JP2016166638A - 回転伝達装置 - Google Patents

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JP2016166638A JP2015046023A JP2015046023A JP2016166638A JP 2016166638 A JP2016166638 A JP 2016166638A JP 2015046023 A JP2015046023 A JP 2015046023A JP 2015046023 A JP2015046023 A JP 2015046023A JP 2016166638 A JP2016166638 A JP 2016166638A
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Koji Sato
光司 佐藤
直嗣 北山
Naotsugu KITAYAMA
直嗣 北山
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Abstract

【課題】係合状態への切換え時、アーマチュアとばね保持部材の回転係合部の変損傷の発生を防止可能な回転伝達装置を提供する。【解決手段】第1軸S1と第2軸S2を断続する2方向クラッチ内輪小径筒部18a上に該クラッチ保持器14に保持されたローラ13を中立保持するスイッチばね24、該ばね保持部材30とを設け、該部材30を回転係合部40を介しアーマチュア51に連結し、アーマチュア51がロータ52に吸着時、保持器14を2方向クラッチ外輪11に連結し保持器14と内輪12の相対回転によるローラ13の変位で2方向クラッチ10を係合する。ばね保持部材30を保持リング31とアーマチュア51に回転係合部40を介し連結し、摩擦リング32で形成し、該リング32を弾性部材38にて保持リング31に押圧接触させアーマチュア51の吸着時、摩擦リング32に衝撃トルクが負荷されても部材間を滑らせ回転係合部40の変形損傷を防止する。【選択図】図1

Description

この発明は、同軸上に配置された第1軸と第2軸の相互間において回転の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
第1軸と第2軸とを同軸上に配置し、その2軸の相互間で回転の伝達と遮断とを行う回転伝達装置として、下記特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
特許文献1に記載された回転伝達装置においては、図9に示すように、第1軸Sと第2軸Sの対向部間に、その2軸S、Sを結合および解除する2方向クラッチ70を設け、その2方向クラッチ70の係合および解除を第1軸S上に設けられた電磁クラッチ80によって制御している。
ここで、2方向クラッチ70においては、第1軸Sの軸端部に設けられた内輪71と第2軸Sの軸端部に設けられた外輪72の対向部間に係合子73およびその係合子73を保持する保持器74を組込み、上記内輪71と保持器74の相対回転により係合子73を内輪71の外周と外輪72の内周に係合させて、内輪71と外輪72の相互間で回転伝達を行うようにしている。
また、内輪71の端部に設けられた小径筒部71a上にスイッチばね75と、保持器74に対して回り止めされて上記スイッチばね75を抜止めするばね保持部材76を設け、上記内輪71と保持器74の相対回転時にスイッチばね75を弾性変形させ、その復元弾性により係合子73が内輪71の外周と外輪72の内周に対して係合解除された中立位置に保持器74を復帰回動させるようにしている。
一方、電磁クラッチ80においては、2方向クラッチ70における保持器74の軸方向一側に、上記ばね保持部材76が回り止めされ、かつ、スライド自在に連結されたアーマチュア81にロータ82を対向配置し、そのロータ82に対して電磁石83を対向配置して、上記電磁石83に対する通電によりロータ82にアーマチュア81を吸着し、ばね保持部材76、アーマチュア81、ロータ82およびロータガイド84を介して外輪72に連結された保持器74と内輪71の相対回転により、係合子73を係合位置に変位させるようにしている。
