JP2016163390A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】疲労強度を確保しつつ耐腐食性に優れたダイヤフラムを備えた圧電アクチュエータを提供すること。
【解決手段】 圧電アクチュエータ1は、軸方向に伸縮する圧電素子2と、圧電素子2を収容する筒状部材3と、圧電素子2の先端側に配され、圧電素子2の伸縮に伴い軸方向に変位する駆動部材4と、筒状部材3と駆動部材4とを連結するダイヤフラム5とを有する。ダイヤフラム5は、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されている。ダイヤフラム5の硬度は、Hv400〜500である。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子を備えた圧電アクチュエータに関する。
自動車等の内燃機関の燃料噴射用インジェクタに用いられる圧電アクチュエータとしては、軸方向に伸縮する圧電素子と、圧電素子を収容する筒状部材と、圧電素子の伸縮に伴い軸方向に変位する駆動部材と、筒状部材と駆動部材とを連結するダイヤフラムとを有するものがある(特許文献1)。
圧電アクチュエータのダイヤフラムは、圧電素子の伸縮に伴う弾性変形が繰り返されることとなるため、高い疲労強度が要求される。そこで、特許文献1に開示された圧電アクチュエータにおいては、ダイヤフラムを、Ni−Co−Mo合金(マルエージング鋼)によって構成することが提案されている。
特開2010−3980号公報
しかしながら、水及び酸素を多く含有した燃料を使用されるケースが増えてきており、その場合、水及び酸がダイヤフラムに接触することにより、ダイヤフラムが腐食することが考えられる。すなわち、水や酸素の含有量の多い燃料の下で、圧電アクチュエータを長期間使用した場合において、ダイヤフラムに応力腐食割れや水素脆化による割れ(腐食割れ)が生じることが懸念される。それゆえ、ダイヤフラムとしては、疲労強度が要求される一方で、高い耐腐食性も要求される。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、疲労強度を確保しつつ耐腐食性に優れたダイヤフラムを備えた圧電アクチュエータを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、軸方向に伸縮する圧電素子と、
該圧電素子を収容する筒状部材と、
上記圧電素子の先端側に配され、上記圧電素子の伸縮に伴い軸方向に変位する駆動部材と、
上記筒状部材と上記駆動部材とを連結するダイヤフラムとを有し、
上記ダイヤフラムは、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成され、
かつ、上記ダイヤフラムの硬度は、Hv400〜500であることを特徴とする圧電アクチュエータにある。
上記圧電アクチュエータにおいて、上記ダイヤフラムは、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されている。これにより、ダイヤフラムの疲労強度を確保しつつ、耐腐食性を向上させることができる。
また、ダイヤフラムの硬度(ビッカース硬さ)をHv400〜500とすることにより、高い疲労強度を確保することができる。
以上のごとく、本発明によれば、疲労強度を確保しつつ耐腐食性に優れたダイヤフラムを備えた圧電アクチュエータを提供することができる。
実施形態1における、圧電アクチュエータの断面図。 実施形態1における、圧電アクチュエータの先端部付近の断面図。 実施形態1における、圧電アクチュエータの先端側から見た平面図。 実施形態1における、ダイヤフラムの一部の拡大断面図。 実施形態1における、駆動部材を駆動させる状態の圧電アクチュエータの先端部付近の断面図。 実験例1における、試験結果を示す線図。 実験例2における、試験方法を示す説明図。 実験例2における、試験結果を示す線図。 実験例3における、試験結果を示す線図。 実験例4における、試験結果を示す線図。
(実施形態1)
圧電アクチュエータの実施形態につき、図1〜図5を用いて説明する。
本実施形態の圧電アクチュエータ1は、図1に示すごとく、軸方向に伸縮する圧電素子2と、圧電素子2を収容する筒状部材3と、圧電素子2の先端側に配された駆動部材4と、筒状部材2と駆動部材4とを連結するダイヤフラム5とを有する。駆動部材4は、圧電素子2の伸縮に伴い軸方向に変位する。
