JP2016164734A - 自動現金預払機運用計画システム及び方法 - Google Patents

自動現金預払機運用計画システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ATMの稼働停止による経済的損失も定量的に考慮した現金運用計画を策定する、自動現金預払機運用計画システムを提供する。【解決手段】複数のATMから現金の最新残高と入出金実績データを取得して蓄積し、入出金実績データに基づいて、ATMごとに予測入出金量を予測する。ATMごとに現金の搬送時期と装填量又は回収量を運用計画として設定し、最新残高と、予測入出金量と、搬送時期と、装填量又は回収量とに基づいて、ATMごとの現金の予測残高と予測装填量又は予測回収量を算出する。予測残高に応じた金利コストと、搬送時期に応じた搬送コストと、予測残高から推定されるATMが停止する期間内における予測入出金量に応じた機会損失コストとに基づいてATMごとの運用コストを算出すると共に、算出された運用コストが最小になる運用計画の搬送時期と装填量又は回収量を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動現金預払機を利用した入出金サービスを実現するための現金運用計画システム及び方法に関する。
現金運用計画とは、狭義には、利用者に対する自動現金預払機(ATM: Automated Teller Machine)を利用した入出金サービスを維持するために作成される、ATM毎の現金の装填及び回収計画である。具体的には、現金装填日と現金装填枚数の両方または一方を決めたり、現金回収日を決めたりすることである。また、広義の現金運用計画は、狭義の現金運用計画である現金装填及び現金回収の計画に基づいて、各搬送単位時間枠(何月何日の午前、あるいは午後、等)に現金を搬送または回収する対象とする一つまたは複数のATM及びその時の配送経路を決めることである。本明細書では、「現金運用計画」を狭義の意味で用いる。
従来の現金運用計画では、現金切れまたは現金溢れによるサービス停止を回避することを目標に、現金装填日と現金装填量を決めていた。すなわち、入出金取引の需要予測に基づいてATM内残高を試算し、現金切れや現金溢れが起きないように現金装填日と装填量を決めている。具体的には、例えば需要予測に基づいて、あるATM内の現金残高推移を試算し、予測需要が出金過多の場合は現金切れを起こさない程度に現金装填量を多目に設定し、入金過多の場合は現金溢れが起きないように現金装填(回収)日を短い間隔に設定している。また、運用者の経験や勘に基づいて多めに現金装填枚数を決定したり、補正したりする場合もある。さらに、従来の現金運用計画では、計画に沿って装填に必要な現金を中央銀行から借り入れることを想定している。
通常の物流におけるSCM(Supply Chain Management)(例えば自動販売機に対する飲料品販売等の在庫管理)との違いは、現金運用計画が管理対象とする流通対象が再利用可能な現金である点である。すなわち、現金装填及び回収計画では、現金装填時の現金センタ(倉庫)からATM(端末)への現金(物)の一方向の搬送だけでなく、現金回収時のATMから現金センタへの現金(物)の逆方向の搬送も考える必要がある点(換言すると、現金を双方向に搬送する点)が通常の物流との違いである。また、双方向の搬送と関連して、ATM内の現金の在庫は、ATM利用者の取引を通して、出金時に減るだけではなく、入金時には増えることがある点も通常の物流と異なる。
このように、還流式のATMでは、入金された紙幣を出金に再利用(リサイクル)することが可能である。本明細書では、還流式のATMを単に「ATM」と呼び、出金専用機を「CD(Cash Dispenser)」、入金専用機を「ADM(Automated Deposit Machine)」と呼ぶ。
特開2004−206261号公報
ところで、従来のATM現金運用計画(現金の装填及び回収時期、現金の装填枚数の策定)では、現金切れの回避のために出金過多のATMに対して単純に現金装填枚数を過多に設定する可能性がある一方、現金溢れの回避のために入金過多のATMに対して単純に現金回収時期を早く設定する可能性がある。しかし、現金装填枚数が多過ぎたのでは金利コストが余計にかかり、現金回収時期が早過ぎたのでは現金回収頻度が増えて現金回収コストが余計にかかる。このように、従来のATM現金運用計画は、結果的に、全体の運用コストを高くしている可能性がある。
実際、従来のATM現金運用計画では、現金の装填時期、装填枚数、現金の回収時期は、基本的に過去の実績や将来の需要予測を参考にして計画されているものの、どの程度の余裕を置くかは運用担当者の経験や勘に基づいており、定量的な判断を下すための指標が提示されていない。そのため、策定される現金運用計画が最適になっているとは言い難い状況にある。また、従来のATM現金運用計画は、現金切れや現金溢れによるATMの稼働停止が想定されておらず、稼働停止による損失を考慮して現金運用計画を策定することは考えられていない。
上記解題を解決するために、代表的な発明の一つである自動現金預払機運用計画システムは、以下の各部を有する。
(1)複数のATMから現金の最新残高と入出金実績データを取得し、前記入出金実績データを記憶装置に蓄積するATM稼働ログ管理部
(2)前記入出金実績データに基づいて、ATMごとに予測入出金量を予測する入出金需要予測部
(3)ATMごとに現金の搬送時期と装填量又は回収量を運用計画として設定する計画設定部
(4)前記最新残高と、前記予測入出金量と、前記搬送時期と、前記装填量又は前記回収量とに基づいて、ATMごとの現金の予測残高と予測装填量又は予測回収量を算出する予測残高算出部
(5)前記予測残高に応じた金利コストと、前記搬送時期に応じた搬送コストと、前記予測残高から推定されるATMが停止する期間内における前記予測入出金量に応じた機会損失コストとに基づいてATMごとの運用コストを算出すると共に、算出された前記運用コストが最小になる運用計画の前記搬送時期と前記装填量又は前記回収量を出力する最適解判定部
前述の発明によれば、ATMの稼働停止による経済的損失も定量的に考慮した現金運用計画を策定することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
