JP2016164918A - 蓄電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】捲回扁平構造もしくは積層扁平構造を有する蓄電デバイス要素を備えた構成のものにおいて、優れた性能を有すると共に蓄電デバイス要素におけるスプリングバックの影響を受けることがなくて高い生産性の得られる蓄電デバイスおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】蓄電デバイスは、少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体および外装容器本体の開口を封口する封口板により構成された外装容器の内部に、電解液と、蓄電デバイス要素とが収容されてなり、蓄電デバイス要素は、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回扁平構造、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層扁平構造であって、蓄電デバイス要素における扁平面が封口板に対向配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、正極および負極がセパレータを介して積層し捲回された捲回扁平構造、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層扁平構造を有する蓄電デバイス要素を備えた蓄電デバイスおよびその製造方法に関する。
近年、高出力且つ高エネルギー密度の蓄電デバイスとして、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスが注目されている。蓄電デバイスとしては、例えば捲回扁平構造を有する蓄電デバイス要素(電極ユニット)が電解液とともに角筒形状の缶型の外装容器内に収容された構成のものが知られている(例えば特許文献1参照。)。ここに、捲回扁平構造の蓄電デバイス要素は、一般に、正極を構成する長尺状の正極シートと、負極を構成する長尺状の負極シートとがシート状のセパレータを介して積層された状態で例えば円筒状に捲回された後、例えばプレス加工によって扁平形状に成形されることにより得られる。
従来においては、このような蓄電デバイスは、図4に示すように、捲回扁平構造を有する蓄電デバイス要素50を、一方の幅狭面が開口する角筒型形状の外装容器本体41の内部に当該開口42を介して挿入して配置し、外装容器本体41の開口42を封口板45によって封口することにより製造されていた。
しかしながら、捲回扁平構造を有する蓄電デバイス要素においては、蓄電デバイス要素それ自身の弾性によって略円筒状に戻ろうとする力(以下、「スプリングバック」という。)が働き、蓄電デバイス要素の厚みが大きくなる。このため、蓄電デバイス要素を外装容器本体に挿入することが難しくなり蓄電デバイスを製造することが困難であったり、あるいは、電極のよれや短絡が生じたりする、という問題があった。
このような問題に対して、例えば、蓄電デバイス要素の成形時に、高圧プレスによりくせ付けをするなどして蓄電デバイス要素の扁平形状を保持することが行われている。
しかしながら、高圧プレスによって成形すると、例えば、電極シートにおける電極層の破損および電極層を構成する活物質の脱落などが生じて性能が低下するなどの問題が生じる。
一方、例えば特許文献2には、短冊状の電極を複数枚積層させた構成の蓄電デバイス要素を備えた角筒形状の蓄電デバイスが記載されている。特許文献2に記載の蓄電デバイスにおける蓄電デバイス要素は、電極を折り曲げたり、捲回したりすることによる屈曲部を有さないため、スプリングバックの問題は生じない。
特開2013−196882号公報 特開2009−224276号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、捲回扁平構造もしくは積層扁平構造を有する蓄電デバイス要素を備えた構成のものにおいて、優れた性能を有すると共に蓄電デバイス要素におけるスプリングバックの影響を受けることがなくて高い生産性の得られる蓄電デバイスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスは、少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体および当該外装容器本体の開口を封口する封口板により構成された外装容器の内部に、電解液と、蓄電デバイス要素とが収容されてなり、
前記蓄電デバイス要素は、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回扁平構造、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層扁平構造であって、当該蓄電デバイス要素における扁平面が前記封口板に対向配置されていることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスにおいては、それぞれ一端部が正極および負極に電気的に接続され、他端部が前記外装容器の外部に導出された正極端子および負極端子を備えており、
前記外装容器本体に、正極端子導出部および負極端子導出部が形成された構成とされていることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスにおいては、前記蓄電デバイス要素は、前記封口板または外装容器本体の前記幅広面に沿って延びる押圧部材によって押圧された状態で配置された構成とされていることが好ましい。
また、本発明の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタとして適用されることが好ましい。
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体の内部に、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回形状、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層形状を有する蓄電デバイス要素を、外装容器本体の前記幅広面に対して垂直方向に当該外装容器本体の開口から挿入して配置し、
