JP2016166536A - 回転機械 - Google Patents

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【課題】スラスト磁気軸受を用いた回転機械において、圧縮機の圧縮効率や膨張タービンのタービン効率を低下せずにスラスト荷重を低減した技術を提供する。
【解決手段】本発明に係る回転機械は、回転軸5に取り付けられてガスを圧縮又は膨張する圧縮機インペラ7又はタービンインペラ11と、スラスト円板16と電磁石17及び電磁石18を有し、回転軸5を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受15と、をケーシング3内に収容してなる回転機械1であって、スラスト円板15の外周面とケーシング3の内面の隙間を非接触状態でシールするシール部21と、シール部21によって区画された空間のうちスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部23を設けたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スラスト磁気軸受を用いた回転機械に関する。
一般に、スラスト磁気軸受を用いて回転軸を支持した回転機械においては回転軸の軸方向にスラスト荷重が作用し(以下、スラスト荷重が作用する方向をスラスト方向という)、スラスト磁気軸受は回転軸のスラスト方向の位置をセンサで検知し、回転軸に取り付けられたスラスト円板の両側に対向配置された1対のスラスト磁気軸受の電磁石に流れる電流を制御してスラスト荷重を電磁石で支持することで、回転軸のスラスト円板の位置が一定の位置に保持される。
例えば、回転機械の作動時において回転軸の右向きにスラスト荷重が作用する場合、スラスト円板の左側に配置された電磁石に流れる電流を大きく及び/又はスラスト円板の右側に配置された電磁石に流れる電流を小さくすることによって、回転軸の左側にスラスト円板を引きつける磁力を増加してスラスト荷重を支持するように、スラスト磁気軸受の制御回路が組まれている。
したがって、回転機械の作動時にスラスト荷重が作用しても、スラスト磁気軸受のスラスト円板はほぼ一定の位置に保持される。しかしながら、高い雰囲気圧力下で運転されるターボ圧縮機や膨張タービンといった回転機械では大きなスラスト荷重が作用する場合があり、スラスト磁気軸受で支持できる許容スラスト荷重を超えてしまうとスラスト円板の位置を保持できず、スラスト磁気軸受が損傷して回転機械を運転できなくなることがあった。
従来より、スラスト荷重を軽減する技術として、図9に示すようにインぺラの羽根103同士の間の円盤部105を削り落とし、インペラ背面の受圧面積を小さくすることでインぺラに作用するスラスト荷重を軽減するスキャロップインペラ101や、図10(a)に示すようにインぺラ111の正面と背面とを連通する小さな穴を複数設けることでインペラ111に作用するスラスト荷重を軽減するバランスホール117が知られている。例えば、特許文献1には、バランスホールによるスラスト荷重を軽減する技術が記載されている。
特開2003−307193号公報
しかしながら、上記のスキャロップインぺラ101やバランスホール117によるスラスト荷重軽減技術では、インぺラのサイズによって軽減できるスラスト荷重に限度があり、大きなスラスト荷重が作用する場合は、これらの技術を適用することはできない。
また、スキャロップインぺラ101のように羽根103同士の間の円盤部を削り落としたり、インペラにバランスホール117を設けるたりすることによってインぺラの性能が低下し、圧縮機の圧縮効率や膨張タービンのタービン効率が大きく低下するという問題がある。
大きなスラスト荷重が作用する場合、インペラの性能を低下させない他の従来技術としては、図10(b)に示すような、インペラ121の背面側にバランスピストンと呼ばれる円盤127(以下、円盤と呼ぶ)を設け、円盤127の両側に作用する圧力差を用いてスラスト荷重を軽減させる技術がある(藤本武助著、「新編 流体機械大要」、p.71、養賢堂)。この技術においては、円盤127がスラスト荷重を受けて右方向へ移動すると円盤127の外周側面に設けたシール部129のすきまが大きくなり、円盤129の左側の高圧流体がシール部129を流れて円盤127の右側に移動し、円盤127の両側の圧力差は小さくなる。そして、円板127両側の圧力差が小さくなることにより、左方向、すなわちインぺラ121側へのスラスト荷重が大きくなって円盤127が回転軸125に沿って左へ移動する。その結果、シール部129のすきまが小さくなって、円盤127の両側の圧力差は大きくなり、スラスト荷重が軽減されるとともに、シール部129のすきまは一定となるように工夫されている。
したがって、バランスピストンを用いた技術においては、円板両側の隙間間隔を調節するために、円盤が左右に移動することになる。前述したように、スラスト磁気軸受ではスラスト円板、すなわち回転軸をスラスト方向の一定の位置に保持するように制御されて移動しないため、スラスト磁気軸受を利用した回転機械に上記の従来技術を適用することは困難であった。
