JP2016166701A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】R32冷媒とキャピラリーチューブを使用した場合でも、冷凍サイクルの状態を比較的短時間で安定化できる空気調和機を提供する。
【解決手段】室外機の室外機制御部が、圧縮機が起動した後目標回転数に到達するまでの経過時間を、R410A冷媒使用時に比べて最大で2倍(すなわち1<M≦N 1<N≦2としたときの略M倍)とする。このように圧縮機の回転数上昇挙動を緩やかにすることにより、R32冷媒における入口冷媒温度の極端な低下を抑制し、室内熱交換器全体の温度バランスの変化を小さくすることができる。このような回転数制御により、入口冷媒温度は最低温度を上げて温度低下を抑制し、また目標としている温度に戻すまでの時間を短縮化できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、室外機と室内機のそれぞれにおける熱交換により冷房運転を行う空気調和機に関するものである。
従来よりこの種の空気調和機においては、特許文献1に記載のように、室外機と室内機とをHFC系のR410Aを用いた冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成し、また減圧器をキャピラリーチューブで構成したものがあった。
特許第3853550号公報
ここで、前記冷媒として従来より空気調和機に広く使用されていたR410A冷媒に代わり、近年、R32冷媒が空気調和機において使用されつつある。このR32冷媒は、前記R410A冷媒に比べて単位体積あたりの冷凍能力が高く前記R410A冷媒よりも冷媒配管内での充填量を少なくできることが知られているが、その場合には、前記のように蒸発器の上流側で減圧するとき、従来の前記R410A冷媒用の空気調和機での減圧率よりも最大2倍程度の減圧率とする必要がある。
このようなR32冷媒における(R410A冷媒と比べた場合の)充填量の減少及び減圧率の増大により、R32冷媒用の空気調和機では、前記圧縮機(R32冷媒用の圧縮機)を起動した直後において前記室内熱交換器(蒸発器)の入口における冷媒温度(入口冷媒温度)が極端に低下し、蒸発器全体の温度バランスが崩れる結果、前記冷凍サイクルの状態が安定化するのに時間がかかることとなる。
このとき、前記の蒸発器上流側での減圧のために開度調整可能な膨張弁を用いる場合には、前記膨張弁の開度を適正に調整することで前記入口冷媒温度の低下を抑制できるが、前記従来のもののように減圧器として前記キャピラリーチューブを用いる場合には前記膨張弁のように減圧の程度を調整できないことから、前記のような冷凍サイクルが不安定な状態が、比較的長い時間続くこととなる。この結果、前記室内熱交換器内の管路のうち入口側部分と中間部分及び出口側部分とに大きな温度差が生じ、前記入口側部分を通過した低温の風と前記出口側部分を通過したやや温度の高い風が混合することで、室内機内部が結露する等の弊害が生じうるという問題があった。
上記問題を解決するために、本発明の請求項1では、室外機と室内機とをR32冷媒を用いた冷媒配管で接続した、前記R32冷媒用の空気調和機において、前記室内機は、前記R32冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、前記室内熱交換器に送風する室内ファンとを有し、前記室外機は、前記R32冷媒を圧縮する前記R32冷媒用の圧縮機と、前記R32冷媒と外気との熱交換を行う室外熱交換器と、R410A冷媒用の空気調和機における前記R410Aの減圧率のN倍(但し1<N≦2)の減圧率で前記R32冷媒を減圧するキャピラリーチューブと、前記室外熱交換器に送風する室外ファンと、少なくとも前記圧縮機の回転数を制御する室外制御部とを有し、前記室外制御部は、前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の目標回転数に到達するまでの経過時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒を圧縮する前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の目標回転数に到達するまでの経過時間の略M倍(但し1<M≦N)となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する圧縮機制御手段を備えるものである。
また、請求項2では、前記圧縮機制御手段は、前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の起動保証回転数による保持を経て前記所定の目標回転数に到達するように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御するものである。
また、請求項3では、前記圧縮機制御手段は、前記所定の起動保証回転数による保持状態以外で前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を連続的に増加させるときの増加率が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記所定の起動保証回転数による保持状態以外で前記R410A冷媒用の圧縮機の回転数を連続的に増加させるときの増加率より小さくかつ略1/M倍以上となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御するものである。