当該蓄電デバイス要素を、外装容器本体の前記幅広面に垂直な方向に押圧しながら、前記外装容器本体の開口を塞ぐ封口板を当該外装容器本体に接合して封口する工程を有することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの製造方法においては、前記封口板と前記外装容器本体とをかしめることにより、当該外装容器本体と当該封口板を接合して封口することができる。
また、本発明の蓄電デバイスの製造方法においては、前記封口板と前記外装容器本体とを溶接することにより、当該外装容器本体と当該封口板を接合して封口することもできる。
本発明によれば、捲回扁平構造もしくは積層扁平構造を有する蓄電デバイス要素を外装容器本体の一方の幅広面における開口を介して積層方向に収容することができるので、デバイス要素におけるスプリングバックの影響を受けることがなく、所期の蓄電デバイスを容易に製造することができて高い生産性を得ることができる。しかも、蓄電デバイス要素を構成する正極および負極は、デバイス製造時に受けるダメージが少ないため、蓄電デバイスは優れた性能を有するものとなる。
また、蓄電デバイス要素におけるスプリングバックを抑制するため、換言すれば、蓄電デバイス要素の形状を保持するために要求される電極形成材やセパレータなどの材質に係る制限を受けることがないので、高い設計の自由度が得られる。
本発明の蓄電デバイスに係るリチウムイオンキャパシタの一構成例を概略的に示す説明図であって、(a)は外装容器本体の底面側から見た図、(b)は(a)におけるA−A線断面図、(c)は(a)におけるB−B線断面である。 本発明の蓄電デバイスを構成する蓄電デバイス要素の一構成例を概略的に示す説明用断面図である。 本発明の蓄電デバイスに係る製造工程の一例を概略的に示す説明図である。 従来における蓄電デバイスの製造工程の一例を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明の蓄電デバイスについて、当該蓄電デバイスをリチウムイオンキャパシタとして適用した場合を具体例に挙げて説明する。
図1は、本発明の蓄電デバイスに係るリチウムイオンキャパシタの一構成例を概略的に示す説明図であって、(a)が外装容器本体の底面側から見た図、(b)が(a)におけるA−A線断面図、(c)が(a)におけるB−B線断面である。図2は、本発明の蓄電デバイスを構成する蓄電デバイス要素の一構成例を概略的に示す説明用断面図である。
このリチウムイオンキャパシタは、全体が扁平な角筒型形状の外装容器10を備えている。外装容器10は、少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体11と、外装容器本体11の開口を封口する封口板15とにより構成されている。外装容器10の内部には、電解液と、蓄電デバイス要素20とが収容されている。この例においては、蓄電デバイス要素20として、例えば、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回扁平構造を有するものが用いられている。そして、蓄電デバイス要素20は、外装容器10の内部において、一方の扁平面20aが外装容器10を構成する封口板15に対向して配置されている。
この例における外装容器10は、外装容器本体11における底壁12の中央部に、有底角筒状の蓄電デバイス要素受部13が当該底壁12の外面より外方に延在する状態で形成されている。また、外装容器本体11の底壁12における蓄電デバイス要素受部13を挟んで互いに対向する位置に底壁12の厚み方向に延びる電極端子導出用の貫通孔が形成されている。なお、正極端子導出部および負極端子導出部は、外装容器本体の底壁における蓄電デバイス受部の一側において並んで形成されていてもよい。
封口板15は、外装容器本体11の幅広面(開口端面)の面積より大きい面積を有する略平板状のものである。封口板15における、外装容器本体11の開口端面の外周縁より外方に突出する外周縁部は、内方側に屈曲されており、これにより、外装容器本体11の開口端部を受容する筒状部16が形成されている。
外装容器本体11の開口を封口する方法としては、例えば、外装容器本体11と封口板15とを溶接により接合して封口する方法、外装容器本体11と封口板15とをかしめることにより直接接合して封口する方法、外装容器本体11と封口板15との間にガスケットなどの樹脂部材を介在させた上でかしめることにより接合して封口する方法などを挙げることができる。この例においては、外装容器本体11の開口端部が封口板15の筒状部16に嵌入されており、外装容器本体11の開口端部と封口板15の筒状部16とが接合されて封口されている。
なお、溶接により接合して封口する場合には、封口板15は、図1に示す構成のものに限定されず、外装容器本体11の幅広面(開口端面)の面積と同等の面積を有する略平板状であればよい。
このような外装容器10においては、十分な大きさの接合領域を確保することができるので、信頼性の高い(堅牢な)封口構造を形成することができる。従って、蓄電デバイス要素20のスプリングバックによって、封口性能が低下することを確実に防止することができて、例えば、外装容器10内に浸入する水分量(水分浸入量)を低減または水分が外装容器10内に浸入することを防止することができる。
〔蓄電デバイス要素〕
この例においては、蓄電デバイス要素20として、正極21および負極25がセパレータを介して積層し捲回された捲回扁平構造を有するものが用いられている。蓄電デバイス要素20は、一方の扁平面20aが封口板15と互いに対向する状態で、外装容器10内に配置されている。この蓄電デバイス要素20は、例えば各々帯状またはシート状の第1のセパレータS1、負極25、第2のセパレータS2および正極21がこの順で積重されてなる電極積重体が、その一端から例えば円筒状または楕円筒状に捲回された後、扁平形状に成形されることにより、あるいは、電極積重体がその一端から扁平形状に捲回されることにより構成されている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
正極21は、多数の貫通孔を有する金属箔よりなる帯状の正極集電体と、この正極集電体の両面に形成された正極活物質層とにより構成されている。一方、負極25は、多数の貫通孔を有する金属箔よりなる帯状の負極集電体と、この負極集電体の両面に形成された負極活物質層とにより構成されている。
