパッタ粒子の入射方向を制御することを特徴とする請求項1に記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法。
- 前記熱処理を、900℃から1300℃の温度、且つ10分から120分の範囲で行うことを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法。
- 前記熱処理を、窒素ガスまたは窒素化合物ガスが3体積%以上含まれるガス雰囲気にして行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法。
- 前記基板の算術平均粗さRaが5nmから50nmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシリコンナノ粒子発光体の製造方法。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法で製造されたシリコンナノ粒子発光体を用いてなることを特徴とする発光素子。
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JP2004296781A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-21 | Tokai Univ | ナノシリコン発光素子及びその製造法 |
JP2005268337A (ja) * | 2004-03-16 | 2005-09-29 | Tokai Univ | ナノシリコン発光素子の製造法及びそのナノシリコン発光素子 |
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