JP2016167907A - 回転電機および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転電機および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、磁束密度増大部を磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成し、かつ固定子鉄心の一部を構成する鉄心連結ブロックを磁束密度増大部の形成領域に配置して、ティースの先端側を連結する連結部を磁気飽和させ、連結部における漏れ磁束を低減して、構造体としての剛性を高めつつ、高トルク化を実現できる回転電機および電動パワーステアリング装置を得る。
【解決手段】固定子鉄心は、周方向に隣り合う鍔部が連結部により連結されている固定子コアシートを積層した鉄心連結ブロックと、周方向に隣り合う鍔部が離間している固定子コアシートを積層した鉄心開口ブロックと、を軸方向に積層して構成され、磁束密度増大部が、磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成され、鉄心連結ブロックの配設領域の少なくとも一部が、軸方向に関して、磁束密度増大部の形成領域と重なっている。
【選択図】図3

Description

この発明は、部分クローズドスロット形の固定子鉄心と永久磁石が埋め込まれた回転子を備えた回転電機および電動パワーステアリング装置に関し、特に、固定子鉄心のティース先端部間を連結する連結部における漏れ磁束を低減して、高トルク化を図る回転子構造に関するものである。
従来の回転電機では、打ち抜かれた円環状のヨーク鉄心片を嵌合積層して作製されたヨーク積層鉄心と、打ち抜かれた磁極鉄心片を嵌合積層して作製され、周方向に間隔をおいてヨーク積層鉄心の内側に嵌合固定された磁極積層鉄心と、を備えたオープンスロット形の固定子鉄心が用いられていた。
従来の回転電機の固定子鉄心は、磁極積層鉄心が1つの磁極毎に分かれてヨーク積層鉄心に嵌合固定されているので、構造体としては剛性が十分ではなく、巻線時や取り扱い時に、固定子鉄心が変形し、歩留まりが低下するという不具合があった。
このような状況を鑑み、環状のヨーク積層鉄心の内側に嵌合固定される磁極積層鉄心を、磁極毎に分割され、その間に隙間をおいて放射状に配設された分割磁極鉄心片を嵌合積層してなる分割磁極積層鉄心と、分割磁極積層鉄心の上部および下部に嵌合積層された、隙間のない連結磁極鉄心片と、から構成した従来の回転電機の固定子鉄心が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。さらに、円筒状の外周部と、巻線を巻回する歯部と、この歯部の内径側を所要枚数分だけ周方向に連結する連結部を一体とした内周部と、からなる積層鉄心を備え、連結部に短絡コイルを設置してなる従来の回転電機の固定子鉄心が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1,2に記載された従来の回転電機の固定子鉄心では、軸方向の両端側に配設されている所要枚数分の鉄心片の磁極部の内径側が連結部で連結されている。そこで、構造体としての剛性が大きくなり、巻線時や取り扱い時における固定子鉄心の変形の発生を抑制できる。また、磁極部の内径側が連結部で連結されている鉄心片が、固定子鉄心の軸方向の両端側にのみ配設されているので、磁極部の内径側が連結部で連結されている鉄心片のみで構成されているクローズドスロット形の固定子鉄心に比べて、連結部における漏れ磁束の量が低減され、高トルク化が図られる。
さらに、特許文献2に記載された従来の回転電機の固定子鉄心では、短絡コイルに発生した磁束が連結部の高調波成分を含む漏れ磁束を打ち消すように作用するので、連結部での漏れ磁束の量が低減され、高トルク化が図られる。
特開平6−133501号公報 特開平6−22478号公報
特許文献1に記載された従来の回転電機の固定子鉄心では、固定子鉄心の軸方向の両端側に配設されている連結磁極鉄心片の連結部に、漏れ磁束が流れるので、トルクを十分に高めることができないという課題があった。
特許文献2に記載された従来の回転電機の固定子鉄心では、短絡コイルに発生する磁束は回転電機の回転速度によって変動する。そこで、回転電機の駆動回転速度によっては、連結部を流れる漏れ磁束が十分に低減されず、トルクを十分に高めることができないという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、磁束密度増大部を磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成し、かつ固定子鉄心の一部を構成する鉄心連結ブロックを磁束密度増大部の形成領域に配置して、ティースの先端側を連結する連結部を磁気飽和させ、連結部における漏れ磁束を低減して、構造体としての剛性を高めつつ、高トルク化を実現できる回転電機および電動パワーステアリング装置を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機は、円環状のコアバック、それぞれ、上記コアバックの内周面から径方向内方に突出して、周方向に互いに離間して配列された複数のティース、および上記複数のティースのそれぞれの先端部から周方向両側に突出する鍔部を有する固定子鉄心、および上記固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、回転子鉄心、上記回転子鉄心の軸心位置を貫通して上記回転子鉄心に固着された回転軸、および上記回転子鉄心に埋め込まれた複数の永久磁石を有し、上記固定子の内周側に磁気的空隙部を介して同軸に配設される回転子と、を備えている。上記固定子鉄心は、周方向に隣り合う上記鍔部が連結部により連結されている第1固定子コアシートを積層した鉄心連結ブロックと、周方向に隣り合う上記鍔部が離間している第2固定子コアシートを積層した鉄心開口ブロックと、を軸方向に積層して構成され、磁束密度増大部が、上記磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成され、上記鉄心連結ブロックの配設領域の少なくとも一部が、軸方向に関して、上記磁束密度増大部の形成領域と重なっている。
この発明によれば、固定子鉄心が、周方向に隣り合う鍔部が連結部により連結されている第1固定子コアシートを積層した鉄心連結ブロックと、周方向に隣り合う鍔部が離間している第2固定子コアシートを積層した鉄心開口ブロックと、を軸方向に積層して構成されているので、構造体としての剛性が高められる。
磁束密度増大部が、磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成され、鉄心連結ブロックの配設領域の少なくとも一部が、軸方向に関して、磁束密度増大部の形成領域と重なっているので、増加された磁束が連結部に流れ、連結部が磁気飽和する。そこで、固定子巻線で発生した磁束が鍔部を通って隣のティースに流れにくくなる。これにより、固定子巻線により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機の高トルク化を実現される。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を搭載した電動駆動装置を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す端面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心の製造方法を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心の製造方法の実施態様を説明する斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の実験機1における軸方向位置と磁気的空隙部の磁束密度の増加率との関係を示す図である。 比較例1の回転電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の実験機1における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における永久磁石の幅に対する突出高さの割合とトルクとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機における回転数とトルクとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態4に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態5に係る回転電機を示す端面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機を示す端面図である。 この発明の実施の形態6に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態7に係る回転電機の比較例2に対するトルク向上率を示す図である。 比較例2、実施例1、実施例2および実施例3の回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機における回転子の構造を説明する図である。 この発明の実施の形態8に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心を構成する第1回転子コアシートを示す平面図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心を構成する第2回転子コアシートを示す平面図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心の要部を示す端面図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機の実験機2における軸方向位置と磁気的空隙部の磁束密度の増加率との関係を示す図である。 この発明の実施の形態9に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態10に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態10に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態11に係る自動車の電動パワーステアリング装置の説明図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を搭載した電動駆動装置を示す縦断面図である。なお、縦断面図とは、電動駆動装置の回転電機の回転軸の軸心を含む平面における断面図である。
