JP2016168957A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なく軽量な構成で、着座した乗員の尻部および大腿部などと共に足元を温めることができる車両用シートを提供する。【解決手段】車両用シート1は、シートクッションパッド11とシート表皮12との間に設けられ、シートクッションパッド11の座面11uに沿って車両後側から車両前側へ延びた上面部13uと、上面部13uの端部からシートクッションパッドの前端面11fに沿ってシートクッションパッドの下面11dまで回り込んで延びた前面部13fと、前面部13fの端部から車両下側となる車両フロアの方向へ延びた下面部13dと、を含んだ形状を有するマット式ヒータ13と、マット式ヒータ13の下面部13dとの間に空間14kを有して発熱体の下面部13dより車両前側に設けられ、かつ、発熱体の下面部13dが発生する輻射熱を通過させる隙間を有したメッシュ状のカバー部材14と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用シートに関する。
例えば、車両用シートとして、着座した乗員を温める機能を備えた車両用シートが、特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載された従来の車両用シートは、着座した乗員の座面部となるシートクッションおよび背もたれ部となるシートバックに、発熱体であるシート式ヒータを内蔵した構成である。この構成により、特許文献1に記載された従来の車両用シートでは、着座した乗員の大腿部、尻部、腰部、および背部などを、発熱体が発生した熱の伝導作用を利用した熱伝達(以下、伝導熱伝達と記す)によって温めることができる。
また例えば、他の車両用シートとして、着座した乗員を温める機能を備えた車両用シートが、特許文献2に記載されている。
この特許文献2に記載された従来の車両用シートは、シートクッションの前方向に温風を供給できる送風器を、シートクッションの下部位置に内蔵した構成である。この構成により、特許文献2に記載された従来の車両用シートでは、着座した乗員の足元(ふくらはぎなど)を、温風送風器が発生した温風の対流作用を利用した熱伝達(以下、対流熱伝達と記す)によって温めることができる。
特開2003−230458号公報 特開2011−254882号公報
着座した乗員の大腿部および尻部などと共に、着座した乗員の足元をも温められる構成の車両用シートを考えた場合、上述した特許文献1に記載の構成と特許文献2に記載の構成とを組み合わせることでその車両用シートを実現できる。
しかしながら、発熱体による伝導熱伝達を利用した特許文献1に記載の構成と、温風送風器による対流熱伝達を利用した特許文献2に記載の構成とでは、使用する部品が異なる。よって、特許文献1に記載の構成と特許文献2に記載の構成とを単純に組み合わせた車両用シートでは、部品点数が多くなって重くなるという課題がある。また、温風送風器による対流熱伝達は、発熱体による伝導熱伝達や発熱体から発生した電磁波(遠赤外線)の輻射作用を利用した熱伝達(以下、輻射熱伝達と記す)と比べて最も熱伝達の効率が悪い。よって、温風送風器による対流熱伝達を用いると、着座した乗員の足元を効率よく温めることはできないという課題がある。
上記課題を鑑みて、本発明は、部品点数が少なく軽量な構成で、着座した乗員の尻部および大腿部などと共に効率よく足元を温めることができる車両用シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションを構成するシートクッションパッドとシート表皮との間に設けられ、かつ、シートクッションパッドの座面に沿って車両後側から車両前側へ延びた上面部と、この上面部の端部からシートクッションパッドの前端面に沿ってシートクッションパッドの下面まで回り込んで延びた前面部と、この前面部の端部から車両下側へ延びた下面部と、を含んだ形状を有する発熱体と、この発熱体の下面部との間に空間を有して発熱体の下面部より車両前側に設けられ、かつ、発熱体の下面部が発生する輻射熱を通過させる隙間を有したメッシュ状のカバー部材と、を備えている。
