JP2016164905A - p型GaN層の製造方法、及び該製造方法を利用した半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

p型GaN層の製造方法、及び該製造方法を利用した半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面が平滑であって、抵抗値が低いp型GaN層であり、さらに、該p型GaN層上に形成した電極の接触抵抗が低くできるp型GaN層の製造方法を提供する。【解決手段】 有機金属気相成長法により、窒素ガスを含むキャリアガスを使用して、AlXGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上にp型GaN層を製造する方法であって、前記p型GaN層を、キャリアガス中の窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満であり、成長速度が0.03〜0.35μm/hで成長させることを特徴とするp型GaN層の製造の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外発光素子などに適用できる、p型GaN層の新規な製造方法、及び該方法を利用した半導体デバイスの新規な製造方法に関する。
AlGa1−aN(0≦a≦1)で表されるIII族窒化物半導体は、III族元素(アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga))の組成を制御することによって、210〜365nmの範囲で任意に発光ピーク波長を選択でき、上記波長に対応するエネルギー範囲で直接遷移型のバンド構造を有することから、最適な紫外発光素子材料である。このような紫外発光素子は、一般に、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)によって、単結晶基板上にAlGa1−aN積層構造を結晶成長させることにより製造される。単結晶基板にはAlGa1−aN層と格子定数および熱膨張係数の整合性の良い材料を用いることが望ましい。そのため、特にAlを含むAlGa1−aN(0<a≦1)層を成長させる場合、AlGa1−aN層中の欠陥密度を低減し、高効率な紫外発光素子を作製するためには、窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板を使用することが有効な手段であることが知られている。
例えば、非特許文献1〜2では、発光ピーク波長が300nm以下の紫外発光ダイオードにおいて、AlGa1−aN層の転位密度を低減することにより、発光効率や素子寿命が改善されることが報告されている。さらに、特許文献1では、AlN単結晶基板上に格子整合したAlGa1−aN(0<a≦1)層を含む積層構造とすることにより、AlGa1−aN層の転位密度を低減することが可能であること、該積層構造を含む紫外発光ダイオードを作製することによって、発光ピーク波長が250nmのものを製造できることが開示されている。
また、特許文献2の記載によれば、キャップ層となるp型GaN(p型窒化ガリウム)層は、AlN単結晶基板と格子整合したAlGa1−aN(0<a≦1)層との格子定数差が大きいため、AlGa1−aN層上にStranski−Krastanov(SK)モード、もしくはVolmer−Weber(VW)モードで成長することが記載されている。その結果、成長初期段階においては、窒化ガリウム(GaN)は島を形成するように3次元的に結晶成長する。非特許文献3では、サファイア基板上にAlGa1−aN(0<a≦1)層を成長し、該AlGa1−aN層上に成長したGaN層において、水素キャリアガスで成長した場合には、設計値の2倍程度に相当する500nm程度の高さの島状結晶が形成されることが報告されている。また、非特許文献3には、GaN層成長時に窒素キャリアガスを使用することによって、GaN層の平滑性が改善することが報告されている。
そして、特許文献3には、GaN層を成長する際に、窒素ガスを使用した例示として、窒素キャリアガスの比率が0.5以上であることが記載され、その実施例には、キャリアガスの比率が、窒素ガス0.9であり、水素ガス0.1である場合が示されている。
国際公開WO2008/094464号 米国特許8080833号 特開2014−154591
Appl.Phys.Express 4,052101(2011) Jpn.J.Appl.Phys. 46,L877(2007) Jpn.J.Appl.Phys. 53,030305 (2014)
本発明者等の検討によれば、キャリアガスとして水素ガスのみを使用してp型GaN層を成長した場合は、成長終了後にp型GaN層表面の熱的なエッチングが起こることによってp型GaN層の表面平滑性が低下することが確認された。そして、平滑性が低下するに伴って、p型GaN層上に形成した電極との接触抵抗が増大することが分かった。また、AlN基板上にp型GaN層を成長する場合には、上記のエッチングによる表面エッチングの発生に加えて、特許文献2に記載されているように、3次元成長が起こるため、GaN層の平滑性が悪化する場合あるなど、紫外発光ダイオードの発光効率や信頼性を向上させることが困難な場合があった。
さらに、非特許文献3・特許文献3に記載の方法に従い、窒素ガスをキャリアガスの主成分とした場合には、水素ガスのみをキャリアガスに用いた場合に比べて、p型GaN層の抵抗値が増大することが分かった。そして、p型GaN層の抵抗値が増大するに伴って、p型GaN層上に形成した電極との接触抵抗が増大することも分かった。