図1において、電動駆動装置100は、回転電機101と、回転電機101の軸方向一側に、回転電機101と一体に配設されたECU(Electronic Control Unit)部200と、を備えている。
回転電機101は、円環状の固定子20と、固定子20の内部に磁気的空隙部9を介して同軸に、かつ回転可能に配設された回転子10と、を備えている。ここで、磁気的空隙部9とは、回転子鉄心11と固定子鉄心21との間の領域、すなわち回転子鉄心11と固定子鉄心21とが軸方向に重なり合っている領域である。
固定子20は、円環状の固定子鉄心21と、固定子鉄心21に巻装された固定子巻線22と、を備えている。固定子20は、圧入あるいは焼き嵌めにより、固定子鉄心21を有底円筒状のフレーム1の円筒部1aに内嵌状態に固着されて、フレーム1に保持されている。回転子10は、軸心位置を貫通する回転軸12に固着された回転子鉄心11と、回転子鉄心11に埋め込まれた複数の永久磁石13と、を備えている。回転子10は、フレーム1の開口を塞口するハウジング2とフレーム1の底部1bに配設された軸受3,4に回転軸12を支持されて、固定子20の内部に、同軸に、かつ回転可能に配設されている。プーリ5が、回転軸12のハウジング2からの突出部に配設されている。
ECU部200は、回転電機101を駆動するためのインバータ回路を備え、インバータ回路はMOS−FET等のスイッチング素子201を有する。ヒートシンク202が、フレーム1の底部1b側に取り付けられている。スイッチング素子201が、ヒートシンク202のフレーム1と反対側の面に装着されている。さらに、ケース203が、スイッチング素子201を内包するようにヒートシンク202に取り付けられている。ケース203内には、中間部材204や制御基板205が設けられている。
インバータ回路には、スイッチング素子201の他に、平滑コンデンサやノイズ除去用コイル、電源リレーやそれらを電気的に接続するバスバーなどがあるが、図1では省略している。バスバーは樹脂と一体成形されて中間部材204を形成している。
制御基板205は、第1および第2コネクタ206,207から受け取った情報に基づき、回転電機101を適切に駆動するためにスイッチング素子201に制御信号を送る。制御信号は、制御基板205とスイッチング素子201との間を電気的に接続する接続部材209によって伝達される。
磁気センサ210は、支持部212を介してヒートシンク202に支持された基板213に取り付けられている。磁気センサ210は、回転電機101の回転軸と同軸上で、かつ相対する位置に配置されていて、センサ用永久磁石211の発生する磁界を検出し、その向きを知ることで回転子10の回転角度を検出する。電力が、バッテリ(図示せず)などから電源コネクタ208を介してECU200に送られる。ECU200は、この回転角度に応じて適切な駆動電流を回転電機101に供給する。
つぎに、回転電機101の構成について説明する。図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す端面図、図3は図2のIII−III矢視断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心の製造方法を説明する斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における固定子鉄心の製造方法の実施態様を説明する斜視図である。なお、図2中、便宜的に、ティースには、周方向の配列順に、符号1から18を割り振っている。さらに、各ティースに集中的に巻き回された集中巻コイルには、U相、V相、W相のいずれの相のコイルであるかがわかるように、便宜的に番号を付けて表している。
回転子10は、図2から図4に示されるように、電磁鋼板から打ち抜かれた回転子コアシートを積層、一体化して作製された回転子鉄心11と、回転子鉄心11の軸心位置に挿入されて回転子鉄心11に固着された回転軸12と、回転子鉄心11に埋め込まれた永久磁石13と、を備える。回転子鉄心11は、回転軸12が挿入される円環状の基部11aと、周方向に互いに離間して、周方向に等角ピッチで配列されて、基部11aの外周側に配設された14個の磁極部11bと、それぞれ、基部11aから径方向外方に延び出て、基部11aと磁極部11bとを機械的に連結する14本のブリッジ部11cと、を備える。
永久磁石13は、長方形断面の棒状体に作製され、長方形断面の長手方向を径方向に、かつ短手方向を周方向に向けて、周方向に隣り合う磁極部11b間に配置され、磁極部11bに固着されている。永久磁石13は、長方形断面の短手方向が着磁方向16であり、同じ極性が向き合うように、周方向に14個配列されている。また、永久磁石13は、回転子鉄心11から軸方向両側にLe(但し、Le>0)だけ突出させて、回転子鉄心11に配設されている。なお、回転子鉄心11の軸方向長さはLである。
14個の磁極部11bは、それぞれの外周面の周方向中央部が、基部11aの軸心を中心とする一つの円筒面に接するように配列されている。そして、磁極部11bの外周面は、外周面の周方向中央部が接する円筒面の曲率半径より小さい曲率半径の円筒面の一部で構成された、径方向外方に凸の曲面となっている。さらに、基部11a、ブリッジ部11c、磁極部11b、および永久磁石13により囲まれた空間14は、空気が充満されており、非磁性部となっている。
なお、この空間14は、空気に限らず、非磁性の樹脂や金属が充填されてもよい。ブリッジ部11cは、全ての磁極部11bと基部11aとを連結するように設けられているが、一部のブリッジ部11cを省略してもよい。例えば、永久磁石13を挟む一対の磁極部11bの一方の磁極部11bと基部11aとを連結するブリッジ部11cが省略されている場合、永久磁石13から一方の磁極部11b、ブリッジ部11c、基部11a、ブリッジ部11c、他方の磁極部11bを介して永久磁石13に戻る磁路がなくなる、これにより、永久磁石13で発生された磁束の漏れが低減され、トルクを向上できる。
このように構成された回転子10では、周方向に配列された磁極部11bの外周面が、隣り合う永久磁石13間の周方向中間位置で、磁気的空隙部9の径方向の幅が最小となる径方向外方に凸の曲面に形成されている。これにより、磁気的空隙部9に発生する磁束密度の波形が滑らかとなり、コギングトルクやトルクリップルを低減できる。永久磁石13は、長方形断面の棒状体に作製され、長方形断面の短手方向を着磁方向16とし、該着磁方向16を周方向に向けて、同じ極性が向き合うように、周方向に配列されている。これにより、永久磁石13で発生した磁束が磁極部11bに集中し、磁束密度を高めることができ、高トルク化が図られる。永久磁石13は、長方形断面の棒状体に作製されているので、磁石の加工コストが低減され、回転電機101の低コスト化が図られる。基部11a、ブリッジ部11c、磁極部11b、および永久磁石13により囲まれた空間14が、非磁性部となっているので、永久磁石13で発生した磁束の漏れが低減され、高トルク化が図られる。
固定子鉄心21は、電磁鋼板から打ち抜かれた固定子コアシートを積層一体化して作製され、円環状のコアバック21a部と、それぞれ、コアバック21aの内周壁面から径方向内方に延び出て、周方向に等角ピッチで配列された18本のティース21bと、ティース21bの先端部から周方向両側に突出する鍔部21cと、周方向に隣り合う鍔部21c間を連結する連結部21dと、を備える。固定子鉄心21は、後述するように、周方向に隣り合う鍔部21c間が連結部21dにより連結された鉄心連結ブロック33を、周方向に隣り合う鍔部21c間が離間している鉄心開口ブロック34の軸方向両端に積層して構成された、部分クローズドスロット形の固定子鉄心である。なお、コアバック21aと周方向に隣り合うティース21bとの間に形成される空間がスロット23となる。
このように構成された固定子鉄心21は、軸方向の両端部を、周方向に隣り合う鍔部21c間が連結部21dにより連結された鉄心連結ブロック33で構成している。そこで、構造体としての剛性が大きくなるので、巻線時や取り扱い時における固定子鉄心21の変形の発生が抑制される。また、回転電機101を駆動した場合、電磁力が固定子鉄心21の内周側を歪ませるように作用するが、固定子鉄心21の内径側の剛性が高められるので、回転電機101の振動の発生が抑制される。さらに、スロット23が連結部21dにより閉じられるので、固定子巻線22を構成する集中巻コイル22aの固定子鉄心21から内径側への飛び出しが阻止されるとともに、コギングトルクや電磁加振力の原因となるスロットパーミアンスの高調波成分が低減され、コギングトルクや電磁加振力を低減できる。
つぎに、固定子鉄心21の製造方法について図5を参照にして説明する。
固定子鉄心21は、6個の分割鉄心30により構成されている。分割鉄心30は、鉄心外径部31と、鉄心内径部32と、を備える。鉄心外径部31は、電磁鋼板から打ち抜かれた40枚の円弧形の固定子コアシート31aを嵌合積層して作製される。鉄心外径部31の内周壁面には、V字溝31bが、それぞれ溝方向を固定子コアシート31aの積層方向として、周方向に等角ピッチで3つ設けられている。なお、積層された固定子コアシート31aは、打ち抜き工程で形成された丸形状のカシメ部31c同士を嵌合させて、カシメ固定される。