この車両用シートによれば、例えばマット式ヒータのような発熱体が、シートクッションパッドの座面(上面部)から車両前側の前端面に沿って下面まで回り込み(側面部)、シートクッションパッドの下面から車両下側(すなわち、車両フロアの方向)へ延びた(下面部)形状で、シートクッションを覆う表皮材とクッション材のパッドとの間に設けられている。従って、発熱体に電流を流せば、シートクッションの座面部分と、シートクッションの下面から車両下側へ延びた、いわゆる着座した乗員の足元に対応するシートクッションの足元部分との両方から、熱および電磁波(遠赤外線)を同時に発生させることができる。これにより、車両用シートに着座した乗員の大腿部や尻部と同時に着座した乗員の足元を温めることができる。
特に、この車両用シートによれば、シートクッションの足元部分にある発熱体下面部の車両前側に、所定の空間を有しかつ発熱体下面部が発生する輻射熱を通過させる隙間を有したメッシュ状のカバー部材を配置している。これにより、シートクッションの座面部分では、発熱体(上面部および側面部)から発生した熱による伝導熱伝達によって着座した乗員の大腿部や尻部を温めることができる。それと同時に、シートクッションの足元部分では、発熱体(下面部)から発生した輻射熱、つまり電磁波(遠赤外線)の輻射作用を利用した熱伝達(以下、輻射熱伝達と記す)によって、着座した乗員の足元を温めることができる。
また、この車両用シートによれば、シートクッションの足元部分には、例えば立体編物からなるカバー部材を配置している。従って、カバー部材によって、着座した乗員の足が発熱体に直接触れることを防止することができる。これにより、着座した乗員の足が発熱体に直接触れることによる不快感をなくしつつ、発熱体からの輻射熱、つまり電磁波(遠赤外線)による輻射熱伝達によって、適度な温かさを提供することができる。
以上述べたように、本発明の車両用シートによれば、部品点数が少なく軽量な構成で、着座した乗員の尻部および大腿部などと共に効率よく足元を温めることができる。
本発明の一実施形態に係る車両用シート1の全体構成を示した斜視図 図1に示す車両用シート1のA部の内部をさらに説明する図 図1に示す車両用シート1をB−B線で切断した断面図 カバー部材14の編み構造を説明する図 本発明の一実施形態に係る車両用シート1による着座した乗員の大腿部や尻部に対する伝導熱伝達と着座した乗員の足元に対する輻射熱伝達とを説明する図 図1に示す車両用シート1のC部に示すパネルフレーム15の変形例を説明する図
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用シート1について詳細に説明する。なお、本実施形態において説明する上、下、左、右、前、後といった方向は、車両用シート1に着座した乗員(以下、着座乗員という)から見た場合の上下左右前後方向を示している。
[車両用シート1の全体構成]
まず、本発明の一実施形態に係る車両用シート1の主要部であるシートクッション10を説明する前に、車両用シート1の全体構成を概略的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用シート1の全体構成を左前方向から見たときの斜視図である。図2は、図1に示す本発明の一実施形態に係る車両用シート1のA部の内部をさらに説明する図である。つまり、図2は、シートクッション10における、シート表皮12を除いた状態のシートクッションパッド11とマット式ヒータ13との配置関係を説明する図である。図3は、図1に示す本発明の一実施形態に係る車両用シート1をB−B線で切断した断面図である。つまり、図3は、シートクッション10における、マット式ヒータ13とカバー部材14とパネルフレーム15との配置関係を説明する図である。図4は、本発明の一実施形態に係る車両用シート1に用いられるカバー部材14の編み構造を説明する図である。
本発明が提供する車両用シート1は、シートクッション10に設けられた1つの発熱体13を用いて、着座する乗員の尻部および大腿部と足元とを同時に温めることを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用シート1は、シートクッション10と、シートバック20と、ヘッドレスト30とを含んで構成されている。
