JP2016163995A - 多層床仕上げ材 - Google Patents

Abstract

【課題】十分な剛性も維持しながら、その重量をより軽量にすることを目的とする。【解決手段】本願発明は、補強用繊維の層Ａと、粘着層Ｂと、裏面層Ｃと、補強用繊維の無い補強用層Ｄであって、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びそれらの混合物を含む群から選択された熱可塑性ポリマーでできている補強用層Ｄと、表面層Ｅと、を備える多層床仕上げ材に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、床仕上げ材として使用されることを意図された多層体に関するものであり、特に、例えば航空機の分野などの人々を輸送する車両におけるものである。

例えば航空機の分野では、主要な会社は、コストを低減させるだろう新材料を常に探している。

例として、物理的性質が良好でありながら従来の材料よりも軽量である新材料の開発及び使用によって航空機の運転の最適化が挙げられる。それによって、燃料消費の低減によって、航空機の運転費用を低減させる結果となる。

この種の改良は如何なる種類の部品でも対象とすることができるので、床仕上げ材に特に着目されてきた。

一般に、床仕上げ材は、一緒に組み合わせられる複数の層で構成されている。特に、航空機の床仕上げ材は、製品の剛性を確保する強化層で構成されることができる。この剛性特性は、航空機産業における重要な基準を構成する。さらに、表面層は、特に耐損耗性、耐摩耗性、又は耐滑り性の特性に寄与する。また、表面層の機能は、デザインが印刷され得る、可能性のある印刷された層を保護することもできる。

飛行中に起こり得る床仕上げ材に対する不体裁な変形（座屈、すなわち「ウェービング」の影響、仕上げ材の裏の混入気泡の形成、すなわち「バブリング」）を制限するために、床仕上げ材にはある程度の剛性が一般に必要である。また、剛性の床仕上げ材は、適用の領域とは関係がないテレグラフィング（ｔｅｌｅｇｒａｐｈｉｎｇ）という現象も制限し、この現象は、基板内の凸凹が床仕上げ材まで浮き出て現れる現象である。

従来の仕上げ材の剛性は、樹脂含浸された補強用繊維製の２つの重ね合わせ層の使用によって最適化され得る。しかしながら、これらの補強用層は、特に、例えば繊維ガラスなどの補強用繊維の存在によって床仕上げ材に相当な重量を加える。

さらに、これらの補強用層に他の製品層と共に使用される樹脂の可能性のある不適合性によって、界面をもたらす中間粘着層又はプライマー層の存在を必要となる場合が多い。これらの追加的な層は、多層体をより重くし得るだけでなく、それらの追加的な層は、それらの製造方法をより複雑にし得る。実際に、製品の製造コスト全体の大部分を占めているのが、合成床仕上げ材を構成する層の組み合わせるためのプロセスであり、それは、特に、組み合わせれた層の数、及び、異なる化学的タイプの様々な層の間の付着をもたらすのに必要な粘着剤又はプライマーの存在である。

しかしながら、このタイプの床仕上げ材が航空機の分野にどんなに良く適していても、それでもなお、十分な剛性も維持しながら、その特徴を、特に重量を改良する必要がある。

出願人は、この技術的問題を解決するための多層床仕上げ材を開発した。この多層体は、座屈、混入気泡、又はテレグラフィング（床仕上げ材への床の凸凹の伝達）に起因する床仕上げ材の好ましくない変形を制限する剛性特性を有している。

本願発明は、２つの強化層を含む多層床仕上げ材であって、それらの強化層の１つが補強用繊維が無い、多層床仕上げ材に関する。

有利には、この多層体は、航空機の技術分野に適用するのに十分な剛性をもたらすと同時に、従来の仕上げ材のよりも小さい面密度（単位面積当たりの質量）を有している。

より正確には、本願発明の目的は、
補強用繊維の層Ａと、
粘着層Ｂと、
裏面層Ｃと、
補強用繊維の無い補強用層Ｄであって、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、それらの混合物を含む群から選択された熱可塑性ポリマーでできている補強用層Ｄと、
を備える多層床仕上げ材である。