ここで、ばね保持部材76とアーマチュア81の連結に際し、ばね保持部材76の外周に設けられた係合爪77をアーマチュア81に形成された係合孔78にスライド自在に嵌合している。
上記回転伝達装置においては、第1軸Sおよび第2軸Sのいずれを入力軸としても使用することができる。
特開2003−90356号公報
ところで、上記従来の回転伝達装置において、例えば、第2軸Sを入力軸とする使用において、その第2軸Sの軸端部に設けられた外輪72が高速回転している状態で電磁クラッチ80の電磁石83に通電すると、外輪72と共に高速回転しているロータ82にアーマチュア81が急激に吸着されることになるため、アーマチュア81に形成された係合孔78とばね保持部材76の外周に設けられた係合爪77の回転係合部に衝撃荷重が作用して、係合爪77や係合孔78に変形が生じ、あるいは、損傷する可能性がある。
なお、第1軸Sを入力軸として使用する場合も上記と同様に、係合孔78と係合爪77の回転係合部に衝撃荷重が負荷されて、係合爪77や係合孔78が変形し、破損する可能性がある。
この発明の課題は、ロータにアーマチュアを吸着する2方向クラッチの係合状態への切換え時に、アーマチュアとばね保持部材の回転係合部に変形や損傷が生じるのを防止することができるようにした回転伝達装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、同軸上に配置された第1軸と第2軸とを結合および解除する2方向クラッチおよびその2方向クラッチの係合、解除を制御する電磁クラッチを有し、前記2方向クラッチが、前記第1軸の軸端部に設けられた内輪と前記第2軸の軸端部に設けられた外輪の対向部間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組み込み、前記内輪の前記電磁クラッチと対向する端部に形成された小径筒部上に、内輪と保持器の相対回転により弾性変形し、復元弾性により前記係合子が内輪の外周と外輪の内周に対して係合解除された中立位置に保持器を復帰回動させるスイッチばねと、前記保持器に対して回り止めされて前記スイッチばねを抜止めするばね保持部材を設けた構成とされ、前記電磁クラッチが、前記保持器と軸方向で対向するアーマチュアと、前記外輪に連結されてアーマチュアと軸方向で対向するロータと、そのロータと軸方向で対向し、通電によりアーマチュアをロータに吸着させる電磁石とからなり、前記ばね保持部材と前記アーマチュアの相互間に相対的な軸方向移動を可能とする状態で回り止めする回転係合部を設け、前記アーマチュアの吸着により保持器と内輪を相対回転させて係合子を係合位置に変位させる回転伝達装置において、前記ばね保持部材が、前記保持器に対して回り止めされたばね抜止め用の保持リングと、その保持リングと軸方向で対向し、前記回転係合部を介してアーマチュアに回り止めされた摩擦リングとからなり、その摩擦リングを弾性部材により前記保持リングに向けて付勢して弾性接触させた構成を採用したのである。
上記の構造からなる回転伝達装置において、第2軸が回転する状態において、電磁石に通電すると、第2軸と一体に回転するロータにアーマチュアが吸着されて、アーマチュアがロータと共に回転する。
このとき、アーマチュアと摩擦リングは回転係合部を介して回転方向に係合し、その摩擦リングに保持器に回り止めされた保持リングが弾性接触しているため、アーマチュアの回転により保持器も共に回転し、その保持器と内輪の相対回転により、係合子が内輪の外周および外輪の内周に係合し、2方向クラッチにより第2軸と第1軸が結合されて、第2軸の回転が第1軸に伝達される。
ここで、外輪が高速回転しているとき、電磁石に通電すると、外輪と共に高速回転しているロータにアーマチュアが急激に吸着され、アーマチュアに衝撃的な極めて大きな回転トルクが負荷される。その回転トルクが摩擦リングと保持リングの接触部に作用する摩擦力より大きい場合、摩擦リングが保持リングに対して相対回転する。その相対回転によって回転係合部に衝撃的な荷重が負荷されるのが防止され、上記回転係合部が変形し、損傷するのが防止される。