スラスト磁気軸受を利用した従来の回転機械に生じるスラスト荷重を図11を用いて説明する。図11に示す冷凍機91は、回転軸95の一端側にガス圧縮用の圧縮機インペラ7と、回転軸95の他端側にガス膨張用のタービンインペラ11と、スラスト円板16と電磁石17及び電磁石18を備えて回転軸95を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受15と、回転軸95を非接触状態で半径方向に支持するラジアル磁気軸受19とをケーシング3内に収容してなるものである。
なお、図11は模式図であり、ケーシング3の中央に配置されるモーター等は図示が省略されている。
図11の形態に係る冷凍機91の動作態様を以下に説明する。
圧縮機インペラ7を一端側に、タービンインペラ11を他端側に取り付けた回転軸95は、スラスト円板16の両側に配置した電磁石17及び電磁石18に所定の電流を流してスラスト円板16を吸引することにより軸方向に対して非接触状態で支持され、さらに、ラジアル磁気軸受19により半径方向に対して非接触状態で支持される。
回転軸5をモーター(図示なし)によって回転させると、圧縮機吸入口8からガスが吸入され、ガスは圧縮機インペラ7の回転によって圧縮されて圧縮機吐出口9から吐出される。
吐出されたガスは流路27内を流通し、冷却器28で冷却された後にタービン吸入口12に吸入される。吸入されたガスはタービンインペラ11を回転させながら膨張し、タービン吐出口13から吐出される。そして、吐出されたガスは流路(図なし)を流通し、再び圧縮機吸入口8へと還流する。
すなわち、ガスは圧縮、冷却及び膨張といった一連の工程を行う冷凍機91における冷媒であって、これらの一連の工程においてガス温度は低下する。
圧縮機吸入口8から吸入されたガスはその一部が圧縮機インペラ7とケーシング3との隙間から、ケーシング3内の空間に流入する。当該空間の圧力Pc2は圧縮機吐出口9におけるガス圧力とほぼ等しくなる。そのため、圧縮機インペラ7の圧縮機吸入口8側と背面側とで圧力差(Pc2-Pc1)が生じ、該圧力差により圧縮機インペラ7においては背面側から圧縮機吸入口8側に向かって荷重Fcが作用する。
タービンインペラ11においても同様に、タービン吸入口12から吸入されたガスはその一部がタービンインペラ11とケーシング3との隙間から、ケーシング3内のシール部25とタービンインペラ11で区画された空間に流入する。当該空間の圧力Pt2はタービン吸入口12におけるガス圧力とほぼ等しくなるので、タービンインペラ11の背面側とタービン吐出口13側とで圧力差(Pt2-Pt1)が生じ、該圧力差によってタービンインペラ11においては背面側からタービン吐出口13側に向かって荷重Ftが作用する。
ここで、スラスト円板16とケーシング3との間にはシール部が存在しないので、スラスト円板16の圧縮機インペラ7側圧力Pcbとスラスト円板16のタービンインペラ11側圧力Ptbは同一となる。従って、スラスト円板16に対しては、特定方向にスラスト荷重は作用しない。
ここで、圧縮機インペラ7の背面側から圧縮機吸入口8側に向かう荷重Fcの方がタービンインペラ11の背面側からタービン吐出口13側に向かう荷重Ftよりも大きい場合、スラスト円板16の右側から左側に向かう方向にスラスト荷重(=Fc-Ft)が発生する。
該スラスト荷重をスラスト磁気軸受15によって支持するためには、スラスト円板16の右側に配置された電磁石18に流れる電流を大きくしてスラスト円板16を電磁石18に吸引する吸引力を大きくし、スラスト円板16を一定位置に保つ位置制御が必要であった。
しかしながら、電磁石18に流す電流がある値以上になると電磁石18の磁束は飽和してしまい、電流をさらに大きくしても電磁石18による吸引力を増加させることができなくなる。そのため、過大なスラスト荷重が作用する場合には、スラスト円板16を一定位置に制御することができなくなり、スラスト磁気軸受15によってスラスト荷重を支持することができなくなった。
本発明はスラスト磁気軸受を用いた回転機械において、圧縮機の圧縮効率や膨張タービンのタービン効率を低下させることなく、スラスト荷重を低減できる技術を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る回転機械は、回転軸に取り付けられてガスを圧縮又は膨張するインペラと、スラスト円板及び電磁石を有し、前記回転軸を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受と、をケーシング内に収容してなる回転機械であって、前記スラスト円板の外周面と前記ケーシングの内面の隙間を非接触状態でシールするシール部と、該シール部によって区画された空間のうちスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部を設けたことを特徴とするものである。
(2)上記(1)のものにおいて、前記スラスト磁気軸受の電磁石に流れる電流値に基づいて、前記ガス排出部から排出するガス量を調整するガス排出量調整手段を設けたことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記ガス排出部から排出されたガスを前記インペラの吸入側に還流する還流流路を備えたことを特徴とするものである。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記回転機械は、前記回転軸の一端側にガス圧縮用のインペラを有し、前記回転軸の他端側にガス膨張用のインペラを有し、ガスの圧縮と膨張を行うことでガスを冷却する冷凍機であることを特徴とするものである。