有利には、この多層体において、補強用層Ｄは、０．０７ｍｍから０．４０ｍｍまでの間の範囲の厚さを有しており、有利には、５０から５００ｇ／ｍ^２までの間の範囲の面密度を有している。

それは、複合積層体（補強用繊維の層Ａ）とポリマー表面錯体（層Ｃ、Ｄ、及びＥ）とを備える多層体を含む。

有利には、多層体は、層Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、及びＥを連続して含む。

一般に、層は、上側面および下側面に相当する２つの主要面を含む。

補強用層Ａは、多層体の最下層に相当する。それは、仕上げ材が上に設置される床と接触させることを意図している。それ故、航空機の床パネルの上に載置することができ、層Ａとパネルとの界面は、粘着剤によってもたらされることができる。

それは、織られ得る、又は不織となり得る繊維を備える層を含む。

層Ａは、織られた、又は不織の補強用繊維と、熱硬化性又は熱可塑性のポリマー樹脂とを備える複合材料で構成され得る。

有利には、層Ａは、前記層Ａの重量に対して、
２０から８０重量％、より有利には４５から６０重量％の補強用繊維と、
２０から８０重量％、より有利には４０から５５重量％のポリマー樹脂と、
を含む。

補強用繊維は、層Ａの硬直化に寄与する。それらの補強用繊維は、無機物または有機物であり得る。特に、それは、材料の中の補強をもたらす天然繊維又は合成繊維の物質にすることができる。望ましくは、ガラス、カーボン、アラミド、リンネル、麻を含む群から選択された材料の繊維が挙げられる。

層Ａのためのポリマー樹脂は、特に、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリスルホン、ビニルエステル樹脂、エポキシアクリル樹脂、及びそれらの混合物を含む群の中から選択される熱硬化性又は熱可塑性のポリマー樹脂であり得る。

層Ａのための補強用繊維は、織繊維、不織繊維の形態であり得る。

特定の実施形態によれば、層Ａは、熱硬化性ポリマー樹脂で被覆された織繊維ガラスで構成され得る。

層Ａの面密度は、特に、２００から１２００ｇ／ｍ^２までの間の範囲、より有利には、３００から６００ｇ／ｍ^２までの間の範囲であり得る。

また、層Ａは、有利には、０．０５ｍｍから１．５ｍｍまでの間の範囲の厚さ、より有利には、０．２ｍｍから０．４ｍｍまでの間の範囲の厚さを有する。

層Ａは、多層体が置かれる床、例えば航空機の床と接触させることを意図している。それは、粘着層Ｂによって層Ｃに剛結合された状態になる。

典型的には、粘着層Ｂは、特に、共重合ポリアミド（ＣｏＰＡ）、熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ）、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）、共重合ポリエステル、及びそれらの混合物を含む群から選択されたポリマーであり得る。

層Ｂの面密度は、特に、１０から１４０ｇ／ｍ^２までの間の範囲、より有利には、４０から１００ｇ／ｍ^２までの間の範囲であり得る。

また、層Ｂは、有利には、０．０２ｍｍから０５０ｍｍまでの間の範囲の厚さ、より有利には、０．０４ｍｍから０．１２ｍｍまでの間の範囲の厚さを有する。

既に示したように、層Ｂは層Ａ及びＣを結合させるのに役立つ。実際に、層Ａ及びＣにおける樹脂又はポリマーは、適合性があまりない場合が多く、層Ａからのポリマー樹脂、好ましくは熱硬化性樹脂の群から選択されたポリマー樹脂が、有利には熱可塑性の層Ｃの成分とあまり適合性がない。

一般に、層Ｃは、床仕上げ材に対して厚さに寄与する。また、それは、特に、仕上げ材の縁に良好な溶接性をもたらすのに役立つ。特に、それは、床仕上げ材用のシールを縁に設けるためにジョイントが製品の縁部に適用される場合である。シールは、溶接ビードを用いた熱溶着によって、またはマスチックによって達成され得る。ジョイントの良好な機械的な保持は、使用される材料だけでなく接触表面、ひいては特に製品の厚さに依存することがある。最後に、層Ｃは、印刷された層がその上に組み合わせられるときに不透明性をもたらすのに役立つ。

