JP2012007859A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Soichi Shiraishi
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Abstract

【課題】スクリューロータ外周面に形成される隙間の影響による性能の低下と焼き付きを抑制できる可変速スクリュー圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を得る。
【解決手段】インバータ100で駆動され、蒸発器102からの冷媒ガスを圧縮する可変速のスクリュー圧縮機101と、スクリュー圧縮機101から吐出された冷媒ガスを凝縮液化する凝縮器103と、凝縮器103からの高圧の液冷媒をスクリュー圧縮機101の圧縮室11に導く液冷媒インジェクション配管112と、圧縮室11に注入する液冷媒インジェクション流量を制御することにより、所定の目標値となるよう吐出ガス過熱度を制御する吐出ガス温度調整手段(制御手段120、電子式膨張弁107)とを備え、スクリュー圧縮機101を所定の高回転数域で運転するときには、吐出ガス過熱度の所定の目標値を所定の低回転数域で運転するときよりも低く設定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、変速運転が可能なスクリュー圧縮機(可変速スクリュー圧縮機)を備えた冷凍サイクル装置に関する。
従来、スクロール圧縮機を備えた冷凍サイクル装置において、スクロール圧縮機の吐出ガス温度の冷却制御に関する技術が提案されている。例えば、圧縮機の高速化を達成することを目的として、旋回スクロールの材質としてアルミニウム合金などの軽合金を使用し、一方固定スクロール側には鋳鉄材を用いた圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、圧縮機を低回転数で運転するときの吸入ガスの過熱度を小さくするために、冷媒循環量に対し相対的に液冷媒インジェクション流量を増大させている。また、吐出ガスの過熱度を、冷房運転時よりも暖房運転時の方が大きくなるようにして、暖房能力の向上を図っている。
また、インバータで周波数制御されるスクロール圧縮機において、「冷媒液を噴射する量(液インジェクション量)を制御することにより、過熱しすぎの場合には液インジェクション量を増やすことで冷凍能力を減少することなく吐出ガスの温度を下げ常に適正な温度に制御する」という技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2701927号公報(第4頁、第8図、第10図) 特許第3186499号公報(第4頁)
圧縮機の構造の1つに、ケーシング内で1つのスクリューロータに2枚のゲートロータを組み合わせて冷媒ガスの圧縮を行うスクリュー圧縮機がある。
インバータで駆動されて液冷媒インジェクション機能を備えた可変速スクリュー圧縮機において、上記特許文献1に記載のように、液冷媒インジェクション流量を冷媒循環量に対して相対的に大きくすると、吐出ガスの温度が低下する。吐出ガスの温度が低下すると、スクリューロータの熱膨張が小さくなるためにスクリューロータの外径が縮小し、スクリューロータ外周面とケーシングとの間に形成される隙間が拡大して、冷媒ガスの漏れが増加してしまうという問題が生じる。特に、冷媒循環量の少ない低回転数での運転においては、冷媒ガスの漏れによる損失が高回転数で運転するときよりも相対的に大きくなって、性能が低下するという問題があった。
一方、上記特許文献2に記載のように、圧縮機の運転回転数によらず吐出ガス過熱度が一定となるよう液冷媒インジェクション流量を制御する場合には以下のような問題がある。