現金運用計画システムの全体構成例を示す図。 現金運用計画システムの動作の概要を説明するフローチャート。 装填/回収計画作成部の機能構成を説明する図。 装填/回収計画作成部で実行される処理動作を説明するフローチャート。 残高の算出方法を説明するフローチャート。 ATM内の金利コストの算出方法を説明するフローチャート。 ATM外の金利コストの算出方法を説明するフローチャート。 現金搬送コストの算出方法を説明するフローチャート。 現金計数コストの算出方法を説明するフローチャート。 機会損失コストの算出方法を説明するフローチャート。 複数金種に対応した残高の算出方法を説明するフローチャート。 複数金種に対応したATM内の金利コストの算出方法を説明するフローチャート。 複数金種に対応したATM外の金利コストの算出方法を説明するフローチャート。 複数金種に対応した現金計数コストの算出方法を説明するフローチャート 複数金種に対応した機会損失コストの算出方法を説明するフローチャート。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の態様は、後述する形態例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
[実施例1]
以下では、ATMの稼働停止に伴う損失(具体的には、稼働停止により受け取ることができなくなる利用手数料相当額)を機会損失コストとして定量的に評価し、当該評価結果を含めてATM運用コストが最小になる現金運用計画を作成する機能を有する現金運用計画システムの実施例を説明する。
(全体構成)
図1に、本実施例に係る現金運用計画システム100の全体構成を示す。現金運用計画システム100は、データセンタ110と、ネットワーク120と、中央銀行130と、現金センタ140と、ATM150とによって構成される。データセンタ110が、本明細書で提案する現金運用計画を自動的に計算する。データセンタ110は、いわゆるサーバとして構成され、プログラムの実行を通じて各種の機能/情報を提供するコンピュータ、ネットワーク通信部、ストレージシステム等で構成される。その詳細については後述する。
ネットワーク120は、有線通信路及び/又は無線通信路を通じて構築された通信網である。ネットワーク120を通じ、データセンタ110、現金センタ140及びATM150との間の通信が実現される。ネットワーク120の全部又は一部は、専用線または仮想専用線(VPN:Virtual Private Network)として構築されても良い。
中央銀行130は、国又は地域で利用される現金(紙幣、硬貨)を発行する機関である。中央銀行130は、国又は地域における金融機関の中核機関として、現金センタ140に対する現金の提供(引出または借金による)、または、現金センタ140からの現金の回収(預入または返金による)を実行する。なお、中央銀行130は、回収した現金のうち流通に適さないと判断された現金の廃棄も行う。
現金センタ140は、銀行やクレジット会社等の金融機関の他、現金の輸送やATMへの現金の装填/回収を請け負う配送業者が含まれる。本明細書において、現金センタ140とは、現金の流通上、中央銀行130とATM150との間に位置する全ての機関を含む。現金センタ140の人員により、ATM150に対する現金の装填又は回収が行われる。図1に表した現金センタ140は、ストレージシステム、コンピュータ、ネットワーク通信部によって構成される端末装置であり、ネットワーク120を通じて現金運用計画を受信する。
ATM150は、銀行、店舗、無人店舗等に設置される還流式の金融端末である。ATM150は、利用者の操作を通じて現金の引出や預入を行う。図1に表したATM150は、ATM稼働ログ(入出金実績データ、現金の種別ごとの最新残高データ等)を保管するストレージシステム、ATM端末の動作を制御するコンピュータ、ネットワーク通信部で構成されている。入出金実績データは、引出データ(利用者によってATM150から引き出された現金のデータ)と預入データ(利用者によってATM150に預け入れられた現金のデータ)を含む。入出金実績データは、該当操作に関連して金融機関の勘定系システムに送信され、利用者の口座データに反映される。なお、ATM150は通常複数含まれており、還流式の入出金機に限らず、出金専用機や入金専用機が混在していても良い。
(データセンタの詳細構成)
続いて、データセンタ110の詳細構成を説明する。図1は、プログラムの実行を通じて実現される機能部や情報をブロック構成で表している。ATM稼働ログ管理部111は、ATM150からATM稼働ログを逐次又は定期的に収集して管理する機能部である。ATM稼働ログ管理部111は、ATM稼働ログのうち最新残高を装填/回収計画作成部116に与える。また、ATM稼働ログ管理部111は、ATM稼働ログのうち入出金実績データである引出データ/預入データを入出金需要予測部112に与える。
入出金需要予測部112は、入出金実績データを入出金実績記憶部113に保存すると共に、一定期間内に蓄積された入出金実績データに基づいて将来の需要(予測入出金量データ)を既知の技術を用いて予測する。
計画作成条件操作部114は、作業者による計画作成条件の操作入力を受け付ける処理を実行する。ここで、計画作成条件とは、運用計画(装填/回収)を作成する際の前提条件であり、以下に示す各項目と設定値の組合せの集合である。各項目について入力された設定値が計画作成条件115となる。
・装填/回収計画全般に係わる項目:計画期間T、搬送時期(装填時期)の範囲、装填量の範囲
・機会損失コストに係わる項目:容量下限量Blw、容量上限量Bup、入金利用時の手数料Feeln、出金利用時の手数料FeeOut、平均入金量MnIn、平均出金量MnOut
・ATM内金利コストに係わる項目:金利R
・ATM外金利コストに係わる項目:金利R、現金装填前の保管日数Dbfr、現金回収後の保管日数Daft
・現金搬送コストに係わる項目:搬送費用単価G
ここで、「計画期間T」は、コストを算出する範囲を示す値であり、通常は日単位で、7日間、10日間、15日間等で与えられる。もっとも、日単位は一例であり、計画期間Tは、時間単位、月単位、年単位で与えても良い。