「中間層」または「裏面層」と称される層Ｃは、有利には、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、及びそれらの混合物を含む群から選択されたポリマーである。

有利には、層Ｃはポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）である。

有利には、層Ｃはポリウレタン、すなわち熱可塑性ポリウレタンを備えていない。

層Ｃの面密度は、特に、３００から１３００ｇ／ｍ^２までの間の範囲、より有利には６００から１０００ｇ／ｍ^２までの間の範囲であり得る。

層Ｃは、有利には、０．１０から０．６０ｍｍまでの間の範囲の厚さ、より有利には、０．３０から０．５５ｍｍまでの間の範囲の厚さを有する。

層Ｃは、層Ｂと層Ｄとの間に位置し、第２の補強材を構成する。

既に示されたように、本発明に係る多層体は、補強用層Ｄが補強用繊維を全く有していない点で、従来技術の多層体から区別される。

補強用層Ｄは、例えば、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）やポリエチレンテレフタラートグリコール（ＰＥＴＧ）などのポリエステル樹脂と、例えば、ポリメチルメタクリレートやポリアクリル酸メチルなどのアクリル樹脂と、それらの混合物とを含む群から選択された熱可塑性ポリマー製である。

有利には、層Ｄは、ＰＥＴ若しくはＰＥＴＧ又はその両方を備える。ＰＥＴＧは、ＰＥＴと異なる化学構造を有する非晶性共重合ポリエステルポリマーである。一般に、ＰＥＴＧは、例えば熱成形性などの加工性に優れている。

また、補強用層Ｄは、例えば模様や装飾などを印刷するための媒体を構成し得る。また、それ故、層Ｄは、印刷層である。このように、多層体は、層Ｄ上に、印刷された模様を有し得る。

また、層Ｄが印刷層である場合、模様や装飾が、層Ｅに面する層Ｄの面を意味する層Ｄの上側に印刷される。それ故、層Ｄは、層Ｅに面する側に、印刷された模様を含む。

層Ｄの面密度は、特に、５０から５００ｇ／ｍ^２の間、より有利には、１００から３００ｇ／ｍ^２の間であり得る。

また、層Ｄは、有利には、０．０７から０．４０ｍｍの間、より有利には、０．１０から０．２０ｍｍの厚さを有する。

補強用層Ｄは、十分な剛性ももたらしながら、多層体を構成する層の数を削減するのに役立つ特定の特性を有する。

実際に、補強用繊維無しの補強用層Ｄの統合は、層Ｄが印刷層の役割をも果たすことができるので、それと裏面層Ｃとの付着をもたらす第２の粘着層だけでなく、可能性のある印刷層をも無くすことができる。これによって、多層体の面密度全体を低減させる結果となる。

このように、この多層体は、空機の床仕上げ材への適用に必要な剛性をも有しながら、従来の仕上げ材よりも低い面密度を有し得る。

また、特定の実施形態によれば、層Ｃは、充填材、特に、例えば、粘土、シリカ、カルシウム、カーボネート、金属水酸化物（特に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム）または金属酸化物（特に酸化マグネシウムや酸化亜鉛）などの無機充填材をも含み得る。

これらの充填材は、層Ｃの重量の３０から８０重量％、有利には、５０から７０重量％、或いは、４０から６０重量％を占め得る。

別の特定の実施形態によれば、層Ｃは、単一のポリマーでできている２つの層の組み合わせたものであって、最終製品のコストを低減させるために、２つの層のうちの一方が、他方よりも無機充填材を多く含有しているものであり得る。

例として、層Ｃは、４０から６０重量％の無機充填材を含む第１の層と、２０から４０重量％の無機充填材を含む第２の層とを組み合わせて、充填材が、層Ｃの結果的に生じる重量に対して３０から８０重量％、有利には、５０から７０重量％、或いは、４０から６０重量％を占めることによって得ることができる。