すなわち、冷媒ガスの漏れを低減するために吐出ガス過熱度を大きくすると、摺動速度の大きい高回転数運転においては、スクリューロータの外周面の隙間に介在する油の粘性抵抗損失の増大や、スクリューロータの熱膨張や偏心によってスクリューロータ外周面の隙間が縮小したときに、スクリューロータ外周面において過度な摩擦による焼き付きや摩耗を発生するおそれがあった。逆に、吐出ガス過熱度を小さくすると、冷媒循環量の小さい低回転数運転においては、冷媒ガスの漏れの割合が大きくなり、性能が低下してしまう。このように、スクリューロータ外周面に形成される隙間の縮小に関しては、性能向上と信頼性低下とがトレードオフの関係にある。また、運転回転数によって、スクリューロータ外周面に形成される隙間が性能や信頼性に及ぼす影響の度合いが異なるために、上記のような問題が生じる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、スクリューロータ外周面に形成される隙間の影響による性能の低下と焼き付きを抑制することのできる可変速スクリュー圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
本発明の冷凍サイクル装置は、蒸発器と、インバータで駆動され、前記蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する可変速のスクリュー圧縮機と、前記スクリュー圧縮機から吐出された冷媒ガスを凝縮液化する凝縮器と、前記凝縮器からの高圧の液冷媒を前記スクリュー圧縮機の圧縮室に導く液インジェクション経路と、前記圧縮室に注入する液冷媒インジェクション流量を制御することにより、所定の目標値となるよう吐出ガス過熱度を制御する吐出ガス温度調整手段とを備え、前記吐出ガス温度調整手段は、前記スクリュー圧縮機を所定の高回転数域で運転するときには、前記吐出ガス過熱度の所定の目標値を所定の低回転数域で運転するときよりも低く設定するものである。
本発明によれば、圧縮室に注入する液冷媒インジェクション流量を制御することにより、所定の目標値となるよう吐出ガス過熱度を制御する吐出ガス温度調整手段を備え、吐出ガス温度調整手段は、可変速圧縮機を高回転数域で運転するときには、吐出ガス過熱度の所定の目標値を低回転数域で運転するときよりも低く設定する。冷媒ガスの漏れ損失の影響が小さい高回転数運転においては、吐出ガス過熱度の目標値を低回転数運転時よりも低くし、液冷媒インジェクション量を低回転数運転時よりも増大させて吐出ガス温度を低くするので、スクリューロータ外周面の隙間を拡大させて油の粘性抵抗損失を低減して圧縮性能を向上させることができる。また、スクリューロータ外周面の隙間を拡大させるので、スクリューロータ外周面の摩擦や摩耗を低減して焼き付きの信頼性を向上させることができる。一方、冷媒漏れによる損失の影響が顕著となる低回転数運転においては、吐出ガス過熱度の目標値を高回転数運転時よりも高くし、液冷媒インジェクション量を相対的に減少させて吐出ガス温度を高くするので、熱膨張によりスクリューロータ外周面の隙間を縮小させて冷媒漏れを低減することができる。したがって、低回転数運転及び高回転数運転の双方において、スクリュー圧縮機の性能を高め、焼き付き信頼性を向上させることができる。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 実施の形態1に係るスクリュー圧縮機の水平断面模式図である。 実施の形態1に係るスクリューロータ圧力分布を説明する図である。 実施の形態1に係るスクリュー圧縮機の圧縮機構部の概略断面図である。 実施の形態1に係る軸受ハウジングを図4のA−A面で切断し、スラスト方向から見た図である。 実施の形態1に係る軸受ハウジングを図4のB−B面で切断し、ラジアル方向から見た図である。 実施の形態1に係る吐出ガス過熱度制御と圧縮機効率の関係を説明する図である。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。なお、各図及びこれ以降の説明において、同一または対応する構成要素には同一の符号を付している。また、明細書全文に表れている構成要素の形態は、飽くまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図1において、冷凍サイクル装置200は、インバータ100で駆動されるスクリュー圧縮機101と、冷媒を蒸発させる蒸発器102と、スクリュー圧縮機101から吐出された吐出ガスを冷却し凝縮させる凝縮器103と、凝縮器103を出た液冷媒の流量を絞って膨張させる膨張弁105と、スクリュー圧縮機101から冷媒ガスとともに吐出された潤滑油を分離する油分離器101aを備えている。スクリュー圧縮機101の出口側と凝縮器103の入口側は、吐出ガス配管113によって配管接続されている。吐出ガス配管113には、吐出ガス配管113の温度を検知することにより吐出ガスの温度を検出して出力する吐出ガス温度検知手段106が設けられている。