したがって、本発明の目的は、AlGa1−aN(0<a≦1)単結晶層(AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層)上に、単結晶からなるp型GaN層を製造する方法において、表面が平滑であって、抵抗値が低いp型GaN層であり、さらに、該p型GaN層上に形成した電極の接触抵抗が低くできるp型GaN層の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者らは、p型GaN層成長時の、キャリアガス種や成長温度などを詳細に検討した。その結果、キャリアガスを構成するガスの構成比、及びGaN層の成長速度を同時に制御することにより、表面平滑性に優れ、抵抗値が低いGaN層を得ることが可能であり、さらに、従来知られていたキャリアガスの組成で成長したものと比較して、p型GaN層上に形成した電極との接触抵抗値を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機金属気相成長法により、窒素ガスを含むキャリアガスを使用して、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上にp型GaN層を製造する方法であって、前記p型GaN層を、キャリアガス中の窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満であり、成長速度が0.03〜0.35μm/hで成長させることを特徴とするp型GaN層の製造の製造方法である。
本発明によれば、AlGa1−XN単結晶層上に、平滑性の高いp型GaN層を形成することが可能である。さらに、p型GaN層上に形成された電極との接触抵抗を効果的に低減することが可能となる。
p型GaN層を製造した際の一例を示すIII族窒化物積層体の概略図である。
本発明は、MOCVD法により、窒素ガスを含むキャリアガスを使用して、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上にp型GaN層を製造する方法である。そして、該p型GaN層を成長するに際し、キャリアガス中の窒素ガスの体積流量比を0.1以上0.5未満とし、該p型GaNの成長速度を0.03〜0.35μm/hとして成長させることを特徴とするものである。このp型GaN層は単結晶層である。
(p型GaN層の成長条件)
本発明において、MOCVD法によるp型GaN層の成長では、Ga(ガリウム)源となるトリメチルガリウムなどの有機金属原料(III族原料ガス)と、N(窒素)源となるアンモニアなどの窒素原料ガスとを、水素ガス、窒素ガスなどのキャリアガスと混合して反応炉に供給し、反応炉内で加熱された基板上に供給して、GaN層を基板上に結晶成長させる手法である。
有機金属原料(III族原料ガス)には、トリメチルガリウム以外にもトリエチルガリウム等の公知の材料を用いることができる。
また、窒素原料ガスとして、ヒドラジンなどのガスを使用することできるが、入手のしやすさなどの観点からアンモニアを用いることが好ましい。また、アンモニア中に含まれる不純物(主に水分)は、GaN層の表面平滑性を悪化させる要因になるため、使用するアンモニアガスの純度が高い方が好ましく、5N以上であることが好ましく、さらに好ましくは7N以上である。
これらの原料ガスは、水素ガス、窒素ガスなどのキャリアガスと共に反応炉に供給される。本発明においては、全キャリアガス中の窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満(窒素ガス体積流量/全キャリアガス体積流量=0.1以上0.5未満)としなければならない。この体積流量比は、反応炉内に供給するキャリアガスの基準状態(1atm)における体積流量値から求めた値である。
窒素ガスの体積流量の増加に伴って、p型GaN層の平滑性は改善する傾向がある。しかしながら、窒素ガスの体積流量比が0.5以上となると、p型GaN層における導電性が低下し(抵抗値が高くなり)、また、p型GaN層とp型GaN層上に形成された電極との接触抵抗が増加する。また、窒素ガスの体積流量比が0.1未満の場合には、接触抵抗が増加する。そのため、窒素ガスの体積流量比は、より好ましくは0.3以上0.4以下である。
本発明において、全キャリアガスの窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満であれば、特に制限されるものではないが、その他のキャリアガスとして、水素ガスを含むことが好ましい。その中でも、水素ガスと窒素ガスとからなるキャリアガスとすることが好ましい。そのため、水素ガスをキャリアガスとして使用する場合には、窒素ガスと水素ガスとの体積流量比が、窒素ガスが0.1以上0.5未満であり、水素ガスが0.5を超え0.9以下となることが好ましく、さらには、窒素ガスが0.3以上0.4以下であり、水素ガスが0、6以上0.7以下であることが好ましい。この場合、キャリアガスは水素ガスと窒素ガスとからなり、水素ガスと窒素ガスの合計体積流量を1とする。
また、p型GaN層とするためには、前記原料ガス、キャリアガスに加え、ドーパント原料ガスを供給すればよい。p型とするためのドーパントには、Mg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、C(炭素)などの公知のドーパントを用いることができるが、安全性や制御の容易さなどの観点からMgを用いる好ましい。そのため、また、Mg原料ガス(ドーパント原料ガス)として、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを用いることが好ましい。p型GaN層中のMg濃度は、Mg原料ガスの流量によって、適宜決定すればよい。中でも、比抵抗値が10Ωcm以下の良好なp型導電性を得るためには、Mg濃度は1×1019〜2×1020cm−3とすることが好ましく、5×1019〜1×1020cm−3とすることがさらに好ましい。
