JP2016164038A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者の安全性を確保すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置(EPS)10は、車両のバッテリ14の電力を消費してアシスト力を発生させるモータ31と、モータ31へ供給する電力を制御するEPSECU40と、を備えている。そして、EPSECU40は、エンジン11が停止している場合であってもモータ31へ供給する電力を制御することによって、バッテリ14の電力を消費してアシスト力を発生させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
たとえば特許文献1に記載されるように、電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)は、車両の操舵機構にモータのトルクを付与することにより運転者のステアリング操作を補助する。EPSでは、その動作電源としてバッテリが使用される。バッテリは、車両の走行等の駆動源であるエンジンの駆動に伴い発電するオルタネータからの電力により充電される。このため、EPSの制御は、バッテリが充電されるエンジンの駆動中に機能するように構成されるところ、オルタネータの発電が停止し、動作電源たるバッテリの充電が停止する車両エンジンの停止中に機能しなくなるように構成される。
特開2011−57024号公報
ところで、エンジンの駆動中には、運転者の意図に関係なくエンジンが停止、所謂、エンストすることもある。そして、エンストが運転者の意図に関係ないところで発生することに鑑みれば、エンスト中であってもEPSの機能を必要としている状況が想定されるというものである。こうして想定される状況では、運転者の安全性の確保の観点で改善の余地が残されている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者の安全性を確保することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決する駆動源であるエンジンと、エンジンの駆動を通じて充電されるバッテリとを備えた車両用の電動パワーステアリング装置は、バッテリの電力を消費してアシスト力を発生させるモータと、モータへ供給する電力を制御する制御装置とを備えている。そして、制御装置は、エンジンが停止している場合であってもモータへ供給する電力を制御することによって、バッテリの電力を消費してアシスト力を発生させるように構成される。
上記構成によれば、運転者の意図に関係なく発生するエンストに見舞われるとき、そうしたエンスト中においても電動パワーステアリング装置が機能しうることとなる。すなわちこの場合、エンスト中であっても電動パワーステアリング装置の機能を必要とする状況では、該電動パワーステアリング装置がアシスト力を発生させうるようになることから、運転者の安全性を確保することができる。
ただし、エンスト中には電動パワーステアリング装置以外、すなわちエンジンの再始動等のためにバッテリの電力を消費することもあるところ、エンスト中にむやみやたらにモータへ電力を供給してしまってはバッテリ上がりを招くおそれがある。
そこで、上記制御装置は、バッテリの残り電力に基づきモータへ供給する電力を変化させることによって、エンジンが停止している場合であってもバッテリの電力を消費してアシスト力を発生させることが好ましい。
上記構成によれば、エンスト中に電動パワーステアリング装置がアシスト力を発生させるようなとき、むやみやたらではなくバッテリの残り電力を考慮してモータへ電力が供給されることとなる。すなわちこの場合、例えば、エンスト中におけるバッテリの残り電力が少ないのであれば、アシスト力を発生させる場合であってもモータへ供給する電力を減らす等、調整する余地が生まれる。したがって、エンスト中に電動パワーステアリング装置を機能させるにもかかわらずバッテリ上がりを抑制することができる。
そして、こうしたエンスト中にモータへ電力を供給する方法の具体例として、例えば、上記制御装置は、エンジンが停止されて充電が停止されている場合であってもバッテリの残り電力から引き出すことができる許容電力に基づきモータへ供給する電力を変化させることによって、エンジンが停止している場合であってもバッテリの電力を消費してアシスト力を発生させるものがある。
上記構成によれば、アシスト力を発生させるために消費可能な許容電力として予め制限することができるので、エンスト中に電動パワーステアリング装置を機能させるにもかかわらずバッテリ上がりをより好適に抑制することができる。
またさらに、こうした制御装置は、バッテリの残り電力の減少に応じてモータへ供給する電力を減少変化させることによって、エンジンが停止している場合であってもバッテリの電力を消費してアシスト力を発生させることが好ましい。