正極集電体は、外装容器10に設けられた正極端子に電気的に接続されており、また、負極集電体は、外装容器10に設けられた負極端子に電気的に接続されている。
正極端子および負極端子を外装容器の外部に導出する正極端子導出部および負極端子導出部は、外装容器本体に形成されていることが好ましい。正極端子導出部および負極端子導出部が外装容器本体に形成されることにより、外装容器本体の開口を封口板によって封口するに際して正極端子および負極端子が封口作業の妨げになることがなく、高い作業効率を得ることができる。しかも、設計の自由度が高くなるので、当該蓄電デバイスの複数が直列接続されてなる蓄電モジュールを構成する場合に好適である。
正極端子導出部および負極端子導出部の形成位置は、特に限定されるものではなく。外装容器本体の底壁に形成されていても、外装容器本体の側壁に形成されていてもよい。
また、正極端子および負極端子の形状は特に限定されるものではないが、例えばL字状のものであることが好ましい。正極端子および負極端子としてL字状のものが用いられることによっても、設計の自由度が高くなるので、当該蓄電デバイスの複数が直列接続されてなる蓄電モジュールを構成する場合に好適なものとなる。
この例においては、正極端子30および負極端子35として、例えばL字状のものが用いられている。正極端子30および負極端子35は、それぞれ一端部がリード部材22,26を介して正極集電体および負極集電体に電気的に接続されており、外装容器10の底壁12に形成された貫通孔を介して外装容器10の外部に導出されている。正極端子30の他端部および負極端子35の他端部は、外装容器10の底壁12に沿って延びるよう設けられている。そして、外装容器本体11における貫通孔が適宜の封止材によって封止されることにより正極端子導出部14aおよび負極端子導出部14bが形成されている。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、正極21または負極25に形成された活物質層にリチウムイオンおよびアニオンが予めドープされている。本明細書において、「ドープ」とは、吸蔵、吸着または挿入をも意味し、広く、正極活物質にリチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方が入る現象、あるいはまた、負極活物質にリチウムイオンが入る現象をいう。また、「脱ドープ」とは、脱離、放出をも意味し、正極活物質からリチウムイオンもしくはアニオンが脱離する現象、または負極活物質からリチウムイオンが脱離する現象をいう。
正極21および負極25の少なくとも一方にリチウムイオンを予めドープする方法としては、例えば、金属リチウム等のリチウムイオン供給源をリチウム極として外装容器10内に配置し、正極21および負極25の少なくとも一方とリチウムイオン供給源28との電気化学的接触によって、リチウムイオンをドープさせる方法が用いられる。この例では、蓄電デバイス要素20の一方の扁平面20aに、リチウム金属よりなる板状または箔状のリチウムイオン供給源28が第1のセパレータS1を介して負極25に対向するよう配置されている。このリチウムイオン供給源28上には、リチウム極集電体29が積層されており、リチウム極集電体29は、負極25と電気的に接続されている。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタでは、リチウム極を外装容器内に局所的に配置して電気化学的接触させることによっても、正極21および負極25の少なくとも一方にリチウムイオンを均一にドープすることができる。
従って、正極21および負極25が積層された、または更に巻回された大容量の蓄電デバイス要素を構成する場合にも、正極21および負極25の少なくとも一方に円滑にかつ均一にリチウムイオンをドープすることができる。
〔電極集電体〕
正極集電体および負極集電体(以下、両者を総称して「電極集電体」ともいう。)には、表裏面を貫通する貫通孔が形成されていることが好ましい。電極集電体における貫通孔の形態、数等は特に限定されず、リチウム極から電気化学的に供給されるリチウムイオンおよび電解液中のリチウムイオンが各電極集電体に遮断されることなく、電極の表裏間を移動できるように設定することができる。
電極集電体には、電解エッチング箔などのように、エッチング等によって貫通孔が形成されていても、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどのように、機械的な打ち込みやその他の機械的な加工によって貫通孔が形成されていてもよい。電極集電体の貫通孔の径は例えば0.1〜1000μmであり、0.5〜500μmであることがより好ましい。
また、電極集電体の気孔率は、5〜80%であることが好ましく、10〜70%であることがより好ましい。
電極集電体を構成する材料としては、リチウム系電池に一般に使用されている材料を用いることができる。例えば、正極集電体を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス網等を用いることができ、一方、負極集電体を構成する材料としては、ステンレス網、銅、ニッケル等を用いることができる。
電極集電体の厚みは特に限定されないが、通常2〜100μmであればよく、例えば5〜80μmであることが好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
〔正極活物質〕
正極活物質層を構成する正極活物質としては、リチウムイオンおよびテトラフルオロボレート等の少なくとも1種のアニオンを可逆的に吸着・脱着可能な物質が用いられ、その具体例としては、活性炭粉末が挙げられる。この活性炭粉末の粒度は、数平均粒径D50の値が2μm以上であることが好ましく、より好ましくは2〜50μmであり、特に2〜20μmが好適である。更に、活性炭粉末は、平均細孔径が10nm以下であることが好ましく、また、BET比表面積が600〜3000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは、1300〜2500m2 /gである。
〔負極活物質〕