シートクッション10は、車両用シート1において、主に着座乗員の大腿部や尻部を下方から支持する着座部としての機能を有する。シートバック20は、車両用シート1において、主に着座乗員の腰部や背部を後方から支持する背もたれ部としての機能を有する。ヘッドレスト30は、車両用シート1において、主に着座乗員の頭部を後方から支持する機能を有する。
図2および図3に示すように、シートクッション10は、シートクッションフレーム(図示せず)、シートクッションパッド11、およびシート表皮12から主に構成される。シートクッションフレームは、シートクッション10の骨格を形成する部材であり、車両用シート1を車両(図示せず)に固定するための部材でもある。このシートクッションフレームは、車両の前後方向にシートクッション10の前後位置が調整可能なスライド機構を介して、車両のフロア部に連結されている。シートクッションパッド11は、クッション性を有するウレタン材などで形成された平面視で略矩形状の部品である。また、シートクッションパッド11の車両前方向となる前端面11fの下側には、マット式ヒータ13が入り込む隙間11gを空けて、車両前方向が開口した略四角枠形状のクッション前縁部11mが形成されている。このシートクッションパッド11は、シートクッションフレームの上に載置されてシートクッション10の座面を構成する。このシートクッションパッド11の少なくとも車両上方向となる上面(座面)11u、車両左右方向となる側面11s、車両前方向となる前端面11f、および車両後方向となる後端面11bは、例えばファブリック、皮革、または合成皮革などの表皮材で形成されたシート表皮12で覆われている。
さらに、シートクッション10のシートクッションパッド11とシート表皮12との間における所定の部分には、マット式ヒータ13が設けられている。マット式ヒータ13は、着座乗員の大腿部や尻部と共に足元を温めるための発熱体である。そして、このマット式ヒータ13と着座乗員の足元との間には、カバー部材14が設けられている。カバー部材14は、着座乗員の足元がマット式ヒータ13に直接触れないようにするための部材であり、例えば立体編物によって構成される。また、着座乗員の足元にあるマット式ヒータ13の後面(カバー部材14がある側と反対となる面)には、電磁波(遠赤外線)を反射するパネルフレーム15が設けられている。このマット式ヒータ13、カバー部材14、およびパネルフレーム15の詳細については、後述する。
シートバック20は、シートバックフレーム、シートバックパッド、およびシート表皮(すべて図示せず)から主に構成される。シートバックフレームは、シートバック20の骨格を形成する部材である。このシートバックフレームは、車両の前後方向にシートバック20の傾倒角度調整が可能なリクライニング機構を介して、シートクッション10のシートクッションフレームの後端箇所で連結されている。シートバックパッドは、シートクッションパッド11と同様、クッション性を有するウレタン材などで形成された平面視で略矩形状の部品である。シートバックパッドは、シートバックフレームの着座乗員側に載置されてシートバック20の背もたれ面を構成する。このシートバックパッドの表面も、例えばファブリック、皮革、または合成皮革などの表皮材で形成されたシート表皮で覆われている。
ヘッドレスト30の構造も、シートクッション10やシートバック20と同様に、骨格を形成するフレーム、クッション性を有するパッド、およびシート表皮(すべて図示せず)から主に構成される。このヘッドレスト30は、立位状態におけるシートバック20の上端面に上下位置を調整可能に連結されている。
[シートクッション10の構造]
次に、本発明の一実施形態に係る車両用シート1の主要部であるシートクッション10について説明する。
本実施形態の車両用シート1におけるシートクッション10は、上述したシートクッションフレーム(図示せず)、シートクッションパッド11、およびシート表皮12に加えて、図1〜図3に示した位置に、マット式ヒータ13、カバー部材14、およびパネルフレーム15をさらに備えている。
マット式ヒータ13は、電流を流して熱および電磁波(遠赤外線)を発生させる熱発生素子(例えば、抵抗体など)を用い、シート状に形成した面状ヒータである。なお、熱発生素子として、電磁波(遠赤外線)の発生量が他の素材よりも比較的多いカーボンを使用すれば、ヒータの発熱効率がよいので好ましい。