上記構成によれば、エンスト中に電動パワーステアリング装置がアシスト力を発生させるようなとき、アシスト力が犠牲になるがバッテリ上がりする可能性を低減することができる。これにより、エンスト中においてバッテリ上がりが低減されるところ、電動パワーステアリング装置は供給される電力が少ないながらもいくらかのアシスト力を発生させることができる。したがって、電動パワーステアリング装置が全く機能しない場合に比べては運転者の安全性の確保という点で有利となる。
本発明によれば、運転者の安全性を確保することができる。
電動パワーステアリング装置の概略を示す図。 電動パワーステアリング装置の制御構成を示すブロック図。 電流指令値演算部における制御モードを切り替える処理の流れを示す図。 第1実施形態における電流の最大値Imaxを示す図。 アシスト電流の変化を示す図。 第2実施形態における電流の最大値Imaxを示す図であって、特にエンスト中の電流の最大値Imaxを示す図。
(第1実施形態)
以下、電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、車両には、走行等の駆動源であるエンジン11、及びエンジン11を制御するエンジンECU12が搭載される。エンジンECU12は、スタータ13を通じてエンジン11を始動させる。スタータ13は、バッテリ14の電力を消費してエンジン11を始動させる。バッテリ14は、エンジン11の駆動に伴い発電するオルタネータ15からの電力により充電される。
また、本実施形態の車両には、運転者のステアリング操作を補助するEPS10が搭載される。EPS10は、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構20、運転者のステアリング操作を補助する操舵補助機構30、及び操舵補助機構30の作動を制御する制御装置としてのEPSECU40を備える。
操舵機構20は、運転者により操作されるステアリングホイール21、及びステアリングホイール21と一体回転するステアリングシャフト22を備える。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21の中心に連結されたコラムシャフト22a、コラムシャフト22aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト22b、及びインターミディエイトシャフト22bの下端部に連結されたピニオンシャフト22cからなる。ピニオンシャフト22cの下端部は、ピニオンシャフト22cに交わる方向へ延びるラック軸23(正確にはラック歯が形成された部分23a)に噛合される。したがって、ステアリングシャフト22の回転運動は、ピニオンシャフト22c及びラック軸23からなるラックアンドピニオン機構24によりラック軸23の往復直線運動に変換される。こうした往復直線運動が、ラック軸23の両端にそれぞれ連結されたタイロッド25を介して左右の転舵輪26,26にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪26,26の転舵角が変更される。
操舵補助機構30は、アシスト力の発生源であるモータ31を備える。モータ31としては、ブラシレスモータなどが採用される。モータ31は、減速機構32を介してコラムシャフト22aに連結される。減速機構32は、モータ31の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト22aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト22にモータのトルクがアシスト力(操舵補助力)として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
EPSECU40は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、これら取得される各種の情報に応じてモータ31を制御する。その他、EPSECU40は、エンジンECU12からエンジン11の駆動状態を示す情報を取得し、この取得される情報も用いてモータ31を制御することとなる。
各種のセンサとしては、例えば、車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53、回転角センサ54、及び電圧センサ55がある。車速センサ51は、車速(車両の走行速度)SPを検出する。ステアリングセンサ52は、磁気式の回転角センサであってコラムシャフト22aに設けられて操舵角θsを検出する。トルクセンサ53は、コラムシャフト22aに設けられて操舵トルクτを検出する。回転角センサ54は、モータ31に設けられてモータ31の回転角θmを検出する。電圧センサ55は、バッテリ14に設けられてバッテリ電圧Vbattを検出する。