また、請求項4では、前記圧縮機制御手段は、前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の起動保証回転数を経て前記所定の目標回転数に到達するときの前記所定の起動保証回転数での保持時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の起動保証回転数を経て前記所定の目標回転数に到達するときの前記所定の起動保証回転数での保持時間より長くかつ略M倍以下となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御するものである。
また、請求項5では、前記キャピラリーチューブは、前記R410A冷媒用の空気調和機における前記R410Aの減圧率の略2倍の減圧率で前記R32冷媒を減圧し、前記圧縮機制御手段は、前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の目標回転数に到達するまでの経過時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒を圧縮する前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の目標回転数に到達するまでの経過時間の略2倍となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御するものである。
この発明の請求項1によれば、室内機には、室内熱交換器、室内ファンが備えられ、室外機には、圧縮機、室外熱交換器、キャピラリーチューブ、室外ファンが備えられており、これらが冷媒配管で接続されることによって冷凍サイクルを構築している。すなわち、例えば冷房運転が行われるときには、低温・低圧で吸入されたガスの冷媒が前記圧縮機で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記室外熱交換器(凝縮器)において前記室外ファンの送風で冷却されることで外気に熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記キャピラリーチューブで減圧されて低圧の液体となり蒸発しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記室内熱交換器(蒸発器)において蒸発してガスに変化することで室内空気から吸熱し冷却を行う。そして冷媒は、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機へと戻る。
ここで、本願発明者等は、前記のようにR410A冷媒に代えてR32冷媒を使用しかつ膨張弁でなくキャピラリーチューブを使用することに起因する、前記冷凍サイクルの不安定状態を解消する方策を検討した結果、圧縮機を起動した後に回転数を増大させていくときの経過時間を、前記減圧率の増大分に見合った割合で長くとればよいことを新たに知見した。
すなわち、通常、空気調和機における前記圧縮機の回転数制御においては、圧縮機を起動した後、所定の態様で回転数を順次増大させていき、最終的に所定の目標回転数に到達させる。これに対し、請求項1によれば、前記R32冷媒かつ前記キャピラリーチューブの使用に対応させて、前記室外機の前記室外制御部に備えられる圧縮機制御手段が、前記圧縮機が起動した後前記目標回転数に到達するまでの経過時間を、R410A冷媒使用時に比べて最大で2倍(1<N≦2 1<M≦Nの条件でのM倍)とする。このようにして圧縮機の回転数上昇挙動を緩やかにすることにより、R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を抑制し、前記蒸発器全体の温度バランスの変化を小さくすることができる。この結果、前記冷凍サイクルの状態を比較的短時間で安定化させることができ、また前記結露等の弊害を回避することができる。
また、請求項2によれば、圧縮機を起動後に目標回転数にいきなり到達させるのではなく、所定起動保証回転数においていったん回転数増大を中止して所定の時間回転数を保持する。これにより、圧縮機における所望の圧縮性能を安定的かつ確実に得ることができる。
また、請求項3によれば、前記起動保証回転数による保持状態以外において圧縮機の回転数を連続的に増大させるときの増加率を緩やかにすることで、圧縮機の回転数上昇挙動を確実に緩やかにすることができる。この結果、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態を確実に短時間で安定化させることができる。
また、請求項4によれば、前記起動保証回転数による保持状態を経つつ圧縮機の回転数を連続的に増大させる際、前記保持状態における保持時間を長くすることで、圧縮機の回転数上昇挙動を確実に緩やかにすることができる。この結果、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態を確実に短時間で安定化させることができる。