負極活物質層を構成する負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能である物質のうち、黒鉛、非晶質性炭素により表面の一部または全部が被覆された黒鉛(被覆黒鉛粒子)等が用いられる。この被覆黒鉛粒子は、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンやコークス等の黒鉛系粒子の表面がハードカーボン、コークス、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)等の非晶質性炭素によって被覆されることによって製造される。これらの被覆黒鉛粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような被覆黒鉛粒子において、粒子表面におけるタールやピッチ由来の被覆の有無は、ラマンスペクトル、XRD等の測定により確認することができる。また、被覆構造は集束イオンビーム(FIB)によって粒子の一部を切断し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することが可能である。
負極活物質は、正極活物質と同様に粉末状の材料が用いられるが、その粒度は、数平均粒径D50の値が0.1〜5μmとされる。数平均粒径D50が0.1μm未満の負極活物質は製造が困難である。一方、数平均粒径D50が5μmを超える負極活物質では、内部抵抗が十分に小さいリチウムイオンキャパシタを得ることが困難な場合がある。また、負極活物質は、BET比表面積が0.1〜2000m2 /gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜600m2 /gである。
〔活物質層〕
正極活物質層および負極活物質層(以下、両者を総称して「電極活物質層」ともいう。)は、上記の正極活物質または負極活物質とバインダとを含有するスラリーを用いて、或いは上記の正極活物質または負極活物質を電極集電体に蒸着することによって形成することができる。電極活物質層の厚みは、通常1〜100μmであり、例えば1〜80μmであることが好ましく、より好ましくは2〜70μmである。
〔バインダ〕
上記のような正極活物質を有する正極21および負極活物質を有する負極25を、正極活物質または負極活物質とバインダとを含有するスラリーを用いて作製する場合において、スラリーは、正極活物質または負極活物質と、バインダと、必要に応じて用いられる、導電材、カルボキシメチルセルロース(CMC)(カルボキシメチルセルロース塩を含む)等とを、水または有機溶媒に加えて混合することによって調製される。
そして、得られるスラリーを電極集電体に塗布することによって、或いはスラリーをシート状に成形して電極集電体に貼付することによって、正極21または負極25を作製することができる。
上記の正極21または負極25の作製において、バインダとしては、例えば、SBR等のゴム系バインダ、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
また、導電材としては、例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。
バインダおよび導電材の各々の添加量は、用いられる正極活物質または負極活物質の電気伝導度、作製される電極形状等によっても異なるが、いずれも、通常、正極活物質または負極活物質に対して2〜40質量%であることが好ましい。
正極活物質層の電極密度は、0.40〜0.68g/cm3 であることが好ましい。正極活物質層の電極密度が0.40g/cm3 未満の場合、エネルギー密度が低下する。一方、正極活物質層の電極密度が0.68g/cm3 より大きい場合、電解液の浸透が悪くなり、サイクル特性が悪化する。
負極活物質層の電極密度は、0.7〜1.2g/cm3 であることが好ましい。負極活物質層の電極密度が0.7g/cm3 未満の場合、エネルギー密度が低下する。一方、正極活物質層の電極密度が1.2g/cm3 より大きい場合、電解液の浸透が悪くなり、サイクル特性が悪化する。
各電極活物質層の電極密度は、通常、電極を100℃で真空乾燥した後、各電極活物質層の質量および各電極活物質の外形体積(見掛けの体積)を測定し、各電極活物質層の質量を各電極活物質層の外形体積によって除することによって求められる。ここで、「各電極活物質層の外形体積」とは、各電極活物質層の縦寸法、横寸法および厚み寸法を測定し、その測定値に基づいて算出される体積である。
〔セパレータ〕
第1のセパレータS1および第2のセパレータS2としては、JISP8117に準拠した方法により測定された透気度が1〜200secの範囲内にある材料を好適に用いることができる。具体的には、第1のセパレータS1および第2のセパレータS2としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ポリオレフィン、セルロース/レーヨンなどから構成される不織布や微多孔質膜等の中から適宜選択したものを用いることができる。これらの中では、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはセルロース/レーヨンよりなる不織布が好ましい。
第1のセパレータS1および第2のセパレータS2の厚みは、例えば1〜100μmであり、5〜50μmであることが好ましい。
〔電解液〕
本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、電解液として、リチウム塩の非プトロトン性有機溶媒電解質溶液が用いられる。以下に、電解液中の各成分について説明する。
〔電解液の非プトロトン性有機溶媒電解質〕
電解液を構成する非プトロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート(MBC)等の鎖状カーボネートを用いることができる。これらのうちの2種以上を混合した混合溶媒を用いてもよく、特に、粘度が低く、解離度が高く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物を用いることが好ましい。
また、電解液を構成する非プトロトン性有機溶媒は、環状カーボネートおよび鎖状カーボネート以外の有機溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、スルホラン等の環状スルホン、ジオキソラン等の環状エーテル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を含有してもよい。