油インジェクション配管111は、油分離器101aと油噴射口109とを接続する配管であり、油分離器101aの潤滑油をスクリュー圧縮機101に導く。油噴射口109は、油分離器101aからスクリュー圧縮機101に流入する潤滑油の流量を制限する。
液冷媒インジェクション配管112は、凝縮器103と液冷媒噴射口110とを接続する配管であり、凝縮器103の液冷媒の一部をスクリュー圧縮機101に導く。液冷媒噴射口110は、凝縮器103からスクリュー圧縮機101に流入する液冷媒量を制限する。
制御手段120は、スクリュー圧縮機101の運転回転数と、吐出ガス温度検知手段106が検出した吐出ガス温度とに基づいて、電子式膨張弁107の開度を制御することにより、液冷媒インジェクション流量を制御する。制御手段120は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
次に、本実施の形態1の冷凍サイクル装置200の冷媒回路の動作を説明する。スクリュー圧縮機101は、冷媒を低圧から高圧に圧縮(昇圧)する。高圧に昇圧された冷媒は、油分離器101aに流入する。そして、油分離器101aにおいて、冷媒と冷媒に含まれていた潤滑油とに分離される。油分離器101aで分離された冷媒は、吐出ガス配管113を通って凝縮器103に流入し、凝縮器103によって凝縮液化される。凝縮液化された冷媒は、膨張弁105へ至る経路と、液冷媒インジェクション配管112を通るスクリュー圧縮機101へ至る経路とに分岐する。凝縮器103によって凝縮液化された冷媒のうち、膨張弁105側に分岐した冷媒は、膨張弁105により低圧に減圧(膨張)され、蒸発器102に流入する。蒸発器102に流入した冷媒は、蒸発器102で加熱されててガス化し、スクリュー圧縮機101に流入する。
一方、凝縮器103によって凝縮液化された高圧の冷媒のうち、スクリュー圧縮機101側に分岐した一部の冷媒は、液冷媒インジェクション配管112内を流れる。このとき、スクリュー圧縮機101の運転回転数と、吐出ガス温度検知手段106によって検知された吐出ガス配管113の温度に基づいて、スクリュー圧縮機101の運転回転数に応じた吐出ガス過熱度となるように制御手段120が電子式膨張弁107の開度を調整することにより、液冷媒の流量が制御される。液冷媒インジェクション配管112を流れる冷媒は、スクリュー圧縮機101に設けられた液冷媒噴射口110から、圧縮室11(後述する)へインジェクションされる。
なお、スクリュー圧縮機101の運転回転数と吐出ガス過熱度の設定については、後述する。
また、スクリュー圧縮機101から冷媒ガスとともに吐出され油分離器101aにおいて気液分離された潤滑油は、油インジェクション配管111を経て、スクリュー圧縮機101に設けられた油噴射口109から、圧縮室11(後述する)へインジェクションされる。
次に、スクリュー圧縮機101の構造を、図2〜図6を用いて説明する。図2は、図1の冷凍サイクル装置に搭載されるスクリュー圧縮機の水平断面模式図である。図3は、図2のスクリュー圧縮機のスクリューロータの圧力分布を説明する図である。図4は、本実施の形態に係る圧縮機の圧縮機構部の概略断面図である。図5は、図4のA−A面で軸受ハウジング5を切断し、スラスト方向から見た図である。図6は、図4のB−B面で軸受ハウジング5を切断し、ラジアル方向から見た図である。
図2に示すように、スクリュー圧縮機101は、ケーシング1を有し、ケーシング1の内部には、高圧側軸受2、低圧側軸受3、スクリューロータ4、ゲートロータ7、電動機8及びスクリュー軸9等が収容されている。
スクリューロータ4は、その外周部に複数条のスクリュー溝10が形成されており、ケーシング1の吐出側に設けられている。スクリュー軸9は、スクリューロータ4の回転軸であり、高圧側軸受2及び低圧側軸受3によって回転可能に支持されている。スクリュー軸9は、電動機8に駆動されて、スクリューロータ4を伴って回転する。
ゲートロータ7は、複数の歯71を持ち、スクリューロータ4の左右に180°対称に2つ配置されている。ゲートロータ7の歯71が、スクリューロータ4に設けられた複数条のスクリュー溝10に噛み合うことで、圧縮室11を形成する。