ダイヤフラム5は、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されている。また、ダイヤフラム5の硬度は、Hv400〜500である。
ダイヤフラム5は、図2、図3に示すごとく、駆動部材4に溶接された内周溶接部51と、筒状部材3に溶接された外周溶接部52と、内周溶接部51と外周溶接部52との間において基端側へ向かって凸の状態で湾曲する湾曲部53とを有する。湾曲部53は、内周溶接部51及び外周溶接部52からそれぞれ0.1mm以上離れている。内周溶接部51及び外周溶接部52は、例えばレーザ溶接によって形成することができる。
ここで、湾曲部53は、駆動部材4が最も前進した状態において、駆動部材4及び筒状部材3から離れた状態となる部位である。そして、図4に示すごとく、湾曲部53と内周溶接部51との間の最短の距離aが0.1mm以上であり、また、湾曲部53と外周溶接部52との間の最短の距離bが0.1mm以上であることが好ましい。また、距離a及び距離bは、15mm以下であることが好ましい。
筒状部材3の先端開口部31は、駆動部材4及びダイヤフラム5によって閉塞されている。
なお、本明細書において、圧電アクチュエータ1の軸方向における駆動部材4が設けられた側を先端側といい、その反対側を基端側という。
ダイヤフラム5の外周溶接部52は、筒状部材3の先端開口部31の内周面に接合されている。また、駆動部材4は、環状のダイヤフラム5の内径よりも大きい大径部41と、大径部41から先端側へ突出し、大径部41よりも直径の小さい小径部42とからなる。そして、駆動部材4の外周面には、大径部41の外周面と小径部42の外周面とを繋ぐテーパ面43が形成されている。そして、小径部42がダイヤフラム5の内側に、基端側から先端側へ向かって挿通され、テーパ面43が内周溶接部51に基端側から当接している。このテーパ面43と内周溶接部51との当接部において、駆動部材4がダイヤフラム5に溶接されている。
また、ダイヤフラム5の外周溶接部52は、軸方向に平行に形成され、筒状部材3の先端開口部31の内周面に、面接触した状態で配設されている。そして、この外周溶接部52と先端開口部31とにおいて、ダイヤフラム5が筒状部材3に溶接されている。
図1に示すごとく、圧電素子2は、圧電材料よりなる圧電層22と導電性を有する内部電極層23とを交互に積層してなるセラミック積層体21を有している。セラミック積層体21は、略四角柱形状を呈している。
なお、セラミック積層体21の形状としては、円柱形状、八角柱形等、種々の形状とすることができる。
また、セラミック積層体21における互いに反対側の側面には、それぞれ側面電極24が設けられている。各側面電極24は、セラミック積層体21の積層方向の一層おきの内部電極層23と電気的に接続している。そして、一方の側面電極24と電気的に接続している内部電極層23は、他方の側面電極24に対して電気的に絶縁した状態となっている。すなわち、本例のセラミック積層体21は、いわゆる電極控え構造(部分電極構造)を有している。
また、側面電極24の基端部は、セラミック積層体21の基端面212に接合した後述するブロック部材29に配設された電極端子25に接合されている。また、側面電極24の側面外周は、図示を省略したが、シリコーン樹脂よりなる絶縁樹脂でモールドされている。
本例において、圧電層22は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)よりなる圧電セラミックスで構成されている。また、内部電極層23は、Ag/Pd合金により構成されている。また、側面電極24は、Agフィラーをエポキシ樹脂中に含有させた導電性接着剤に、金属板を加工したメッシュ状のエキスパンドメタルを埋設して構成されている。
また、セラミック積層体21の先端面111には、アルミナよりなる伝達部材28が接合されている。伝達部材28は、圧電素子2の駆動力を駆動部材4に作用させるための部材である。また、セラミック積層体21の基端面212には、アルミナよりなる略円柱形状のブロック部材29が接合されている。
また、筒状部材3の基端側には、ハウジング部11が配設されている。ハウジング部11は、ステンレス鋼(SUS)よりなり、円筒状を呈している。ハウジング部11の内部には、一対のターミナルリード12を収容するための二つの収容孔111が軸方向に貫通して設けられている。また、ハウジング部11の先端部は、筒状部材3の基端開口部32に挿入されており、溶接により接合されている。