非プトロトン性有機溶媒における環状カーボネートと鎖状カーボネートとの割合は、質量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、5:95〜80:20であることが好ましく、より好ましくは10:90〜70:30である。このような割合で環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含有する非プトロトン性有機溶媒を用いることにより、電解液の粘度上昇が抑制され、電解質の解離度を高めることができるため、充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができ、また、電解質の溶解度をさらに高めることができる。
〔電解質〕
電解液における電解質としては、リチウム塩を用いることが好ましく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO22 、LiN(CF3 SO2 2 等が挙げられる。これらの中では、イオン伝導性が高く、低抵抗であることから、LiPF6 が好ましい。電解液におけるリチウム塩の濃度は、低い内部抵抗が得られることから、0.1mol/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5mol/Lであることがより好ましい。
而して、本発明に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、蓄電デバイス要素が、蓄電デバイス要素は、外装容器を構成する封口板または外装容器本体の幅広面に沿って延びる押圧部材によって押圧された状態で配置されている。このような構成とされていることより、蓄電デバイス要素においては、スプリングバックに起因して電極間距離が不均一になるなどの不具合が生ずることを回避することができて、優れた性能を有するものとなる。また、外装容器内部において蓄電デバイス要素が振動したり、蓄電デバイス要素が所望の位置からずれたりすることを抑制でき、蓄電デバイス要素の耐振性を向上させることができる。
押圧部材としては、例えば中蓋などを例示することができる。
図1に示すリチウムイオンキャパシタにおいては、蓄電デバイス要素20が、一方の扁平面20aに接触する封口板15によって蓄電デバイス要素20の積層方向(図1(c)において上下方向)に押圧された状態で、配置されている。
〔蓄電デバイスの製造方法〕
本発明の蓄電デバイスは、例えば以下のようにして製造することができる。
先ず、少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体の内部に、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回形状、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層形状を有する蓄電デバイス要素を収容する。蓄電デバイス要素を外装容器本体の内部に収容するに際しては、蓄電デバイス要素を、捲回軸が水平に延びる姿勢で、外装容器本体の幅広面に対して垂直方向に外装容器本体の開口から挿入する。ここに、蓄電デバイス要素として捲回形状を有するものを用いる場合には、得られる蓄電デバイスにおいて蓄電デバイス要素が捲回扁平構造をなす形状であればよい。すなわち、蓄電デバイス要素は、正極および負極がセパレータを介して積層された電極積層体が予め扁平状に捲回された形状とされている必要はなく、当該積層体が例えば円筒状や楕円筒状に捲回された形状であってもよい。
次いで、外装容器本体内に配置された蓄電デバイス要素を外装容器本体の幅広面に垂直な方向に押圧しながら、封口板を外装容器本体の開口を塞ぐよう配置する。この状態で、外装容器本体と封口板とを接合して外装容器本体の開口を封口し、外装容器を形成する。
蓄電デバイス要素は、封口板もしくは外装容器本体の幅広面に沿って延びる押圧部材によって押圧することができる。
蓄電デバイス要素に対する押圧力は、例えば0.1〜50kgf/cm2 であればよく、1〜45kgf/cm2 であることが好ましい。押圧力が50kgf/cm2 を超えると、蓄電デバイス要素を扁平形状に保持するために高圧プレスで成形する場合と同等の大きな押圧力で、蓄電デバイス要素を押圧することが必要となる。従って、電極活物質層の破損および電極活物質層を構成する活物質の脱落などが生じて性能が低下するなどの問題が生じる。また、0.1kgf/cm2 を下回ると、外装容器内に収容することが困難となる。
外装容器本体の開口を封口する方法としては、上述したように、例えば、外装容器本体と封口板とを溶接により接合して封口する方法、外装容器本体と封口板とをかしめにより直接接合して封口する方法、外装容器本体と封口板との間にガスケットなどの樹脂部材を介在させた上でかしめることにより接合して封口する方法などを挙げることができる。
その後、電解液を外装容器に形成した注液用の孔から外装容器内に注液し、当該孔を適宜の封止材によって封止することにより、蓄電デバイスを得ることができる。
尚、電解液を注液する際には、安全弁(注液口)から電解液を注液する事が望ましい。安全弁(注液口)は、例えば封口板に設けることができる。また、電解液を注液するタイミングは、封口板で外装容器本体を封口してから注液してもよく、封口する前に注液しても良いが、液漏れ等を防止するために封口してから電解液を注液することが好ましい。
以下、図1に示す構成のリチウムイオンキャパシタを製造する方法について具体的に説明する。
先ず、扁平な角筒型形状の外装容器本体11を一方の幅広面(開口面)が上方を向く姿勢で配置し、図3(a)に示すように、外装容器本体11の内部に、例えば捲回形状を有する蓄電デバイス要素20を収容する。蓄電デバイス要素20は、捲回軸が水平に延びる姿勢で、外装容器本体11に対して垂直方向に当該外装容器本体11の開口から挿入する。そして、蓄電デバイス要素20の外周面の一部、例えば扁平形状に捲回されたものもしくは扁平成形されたものにおいては他方の扁平面20bを、外装容器本体11の蓄電デバイス要素受部13の底面に対接させて配置する。さらに、リチウムイオン供給部材を配置し、蓄電デバイス要素20の負極側のリード部材26および正極側のリード部材22を、それぞれ負極端子35および正極端子30に電気的に接続する。