また、請求項5によれば、圧縮機の回転数上昇挙動を約1/2程度に緩やかにすることができる。この結果、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下をさらに確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態をさらに確実に短時間で安定化させることができる。
本発明の一実施形態の空気調和機の冷房運転時における冷凍サイクルを模式的に表した図 室内機の内部構造を示す側断面図 比較例における入口冷媒温度の経時変化を示す図 冷凍サイクルが安定化する前の室内機の内部挙動を示す側断面図 増速行程の処理時間を2倍にした場合の入口冷媒温度及び圧縮機回転数の経時変化を示す図 保持行程の処理時間を2倍にした場合の入口冷媒温度及び圧縮機回転数の経時変化を示す図 保持行程と増速行程の両方の処理時間を2倍にした場合の入口冷媒温度及び圧縮機回転数の経時変化を示す図 圧縮機回転数の制御を実現するための制御手順を示すフローチャート図
以下、本発明の一実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
本実施形態の空気調和機の全体概略構成を図1に示す。図1において、この空気調和機1は、室内機2と室外機3の間を循環させる冷媒に対して室内機2と室外機3のそれぞれで熱交換を行うことにより前記室内機2を設置している側の室内の空気温度を調整するものである。この空気調和機1では、前記冷媒として、従来より空気調和機に広く使用されていたR410A冷媒に代え、近年使用されつつあるR32冷媒を用いる。前記室内機2は、冷媒(すなわちR32冷媒。以下同様)と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器4と、前記室内熱交換器4に送風する室内ファン5と、前記室内機2の作動を制御する室内機制御部6とを有し、前記室外機3は、冷媒の循環方向を切り替える四方弁7と、冷媒を圧縮する圧縮機8と、冷媒と外気との熱交換を行う室外熱交換器9と、冷媒を減圧するキャピラリーチューブ10と、前記室外熱交換器9に送風する室外ファン11と、前記室外機3の作動を制御する室外機制御部12を有する。
前記四方弁7は4つのポートを備える回転弁であり、主経路21用の2つのポートのそれぞれに対して他の副経路22用の2つのポートのいずれに接続するかを切り替える。前記副経路22用の2つのポートどうしはループ状に配置された副経路22の冷媒配管で接続されており、この副経路22上に圧縮機8が設けられている。
前記圧縮機8は、低圧ガス状態の冷媒を昇圧して高圧ガス状態にするとともに、当該空気調和機1内における冷媒配管全体の冷媒を循環させるポンプとしても機能する。
また、前記四方弁7の主経路21用の2つのポートどうしは、ループ状に配置された主経路21の冷媒配管で接続されており、この主経路21上に室外熱交換器9、キャピラリーチューブ10、及び室内熱交換器4が順に(図示する例では主経路21左回りの順に)設けられている。
前記室外熱交換器9は、その内部を通過するガス状態の冷媒の温度が室外の外気温度より高い場合は、その冷媒の熱を放熱して液体状態に凝縮させる凝縮器として機能する。また、その内部を通過する液体状態の冷媒の温度が室外の外気温度より低い場合は外気の熱を冷媒に吸熱してガス状態に蒸発させる蒸発器として機能する。前記室内熱交換器4は、室内空気と冷媒の関係において前記室外熱交換器と同等に機能する。
前記室外ファン11及び前記室内ファン5は、対応する前記室外熱交換器9及び前記室内熱交換器4に対してそれぞれ送風することで、各熱交換器の性能を向上させる。
前記キャピラリーチューブ10は、高圧液体状態の冷媒を減圧して低圧液体状態とするよう機能する。
前記室外機制御部12及び前記室内機制御部6は、それぞれ主にCPU,ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータで構成され、特に図示しないリモコンなどの操作部を介したユーザからの指示に基づいて互いに連携し、当該空気調和機1全体の制御を行う。室外機制御部12は、主に室外機3が備える前記四方弁7、前記圧縮機8、及び前記室外ファン11の制御を行い、室内機制御部6は主に室内機2が備える前記室内ファン5の制御を行う。なお、圧縮機8、室外ファン11、及び室内ファン5の制御においては、インバータ等を用いてそれぞれの回転数を連続的に可変制御できる。
前記圧縮機8は副経路22上において一方向に冷媒を循環させるものであり、前記四方弁7の切り替えによって主経路21上の冷媒の循環方向を制御する。例えば、図1は冷房運転時の循環方向を示しており、圧縮機8から吐出した冷媒が室外熱交換器9、キャピラリーチューブ10、室内熱交換器4の順で流通する。これにより、低温・低圧で吸入されたガス状態の冷媒が前記圧縮機8で圧縮されて高温・高圧のガスとなった後、前記室外熱交換器9(凝縮器として機能)において前記室外ファン11の送風で冷却されることで外気に熱を放出しながら高圧の液体に変化する。こうして液体になった冷媒は前記キャピラリーチューブ10で減圧されて低圧の液体となり蒸発しやすい状態となる。その後、低圧の液体が前記室内熱交換器4(蒸発器として機能)において蒸発してガスに変化することで室内空気から吸熱し冷却を行う。そして冷媒は、低温・低圧のガスとして再び前記圧縮機8へと戻る。以上のような冷凍サイクルを構築することで、室内空気の温度を下げる冷房運転が行われる。