別の特定の実施形態によれば、層Ｃは、例えば可塑剤や、アルミニウムトリヒドロキシドなどの難燃剤、色素などの添加剤を含んでもよい。

例として、可塑剤は、リン酸エステルタイプの可塑剤であってもよい。それは、特に、ＤＩＤＰ（フタル酸ジイソデシル）、ＤＩＮＰ（フタル酸ジイソノニル）、及びリン酸エステル可塑剤を含む群から選択され得る。

この層Ｃの添加剤は、層Ｃの重量の１０から３０重量％、有利には、１２から１８重量％を占めてもよい。

また、層Ｄは、色素、特に、例えば印刷可能な白色フィルムの場合にはＴｉＯ_２を含有し得る。

有利には、補強用層Ｄは、１５００から３５００ＭＰａまでの間、より有利には、２０００から３２００ＭＰａまでの間の範囲の曲げ弾性率を有するポリマーから構成される。有利には、この率は、ＩＳＯ１７８の規格に従って測定される。

最後に、本発明に係る多層体は、有利には層Ｄの上に位置する表面層Ｅを備える。これは、特に、耐汚染性、耐滑り性、及び耐摩耗性の特性を有する損耗層である。

実際に、表面層Ｅは、熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、及びそれらの混合物を含む群から選択されたポリマーを含む。

望ましくは、表面層Ｅは、熱可塑性ポリウレタンを含む。

層Ｅの面密度は、特に、１５０から６００ｇ／ｍ^２の間、より有利には２００から４００ｇ／ｍ^２の間となり得る。

また、層Ｅは、有利には、０．１から０．７０ｍｍの間、より有利には、０．２０から０．４５ｍｍの間の厚さを有する。

層Ｅは、一様でも一様でなくてもよい模様や装飾を形成するような方法で充填材、難燃剤、及び色素を備えてもよい。一方、層Ｄが印刷層でもある場合、層Ｅは透明である。

また、補強用層Ｅは、例えば模様や装飾を印刷するための媒体を構成し得る。それ故、層Ｅは印刷層でもある。このように、多層体は、印刷された模様を層Ｅ上に有し得る。

層Ｅが印刷層でもある場合、模様や装飾は、層Ｄに面する層Ｅの面を意味する層Ｅの下側の表面に印刷される。それ故、層Ｅは、層Ｄに面する側に、印刷された模様を含む。

有利には、層Ｅは、１０から２０重量％の間の難燃剤、特にホスホネート樹脂を含む。

別の特定の実施形態によれば、本発明に係る多層体は、層Ｅの上に位置する表面ワニスを備えてもよい。この任意の保護層は、製品の耐擦傷性や耐汚染性の特性を向上させるのに役立つことができる。さらに、それは、製品をよりつや消しされた表面外観にすることもでき、それは、適用される場所によっては望ましい。特に、それは、ポリウレタン若しくはアクリル、又はそれらの混合物を基材とすることができ、有利には、５から５０ｇ／ｍ^２までの間の範囲の質量を有する。

別の特定の実施形態によれば、本発明に係る多層体は、補強用繊維の無い少なくとも１つの追加的な層を備えてもよい。

有利には、本発明に係る多層体は、２．３ｋｇ／ｍ^２以下、より有利には、１５００から２２００ｇ／ｍ^２までの間、さらに有利には、１８００から２０００ｇ／ｍ^２の間の範囲内の面密度を有する。

有利には、本発明に係る多層体は、３．７ｍｍ未満、より有利には１から２．５ｍｍまでの間の範囲、さらに有利には１．３から１．６ｍｍの間、特に１．４ｍｍ程度の厚さを有する。

有利な実施形態によれば、本発明に係る多層体は、下記の層のうちの少なくとも１つを備える。
‐ ポリエステル及び繊維ガラスでできており、有利には織られている層Ａ、
‐ 熱可塑性ポリウレタン製の粘着層Ｂ、
‐ ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）製の層Ｃであって、有利には、少なくともいくつかの充填材若しくは難燃剤又はその両方を含む層Ｃ、
‐ ＰＥＴＧ若しくはＰＥＴ又はその両方でできている層Ｄ、及び
‐ 熱可塑性ポリウレタン製の層Ｅであって、有利には、例えば難燃剤などの少なくとも１つの添加剤を含む層Ｅ。