次いで、外装容器本体11内に配置された蓄電デバイス要素20を例えば封口板15によって外装容器本体11の幅広面に垂直な方向(蓄電デバイス要素20における積層方向)に押圧しながら、図3(b)に示すように、外装容器本体11の開口端部を封口板15における筒状部16に嵌入させ、封口板15を外容器本体11の開口を塞ぐよう配置する。この状態で、外装容器本体11の開口端部と封口板15の筒状部16とを接合することにより外装容器本体11の開口を封口して外装容器10を形成する。この例においては、外装容器本体11の開口を封口する方法としては、封口板15の筒状部16をかしめることにより接合する方法、封口板15の筒状部16と外装容器本体11の開口端部とを溶接することにより接合する方法、封口板15の筒状部16をかしめた上でさらに封口板15の筒状部16と外装容器本体11の開口端部とを溶接することにより接合する方法のいずれの方法であっても利用することができる。
そして、電解液を例えば封口板15に形成した安全弁(注液口)から外装容器10内に注液した後、電解液が外部に漏れないよう封止し、以って、図1に示すリチウムイオンキャパシタを得ることができる。
本発明の蓄電デバイスの製造方法においては、捲回形状もしくは積層形状を有する蓄電デバイス要素が、外装容器本体の一方の幅広面における開口から垂直方向に挿入される。そして、蓄電デバイス要素が外装容器本体の幅広面に垂直な方向(積層方向)に押圧されながら収容される。従って、本発明の蓄電デバイスの製造方法によれば、蓄電デバイス要素におけるスプリングバックの影響を可及的に低減することができ、所期の蓄電デバイスを容易に製造することができる。また、蓄電デバイス要素の形状を所期の扁平形状に保持するための例えば高圧プレス処理などを行う必要がないため、製造過程において蓄電デバイス要素を構成する正極および負極に対して与えるダメージを低減することができる。
従って、優れた性能を有すると共に蓄電デバイス要素におけるスプリングバックの影響を受けることがなくて高い生産性の得られる蓄電デバイスが提供される。
さらにまた、蓄電デバイス要素におけるスプリングバックを抑制するため、換言すれば、蓄電デバイス要素を所期の扁平形状を保持するために要求される電極形成材やセパレータなどの材質に係る制限を受けることがないので、高い設計の自由度を得ることができる。
また、本発明の蓄電デバイスの製造方法によれば、外装容器本体の幅広面における開口を封口板によって封口するため、十分な大きさの接合領域を確保することができ、溶接もしくはかしめにより、信頼性の高い(堅牢な)封口構造を形成することができる。従って、蓄電デバイスにおいては、蓄電デバイス要素のスプリングバックによって、封口性能が低下することを確実に防止することができて、例えば、外装容器内に浸入する水分量(水分浸入量)を低減または水分が外装容器内に浸入することを防止することができる。
さらに、コストダウン、製造タクト短縮、製造容易性の観点より、かしめのみの封口が好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、蓄電デバイス要素は、捲回扁平構造を有するものに限定されず、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層扁平構造を有するものであってもよい。このような蓄電デバイス要素の構造は、例えば国際公開第2011/093164号等により既知であり、それらと同様の構成とすることができる。
さらにまた、本発明の蓄電デバイスは、捲回扁平構造もしくは積層扁平構造を有する蓄電デバイス要素を備えた、リチウムイオンキャパシタ以外の有機電解質キャパシタや、リチウムイオン二次電池などの有機電解質電池として実施することもできる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
(1)正極の作製:
正極集電体前駆体であるアルミニウム製エキスパンドメタルの両面に、導電性塗料を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、正極集電体前駆体の表裏面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体前駆体の表裏面に形成された導電層上に、正極活物質としての数平均粒径D50の値が3.5μm、BET比表面積が1950m2 /gの活性炭粉末を含有する正極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、導電層上に正極活物質層を形成した。
このようにして得られた、正極集電体前駆体の一部分に導電層および正極活物質層が積層された材料を、導電層および正極活物質層が積層された部分(以下、正極について「塗工部」ともいう。)、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極について「未塗工部」ともいう。)を含む正極前駆体を適当な大きさに切断することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極を作製した。
ここに、正極集電体の貫通孔の径は100μm、正極集電体の気孔率は30%、正極集電体の厚みは20μmである。また、正極活物質層の厚みは80μmである。
(2)負極の作製:
負極集電体前駆体である銅製エキスパンドメタルの両面に、負極活物質としての数平均粒径D50の値が4μm、BET比表面積が20m2 /gである、非晶質性炭素で被覆した被覆黒鉛粒子を含有する負極用スラリーを、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、両面塗工した後、減圧乾燥させることにより、負極集電体前駆体の表裏面に負極活物質層を形成した。
このようにして得られた、集電体前駆体の一部分に負極活物質層が形成された材料を、負極活物質層が形成された部分(以下、負極について「塗工部」ともいう。)、負極活物質層が形成されてない部分(以下、負極について「未塗工部」ともいう。)を含む負極前駆体を適当な大きさに切断することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極を作製した。
ここに用いた被覆黒鉛粒子については、以下のようにして作製した。
