JP2016169364A - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性及び機械特性に優れた硬化物を形成できる硬化性組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるエポキシ化合物(A)と、アミン硬化剤(B)とを含むことを特徴とする硬化性組成物。アミン硬化剤(B)は、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性ポリアミン、2級アミン及び3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。【化1】[式中、R1〜R20は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物及び該硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
エポキシ化合物(エポキシ樹脂)を含む硬化性組成物を硬化させることにより、電気特性、耐湿性、耐熱性、強靱性等に優れた硬化物が得られることが知られている。上記硬化性組成物は、例えば、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、接着剤、封止材等に広く用いられている。
エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート等の分子内に脂環エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ化合物が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物の硬化物は、特に耐熱性に優れることが知られている。
特開平63−264625号公報
しかしながら、上述の脂環式エポキシ化合物を含む硬化性組成物の硬化物は、弾性率及び強度が低い等、十分な機械特性を有するものとは言えないため、適用可能な用途が限られ、特に優れた機械強度が求められる用途(例えば、構造材等)への展開が困難であった。
従って、本発明の目的は、耐熱性及び機械特性に優れた硬化物を形成できる硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、耐熱性及び機械特性に優れた硬化物を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ化合物(脂環式エポキシ化合物)と特定の硬化剤とを必須成分として含む硬化性組成物によると、耐熱性及び機械特性に優れた硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2016169364
[式中、R1〜R20は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。]
で表されるエポキシ化合物(A)と、アミン硬化剤(B)とを含むことを特徴とする硬化性組成物を提供する。
さらに、アミン硬化剤(B)が、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性ポリアミン、2級アミン及び3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つである前記の硬化性組成物を提供する。
さらに、アミン硬化剤(B)が、ジアミノジフェニルスルホン(B1)、ジシアンジアミド(B2)及び下記式(2)
Figure 2016169364
[式中、R21及びR23は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数6〜12のアリーレン基を示す。sは0又は1を示す。R22は、一価の有機基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、窒素原子含有基又はハロゲン原子を示す。tは、0〜10の整数を示す。]
で表される化合物(B3)からなる群より選択される少なくとも1つである前記の硬化性組成物を提供する。
さらに、アミン硬化剤(B)がイソホロンジアミンである前記の硬化性組成物を提供する。
さらに、硬化促進剤(C)をさらに含む前記の硬化性組成物を提供する。
さらに、硬化促進剤(C)がルイス酸と塩基との錯体である前記の硬化性組成物を提供する。
さらに、ベンゾオキサジン化合物(D)を含む前記の硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、前記の硬化性組成物の硬化物を提供する。
本発明の硬化性組成物は上記構成を有するため、該硬化性組成物を硬化させることにより、耐熱性及び機械特性に優れた硬化物が得られる。従って、本発明の硬化性組成物は、高い耐熱性と機械特性とが要求される用途(特に構造材、例えば、航空機材料等のコンポジット等)等への展開が可能である。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、下記式(1)で表されるエポキシ化合物(A)(単に「エポキシ化合物(A)」と称する場合がある)と、アミン硬化剤(B)とを必須成分として含む組成物(硬化性エポキシ樹脂組成物)である。本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物(A)及びアミン硬化剤(B)以外にも必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
Figure 2016169364
[エポキシ化合物(A)]
本発明の硬化性組成物におけるエポキシ化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物(トリエポキシ化合物)である。式(1)中、R1〜R20は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。また、R1〜R20は、それぞれ独立した基であり、R1〜R20から選択される2個以上の基が結合して脂環を形成する炭素原子と共に環を形成することはない。
中でも、エポキシ化合物(A)としては、オキシラン酸素濃度が高く架橋点間分子量が小さいために、より架橋密度が高い硬化物を形成することができる点で、式(1)中のR1〜R20が同一又は異なって水素原子又はメチル基である化合物が好ましく、特に、R1〜R20が水素原子である化合物がより好ましい。