この発明に係る回転伝達装置において、アーマチュアと摩擦リングを相対的な軸方向移動を可能とする状態で回り止めする回転係合部として、アーマチュアに形成された係合孔と、摩擦リングの外周に形成されて上記係合孔内にスライド自在に挿入された係合爪とからなるものを採用することができる。
また、摩擦リングを保持リングに向けて押圧して弾性接触させる弾性部材として、ウェーブスプリングや、内周に複数の傾斜歯を有する皿形の歯付き座金、皿ばねを採用することができる。そのような弾性部材の採用により、コイルばねを用いる場合に比較して、組み込みに大きなスペースを確保する必要がなく、回転伝達装置の小型、コンパクト化を図ることができる。
上記弾性部材による保持リングと摩擦リングのスリップトルクがアーマチュアの吸着時におけるスリップトルクより大きくなると、保持リングと摩擦リングの接触部で滑りを生じさせることができなくなる。また、保持リングと摩擦リングのスリップトルクがスイッチばねから保持器に負荷される負荷トルクより小さい場合には、保持リングと摩擦リングの接触部で滑りが生じて内輪と保持器を相対回転させることができない。
このため、弾性部材による保持リングと摩擦リングのスリップトルクは、スイッチばねから保持器に負荷される負荷トルク以上でアーマチュアの吸着時におけるスリップトルク以下としておくようにする。
ここで、保持リングと摩擦リングは、ロータからアーマチュアに衝撃荷重が負荷された際に相対回転するため、表面硬化処理を施して硬度を高めておくのがよい。その表面硬化処理として、光輝焼入れ、浸炭焼入れ、軟窒化処理、硬化被膜処理を採用することができる。
この発明においては、上記のように、2方向クラッチの保持器に回り止めされてスイッチばねを抜止め保持する保持リングにアーマチュアに対して回り止めされて軸方向に移動可能に連結された摩擦リングを軸方向で対向し、その摩擦リングを弾性部材により保持リングに向けて押圧して弾性接触させるようにしたので、ロータに対するアーマチュアの吸着時、そのアーマチュアに衝撃荷重が負荷された際、摩擦リングと保持リングの接触部で滑りを生じさせることができる。その結果、摩擦リングとアーマチュアの回転係合部に衝撃荷重が負荷されることがなくなり、上記回転係合部の変形や損傷を防止することができる。
この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す縦断面図 図1の一部を拡大して示す断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV-IV線に沿った断面図 図2のV−V線に沿った断面図 ばね保持部材を形成する保持リング、摩擦リング、弾性部材を示す分解斜視図 弾性部材の他の例を示し、(I)は弾性部材の組込み状態を示す断面図、(II)は弾性部材を示す斜視図 弾性部材のさらに他の例を示す組み込み状態の断面図 従来の回転伝達装置を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る回転伝達装置の実施の形態を示す。図示のように、回転伝達装置は、第1軸Sと、その第1軸Sと同軸上に配置された第2軸Sと、第1軸Sから第2軸Sへの回転の伝達と遮断とを行なう2方向クラッチ10およびその2方向クラッチ10の係合、解除を制御する電磁クラッチ50とからなる。
第1軸Sは、筒状のハウジング1内に挿入され、そのハウジング1の一端開口部内に組み込まれた軸受2によって回転自在に支持されており、上記ハウジング1内に位置する端部上に2方向クラッチ10と、その2方向クラッチ10の一端側に電磁クラッチ50が設けられている。
図1乃至図3に示すように、2方向クラッチ10は、第2軸Sの軸端部に設けられた外輪11と、第1軸Sの軸端部に設けられて外輪11の内側に組み込まれた内輪12と、その内輪12と外輪11の対向部間に組み込まれた係合子としてのローラ13と、そのローラ13を保持する保持器14を有している。
外輪11は、第2軸Sの軸端部に一体化されている。その一体化に際し、ここでは、セレーション15による嵌合としているが、スプラインによる嵌合としてもよく、あるいは、第2軸Sに一体的に形成するようにしてもよい。