「搬送時期」は、出金専用機やATM150に装填する現金を搬送する時期、又は、入金専用機やATM150から余剰金を回収した現金を搬送する時期のことである。具体的には、指定する計画期間T内において、3日毎、7日毎等の等間隔で指定してもよいし、毎週月曜日や毎週月曜日と木曜日などの曜日で指定してもよいし、任意の日付による1日または複数日の指定でもよい。その可能性のある組合せを複数指定した場合、その全体で予め指定された範囲を表す。
「装填量」は、現金の種類毎の任意の枚数(貨幣の場合は個数)である。ただし、計画作成の際は、ある程度制約を加えて、取り得る枚数を限定することが望ましい。例えば紙幣0枚から5000枚の範囲で500枚単位(0、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000)とする。そして、複数金種を含む場合は、現金の種類毎に異なる500枚単位の組合せとする。100枚単位や1000枚単位としてもよい。このような装填量が取り得る値を予め指定し、その値全体で予め指定された範囲を表す。
「容量上限量Bup」は、同容量に対する上限値でカセット容量よりわずかに小さい値で与えられる。例えば容量の上限値が4,000の場合、容量上限量Bupは、3,500、3,800等の値として与えられる。入金専用機や入金過多の需要があるATMにおいて、その値を上回ると、安全のためにカセット満杯と判断してATM150はサービスを停止する。また、「容量下限量Blw」は、ATM150内に収める紙幣カセットの容量に対する下限値である。容量下限量Blwは、例えば”100”、”200”、”400”等の値で与えられる。出金専用機(CD)や出金過多の需要があるATM150は、現金が容量下限量Blwを下回るとき、安全のために現金切れと判断してサービスを停止する。
入金利用時の「手数料Feeln」は、入金サービス利用時のATM利用手数料の値である。手数料Feelnには、例えば100円等の値が用いられる。入金サービスの種類(預入、返済、振替、振込)によって手数料額が異なる可能性があるが、種類に関係なく平均的な値を設定してもよい。入出金需要予測データなど入力データに、入金サービスの種類が含まれていれば、それを活用してもよい。出金利用時の「手数料FeeOut」は、同様に出金サービス利用時のATM利用手数料の値である。
「平均入金量MnIn」は、入金サービス利用時の1回当たりの平均的な入金紙幣枚数である。例えば、50枚等の値が用いられる。「平均出金量MnOut」は、出金サービス利用時の1回当たりの平均的な出金紙幣枚数である。例えば、10枚等の値が用いられる。
「金利R」は、ATM150内や現金センタ140での預かり金に対して発生する利子で、通常、年利で設定する。例えば年利5%等が用いられる。なお、日単位の計画期間中の金利は日割り計算で求める。現金装填前の「保管日数Dbfr」は、他の金融機関(例えば中央銀行130、他の銀行等)から借りた現金が現金センタ140からATM150に装填されるまでに保管される日数である。例えば1日等の値が用いられる。現金回収後の「保管日数Daft」は、ATM150から回収した現金が現金センタ140から他の金融機関(例えば中央銀行130、他の銀行等)に返金されるまでに保管される日数である。例えば1日等の値が用いられる。
「搬送費用単価G」は、現金装填と回収のために現金を搬送する際のコストであり、一般的には、銀行などのATM所有者が警備を伴う搬送の専門業者に業務委託する際の費用である。ここでは、1台のATM150に対する現金の1回搬送当たりの委託費用単価が用いられる。例えば10,000円等の値が用いられる。なお、搬送費用の決め方は委託元と委託先の間で様々な条件でなされる。例えば、1台のATM150の1回搬送当たりの単価ではなく、搬送回数に関係なく搬送車1台の月単位契約や年間契約である場合もあり、その場合の搬送コストは固定額となる。いずれにしても、ここでの搬送費用単価Gは、搬送コストの形態を限定するものではない。
装填/回収計画作成部116は、最新残高データ、予測入出金量データ及び計画作成条件115に基づいて、現金搬送時期と装填量/回収量の最適解を計算し、運用計画(「装填/回収計画」ともいう)として出力する。装填/回収計画作成部116で実行される処理内容の詳細については後述する。
装填/回収計画管理部117は、ATM150毎に計算された運用計画をサービスの提供先である現金センタ140に送信する。
(ATM現金運用計画システムの動作の概要)
図2に、データセンタ110の各機能部を通じて実行されるATM現金運用計画の作成処理動作の概略を示す。
・ステップ201
後続するステップ202〜204は、装填・回収計画の対象とするATM150毎に順番に実行される。
・ステップ202
ATM稼働ログ管理部111は、ATM150からATM稼働ログ(入出金実績データと最新残高データ)を取得し、入出金実績記憶部113に蓄積する。
・ステップ203
入出金需要予測部112は、蓄積されている入出金実績データに基づいて予測入出金量データを予測する。当該予測には、既知の計算技術を使用する。
・ステップ204
装填/回収計画作成部116は、最新残高データ、予測入出金量データ及び計画作成条件115に基づいて運用計画を作成し、その運用計画に対応する現金搬送時期、装填量/回収量、運用コストを出力する。
・ステップ205
装填/回収計画管理部117は、搬送時期ごとに運用計画(現金搬送時期と装填量/回収量)をまとめて現金センタ140に出力する。
(装填/回収計画作成部の機能構成)
図3に、装填/回収計画作成部116の詳細な機能構成を示す。予測残高/回収量算出部301は、最新残高データ、予測入出金量データ及び計画作成条件115に基づいて運用計画を計算する機能部である。なお、予測残高/回収量算出部301には、計画作成条件115で指定された運用計画(搬送時期と装填量(回収量))に基づく運用コストの計算後も、搬送時期/装填量設定部302から新たな運用計画(搬送時期と装填量(回収量)の再設定値)を入力し、新たな運用計画についての運用コストを逐次計算する。この計算は、搬送時期/装填量設定部302から新たな運用計画が入力されなくなるまで継続される。