EPSECU40は、車速SP、操舵角θs、操舵トルクτ、及び回転角θmに基づき目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力を操舵補助機構30に発生させるための駆動電力をモータ31に供給する。
次に、EPSECU40の電気的な構成について説明する。
図2に示すように、EPSECU40は、駆動回路(インバータ回路)41及びマイクロプロセッシングユニット(以下、「MPU」という)42を備える。
駆動回路41は、MPU42により生成されるモータ制御信号Sm(PWM駆動信号)に基づいて、直流電源であるバッテリ14(+B)から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。当該変換された三相交流電力は、各相の給電経路43を介してモータ31に供給される。各相の給電経路43には電流センサ44が設けられる。これら電流センサ44は、各相の給電経路43に生ずる実際の電流値Imを検出する。なお、図2では、説明の便宜上、各相の給電経路43及び各相の電流センサ44をそれぞれ1つにまとめて図示する。
MPU42は、車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53、回転角センサ54、及び電流センサ44の検出結果をそれぞれ定められたサンプリング周期で取り込む。MPU42は、これら取り込まれる検出結果、すなわち車速SP、操舵角θs、操舵トルクτ、回転角θm、及び実際の電流値Imに基づきモータ制御信号Smを生成する。
次に、MPU42の機能的な構成を説明する。
MPU42は、図示しない記憶装置に格納された制御プログラムを実行することによって実現される各種の演算処理部を有する。
図2に示すように、MPU42は、これら演算処理部として電流指令値演算部61及びモータ制御信号生成部62を備える。
電流指令値演算部61は、操舵トルクτ、車速SP、及び操舵角θsに基づき電流指令値I*を演算する。電流指令値I*は、モータ31に供給するべき電流を示す指令値である。正確には、電流指令値I*は、d/q座標系におけるq軸電流指令値(Iq*)及びd軸電流指令値(Id*)を含む。本実施形態においてd軸電流指令値は零に設定される。d/q座標系は、モータ31の回転角θmに従う回転座標である。モータ制御信号生成部62は、回転角θmを使用してモータ31の三相の電流値Imを二相のベクトル成分、すなわちd/q座標系におけるd軸電流値及びq軸電流値に変換する。そして、モータ制御信号生成部62は、d軸電流値とd軸電流指令値との偏差、及びq軸電流値とq軸電流指令値との偏差をそれぞれ求め、これら偏差を解消するように電流フィードバック(F/B)制御を実行する。また、モータ制御信号生成部62は、電流フィードバック(F/B)制御を実行することによりq軸電圧指令値(Vq*)及びd軸電圧指令値(Vd*)を生成し、これら指令値を三相座標系に写像することにより、三相座標系における各電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、これら各電圧指令値に基づきモータ制御信号Smを生成する。
次に、電流指令値演算部61について詳細に説明する。
図2に示すように、電流指令値演算部61は、操舵トルクτ、車速SP、及び操舵角θsの他、エンジン駆動情報IG及びバッテリ電圧Vbattをそれぞれ定められたサンプリング周期で取り込む。電流指令値演算部61は、これら取り込まれるエンジン駆動情報IG及びバッテリ電圧Vbattに基づき電流指令値I*を演算する演算モード(演算状態)を切り替える。演算状態としては、エンジン11が駆動中である通常時のモード、及びエンジン11がエンストした状態(停止中)にあるエンスト時のモードを有する。これら演算モードは、モータ31に供給する電流の最大値Imaxをそれぞれ制限するなかで、電流指令値I*を演算する。なお、電流指令値演算部61(EPSECU40)は、ECU12から取得できるエンジン駆動情報IGに基づき、エンストを検出することができる。
具体的に、図3に示すように、電流指令値演算部61は、エンジン駆動情報IGに基づきエンジン11が駆動中であるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10にて、エンジン11が駆動中であるとき(ステップS10:YES)、演算モードを通常時のモードとして電流指令値I*を演算することとなる。