本発明において、p型GaN層の成長速度は、前記キャリアガスを使用すると共に、0.03〜0.35μm/h(1時間当たり0.03〜0.35μm)としなければならない。成長速度が0.03μm/h未満の場合には、p型GaN層の脱離と成長の制御が困難になるため、結果としてp型GaN層の膜厚制御性が低下するため好ましくない。一方、成長速度が0.35μmを超える場合には、p型GaN層の平滑性が低下するため好ましくない。そのため、これらの特性を考慮すると、p型GaN層の成長速度は、0.05〜0.1μm/hの範囲内とすることが好ましい。なお、本発明において、p型GaN層の成長速度は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したp型GaN層膜厚と成長時間の関係から求めたものである。
また、この成長速度は、p型GaN層の成長時において、GaNが脱離(蒸発)の影響を受けない場合の成長速度に対して、0.1〜0.8倍、より好ましくは0.3〜0.6倍の範囲内に設定することが好ましい。なお、GaNが脱離(蒸発)の影響を受けない場合の成長速度とは、成長温度に対して成長速度をプロットし、成長温度によらず成長速度が一定となる領域の成長速度を指す。より具体的には950〜980℃で成長した際のp型GaN層の成長速度はほぼ一定となり、この平均値を脱離の影響を無視できる温度域での成長速度と見なすことができる。なお、当然のことながら、脱離の影響を受けない場合の成長速度は、本発明のキャリアガスの組成と同じ組成で算出したものを使用する。
本発明において、p型GaN層の成長温度は、1000〜1100℃、より好ましくは1020〜1080℃の範囲とすることが好ましい。GaN層の成長において、1000〜1100℃の範囲では、GaNの成長と脱離(蒸発)が同時に起こる範囲である。III族原料ガス量が一定の場合には、成長温度の増加に伴い熱脱離により成長速度が低下する。そのため、p型GaN層の成長と脱離の割合は、成長温度、III族原料ガス量、窒素原料ガス量などの成長パラメータで制御することができる。本発明においては、これらの成長パラメータを制御することによって、p型GaN層の成長速度を調整すればよい。この調整は、キャリアガスにおける窒素ガスの体積流量比を一定にした条件下で、成長パラメータと成長速度との関係を実験で求め、それを参考にしてp型GaN層の製造を実施してやればよい。
本発明において、p型GaN層の成長時における窒素原料ガス量、及びIII族原料ガス量の比(V/III比)は、全キャリアガスにおける窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満の条件下、成長速度が0.03〜0.35μm/hの範囲を満足するように適宜決定してやればよい。特に、上記の通り、成長温度によっては成長と脱離とが同時に起こるため、成長と脱離の関係に応じて決定すればよい。その中でも、生産性を考慮すると、V/III比は5000〜15000の範囲で調整することが好ましい。
また、窒素原料ガス量は、装置の大きさ、形状、p型GaN層を成長させる面の面積等によって最適値が変わるため、一概に限定できないが、通常であれば、2.0〜5.0slmであることが好ましい。
また、p型GaN層の成長時の圧力は、特に制限されるものではないが、100〜1000mbarであることが好ましい。
本発明においては、以上のようなp型GaN層の成長条件を採用して、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上にp型GaN層を製造する。その結果、p型GaN層が島状に形成されることなく、2乗平均粗さ(RMS)が5nm以下の平滑性に優れたp型GaN層となる。表面平滑性が低下すると、高指数面が表面に露出する結果、p型GaN層の脱離が起こりやすくなる。そのため、本発明のp型GaN層を用いた発光素子などのデバイスの性能を考慮すると、p型GaN層のRMSは小さいことが望まれる。RMSのより好ましい範囲は、3nm以下、さらに好ましくは1nm以下である。RMSの下限値は、特に制限されるものではないが、測定精度を考慮すると、0.1nmである。
また、本発明においては、Mg濃度が1×1019〜2×1020cm−3の範囲であれば、p型GaN層の比抵抗値は10Ωcm以下とすることができる。
本発明において、p型GaN層の厚みは、特に制限されるものではないが、生産性等を考慮すると、5〜150nmとすることが好ましい。
(p型GaN層をその上に成長させるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層)
本発明において、p型GaN層をその上に成長させるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層は、特に制限されるものではなく、単一の層であっても、基板上に形成された単結晶層であり、単一の層であってもよいし、Al組成や導電性が異なる複数の層から構成されていてもよい。
本発明の方法を発光素子に適用する場合には、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が複数の層からなることが好ましい。具体的には、必要に応じてAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層からなる単結晶バッファ層、n型AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層、それぞれAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層からなる井戸層と障壁層とを複数回積層した多重量子井戸層(活性層)、必要に応じてp型とするAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層からなる電子ブロック層、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層からなるp型AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層をこの順で積層したAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層であることが好ましい。なお、単結晶バッファ層を使用した場合には、単結晶バッファ層の下に、下記に詳述する単結晶基板を有していてもよい(単結晶基板上に単結晶バッファ層が直接積層されてもよい。)。また、単結晶バッファ層を設けない場合には、n型AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が、下記に詳述する単結晶基板上に直接積層されていてもよい。