なお、特に図示しないが、四方弁7を切り替えて冷媒の循環方向を逆転することにより、室外熱交換器9を蒸発器として機能させ、室内熱交換器4を凝縮器として機能させて、室内空気の温度を上げる暖房運転を行うことができる。以下においては、前記冷凍サイクルを構築した場合の冷房運転時における作動についてのみ説明する。
前記室内熱交換器4の構造の概略を表す、室内機2の側断面図を図2に示す。図2において、前記室内機2の室内熱交換器4は、2つの一般的なフィンチューブ式熱交換器の2つの熱交換器31、32のそれぞれの上端を近接させたいわゆる「ハ」の字型に配置した側断面構造となっている。フィンチューブ式熱交換器は、多数の平行配置した伝熱フィンと、この伝熱フィンを貫通するように蛇行配置した銅管(=チューブ)とから構成されているもので、図2では、この熱交換器31、32の構造を省略して概略的に示している。
そして、前記冷房運転時において、各熱交換器31,32のそれぞれの内部においてその上端から主経路21の冷媒配管(銅管に相当する)が挿通して下端で折り返し、上端から抜けるよう配置されている。このような2つの熱交換器31,32の間で冷媒配管21が直列に接続されていることで、一方の熱交換器32(図示する例で後方の熱交換器32)が冷媒流路の前半に位置し、他方の熱交換器31(図示する例の前方の熱交換器31)が冷媒流路の後半に位置する。
以上の図1及び図2に示した基本構成を備える前記空気調和機1において、前記のようにR32冷媒が使用される。このR32冷媒は、一般に、前記R410A冷媒に比べて単位体積あたりの冷凍能力が高く、同じ冷凍能力を発揮させるにあたり前記R410A冷媒よりも冷媒配管内での充填量を少なくできることが知られているが、その場合には、前記のように蒸発器(この場合の室内熱交換器4)の上流側で減圧するとき、従来の前記R410A冷媒用の空気調和機での減圧率よりも大きな減圧率とする必要がある。なお、本明細書における減圧率とは、変化前後の冷媒圧力をどれだけ減圧変化させられるかの指標値を意味しており、以下においては減圧度合いが大きいほど減圧率が大きいものと表し、減圧度合いが小さいほど減圧率が小さいものと表す。
このようなR32冷媒における(R410A冷媒と比べた場合の)充填量の減少及び減圧率の増大により、R32冷媒を用いる前記空気調和機1においては、そのままでは、前記圧縮機8を起動した直後において前記室内熱交換器4(この場合の蒸発器)の入口における冷媒温度(入口冷媒温度;例えば図1中のA点の温度)が極端に低下し、蒸発器全体の温度バランスが崩れる結果、前記冷凍サイクルの状態が安定化するのに時間がかかることとなる。
このような冷凍サイクルの不安定状態及びその後の安定化への挙動を図3により説明する。図3は、R32冷媒を用いた前記空気調和機1において、減圧率をR410Aの場合の2倍としつつ、前記圧縮機8の回転数制御を、(後述の本実施形態の回転数制御とは異なり)通常の前記R410Aを用いた場合と同等の手法で行った場合における前記入口冷媒温度の経時変化を、比較例として示したものである。
すなわち、この比較例における空気調和機1における前記圧縮機8の回転数制御においては、圧縮機8を起動した後、所定の態様で回転数を順次増大させていき、最終的に所定の目標回転数に到達させる。具体的には、まず、空気調和機1の運転開始直後には圧縮機8の回転数が無回転(0rps)となっている状態から、所定の増加率で連続的に回転数を増速させる。そして、圧縮機8の回転数が所定の起動保証回転数(図示する例では約60rps)に到達した後、所定の保持時間の間(図示する例では運転開始後経過時間約60〜120秒の間)、当該起動保証回転数を保持する。前記保持時間経過後には、前記所定の目標回転数(図示する例の約80rps)に到達するまで(図示する例では運転開始後経過時間約120〜140秒の間)再び前記所定の増加率で連続的に圧縮機8の回転数を増速させ、到達後は、運転終了時までその目標回転数を維持し続ける。
なお、このような態様の回転数制御は、当該圧縮機8の構造的特性により通常必要とされているものである。すなわち、冷媒の循環と圧縮を同時に行うために圧縮機8内では慣性の大きい機構部品が複雑にリンクしており、それらを円滑に作動させるために時間をかけて回転数を増速させることが必要となる。特に前記起動保証回転数を前記保持時間の間保持することについては、圧縮機8内の各部に潤滑油を十分に流通させて円滑かつ安定的に動作させるために必要な行程となっているものである。
前記のような圧縮機8の回転制御に伴い、前記入口冷媒温度は、以下の挙動を示す。すなわち、空気調和機1の運転開始時(時間=0)には、前記入口冷媒温度が室内空気と同等の温度(図示する例では約26℃)となっている。その後、前記運転開始により前記主経路21上で冷媒が循環し、キャピラリーチューブ10での減圧によって温度が低下した冷媒が蒸発器の入口(前記A点)に到達した時点(図示する例では運転開始から約20秒後)で前記入口冷媒温度が低下し始める。そして、前記のようにR32冷媒の充填量が少なく減圧率が大きいことにより入口冷媒温度が過剰に低下して、目標としている温度(図示する例の約13℃。)よりも大幅に低い超過低温状態(図示する例の約7℃)に達し、冷凍サイクルが不安定な状態となる。しかし、その後にR32冷媒の循環が進んで蒸発作用と凝縮作用が安定して行えるようになると入口冷媒温度が再び上昇に転じ、前記目標としている温度に達したところ(図示する例では運転開始から約210秒後)で、冷凍サイクルが安定した状態となっている。