(5)上記(3)に記載のものにおいて、前記回転機械は、前記回転軸の一端側にガス圧縮用のインペラを有し、前記回転軸の他端側にガス膨張用のインペラを有し、ガスの圧縮と膨張を行うことでガスを冷却する冷凍機であって、前記還流流路に設けられて該還流流路を冷却する冷却器を備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、回転軸に取り付けられてガスを圧縮又は膨張するインペラと、スラスト円板及び電磁石を有し、前記回転軸を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受と、をケーシング内に収容してなる回転機械であって、前記スラスト円板の外周面と前記ケーシングの内面の隙間を非接触状態でシールするシール部と、該シール部によって区画された空間のうちスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部を設けたことにより、スラスト磁気軸受を用いた回転機械においてスラスト荷重を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る回転機械の模式的な系統図である。 本発明に係るシール部の構造を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る回転機械である単段圧縮機の模式的な系統図である。 本発明の実施の形態2に係る回転機械である多段圧縮機の模式的な系統図である。 本発明の実施の形態3に係る回転機械である単段膨張機の模式的な系統図である。 本発明の実施の形態3に係る回転機械である多段圧縮機の模式的な系統図である。 本発明の実施例に係る冷凍機の模式的な系統図である。 本発明の比較例に係る冷凍機の模式的な系統図である。 従来のインペラ形状を示す図である。 従来のスラスト荷重低減方法を説明する図であって、インペラ及びその近傍の断面形状を示す図である。 従来の冷凍機の模式的な系統図である。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る回転機械について、図1に示す冷凍機1を例として以下に説明する。
図1に示す冷凍機1は、回転軸5の一端側にガス圧縮用の圧縮機インペラ7と、回転軸5の他端側にガス膨張用のタービンインペラ11と、スラスト円板16と電磁石17及び電磁石18を備えて回転軸5を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受15と、回転軸5を非接触状態で回転方向に支持するラジアル磁気軸受19とをケーシング3内に収容してなるものであって、スラスト円板16の外周面とケーシング3の内面の隙間にシール部21を設けると共に、シール部21によって区画された空間のうちスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部23を設けたことを特徴とするものである。
なお、図1は模式図であり、ケーシング3の中央に配置されるモーター等は図示が省略されている。
本実施の形態に係る冷凍機1の動作態様を以下に説明する。
圧縮機インペラ7を一端側に、タービンインペラ11を他端側に取り付けた回転軸5は、スラスト円板16の両側に配置した電磁石17及び電磁石18に所定の電流を流してスラスト円板16を吸引することにより軸方向に対して非接触状態で支持され、さらに、ラジアル磁気軸受19により半径方向に対して非接触状態で支持される。
回転軸5をモーター(図示なし)によって回転させると、圧縮機吸入口8からガスが吸入され、ガスは圧縮機インペラ7の回転によって圧縮されて圧縮機吐出口9から吐出される。
吐出されたガスは流路27内を流通し、冷却器28で冷却された後にタービン吸入口12に吸入される。吸入されたガスはタービンインペラ11を回転させながら膨張し、タービン吐出口13から吐出される。そして、吐出されたガスは流路29を流通し、再び圧縮機吸入口8へと還流する。
すなわち、ガスは圧縮、冷却及び膨張といった一連の工程を行う冷凍機1における冷媒であって、これらの一連の工程においてガス温度は低下する。
冷凍機1の動作時において、回転軸方向に発生したスラスト荷重を低減できる要因を以下に説明する。
圧縮機吸入口8から吸入されたガスはその一部が圧縮機インペラ7とケーシング3との隙間から、ケーシング3内のスラスト円板16外周面シール部21で区画された圧縮機インペラ7側の空間に流入する。当該空間の圧力は圧縮機吐出口9におけるガス圧力とほぼ等しくなるので、圧縮機インペラ7の圧縮機吸入口8側と背面側とで圧力差が生じ、該圧力差により圧縮機インペラ7においては背面側から圧縮機吸入口8側に向かって荷重が作用する。
タービンインペラ11においても同様に、タービン吸入口12から吸入されたガスはその一部がタービンインペラ11とケーシング3との隙間から、ケーシング3内のシール部25とタービンインペラ11で区画された空間に流入する。当該空間の圧力はタービン吸入口12におけるガス圧力とほぼ等しくなるので、タービンインペラ11の背面側とタービン吐出口13側とで圧力差が生じ、該圧力差によってタービンインペラ11においては背面側からタービン吐出口13側に向かって荷重が作用する。