高圧側軸受2及び低圧側軸受3はスクリュー軸9を支持し、スクリュー軸9の円滑な回転等を図るための軸受である。スクリューロータ4の軸方向において、低圧側軸受3が設けられている側に冷媒を吸入する低圧の圧縮室が形成され、高圧側軸受2が設けられている側に向かって圧縮が進行し、高圧の圧縮室11が形成されている。従って、スクリュー圧縮機101の軸方向において、低圧側軸受3が設けられている側が冷媒が吸入される側であり、冷媒を吐出する側である高圧側軸受2側と比較すると相対的に冷媒の圧力が低い。以降の説明において、冷媒吸入側を低圧側、冷媒吐出側を高圧側とする。
図4に示すように、軸受ハウジング5は、高圧側軸受2を内装しており、この高圧側軸受2を収容する空間を軸受ハウジング内室6と称する。軸受ハウジング内室6は、スクリューロータ4内に設けられた均圧孔13により、低圧側と連通している。軸受ハウジン5は、スクリューロータ4の吐出側端部の形状に合わせた端部を形成してスクリューロータ4に近接させて一部を収容しており、スクリューロータ4で圧縮された高圧の冷媒が軸受ハウジング内室6等の低圧部に漏れるのを防止している。
スクリューロータ4と軸受ハウジング5との間に形成される周状の隙間漏れ経路を、高圧シール部17と称する。高圧シール部17において、スクリューロータ4及び軸受ハウジング5のスラスト方向に垂直な面(以下、スラスト面という)を封止している部分を、スラストシール部17tと称する。また、ラジアル方向に垂直な面(以下、ラジアル面という)を封止している部分を、ラジアルシール部17rと称する。
図5、図6に示すように、スラストシール部17tには、環状ラビリンス溝15が設けられている。また、ラジアルシール部17rには、環状ラビリンス溝16が設けられている。この環状ラビリンス溝15、16は、スクリューロータ4と軸受ハウジング5との過度な接触を防止するために設けられている。
軸受ハウジング内室6は、高圧シール部17によりスクリューロータ4の吐出高圧部から区画されている。軸受ハウジング内室6は、スクリューロータ4内に設けられた均圧孔13により低圧側と連通している。均圧孔13は、スクリューロータ4のスラスト荷重(軸方向の荷重)を低減するために、スクリューロータ4内にスラスト方向に設けた貫通孔である。均圧孔13によりスクリューロータ4の両端面が吸入圧力に均圧される。
吐出口14は、ケーシング1に設けられた開口部であって高圧側に位置し、圧縮された冷媒を吐出する。
次に、図3を参照してスクリュー圧縮機101の動作を説明する。スクリューロータ4が、電動機8によりスクリュー軸9を介して回転させられることで(図3の矢印X参照)、低圧側の冷媒ガスが、図3の破線で示すケーシング1とスクリュー溝10とゲートロータ7の歯71で形成された圧縮室11に導入される。スクリューロータ4が回転することにより、図3の矢印Yに示すようにゲートロータ7も回転する。スクリューロータ4の回転が進むにつれて、ゲートロータ7の歯71がスクリュー溝10内を相対的に移動する。これにより圧縮室11も図3に示す矢印Zの方向に相対的に移動するとともに圧縮室11の容積が減少していき、冷媒が圧縮される。その後、ある回転角度に達した時点で、圧縮室11が吐出口14に連通して、高圧の冷媒ガスが吐出口14から吐出される。ゲートロータ7は、スクリューロータ4に対して180°対称に2つ設けられているので、上記と同様の冷媒の圧縮が2系統で行われる。
ここで、圧縮過程において、スクリューロータ4とゲートロータ7、スクリューロータ4とケーシング1とを相対移動させるため、これらには隙間を設ける必要がある。しかし、隙間を設けると圧縮室11は密閉されず、圧縮した高圧の冷媒が圧縮室11から低圧側へ漏れてしまう。このため、スクリューロータ4とゲートロータ7間の隙間(以下、ゲートロータ部隙間と称する)及び、スクリューロータ4とケーシング1間の隙間(以下、スクリュー外周隙間と称する)からの漏れに対しては、積極的に潤滑油を油噴射口109から注入することにより、隙間からの漏れを低減している。
また、圧縮室11から冷媒ガスとともに漏洩した潤滑油が、環状ラビリンス溝15、16に供給されることにより、スラストシール部17t及びラジアルシール部17rが冷媒ガスが軸受ハウジング内室6に漏れるのを防いでいる。