本発明の硬化性組成物においてエポキシ化合物(A)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、エポキシ化合物(A)は公知乃至慣用の製造方法により製造することができ、特に限定されないが、上記製造方法としては、例えば、対応する不飽和化合物(式(1)中の3つのエポキシ基部分が炭素−炭素二重結合に置き換わった化合物)を酸化剤により酸化(エポキシ化)する方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、国際公開第2013/038945号に開示された方法によって、エポキシ化合物(A)を製造することができる。
本発明の硬化性組成物におけるエポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性組成物の全量(100重量%)に対して、5〜95重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。エポキシ化合物(A)の含有量を5重量%以上とすることにより、硬化物の機械特性(特に、強度及び弾性率)がより向上する傾向がある。一方、エポキシ化合物(A)の含有量を95重量%以下とすることにより、相対的にアミン硬化物(B)の増量が可能であり、硬化性組成物を十分に硬化させることができるため、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物(A)以外のエポキシ基を有する化合物(「その他のエポキシ化合物」と称する)を含んでいてもよい。その他のエポキシ化合物としては、公知乃至慣用のエポキシ化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、エポキシ化合物(A)以外の脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物(例えば、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物等)、脂肪族エポキシ化合物(例えば、脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル型エポキシ化合物等)等が挙げられる。本発明の硬化性組成物においてその他のエポキシ化合物は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の硬化性組成物に含まれるエポキシ化合物の全量(100重量%)に対するエポキシ化合物(A)の割合は、特に限定されないが、70重量%以上(例えば、70〜100重量%)が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。エポキシ化合物(A)の割合を70重量%以上とすることにより、硬化物の耐熱性及び機械特性(特に、強度及び弾性率)がいっそう向上する傾向がある。
[アミン硬化剤(B)]
本発明の硬化性組成物におけるアミン硬化剤(B)としては、分子内にアミノ基を有する公知のエポキシ硬化剤を用いることができる。
アミン硬化剤(B)としては、具体的には、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性ポリアミン、2級アミン、3級アミン等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシリレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
脂環式ポリアミンとしては、例えば、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ラロミンC−260等が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン(例えば、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン等)等が挙げられる。
変性ポリアミンとしては、例えば、カルボン酸による変性アミン(ポリアミノアミド、アミノアミド)、エポキシ化合物による変性アミン(アミン−エポキシアダクト)、マイケル反応による変性アミン(マイケル付加ポリアミン)、マンニッヒ反応による変性アミン、尿素又はチオ尿素との反応による変性アミン、ケトンとの反応による変性アミン(ケチミン、シッフ塩基)、エピクロルヒドリンとの反応による変性アミン、ベンジルクロライドとの反応による変性アミン、リン化合物との反応による変性アミン、ベンゾキノンとの反応による変性アミン、トリアルキルシリル化アミン、アミノ基とイソシアネート化合物との反応による変性アミン、水酸基を有するアミン化合物とイソシアネート化合物との反応による変性アミン、カーボネートとの反応による変性アミン等が挙げられる。
その他、ポリオキシプロピレンジアミン(例えば、ジェファーミンD230等)、ポリオキシプロピレントリアミン(例えば、ジェファーミンT403等)、ポリシクロヘキシルポリアミン混合物、N−アミノエチルピペラジン等を用いてもよい。
2級アミン又は3級アミンとしては、例えば、イミダゾール類、3級アミン類、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、N,N'−ジメチル尿素誘導体等が挙げられる。
これらのうち、アミン硬化剤(B)としては、ジアミノジフェニルスルホン(「ジアミノジフェニルスルホン(B1)」と称する場合がある)、ジシアンジアミド(「ジシアンジアミド(B2)」と称する場合がある)、及び下記式(2)で表される化合物(B3)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。
Figure 2016169364
上記式(2)で表される化合物(B3)について、以下説明する。