鉄心内径部32は、電磁鋼板から打ち抜かれた、3つのティース部の先端部を連結してなる13枚の固定子コアシート33aを嵌合積層し、その上に、電磁鋼板からティース部の形状に打ち抜かれた、3つの固定子コアシート34aを、連結された3つのティース部の上にそれぞれ14枚ずつ嵌合積層し、その上に、電磁鋼板から打ち抜かれた、3つのティース部の先端部を連結してなる13枚の固定子コアシート33aを嵌合積層して、作製される。このように作製された鉄心内径部32は、13枚の固定子コアシート33aを嵌合積層した鉄心連結ブロック33と、3つの固定子コアシート34aを14枚ずつ嵌合積層した鉄心開口ブロック34と、13枚の固定子コアシート33aを嵌合積層した鉄心連結ブロック33と、の3層構造となっている。なお、積層された固定子コアシート33a,34aは、打ち抜き工程でティース部に形成された断面V字形のカシメ部33b,34bを嵌合させて、カシメ固定される。
40枚のティース部が嵌合積層されてティース21bとなる。13枚の固定子コアシート33aのティース部の先端部を連結する部分が積層されて連結部21dとなる。ティース21bの根元部が、V字状の突起32aとなっている。そして、突起32aをV字溝31bに圧入、焼き嵌め、あるいは溶接により接続して、鉄心外径部31と鉄心内径部32が一体化され、分割鉄心30が作製される。このように作製された、6つの分割鉄心30が、鉄心外径部31の周方向側面同士を突き合わせて円環状に配列されて、固定子鉄心21が作製される。なお、鉄心外径部31が円環状に連結されて、コアバック21aとなる。固定子コアシート31a,33aが第1固定子コアシートに相当し、固定子コアシート31a,34aが第2固定子コアシートに相当する。
図5による製造方法では、鉄心内径部32を構成する固定子コアシート33a,34aが、打ち抜き工程で形成された断面V字形のカシメ部を嵌合させて積層される。これにより、積層される固定子コアシート33a,34aが回転せず、真円度の高い固定子鉄心21を製造できるので、コギングトルクを低減することができる。ティース部の先端部を連結している鉄心連結ブロック33が鉄心内径部32の軸方向の両端部に配設されているので、鉄心内径部32の強度が増加する。そこで、突起32aをV字溝31bに圧入して鉄心外径部31と鉄心内径部32とを一体化する際に、鉄心内径部32の軸方向端部に位置する固定子コアシート33aが分離するような不具合の発生が抑えられる。
つぎに、固定子鉄心の他の製造方法について図6を参照しつつ説明する。なお、図6による製造方法によって製造された固定子鉄心は、図5による製造方法によって製造された固定子鉄心と同等の構造を有する。
分割鉄心30’は、電磁鋼板から打ち抜かれた、ティース部36bが、それぞれ、円弧形部36aから内径側に突出して周方向に等角ピッチで3つ配列され、3つのティース部36bの先端部が互いに連結されてなる13枚の固定子コアシート36を嵌合積層し、その上に、電磁鋼板から打ち抜かれた、ティース部37bが、それぞれ、円弧形部37aから内径側に突出して周方向に等角ピッチで3つ配列され、3つのティース部37bの先端部が分離されてなる14枚の固定子コアシート37を嵌合積層し、その上に、電磁鋼板から打ち抜かれた13枚の固定子コアシート36を嵌合積層して、作製される。なお、積層された固定子コアシート36,37は、打ち抜き工程で形成された丸形状のカシメ部36c、37cを嵌合させ、断面V字形のカシメ部36d、37dを嵌合させ、カシメ固定される。
このように作製された分割鉄心30’は、13枚の固定子コアシート36を嵌合積層した鉄心連結ブロック33’と、14枚の固定子コアシート37を嵌合積層した鉄心開口ブロック34’と、13枚の固定子コアシート36を嵌合積層した鉄心連結ブロック33’と、の3層構造となっている。
40枚の円弧形部36a,37aが嵌合積層されてコアバック部となり、40枚のティース部36b,37bが嵌合積層されてティース21bとなる。13枚のティース部36bの先端部を連結する部分が積層されて連結部21dとなる。このように作製された、6つの分割鉄心30’が、コアバック部の周方向の側面同士を突き合わせて円環状に配列されて、固定子鉄心が作製される。なお、コアバック部が円環状に連結されて、コアバック21aとなる。固定子コアシート36が第1固定子コアシートに相当し、固定子コアシート37が第2固定子コアシートに相当する。
図6による製造方法では、コアバック部とティース21bとが一体に作製されているので、図5による製造方法における鉄心外径部31と鉄心内径部32とを連結する構造に比べ、固定子鉄心の剛性をさらに高めることができ、鉄心外径部31と鉄心内径部32との連結部に起因する固定子鉄心の振動を低減できる。
固定子巻線22は、ティース21bのそれぞれに巻かれた18本の集中巻コイル22aを備える。ここでは、U相は、+U11,−U12,+U13,−U21,+U22,−U23の6個の集中巻コイル22aから構成され、V相は、+V11,−V12,+V13,−V21,+V22,−V23の6個の集中巻コイル22aから構成され、W相は、−W11,+W12,−W13,+W21,−W22,+W23の6個の集中巻コイル22aから構成されている。18個の集中巻コイル22aは、図2に示されるように、1番から18番のティース21bのそれぞれに対応して、+U11,+V11,−V12、−W11、−U12、+U13、+V13、+W12、−W13、−U21、−V21、+V22、+W21、+U22、−U23、−V23、−W22、+W23の順に並んでいる。なお、「+」、「−」は集中巻コイル22aの巻極性を示し、「+」と「−」は逆の巻極性となる。U相を構成する6個の集中巻コイル22aが接続されてU相コイルが構成され、V相を構成する6個の集中巻コイル22aが接続されてV相コイルが構成され、W相を構成する6個の集中巻コイル22aが接続されてW相コイルが構成される、さらに、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルがY結線、あるいはΔ結線されて、固定子巻線22が構成される。
このように構成された回転子10と固定子20は、磁気的空隙部9を介して同軸に配設される。また、回転子鉄心11と固定子鉄心21は、同じ軸方向長さに作製され、軸方向の両端面が面一となるように配設される。回転子10と固定子20を備えた回転電機101は、集中巻の14極18スロットであり、集中巻の10極12スロットに比べて、空間次数が2の電磁加振力が小さくなり、振動および騒音を低減できる。また、高調波、特にトルクリップルの主成分である6f成分や12f成分の巻線係数が小さく、トルクリップルを低減できる。さらに、固定子巻線22が集中巻コイル22aにより構成されているので、コイルエンドが小さく、小型化が図られるとともに、銅損が小さく、高効率化が図られる。
つぎに、永久磁石13を回転子鉄心11の端面から突出させることによる効果を説明するために、回転子10と、鉄心開口ブロック34のみで構成されたオープンスロット形の固定子鉄心21’と、を用いて回転電機の実験機1を作製し、回転軸12の軸方向と直交する断面での磁気的空隙部9の磁束密度を測定した結果を図7に示す。図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の実験機1における軸方向位置と磁気的空隙部の磁束密度の増加率との関係を示す図である。ここで、図7において、横軸は、X/Lとした。但し、Lは回転子鉄心11の軸方向長さ、Xは回転子鉄心11の軸方向の一端を0としたときの軸方向の位置である。縦軸は、回転軸12の軸方向の位置における比較例1の回転電機に対する実験機1の磁気的空隙部9の磁束密度の増加率である。
なお、比較例1の回転電機は、鉄心開口ブロック34のみで作製されたオープンスロット形の固定子鉄心21’と、永久磁石13と同じ断面形状の永久磁石13’が両端面を回転子鉄心11の軸方向の両端面と面一となるように埋め込まれた回転子10’を用いて作製した。永久磁石13’は、回転子鉄心11の軸方向長さと同じ長さに作製され、永久磁石13より短い。また、回転子鉄心11の軸方向の両端面が固定子鉄心21の軸方向の両端面と面一となっているので、磁気的空隙部9の軸方向長さは、回転子鉄心11の軸方向長さに一致する。
図7から、永久磁石13が回転子鉄心11の端面から突出している回転子10を用いた実験機1では、X/Lが、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲で、比較例1の回転電機に対して、磁気的空隙部9の磁束密度の増加率が大きいことが確認できた。また、比較例1の回転電機では、磁気的空隙部9の磁束密度は軸方向でほぼ一様であった。そこで、永久磁石13が回転子鉄心11の端面から突出している回転子10を用いた実験機1では、磁気的空隙部9の磁束密度が、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲で増大していることがわかった。つまり、実験機1では、磁束密度増大部35が、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成された。
つぎに、磁束密度増大部35が形成される理由について図8および図9を参照して説明する。図8は比較例1の回転電機における磁束の流れを説明する図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の実験機1における磁束の流れを説明する図である。
比較例1の回転電機では、永久磁石13’の磁束は、図8に矢印で示されるように、周方向に流れてN極の磁極部11bに入り、磁極部11bを径方向外方に流れ、磁気的空隙部9を介してティース21bに流れ込む。さらに、比較例1の回転電機では、永久磁石13’が回転子鉄心11の端面と面一となっているので、図8に矢印で示されるように、N極の磁極部11bに入った磁束の一部が、N極の磁極部11bを軸方向外方に流れ、ついで永久磁石13’の端面上を周方向に流れてS極の磁極部11bに入り、S極の磁極部11bを軸方向内方に流れて永久磁石13’に戻る。この磁路を流れる磁束が、漏れ磁束となる。この漏れ磁束により、磁極部11bから磁気的空隙部9を介してティース21bに流れ込む磁束量が低減する。