このとき、スクリューロータ4の回転に伴って、ゲートロータ部隙間及びスクリュー外周隙間に介在する油の粘性抵抗による機械損失が生じる。この損失は、スクリューロータ4の回転数と油粘度に比例し、隙間の大きさに反比例する。
次に、圧縮室11への液冷媒インジェクションについて説明する。圧縮室11には、圧縮ガス冷却のために高圧の液冷媒が液冷媒噴射口110から供給されるようになっている。すなわち、液冷媒を圧縮室11に注入することで、スクリューロータ4が熱膨張してケーシング1やゲートロータ7と接触するのを防止するようになっている。
そして、本実施の形態では、このときの液冷媒インジェクション流量を、スクリューロータ4の運転回転数に応じて制御する。具体的には、スクリューロータ4の運転回転数が所定回転数を超えている場合には、制御手段120は、吐出ガス過熱度がΔT−αとなるように電子式膨張弁107の弁開度を調整する。また、スクリューロータ4の運転回転数が所定回転数未満の場合には、制御手段120は、吐出ガス過熱度がΔT+αとなるように電子式膨張弁107の弁開度を調整する。ここで、本実施の形態1において「所定回転数」とは、範囲を持った値であるものとする。なお、本発明の吐出ガス温度調整手段は、本実施の形態では電子式膨張弁107及びこれの開度を調整する制御手段120に相当する。
このようにスクリューロータ4の運転回転数に対応した吐出ガス過熱度の制御と、圧縮機の効率の変化について、図7を参照して説明する。図7において、実線は、本実施の形態1に係る吐出ガス過熱度の制御とその圧縮機効率を示し、破線は、従来の吐出ガス過熱度を一定とする制御とその圧縮機効率を示している。
まず、スクリュー圧縮機101の運転回転数が所定回転数である場合には、そのときの液冷媒インジェクション流量を維持し、吐出ガス過熱度がΔTとなるようにする。
スクリュー圧縮機101の運転回転数が所定回転数未満の場合、すなわち低回転数域での運転時には、目標とする吐出ガス過熱度を、ΔT+αという高い値に設定する。そして、液冷媒インジェクション流量を減少させることにより、吐出ガス過熱度を高くする。吐出ガス過熱度の制御は、吐出ガス配管113に設けられた吐出ガス温度検知手段106が検知した吐出ガス温度に基づいて行う。このように吐出ガス温度を高くすると、スクリューロータ4の熱膨張が大きくなる。このようにすることで、スクリューロータ外周隙間や、高圧シール部17の隙間を縮小することができ、冷媒循環流量が少なく相対的に冷媒漏れの割合が大きい低回転数運転においては、冷媒漏れが低減して性能が向上する。なお、低回転数域では、油の粘性抵抗損失やスクリューロータの摩擦による発熱も小さく、隙間縮小が性能低下や焼き付き信頼性の低下に及ぼす影響は小さい。
一方、スクリュー圧縮機101の運転回転数が所定回転数を超えている場合、すなわち高回転数域での運転時には、液冷媒インジェクション流量を相対的に増加させることにより吐出ガス過熱度を低回転数域での運転時よりも低くする。これにより、吐出ガス温度が低くなり、スクリューロータ4の熱膨張を抑制する。このようにすることで、スクリューロータ外周隙間や高圧シール部17の隙間を拡大することができ、油の粘性抵抗損失を低減することができる。なお、高回転数域では、冷媒循環流量が多く相対的に冷媒漏れの割合が小さいため、隙間拡大による冷媒漏れの影響は小さい。また、スクリューロータ4が他の部品と接触した際には、高回転数であるほど摩擦損失が大きく、発熱による焼き付きなどを生じやすい傾向があるが、隙間を拡大しているので、スクリューロータ4の過度な接触を防止することができる。
以上のように、本実施の形態1では、スクリュー圧縮機101の運転回転数に応じて吐出ガス過熱度の目標値を変更して、液冷媒インジェクション流量を制御することにより吐出ガス過熱度を制御する。そして、スクリュー圧縮機101を高回転数域で運転している際には、低回転数域で運転している際よりも吐出ガス過熱度の目標値を低く設定する。これにより、熱膨張を抑制してスクリューロータ外周隙間や高圧シール部17の隙間を拡大することができ、油の粘性抵抗損失を低減して圧縮性能を向上させることができる。また、スクリューロータ外周隙間や、高圧シール部17の隙間を拡大することで、スクリューロータ4の過度な接触を防止でき、スクリューロータ外周面の摩擦や摩耗を低減して焼き付きの信頼性を向上させることができる。一方、スクリュー圧縮機101を低回転数域で運転している際には、高回転数域で運転している際よりも吐出ガス過熱度を高く制御する。これにより、熱膨張によりスクリューロータ外周隙間や高圧シール部17の隙間を縮小することができ、冷媒漏れを低減することができる。このように、本実施の形態1によれば、広い運転回転数域においてスクリュー圧縮機の性能を向上させることができ、スクリューロータの焼き付きなどがない高効率で信頼性の高い可変速スクリュー圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を得ることができる。