外輪11は、ハウジング1の他端開口部内に組み込まれた軸受16により回転自在に支持されて軸方向には非可動の支持とされている。
一方、内輪12は、第1軸Sに一体化されて第1軸Sと共に回転する。第1軸Sに対する内輪12の一体化に際し、ここでは、セレーション17による嵌合としているが、スプラインにより一体化してもよく、あるいは、キー止めしてもよい。
内輪12には、軸方向の両端部に小径筒部18a、18bが設けられ、第2軸Sと対向する他方の小径筒部18bが外輪11の内側に組み込まれた軸受19により外輪11に対して相対的に回転自在に支持されている。
内輪12の外周には、外輪11の内周に形成された円筒面20との間で周方向の両端が狭小となるくさび空間を形成する複数の平坦なカム面21が周方向に等間隔に形成され、各カム面21と円筒面20間にローラ13が組み込まれている。
保持器14には、第2軸Sと対向する他端部に内向きのフランジ22が設けられ、そのフランジ22が内輪12の他端の小径筒部18bに回転自在に嵌合されている。また、フランジ22は、内輪12の他端面と小径筒部18bの外周に取り付けた止め輪22aによって軸方向に位置決めされている。
また、保持器14には、内輪12のカム面21と径方向で対向する位置にポケット23が形成され、そのポケット23内にローラ13が収容されている。ローラ13は、内輪12に対して保持器14が相対回転した際、円筒面20およびカム面21に係合して、第1軸Sと第2軸Sの相互間で回転トルクを伝達する。
内輪12の一端の小径筒部18a上には、ローラ13が円筒面20およびカム面21と係合解除する中立位置に保持器14を弾性保持するスイッチばね24と、そのスイッチばね24が小径筒部18aの端部から抜け出るのを防止するばね保持部材30が設けられている。
図3に示すように、スイッチばね24は、周方向の一部に切り離し端を有するリング部24aの両端に一対の係合片24bを外向きに設けた構成とされている。スイッチばね24は、リング部24aが小径筒部18aの外径面上に嵌め合されて内輪12の一端面に形成された円形凹部25内に嵌合され、一対の係合片24bが上記円形凹部25の外周壁に形成された切欠部26から保持器14の一端部に形成された切欠き27内に挿入する組み込みとされている。
スイッチばね24の上記のような組み込みによって、一対の係合片24bが切欠部26および切欠き27の周方向で対向する両端部を相反する方向に向けて押圧する。その押圧によって保持器14はローラ13が円筒面20およびカム面21に対して係合解除する中立位置に弾性保持される。
図2および図4乃至図6に示すように、ばね保持部材30は、ばね抜止め用の保持リング31と、その保持リング31に対向配置された摩擦リング32とからなる。
保持リング31は、保持器14の一端部内に嵌合可能な大きさとされ、外周の対向位置には一対の回り止め片33が設けられている。また、保持リング31の一端面には円筒部34が設けられ、その円筒部34の外径面に周溝35が形成されている。
保持リング31は、内輪12の小径筒部18aおよび保持器14の一端部内に嵌合され、回り止め片33が保持器14の一端部に形成された切欠部36内に嵌合する組み込みとされ、上記回り止め片33と切欠部36の係合によって保持リング31が保持器14に対して回り止めされる。
また、保持リング31は、小径筒部18aの外径面に取り付けられた止め輪37により小径筒部18aの端部側への移動が阻止され、上記保持リング31によってスイッチばね24が円形凹部25から抜け出るのが防止される。
摩擦リング32は、保持リング31の円筒部34に嵌合され、周溝35に取り付けられた弾性部材38により保持リング31に向けて押圧されて、その保持リング31と弾性接触している。弾性部材38として、ここでは、ウェーブスプリングを採用している。
摩擦リング32は後述する回転係合部40によって電磁クラッチ50のアーマチュア51に対して回り止めされ、かつ、軸方向に移動可能な連結とされる。
図1に示すように、電磁クラッチ50は、2方向クラッチ10のばね保持部材30と軸方向で対向するアーマチュア51と、そのアーマチュア51と軸方向で対向するロータ52と、そのロータ52と軸方向で対向する電磁石53とを有している。