搬送時期/装填量設定部302は、計画作成条件115で与えられた範囲内で、搬送時期(装填時期)と装填量(回収量)の値の組み合わせを変更した運用計画を出力する。
機会損失コスト算出部303は、ATM150の稼働停止に伴う手数料収入の損失を機会損失コストとして算出する機能部である。詳細動作については後述するが、機会損失コスト算出部303は、各時点における予測入金量(枚数)PdIn(t)、平均入金量(枚数)MnIn、入金利用時の手数料Feeln、各時点における予測出金量(枚数)PdOut(t)、平均出金量(枚数)MnOut、出金利用時の手数料FeeOutに基づいて各時点の機会損失コストとして計算し、その値を稼働停止期間について積分することにより停止期間全体の機会損失コストを計算する。
ATM内金利コスト算出部304は、ATM150内に保持されている現金の残高に応じて発生する金利コストを算出する機能部である。ATM内金利コスト算出部304は、金利Rと、時刻tにおけるATM150内に保持されている現金の残高(金額)B(t)と、計画期間Tとに基づいて、ATM内金利コストを算出する。ATM外金利コスト算出部305は、ATM150の外部に現金センタ140等に滞留する現金の残高に応じて発生する金利コストを算出する機能部である。ATM外金利コスト算出部305は、金利Rと、装填額(枚数)V(k)と、現金装填前の保管日数Dbfrと、回収額(金額)B’(k)と、現金回収後の保管日数Daftとに基づいて、ATM外金利コストを算出する。
現金搬送コスト算出部306は、現金の装填又は回収に要するコストを算出する機能部である。現金搬送コスト算出部306は、搬送費用単価Gに基づいて計画期間T全体における搬送コストを算出する。現金計数コスト算出部307は、現金の搬送前の準備作業や現金の回収後の作業で生じる現金の計数作業に要するコストを算出する機能部である。なお、当該コストは、現金搬送コストに含まれる場合もある。
搬送時期/装填量最適解判定部308は、計算の前提に用いた搬送時期と装填量/回収量について算出された各種のコスト(機会損失コスト、ATM内金利コスト、ATM外金利コスト、現金搬送コスト、計数コスト)を統合してATM150毎の運用コストを算出し、今回算出された値が最小の運用コストを与える最適解か否か判定する機能部である。搬送時期/装填量最適解判定部308による判定は、搬送時期/装填量設定部302により設定される搬送時期と装填量/回収量の全ての組み合わせについての計算が終了するまで繰り返される。搬送時期/装填量最適解判定部308は、最終的に最適である(運用コストが最小となる)と判定された運用計画の搬送時期と装填量/回収量を最適解として出力する。この最適解がネットワーク120を通じて現金センタ140に送信される。
(装填/回収計画作成部で実行される処理動作)
図4に、装填/回収計画作成部116において実行される処理動作を示す。
・ステップ401
装填/回収計画作成部116は、ATM稼働ログ管理部111から最新残高を取得する。
・ステップ402
装填/回収計画作成部116は、入出金需要予測部112から計画期間Tの予測入出金需要量を入力する。
・ステップ403
装填/回収計画作成部116は、運用コスト最小値OpCostに所定の値(最大値MAX)を代入するすることにより初期化する。
・ステップ404
装填/回収計画作成部116は、各計算回で使用する搬送時期と装填量を設定する。前述したように、搬送時期と装填量は、計画作成条件115として与えられた範囲内から選択され設定される。各計算回で使用する搬送時期と装填量は、予測残高/回収量算出部301又は後述する各コスト算出部303〜307のいずれかの入力となる。
・ステップ405
装填/回収計画作成部116の予測残高/回収量算出部301は、最新残高、予測入出金量データ、搬送時期、装填量に基づいて予測残高と予測回収量を算出する。
・ステップ406〜409
装填/回収計画作成部116は、各機能部を使用し、各種のコストの算出処理を並列に実行する。例えば装填/回収計画作成部116は、ATM内金利コスト算出部304とATM外金利コスト算出部305を使用し、金利コストを算出する。また、現金搬送コスト算出部306は、搬送時期から搬送コストを算出する。また、現金計数コスト算出部307は、装填量又は回収量から現金計数コストを算出する。また、機会損失コスト算出部303は、予想入出金量又は予測残高から機会損失コストを算出する。
・ステップ410
装填/回収計画作成部116の搬送時期/装填量最適解判定部308は、ステップ406〜409で算出されたコストを合算し、今回の搬送時期と装填量についての運用コストCを算出する。
・ステップ411
搬送時期/装填量最適解判定部308は、ステップ410で計算された運用コストCと直前回までに計算された運用コストCの最小値OpCost(初回実行時にはステップ403で設定された最大値MAX)とを比較し、今回計算された運用コストCが最小値か否かを判定する。今回計算された運用コストCが最小値でない場合(NOの場合)、ステップ413に進む。一方、今回計算された運用コストCが最小値である場合(YESの場合)、ステップ412に進む。
・ステップ412
搬送時期/装填量最適解判定部308は、今回の運用コストCの計算に使用した装填時期、装填量、予測回収量及び運用コストCを最適解の候補として保持する。併せて、比較用運用コスト最小値OpCostを今回計算された運用コストCに更新しておく。
・ステップ413
搬送時期/装填量最適解判定部308は、設定可能な装填時期及び装填量の組み合わせが残っているか否か判定する。残っている場合(YESの場合)、ステップ404に戻り、残っていない場合(NOの場合)、ステップ414に進む。
・ステップ414
搬送時期/装填量最適解判定部308は、各ATM150についての運用コスト最小値OpCostと、その時の搬送時期、装填量及び予測回収量を運用計画として出力する。
(各処理動作の詳細)
以下では、時刻tにおける残高(枚数)、ATM内金利コスト、ATM外金利コスト、現金搬送コスト、現金計数コスト、機会損失コストの具体的な計算方法について説明する。
(ステップ405における予測残高(枚数)の算出処理)