以上のような作動特性に対して、仮に、蒸発器上流側での減圧のために開度調整可能な膨張弁を用いることができる場合には、前記膨張弁の開度を適正に調整することで前記入口冷媒温度の過剰な低下を抑制することができる。しかしながら、前記空気調和機1のように前記キャピラリーチューブ10を用いる場合には、(前記膨張弁のように減圧の程度を調整できないことから)前記のような冷凍サイクルが不安定な状態が、比較的長い時間続くこととなる。
このような不安定状態が長く続く場合、前記図2に示した構成の室内熱交換器4において、以下のような弊害が生じうる。すなわち、前記不安定状態が長く続いた場合には、図4に示すように、前記A点に近く冷媒流路の前半部分に相当する前記熱交換器32が極端に温度低下し、後半部分に相当する前記熱交換器31が比較的温度が高い状態となる(図4中における主経路21の低温状態を表す濃淡彩色も参照)。そして、室内機2に流入した室内の空気(図中では「室温風」と略記)のうち、後方側熱交換器32を通過した低温の風(以下適宜、単に「過冷却風」と称する。各図中でも同様)が室内機2の内部(特に室内ファン5)を過剰に冷却し、前方側熱交換器31を通過したやや温度の高い風(以下適宜、単に「冷却風」と称する。各図中でも同様)が過剰に冷却された室内機2の内部(特に室内ファン5)に触れた際、当該室内機2の内部(特に室内ファン5)で結露が発生して水気を多く含んだ風(以下適宜、単に「結露風」と称する。各図中でも同様)を室内に排出してしまう。つまり、前記のようにして冷凍サイクルの不安定状態が長く続いた場合には、室内熱交換器4の各部分を通過する風の温度に大きな偏りが生じてしまい、その結果、室内機2において内部結露を生じさせてしまう。
以上のような、R410A冷媒に代えてR32冷媒を使用しかつ膨張弁でなくキャピラリーチューブ10を使用することに起因する前記冷凍サイクルの不安定状態を解消する方策を検討した結果、本願発明者等は、圧縮機8を起動した後に回転数を増大させていくときの経過時間を、前記減圧率の増大分に見合った割合で長くとればよいことを新たに知見した。
すなわち、前記キャピラリーチューブ10の使用に対応させ、前記R32冷媒使用時の減圧率を前記R410A冷媒使用時の減圧率のN倍(但し1<N≦2)とした場合に、前記圧縮機8が起動した後前記目標回転数(但しR410A冷媒での目標回転数と同一値)に到達するまでの経過時間についても、R410A冷媒使用時の前記N倍とする。このようにして圧縮機8の回転数上昇挙動を緩やかにすることにより、R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を抑制し、前記室内熱交換器4全体の温度バランスの変化を小さくすることができることがわかった。
ここで、前記のように圧縮機8を起動してから前記所定の目標回転数に到達させるまでの回転数制御の行程の種類として、前記所定の増加率(図3中の右上がり直線の傾き)で連続的に回転数を増加させる行程(図3中における運転開始後経過時間0〜約60秒、運転開始後経過時間約120〜約140秒;以下、適宜、「増速行程」と称する)と、前記所定の起動保証回転数を前記保持時間の間で保持する行程(図3中における運転開始後経過時間約60〜約120秒;以下適宜、「保持行程」と称する)と、の2種類がある。本願発明者等の検討によれば、前記増速行程にかける処理時間をR410A冷媒使用時に比べて長くとる手法と、前記保持行程にかける処理時間をR410A冷媒使用時に比べて長くとる手法とで、前記入口冷媒温度の経時変化に対しそれぞれ固有の効果が得られることが知見された。以下、その詳細を図5及び図6により説明する。
まず、図5に、前記増速行程の処理時間を前記図3の比較例の2倍(つまりN倍)にした場合、言い替えれば圧縮機8の回転数の増加率を1/2倍(つまり1/N倍)にした場合の、前記入口冷媒温度及び前記圧縮機回転数の経時変化を示す。なお、対比の容易のために、上記図3の比較例における前記経時変化も点線にて併せて示している(以下、対応する各図において同様)
すなわち、図5に示すように、この場合の前記圧縮機8の回転制御では、運転開始後経過時間0〜約120秒の間、回転数の増加率を前記1/2倍とした1回目の前記増速行程が行われる。その後、図3と同様、運転開始後経過時間約120〜約180秒の間の約60秒間、前記保持行程が行われる。そして、運転開始後経過時間約180〜約220秒の間、1回目と同様、回転数の増加率を前記1/2倍とした2回目の前記増速行程が行われる。このように、2つの増速行程における処理時間をそれぞれ2倍にして圧縮機8の回転数の増加率を緩やかにすることで、入口冷媒温度が超過低温状態となった際の前記目標としている温度との最大温度差△Knを、前記比較例の場合の前記最大温度差△Koと比較して小さくできる。すなわち、増速行程の処理時間を長くとることで、入口冷媒温度の低下挙動を抑制して最低温度を引き上げることができることが分かった。
次に、図6に、前記保持行程の処理時間を前記図3の比較例の2倍(つまりN倍)にした場合、言い替えれば前記起動保証回転数の保持時間を2倍(つまりN倍)にした場合の、前記入口冷媒温度及び前記圧縮機回転数の経時変化を図6に示す。