一方、実験機1では、永久磁石13で発生した磁束は、図9に矢印で示されるように、周方向に流れてN極の磁極部11bに入り、磁極部11bを径方向外方に流れ、磁気的空隙部9を介してティース21bに流れ込む。また、永久磁石13が回転子鉄心11の端面から突出している。そこで、永久磁石13からN極の磁極部11bに入った磁束が、N極の磁極部11bを軸方向外方に流れ、ついで永久磁石13の端面を周方向に流れてS極の磁極部11bに入り、さらにS極の磁極部11bを軸方向内方に流れて永久磁石13に戻る磁路は形成されない。さらに、永久磁石13の回転子鉄心11の端面からの突出分だけ磁石量が増加するので、永久磁石13で発生する磁束量が増加する。この増加した磁束は、空気層を介して軸方向外方からN極の磁極部11bに入り、磁極部11bを径方向外方に流れ、磁気的空隙部9を介してティース21bに流れ込む。これにより、磁極部11bから磁気的空隙部9を介してティース21bに流れ込む磁束量が増加し、磁気的空隙部9の磁束密度が比較例1の回転電機に対して増加する。
また、回転子鉄心11は絶縁被覆された回転子コアシートの積層体であるので、回転子コアシート間に磁気抵抗が存在し、磁束は回転子鉄心11を積層方向、すなわち軸方向に流れにくい。そこで、永久磁石13を回転子鉄心11の端面から突出させることにより増加した磁束量が、主に、回転子鉄心11の両端部側からティース21bに流れ込む。これにより、図7に示されるように、磁束密度増大部35が回転子鉄心11の軸方向の両端部側に形成されたもの、と推考される。
つぎに、回転電機101における永久磁石13で発生した磁束の流れについて図10を参照しつつ説明する。図10はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。
永久磁石13で発生した磁束は、図10に矢印で示されるように、鉄心連結ブロック33のティース21b、鍔部21cおよび連結部21dに流れ込む。回転電機101では、鉄心連結ブロック33が固定子鉄心21の軸方向の両端部側に配設されており、鉄心連結ブロック33の軸方向の配設位置が、磁気的空隙部9の磁束密度増大部35の形成領域に一致している。そこで、増加された磁束量が連結部21dに流れ込むので、連結部21dが磁気飽和し、連結部21dの磁気抵抗が増大する。これにより、固定子巻線22により発生した磁束が、連結部21dを通って隣のティース21bに流れにくくなる。このように、固定子巻線22により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線22により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機101の高トルク化を実現できる。
つぎに、連結部21dの径方向の幅aと磁気的空隙部9の径方向の最小幅gとの関係について図11を参照しつつ説明する。図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の要部を示す端面図である。
回転子鉄心11から固定子鉄心21に流れ込む磁束量は、磁気的空隙部9の大きさに影響される。磁気的空隙部9の径方向の幅に対して連結部21dの径方向の幅を小さくすると、磁束量に対して連結部21dの径方向の幅が小さくなり、連結部21dが磁気飽和しやすくなる。そこで、連結部21dの磁気抵抗が増大し、連結部21dを経路とする漏れ磁束が低減される。これにより、固定子巻線22が発生する磁束の有効磁束量が増大し、回転電機101の高トルク化が図られる。したがって、高トルク化の観点から、連結部21dの径方向の幅aを磁気的空隙部9の径方向の最小幅gより小さくすることが好ましい。
つぎに、永久磁石13の回転子鉄心11の端面からの突出高さLeを固定とし、永久磁石13の周方向幅Wを変えて、回転電機101のトルクを測定した結果を図12に示す。図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における永久磁石の幅に対する突出高さの割合とトルクとの関係を示す図である。図12において、横軸は永久磁石の幅に対する突出高さの割合(Le/W)である。縦軸は、固定子20と、回転子10に換えて永久磁石13’の端面が回転子鉄心11の端面と面一となっている回転子10’と、を用いた比較例2の回転電機に対する回転電機101のトルク向上率である。
図12から、Le/Wを大きくなると、トルク向上率が大きくなり、Le/Wが約1.0でトルク向上率が最大となり、Le/Wをさらに大きくすると、トルク向上率が小さくなることがわかった。ここで、Le/Wが0.5未満の場合にトルク向上率が小さくなるのは、永久磁石13からN極の磁極部11bに入り、磁極部11bを径方向内方に流れ、永久磁石13の端面を通ってS極の磁極部11bに流れる漏れ磁束を確実に抑制できないので、連結部21dに流れ込む磁束量が少なくなり、連結部21dの磁気飽和がしにくくなったため、と推考される。また、Le/Wが1.8を超えた場合にトルク向上率が小さくなるのは、永久磁石13の突出部からN極の磁極部11bに流れ込む磁路である空気層の磁気抵抗が大きくなり、永久磁石13の突出部からN極の磁極部11bに流れ込む磁束量が低減するので、連結部21dに流れ込む磁束量が少なくなり、連結部21dの磁気飽和がしにくくなったため、と推考される。
したがって、トルク向上率の観点から、Le/Wを0.5以上、1.8以下とすることが好ましい。そして、Le/Wを0.5以上、1.8以下とすることで、永久磁石13’の端面が回転子鉄心11の端面と面一となっている回転子10’を用いた比較例2の回転電機に対するトルク向上率を4%以上とすることができる。
つぎに、回転数を変えて回転電機101のトルクを測定した結果を図13に示す。図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機における回転数とトルクとの関係を示す図である。図13において、横軸は回転数、縦軸はトルクである。なお、図13中、点線は回転電機101を示し、実線は回転子10に換えて回転子10’を用いた比較例2の回転電機である。トルクがほぼ一定の回転数領域を定格領域、定格領域の最大トルクを定格トルク、トルクが定格トルクより小さくなる回転数領域を高回転領域、高回転領域のトルクを高回転トルクとした。トルクについては、比較例2の回転電機の定格トルクを1p.u.とし、回転数については、比較例2の回転電機の定格領域の最大回転数を1p.u.とした。
図13から、回転電機101では、比較例2の回転電機に対して、定格トルクを大きくできることがわかった。つまり、永久磁石13を回転子鉄心11の端面から突出させることで、定格トルクを向上させることができた。
なお、上記実施の形態1では、永久磁石13が回転子鉄心11の軸方向両端面から突出しているが、永久磁石は回転子鉄心11の軸方向の一方の端面から突出していればよい。
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2に係る回転電機を示す縦断面図である。
図14において、固定子20Aは、固定子鉄心21Aと、固定子巻線22と、を備えている。固定子鉄心21Aは、15枚の第1固定子コアシートを積層して作製された鉄心連結ブロック33を、6枚の第2固定子コアシートを積層して作製された鉄心開口ブロック34の軸方向両端に積層して構成されている。
なお、実施の形態2による回転電機102は、固定子20に換えて固定子20Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2においても、鉄心連結ブロック33が磁束密度増大部35に配置されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3に係る回転電機を示す縦断面図である。
図15において、固定子20Bは、固定子鉄心21Bと、固定子巻線22と、を備えている。固定子鉄心21Bは、8枚の第1固定子コアシートを積層して作製された鉄心連結ブロック33と、8枚の第2固定子コアシートを積層して作製された鉄心開口ブロック34と、を軸方向に交互に積層して構成されている。
なお、実施の形態3による回転電機103は、固定子20に換えて固定子20Bを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態3においても、鉄心連結ブロック33が磁束密度増大部35に配置されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態3によれば、鉄心連結ブロック33が固定子鉄心21Bの軸方向の両端部と中央部に配設されている。そこで、固定子鉄心21Bの剛性は、固定子鉄心21に比べて、軸方向に関して一様となり、回転電機103の剛性がさらに向上される。
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4に係る回転電機を示す縦断面図である。
図16において、固定子20Cは、固定子鉄心21Cと、固定子巻線22と、を備えている。固定子鉄心21Cは、2枚又は1枚の第1固定子コアシートにより作製された鉄心連結ブロック33と、1枚の第2固定子コアシートにより作製された鉄心開口ブロック34と、を軸方向に交互に積層して構成されている。
なお、実施の形態4による回転電機104は、固定子20に換えて固定子20Cを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態4では、鉄心連結ブロック33が軸方向に関して一様に分布しているので、固定子鉄心21Cの剛性が軸方向に関して一様となり、回転電機104の剛性をさらに向上できる。
また、鉄心連結ブロック33を構成する9枚の第1固定子コアシートが、磁束密度増大部35の領域に配設されている。1つの磁束密度増大部35の領域は13枚の固定子コアシートが積層された領域に相当する。また、鉄心連結ブロック33を構成する8枚の第1固定子コアシートが、磁束密度増大部35でない領域に配設されている。磁束密度増大部35でない領域は14枚の固定子コアシートが積層された領域に相当する。そこで、磁束密度増大部35の領域における鉄心連結ブロック33の占める割合は約70%となる。一方、磁束密度増大部35でない領域における鉄心連結ブロック33の占める割合は約57%となる。
このように、磁束密度増大部35の領域における鉄心連結ブロック33の占める割合が、磁束密度増大部35でない領域における鉄心連結ブロック33の占める割合より大きいので、鉄心連結ブロック33に含まれる連結部21dが、全体として磁気飽和しやすくなり、高トルク化が図られる。
実施の形態5.