このマット式ヒータ13は、シートクッションパッド11の座面11uに沿って車両後側から車両前側へ延びた上面部13uと、この上面部13uの端部からシートクッションパッド11の前端面11fに沿ってシートクッションパッド11の下面11dまで回り込んで延びた前面部13fと、この前面部13fの端部から車両下側である車両フロアの方向まで延びた下面部13dと、を含む形状をしている。本実施例では、図2および図3に示した状態でシートクッション10のシートクッションパッド11とシート表皮12との間に設けられている。すなわち、着座乗員の大腿部や尻部を支持する座面11uでは、中央よりも後方の位置から前端面11fにかけて、シートクッションパッド11とシート表皮12との間に、略矩形状でマット式ヒータ13の上面部13uが設けられる。シートクッションパッド11の前端面11fでは、シートクッションパッド11とシート表皮12との間に、前端面11fに沿った形状でマット式ヒータ13の前面部13fが設けられる。シートクッションパッド11の下面11dでは、シートクッションパッド11の隙間11gからクッション前縁部11mの後方に入り込み、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mとパネルフレーム15との間に、略矩形状のマット式ヒータ13の下面部13dが設けられる。
パネルフレーム15は、図3に示すように、シートクッションパッド11の下面11dに接する第1の部分と、シートクッションパッド11の下面11dから車両フロアの方向まで延びる第2の部分とを有する。パネルフレーム15は、例えば、第1の部分がシートクッションパッド11の下面11dに固定されて、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mの後側に設けられているマット式ヒータ13の下面部13dの後側をカバーするように設けられる。
このパネルフレーム15には、例えば、アルミニウムや光沢メッキを施した金属など、電磁波(遠赤外線)の反射率が高い材料が用いられる。なお、一般的な鋼板パネルにアルミテープなどを貼り付けた安価な構成によっても、アルミパネルと同じような効果を得ることができる。
カバー部材14は、例えば天然繊維や合成繊維などの線材を三次元的に編製した面状の立体編物であり、図4に例示すように、平面視で隙間14gを有した格子構造やハニカム構造で編まれた、いわゆるメッシュ状に構成されている。このメッシュ状に構成されたカバー部材14の隙間14gは、マット式ヒータ13の下面部13dから放射される電磁波(遠赤外線)を通過させる、すなわち下面部13dが発生する輻射熱を通過させるためのものである。この隙間14gの大きさによって、カバー部材14における後述する輻射熱伝達の効率の良否が定まる。
カバー部材14は、図2および図3に示すように、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mの前側を、面で覆うようにして設けられる。このカバー部材14は、例えば、シートクッション10の車両前方向の位置において、シート表皮12と縫製されている。すなわち、カバー部材14は、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mの後側に設けられているマット式ヒータ13の下面部13dの前側を、クッション前縁部11mの開口領域によって定まる空間14kを確保しつつ、カバーする位置に設けられる。
[実施形態の作用・効果]
次に、本発明の一実施形態による作用および効果について説明する。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用シート1によれば、マット式ヒータ13が、シートクッションパッド11の座面11uから、車両前側がシートクッションパッド11の前端面11fに沿って下面11dへ回り込み、シートクッションパッド11の下面11dから車両フロアの方向(下側)に形成されたクッション前縁部11mまで延びた形状で、シートクッション10に設けられている。つまり、マット式ヒータ13は、シートクッションパッド11の座面11uに沿って車両後側から車両前側へ延びた上面部13uと、この上面部13uの端部からシートクッションパッド11の前端面11fに沿ってシートクッションパッド11の下面11dまで回り込んで延びた前面部13fと、この前面部13fの端部から車両下側である車両フロアの方向まで延びた下面部13dと、を含む形状をしている。