数平均粒径D50の値が2.5μmの微粒子状黒鉛粉末100質量部に対して、前駆体であるピッチ50質量部をニーダーで混合し、窒素雰囲気下において、5℃/minの割合で昇温し、温度1000℃で6時間保持することにより焼成した。得られた焼成物を数平均粒径D50の値が4μmまで解砕することにより、被覆黒鉛粒子を作製した。この被覆黒鉛粒子における非晶質性炭素の被覆量は50質量%である。
ここに、負極集電体の貫通孔の径は100μm、負極集電体の気孔率は30%、負極集電体の厚みは10μmである。また、負極活物質層の厚みは30μmである。
(3)セパレータの作製:
各々厚みが30μmであるセルロース/レーヨン複合材料のフィルムを縦横の幅が正極と負極よりも大きいサイズとなるよう切断することによって、第1のセパレータおよび第2のセパレータを作製した。
(4)蓄電デバイス要素の作製:
製造した正極における正極集電体の未塗工部上にアルミニウム製のリード部材を配置して超音波溶接により接続した。また、製造した負極における負極集電体の未塗工部上に銅製のリード部材を配置して超音波溶接により接続した。
正極と負極とを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう位置合わせした状態で、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータ、正極の順で積重することにより、電極積重体を構成した。この電極積重体を、直径φ35mmのステンレス製の芯棒に対し、第1のセパレータが内側となるよう当該電極積重体の一端から捲回することにより、内径35mm、外径49mmの円筒状の捲回体を作製した。このようにして得られた捲回体を押圧力が5kgf/cm2 となる条件でプレスすることにより、略扁平に成形された捲回形状の蓄電デバイス要素を作製した。
次いで、リチウム箔を切断し、銅網に圧着することにより、リチウムイオン供給部材を作製し、このリチウムイオン供給部材を蓄電デバイス要素の最外周部分を構成する第1のセパレータの扁平成形された部分の上面に負極と対向するよう配置した。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製:
寸法が100mm×70mm×15mmであるアルミニウム製の扁平な略角筒型形状の外装容器本体を用意し、この外装容器本体の内部に、作製した蓄電デバイス要素を捲回軸が水平に延びる姿勢で、外装容器本体に対して垂直方向に外装容器本体の開口から挿入して収納した。そして、蓄電デバイス要素の負極側のリード部材を、外装容器本体の底壁に設けられた負極端子の一端部に抵抗溶接して電気的に接続すると共に、正極側のリード部材を、外装容器本体の底壁に設けられた正極端子の一端部に抵抗溶接して電気的に接続した。
次いで、寸法が102mm×72mm×8mmであるアルミニウム製の封口板を、蓄電デバイス要素を当該封口板によって5kgf/cm2 の押圧力で垂直方向に押圧しながら、封口板を外容器本体の開口を塞ぐよう配置した。この状態で、外装容器本体の開口部と封口板の外周縁部とをかしめることにより外装容器本体の開口を封口した。そして、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を、封口板に形成された安全弁(注液口)から外装容器の内部に45ml注入した後、封止することにより、各々捲回扁平構造を有する蓄電デバイス要素が外装容器内に収容されたリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC1」ともいう。)を10個作製した。
〔1:電極剥離試験〕
5個のセルC1の各々から電極を電解液注液前に取り出し、当該電極から20mm(幅)×100mm(長さ)のサンプルを切り取り電極サンプル片を作成する。この電極サンプル片の全面を、日東電工社製の両面テープ「Nitto No.5000N」(幅寸法25mm)を用いてアルミニウム製のサンプル固定基材に貼り付ける。次いで、評価電極サンプル片の端をサンプル固定基材から5mm剥がし、剥離試験機の引っ張り治具に挟んだ状態で、剥離試験機のロードセルを上昇し、引っ張りを開始する。剥離角度は90°、剥離速度は100mm/minとした。試験中のロードセルの負荷より、引き剥がし粘着力(gF/20mm幅)を求める。なお、測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視することとし、固定基材から引き剥がされた50mmの長さの粘着力測定値の平均値を、引き剥がし粘着力(ピール強度(gF/cm))として算出した。その後、5個のセルC1を再度組み直し、以下に示す2〜6の測定試験を行った。以下に、測定方法および測定条件を記す。なお、データは5個のセルの平均値を示す。
〔2:エネルギー密度測定〕
5個のセルC1の各々に対し、10Aの電流値で電圧が3.8Vとなるまで充電した後、同電圧で30分間保持し、その後、10Aの電流値で電圧が2.2Vとなるまで放電した際の容量を測定した。この容量をセルC1の有するエネルギーとし、セルC1の体積で除してエネルギー密度(Wh/L)を求め、5個のセルC1についての平均値を算出した。結果を下記表1に示す。
〔3:初期DC−IR(直流内部抵抗)測定〕
5個のセルC1の各々について、セルの初期DC−IR値〔Ω〕を、日本電計株式会社製の充放電装置を用い、下記の測定条件のCC放電(定電流放電)を行うことによって測定した。結果を下記表1に示す。
(測定条件)
温度:25℃
電圧範囲:3.8〜2.2V
電流値:10A
(評価基準)
DC−IR値(Ω)が2.0mΩ未満である場合を「〇」、2.0mΩ以上〜3.0mΩ未満である場合を「△」、3.0mΩ以上である場合を「×」とした。
〔4:充放電サイクル試験〕
5個のセルC1の各々について、25℃において100Cの電流密度で10万回充放電サイクルを行った後、1サイクル目と比較した容量保持率(%)および抵抗上昇率(%)を測定し、5個のセルC1についての平均値を算出した。結果を下記表1に示す。
また、以下に、容量保持率および抵抗上昇率の定義を示す。
〔5:容量保持率の定義〕
1サイクル目のセルの容量を測定した際の値を100%としたとき、10万サイクル目のセルの容量の保持率を測定した。
〔抵抗上昇率の定義〕
1サイクル目のセルの交流内部抵抗(RC)を測定した際の値を100%としたとき、10万サイクル目のセルの交流内部抵抗(RC)の上昇率を測定した。
〔6:電極活物質層の電極密度測定〕