続いて、電流指令値演算部61は、ステップS10にて通常時のモードとして電流指令値I*を演算するとき、バッテリ電圧Vbattが最低値を上回っているか否かを判断する(ステップS20)。最低値は、車両の走行が最低限可能とされるとして経験的に導かれる値に設定される。そして、ステップS10が「YES」且つステップS20が「NO」となるとき、エンジン11が駆動中であってオルタネータ15による充電が可能にあるにもかかわらずバッテリ電圧Vbattが最低値以下であることから、バッテリ14が故障している状態といえる。本実施形態では、例えば、バッテリ14における最大電圧16Vに対して最低値が9Vに設定される。
ステップS20にて、バッテリ電圧Vbattが最低値を上回っているとき(ステップS20:YES)、電流指令値演算部61は、モータ31に供給する電流の最大値Imaxを通常時電流最大値に制限して電流指令値I*を演算する。なお、通常時電流最大値については、後で詳しく説明する。
一方、ステップS20にて、バッテリ電圧Vbattが最低値以下にあるとき(ステップS20:NO)、電流指令値演算部61は、モータ31に供給する電流の最大値Imaxを0(零)、すなわちモータ31に供給する電流を0(零)に制限して電流指令値I*を演算する。すなわちこの場合、上述したようにバッテリ14が故障している状態といえることから、EPS10について機能制限するという、所謂、故障モードといえる。
このように、電流指令値演算部61は、通常時のモードの中でもバッテリ電圧Vbattの状態に応じてモータ31に供給する電流の最大値Imaxをさらに変化させる。
また、ステップS10にて、エンジン11がエンストした状態(停止中)であるとき(ステップS10:NO)、演算モードをエンスト時のモードとして電流指令値I*を演算することとなる。
続いて、電流指令値演算部61は、ステップS10にてエンスト時のモードとして電流指令値I*を演算するとき、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値を上回っているか否かを判断する(ステップS30)。通常動作下限値は、エンジン11、すなわちオルタネータ15による充電が停止していてもバッテリ14から引き出し可能とされるとして経験的に導かれる値に設定される。なお、通常動作下限値は、オルタネータ15による充電が停止している状態を想定することから、オルタネータ15による充電が可能な状態を想定する上記最低値よりも高い値に設定される。そして、ステップS10,S30が共に「NO」となるとき、エンジン11が停止中であってオルタネータ15による充電が停止されるなかでさらにバッテリ電圧Vbattが通常動作下限値以下であることから、他のスタータ13等のシステムの関係上、EPS10のために消費する電力の確保が困難な状態といえる。本実施形態では、例えば、バッテリ14における最大電圧16Vに対して通常動作下限値が11Vに設定される。
ステップS30にて、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値を上回っているとき(ステップS30:YES)、電流指令値演算部61は、モータ31に供給する電流の最大値Imaxをエンスト時電流最大値に制限して電流指令値I*を演算する。なお、エンスト時電流最大値は、オルタネータ15による充電が停止している状態を想定することから、オルタネータ15による充電が可能な状態を想定する上記通常時電流最大値よりも低い値に設定される。すなわちこの場合、上述したようにオルタネータ15による充電が停止している状態であることから、EPS10のために確保する電力を通常時のモードよりも制限するという、所謂、制限モードといえる。エンスト時電流最大値については、後で詳しく説明する。
一方、ステップS30にて、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値以下にあるとき(ステップS30:NO)、電流指令値演算部61は、モータ31に供給する電流の最大値Imaxをエンスト時電流最大値未満のなかで制限して電流指令値I*を演算する。すなわちこの場合、上述したようにバッテリ14からの電力の確保が困難な状態といえることから、EPS10で確保する電力を上記制限モードの制限を超えてさらに制限するという、所謂、超制限モードといえる。
このように、電流指令値演算部61は、エンスト時のモードの中でもバッテリ電圧Vbattの状態に応じてモータ31に供給する電流の最大値Imaxをさらに変化させる。なお、電流指令値演算部61は、エンジン11が停止(ステップS10:NO)から駆動(ステップS10:YES)に復帰するとき、演算モードについてもエンスト時のモードから通常モード時のモードに復帰させることとなる。
ここで、通常時電流最大値及びエンスト時電流最大値について詳しく説明する。