なお、本実施の形態1では、単段スクリュー圧縮機の例を示したが、二段スクリュー圧縮機に本発明を適用してもよく、同様の効果がある。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。本実施の形態2では、前述の実施の形態1との相違点を中心に説明する。
前述の実施の形態1では、凝縮器103の液冷媒の一部をスクリュー圧縮機101の圧縮室11に導く1系統の液冷媒インジェクション配管112を設けた。そして、液冷媒インジェクション配管112中に、スクリュー圧縮機101の運転回転数と吐出ガス温度に基づいて開度が調節される電子式膨張弁107を設けた。これに対し本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200Aは、2系統の液冷媒インジェクション配管112a、112bを設け、これら液冷媒インジェクション配管112a、112bの途中にそれぞれ電磁弁114a、114bを設けている。液冷媒インジェクション配管112a、112bは、それぞれ、スクリュー圧縮機101に設けられた液冷媒噴射口110a、110bに接続されている。また、吐出ガス配管113中には、吐出ガスの圧力を検知する圧力検知手段108を設けている。なお、本実施の形態2では、実施の形態1で設けた電子式膨張弁107を設けていない。
そして、前述の実施の形態1では、スクリュー圧縮機101の回転数に応じて目標とする吐出ガス過熱度を定め、電子式膨張弁107の弁開度を制御することにより液冷媒インジェクション流量を調整したが、本実施の形態2では以下のように液冷媒インジェクション流量を調整する。なお、本発明の吐出ガス温度調整手段は、本実施の形態2では電磁弁114a、114b及びこれの開閉状態を制御する制御手段120に相当する。
本実施の形態2では、圧力検知手段108により検知された吐出圧力が所定の吐出圧力以上で、かつ、スクリュー圧縮機101の運転回転数が所定回転数を超えているときには、電磁弁114a及び電磁弁114bを開放する。これにより、液冷媒インジェクション配管112a、112bの両方を液冷媒が流れ、液冷媒噴射口110a、110bから圧縮室11内に液冷媒がインジェクションされる。
また、圧力検知手段108により検知された吐出圧力が所定の吐出圧力未満の場合には、電磁弁114aは開放し、電磁弁114bを閉じる。これにより、液冷媒インジェクション配管112aのみを液冷媒が流れ、液冷媒噴射口110aから圧縮室11内に液冷媒がインジェクションされる。
このように、本実施の形態2では、圧力検知手段108が検知したガス圧力に基づいて、吐出ガス過熱度を制御する。このときに目標とする吐出ガス過熱度は、実施の形態1と同様に、スクリュー圧縮機101の運転回転数に応じて行う。すなわち、スクリュー圧縮機101を高回転数域で運転している際には、低回転数で運転している際よりも吐出ガス過熱度の目標値を低く設定する。このため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態2では、液冷媒インジェクション流量を調整することにより吐出ガス過熱度を制御するが、液冷媒インジェクション流量の調整は、電磁弁114a、114bの開閉状態を切り替えることにより行う。このように、電磁弁114a、114bの開閉により液冷媒インジェクション流量を制御するので、流量制御を簡単にすることができる。
なお、本実施の形態2では、2系統の液冷媒インジェクション配管を設け、これらの配管における液冷媒の流通の有無を切り替えることで液冷媒インジェクション流量の制御を行うこととしたが、2系統を超える液冷媒インジェクション配管を設けてもよい。多数系統の液冷媒インジェクション配管を設けて液冷媒の流通の有無を切り替えることで、より細やかな流量制御を行うことができるので、性能を向上することができる。