従って、マット式ヒータ13に電流を流せば、シートクッションパッド11の座面11uおよび前端面11fの箇所に設けられた熱発生素子(上面部13uおよび前面部13f)と、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mの後側の箇所に設けられた熱発生素子(下面部13d)との両方から、熱および電磁波(遠赤外線)を同時に発生させることができる。
これにより、シートクッションパッド11の座面11uおよび前端面11fでは、マット式ヒータ13の上面部13uおよび前面部13fから発生した熱がシート表皮12に伝導熱伝達して、着座乗員の大腿部や尻部を温めることができる。そして、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mでは、マット式ヒータ13の下面部13dから発生した電磁波(遠赤外線)、つまり輻射熱が開口領域によって定まる空間14kおよびカバー部材14の隙間14gを通ってカバー部材14の前側へ輻射熱伝達して、着座乗員の足元を温めることができる。
また、本実施形態に係る車両用シート1によれば、着座乗員の足元を温める機構として、車両前側が開口した略四角枠形状のクッション前縁部11mの後側にマット式ヒータ13の下面部13dを、かつ、クッション前縁部11mの前側に電磁波(遠赤外線)、つまり輻射熱が通過する車両前後方向に抜けた隙間14gを有するメッシュ状のカバー部材14を、それぞれ配置する構造を採用している。従って、カバー部材14によって、着座乗員の足がマット式ヒータ13に(シート表皮だけを介して)直接触れることを防止することができる。
これにより、着座乗員の足がマット式ヒータ13に直接触れることによる不快感をなくしつつ、マット式ヒータ13からの電磁波(遠赤外線)による輻射熱伝達によって、適度な温かさを提供することができる。もちろん、着座乗員の足がカバー部材14に触れることが考えられる。しかし、カバー部材14は、マット式ヒータ13と離れており高温になることがなく、また熱伝達率も低い部材であることなどから、着座乗員の足が不用意に触れても着座乗員に異常な熱さを感じさせることはない。一方、上述の背景技術で説明した温風送風器を利用した従来装置は、温風を吹き出す吹出口が熱放射率の高いプラスチック材料でできている。このため、従来装置では、着座乗員の足が不用意に装置(吹出口)に触れると熱さを感じてしまう。
さらに、本実施形態に係る車両用シート1によれば、シートクッションパッド11のクッション前縁部11mの後側に設けられたマット式ヒータ13の下面部13dのさらに後側に、電磁波(遠赤外線)の反射率が高い材料で形成されたパネルフレーム15を設けている。従って、パネルフレーム15によって、クッション前縁部11mの後側に設けられたマット式ヒータ13の下面部13dから後方向に放射される電磁波(遠赤外線)を、クッション前縁部11mの前側に反射させることができる。
これにより、着座乗員の足元を温めるマット式ヒータ13からの輻射熱伝達を効率よく行うことができる。また、パネルフレーム15の電磁波(遠赤外線)の反射率が高いので、マット式ヒータ13から熱伝達がされ難く、パネルフレーム15から他の構成部品へ熱が不必要に伝達されるおそれもない。一方、上述の背景技術で説明した温風送風器を利用した従来装置は、発生させた温風を装置外へ送る経路であるダクト部分の熱放射率が高い。このため、従来装置では、このダクト部分から他の構成部品へ不必要な熱伝達が発生する。
このように、本実施形態に係る車両用シート1によれば、普通の一般的なマット式ヒータ13を1つ用いて、シートクッション10に着座する乗員の大腿部や尻部に対しては伝導熱伝達、また足元に対しては輻射熱伝達、という2つの熱伝達作用を発揮して、着座乗員の大腿部や尻部と足元とを同時に温めることができる(図5を参照)。また、本実施形態に係る車両用シート1では、特殊な構成部品を用いたり複雑な温度制御を行ったりしないので、従来の車両用シートと比較しても、簡素な構成で熱伝達効率のよい装置を実現できる。
[変形例]
続いて、本実施形態に係る車両用シート1を構成する部品の様々な変形例を説明する。