冷凍機1としては、前述した圧縮機インペラ7に作用する荷重とタービンインペラ11において作用する荷重が相殺し、その差分にあたる荷重をスラスト磁気軸受15で制御する必要がある。その荷重の大きさと方向は運転条件によるが、以下では、タービンインペラ11側から圧縮機インペラ7側に荷重が作用する場合を例に説明する。
そこで本実施の形態に係る冷凍機1においては、スラスト円板16の外周面シール部21によって区画されたケーシング3内の空間のうち、スラスト方向と反対側となる空間のガスをガス排出部23から排出することで冷凍機1の動作時に発生するスラスト荷重を低減する。ガス排出部23からガスを排出することでスラスト荷重が低減する理由は以下のとおりである。
まず、ガス排出部23からガスを排出することによって、ケーシング3内で区画された空間のうち、スラスト方向とは反対側の空間(図1中においてスラスト円板16とシール部25で囲まれた空間)の圧力が低下する。このとき、スラスト方向側の空間(図1中においてスラスト円板16左側の空間)はシール部21によってシールされているため、当該空間の圧力は圧縮機インペラ7で圧縮されたガスの圧力とほぼ等しいままに保たれる。又、スラスト方向と反対側の空間(図1中においてスラスト円板16右側の空間)はシール部21とシール部25によってシールされているため、当該空間圧力を低くすると共に、タービンインペラ11吸入口12の圧力を所定の圧力に保つことができる。
前述の通り、冷凍機1全体としては圧縮機インペラ7側に向かう方向にスラスト荷重が作用しているが、スラスト円板16の圧縮機インペラ7側(図1中において左側)を高くし、とタービンインペラ11側(図1中において右側)を低くすると、該圧力差によってスラスト方向と反対向きの荷重が発生する。その結果、冷凍機1に作用するスラスト荷重をスラスト円板16に作用する荷重で相殺することができる。
なお、スラスト円板16の外周面とケーシング3の内面との隙間をシールするシール部21、さらに、回転軸5とケーシング3の内面との隙間をシールするシール部25に関しては、図2に示すような形状のラビリングシール39が好ましい。シール部21について具体的に記載すると、スラスト円板16の外周面に溝を形成したもの(図2(a))、ケーシング3の内面に突起を形成したもの(図2(b))、又は、スラスト円板16の外周面に形成した溝とケーシング3の内面に形成した突起とが互いに接触しないように嵌め合わせたもの(図2(c))などがある。
上記形状のラビリンスシール39は非接触状態で前記隙間をシールするために、冷凍機1の動作時にガス排出部23からガスを排出させない場合、ラビリンスシール39とスラスト円板16で区画されたケーシング3内の空間に圧力差は生じず、冷凍機1全体に作用するスラスト荷重を低減することができない。
しかし、ガス排出部23からガスを排出することで、ケーシング3内においてスラスト円板16を挟んでスラスト方向とは反対方向に圧力が低減する圧力差を設けることが可能となり、冷凍機1に発生するスラスト荷重を低減することが可能となる。
ガス排出部23によってガスを排出することでケーシング3内のスラスト円板16を挟んで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、ガス排出部23からのガス排出量を調整するガス排出量調整手段を設置することが望ましい。
ガス排出量調整手段の一例としては、ガス排出部23からガスを排出するガス排出流路31に設けた調整弁35と、スラスト円板16の両側に設置された電磁石17及び電磁石18に流れる電流差を検知し、該電流差が予め定めた所定の範囲内に収まるように調整弁35の開度を制御する電流制御部37から成るものが挙げられる。
又は、ガス排出部23からガスを排出する際のガス圧力を測定する圧力センサと、測定したガス圧力に基づいて電磁石17及び/又は電磁石18に流れる電流を制御する電流制御部から成るものでも良い。
スラスト円板16の外周面シール部21とシール部25によって区画されたケーシング3内の空間の圧力を低下させるためにガス排出部23から排出されたガスは、排出流路31に接続して流路29に連結する還流流路32に設けた冷却器33を介して冷却された後、再度、圧縮機吸入口8に戻しても良い。
本実施の形態1に係る冷凍機1は、閉ループでガスを循環してガスの温度を極低温まで低下させることが可能であるが、区画されたケーシング3内の空間から排出されたガスを冷却して圧縮機吸入口8に還流することによって、作動流体であるガスを損失することなく冷凍機1を運転することができる。
ガス排出部23により排出されるガスは、冷凍機1を循環するガスの数%程度であるため、ガスを排出することによる圧縮効率の低下はわずかである。また、数%程度のガスをケーシング3内から排出することにより、スラスト荷重を十分に低減することができる圧力差をスラスト円板の前後に設けることができる。
本実施の形態1では、ガスを圧縮する圧縮機インペラ7と圧縮したガスを膨張させる膨張タービン11とを一つの回転軸で連結した冷凍機1を例として、スラスト荷重を低減した回転機械を説明したが、以下の実施の形態で述べるように、圧縮機のみまたは膨張タービンのみの回転機械であっても本実施の形態1と同様の原理でスラスト荷重を低減することができる。
[実施の形態2]