図4に示すように、モータ31に供給する電流の最大値Imax(A)と操舵角速度ω(rad/s)とは、モータ31が発生させるトルクの関係を示すT−N特性曲線(図4中、実線で示す)をもとにした関係を有する。またさらに、電流の最大値Imaxと操舵角速度ωとは、T−N特性曲線上において、バッテリ14から引き出しが許容される許容電力の関係を示す通常時のモードに対応するエンジン駆動中電力制限曲線(図4中、一点鎖線で示す)、又はエンスト時のモードに対応するエンジン停止中電力制限曲線(図4中、二点鎖線で示す)に沿った関係を有する。操舵角速度ωは、操舵角θsを微分器に通して微分することにより演算される。
本実施形態では、T−N特性曲線と各電力制限曲線とが交差するときに対応する電流値、すなわちT−N特性曲線上における各電力制限曲線の下限に対応する電流値をそれぞれの通常時電流最大値Iaとエンスト時電流最大値Ibと定めている。
図4及び図5に示すように、エンスト時における電流の最大値Imaxが、オルタネータ15による充電が停止している状態であることからエンジン駆動中電力制限曲線よりも全体的に低く推移するエンジン停止中電力制限曲線に沿った関係を有するそのなかでも、さらに下限値にエンスト時電流最大値Ibが定められる。したがって、エンスト時電流最大値Ibは、通常時電流最大値Iaよりも小さい値に設定されることとなる。
以上に説明したEPS10によれば、以下の(1)〜(5)に示す作用及び効果を奏する。
EPSECU40(MPU42)における電流指令値演算部61は、各演算モードにおいて、バッテリ電圧Vbatt、すなわちバッテリ14の残り電力を監視(モニタ)し、該監視結果(モニタ結果)として取り込まれるバッテリ電圧Vbatt、すなわちバッテリ14の残り電力に応じて変化させる電流の最大値に基づき電流指令値I*を演算する。
すなわち、図5の実線で示すように、電流指令値演算部61は、エンスト時のモード(ステップS10:NO)において、バッテリ電圧Vbattを監視するなかで該バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値(11V)を上回っている(ステップS30:YES)間、電流指令値I*をエンスト時電流最大値Ibに制限するように演算する。
(1)こうした本実施形態によれば、エンスト中であってもモータ31に電力が供給されることから、運転者の意図に関係なく発生するエンストに見舞われるとき、そうしたエンスト中においてもEPS10が機能しうることとなる。すなわちこの場合、エンスト中であってもEPS10の機能を必要とする状況では、該EPS10がアシスト力を発生させうるようになることから、運転者の安全性を確保することができる。
(2)そして、本実施形態では、こうしてモータ31に供給される電力は通常時電流最大値Iaよりも低いエンスト時電流最大値Ibに制限されることとなるが、EPS10は最大でエンスト時電流最大値Ibに基づきモータ31が発生させるトルク分のアシスト力によって、運転者のステアリング操作を補助することができる。
ただし、エンスト中にはEPS10以外、すなわちエンジン11の再始動(スタータ13)等のためにバッテリ14の電力を消費することもあるところ、エンスト中にむやみやたらにモータ31へ電力を供給してしまってはバッテリ上がりを招くおそれがある。
そこで、本実施形態では、電流指令値演算部61がエンスト時のモード(ステップS10:NO)において、バッテリ電圧Vbattを監視するなかで該バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値(11V)以下に達するとき(ステップS30:NO)、電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxをエンスト時電流最大値Ib未満に変化させる。
すなわち、本実施形態によれば、エンスト中にEPS10がアシスト力を発生させるようなとき、むやみやたらではなくバッテリ電圧Vbattを監視して考慮しながらモータ31へ電力が供給されることとなる。
(3)具体的に、図5の実線で示すように、エンスト中におけるバッテリ電圧Vbattが低下しているのであれば、アシスト力を発生させる場合であってもモータ31へ供給する電流の最大値Imaxを低く変化させることとなる。したがって、エンスト中にEPS10を機能させるにもかかわらずバッテリ上がりを抑制することができる。
(4)本実施形態では、T−N特性曲線上におけるエンジン停止中電力制限曲線の下限に対応する電流値をそれぞれのエンスト時電流最大値Ibと定めている。すなわちこの場合、アシスト力を発生させるために消費可能な許容電力として、エンジン各電力制限曲線(許容電力)に対して余裕を持たせるようにして予め制限することができるので、エンスト中にEPS10を機能させるにもかかわらずバッテリ上がりをより好適に抑制することができる。