式(2)中、R21及びR23は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数6〜30のアリーレン基を示す。R21及びR23としての炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。また、R21及びR23としての炭素数6〜30(好ましくは、炭素数6〜12)のアリーレン基としては、例えば、構造式上、芳香族炭化水素から2個の水素原子(芳香環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子)を除いて形成される基が挙げられる。上記芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、9−フェニルアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、ナフタセン、ピレン、ペリレン、ビフェニル、ビナフチル、ビアンスリル、これらの誘導体(例えば、上記芳香族炭化水素の芳香環に1以上の置換基(例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキレン基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基等)が置換した芳香族炭化水素等)等が挙げられる。
式(2)中、sは、0又は1を示す。
式(2)中、R22は、式中に示されるシクロヘキサン環上の置換基を示し、一価の有機基、一価の酸素原子含有基、一価の硫黄原子含有基、一価の窒素原子含有基、又はハロゲン原子を示す。R22としては、具体的には、例えば、アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、シアノ基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、カルバモイル基、スルホ基等が挙げられる。また、式(2)中、tは、式中に示されるシクロヘキサン環上の置換基(R22)の数を示し、0〜10の整数を示す。式(2)におけるtが2以上の整数である場合、それぞれのR22は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
より詳しくは、式(2)で表される構造式から両末端の2個のアミノ基を除いて形成される基としては、例えば、1,2−シクロヘキシレン−メチレン基、1,3−シクロヘキシレン−メチレン基、1,4−シクロヘキシレン−メチレン基、シクロヘキシリデン−メチレン基、1,2−シクロヘキシレン−エチレン基、1,3−シクロヘキシレン−エチレン基、1,4−シクロヘキシレン−エチレン基、シクロヘキシリデン−エチレン基、3,5,5−トリメチル−1,3−シクロヘキシレン−メチレン基(イソホロンジアミンから2つのアミノ基を除いて形成される二価の基)等のシクロヘキシレン−アルキレン基;1,2−シクロヘキシレン−フェニレン基、1,3−シクロヘキシレン−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン−フェニレン基等のシクロヘキシレン−アリーレン基;メチレン−1,2−シクロヘキシレン−メチレン基、メチレン−1,3−シクロヘキシレン−メチレン基、メチレン−1,4−シクロヘキシレン−メチレン基等のアルキレン−シクロヘキシレン−アルキレン基;メチレン−1,2−シクロヘキシレン−フェニレン基、メチレン−1,3−シクロヘキシレン−フェニレン基、メチレン−1,4−シクロヘキシレン−フェニレン基等のアルキレン−シクロヘキシレン−アリーレン基;フェニレン−1,2−シクロヘキシレン−フェニレン基、フェニレン−1,3−シクロヘキシレン−フェニレン基、フェニレン−1,4−シクロヘキシレン−フェニレン基等のアリーレン−シクロヘキシレン−アリーレン基等が挙げられる。
中でも、式(2)で表される化合物(B3)としては、硬化物の耐熱性及び機械特性の観点で、式(2)中のR22がアルキル基、tが1〜10の整数、かつR23が炭素数1〜4のアルキレン基である化合物が好ましく、より好ましくは式(2)中のsが0、R22が炭素数1〜3のアルキル基、tが1〜5の整数、かつR23が炭素数1〜3のアルキレン基である化合物、さらに好ましくはイソホロンジアミンである。
本発明の硬化性組成物においてアミン硬化剤(B)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、アミン硬化剤(B)は公知乃至慣用の製造方法により製造することもできるし、例えば、商品名「ベスタミンIPD」(エボニックデグサジャパン(株)製)、商品名「セイカキュアS」(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、和歌山精化工業(株)製)等の市販品を入手することもできる。
本発明の硬化性組成物におけるアミン硬化剤(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性組成物に含まれるエポキシ化合物の全量100重量部に対して、50〜200重量部が好ましく、より好ましくは60〜150重量部である。また、本発明の硬化性組成物に含まれる全てのエポキシ化合物におけるエポキシ基1当量当たり、アミン硬化剤(B)の活性水素当量が0.5〜1.5当量となる割合で使用することが好ましい。アミン硬化剤(B)の活性水素当量が0.5当量以上であることにより、硬化を十分に進行させることができ、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。一方、アミン硬化剤(B)の活性水素当量が1.5当量以下であることにより、より着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。また、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性組成物はアミン硬化剤(B)以外にも、エポキシ化合物の硬化剤として機能する化合物(「その他の硬化剤」と称する)を含んでいてもよい。その他の硬化剤としては、エポキシ樹脂用硬化剤として公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、酸無水物類、ポリアミド類、ポリメルカプタン類、フェノール類、ポリカルボン酸類等が挙げられる。本発明の硬化性組成物においてその他の硬化剤は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。本発明の硬化性組成物におけるその他の硬化剤の含有量は、特に限定されないが、硬化性組成物に含まれるアミン硬化剤(B)とその他の硬化剤の総量(100重量%)に対して、0〜10重量%が好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。
[硬化促進剤(C)]