また、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層は、所望のデバイス形態に応じて、上記の通り、n型ドーパントやp型ドーパントを含んでいてもよい。該デバイスを発光素子に使用する場合には、p型GaN層が直接積層されるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層は、p型ドーパントを含むp型AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層であることが好ましい。中でも、紫外発光素子に適用する場合には、p型であって、Xが0.5〜1の範囲となるAlGa1−XN単結晶層であることが好ましい。
AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の厚みについても、特に制限されるものではない。ただし、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層は、クラックを有さないことが好ましい。後述する基板上にAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が形成されている場合には、該AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層にクラック等が発生しない膜厚範囲であればよい。複数の層からなる場合には、p型GaN層が直接積層されるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層にクラックが発生していなければよい。ただし、p型GaN層が直接積層されるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層だけがクラックを有さないものの製造は、非常に難しいため、複数の層からなる場合には、全てのAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層にクラックを有さないことが好ましい。本発明の方法を発光ダイオードなどの発光素子に適用する場合、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の具体的な厚みは、例えば、0.1〜10μmの程度の範囲で適宜決定すればよい。この厚みは、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が複数の層からなる場合には、その合計の厚みである。そのため、例えば、発光ダイオードなどの発光素子に適用する場合、p型GaN層が直接積層されるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の厚みは、5〜100nmであってもよい。
また、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の平滑性が悪いと、p型GaN層の平滑性や導電性が悪化するため、RMS値は3nm以下であることが好ましく、さらに1nm以下であることが好ましい。この平滑性は、当然のことながら、p型GaN層が直接積層されるAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の表面である。
また、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の転位密度は、低転位密度であることが望まれ、好ましくは10cm−2以下、さらに好ましくは10cm−2、最も好ましくは10cm−2以下である。AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が複数の層からなる場合には、全てのAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の転位密度が10cm−2以下であることが好ましい。このような低転位密度のAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層とする場合には、下記に詳述する単結晶基板として、転位密度が好ましくは10cm−2、さらに好ましくは10cm−2以下であるAlN単結晶基板上に、格子整合したAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層とすることが好ましい。そのため、複数の層からなるAlGa1−XN単結晶層は、全ての層において、Xは0.3〜1.0であることが好ましい。なお、上記転位密度は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察したものである。
(AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の製造方法)
AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のHVPE法、MBE法、MOCVD法などの方法で製造することができる。特に、本実施形態では、p型GaN層と同じ、MOCVD法で製造することが好ましい。具体的には、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が成長できる単結晶基板上に、該方法により製造すればよい。