アーマチュア51は、2方向クラッチ10における内輪12の一端の小径筒部18aに嵌合されてスライド自在に支持されている。このアーマチュア51と前述の摩擦リング32の相互間に、軸方向に移動可能な状態で相対的に回り止めする回転係合部40が設けられている。
図2および図5に示すように、回転係合部40は、アーマチュア51の軸心を中心とする一つの円周状に複数の係合孔41を周方向に間隔をおいて形成し、摩擦リング32の外周には、上記複数の係合孔41のそれぞれに対応してL形の係合爪42を設け、その係合爪42のそれぞれを対応する係合孔41内にスライド自在に挿入している。
図1に示すように、ロータ52は、外筒部52aおよび内筒部52bを有し、その内筒部52bが第1軸Sの外径面上に組み込まれた軸受54によって回転自在に支持されている。また、ロータ52はロータガイド55を介して2方向クラッチ10の外輪11に連結され、外輪11と一体に回転する。
ここで、外輪11とロータガイド55の連結は、外輪11の外径面に突起56を設け、その突起56をロータガイド55の他端面で開口する切欠部57に嵌合し、ロータガイド55の外径面に取り付けた止め輪58で突起56の抜止めとしている。
一方、ロータ52とロータガイド55の連結は、ロータガイド55の一端部内に嵌合された外筒部52aの一端部外径面に突起59を設け、その突起59をロータガイド55の一端面で開口する切欠部60に嵌合し、上記ロータガイド55の一端部内径面に取り付けた止め輪61で突起59を抜止めしている。
図2に示すように、ロータ52とアーマチュア51の対向部間には弾性部材62が組み込まれ、その弾性部材62によってアーマチュア51はロータ52から離反する方向に向けて付勢されている。
電磁石53は、電磁コイル53aおよびその電磁コイル53aを支持するコア53bを有する。コア53bはブラケット63を介してハウジング1に支持されている。
実施の形態で示す回転伝達装置は上記の構造からなり、図1は、電磁クラッチ50における電磁コイル53への通電の遮断状態を示し、2方向クラッチ10におけるローラ13は、図3に示すように、外輪11の円筒面20および内輪12のカム面21に対して係合解除する中立位置に保持され、2方向クラッチ10は係合解除の状態にある。
ここで、回転伝達装置は、図1に示す第1軸Sと第2軸Sのいずれを入力軸として使用してもよい。仮に、第2軸Sを入力軸として使用する場合において、2方向クラッチ10が係合解除とされる状態で第2軸Sが回転すると、その回転はロータガイド55を介してロータ52に伝達され、ロータ52が回転する。このとき、2方向クラッチ10は係合解除状態にあるため、第1軸Sに回転が伝達されず、第2軸S、ロータガイド55およびロータ52が一体となってフリー回転する。
第2軸Sのフリー回転状態において、図1に示す電磁クラッチ50の電磁コイル53aに通電すると、アーマチュア51がロータ52に吸着され、アーマチュア51が回転する。
このとき、アーマチュア51と摩擦リング32は図2に示す係合孔41と係合爪42からなる回転係合部40を介して回転方向に係合しているため、アーマチュア51の回転により摩擦リング32も共に回転する。
実施の形態で示す回転伝達装置においては、図2に示す弾性部材38による保持リング31と摩擦リング32のスリップトルクが、スイッチばね24から保持器14に負荷される負荷トルク以上でアーマチュア51の吸着時におけるスリップトルク以下となるように設定されている。このため、摩擦リング32が回転すると、その回転は保持リング31に伝達される。
上記保持リング31は、回り止め片33と切欠部36の係合によって保持器14に回り止めされているため、摩擦リング32の回転は保持器14に伝達され、保持器14が内輪12に対して相対回転する。
保持器14と内輪12の相対回転により、図3に示すローラ13が外輪11の円筒面20および内輪12のカム面21に係合し、2方向クラッチ10は係合状態となり、外輪11の回転が内輪12に伝達されて、第1軸Sが回転する。
ここで、外輪11が高速度で回転する状態で電磁コイル53aに通電し、ロータ52にアーマチュア51を吸着すると、アーマチュア51に衝撃的な回転トルクが負荷され、係合孔41と係合爪42からなる回転係合部40を介して摩擦リング32に回転トルクが負荷されることになる。