本発明の実施形態2に係る回転機械について、図3に示す単段圧縮機41を例として以下に説明する。なお、図3において、図1と同一又は相当部分には同一の符号を付してある。
図3に示す単段圧縮機41は、回転軸5に取り付けられてガスを圧縮する圧縮機インペラ7と、スラスト円板16と電磁石17及び電磁石18を有し、回転軸5を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受15とをケーシング43内に収容してなる単段圧縮機41であって、スラスト円板16の外周面とケーシング43の内面の隙間を非接触状態でシールするシール部21と、シール部21によって区画されたスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部23を設けたことを特徴とするものである。
本実施の形態2において、単段圧縮機41の動作時に発生するスラスト荷重を低減する原理は実施の形態1と同様であり、以下、概略を述べる。
圧縮機インペラ7が取り付けられた回転軸5は、スラスト円板16の両側に配置した電磁石17及び電磁石18に所定の電流を流してスラスト円板16を吸引することによって非接触状態で軸方向に支持する。
回転軸5をモーター45によって回転させると、単段圧縮機41の圧縮機吸入口8から吸入したガスが圧縮され、圧縮機吐出口9から高圧のガスが吐出される。このとき、圧縮機インペラ7とケーシング43との隙間を通ってケーシング43内にガスの一部が流入する。ケーシング43と回転軸5の隙間はシール部25によってシールされているため、ケーシング43内の圧力は圧縮機吐出口9の圧力とほぼ等しくなる。
その結果、圧縮機吸入口8側と背面側とで圧力差が生じ、該圧力差により圧縮機インペラ7の背面側から圧縮機吸入口8側に向かってスラスト荷重が発生する。
該スラスト荷重は、図3においては、スラスト円板16に対してスラスト方向とは反対側の電磁石18に流す電流を大きくして吸引力を増加することによって支持することができる。
しかしながら、電流がある値以上になると電磁石18の磁束は飽和してしまい、電磁石18による吸引力をさらに大きくすることができなくなる。そのため、圧縮機インペラ7によって圧縮されたガスによりケーシング43内の圧力が高くなり過ぎてスラスト荷重が大きくなり過ぎる場合には、スラスト磁気軸受15によってスラスト荷重を支持することができなくなる。
そこで本実施の形態2に係る単段圧縮機41においては、実施の形態1と同様に、スラスト円板16の外周面シール部21によって区画されたケーシング43内の空間のうち、スラスト方向と反対側となる空間のガスをガス排出部23から排出し、スラスト円板16の圧縮機インペラ7側の空間(図3中において左側)と反対側の空間(図3中において右側)との間に圧力差を設け、該圧力差によってスラスト荷重を低減する。
実施の形態1と同様に、ガス排出部23によってガスを排出することでケーシング3内のスラスト円板16を挟んで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、ガス排出部23からのガス排出量を調整するガス排出量調整手段を設置することが望ましい。
ガス排出部23によってガスを排出することでケーシング43内のスラスト円板16を挟んで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、実施の形態1と同様、ガス排出部23からガスを排出するガス排出流路31に設けた調整弁35と、電磁石17及び電磁石18に流れる電流差に基づいて調整弁35の開度を調整する電流制御部37から成るものがある。
上記の説明は、一枚の圧縮機インペラ7によりガスを圧縮する単段圧縮機41を対象としたものであるが、図4に示すような、複数の圧縮機インペラ7a〜7cから構成される多段圧縮機51においても、スラスト荷重を低減することが可能である。
一例として、図4に示す多段圧縮機51においてスラスト荷重を低減する原理を説明する。なお、図4において、図1又は図3と同一又は相当部分には同一の符号を付し、多段圧縮機51の1段目、2段目、3段目には添え字a、b、cをそれぞれ付してある。
多段圧縮機51は、モーター45に接続された一つの回転軸5によって3枚の圧縮機インペラ7a、7b及び7cが同期して回転することで吸入したガスを圧縮するものであって、1段目の圧縮機インペラ7aの圧縮機吐出口9aと2段目の圧縮機インペラ7bの圧縮機吸入口8bとは流路57aにより接続され、2段目の圧縮機吐出口9bと3段目の圧縮機吸入口8cとは流路57bによって接続されている。
1段目の圧縮機吸入口8aから吸入されたガスは圧縮機インペラ7aの回転によって圧縮されて圧縮機吐出口9aから流出する。
流出したガスは、流路57a内を流通し、第1冷却器59aで冷却された後に、2段目の圧縮機吸入口8bに流入する。
そして、2段目の圧縮機インペラ7bの回転によってさらに高圧に圧縮されたガスは圧縮機吐出口9bから流出する。
流出したガスは、流路57b内を流通し、第2冷却器59bで冷却された後、3段目の圧縮機吸入口8cに流入する。そして、3段目の圧縮機インペラ7cによりガスはさらに高圧まで圧縮され、吐出口9cから流出する。流出したガスは、流路57c内を流通し、第3冷却器59cで冷却された後、吐出される。
多段圧縮機51の動作時に発生するスラスト荷重は、1段目のスラスト軸受15aと2段目のスラスト軸受15bによって支持される。