図17はこの発明の実施の形態5に係る回転電機を示す端面図である。
図17において、回転電機105は、固定子20Dと、回転子10Aと、を備える。
回転子10Aは、電磁鋼板から打ち抜かれた回転子コアシートを積層、一体化して作製された回転子鉄心11Aと、回転子鉄心11Aの軸心位置に挿入されて回転子鉄心11Aに固着された回転軸12と、回転子鉄心11Aに埋め込まれた永久磁石13と、を備える。回転子鉄心11Aは、回転軸12が挿入される円環状の基部11aと、周方向に互いに離間して、周方向に等角ピッチで配列されて、基部11aの外周側に配設された10個の磁極部11bと、それぞれ、基部11aから径方向外方に延び出て、基部11aと磁極部11bとを機械的に連結する10本のブリッジ部11cと、を備える。永久磁石13は、回転子鉄心11Aから軸方向両側に突出するように、回転子鉄心11Aに配設されている。
固定子20Dは、固定子鉄心21Dと、固定子巻線22Dと、を備えている。
固定子鉄心21Dは、円環状のコアバック21a部と、それぞれ、コアバック21aの内周壁面から径方向内方に延び出て、周方向に等角ピッチで配列された12本のティース21bと、ティース21bの先端部から周方向両側に突出する鍔部21cと、周方向に隣り合う鍔部21c間を連結する連結部21dと、を備える。そして、固定子鉄心21Dは、図示していないが、13枚の第1固定子コアシートを積層して作製された、連結部21dで鍔部21c間を連結してなる鉄心連結ブロックを、14枚の第2固定子コアシートを積層して作製された、鍔部21c間が離間している鉄心開口ブロックの軸方向両端に積層して構成されている。固定子巻線22Dは、ティース21bのそれぞれに巻回された12本の集中巻コイル22aにより構成されている。なお、コアバック21aと周方向に隣り合うティース21bとの間に形成される空間がスロット23となる。
この実施の形態5においても、永久磁石13が回転子鉄心11Aの軸方向両端面から突出するように回転子鉄心11Aに配設されているので、磁束密度増大部が、磁気的空隙部9の軸方向の両端側に形成される。そして、固定子鉄心21Dの鉄心連結ブロックが磁束密度増大部の形成領域に一致するように配設されている。したがって、この実施の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態5によれば、回転電機105が、集中巻の10極12スロットであるので、スロット数が少なく、巻線が容易となり、製造性が高められる。
実施の形態6.
図18はこの発明の実施の形態6に係る回転電機を示す端面図、図19はこの発明の実施の形態6に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図である。
図18および図19において、回転電機106は、固定子20と、磁気的空隙部9を介して固定子20の内周側に同軸に配設された回転子60と、を備えている。
回転子60は、電磁鋼板から打ち抜かれた回転子コアシートを積層、一体化して作製された回転子鉄心61と、回転子鉄心61の軸心位置に挿入されて回転子鉄心61に固着された回転軸12と、回転子鉄心61に埋め込まれた永久磁石13と、を備える。
回転子鉄心61は、穴方向を軸方向として回転子鉄心61の軸心位置を貫通するように形成された回転軸挿入穴61aと、それぞれ、回転子鉄心61の軸心を中心とする一つの円筒面に接する、当該円筒面より小さい曲率半径の円筒面の一部で構成された、径方向外方に凸の曲面に構成されて、周方向に等角ピッチで配列された18個の曲面部61bと、曲面部61bのそれぞれの内周側に、長方形断面の穴形状で、長方形断面の短手方向を径方向に一致させ、かつ穴方向を軸方向として、回転子鉄心61を貫通するように形成された磁石挿入穴61cと、を備える。
回転軸12は、回転軸挿入穴61aに挿入、固着されている。永久磁石13は、磁石挿入穴61cの穴形状に略一致する長方形断面の棒状体に作製され、磁石挿入穴61cのそれぞれに挿入、固着されて、回転子鉄心61に配設されている。永久磁石13の長さ方向の両端部は、回転子鉄心61から軸方向外方に突出している。永久磁石13は、長方形断面の短手方向が着磁方向であり、曲面部61bの極性が、N極とS極とを交互にとるように、周方向に配列されている。
このように構成された回転電機106は、集中巻の14極18スロットである。また、回転子鉄心61の軸方向の両端面が、固定子鉄心21の軸方向の両端面と面一となっているので、磁気的空隙部9の軸方向長さは、回転子鉄心61の軸方向長さLと同じである。さらに、永久磁石13が回転子鉄心61の軸方向両端面から突出するように回転子鉄心61に配設されている。したがって、回転電機106においても、上記実施の形態1と同様に、磁束密度増大部が、磁気的空隙部9の軸方向に関して、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成される。そして、固定子鉄心21の鉄心連結ブロックが磁束密度増大部の形成領域に一致するように配設されている。したがって、この実施の形態6においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態6では、固定子20に対向する回転子鉄心61の表面積が大きくなるので、回転子鉄心61から固定子鉄心21の連結部21dに流れ込む磁束量が増大する。そこで、連結部21dが磁気飽和しやすくなり、固定子巻線22により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線22により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機106の高トルク化を実現できる。
なお、実施の形態6においても、永久磁石13の回転子鉄心61からの突出量をLe、永久磁石13の長方形断面の短手方向の長さ、すなわち幅をWとしたときに、Le/Wを0.5以上、1.8以下とすることで、永久磁石の端面が回転子鉄心61の端面と面一となっている回転子を用いた回転電機に対するトルク向上率を4%以上とすることができる。
実施の形態7.
図20はこの発明の実施の形態7に係る回転電機を示す縦断面図、図21はこの発明の実施の形態7に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。
図20において、回転子10Bは、電磁鋼板から打ち抜かれた回転子コアシートを積層、一体化して作製された回転子鉄心11Bと、回転子鉄心11Bの軸心位置に挿入されて回転子鉄心11Bに固着された回転軸12と、回転子鉄心11Bに埋め込まれた永久磁石13と、を備える。回転子鉄心11Bは、積層される回転子コアシートの枚数が多いことを除いて、回転子鉄心11と同様に構成されている。つまり、回転子鉄心11Bの軸方向の両端面が、固定子鉄心21の軸方向の両端面に対して、軸方向外方に位置している。さらに、永久磁石13が、軸方向両端部を回転子鉄心11Bから軸方向両側に突出させて、回転子鉄心11Bに配設されている。
なお、実施の形態7による回転電機107は、回転子10に換えて回転子10Bを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
このように構成された回転電機107では、永久磁石13が回転子鉄心11Bの軸方向両端面から突出するように回転子鉄心11Bに配設されているので、上記実施の形態1と同様に、磁束密度増大部35が、磁気的空隙部9の軸方向に関して、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成される。実施の形態7では、回転子鉄心11Bが固定子鉄心21から軸方向外方に延長されているので、磁気的空隙部9は、固定子鉄心21からの延長部を除いた回転子鉄心11Bの部分と固定子鉄心21との間の領域となる。したがって、Lは固定子鉄心21の軸方向長さ、すなわち磁気的空隙部9の軸方向長さである。
そして、固定子鉄心21の鉄心連結ブロック33が磁束密度増大部35の形成領域に一致するように配設されている。したがって、この実施の形態7においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
つぎに、回転電機107における永久磁石13で発生した磁束の流れについて図21を参照しつつ説明する。