このとき、弾性部材38による保持リング31と摩擦リング32のスリップトルクは、スイッチばね24から保持器14に負荷される負荷トルク以上でアーマチュア51の吸着時におけるスリップトルク以下となるように設定されているため、保持リング31と摩擦リング32の弾性接触部で滑りが生じ、その滑りによって衝撃力が吸収される。
このため、係合孔41と係合爪42の回転係合部40に大きな衝撃力が負荷されるようなことがなく、回転係合部40で変形や損傷を生じるという不都合の発生はない。
保持リング31と摩擦リング32のスリップトルクが弾性部材38の押圧によるスリップトルク以下になると、摩擦リング32が保持リング31と共に回転し、その回転が前記と同様に、保持器14に伝達され、上記保持器14と内輪12の相対回転によりローラ13が外輪11の円筒面20および内輪12のカム面21に係合し、2方向クラッチ10は係合状態となる。
ここで、保持器14と内輪12が相対回転した際、図3に示す切欠部26と切欠き27が周方向に位置がずれ、スイッチばね24のリング部24aが弾性変形して縮径する。
このため、図1に示す電磁コイル53aに対する通電を解除すると、スイッチばね24の復元弾性により保持器14が復帰回動し、ローラ13が係合解除する中立位置に戻され、2方向クラッチ10が係合解除する。その係合解除によって第2軸Sから第1軸Sへの回転トルクの伝達が遮断される。
なお、図1に示す第1軸Sを入力軸として使用する場合、第1軸Sの回転により内輪12も共に回転し、その内輪12の回転はスイッチばね24を介して保持器14に伝達され、保持器14およびローラ13が共に回転する。
第1軸Sの回転状態において、電磁コイル53aに通電すると、ロータ52にアーマチュア51が吸着され、ばね保持部材30、アーマチュア51、ロータ52およびロータガイド55を介して保持器14が外輪11に結合され、内輪12と保持器14が相対回転する。その相対回転により、ローラ13が外輪11の円筒面20および内輪12のカム面21に係合し、2方向クラッチ10が係合状態となり、第1軸Sの回転が第2軸Sに伝達される。
また、保持器14が高速回転している状態で電磁コイル53aに通電し、アーマチュア51をロータ52によって吸着すると、保持器14から保持リング31に衝撃的な回転トルクが伝達されることになる。このとき、保持リング31と摩擦ング32の弾性接触部で滑りが生じ、係合孔41と係合爪42の回転係合部40に衝撃荷重が負荷されるのが防止される。
したがって、第1軸Sが入力軸としての使用においても、回転係合部40に衝撃荷重が負荷されることがなく、回転係合部40での変形や損傷が防止される。
ここで、保持リング31と摩擦リング32は、ロータ52からアーマチュア51に極めて大きな回転トルクが負荷されると相対回転するため、接触部で摩耗が生じ易い。その摩耗を防止するため、実施の形態では、保持リング31と摩擦リング32のそれぞれを表面硬化処理を施して硬度を高めるようにしている。表面硬化処理として、光輝焼入れや浸炭焼入れ等の焼入れ処理、軟窒化処理、硬化被膜処理を採用することができる。
図2および図6では、摩擦リング32を保持リング31に向けて押圧して弾性接触させる弾性部材38として巻き数を1巻きとするウェーブスプリングを採用したが、巻き数を2巻き以上とするウェーブスプリングであってもよい。また、弾性部材38はウェーブスプリングに限定されるものではない。
図7および図8は弾性部材38の他の例を示す。図7(I)、(II)に示す例においては、内周に複数の傾斜歯44を有する皿形の歯付き座金43を弾性部材38として採用している。
一方、図8においては、皿ばね45を弾性部材38として採用している。この場合、周溝35に止め輪46を取り付けて皿ばね45を抜止め保持する。図6に示すウェーブワッシャや図7に示す歯付き座金43あるいは図8に示す皿ばね45を弾性部材38として採用することにより、コイルばねを弾性部材として採用する場合に比較して、組み込みに大きなスペースを確保する必要がなく、回転伝達装置の小型、コンパクト化を図ることができる。