そして、前述した単段圧縮機41と同様、多段圧縮機51に発生したスラスト荷重は、1段目のケーシング53a及び/又は2段目のケーシング53bの内部に流入したガスをガス排出部23a及び/又はガス排出部23bから排出し、スラスト円板16a及び/又はスラスト円板16bを挟んでスラスト方向とは逆方向に圧力差を設けることによって低減することができる。
実施の形態1と同様に、1段目においては調整弁35aと電流制御部37aから、そして、2段目において調整弁35bと電流制御部37bから成るガス排出量調整手段を設け、1段目及び/又は2段目のケーシング内のうち、スラスト円板を挟んでスラスト方向とは反対側の空間からガスを排出することが望ましい。
1段目の圧縮機を例として、ガス排出量調整手段の動作態様を説明すると、スラスト円板16aの両側に設置された電磁石17a及び電磁石18aに流れる電流差を検知し、電流制御部37aによって該電流差が小さくなるように調整弁35aの開度を制御する。
ガス排出量調整手段の他の構成としては、ガス排出部23a及び/又はガス排出部23bからのガス排出の際にガス圧力を測定する圧力センサと、該ガス圧力に基づいてスラスト磁気軸受の電磁石に流れる電流を制御する電流制御部を設けても良い。
さらに、スラスト円板とシール部によって区画されたケーシング内の空間の圧力を低下させるためにガス排出部から排出されたガスは、冷却器を介して冷却された後に、再度、圧縮機インペラの吸入口へと還流流路により還流しても良い。
[実施の形態3]
本発明の実施形態3に係る回転機械について、図5に示す単段膨張タービン61を例として以下に説明する。なお、図5において、図1と同一又は相当部分には同一の符号を付してある。
図5に示す単段膨張タービン61は、回転軸5に取り付けられてガスを膨張させるタービンインペラ11と、スラスト円板16と電磁石17及び電磁石18を有し、回転軸5を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受15とをケーシング63内に収容してなる単段膨張タービン61であって、スラスト円板16の外周面とケーシング63の内面の隙間を非接触状態でシールするシール部21と、シール部21によって区画されたスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部23を設けたことを特徴とするものである。
本実施の形態3において、単段膨張タービン61の動作時に発生するスラスト荷重を低減する原理は実施の形態1又は2と同様であり、以下その概要を述べる。
タービンインペラ11が取り付けられた回転軸5は、スラスト円板16の両側に配置した電磁石17及び電磁石18に所定の電流を流してスラスト円板16を吸引することによって非接触状態で軸方向に支持する。
タービン吸入口12から吸入した高圧のガスによりタービンインペラ11が回転し、ガスが膨張されてタービンインペラ11のタービン吐出口13から低圧のガスが吐出される。このとき、タービンインペラ11とケーシング63との隙間を通ってケーシング63内にガスの一部が流入するため、ケーシング63内の圧力はタービン吸入口12の圧力とほぼ等しくなる。
その結果、タービンインペラ11のタービン吸入口12側と背面側とで圧力差が生じ、該圧力差によりタービンインペラ11の背面側からタービン吸入口12側に向かってスラスト荷重が発生する。
該スラスト荷重は、図5においては、スラスト円板16に対してスラスト方向とは反対側の電磁石17に流す電流を大きくして吸引力を増加することによって支持される。
しかしながら、電流がある値以上になると電磁石17の磁束は飽和してしまい、電磁石17による吸引力を大きくすることができなくなる。そのため、タービンインペラ11にて吸入されたガスの圧力が高くスラスト荷重が大き過ぎる場合、スラスト磁気軸受15によってスラスト荷重を支持することができなくなる。
そこで本実施の形態3に係る単段膨張タービン61においては、実施の形態1と同様に、スラスト円板16の外周面シール部21によって区画されたケーシング63内の空間のうち、スラスト方向と反対側となる空間のガスをガス排出部23から排出し、スラスト円板16のタービンインペラ11側の空間(図5中において左側)と反対側の空間(図5中において右側)との間に圧力差を設け、該圧力差によってスラスト荷重を低減する。
実施の形態1又は2と同様に、ガス排出部23によってガスを排出することでケーシング63内のスラスト円板16を挟んで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、ガス排出部23からのガス排出量を調整するガス排出量調整手段を設置することが望ましい。
ガス排出部23によってガスを排出することでケーシング63内のスラスト円板16を挟んで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、実施の形態1又は2と同様、ガス排出部23からガスを排出するガス排出流路31に設けた調整弁35と、電磁石17及び電磁石18に流れる電流差に基づいて調整弁35の開度を調整する電流制御部37から成るものがある。
実施の形態2で述べた多段圧縮機51と同様に、図6に示すような複数のタービンインペラ11a、11b及び11cから構成される多段膨張タービン71においても、スラスト荷重を低減することが可能である。