図5に、予測残高/回収量算出部301が実行する予測残高(枚数)の算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ501
予測残高/回収量算出部301は、入出金需要予測部112から予測入金量(枚数)PdIn(t)と予測出金量(枚数)PdOut(t)を入力し、ATM稼働ログ管理部111から最新残高(枚数)b0を入力し、計画作成条件としての搬送時期tc(k)と装填量(枚数)v(k)、計画期間Tを入力する。
・ステップ502
予測残高/回収量算出部301は、変数の初期化処理を実行する。ここで、時刻tと搬送回kは0(ゼロ)に設定され、時刻tにおける残高(枚数)を与えるb(t)は最新残高b0に設定される。
・ステップ503
予測残高/回収量算出部301は、予測する時刻tがk番目の搬送時期tc(k)と一致するか否かを判定する。肯定結果が得られた場合はステップ504に進み、否定結果が得られた場合はステップ506に進む。
・ステップ504
予測残高/回収量算出部301は、時刻t(=tc(k))における予測残高(枚数)b(t)に、予測された装填量(枚数)v(k)の値を代入する。これは、搬送時期tc(k)と一致する時刻tにおける予測残高(枚数)b(t)は、装填量(枚数)v(k)と同じであるとみなすことができるためである。例えば搬送時期tc(k)は3日毎や7日毎に設定される。
・ステップ505
予測残高/回収量算出部301は、搬送回kの値に1を加算する。
・ステップ506
予測残高/回収量算出部301は、時刻tにおける予測残高(枚数)b(t)として、時刻t-1における予測残高b(t-1)に、予測入金量(枚数)PdInと予測出金量(枚数)PdOutの差分値を加算した値を代入する。当該ステップは、搬送時期tc(k)と搬送時期tc(k+1)との間の時刻tにおける予測残高(枚数)b(t)の計算用に設けられている。
・ステップ507
予測残高/回収量算出部301は、時刻tに1を加算する。
・ステップ508
予測残高/回収量算出部301は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ503に戻る。一方、否定結果が得られた場合、予測残高/回収量算出部301は、ステップ509に進む。
・ステップ509
予測残高/回収量算出部301は、計画期間T内の各時刻tのそれぞれについて計算された予測残高(枚数)b(t)を出力する。
以上により、計画期間T内の日数分の予測残高b(t)がATM150毎に算出されることになる。
(ステップ406におけるATM内金利コストの算出処理)
図6に、ATM内金利コスト算出部304が実行するATM内金利コストの算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ601
ATM内金利コスト算出部304は、予測残高(金額)B(t)と、金利(年率%)Rと、計画期間Tとを入力する。予測残高(金額)B(t)は、予測残高/回収量算出部301で算出された予測残量(枚数)b(t)に現金の額面を乗算することで計算される。
・ステップ602
ATM内金利コスト算出部304は、変数の初期化処理を実行する。ここで、ATM内金利コストCRと時刻tがそれぞれ0(ゼロ)に設定される。
・ステップ603
ATM内金利コスト算出部304は、各時刻tにおける予測残高(金額)B(t)に対する日割り金利を前回までのATM内金利コストCRに加算し、新たなATM内金利コストCRとする。
・ステップ604
ATM内金利コスト算出部304は、時刻tに1を加算する。
・ステップ605
ATM内金利コスト算出部304は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ603に戻る。一方、否定結果が得られた場合、ATM内金利コスト算出部304は、ステップ606に進む。
・ステップ606
ATM内金利コスト算出部304は、最終的に計算されたATM内金利コストCRを出力する。
以上により、計画期間T内に各ATM150の内部で発生する金利コストが算出されることになる。
(ステップ406におけるATM外金利コストの算出処理)
図7に、ATM外金利コスト算出部305が実行するATM外金利コストの算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ701
ATM外金利コスト算出部305は、金利(年率%)R、k番目の搬送時期tc(k)、現金装填前の保管日数Dbfr、現金回収後の保管日数Daft、装填額(金額)V’(k)、回収額(金額)B’(k)、計画期間Tを入力する。装填額(金額)V’(k)は装填量(枚数)v(k)に額面を乗算することで計算され、回収額(金額)B’(k)は回収量(枚数)B(k)に額面を乗算することで計算される。
・ステップ702
ATM外金利コスト算出部305は、変数の初期化処理を実行する。ここで、時刻tと搬送回kとATM外金利コストCHは0(ゼロ)に設定される。
・ステップ703
ATM外金利コスト算出部305は、予測する時刻tがk番目の搬送時期tc(k)と一致するか否かを判定する。肯定結果が得られた場合はステップ704に進み、否定結果が得られた場合はステップ706に進む。
・ステップ704
ATM外金利コスト算出部305は、現金センタ140に保管されている日数分に応じて発生する装填額に対する日割り金利と、同じく回収額に応じた日割り金利を、前回までのATM外金利コストCHに加算し、新たなATM外金利コストCHとする。
・ステップ705
ATM外金利コスト算出部305は、搬送回kの値に1を加算する。
・ステップ706
ATM外金利コスト算出部305は、時刻tに1を加算する。
・ステップ707
ATM外金利コスト算出部305は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ703に戻る。一方、否定結果が得られた場合、ATM外金利コスト算出部305は、ステップ708に進む。
・ステップ708
ATM外金利コスト算出部305は、最終的に計算されたATM外金利コストCHを出力する。
以上により、計画期間T内に各ATM150の外部(具体的には中央銀行130からATM150までの間)で発生する金利コストが算出されることになる。