すなわち、図6に示すように、この場合の前記圧縮機8の回転制御では、運転開始後経過時間0〜約60秒の間、回転数の増加率を前記比較例と同等とした1回目の前記増速行程が行われる。その後、運転開始後経過時間約60〜約180秒の間の(前記比較例の2倍となる)約120秒間、前記保持行程が行われる。そして、運転開始後経過時間約180〜約200秒の間、1回目と同様、回転数の増加率を前記比較例と同等とした2回目の前記増速行程が行われる。このように、保持行程における処理時間を2倍にすることで、入口冷媒温度が前記目標としている温度より低下してその後に前記目標としている温度に戻すまでの時間差△Tnを、前記比較例の場合の時間差△Toと比較して短くできる。すなわち、保持行程の処理時間を長くとることで、前記冷凍サイクルが不安定な状態にある時間を短縮化でき、また前記比較例のような2段目の温度低下も解消して入口冷媒温度の低下挙動を抑制して最低温度を引き上げることができることが分かった。
以上の考察に基づき、本願発明者等は、本実施形態の空気調和機1において、キャピラリーチューブ10における減圧率を前記R410A冷媒使用時の減圧率の2倍(すなわち前記N=2)とし、かつ、前記室外機制御部12が実行する圧縮機8の回転数制御にて、前記増速行程と前記保持行程の両方でそれぞれの処理時間を前記R410A冷媒使用時の2倍(すなわち前記N=2)に設定した。
すなわち、図7に示すように、本実施形態の空気調和機1の前記室外機制御部12が実行する前記圧縮機8の回転制御においては、運転開始後経過時間0〜約120秒の間、回転数の増加率を前記比較例の1/2倍とした1回目の前記増速行程が行われる。その後、運転開始後経過時間約120〜約240秒の間の(前記比較例の2倍となる)約120秒間、前記保持行程が行われる。そして、運転開始後経過時間約240〜約280秒の間、1回目と同様、回転数の増加率を前記1/2倍とした2回目の前記増速行程が行われる。このような制御の結果、圧縮機8が起動してから前記目標回転数に到達するまでの経過時間は、R410A冷媒用の空気調和機において圧縮機が起動してから前記目標回転数に到達するまでの経過時間(図示点線の挙動を参照)の略2倍となり(140秒→280秒)、入口冷媒温度の最低温度の引き上げと、冷凍サイクルの不安定期間の短縮化の両立を実現することができる。
なお、前記図5に示した例では、キャピラリーチューブ10における減圧率を前記R410A冷媒使用時の減圧率のN倍(前述の例ではN=2)とした前提で、前記室外機制御部12が実行する圧縮機8の回転数制御にて前記増速行程での処理時間を前記R410A冷媒使用時のN倍(前述の例ではN=2)とすることで、前記増速行程及び前記保持行程の合計の処理時間は(1倍より大きく)2倍よりも小さい約1.57倍(=220/150)となっている。また、前記図6に示した例でも、キャピラリーチューブ10における減圧率を前記R410A冷媒使用時の減圧率のN倍(前述の例ではN=2)とした前提で、前記室外機制御部12が実行する圧縮機8の回転数制御にて前記保持行程での処理時間を前記R410A冷媒使用時のN倍(前述の例ではN=2)とすることで、前記増速行程及び前記保持行程の合計の処理時間は(1倍より大きく)2倍よりも小さい約1.43倍(=200/150)となっている。これらいずれの場合も、前記したように、少なくとも室内熱交換器4全体の温度バランスの変化の低減という効果を得ることができるものである。したがって、この効果を得るためには、前記増速行程及び前記保持行程の合計の処理時間を、前記R410A冷媒使用時の1倍よりは大きく前記N倍よりも小さい略M倍(但し1<M≦N)とすれば足りることになる。そして、これをさらに拡張して本願発明者等が検討した結果、前記増速行程若しくは前記保持行程のいずれか一方の処理時間を、前記R410A冷媒使用時の1倍よりは大きく前記N倍よりも小さい略M倍(但し1<M≦N)とした場合であっても、少なくとも前記比較例よりは、前記室内熱交換器4全体の温度バランスの変化を低減できることがわかった。
次に、前記図7に示した本実施形態の圧縮機8の回転数制御を実現するために、前記室外機制御部12の前記CPU(図示省略)が実行する制御手順を、図8により説明する。なお、この制御手順は、特に図示しないリモコンなどの操作部を介して冷房運転の開始操作が入力された際に、実行を開始する。またこの図8では、室外機制御部12が圧縮機8に対して行う制御手順のみを示しているが、その他にも、この制御手順の開始の際には、室外機制御部12が四方弁7を冷房運転時の状態に切り替えかつ室外ファン11の作動を開始させるとともに、室内機制御部6においても室内ファン5の作動を開始させるものとする(図示省略)。
まず、回転数変数Vの値を0にリセットする(S5)。その後、その時点の回転数変数Vが示す回転数(初回では0rps)で圧縮機8を回転させる(S10)。なおこのとき室外機制御部12は、前記インバータを用いた回転制御により、回転数変数Vの細かい変化に対応して圧縮機8の回転数を高精度に制御する。
その後、回転数変数Vの値が前記の起動保証回転数Vh以上となったか否かを判定する(S15)。回転数変数Vの値がまだ起動保証回転数Vh未満である場合、判定は満たされず(S15:No)、S20に進む。
S20では、前記回転数変数Vに対して速度偏差△Vを加算した後、S10に戻って同様の手順を繰り返す。なお本実施形態では、この速度偏差△Vが、S10,S15,S20の1ループ処理時間当たりにおける圧縮機回転数の増加率に相当しており、前述したように、R410A冷媒を用いた通常の空気調和機の場合の(1/N)倍(ここではN=2)に設定されている(後述のS45においても同様)。