(5)また、本実施形態によれば、エンスト中にEPS10に供給する電力が通常時電流最大値Iaよりも低いエンスト時電流最大値Ibに基づき制限されるなかでアシスト力を発生させるようなとき、アシスト力が犠牲になるがバッテリ上がりの可能性を低減することができる。これにより、エンスト中においてバッテリ上がりが低減されるところ、EPS10は供給される電力が少ないながらもいくらかのアシスト力を発生させることができる。したがって、EPS10が全く機能しない場合に比べては運転者の安全性の確保という点で有利となる。
図5の実線で示すように、電流指令値演算部61は、バッテリ電圧Vbattを監視するなかで該バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値(11V)に達してからさらに低下していくにつれて、すなわちバッテリ14の残り電力が少なくなるにつれて、徐々に電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxが低くなるように変化(減少変化)させる。すなわちこの場合、モータ31に供給する電力(電流)を減らすように調整される。なお、電流指令値演算部61は、バッテリ電圧Vbattが最低値(9V)に達するときに電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxが0(零)になるように一定の勾配で低くなるように変化させる。
一方、図5の一点鎖線で示すように、電流指令値演算部61は、通常時のモード(ステップS10:YES)において、バッテリ電圧Vbattを監視するなかで該バッテリ電圧Vbattが最低値(9V)を上回っている(ステップS20:YES)間、電流指令値I*を通常時電流最大値Iaに制限するように演算する。
またさらに、電流指令値演算部61は、通常時のモード(ステップS10:YES)において、バッテリ電圧Vbattを監視するなかで該バッテリ電圧Vbattが最低値(9V)以下に達するとき(ステップS20:NO)、電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxを一気(大幅)に0(零)に変化させる。
すなわち、本実施形態では、エンスト時のモードにおいて、電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxをエンスト時電流最大値Ibからさらに低く変化させるとき、通常時のモードように一気に低く変化するのではなく徐々に(傾きを持って)低く変化することとなる。すなわちこの場合、ステアリング操作の補助のために付与されるアシスト力の変化によって運転者が感じる違和感を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、電動パワーステアリング装置の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、エンスト時電流最大値Ibを設定する方法である。このため、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態では、T−N特性曲線とエンジン停止中電力制限曲線とが交差するときに対応する電流値、すなわちT−N特性曲線上におけるエンジン停止中電力制限曲線の下限に対応する電流値をエンスト時電流最大値Ibと一義的に定めるのではなく、エンジン停止中電力制限曲線に沿って変化させることとしている。すなわちこの場合、EPS10で消費される電力として各電力制限曲線(許容電力)に対して最大限使うことができる範囲で引き出して、エンジン11の停止中のその時点で付与可能な最大限のアシスト力を付与することができる。
本実施形態のEPS10によれば、以下の(6)、(7)に示す作用及び効果を奏する。
(6)EPSECU40(MPU42)における電流指令値演算部61は、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値を上回っているとき(ステップS30:YES)、バッテリ電圧Vbatt、すなわちバッテリ14の残り電力で引き出せる電流の最大値Imaxをエンスト時電流最大値Ibxとして電流指令値I*を演算する。
すなわち、図6に示すように、エンスト時電流最大値Ibxは、T−N特性曲線上における各電力制限曲線の下限に対応する電流値の間で変化する。そして、例えば、バッテリ電圧Vbattが、上述のエンスト時電流最大値Ibよりも高い電流値を引き出せるとき、電流指令値I*を演算する際の電流の最大値Imaxを該エンスト時電流最大値Ibよりも高い電流値に定める(変化させる)。すなわちこの場合、操舵角速度ωxからT−N特性曲線上におけるエンジン停止中電力制限曲線の下限に対応する操舵角速度ω0の間で、T−N特性曲線上におけるエンジン停止中電力制限曲線の下限に対応する電流値をエンスト時電流最大値Ibに定めるときに比べて大きなアシスト力を付与することができる。