単結晶基板は、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層が成長でき、p型GaN成長時の温度に耐えうる材料であれば、特に制限されず、AlN、サファイア、SiC(炭化ケイ素)、Si(ケイ素)などの材料を用いればよい。本実施形態では、上記の通り、低転位密度のAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層とすることが好ましいため、AlN単結晶基板を用いることが望ましい。
発光素子への適用
本発明の製造方法により作製したp型GaN層上には、電極を形成して発光素子に適用することもできる。電極材料には、公知のNi、Au、Rh、ITO、Pd、Pt、Ru等の電極膜およびそれらの積層電極膜を制限なく使用することができる。中でも、NiとAuを含む積層膜であることが好ましい。これらの電極材料は、スパッタリング法や真空蒸着法などの公知の手法によって、p型GaN層上に形成することができる。所望のパターン形状で電極を形成する場合には、公知のフォトリソグラフィー技術を用いればよい。
p型GaN層上に電極を形成した後、接触抵抗を低減させる目的で、窒素、もしくは酸素雰囲気下でアニールしてもよい。通常、電極を形成した直後は、1V程度のショットキーバリアが電極とp型GaN層界面に形成され、接触抵抗が高い状態であるが、アニール処理することにより、接触抵抗を10−1Ωcm以下に低減することが可能となる。アニール温度は、使用する電極材料によっても良好な温度範囲が異なるため、特に制限されるものではないが、400〜800℃の範囲で適宜決定すればよい。
本発明において、電極を形成した積層体の接触抵抗値は、p型GaN層の成長条件、および電極材料とアニール条件を検討することにより、10−2Ωcm以下、さらには10−3Ωcm以下とすることができる。接触抵抗の下限値は0であるが、工業的に製造可能な範囲を考慮すると、10−6Ωcmである。なお、接触抵抗の測定方法には、距離を種々変更した電極間の抵抗値を測定し、距離と抵抗値の切片から接触抵抗値を求める、公知のTLM(Transmission Line Model)法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。例えば、AlN基板上にn型AlGa1−XN層、アンドープのAlGa1−XN層からなる量子井戸構造、p型AlGa1−XN層多層構造、p型GaN層からなる発光ダイオード、レーザーダイオードの製造に好適にしようすることができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例
実施例1
図1に示すようなIII属窒化物積層体を製造した。
(単結晶基板の準備)
結晶成長用基板(単結晶基板3)にはC面AlN単結晶基板(1×1cm)を用いた。これをMOCVD装置内のサセプタ−上に設置した後、水素ガスを13slmの流量で流しながら、AlN基板を1250℃まで加熱し、10分間保持することで表面クリーニングを行った。
(AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の製造1)
次いで、基板温度(成長温度)が1200℃、トリメチルアルミニウム流量が25μmol/min、アンモニア流量が1slm、水素キャリアガス流量が9slm、圧力が35mbarの条件でAlN膜を厚さ0.1μm形成した。
(AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層の製造2)
次いで、基板温度が1100℃、トリメチルガリウム流量が18μmol/min、トリメチルアルミニウム流量が35μmol/min、アンモニア流量が1.5slm、水素キャリアガス流量が8.5slm、圧力が50mbarの条件でAl0.7Ga0.3Nバッファ層を0.5μm形成した。
このAlN膜とAl0.7Ga0.3Nバッファ層とがAlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層2に該当する。そして、Al0.7Ga0.3Nバッファ層が、p型GaN層が積層される層に該当する。
(p型GaN層の製造)
次いで、基板温度を1030℃、圧力を200mbarに設定した後、反応炉内に窒素ガスを導入し、水素ガスと窒素ガスの混合キャリアガス流量を7slmとした。この際、全キャリアガス流量に対する窒素ガスの体積流量比を0.2、水素ガスの体積流量比を0.8とした(水素ガスと窒素ガスとの合計体積流量を1とする)。その後、トリメチルガリウム流量が16μmol/min、ビシスクロペンタジエニルマグネシウム流量が1.0μmol/min、アンモニア流量が3.0slmの条件でp型GaN層を1時間成長した。
(p型GaN層の評価・接触抵抗値の測定)
p型GaN層を製造したIII族窒化物積層体をMOCVD装置から取り出し、原子間力顕微鏡(東陽テクニカ製Nano−R)により5μm角の表面凹凸像を取得し、そこから2乗平均粗さ(RMS)を測定した。p型GaN層表面のRMSは0.82nmであった。
その後、該積層体を5×5mmに4分割した。分割したものの一つを、SEMにより断面観察し、p型GaN層の膜厚を測定した。p型GaN層の膜厚は0.070μmであり、成長速度は0.070μm/hと見積もられた。980℃における同条件のp型GaN層の成長速度に対して0.5倍であった。
残りの積層体は、窒素雰囲気中、20分間、800℃の条件でp型活性化アニールを行った。次いで、真空蒸着法によりTLM測定のためのNi(20nm)/Au(50nm)電極を形成した後、酸素雰囲気中、5分間、550℃の条件で電極のアニール処理を行った。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は3Ωcm、6×10−2Ωcmであった。