回転子鉄心11Bは、固定子鉄心21の軸方向の端面から軸方向外方に突出する延長部を有する。そこで、回転子鉄心11Bの延長部に相対する磁石部分で発生した磁束は、周方向に流れて回転子鉄心11Bの延長部に入る。さらに、回転子鉄心11Bから軸方向外方に突出する永久磁石13の突出部で発生した磁束は、図21に矢印で示されるように、空気層を介して軸方向外方から回転子鉄心11Bの延長部に入る。回転子鉄心11Bの延長部に入った磁束の一部は、磁極部11bを径方向外方に流れ、空気層を介して軸方向外方から固定子鉄心21に流れる。回転子鉄心11Bの延長部に入った磁束の残部は、磁極部11bを軸方向内方に流れ、その後磁極部11bを径方向外方に流れ、磁気的空隙部9を介して固定子鉄心21に流れる。
ここで、上記実施の形態1では、固定子鉄心21の端面と回転子鉄心11の端面とが面一となっているので、永久磁石13の回転子鉄心11からの突出部で発生した磁束は、空気層を介して軸方向外方から磁極部11bに入る。
この実施の形態7では、回転子鉄心11Bの端面が固定子鉄心21の端面に対して軸方向外方に位置している。そこで、実施の形態7では、実施の形態1における永久磁石13の突出部の回転子鉄心11の端面側の部分に相当する部分で発生した磁束は、軸方向外方からではなく、周方向に流れて、回転子鉄心11Bの延長部に入ることになる。このように、実施の形態1における永久磁石13の突出部の回転子鉄心11の端面側の部分に相当する部分で発生した磁束が回転子鉄心11Bに流れる経路の磁気抵抗が小さくなる。これにより、実施の形態1における永久磁石13の突出部の回転子鉄心11の端面側の部分に相当する部分で発生した磁束を効率的に磁極部11bに集中できるので、固定子鉄心21に流れ込む磁束量を増大することができる。
したがって、増大された磁束が、固定子鉄心21の連結部21dに流れ込むので、連結部21dが磁気飽和し、連結部21dの磁気抵抗が増大する。これにより、固定子巻線22により発生した磁束が、連結部21dを通って隣のティース21bに流れにくくなる。このように、固定子巻線22により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線22により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機107の高トルク化を実現できる。
ここで、回転子鉄心11Bに延長部を設けることによる効果を説明するために、比較例2、実施例1、実施例2および実施例3の回転電機を作製し、比較例2の回転電機に対するトルク向上率を測定した結果を図22に示す。図22はこの発明の実施の形態7に係る回転電機の比較例2の回転電機に対するトルク向上率を示す図である。図22において、縦軸は、比較例2の回転電機に対する実施例1〜3の回転電機のトルク上昇率である。図23は比較例2、実施例1、実施例2および実施例3の回転電機を示す縦断面図である。
比較例2の回転電機は、図23の(a)に示されるように、永久磁石13’が両端面を回転子鉄心11の軸方向の両端面と面一となるように埋め込まれた回転子10’と、固定子20と、から構成されている。実施例1の回転電機は、図23の(b)に示されるように、回転子10と、固定子20と、から構成され、実施の形態1に相当する。実施例2の回転電機は、図23の(c)に示されるように、永久磁石13が両端面を回転子鉄心11Cの軸方向の両端面と面一となるように埋め込まれた回転子10Cと、固定子20と、から構成されている。実施例3の回転電機は、図23の(d)に示されるように、永久磁石13が両端面を回転子鉄心11Bの軸方向の両端面から突出するように埋め込まれた回転子10Bと、固定子20と、から構成され、実施の形態7に相当する。
図22から、実施例1、実施例2および実施例3の回転電機は、比較例3の回転電機に対して、それぞれ、3.0%、3.1%および3.5%トルクを向上できたことがわかった。このように、実施例3の回転電機は、実施例1,2の回転電機に対して、永久磁石13の軸方向長さを増やすことなく、トルクを向上できることがわかった。
比較例2の回転電機に対する実施例1の回転電機によるトルク向上は、永久磁石13を回転子鉄心11から突出させたことによる、磁石量の増大と磁石端面を介する漏れ磁束の低減の効果と推考される。実施例1の回転電機に対する実施例2の回転電機によるトルク向上は、永久磁石13の回転子鉄心11からの突出部を回転子鉄心11Cに埋め込み、永久磁石13の回転子鉄心11からの突出部で発生した磁束を効率的に回転子鉄心11Cに流れ込ませたことによる効果と推考される。実施例2の回転電機に対する実施例3の回転電機によるトルク向上は、永久磁石13を回転子鉄心11Bから突出させたことによる磁石端面を介する漏れ磁束の低減効果と推考される。
実施の形態8.
図24はこの発明の実施の形態8に係る回転電機における回転子の構造を説明する図、図25はこの発明の実施の形態8に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。
図24において、回転子10Dは、永久磁石13’が両端面を回転子鉄心11の軸方向の両端面と面一となるように埋め込まれ、第2の永久磁石15が回転子鉄心11の磁極部11bのそれぞれの軸方向両端面に貼り付けられて、構成されている。第2の永久磁石15は磁極部11bの端面形状と同じ平面形状の薄板状に作製され、厚み方向が着磁方向である。そして、第2の永久磁石15は、磁極部11bの極性と同じ極性の面を磁極部11bに向けて配設されている。
なお、実施の形態8による回転電機は、回転子10に換えて回転子10Dを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態8による回転電機では、永久磁石13’で発生した磁束が、周方向に流れて回転子鉄心11の磁極部11bに入る。さらに、第2の永久磁石15で発生した磁束が、軸方向に流れて磁極部11bに入る。これにより、磁極部11bに入る磁束量が増大される。そして、磁極部11bに入った磁束は、図25に矢印で示されるように、磁気的空隙部9を介して固定子鉄心21のティース21b、鍔部21cおよび連結部21dに流れ込む。
実施の形態8では、回転子鉄心11の軸方向の両端面が固定子鉄心21の軸方向の両端面と面一となっているので、磁気的空隙部9の軸方向長さは、回転子鉄心11の軸方向長さLに一致する。第2の永久磁石15が磁極部11bの軸方向両端面に配設され、第2の永久磁石15が発生した磁束が磁極部11bに流れ込むように構成されているので、磁極部11bに入る磁束量が増大される。そこで、実施の形態8においても、上記実施の形態1と同様に、磁束密度増大部35が、磁気的空隙部9の軸方向に関して、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成される。
また、鉄心連結ブロック33が、磁気的空隙部9の磁束密度増大部35の形成領域に一致するように、配設されている。そこで、実施の形態8においても、連結部21dが磁気飽和しやすくなり、固定子巻線22により発生した磁束が、連結部21dを通って隣のティース21bに流れにくくなる。このように、固定子巻線22により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線22により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機の高トルク化を実現できる。
まお、上記実施の形態8では、第2の永久磁石15を磁極部11bの端面に貼り付けているが、磁極部の軸方向の端部に切り欠きを形成し、第2の永久磁石15をその切り欠きに埋め込んでも、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態8では、第2の永久磁石15を磁極部11bの軸方向の両端面に配設したが、第2の永久磁石15を磁極部11bの軸方向の一方の端面にのみ配設してもよい。
また、上記実施の形態8では、長方形断面の永久磁石13’が磁極部11b間に埋め込まれた回転子鉄心11の磁極部11bの端面に第2の永久磁石15を配設しているが、長方形断面の永久磁極が磁極部を軸方向に貫通するように埋め込まれた回転子鉄心の磁極部の端面に第2の永久磁石を配設しても、同様の効果が得られる。
実施の形態9.