一方、前記S15の判定において、前記回転数変数Vの値が前記起動保証回転数Vh以上であった場合、判定が満たされ(S15:Yes)、S25に進む。
S25では、当該室外機制御部12内部に備えられるタイマ(図示省略)をリセットし(T=0)、その計時を開始する。
その後、前記タイマで計時した経過時間Tが、起動保証回転数の保持時間Tsを経過したか否かを判定する(S30)。なお本実施形態では、この保持時間Tsは、前述したように、R410A冷媒を用いた通常の空気調和機の場合の前記N倍(ここではN=2)に設定され、あらかじめ室外機制御部12のROMなどに記憶されている。タイマの経過時間Tが前記保持時間Ts未満であるうちは、当該S30の手順を繰り返して圧縮機8の起動保証回転数Vhを維持し続ける。
一方、タイマの経過時間Tが前記保持時間Tsを超えた場合、S30の判定が満たされ(S30:Yes)、S35へ進む。
S35では、その時点の回転数変数Vが示す回転数(初回では起動保証回転数Vh)で圧縮機8を回転させる。
その後、前記回転数変数Vの値が前記の目標回転数Vr以上となったか否かを判定する(S40)。なお、この目標回転数Vrは、R410A冷媒を用いた通常の空気調和機の目標回転数と同一値である。回転数変数Vの値がまだ目標回転数Vr未満である場合、判定は満たされず(S40:No)、S45に移る。
S45では、回転数変数Vに対して速度偏差△V(前記S20と同一値である。但し異なる値としても良い)を加算した後、S10に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、前記S40の判定において、前記回転数変数Vの値が前記目標回転数Vr以上であった場合、判定が満たされ(S40:Yes)、S50に進む。
S50では、特に図示しないリモコンなどの操作部を介して当該空気調和機1の運転終了操作が入力されたか否かを判定する。運転終了操作が入力されていない場合、判定は満たされず(S50:No)、当該S50の手順を繰り返す。
一方、運転終了操作が入力された場合、判定が満たされ(S50:Yes)、S55へ進む。S55では、圧縮機8の回転停止も含めて室外機3の作動を停止し、このフローを終了する。
なお、以上説明した図8中の制御手順全体を実行するCPUが、各請求項記載の圧縮機制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態の空気調和機1によれば、前記R32冷媒かつ前記キャピラリーチューブ10(減圧率を前記R410A冷媒使用時の減圧率のN倍とするもの)の使用に対応させて、前記室外機制御部12が、前記圧縮機8が起動した後前記目標回転数に到達するまでの経過時間を、キャピラリーチューブでの減圧率と同等となるように、R410A冷媒を使用する時の略M倍(1<N≦2の条件で1<M≦N:すなわち最大2倍)とする。このようにして圧縮機8の回転数上昇挙動を緩やかにすることにより、R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を抑制し、前記室内熱交換器4全体の温度バランスの変化を小さくすることができる。この結果、前記冷凍サイクルの状態を比較的短時間で安定化させることができ、また前記結露等の弊害を回避できるものである。なお、M≦NとしてN倍を超えないように設定していることで、冷凍サイクルの立ち上げ時間(≒目標回転数以下で駆動している時間)が不必要に増加してしまうことを抑制できる効果もあるものである。
また、本実施形態では特に、圧縮機8を起動後に前記目標回転数にいきなり到達させるのではなく、所定の起動保証回転数Vhにおいていったん回転数増大を中止して所定の時間、回転数を保持する(前記保持行程)。これにより、前記圧縮機8における所望の圧縮性能を安定的かつ確実に得るものである。
また、本実施形態では特に、前記起動保証回転数Vhによる保持状態以外において、R32冷媒の使用に対し圧縮機8の回転数を連続的に増大させるときの前記増速行程での速度増加率(前記速度偏差△Vに相当)を緩やかにする。前述の例では、R410A冷媒を用いた通常の場合の、略(1/M)倍(前記の例ではM=N=2)に設定する。これにより、圧縮機8の回転数上昇挙動を確実に緩やかにすることができる。この結果、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態を確実に短時間で安定化させるものである。
また、本実施形態では特に、前記起動保証回転数Vhによる保持状態を経つつ圧縮機8の回転数を連続的に増大させる際、前記保持行程における保持時間Tsを長くする。前述の例では、R410A冷媒を用いた通常の場合の、略M倍(前記の例ではM=N=2)に設定する。これにより、圧縮機8の回転数上昇挙動を確実に緩やかにすることができる。この結果、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下を確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態を確実に短時間で安定化させるものである。
なお、このとき、起動保証回転数の前記保持時間Tsを、R410A冷媒を用いた通常の場合のN倍(N=2)に設定していたが、これに限られない。少なくともR410A冷媒を用いた通常の場合の保持時間よりも長くかつ略N倍以下で上記保持時間Tsを設定すれば、前記冷凍サイクルの不安定状態時間の短縮化が可能である。