以下、図6に示す多段膨張タービン71を例として、スラスト荷重を低減する原理を説明する。なお、多段膨張タービン71の1段目、2段目、3段目には添え字a、b、cをそれぞれ付してある。
多段膨張タービン71は、発電機65に接続された一つの回転軸5によって3枚のタービンインペラ11a、11b及び11cが同期して回転することで吸入したガスを膨張させるものであって、1段目のタービンインペラ11aのタービン吐出口13aと2段目のタービン吸入口12bとは流路77aにより接続され、2段目のタービン吐出口13bと3段目のタービン吸入口12cとは流路77bによって接続されている。
図6において、2段目のスラスト軸受15bと3段目のスラスト軸受15cによってスラスト荷重が支持されている。
1段目のタービン吸入口12aから吸入されたガスはタービンインペラ11aを回転させるとともに膨張し、タービン吐出口13aから吐出される。
吐出されたガスは、流路77a内を流通し、2段目のタービン吸入口12bに流入する。
そして、2段目のタービンインペラ11bを回転させるとともにさらに低圧まで膨張されたガスはタービン吐出口13bから吐出される。吐出されたガスは、流路77b内を流通し、3段目のタービン吸入口12cに流入する。そして、3段目のタービンインペラ11cにてガスはさらに低圧まで膨張され、タービン吐出口13cから吐出される。
前述した単段膨張タービン61と同様、多段膨張タービン71に発生したスラスト荷重は、2段目のケーシング73b及び/又は3段目のケーシング73cの内部に流入したガスをガス排出部23b及び/又はガス排出部23cから排出し、スラスト円板16b及び/又はスラスト円板16cを挟んでスラスト方向とは逆方向に圧力差を設けることによって低減することができる。
実施の形態1又は2と同様に、ガス排出部23b及びガス排出部23cによってガスを排出することで適切な圧力差を設けてスラスト荷重を低減するためには、ガス排出部23b及び/又はガス排出部23cからのガス排出量を調整するガス排出量調整手段を設置することが望ましい。
本発明に係る回転機械におけるスラスト荷重低減効果を確認する実験を行ったので、以下これについて説明する。
実験では、図7に示す冷凍機81の動作時に発生するスラスト荷重を以下に示す方法により推算した。
まず、圧縮機インペラ7の圧縮機吸込口8側に作用する荷重Fc1は、圧縮機吸込口8におけるガス圧力をPc1、圧縮機インペラ7の内径をDc1とすると、式(1)により算出される。
圧縮機インペラ7のインペラ翼に作用する荷重Fcmは、圧縮機吸込口8側圧力Pc1と圧縮機吐出口9側圧力Pc2との平均圧力をPcm(=(Pc1+Pc2)/2)、圧縮機インペラ7の外径をDc2とすると、式(2)により算出される。
圧縮機インペラ7の背面側から作用する荷重Fc2は、圧縮機インペラ7の背面側圧力、をPc2、回転軸85の直径をDsとすると、式(3)により算出される。
圧縮機インペラ7の背面側から圧縮機吸入口8側に向かう荷重Fcは、上記Fc1、Fcm及びFc2の合力であり、Fc=Fc2-Fcm-Fc1と表される。
タービンインペラ11のタービン吐出口13側から作用する荷重Ft1は、タービン吐出口11の圧力をPt1、タービンインペラ13の内径をDt1とすると、式(4)により算出される。
タービンインペラ11のタービン吐出口13側からインペラ翼に作用する荷重Ftmは、タービン吸込口12の圧力Pt2とタービン吐出口13の圧力Pt1との平均圧力をPtm(=(Pt1+Pt2)/2)、タービンインペラ11の外径をDt2とすると、式(5)により算出される。
タービンインペラ11の背面側に作用する荷重Ft2は式(6)により算出される。
タービンインペラ11の背面側からタービン吐出口13側に向かう荷重Ftは、上記Ft1、Ftm及びFt2の合力であり、Ft=Ft2-Ftm-Ft1と表される。
さらに、図7に示す冷凍機81の動作時において、スラスト円板16を挟んで圧力差を設けるためにスラスト円板16の外周面とケーシングの内面との間にシール部21を配置し、さらに、スラスト円板16右側の空間のガスをガス排出部23により排出している。そのため、図7においては、スラスト円板16の左側の圧力Pcbは圧縮機吐出口9における圧力と等しいのに対し、スラスト円板16の右側の圧力Ptbはタービン吸入口12における圧力よりも低くなる。その結果、スラスト円板16を挟んで圧力差が生じ、スラスト円板16に対して式(7)により算出される荷重Fbが新たに作用する。
以上より、冷凍機81の動作時に発生するスラスト荷重Fは、式(1)から式(7)で算出される各荷重の合力であり、タービンインペラ11から圧縮機インペラ7に向かう方向を正とすると、式(8)により算出される。
上記の方法により、冷凍機81の動作時に作用するスラスト荷重Fを推算した。
同様に、図8に示すような、スラスト円板16の外周面とケーシング3の内面との間の隙間をシールしていない冷凍機91の動作時に発生するスラスト荷重Fを比較例として推算した。
比較例においては、スラスト円板16の右側の空間のガスは排出されないため、スラスト円板の右側の圧力Ptbと左側の圧力Pcbとは同じとなり、スラスト円板16に作用する荷重Fbは0となった。
表1に、本発明例である冷凍機81の寸法、動作条件ならびにスラスト荷重の計算結果を示す。