図26はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図、図27はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心を構成する第1回転子コアシートを示す平面図、図28はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心を構成する第2回転子コアシートを示す平面図、図29はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における回転子鉄心の要部を示す端面図である。
図26において、回転子10Eは、電磁鋼板から打ち抜かれた、回転子コアシートとしての回転子拡大コアシート50と回転子非拡大コアシート51を積層、一体化して作製された回転子鉄心40と、回転子鉄心40の軸心位置に挿入されて回転子鉄心40に固着された回転軸12(図示せず)と、回転子鉄心40に埋め込まれた永久磁石13’と、を備える。回転子鉄心40は、回転軸12が挿入される円環状の基部40aと、周方向に互いに離間して、周方向に等角ピッチで配列されて、基部40aの外周側に配設された14個の磁極部40bと、それぞれ、基部40aから径方向外方に延び出て、基部40aと磁極部40bとを機械的に連結する14本のブリッジ部40cと、を備える。
永久磁石13’は、長方形断面の棒状体に作製され、長方形断面の長手方向を径方向に、かつ短手方向を周方向に向けて、周方向に隣り合う磁極部40b間に配置され、磁極部40bに固着されている。永久磁石13’は、長方形断面の短手方向が着磁方向であり、同じ極性が向き合うように、周方向に14個配列されている。また、永久磁石13’の長さ方向の両端面が、回転子鉄心40の軸方向の両端面に面一となっている。
回転子拡大コアシート50は、図27に示されるように、円環状の基部50aと、周方向に互いに離間して、周方向に等角ピッチで配列されて、基部50aの外周側に配設された14個の磁極部50bと、それぞれ、基部50aから径方向外方に延び出て、基部50aと磁極部50bとを連結する14本のブリッジ部50cと、を備える。14個の磁極部50bは、それぞれの外周面の周方向中央部が、基部50aの中心を軸心とする一つの円筒面に接するように配列されている。そして、磁極部50bの外周面は、外周面の周方向中央部が接する円筒面の曲率半径より小さい曲率半径の円筒面の一部で構成された径方向外方に凸の曲面となっている。
回転子非拡大コアシート51は、図28に示されるように、円環状の基部51aと、周方向に互いに離間して、周方向に等角ピッチで配列されて、基部51aの外周側に配設された14個の磁極部51bと、それぞれ、基部51aから径方向外方に延び出て、基部51aと磁極部51bとを連結する14本のブリッジ部51cと、を備える。ここで、回転子非拡大コアシート51は、磁極部51bの外周面の曲率半径が磁極部50bの外周面の曲率半径より小さい点を除いて、回転子拡大コアシート50と同じ形状となっている。
回転子鉄心40は、13枚の回転子拡大コアシート50を積層、一体化した鉄心拡大ブロック41を、14枚の回転子非拡大コアシート51を積層、一体化した鉄心非拡大ブロック42の軸方向両端に積層して構成されている。そこで、40枚の基部50a,51aが積層、一体化されて基部40aを構成する。40枚のブリッジ部50c,51cが積層、一体化されてブリッジ部40cを構成する。13枚の磁極部50bが積層、一体化されて拡大磁極部41aを構成し、14枚の磁極部51bが積層、一体化されて非拡大磁極部42aを構成する。そして、拡大磁極部41aを非拡大磁極部42aの軸方向両端に配設して、磁極部40bが構成される。非拡大磁極部42aに対して外径側に突出する拡大部43が、図29に示されるように、拡大磁極部41aの外周部の周方向両側に形成されている。
なお、実施の形態9による回転電機は、回転子10に換えて回転子10Eを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
ここで、回転子鉄心40の磁極部40bに拡大磁極部41aを形成することによる効果を説明するために、回転子10Eと、鉄心開口ブロック34のみで構成されたオープンスロット形の固定子鉄心21’と、を用いて回転電機の実験機2を作製し、回転軸12の軸方向と直交する断面での磁気的空隙部9の磁束密度を測定した結果を図30に示す。図30はこの発明の実施の形態9に係る回転電機の実験機2における軸方向位置と磁気的空隙部の磁束密度の増加率との関係を示す図である。ここで、図30において、横軸は、X/Lとした。但し、Lは回転子鉄心40の軸方向長さ、Xは回転子鉄心40の軸方向の一端を0としたときの軸方向の位置である。縦軸は、回転軸12の軸方向の位置における比較例3の回転電機に対する実験機2の磁気的空隙部9の磁束密度の増加率である。
なお、比較例3の回転電機には、鉄心開口ブロック34のみで作製されたオープンスロット形の固定子鉄心21’と、鉄心非拡大ブロック42のみで作製された回転子鉄心40’に永久磁石13’を埋め込んだ回転子と、を用いた。また、回転子鉄心40の軸方向の両端面が固定子鉄心21の軸方向の両端面と面一となっているので、磁気的空隙部9の軸方向長さは、回転子鉄心40の軸方向長さLに一致する。
図30から、回転子10Eを用いた実験機2では、X/Lが、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲で、比較例3の回転電機に対して、磁気的空隙部9の磁束密度の増加率が大きいことが確認できた。また、比較例3の回転電機では、磁気的空隙部9の磁束密度は軸方向でほぼ一様であった。そこで、回転子10Eを用いた実験機2では、磁気的空隙部9の磁束密度が、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲で増大していることがわかった。つまり、実験機2では、磁束密度増大部35が、磁気的空隙部9の軸方向に関して、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成された。
比較例3の回転電機では、磁極部が非拡大磁極部42aのみで構成されているので、磁気的空隙部9の径方向の幅は、非拡大磁極部42aの外周面の周方向中央部から周方向両側に変位するほど広くなる。これにより、固定子鉄心21’と非拡大磁極部42aとの間の磁気抵抗は、非拡大磁極部42aの外周面の周方向両側に変位するほど大きくなる。そこで、磁束は、非拡大磁極部42aの周方向中央部から固定子鉄心21’に集中的に流れ込むことになる。
一方、実験機2では、回転子鉄心40の磁極部40bが拡大磁極部41aと非拡大磁極部42aとにより構成されている。拡大磁極部41aの周方向両側における磁気的空隙部9の径方向の幅は、非拡大磁極部42aの周方向両側における磁気的空隙部9の間隔より狭くなっている。そこで、拡大磁極部41aにおいては、磁束は、拡大磁極部41aの外周面の全域から固定子鉄心21’に流れ込むことになる。つまり、拡大磁極部41aから固定子鉄心21’に流れ込む磁束量が、非拡大磁極部42aから固定子鉄心21’に流れ込む磁束量より多くなる。そして、実験機2では、13枚の回転子拡大コアシート50を積層してなる鉄心拡大ブロック41が、40枚の回転子拡大コアシート50と回転子非拡大コアシート51を積層してなる回転子鉄心40の軸方向両端側に配設されているので、磁束密度増大部35が、磁気的空隙部9の軸方向に関して、0≦X/L≦0.325および0.675≦X/L≦1の範囲に形成されたもの、と推考される。
つぎに、実施の形態9による回転電機における永久磁石13’で発生した磁束の流れについて図31を参照しつつ説明する。図31はこの発明の実施の形態9に係る回転電機における磁束の流れを説明する図である。
実施の形態9による回転電機では、13枚の第1固定子コアシートを積層してなる鉄心連結ブロック33が、14枚の第2固定子コアシートを積層してなる鉄心開口ブロック34の軸方向両端に配設されているので、鉄心連結ブロック33の配設領域が、軸方向に関して、磁束密度増大部35の形成領域と一致する。そこで、増大した磁束が、図31に矢印で示されるように、磁気的空隙部9を介して固定子鉄心21の連結部21dに流れ込むので、連結部21dが磁気飽和し、連結部21dの磁気抵抗が増大する。これにより、固定子巻線により発生した磁束が、連結部21dを通って隣のティース21bに流れにくくなる。このように、固定子巻線により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機の高トルク化を実現できる。
また、拡大磁極部41aと非拡大磁極部42aとを備えている。そして、磁気的空隙部9の非拡大磁極部42aで発生する密度波形が、磁気的空隙部9の拡大磁極部41aで発生する密度波形より滑らかとなる。これにより、コギングトルクやトルクリップルを小さくすることができる。
磁気的空隙部9の拡大磁極部41aで発生するコギングトルクやトルクリップルが、磁気的空隙部9の非拡大磁極部42aで発生するコギングトルクやトルクリップルと相殺され、コギングトルクやトルクリップルを小さくすることができる。
拡大磁極部41aに磁気的空隙部9の径方向の幅を狭くする拡大部43が形成されているので、拡大部43と固定子鉄心21とが引きつけ合うリラクタンストルクが発生し、トルクをさらに向上させることができる。
なお、上記実施の形態9では、拡大磁極部41aと非拡大磁極部42aとが基部40aの中心を中心軸とする一つの円筒面に接するように構成されているが、拡大磁極部41aが接する円筒面の直径が、非拡大磁極部42aが接する円筒面の直径より大きくてもよい。
また、上記実施の形態9では、拡大磁極部41aおよび非拡大磁極部42aの外周面が径方向外方に凸の滑らかな曲面に形成されているが、拡大磁極部および非拡大磁極部の外周面は、径方向外方に凸の滑らか曲面に限定されない。つまり、回転子拡大コアシートの磁極部が、回転子非拡大コアシートの磁極部に対して拡大部を有していれば、磁極部の外周面は、径方向外方に凸の滑らか曲面に限定されず、例えば、磁極部の回転軸に直交する断面形状が、周方向に凹凸を繰り返す滑らかな波状形状、複数の線分を周方向に連結した多角の形状、線分と曲線とを周方向に交互に連結した形状でもよい。
また、上記実施の形態9では、磁極部が外周面の曲率が異なる回転子拡大コアシート50と回転子非拡大コアシート51を積層して構成されているが、磁極部は、外周面の曲率が異なる3種類以上の回転子鉄心磁極片を積層して構成されてもよい。この場合、他の回転子コアシートに対して、外周面の形状が磁気的空隙部9側に拡大される拡大部43を有する回転子コアシートを積層してなる磁極部が拡大磁極部となる。
実施の形態10.