図6は、パネルフレーム15の変形例を説明するための図である。図6(a)は、図3の断面図におけるC部の構造を拡大した図であり、図6(b)は、このC部の構造を変形した他の構造を示す図である。
上述した一実施形態に係る車両用シート1に用いられたパネルフレーム15は、図6(a)に示すように、アルミニウム製のパネルフレームである。マット式ヒータ13は、熱発生素子(例えばカーボンシート)13aを2つの基布13bおよび13cで挟んだ構成である。
これに対し、変形例の構造は、図6(b)に示すように、パネルフレーム15を一般的な鋼板パネルにし、マット式ヒータ13を構成する基布のうち、パネルフレーム15と接する側の基布をアルミシート13eに変更する。
このような構造にしても、マット式ヒータ13から後方向に放射される電磁波(遠赤外線)を、アルミシート13eによってクッション前縁部11mの前側に反射させる作用を得ることができる。
また、パネルフレーム15の形状、構造、および素材などは、必要とする輻射熱伝達の効果に応じて自由に設計することができる。よって、パネルフレーム15に関しては、例えば、クッション前縁部11mの開口領域に対応する部分だけ、つまり電磁波(遠赤外線)による輻射熱伝達を必要とする部分だけをアルミニウム製にしてもよい。
このような構造にすることで、高価な材料の使用量を削減できコストを抑えることができる。
また、カバー部材14の形状、構造、および素材なども、必要とする輻射熱伝達の効果に応じて自由に設計することができる。つまり、カバー部材14としては、マット式ヒータ13の下面部13dから放射される電磁波(遠赤外線)、つまり輻射熱を通過(透過)させる機能を有する材料を用いればよい。よって、例示したメッシュ状の隙間を有した立体編物以外にも、例えば隙間を有した発泡スチロールや樹脂などの材料を、カバー部材14に用いることができる。また、カバー部材14に関しては、例えば、縫製によってシート表皮12と一体化されていなくてもよい。
また、カバー部材14とマット式ヒータ13の下面部13dとの間に空間14kを確保するための部材であるクッション前縁部11mの形状、構造、および素材などは、必要とする輻射熱伝達の効果に応じて自由に設計することができる。よって、例えば、クッション前縁部11mに関しては、シートクッションパッド11に一体形成されるのではなく別構成であってもよいし、開口領域の形状も図示した略矩形状に限らなくてもよい。
さらに、発熱体であるマット式ヒータ13の上面部13uおよび前面部13fも、座面11uや前端面11fにおいてシートクッション10の表面部(ヒータが露出しない表層部分を意味する)に設けられればよい。従って、上述した実施形態のように、シートクッションパッド11とシート表皮12との間以外にも、例えばシートクッションパッド11の座面11uに近い内部(例えばウレタン材の内部)に埋め込まれた状態で、マット式ヒータ13を設けてもよい。
本発明は、着座した乗員を温める機能を備えた車両用シートなどに適用可能であり、少ない部品点数かつ制御が簡単な構成で、乗員の尻部および大腿部などと共に足元を温めたい場合に有用である。
1 車両用シート
10 シートクッション
11 シートクッションパッド
11g 隙間
11m クッション前縁部
12 シート表皮
13 マット式ヒータ
13u 上面部
13f 前面部
13d 下面部
14 カバー部材(立体編物)
14g 隙間
14k 空間
15 パネルフレーム
20 シートバック
30 ヘッドレスト

Claims (1)

  1. 車両用シートであって、
    乗員が着座するシートクッションを構成するシートクッションパッドとシート表皮との間に設けられ、かつ、シートクッションパッドの座面に沿って車両後側から車両前側へ延びた上面部と、当該上面部の端部からシートクッションパッドの前端面に沿ってシートクッションパッドの下面まで回り込んで延びた前面部と、当該前面部の端部から車両下側へ延びた下面部と、を含んだ形状を有する発熱体と、
    前記発熱体の下面部との間に空間を有して前記発熱体の下面部より車両前側に設けられ、かつ、前記発熱体の下面部が発生する輻射熱を通過させる隙間を有したメッシュ状のカバー部材と、
    を備えた、車両用シート。
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