また、表2に、比較例である冷凍機91の寸法、動作条件ならびにスラスト荷重の計算結果を示す。
表1及び表2の結果より、比較例におけるスラスト荷重Fは2742Nであったのに対し、本発明例ではスラスト円板16を挟んで圧力差を設けることによってスラスト荷重Fが782Nとなり、冷凍機81の動作時においてスラスト荷重を約71%軽減できることが実証された。
このように、本発明に係る回転機械を冷凍機に適用した場合においても、スラスト荷重を低減することが可能となったので、圧縮機インペラにてガスをより高い圧力まで圧縮してもスラスト磁気軸受で支持することができ、ガス圧力を高くすることで、冷凍機の熱効率を従来の冷凍機よりも向上させることができる。
1 冷凍機
3 ケーシング
5 回転軸
7 圧縮機インペラ
7a 圧縮機インペラ(1段目)
7b 圧縮機インペラ(2段目)
7c 圧縮機インペラ(3段目)
8 圧縮機吸入口
8a 圧縮機吸入口(1段目)
8b 圧縮機吸入口(2段目)
8c 圧縮機吸入口(3段目)
9 圧縮機吐出口
9a 圧縮機吐出口(1段目)
9b 圧縮機吐出口(2段目)
9c 圧縮機吐出口(3段目)
11 タービンインペラ
11a タービンインペラ(1段目)
11b タービンインペラ(2段目)
11c タービンインペラ(3段目)
12 タービン吸入口
12a タービン吸入口(1段目)
12b タービン吸入口(2段目)
12c タービン吸入口(3段目)
13 タービン吐出口
13a タービン吐出口(1段目)
13b タービン吐出口(2段目)
13c タービン吐出口(3段目)
15 スラスト磁気軸受
15a スラスト磁気軸受(1段目)
15b スラスト磁気軸受(2段目)
16 スラスト円板
16a スラスト円板(1段目)
16b スラスト円板(2段目)
17、18 電磁石
17a、18a 電磁石(1段目)
17b、18b 電磁石(2段目)
17c、18c 電磁石(3段目)
19 ラジアル磁気軸受
21 シール部
21a シール部(1段目)
21b シール部(2段目)
21c シール部(3段目)
23 ガス排出部
23a ガス排出部(1段目)
23b ガス排出部(2段目)
23c ガス排出部(3段目)
25 シール部
25a シール部(1段目)
25b シール部(2段目)
25c シール部(3段目)
28 冷却器
29 流路
31 ガス排出流路
31a ガス排出流路(1段目)
31b ガス排出流路(2段目)
32 還流流路
33 冷却器
35 調整弁
35a 調整弁(1段目)
35b 調整弁(2段目)
35c 調整弁(3段目)
37 電流制御部
37a 電流制御部(1段目)
37b 電流制御部(2段目)
39 ラビリンスシール
41 単段圧縮機
43 ケーシング
45 モーター
51 多段圧縮機
53a ケーシング(1段目)
53b ケーシング(2段目)
53c ケーシング(2段目)
57a 流路
57b 流路
57c 流路
59a 第1冷却器
59b 第2冷却器
59c 第3冷却器
61 単段膨張タービン
63 ケーシング
65 発電機
71 多段膨張タービン
73a ケーシング(1段目)
73b ケーシング(2段目)
73c ケーシング(3段目)
81 冷凍機(本発明例)
85 回転軸
91 冷凍機(比較例)
95 回転軸
101 スキャロップインペラ
103 羽根
105 円盤部
111 インペラ
113 ケーシング
115 回転軸
117 バランスホール
121 インペラ
123 ケーシング
125 回転軸
127 円盤
129 シール部

Claims (5)

  1. 回転軸に取り付けられてガスを圧縮又は膨張するインペラと、
    スラスト円板及び電磁石を有し、前記回転軸を非接触状態で軸方向に支持するスラスト磁気軸受と、をケーシング内に収容してなる回転機械であって、
    前記スラスト円板の外周面と前記ケーシングの内面の隙間を非接触状態でシールするシール部と、
    該シール部によって区画された空間のうちスラスト方向と反対側となる空間のガスを排出するガス排出部を設けたことを特徴とする回転機械。
  2. 前記スラスト磁気軸受の電磁石に流れる電流値に基づいて、前記ガス排出部から排出するガス量を調整するガス排出量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の回転機械。
  3. 前記ガス排出部から排出されたガスを前記インペラの吸入側に還流する還流流路を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機械。
  4. 前記回転機械は、前記回転軸の一端側にガス圧縮用のインペラを有し、前記回転軸の他端側にガス膨張用のインペラを有し、ガスの圧縮と膨張を行うことでガスを冷却する冷凍機であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転機械。
  5. 前記回転機械は、前記回転軸の一端側にガス圧縮用のインペラを有し、前記回転軸の他端側にガス膨張用のインペラを有し、ガスの圧縮と膨張を行うことでガスを冷却する冷凍機であって、
    前記還流流路に設けられて該還流流路内を流通するガスを冷却する冷却器を備えたことを特徴とする請求項3記載の回転機械。
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