本発明の硬化性組成物は、さらに硬化促進剤(C)を含んでいてもよい。硬化促進剤(C)を含む場合、エポキシ化合物(A)とアミン硬化剤(B)との反応(硬化反応)が促進されるため、硬化物の生産性が向上し、また、硬化反応を十分に進行させることができるために硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。
硬化促進剤(C)としては、公知乃至慣用の硬化促進剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、第三級アミン[例えば、ラウリルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)等];第三級アミン塩[例えば、上記第三級アミンのカルボン酸塩、スルホン酸塩、無機酸塩等];イミダゾール類[例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等];有機リン系化合物[例えば、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等];第四級アンモニウム塩[例えば、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド等]、第四級ホスホニウム塩[例えば、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、テトラブチルホスホニウムラウリン酸塩、テトラブチルホスホニウムミリスチン酸塩、テトラブチルホスホニウムパルミチン酸塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸及び/又はメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンと1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸のアニオンとの塩等]、第四級アルソニウム塩、第三級スルホニウム塩、第三級セレノニウム塩、第二級ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩;強酸エステル[例えば、硫酸エステル、スルホン酸エステル、りん酸エステル、ホスフィン酸エステル、ホスホン酸エステル等];ルイス酸と塩基との錯体[例えば、三フッ化ホウ素・アニリン錯体、三フッ化ホウ素・p−クロロアニリン錯体、三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジブチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素・ジベンジルアミン錯体、三塩化ホウ素・ジメチルオクチルアミン錯体等];有機金属塩[オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ジラウリン酸ジブチルスズ、アルミニウムアセチルアセトン錯体等]等が挙げられる。
中でも、硬化促進剤(C)としては、硬化物の耐熱性及び機械特性の観点で、ルイス酸と塩基との錯体が好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物において硬化促進剤(C)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。また、硬化促進剤(C)としては、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「U−CAT 12XD」(開発品)(以上、サンアプロ(株)製);商品名「TPP−K」、「TPP−MK」(以上、北興化学工業(株)製);商品名「PX−4ET」(日本化学工業(株)製);商品名「三フッ化ホウ素モノエチルアミン」(ステラケミファ(株)製)等の市販品を使用することもできる。
本発明の硬化性組成物における硬化促進剤(C)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性組成物に含まれるエポキシ化合物の全量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.03〜3重量部である。硬化促進剤(C)の含有量を0.01重量部以上とすることにより、いっそう効率的な硬化促進効果が得られ、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。一方、硬化促進剤(C)の含有量を10重量部以下とすることにより、より着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
[ベンゾオキサジン化合物(D)]
本発明の硬化性組成物は、さらにベンゾオキサジン化合物(D)を含んでいてもよい。ベンゾオキサジン化合物(D)は加熱することで開環重合して、エポキシ化合物(A)、アミン硬化剤(B)と共に共重合体を形成する。本発明の硬化性組成物が、ベンゾオキサジン化合物(D)を含むことにより、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。
用いられるベンゾオキサジン化合物(D)としては、ベンゾオキサジン骨格を有し硬化可能な化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、下記式(3)又は(3')で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016169364
[式中、R24は、水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、及び下記式(a)〜(m)
Figure 2016169364
(式中、R25は水素原子、又は炭化水素基を示す)
で表される基から選択される基を示す。R25は水素原子、又は炭化水素基を示す。u、vは同一又は異なって1〜4の整数を示す]
24における水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜3のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基や、前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基の水素原子の1個又は2個以上がハロゲン原子で置換された基(例えば、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基等)などを挙げることができる。