有利な実施形態によれば、本発明に係る多層体は、下記の層のうちの少なくとも１つを備える。
‐ フェノール樹脂及び繊維ガラスでできており、有利には、織られている層Ａ、
‐ 共重合ポリアミド（ＣｏＰＡ）製の粘着層Ｂ、
‐ ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）製であって、有利には、少なくともいくつかの充填材若しくは難燃剤又はその両方を含む層Ｃ、
‐ ＰＥＴＧ若しくはＰＥＴ又はその両方でできている層Ｄ、及び
‐ 熱可塑性ポリウレタン製であって、有利には、例えば難燃剤などの少なくとも１つの添加剤を含む層Ｅ。

別の特定の実施形態によれば、本発明に係る多層体は、層Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、及びＥで構成されている。言い換えると、この実施形態によれば、それは他の層を含んでいない。とはいえ、この場合、それは、層Ｅを被覆するワニスを備えてもよい。

また、本願発明は、この多層体の製造方法に関する。それは、特に下記のステップを含む。
‐ 層ＡからＥの製造ステップ、及び
‐ 層ＡからＥの組み合わせステップ。

例として、層Ｂは、押出しブロー成形プロセスによって製造され得る。層Ｃは、特にそれがＰＶＣ製である場合には、カレンダー加工によって製造されてもよい。層Ｅは、押出しカレンダー加工、押出しブロー成形、又はカレンダー加工を意味する熱可塑性のための従来の加工手段によって製造され得る。

層ＡからＥは、有利には、例えば、加熱ステップと加圧ステップとを交互に行う熱間圧延にる積層などの従来の積層方法による温度及び圧力の増大の作用の下で重ね合わせることによって組み合わせられる。最終段階の表面構造を付与するために、多層体は、グレイニングステップを受け得る。

積層は、圧力を加えた２つの温度制御されたローラ間の予熱層を通過させることからなる。これらのローラは、層の結合を行う。

多層体の厚さは、結合ステップ、及び、例えば加圧ステップや任意のグレイニングステップなどのその後の処理ステップが原因で、層の厚さの合計に必ずしも相当するとは限らない。

有利には、積層温度は、１００から１６０°Ｃまでの間の範囲である。例として、加えられる圧力は、８ｂａｒから２０ｂａｒまで、望ましくは、１０ｂａｒから１５ｂａｒまで変化させることができる。

実際に、補強用層Ｄは、裏面層Ｃとの良好な適合性を有している。このように、層ＡからＥの組み合わせ中に、それらの間に追加的な粘着層が挿入されたり、補強用層Ｄと裏面層Ｃとの間に特定のプライマーが塗布されたりする必要がないので、製品の製造がより容易になる。

対称的に、従来技術の多層体は、第２の補強材の付着をもたらすために追加的な粘着層やプライマー層を必要とする２つの繊維補強材を備えている。

さらに、ＰＥＴＧは、ＰＶＣの特性と同様の特性を有している。層ＣがＰＥＴＧ製であり、層ＤがＰＶＣ製である場合に、特に、それは、容易に熱成形することができ、それによって、多層体を構成する層がより容易に組み合わせることができるようになる。このように、多層体の総質量は低減される。

要するに、本願発明では、
− 製造加工ステップの数を低減させること、
− 必要とされる層の数を減らすことによって面密度を低減させること、
− 従来の繊維補強材よりも軽量である第２の補強層を利用することによって面密度を低減させること、
− 補強用層と印刷媒体層とを兼用する層を利用することによって面密度を低減させること、
が可能である。