なお、吐出ガス過熱度の検出に関し、実施の形態1では検知した吐出ガス温度に基づいて行うものとし、実施の形態2では検知したガス圧力に基づいて行うものとした。また、液冷媒インジェクション流量の制御については、実施の形態1では電子式膨張弁107の開度を制御することにより行うものとし、実施の形態2では複数系統のインジェクション配管の冷媒流通の有無を切り替えることにより行うものとして説明した。これら吐出ガス過熱度の検出方法と、液冷媒インジェクション流量の制御方法は、任意に組み合わせてもよく、同様の効果を得ることができる。
また、吐出ガス過熱度の検出に関し、実施の形態1では吐出ガス温度に基づいて行うものとし、実施の形態2では吐出圧力に基づいて行うものとして説明したが、吐出ガス過熱度の検出方法はこれに限定するものではない。すなわち、吐出ガス温度及び吐出圧力を検知しこの検知結果を組み合わせて吐出ガス過熱度を検出してもよいし、他のパラメータを組み合わせて吐出ガス過熱度を検出してもよい。いずれにしても、高回転数運転時の吐出ガス過熱度が、低回転数運転時の吐出ガス過熱度よりも大きくなるように吐出ガス過熱度を制御すればよく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
1 ケーシング、2 高圧側軸受、3 低圧側軸受、4 スクリューロータ、5 軸受ハウジング、6 軸受ハウジング内室、7 ゲートロータ、8 電動機、9 スクリュー軸、10 スクリュー溝、11 圧縮室、13 均圧孔、14 吐出口、15 環状ラビリンス溝、16 環状ラビリンス溝、17 高圧シール部、17r ラジアルシール部、17t スラストシール部、71 歯、100 インバータ、101 スクリュー圧縮機、101a 油分離器、102 蒸発器、103 凝縮器、105 膨張弁、106 吐出ガス温度検知手段、107 電子式膨張弁、108 圧力検知手段、109 油噴射口、110 液冷媒噴射口、110a 液冷媒噴射口、110b 液冷媒噴射口、111 油インジェクション配管、112 液冷媒インジェクション配管、112a 液冷媒インジェクション配管、112b 液冷媒インジェクション配管、113 吐出ガス配管、114a 電磁弁、114b 電磁弁、120 制御手段、200 冷凍サイクル装置、200A 冷凍サイクル装置。

Claims (3)

  1. 蒸発器と、
    インバータで駆動され、前記蒸発器からの冷媒ガスを圧縮する可変速のスクリュー圧縮機と、
    前記スクリュー圧縮機から吐出された冷媒ガスを凝縮液化する凝縮器と、
    前記凝縮器からの高圧の液冷媒を前記スクリュー圧縮機の圧縮室に導く液インジェクション経路と、
    前記圧縮室に注入する液冷媒インジェクション流量を制御することにより、所定の目標値となるよう吐出ガス過熱度を制御する吐出ガス温度調整手段とを備え、
    前記吐出ガス温度調整手段は、前記スクリュー圧縮機を所定の高回転数域で運転するときには、前記吐出ガス過熱度の所定の目標値を所定の低回転数域で運転するときよりも低く設定する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記吐出ガス温度調整手段は、前記液冷媒インジェクション経路の途中に設けられ、前記スクリュー圧縮機から吐出された冷媒のガス温度またはガス圧力のうち少なくともいずれか一方に基づいて弁開度を調節することにより、吐出ガス過熱度が前記所定の目標値となるよう前記液冷媒インジェクション流量を制御する電子式膨張弁を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記液インジェクション経路を複数系統設け、
    前記吐出ガス温度調整手段は、前記複数の液インジェクション経路にそれぞれ設けられ、前記スクリュー圧縮機から吐出された冷媒のガス温度またはガス圧力のうち少なくともいずれか一方に基づいて弁を開閉することにより、吐出ガス過熱度が前記所定の目標値となるよう前記液冷媒インジェクション流量を制御する開閉弁を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
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