25における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらが単結合を介して結合した基等が含まれる。
前記脂肪族炭化水素基としては、C1-20(=炭素数1〜20)の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等のC1-20程度(好ましくはC1-10、特に好ましくはC1-3)のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等のC2-20程度(好ましくはC2-10、特に好ましくはC2-3)のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等のC2-20程度(好ましくはC2-10、特に好ましくはC2-3)のアルキニル基等を挙げることができる。
前記脂環式炭化水素基としては、C3-20(=3〜20員)脂環式炭化水素基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のC3-20程度(好ましくはC3-15、特に好ましくはC5-8)のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等のC3-20程度(好ましくはC3-15、特に好ましくはC5-8)のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
前記芳香族炭化水素基としては、C6-14(特に、C6-10)芳香族炭化水素基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
前記結合した基(より詳細には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基から選択される2以上の基が単結合を介して結合した基)としては、シクロアルキル置換アルキル基、アラルキル基、アルキル置換アリール基等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香族性の複素環が縮合していてもよい。
u、vは同一又は異なって1〜4の整数を示す。u又はvが2〜4の整数である場合、2〜4個のR25は同一であってもよく、異なっていてもよい。
ベンゾオキサジン化合物(D)の具体例としては、下記式(3-1)〜(3-10)で表される化合物を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2016169364
Figure 2016169364
本発明において、式(3)又は式(3’)で表されるベンゾオキサジン化合物としては、例えば、商品名「P−d型ベンゾオキサジン」、「F−a型ベンゾオキサジン」(以上、四国化成工業(株)製)、商品名「BXZ−1(BS−BX9)」、「BXZ−2(BF−BXZ)」、「BXZ−3(BA−BXZ)」(以上、小西化学工業(株)製)等の市販品を使用しても良い。
ベンゾオキサジン化合物(D)の融点は、例えば30〜130℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜110℃である。
本発明の硬化性組成物が、ベンゾオキサジン化合物(D)を含む場合、その含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性組成物に含まれるエポキシ化合物の全量100重量部に対して、50〜200重量部が好ましく、より好ましくは60〜150重量部である。ベンゾオキサジン化合物(D)の含有量を50重量部以上とすることにより、硬化を十分に進行させることができ、硬化物の耐熱性及び機械特性がより向上する傾向がある。一方、ベンゾオキサジン化合物(D)の含有量を200重量部以下とすることにより、より着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
[添加剤]
本発明の硬化性組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、例えば、水酸基を有する化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、消泡剤(例えば、シリコーン系やフッ素系消泡剤等)、レベリング剤、シランカップリング剤(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランや3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、界面活性剤、無機充填剤(例えば、シリカ、アルミナ等)、難燃剤、着色剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体(例えば、YAG系の蛍光体微粒子、シリケート系蛍光体微粒子等の無機蛍光体微粒子等)、離型剤等の慣用の添加剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、特に限定されないが、必要に応じて加熱した状態で、上記の各成分を攪拌・混合することにより調製することができる。なお、本発明の硬化性組成物は、各成分があらかじめ混合されたものをそのまま使用する1液系の組成物として使用することもできるし、例えば、別々に保管しておいた2以上の成分(各成分は2以上の成分の混合物であってもよい)を使用前に所定の割合で混合して使用する多液系(例えば、2液系)の組成物として使用することもできる。上記攪拌・混合の方法は、特に限定されず、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式攪拌装置等の公知乃至慣用の攪拌及び混合手段を使用できる。また、攪拌・混合後、真空下にて脱泡してもよい。
<硬化物>
本発明の硬化性組成物を硬化させることにより、優れた耐熱性及び機械特性(特に、高い強度及び弾性率)を有する硬化物(「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。硬化の際の加熱温度(硬化温度)は、特に限定されないが、50〜220℃が好ましく、より好ましくは60〜210℃、さらに好ましくは80〜200℃である。また、硬化の際に加熱する時間(硬化時間)は、特に限定されないが、30〜600分が好ましく、より好ましくは45〜540分、さらに好ましくは60〜480分である。硬化温度と硬化時間が上記範囲の下限値より低い場合は硬化が不十分となり、逆に上記範囲の上限値より高い場合は構成成分の分解が起きる場合があるので、いずれも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、例えば、硬化温度を高くした場合は硬化時間を短く、硬化温度を低くした場合は硬化時間を長くする等により、適宜調整することができる。なお、硬化は一段階で進行させることもできるし、二段階以上の多段階に分けて進行させることもできる。