また、本実施形態では特に、前記キャピラリーチューブ10が、R410A冷媒用の空気調和機における減圧率の略2倍の減圧率でR32冷媒を減圧する。また、前記室外機制御部12は、この減圧率の増大分に対応して、圧縮機8が起動してから前記目標回転数に到達するまでの経過時間を、R410A冷媒用の空気調和機における前記経過時間の略2倍となるように、圧縮機8の回転数を制御する。これにより、圧縮機8の回転数上昇挙動を約1/2程度に緩やかにすることができる(前記図7参照)ので、前記R32冷媒における前記入口冷媒温度の極端な低下をさらに確実に抑制でき、前記冷凍サイクルの状態をさらに確実に短時間で安定化させるものである。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1 空気調和機
2 室内機
3 室外機
4 室内熱交換器
5 室内ファン
6 室内機制御部
7 四方弁
8 圧縮機(R32冷媒用の圧縮機)
9 室外熱交換器
10 キャピラリーチューブ
11 室外ファン
12 室外機制御部
21 主経路(冷媒配管)
22 副経路(冷媒配管)
31 前方側熱交換器
32 後方側熱交換器

Claims (5)

  1. 室外機と室内機とをR32冷媒を用いた冷媒配管で接続した、前記R32冷媒用の空気調和機において、
    前記室内機は、
    前記R32冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、
    前記室内熱交換器に送風する室内ファンとを有し、
    前記室外機は、
    前記R32冷媒を圧縮する前記R32冷媒用の圧縮機と、
    前記R32冷媒と外気との熱交換を行う室外熱交換器と、
    R410A冷媒用の空気調和機における前記R410Aの減圧率のN倍(但し1<N≦2)の減圧率で前記R32冷媒を減圧するキャピラリーチューブと、
    前記室外熱交換器に送風する室外ファンと、
    少なくとも前記圧縮機の回転数を制御する室外制御部とを有し、
    前記室外制御部は、
    前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の目標回転数に到達するまでの経過時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒を圧縮する前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の目標回転数に到達するまでの経過時間の略M倍(但し1<M≦N)となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する圧縮機制御手段を備える
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記圧縮機制御手段は、
    前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の起動保証回転数による保持を経て前記所定の目標回転数に到達するように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記圧縮機制御手段は、
    前記所定の起動保証回転数による保持状態以外で前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を連続的に増加させるときの増加率が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記所定の起動保証回転数による保持状態以外で前記R410A冷媒用の圧縮機の回転数を連続的に増加させるときの増加率より小さくかつ略1/M倍以上となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
  4. 前記圧縮機制御手段は、
    前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の起動保証回転数を経て前記所定の目標回転数に到達するときの前記所定の起動保証回転数での保持時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の起動保証回転数を経て前記所定の目標回転数に到達するときの前記所定の起動保証回転数での保持時間より長くかつ略M倍以下となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の空気調和機。
  5. 前記キャピラリーチューブは、
    前記R410A冷媒用の空気調和機における前記R410Aの減圧率の略2倍の減圧率で前記R32冷媒を減圧し、
    前記圧縮機制御手段は、
    前記R32冷媒用の圧縮機が起動してから所定の目標回転数に到達するまでの経過時間が、前記R410A冷媒用の空気調和機において前記R410A冷媒を圧縮する前記R410A冷媒用の圧縮機が起動してから前記所定の目標回転数に到達するまでの経過時間の略2倍となるように、前記R32冷媒用の圧縮機の回転数を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気調和機。
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