実施例2
実施例1のp型GaN層の製造において、全キャリアガスにおける窒素ガスの体積流量比を0.4(水素ガス0.6)に変更した以外は、実施例1と同様にして、p型GaN層を作製して評価を行った。
p型GaN層の膜厚は0.075μmであり、成長速度は0.075μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.46倍であった。また、p型GaN層表面のRMSは0.79nmであった。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は5Ωcm、8×10−3Ωcmであった。
比較例1
実施例1のp型GaN層の製造において、全キャリアガスにおける窒素ガスの体積流量比を0.6(水素ガス0.4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、p型GaN層を作製して評価を行った。
p型GaN層の膜厚は0.082μmであり、成長速度は0.082μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.59倍であった。p型GaN層表面のRMSは1.56nmであった。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は18Ωcm、9×10−1Ωcmであった。
比較例2
実施例1のp型GaN層の製造において、水素ガスのみを全キャリアガスに変更した以外は、実施例1と同様にして、p型GaN層を作製して評価を行った。
p型GaN層の膜厚は0.03μmであり、成長速度は0.03μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.21倍であった。p型GaN層表面のRMSは0.84nmであった。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は1.2Ωcm、2×10−1Ωcmであった。
比較例3
実施例1のp型GaN層の製造において、トリメチルガリウム流量を44μmol/min、成長時間を30分に変更した以外は、実施例1と同様にしてp型GaN層を作製して評価を行った。p型GaN層の膜厚は0.22μmであり、成長速度は0.44μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.88倍であった。p型GaN層の表面には、多角形状のヒロックが多数観察され、RMSは36nmと大きな値であった。TLM測定から得られた接触抵抗値は18Ωcmであった。なお膜厚が不均一であった為、比抵抗値の算出はしていない。
実施例3
実施例2のp型GaN層の製造において、基板温度(成長温度)を1060℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、p型GaN層を作製して評価を行った。
p型GaN層の膜厚は0.05μmであり、成長速度は0.05μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.36倍であった。p型GaN層の表面のRMSは0.72nmであった。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は1.4Ωcm、5×10−2Ωcmであった。
実施例4
実施例2のp型GaN層の製造において、基板温度(成長温度)を1015℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、p型GaN層を作製して評価を行った。
p型GaN層の膜厚は0.11μmであり、成長速度は0.11μm/hと見積もられた。980℃における同条件のGaN層の成長速度に対して0.79倍であった。GaN表面のRMSは0.86nmであった。TLM測定から得られた比抵抗値、および接触抵抗値は7.3Ωcm、3×10−2Ωcmであった。
1 p型GaN層
2 AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層
3 単結晶基板

Claims (5)

  1. 有機金属気相成長法により、窒素ガスを含むキャリアガスを使用して、AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上にp型GaN層を製造する方法であって、
    前記p型GaN層を、キャリアガス中の窒素ガスの体積流量比が0.1以上0.5未満であり、成長速度が0.03〜0.35μm/hで成長させることを特徴とするp型GaN層の製造の製造方法。
  2. 前記キャリアガスが水素ガスを含み、水素ガスと窒素ガスとの体積流量比が、水素ガスが0.5を超え0.9以下であり、窒素ガスが0.1以上0.5未満(ただし、水素ガスと窒素ガスの合計体積流量を1とする)である請求項1に記載のp型GaN層の製造方法。
  3. 前記AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層がAlN単結晶基板上に積層されており、該AlGa1−XN(0<X≦1)単結晶層上に前記p型GaN層が積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のp型GaN層の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法によりp型GaN層を製造した後、前記p型GaN層上に電極を形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  5. 前記電極の接触抵抗が1×10−1Ωcm以下となる請求項4に記載の半導体デバイスの製造方法。
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