本発明の硬化性組成物の硬化は、常圧下で行ってもよいし、減圧下又は加圧下で行ってもよい。また、硬化させる際の雰囲気は、硬化を阻害するものでない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等のいずれであってもよい。
本発明の硬化物のTMA(熱機械分析)により測定されるガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、200℃以上が好ましく、より好ましくは210℃以上である。上記ガラス転移温度が200℃以上であることにより、より高温においても使用できる傾向がある。なお、上記ガラス転移温度はJIS K7197に準拠して測定され、より具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の硬化物のガラス転移温度(TMAにより測定されるガラス転移温度)より低温における線膨張係数(α1)は、特に限定されないが、65ppm/℃以下が好ましく、より好ましくは60ppm/℃以下、さらに好ましくは55ppm/℃以下であり、特に好ましくは52ppm/℃以下である。線膨張係数(α1)が65ppm/℃以下であることにより、より高温においても使用できる傾向がある。なお、上記線膨張係数はJIS K7197に準拠して測定され、より具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の硬化物のDMA(動的粘弾性測定)により測定されるガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、210℃以上が好ましく、より好ましくは220℃以上であり、特に好ましくは230℃以上である。ガラス転移温度が210℃以上であることにより、より高温においても使用できる傾向がある。なお、上記ガラス転移温度はDMAにより測定され、より具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物が上記構成を有するために、優れた機械特性(特に高い弾性率)を示す。詳しくは、本発明の硬化物の曲げ弾性率は、特に限定されないが、3.8GPa以上が好ましく、4.0GPa以上がより好ましく、さらに好ましくは4.2GPa以上である。上記曲げ弾性率は、JIS 7171:2008に準拠して測定され、より具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の硬化性組成物は、上述のように優れた耐熱性及び機械特性を有する硬化物を形成できるため、例えば、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastics、例えば、GFRP(glass fiber reinforced plastics)、CFRP(carbon fiber reinforced plastics)等)材料、プラスチック形成材料等の各種用途に使用することができ、特に、高い機械特性が要求される用途(特に、構造材、例えば、航空機材料等のコンポジット等)にも適用可能である。また、本発明の硬化性組成物は、粘度を適切に調節することにより、プリプレグシート形成用の樹脂シートに使用することもできる。
また、本発明の硬化物は優れた耐熱性を有するため、鉛フリーはんだ実装にも適用可能である。例えば、本発明の硬化性組成物を用いて半導体素子等を基板上に実装する工程においては、他の電子部品の表面実装と同一のはんだリフロープロセスにて直接実装することができ、極めて効率的な製品の製造が可能となる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1における「−」は、当該成分の配合を行わなかったこと、又は評価を行わなかったことを意味する。
実施例1
表1に示す配合割合でイソホロンジアミン(商品名「ベスタミンIPD」、エボニックデグサジャパン(株)製)と三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体(商品名「三フッ化ホウ素モノエチルアミン」、ステラケミファ(株)製)とを、自公転式攪拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を使用して均一に配合し、脱泡して、アミン硬化剤と硬化促進剤との混合物(硬化剤組成物)を得た。
次に、表1に示す配合割合となるように、2,3−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)オキシランと上記で得た硬化剤組成物とを、自公転式攪拌装置を使用して均一に配合し、脱泡して、硬化性組成物(硬化性エポキシ樹脂組成物)を製造した。
上記で得た硬化性組成物を成型機に注型し、表1に示す硬化条件[90℃で2時間(1st cure)、続いて200℃で2時間(2nd cure)]で加熱することによって硬化させ、硬化物を製造した。
実施例2
表1に示す配合割合(単位:重量部)でイソホロンジアミン(商品名「ベスタミンIPD」、エボニックデグサジャパン(株)製)、DDS(商品名「セイカキュア(登録商標)S」(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)、和歌山精化工業(株)製)と2,3−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)オキシラン、および三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体(商品名「三フッ化ホウ素モノエチルアミン」、ステラケミファ(株)製)を、自公転式攪拌装置(商品名「あわとり錬太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に配合し、脱泡して硬化剤組成物を製造した。