(7)一方、本実施形態では、上述したようにしてエンスト時電流最大値Ibxを変化させる場合であっても、電流指令値演算部61は、バッテリ電圧Vbatt、すなわちバッテリ14の残り電力が低下するなかでは電流の最大値Imaxを低く変化させることとなる。したがって、大きなアシスト力を得ながらもバッテリ上がりを抑制することができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・エンスト中、EPS10の機能維持をバッテリ上がりよりも優先する場合、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値以下においては電流の最大値Imaxを減少変化させないようにすることもできる。EPS10の機能維持とバッテリ上がりとのどちらを優先するかは、状況に応じて切り替え可能にしてもよい。
・エンスト中、EPS10の機能維持をバッテリ上がりよりも優先する場合、エンジン停止中電力制限曲線をエンジン駆動中電力制限曲線の側に近付けるようにして演算を行うこともできる。
・エンスト中、バッテリ電圧Vbattが通常動作下限値以下において電流の最大値Imaxを減少変化させる態様としては、曲線的に減少させたり、ステップ状に減少させたり、途中にフラットに維持する状態を挟み込んで段階的に減少させたりしてもよいし、通常時のモード同様、一気に0(零)に変化させてもよい。
・各実施形態では、エンスト中、電流の最大値Imaxを減少変化させるバッテリ電圧Vbattを通常動作下限値としたが、これを高低の側にずらしてもよい。ただし、低い側にずらすときには、最低値を上回る範囲でずらすようにすればよい。
・各実施形態では、モータ31をステアリングシャフト22(コラムシャフト22a)に設けたが、ラック軸23に設けてもよい。この場合、モータ31のトルクがアシスト力としてラック軸23に付与されることにより操舵が補助される。
・エンジン駆動情報IGについては、エンジン11から直接取り込むこともできる。
次に、上記各実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記制御装置は、前記エンジンが停止しているなかで前記バッテリの電力を消費して前記アシスト力を発生させるとき、該バッテリの残り電力に基づき前記許容電力を変化させる。例えば、アシスト力を発生させるのに消費される電力として、バッテリの残り電力に対して最大限使うことができる範囲で引き出すようにすれば、エンジンの停止中のその時点で付与可能な最大限のアシスト力を発生させることができる。すなわちこの場合、より大きなアシスト力を発生させることができる。
10…電動パワーステアリング装置、11…エンジン、14…バッテリ、31…モータ、40…EPSECU、42…マイクロプロセッシングユニット、55…電圧センサ、61…電流指令値演算部。

Claims (4)

  1. 駆動源であるエンジンと、前記エンジンの駆動を通じて充電されるバッテリとを備えた車両用の電動パワーステアリング装置であって、
    前記バッテリの電力を消費してアシスト力を発生させるモータと、
    前記モータへ供給する電力を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記エンジンが停止している場合であっても前記モータへ供給する電力を制御することによって、前記バッテリの電力を消費して前記アシスト力を発生させるように構成される電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置は、前記バッテリの残り電力に基づき前記モータへ供給する電力を変化させることによって、前記エンジンが停止している場合であっても前記バッテリの電力を消費して前記アシスト力を発生させる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記制御装置は、前記エンジンが停止されて前記充電が停止されている場合であっても前記バッテリの残り電力から引き出すことができる許容電力に基づき前記モータへ供給する電力を変化させることによって、前記エンジンが停止している場合であっても前記バッテリの電力を消費して前記アシスト力を発生させる請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記制御装置は、前記バッテリの残り電力の減少に応じて前記モータへ供給する電力を減少変化させることによって、前記エンジンが停止している場合であっても前記バッテリの電力を消費して前記アシスト力を発生させる請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
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