(ステップ407における現金搬送コストの算出処理)
図8に、現金搬送コスト算出部306が実行する現金搬送コストCGの算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ801
現金搬送コスト算出部306は、搬送費用単価G、k番目の搬送時期tc(k)、計画期間Tを入力する。
・ステップ802
現金搬送コスト算出部306は、変数の初期化処理を実行する。ここで、現金搬送コストCGと時刻tと搬送回kがそれぞれ0(ゼロ)に設定される。
・ステップ803
現金搬送コスト算出部306は、予測する時刻tがk番目の搬送時期tc(k)と一致するか否かを判定する。肯定結果が得られた場合はステップ804に進み、否定結果が得られた場合はステップ806に進む。
・ステップ804
現金搬送コスト算出部306は、前回の現金搬送コストCGに搬送費用単価Gを加算し、新たな現金搬送コストCGとする。
・ステップ805
現金搬送コスト算出部306は、搬送回kの値に1を加算する。
・ステップ806
現金搬送コスト算出部306は、時刻tに1を加算する。
・ステップ807
現金搬送コスト算出部306は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ803に戻る。一方、否定結果が得られた場合、現金搬送コスト算出部306は、ステップ808に進む。
・ステップ808
現金搬送コスト算出部306は、最終的に計算された現金搬送コストCGを出力する。
以上により、各ATM150に対する現金の搬送コストが算出されることになる。
(ステップ408における現金計数コストの算出処理)
図9に、現金計数コスト算出部307が実行する現金計数コストCJの算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ901
現金計数コスト算出部307は、計数作業単価J、k番目回収時の回収量(枚数)b’(t)、k番目の搬送時期tc(k)、k番目装填時の装填量(枚数)v(k)、計画期間Tを入力する。
・ステップ902
現金計数コスト算出部307は、変数の初期化処理を実行する。ここで、時刻tと搬送回kと現金計数コストCJは0(ゼロ)に設定される。
・ステップ903
現金計数コスト算出部307は、予測する時刻tがk番目の搬送時期tc(k)と一致するか否かを判定する。肯定結果が得られた場合はステップ904に進み、否定結果が得られた場合はステップ906に進む。
・ステップ904
現金計数コスト算出部307は、時刻tにおける装填量(枚数)と回収量(枚数)に計数作業単価Jに乗算した結果を前回までの現金計数コストCJに加算し、新たな現金計数コストCJとする。
・ステップ905
現金計数コスト算出部307は、搬送回kの値に1を加算する。
・ステップ906
現金計数コスト算出部307は、時刻tに1を加算する。
・ステップ907
現金計数コスト算出部307は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ903に戻る。一方、否定結果が得られた場合、現金計数コスト算出部307は、ステップ908に進む。
・ステップ908
現金計数コスト算出部307は、最終的に計算された現金計数コストCJを出力する。
以上により、各ATM150に対する現金の装填準備や回収された現金の計数に要する作業コストが算出されることになる。
(ステップ409における機会損失コストの算出処理)
図10に、機会損失コスト算出部303が実行する機会損失コストCLの算出処理の内容を詳細に説明する。
・ステップ1001
機会損失コスト算出部303は、時刻tにおける残高(枚数)b(t)、容量下限量(枚数)Blw、容量上限量(枚数)Bup、時刻tにおける単位時間の予測入金量(枚数)PdIn(t)、時刻tにおける単位時間の予測出金量(枚数)PdOut(t)、入金利用時の手数料FeeIn、出金利用時の手数料FeeOut、一回の取引当たりの平均入金量(枚数)MnIn、平均出金量(枚数)MnOut、計画期間Tを入力する。
・ステップ1002
機会損失コスト算出部303は、変数の初期化処理を実行する。ここで、時刻tと機会損失コストCLは0(ゼロ)に設定される。
・ステップ1003
機会損失コスト算出部303は、現金の残高(枚数)が容量下限値(枚数)を下回っていないか、容量上限値(枚数)を超えていないかを判定する。すなわち、ATM150の稼働を停止すべき事態が発生しているか否かを判定する。稼働を停止すべき事態が発生している場合(肯定結果の場合)はステップ1004に進み、正常に稼働できる状態の場合(否定結果の場合)はステップ1006に進む。
・ステップ1004
機会損失コスト算出部303は、ATM150の稼働停止がなければ得られたであろう手数料額を計算する。具体的には、平均入金量に対する予測入金量の比率に応じた入金手数料の推定値と、平均出金量に対する予測出金量の比率に応じた出金手数料の和を、時刻tの機会損失コストLとして計算する。
・ステップ1005
機会損失コスト算出部303は、ステップ1004で計算された時刻tの機会損失コストLを前時点までの機会損失コストCLに加算し、新たな機会損失コストCLとする。
・ステップ1006
機会損失コスト算出部303は、時刻tに1を加算する。
・ステップ1007
機会損失コスト算出部303は、時刻tが計画期間Tより小さいか判定し、肯定結果が得られている間はステップ1003に戻る。一方、否定結果が得られた場合、機会損失コスト算出部303は、ステップ1008に進む。
・ステップ1008
機会損失コスト算出部303は、最終的に計算された機会損失コストCLを出力する。
以上により、各ATM150の稼働が停止された場合に発生する機会損失コストCLが定量的に算出されることになる。
(まとめ)
以上の通り、本実施例に係る現金運用計画システム100は、ATM150の稼働停止により発生する損失(すなわち、利用手数料相当額)を機会損失コストとして算出し、更に当該機会損失コストも含めて運用コストを最小とする現金運用計画を特定する。すなわち、従来技術のように稼働停止の回避を図るあまりに全体の運用コストが高くなる事態を回避し、個々のATMに最適な現金運用計画を作成することができる。また、国又は地域に固有の運用環境に応じて一部のATMを停止せざるを得ない場合でも、本実施例に係る現金運用計画システム100によれば、稼働停止期間を考慮しながらも運用コストを最小限に抑えることができる現金運用計画を容易に作成することができる。