実施の形態においては、2方向クラッチ10として、ローラ13を係合子とするローラタイプのものを示したが、2方向クラッチ10はこれに限定されない。例えば、スプラグを係合子とするスプラグタイプのものであってもよい。
第1軸
第2軸
10 2方向クラッチ
11 外輪
12 内輪
13 ローラ(係合子)
14 保持器
24 スイッチばね
30 ばね保持部材
31 保持リング
32 摩擦リング
38 弾性部材
40 回転係合部
41 係合孔
42 係合爪
50 電磁クラッチ
51 アーマチュア
52 ロータ
53 電磁石

Claims (6)

  1. 同軸上に配置された第1軸(S)と第2軸(S)とを結合および解除する2方向クラッチ(10)およびその2方向クラッチ(10)の係合、解除を制御する電磁クラッチ(50)を有し、前記2方向クラッチ(10)が、前記第1軸(S)の軸端部に設けられた内輪(12)と前記第2軸(S)の軸端部に設けられた外輪(11)の対向部間に係合子(13)と、その係合子(13)を保持する保持器(14)を組み込み、前記内輪(12)の前記電磁クラッチ(50)と対向する端部に形成された小径筒部(18a)上に、内輪(12)と保持器(14)の相対回転により弾性変形し、復元弾性により前記係合子(13)が内輪(12)の外周と外輪(11)の内周に対して係合解除された中立位置に保持器(14)を復帰回動させるスイッチばね(24)と、前記保持器(14)に対して回り止めされて前記スイッチばね(24)を抜止めするばね保持部材(30)を設けた構成とされ、前記電磁クラッチ(50)が、前記保持器(14)と軸方向で対向するアーマチュア(51)と、前記外輪(11)に連結されてアーマチュア(51)と軸方向で対向するロータ(52)と、そのロータ(52)と軸方向で対向し、通電によりアーマチュア(51)をロータ(52)に吸着させる電磁石(53)とからなり、前記ばね保持部材(30)と前記アーマチュア(51)の相互間に相対的な軸方向移動を可能とする状態で回り止めする回転係合部(40)を設け、前記アーマチュア(51)の吸着により保持器(14)と内輪(12)を相対回転させて係合子(13)を係合位置に変位させる回転伝達装置において、
    前記ばね保持部材(30)が、前記保持器(14)に対して回り止めされたばね抜止め用の保持リング(31)と、その保持リング(31)と軸方向で対向し、前記回転係合部(40)を介してアーマチュア(51)に回り止めされた摩擦リング(32)とからなり、その摩擦リング(32)を弾性部材(38)により前記保持リング(31)に向けて付勢して弾性接触させたことを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記回転係合部(40)が、前記アーマチュア(51)に形成された係合孔(41)と、前記摩擦リング(32)の外周に形成されて前記係合孔(41)内にスライド自在に挿入された係合爪(42)とからなる請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記弾性部材(38)が、ウェーブスプリング、内周に傾斜歯を有する皿形の歯付き座金、皿ばねの一種からなる請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記弾性部材(38)による保持リング(31)と摩擦リング(32)のスリップトルクが、前記スイッチばね(24)から保持器(14)に負荷される負荷トルク以上で前記アーマチュア(51)の吸着時におけるスリップトルク以下とされた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  5. 前記保持リング(31)および摩擦リング(32)に表面硬化処理を施した請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回転伝達装置。
  6. 前記表面硬化処理が、光輝焼入れ、浸炭焼入れ、軟窒化処理、硬化被膜処理の一種からなる請求項5に記載の回転伝達装置。
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