これらの特性を考慮すると、本発明に係る多層体は、より具体的には、航空機の分野のように、仕上げ材の面密度が高い重要性のあるものに適用することに魅力がある。

本発明、及び、それによって生じる利点は、限定することなく本発明を説明するために提供された図面および実施例によってより明らかになるであろう。

図１は、本発明の特定の実施形態に係る断面図である。 図２は、本発明に係る多層体の曲げパラメータを計測するための試験に用いるものを示している。

下記の３つの多層体が用意された。

ＣＥ−１： 標準製品： 補強用繊維を含有する１つの補強用層を備える多層体
この多層体は、
− 繊維ガラスで補強されたポリエステル製の補強用複合層であって、５４０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３５ｍｍの補強用複合層と、
− ＴＰＵ製の粘着層であって、９０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．０８ｍｍの粘着層と、
− ＰＶＣ製の２つの表面層であって、各々の厚さが０．５５ｍｍであると共に各々が６５５ｇ／ｍ^２の面密度を有する表面層と、
から構成されている。

ＣＥ−２： 標準製品： 補強用繊維を含有する２つの補強用層を備える多層体
この多層体は、
− 繊維ガラスで補強されたポリエステル製の補強用複合層であって、５４０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３５ｍｍの補強用複合層と、
− ９０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．０８ｍｍのＴＰＵ粘着剤と、
− 繊維ガラスから構成された第２の補強用層であって、２２０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．２０ｍｍの第２の補強用層と、
− 第２の粘着層であって、５０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．０３ｍｍの第２の粘着層と、
− ＰＶＣ製の２つの表面層であって、各々の厚さが０．５０ｍｍであると共に各々が５７０ｇ／ｍ^２の面密度を有する表面層と、
から構成されている。

ＩＮＶ−１： 補強用繊維層（Ａ）と補強用繊維の無い補強用層（Ｄ）を備える本発明に係る多層体
この多層体は、
− 繊維ガラスで補強されたポリエステルでできている層Ａであって、５４０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３３ｍｍの層Ａと、
− ＴＰＵ製の層Ｂであって、９０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．０８ｍｍの層Ｂと、
− ＰＶＣ製の層Ｃであって、７４０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．４２ｍｍの層Ｃと、
− ＰＥＴＧ製の層Ｄであって、１７０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．１３の層Ｄと、
− ＴＰＵ製の層Ｅであって、３６０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３０ｍｍの層Ｅと、
から構成されている。

ＩＮＶ−２： 補強用繊維層（Ａ）と補強用繊維の無い補強用層（Ｄ）を備える本発明に係る多層体
この多層体は、
− 繊維ガラスで補強されたフェノール樹脂でできている層Ａであって、４７０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３０ｍｍの層Ａと、
− 共重合ポリアミド（ＣｏＰＡ）粘着剤でできている層Ｂであって、５０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．０５ｍｍの層Ｂと、
− ＰＶＣ製の層Ｃであって、７４０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．４２ｍｍの層Ｃと、
− ＰＥＴＧ製の層Ｄであって、１７０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．１３ｍｍの層Ｄと、
− ＴＰＵ製の層Ｅであって、３６０ｇ／ｍ^２及び厚さ０．３０ｍｍの層Ｅと、
から構成されている。

多層体の厚さは、結合ステップ、及び、加圧ステップや可能性のあるグレイニングステップなどのその後の処理ステップが原因で、層の厚さの合計に必ずしも相当するとは限らない。

長軸における曲げパラメータ及び横軸における曲げパラメータは、補強用繊維の存在が原因で異なる。

曲げパラメータが当業者にとって公知であってＩＳＯ１７８規格によって規定された従来技術によって計測される。それとして、製品の下側（「１」の側）が上方に向けて位置付けられると共に、製品の表面（「２」の側。図２を参照）が下方に向けて位置付けられるように多層体を位置付ける三点曲げ試験が挙げられる。計測条件は、付加及び制限として、ＩＳＯ１７８規格における基準に合わせており、試験サンプルの寸法が１００ｍｍ×２５ｍｍであり、パラメータｈが多層体の厚さに相当しており、試験速度が１ｍｍ／分である。