[実施例2]
国又は地域によっては、ATMで扱う金種は1種類に限られる場合もあるが、多くの場合、ATMは複数の金種を扱う。例えば日本の場合、通常1,000円札と10,000円札を出金可能であり、入金は5,000円札も可能である。そこで、本実施例では、複数の金種を扱う現金運用計画システムについて説明する。なお、基本的なシステム構成は実施例1と同じである。以下では、実施例1と相違する部分として、装填/回収計画作成部116の機能構成について説明する。
(概要)
本実施例の場合、あるATM150に関する入出金実績データは金種別に枚数または金額で蓄積され、予測入出金量データの予測も金種別に枚数または金額で実行される。このため、予測入出金量データは、ATM毎に単位時間毎の金種別の需要枚数または需要金額のデータとして入力される。また、最新残高もATM毎に金種別の枚数または金額で入力される。
予測残高/回収量算出部301(図3)は、金種別の予測入出金量データが入金需要の場合は当該データを金種別の最新残高に加算し、金種別の予測入出金量データが出金需要の場合は当該データを金種別の最新残高から減算する。これにより、予測残高/回収量算出部301は、金種別の予測残高と予測回収量をそれぞれ算出する。搬送時期/装填量設定部302による搬送時期は、金種間で基本的には同一のタイミングが設定されるが、装填量は金種毎に装填枚数または装填金額が設定される。各コスト計算部のうち現金搬送コスト算出部306は複数金種とは無関係であるが、それ以外の各コスト算出部は複数金種に対応した計算手順が必要である。
(各処理動作の詳細)
以下では、時刻tにおける残高(枚数)、ATM内金利コスト、ATM外金利コスト、現金計数コスト、機会損失コストの具体的な計算方法について説明する。
(ステップ405における予測残高(枚数)の算出処理)
図11に、複数金種を扱う予測残高/回収量算出部301が実行する予測残高(枚数)の残高算出の内容を示す。対応する図5との相違点は、各ステップで実行される処理が金種別に実行される点である。例えばステップ1101の場合、金種mの情報を加味した、時刻tにおける予測入金量(枚数)PdIn(t,m)、予測出金量(枚数)PdOut(t,m)、最新残高(枚数)b0(m)、k番目の搬送回における装填量(枚数)v(k,m)が入力される。他の処理についても同様である。なお、金種毎にステップ1101〜1109の処理を並行に実行すればよい。
(ステップ406におけるATM内金利コストの算出処理)
図12に、複数金種を扱うATM内金利コスト算出部304が実行するATM内金利コストの算出処理の内容を示す。対応する図6との相違点は、ステップ1201及びステップ1203で扱う時刻tにおける残高(金額)B(t,m)に金種mの情報が含まれる点である。また、ステップ1203のATM内金利コストCRの計算で使用する時刻tの残高が、金種m毎の残高(金額)B(t,m)の合計金額ΣB(t,m)で与えられる。
(ステップ406におけるATM外金利コストの算出処理)
図13に、複数金種を扱うATM外金利コスト算出部305が実行するATM外金利コストの算出処理の内容を示す。対応する図7との相違点は、ステップ1301及びステップ1304で扱う装填額V’(k,m)と回収額B’(k,m)に金種mの情報が含まれる点である。また、ステップ1304のATM外金利コストCHが、金種m毎の装填額V’(t,m)の合計金額ΣV’(t,m)と金種m毎の回収額B’(t,m)の合計金額ΣB’(t,m)とを用いて計算される。
(ステップ408における現金計数コストの算出処理)
図14に、複数金種を扱う現金計数コスト算出部307が実行する現金計数コストCJの算出処理の内容を示す。対応する図9との違いは、ステップ1401及びステップ1404で扱う装填量v(k,m)と回収量b’(k,m)に金種mの情報が含まれる点である。また、ステップ1404の現金計数コストCJが、金種m毎の装填量v(k,m)の総和Σv(k,m)と金種m毎の回収量b’(k,m)の総和Σb’(k,m)とを用いて計算される。
(ステップ409における機会損失コストの算出処理)
図15に、複数金種を扱う機会損失コスト算出部303が実行する機会損失コストCLの算出処理の内容を示す。対応する図10との違いは、ステップ1501、ステップ1503及びステップ1504で扱う残高(枚数)b(t,m)、予測入金量(枚数)PdIn(t,m)、予測出金量(枚数)PdOut(t,m)、平均入金量(枚数)MnIn(m)、平均出金量(枚数)MnOut(m)に金種mの情報が含まれる点である。また、ステップ1504の時刻tの機会損失コストLが、金種m毎の予測入金量(枚数)PdIn(t,m)の総和ΣPdIn(t,m)、金種m毎の平均入金量(枚数)MnIn(m)の総和ΣMnIn(m)、金種m毎の予測出金量(枚数)PdOut(t,m)の総和ΣPdOut(t,m)、金種m毎の平均出金量(枚数)PdOut(m)の総和ΣPdOut(m)を用いて計算される。
(まとめ)
以上の通り、本実施例に係る現金運用計画システム100を用いれば、ATMで扱う金種が複数の場合にも、ATMの稼働停止期間を加味した運用コストが最も小さい現金運用計画を作成することができる。勿論、国又は地域に固有の運用環境に応じて一部のATMを停止せざるを得ない場合についても同様である。
(他の実施例)
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施例では、データセンタ110がネットワーク120経由で現金センタ140及びATM150と接続されている場合について説明したが、データセンタ110は現金センタ140に設けられていても良い。