上記で得られた硬化性エポキシ樹脂組成物を成型機に注型し、表1に示す硬化条件[100℃で1時間(1st cure)、120℃で1時間(2nd cure)、160℃で1時間(3rd cure)、続いて200℃で2時間(4th cure)]で加熱することによって硬化させ、硬化物を製造した。
比較例1〜6
エポキシ化合物の種類、硬化剤組成物の組成、及び硬化条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性組成物及びその硬化物を製造した。
[評価]
実施例及び比較例で得た硬化物について、以下の評価を実施した。
(1)ガラス転移温度及び線膨張係数の測定(TMA)
TMA測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、商品名「TMA/SS100」)を使用し、JIS K7197に準拠した方法により、窒素雰囲気下、昇温速度:5℃/分、測定温度範囲:30〜250℃の条件で、硬化物の熱機械分析を行った。得られた熱膨張曲線から、硬化物のガラス転移温度(Tg)及び線膨張係数(α1)を求めた。なお、ガラス転移温度(Tg)は、ガラス転移点前後の曲線に接線を引き、これらの接線の交点から求めた。また、上記で求めたガラス転移温度より低温側の直線の勾配を線膨張係数(α1)として求めた。
(2)ガラス転移温度の測定(DMA)
硬化物(厚さ0.5mm)より、厚さ0.5mm×幅8mm×長さ40mmのサイズのサンプルを切り出し、動的粘弾性測定装置(DMA)(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて、上記サンプルの損失正接(tanδ)のピークトップ温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。なお、動的粘弾性測定は、窒素気流下、測定温度範囲:−50〜300℃、昇温速度:3℃/分、変形モード:引張モード、周波数10Hzの条件で実施した。
(3)曲げ試験
厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの硬化物をサンプルとして、テンシロン万能試験機((株)オリエンテック製)を使用して、エッジスパン:67mm、曲げ速度:2mm/分の条件で、JIS K7171:2008に準拠した3点曲げ試験を行うことにより、硬化物の曲げ弾性率を測定した。
Figure 2016169364
なお、本実施例で使用した成分は、以下の通りである。
(エポキシ化合物)
2,3−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)オキシラン:国際公開第2013/038945号の実施例5に開示された方法により製造したもの
セロキサイド2021P:商品名「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート)、(株)ダイセル製
YD128:商品名「YD128」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製
MY0610:商品名「アラルダイトMY0610」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、ハンツマンアドバンスドマテリアルズ社製
(アミン硬化剤)
ベスタミンIPD:商品名「ベスタミンIPD」(イソホロンジアミン)、エボニックデグサジャパン(株)製
DDS:商品名「セイカキュア(登録商標)S」(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン)、和歌山精化工業(株)
(硬化促進剤)
BF3・MEA:商品名「三フッ化ホウ素モノエチルアミン」(三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体)、ステラケミファ(株)製
表1に示すように、本発明の硬化性組成物(実施例1及び実施例2)を硬化させて得られる硬化物は、優れた耐熱性(特に、高いガラス転移温度)と機械特性とを兼ね備えることが確認された。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2016169364
    [式中、R1〜R20は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を示す。]
    で表されるエポキシ化合物(A)と、アミン硬化剤(B)とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. アミン硬化剤(B)が、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性ポリアミン、2級アミン及び3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. アミン硬化剤(B)が、ジアミノジフェニルスルホン(B1)、ジシアンジアミド(B2)及び下記式(2)
    Figure 2016169364
    [式中、R21及びR23は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基を示す。sは0又は1を示す。R22は、一価の有機基、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、窒素原子含有基又はハロゲン原子を示す。tは、0〜10の整数を示す。]
    で表される化合物(B3)からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. アミン硬化剤(B)がイソホロンジアミンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 硬化促進剤(C)をさらに含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 硬化促進剤(C)がルイス酸と塩基との錯体である請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. ベンゾオキサジン化合物(D)をさらに含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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