上記2〜5の測定を行った後の5個のセルC1から各電極を取り出し、ジエチルカーボネートの入った容器に30分間浸漬して洗浄処理し、100℃で真空乾燥した後、活物質層の存在する任意の場所を2×2cm2 のサイズに2つ切り出し、切り出した1つの各電極の重さを電子天秤で測定し、厚みをマイクロメーターで測定した。次いで、活物質層の存在していない未塗工領域の集電体のみを同じにサイズに切り出して電子天秤にて重さを測定し、厚みをマイクロメーターで測定した。得られた集電体のみの重さを正極の重さから差し引いて、各電極活物質層の重さを算出した。次いで、得られた集電体のみの厚みを各電極の厚みから差し引いて、各電極活物質層の厚みを算出し、各電極活物質の外形体積(見掛けの体積)を算出した。次いで、各電極活物質層の質量を当該各電極活物質層の外形体積によって除することによって各電極活物質層密度を求めた。結果を下記表1に示す
〈比較例1〉
実施例1の蓄電デバイス要素の作製において、円筒状の捲回体を押圧力が100kgf/cm2 の条件で高圧プレスすることにより、外装容器本体の内部空間に適合する扁平形状に成形したこと以外は実施例1と同様にして扁平捲回構造の蓄電デバイス要素を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、当該蓄電デバイス要素を備えたリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC2」ともいう。)を10個作製した。
作製したセルC2について、実施例1と同様の手法によって、1〜6の測定試験を行った。結果を下記表1に示す。
〈比較例2〉
実施例1の蓄電デバイス要素の作製において、円筒状の捲回体を押圧力が150kgf/cm2 の条件で高圧プレスすることにより、外装容器本体の内部空間に適合する扁平形状に成形したこと以外は実施例1と同様にして扁平捲回構造の蓄電デバイス要素を作製した。そして、実施例1と同様の方法により、当該蓄電デバイス要素を備えたリチウムイオンキャパシタ(以下、「セルC3」ともいう。)を10個作製した。
作製したセルC3について、実施例1と同様の手法によって、1〜6の測定試験を行った。結果を下記表1に示す。
Figure 2016164918
実施例1においては、押圧力が小さいため、活物質の偏在が起きず、ピール強度が高かった。また、電極密度が低い事から、電解液の浸み込み量が多くなり電極抵抗が小さくなった。更に、低抵抗化に伴い、容量が増えてエネルギーが取り出しやすくなったため、高エネルギー密度化になった。
比較例1、2においては、押圧力が大きい事から、活物質の偏在が起き、ピール強度が小さくなった。これにより、活物質層が剥離しやすくなってしまったことが確認できた。更に、電極密度が高くなり、電解液の浸み込み量が少なくなり電極抵抗が大きくなった。高抵抗化に伴い、容量が低下してエネルギーが取り出しにくくなり、エネルギー密度が小さくなったと考えられる。
10 外装容器
11 外装容器本体
12 底壁
13 蓄電デバイス要素受部
14a 正極端子導出部
14b 負極端子導出部
15 封口板
16 筒状部
20 蓄電デバイス要素
20a 一方の扁平面
20b 他方の扁平面
21 正極
22 リード部材
25 負極
26 リード部材
28 リチウムイオン供給源
29 リチウム極集電体
30 正極端子
35 負極端子
41 外装容器本体
42 開口
45 封口板
50 蓄電デバイス要素
S1 第1のセパレータ
S2 第2のセパレータ

Claims (7)

  1. 少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体および当該外装容器本体の開口を封口する封口板により構成された外装容器の内部に、電解液と、蓄電デバイス要素とが収容されてなり、
    前記蓄電デバイス要素は、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回扁平構造、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層扁平構造であって、当該蓄電デバイス要素における扁平面が前記封口板に対向配置されていることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. それぞれ一端部が正極および負極に電気的に接続され、他端部が前記外装容器の外部に導出された正極端子および負極端子を備えており、
    前記外装容器本体に、正極端子導出部および負極端子導出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記蓄電デバイス要素は、前記封口板または外装容器本体の前記幅広面に沿って延びる押圧部材によって押圧された状態で配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス。
  4. リチウムイオンキャパシタとして適用されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  5. 少なくとも一方の幅広面が開口する扁平な角筒型形状の外装容器本体の内部に、正極および負極がセパレータを介して積層されて捲回された捲回形状、もしくは、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されるよう少なくともセパレータが折り畳まれた積層形状を有する蓄電デバイス要素を、外装容器本体の前記幅広面に対して垂直方向に当該外装容器本体の開口から挿入して配置し、
    当該蓄電デバイス要素を、外装容器本体の前記幅広面に垂直な方向に押圧しながら、前記外装容器本体の開口を塞ぐ封口板を当該外装容器本体に接合して封口する工程を有することを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。
  6. 前記封口板と前記外装容器本体とをかしめることにより、当該外装容器本体と当該封口板を接合して封口することを特徴とする請求項5に記載の蓄電デバイスの製造方法。
  7. 前記封口板と前記外装容器本体とを溶接することにより、当該外装容器本体と当該封口板を接合して封口することを特徴とする請求項5に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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