前述した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。例えばある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることができる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることもできる。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の一部を追加し又は置換することもでき、各実施例の構成の一部を削除することもできる。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより(すなわちソフトウェア的に)実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。また、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示すものであり、製品上必要な全ての制御線や情報線を表すものでない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
100…現金運用計画システム
110…データセンタ
111…ATM稼働ログ管理部
112…入出金需要予測部
113…入出金実績記憶部
114…計画作成条件操作部
115…計画作成条件
116…装填/回収計画作成部
117…装填/回収計画管理部
120…ネットワーク
130…中央銀行
140…現金センタ
150…ATM
301…予測残高/回収量算出部
302…搬送時期/装填量設定部
303…機会損失コスト算出部
304…ATM内金利コスト算出部
305…ATM外金利コスト算出部
306…現金搬送コスト算出部
307…現金計数コスト算出部
308…搬送時期/装填量最適解判定部

Claims (10)

  1. 複数のATMから現金の最新残高と入出金実績データを取得し、前記入出金実績データを記憶装置に蓄積するATM稼働ログ管理部と、
    前記入出金実績データに基づいて、ATMごとに予測入出金量を予測する入出金需要予測部と、
    ATMごとに現金の搬送時期と装填量又は回収量を運用計画として設定する計画設定部と、
    前記最新残高と、前記予測入出金量と、前記搬送時期と、前記装填量又は前記回収量とに基づいて、ATMごとの現金の予測残高と予測装填量又は予測回収量を算出する予測残高算出部と、
    前記予測残高に応じた金利コストと、前記搬送時期に応じた搬送コストと、前記予測残高から推定されるATMが停止する期間内における前記予測入出金量に応じた機会損失コストとに基づいてATMごとの運用コストを算出すると共に、算出された前記運用コストが最小になる運用計画の前記搬送時期と前記装填量又は前記回収量を出力する最適解判定部と
    を有する自動現金預払機運用計画システム。
  2. 請求項1に記載の自動現金預払機運用計画システムにおいて、
    前記最適解判定部は、前記装填量と前記回収量に応じて発生する現金計数コストを含めてATMごとの前記運用コストを算出する
    ことを特徴とする自動現金預払機運用計画システム。
  3. 請求項1に記載の自動現金預払機運用計画システムにおいて、
    前記最適解判定部は、金利コストとして、ATM内に保持される現金分の第1の金利コストと、ATM外で装填用に準備された又は回収された現金分の第2の金利コストを算出する
    ことを特徴とする自動現金預払機運用計画システム。
  4. 請求項1に記載の自動現金預払機運用計画システムにおいて、
    前記最適解判定部は、予め決められた範囲内で前記搬送時期と前記装填量の組み合わせを変更した他の運用計画について前記運用コストを逐次計算し、前記運用コストが最小になる運用計画を求める
    ことを特徴とする自動現金預払機運用計画システム。
  5. 請求項1に記載の自動現金預払機運用計画システムにおいて、
    前記搬送時期は、搬送日時、搬送曜日、次回搬送日時および搬送間隔のいずれかである
    ことを特徴とする自動現金預払機運用計画システム。
  6. 記憶装置に記憶されているプログラムに従って、計算機が、
    複数のATMから現金の最新残高と入出金実績データを取得し、前記入出金実績データを記憶装置に蓄積する第1ステップと、
    前記入出金実績データに基づいて、ATMごとに予測入出金量を予測する第2ステップと、
    ATMごとに現金の搬送時期と装填量又は回収量を運用計画として設定する第3ステップと、
    前記最新残高と、前記予測入出金量と、前記搬送時期と、前記装填量又は前記回収量とに基づいて、ATMごとの現金の予測残高と予測装填量又は予測回収量を算出する第4ステップと、
    前記予測残高に応じた金利コストと、前記搬送時期に応じた搬送コストと、前記予測残高から推定されるATMが停止する期間内における前記予測入出金量に応じた機会損失コストとに基づいてATMごとの運用コストを算出すると共に、算出された前記運用コストが最小値になる運用計画の前記搬送時期と前記装填量又は前記回収量を出力する第5ステップと
    を実行するATM運用計画方法。
  7. 請求項6に記載のATM運用計画方法において、
    前記第5ステップは、前記装填量と前記回収量に応じて発生する現金計数コストを含めてATMごとの前記運用コストを算出する
    ことを特徴とするATM運用計画方法。
  8. 請求項6に記載のATM運用計画方法において、
    前記第5ステップは、前記金利コストとして、ATM内に保持される現金分の第1の金利コストと、ATM外で装填用に準備された又は回収された現金分の第2の金利コストを算出する
    ことを特徴とするATM運用計画方法。
  9. 請求項6に記載のATM運用計画方法において、
    前記第5ステップは、予め決められた範囲内で前記搬送時期と前記装填量の組み合わせを変更した他の運用計画について前記運用コストを逐次計算し、前記運用コストが最小になる運用計画を求める
    ことを特徴とするATM運用計画方法。
  10. 請求項6に記載のATM運用計画方法において、
    前記搬送時期は、搬送日時、搬送曜日、次回搬送日時および搬送間隔のいずれかである
    ことを特徴とするATM運用計画方法。
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