図32はこの発明の実施の形態10に係る回転電機における回転子の要部を示す斜視図、図33はこの発明の実施の形態10に係る回転電機を示す縦断面図である。
図32および図33において、回転子10Fは、鉄心拡大ブロック41と鉄心非拡大ブロック42とを軸方向に交互に配列して構成された回転子鉄心40Aと、回転子鉄心40Aの軸心位置に挿入されて回転子鉄心40Aに固着された回転軸12と、回転子鉄心40Aに埋め込まれた永久磁石13’と、を備える。
固定子20Eは、鉄心連結ブロック33と鉄心開口ブロック34とを軸方向に交互に配列して構成された固定子鉄心21Eと、固定子巻線22と、を備える。そして、鉄心連結ブロック33は、軸方向に関して、鉄心拡大ブロック41の配設領域に一致するように配設されている。
このように構成された回転電機108では、鉄心拡大ブロック41と鉄心非拡大ブロック42とが軸方向に交互に配設されているので、磁気的空隙部9の磁束密度増大部35が鉄心拡大ブロック41の配設領域に形成される。そして、鉄心連結ブロック33が、軸方向に関して、鉄心拡大ブロック41の配設領域に一致するように配設されている。そこで、増加された磁束が、磁気的空隙部9を介して固定子鉄心21Eの連結部21dに流れ込むので、連結部21dが磁気飽和し、連結部21dの磁気抵抗が増大する。これにより、固定子巻線22により発生した磁束が、連結部21dを通って隣のティース21bに流れにくくなる。このように、固定子巻線22により発生した磁束のなかのトルク発生に寄与しない漏れ磁束が低減されるので、固定子巻線22により発生した磁束のトルク発生に寄与する有効磁束量が増大し、回転電機の高トルク化を実現できる。
なお、上記各実施の形態では、回転子鉄心が電磁鋼板から打ち抜かれた回転子コアシートを積層して作製されているが、回転子鉄心は磁性体の塊状体で作製してもよい。
また、上記各実施の形態では、集中巻の14極18スロットおよび集中巻の12極10スロットの回転電機ついて説明したが、回転電機の極数スロット数はこれらに限定されない。
実施の形態11.
図34はこの発明の実施の形態11に係る自動車の電動パワーステアリング装置の説明図である。
図34において、電動パワーステアリング装置500は、上記実施の形態1による回転電機101とECU部200とを備える電動駆動装置100を搭載している。
運転者がステアリングホイール(図示しない)を操舵すると、そのトルクがステアリングシャフト(図示しない)を介してシャフト501に伝達される。このとき、シャフト501に伝達されたトルクはトルクセンサ502により検出されて電気信号に変換され、ケーブル(図示しない)を通じて電動駆動装置100の第1コネクタ206を介してECU部200に伝達される。一方,車速などの自動車の情報が電気信号に変換されて第2コネクタ207を介してECU部200に伝達される。ECU部200は、このトルクと、車速などの自動車の情報とから、必要なアシストトルクを演算し、インバータを通じて回転電機101に電流を供給する。
回転電機101は軸心をラック軸の移動方向507に平行な向きに配置されている。また、ECU部200への電力供給は、バッテリやオルタネータから電源コネクタ208を介して送られる。回転電機101が発生したトルクは、ベルト(図示せず)とボールネジ(図示せず)が内蔵されたギヤボックス503によって減速され、ハウジング504の内部にあるラック軸(図示せず)を矢印の方向に動かす推力を発生させ、運転者の操舵力をアシストする。そこで、タイロッド505が動き、タイヤが転舵して車両を旋回させることができる。これにより、運転者は、回転電機101のトルクによってアシストされ、少ない操舵力で車両を旋回させることができる。なお、ラックブーツ506は異物が装置内に侵入しないように設けられている。
このような電動パワーステアリング装置500においては、車両への搭載性と燃費向上の観点から、電動駆動装置100は、小型高出力であることが望ましい。さらに、運転者の快適性の観点から、電動駆動装置100は、低振動・低騒音であることが望まれる。
実施の形態1による回転電機101は、トルクを向上しながら回転電機101の剛性も向上させることができるので、高トルク化と低振動、低騒音化との両立が可能となり、電動パワーステアリング装置500の高トルク化と低振動、低騒音化とを図ることができる。
なお、上記実施の形態11では、実施の形態1による回転電機101を電動駆動装置に組み込んだが、実施の形態2〜10による回転電機を組み込んでも、同様の効果が得られる。
また、回転電機の軸心がラック軸の移動方向507に平行な向きに配置されている電動パワーステアリング装置500は、大型車に適したシステムであるが、回転電機の高出力化が必要となる。そして、回転電機を高出力化すると、回転電機に起因する振動、騒音も増加することになる。しかしながら、実施の形態1〜10による回転電機を用いた電動パワーステアリング装置は、高トルク化と低振動、低騒音化とを実現できるので、大型車二も適用でき、燃費を低減できるという効果が得られる。
9 磁気的空隙部、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F 回転子、11,11A,11B,11C,40,40A 回転子鉄心、12 回転軸、13,13’ 永久磁石、15 第2の永久磁石、16 着磁方向、20,20A,20B,20C,20D,20E 固定子、21,21A,21B,21C,21D,21E 固定子鉄心、21a コアバック、21b ティース、21c 鍔部、21d 連結部、22,22D 固定子巻線、31a 固定子コアシート、33 鉄心連結ブロック、33a 固定子コアシート、34 鉄心開口ブロック、34a 固定子コアシート、35 磁束密度増大部、36 固定子コアシート、37 固定子コアシート、43 拡大部、50 回転子拡大コアシート、51 回転子非拡大コアシート、100 電動駆動装置、101,102,103,104,105,106,107,108 回転電機、500 電動パワーステアリング装置。

Claims (9)

  1. 円環状のコアバック、それぞれ、上記コアバックの内周面から径方向内方に突出して、周方向に互いに離間して配列された複数のティース、および上記複数のティースのそれぞれの先端部から周方向両側に突出する鍔部を有する固定子鉄心、および上記固定子鉄心に装着された固定子巻線を有する固定子と、
    回転子鉄心、上記回転子鉄心の軸心位置を貫通して上記回転子鉄心に固着された回転軸、および上記回転子鉄心に埋め込まれた複数の永久磁石を有し、上記固定子の内周側に磁気的空隙部を介して同軸に配設される回転子と、を備え、
    上記固定子鉄心は、周方向に隣り合う上記鍔部が連結部により連結されている第1固定子コアシートを積層した鉄心連結ブロックと、周方向に隣り合う上記鍔部が離間している第2固定子コアシートを積層した鉄心開口ブロックと、を軸方向に積層して構成され、
    磁束密度増大部が、上記磁気的空隙部の軸方向の一部の領域に形成され、
    上記鉄心連結ブロックの配設領域の少なくとも一部が、軸方向に関して、上記磁束密度増大部の形成領域と重なっている回転電機。
  2. 上記永久磁石は、上記回転子鉄心の軸方向の一端から軸方向外方に突出し、
    上記磁束密度増大部は、上記磁気的空隙部の軸方向長さをL、上記磁気的空隙部の軸方向の一端から軸方向の他端側の位置までの長さをXとしたときに、X/L≦0.325を満たす軸方向の領域に形成されている請求項1記載の回転電機。
  3. 上記永久磁石の上記回転子鉄心からの突出長さをLe、上記永久磁石の着磁方向の磁石幅をWとしたときに、Le/Wは、0.5以上、1.8以下である請求項2記載の回転電機。
  4. 上記回転子鉄心の軸方向の端面が、上記固定子鉄心の軸方向の端面より軸方向外方に突出している請求項2記載の回転電機。
  5. 上記回転子鉄心の軸方向の一端面に配設され、着磁方向を軸方向とする第2の永久磁石を備え、
    上記磁束密度増大部は、上記磁気的空隙部の軸方向長さをL、上記磁気的空隙部の軸方向の一端から軸方向の他端側の位置までの長さをXとしたときに、X/L≦0.325を満たす軸方向の領域に形成されている請求項1記載の回転電機。
  6. 上記回転子鉄心は、上記磁気的空隙部側の外周面形状が異なる複数種類の回転子コアシートを積層して作製され、
    上記複数種類の回転子コアシートは、他の回転子コアシートより、上記磁気的空隙部の径方向の幅を縮小するように外周面形状が拡大された拡大部を有する回転子拡大コアシートを備え、
    上記磁束密度増大部が、上記回転子拡大コアシートの軸方向の配設位置に形成されている請求項1記載の回転電機。
  7. 上記磁束密度増大部の領域に配設された上記第1固定子コアシートと上記第2固定子コアシートの総枚数に対する上記磁束密度増大部の領域に配設された上記第1固定子コアシートの枚数が占める割合が、上記磁束密度増大部を除く領域に配設された上記第1固定子コアシートと上記第2固定子コアシートの総枚数に対する上記磁束密度増大部を除く領域に配設された上記第1固定子コアシートの枚数が占める割合より大きい請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 上記連結部の径方向の幅が上記磁気的空隙部の径方向の最小幅より狭い請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機を搭載した電動パワーステアリング装置。
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