製品の硬さＥｆ×ｈ^３を示す計測された曲げパラメータ（Ｎ／ｍｍ）は、サンプルの曲げ弾性率Ｅｆ及び厚さｈに依存する。

一般に、１５００Ｎ／ｍｍを上回るパラメータＥｆ×ｈ^３が、航空機に適用するのに十分な硬さ特性となる。

表１は、本発明に係る多層体ＩＮＶ−１及びＩＮＶ−２が、単一の補強用繊維を含むＣＥ−１及び２つの補強用繊維を含むＣＥ−２を含む多層体よりも大きい曲げパラメータを有することを示している。さらに、ＩＮＶ−１及びＩＮＶ−２の多層体の面密度は、ＣＥ−１及びＣＥ−２の面密度よりも小さい。

これらの実施例は、本願発明によってもたらされる利点、具体的には、工業規格に合った剛性、及びより低い面密度を説明している。

Ａ 層
Ｂ 粘着層
Ｃ 裏面層
Ｄ 補強用層
Ｅ 表面層

Claims (13)

1. 補強用繊維の層Ａと、
   粘着層Ｂと、
   裏面層Ｃと、
   補強用繊維の無い補強用層Ｄであって、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びそれらの混合物を含む群から選択された熱可塑性ポリマーでできている補強用層Ｄと、
   表面層Ｅと、
   を備える多層床仕上げ材。
2. 前記補強用層Ｄが、０．０７ｍｍから０．４０ｍｍまでの間の範囲の厚さを有しており、有利には、５０ｇ／ｍ^２から５００ｇ／ｍ^２までの間の範囲の面密度を有していることを特徴とする、請求項１に記載の多層床仕上げ材。
3. 前記層Ａが、前記層Ａの重量に対して、
   ２０から８０重量％の補強用繊維と、
   ８０から２０重量％のポリマー樹脂と、
   を含むことを特徴とする、請求項１又は２に記載の多層床仕上げ材。
4. 前記裏面層Ｃは、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、及びそれらの混合物を含む群から選択されたポリマーであることを特徴とする、請求項１から３のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
5. 前記補強用層Ｄが、ＰＥＴＧ若しくはＰＥＴ又はその両方を含むことを特徴とする、請求項１から４のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
6. 前記補強用層Ｄが、前記表面層Ｅに面する側に、印刷された模様を備えることを特徴とする、請求項１から５のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
7. 前記表面層Ｅが、前記補強用層Ｄに面する側に、印刷された模様を備えることを特徴とする、請求項１から６のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
8. 前記表面層Ｅが、熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、及びそれらの混合物を含む群から選択されたポリマーを含むことを特徴とする、請求項１から７のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
9. ポリエステル及び繊維ガラスでできている層Ａ、
   熱可塑性ポリウレタン製の粘着層Ｂ、
   ＰＶＣ製の層Ｃであって、有利には、少なくともいくつかの充填材若しくは難燃剤又はその両方を含む層Ｃ、
   ＰＥＴＧ若しくはＰＥＴ又はその両方でできている層Ｄ、及び
   熱可塑性ポリウレタン製の層Ｅであって、有利には、少なくとも１つの難燃剤を含む層Ｅ、
   のうちの少なくとも１つの層を備えることを特徴とする、請求項１から８のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
10. フェノール樹脂及び繊維ガラスでできている層Ａ、
    共重合ポリアミド製の粘着層Ｂ、
    ＰＶＣ製の層Ｃであって、有利には、少なくともいくつかの充填材若しくは難燃剤又はその両方を含む層Ｃ、
    ＰＥＴＧ若しくはＰＥＴ又はその両方でできている層Ｄ、及び
    熱可塑性ポリウレタン製の層Ｅであって、有利には、少なくとも１つの難燃剤を含む層Ｅ、
    のうちの少なくとも１つの層を備えることを特徴とする、請求項１から８のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
11. 前記多層床仕上げ材の厚さが３．７ｍｍ未満であることを特徴とする、請求項１から１０のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
12. 前記多層床仕上げ材の面密度が以下であることを特徴とする、請求項１から１１のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材。
13. 請求項１から１２のうちの何れか一項に記載の多層床仕上げ材の製造方法であって、
    層Ａから層Ｅの製造ステップ、及び
    層Ａから層Ｅの組み合わせステップ、
    を含む、方法。

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