また、ハウジング部11は、二つの収容孔111においてターミナルリード12を一本ずつ収容している。収容孔111の基端開口部は、ターミナルリード12とハウジング11との間をガラスよりなるハーメチックシール13によりシールしてなる。
次に、圧電アクチュエータ1の作動について説明する。ここでは、圧電アクチュエータ1を自動車エンジンの燃料噴射用のインジェクタに組み付けて使用する態様を想定して説明する。
まず、圧電アクチュエータ1をインジェクタに組み付け、圧電アクチュエータ1を使用状態にセットする。
このとき、インジェクタからの予荷重によって圧電素子2の先端面(伝達部材28の先端面281)と駆動部材4との間の隙間が無くなるように両者を密着させる(図5)。そして、内周溶接部51が基端側へ少し移動するように、ダイヤフラム5が弾性変形することとなる。すなわち、圧電素子2に対して電圧が印加されていない自然長の状態で、圧電アクチュエータ1を使用状態にセットしたとき、ダイヤフラム5は、内周溶接部51が基端側へ、若干移動した状態で弾性変形している。この状態を、便宜的に後退状態という。
そして、この状態から、圧電素子2に対して電圧を印加して圧電素子2を伸長させることにより、圧電素子2の駆動力が駆動部材4に作用し、駆動部材4を先端側へ駆動させる。このとき、ダイヤフラム5は、内周溶接部51が先端側へ移動するように弾性変形する。この状態を、便宜的に前進状態という。
また、前進状態から、圧電素子2に対する電圧の印加を解除すれば、圧電素子2は自然長の状態となり、圧電アクチュエータ1は上記後退状態に戻る。
このようにして、圧電アクチュエータ1は、前進状態と後退状態とを繰り返して用いられる。この繰り返しに伴い、ダイヤフラム5が弾性変形を繰り返すこととなり、ダイヤフラム5の疲労強度が要求されることとなる。それとともに、水や酸素の含有量の多い燃料の下で、圧電アクチュエータ1が長期間使用されることを想定すると、ダイヤフラム5の耐腐食性も要求される。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
上記圧電アクチュエータ1において、ダイヤフラム5は、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されている。これにより、ダイヤフラム5の疲労強度を確保しつつ、耐腐食性を向上させることができる。
また、ダイヤフラム5の硬度をHv400〜500とすることにより、高い疲労強度を確保することができる。
また、湾曲部53が内周溶接部51及び外周溶接部52からそれぞれ0.1mm以上離れていることにより、ダイヤフラム5の充分な疲労強度を確保することができる。すなわち、湾曲部53と内周溶接部51との距離a、及び、湾曲部53と外周溶接部52との距離bが、それぞれ0.1mm以上確保されていることにより、後述する実験例4に示すように、湾曲部53の硬度を確保することができる。その結果、ダイヤフラム5の高い疲労強度を確保することができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、疲労強度を確保しつつ耐腐食性に優れたダイヤフラムを備えた圧電アクチュエータを提供することができる。
(実験例1)
本例においては、図6に示すごとく、圧電アクチュエータにおけるダイヤフラムの疲労強度を評価した。
すなわち、上述の実施形態1において示した圧電アクチュエータ1のダイヤフラム5の材質を、表1に示すような組成の合金としたものを、それぞれ、試料1、2、3として作製した。
Figure 2016163390
試料1は、ダイヤフラムの材質として、本発明の範囲に属するものである。試料2は、試料1と含有成分元素としては同様であるが、その成分比率が異なるダイヤフラムである。試料3は、上述の特許文献1に開示されたマルエージング鋼からなるダイヤフラムである。また、試料1のダイヤフラムの硬度はHv460、試料2のダイヤフラムの硬度はHv500、試料3のダイヤフラムの硬度はHv590である。
疲労強度試験は、以下のようにして行った。すなわち、各試料につき、圧電アクチュエータの軸方向に相当する方向に沿って、インジェクタに用いたときに作用する応力と同等の800MPaがダイヤフラムに発生するよう荷重を繰り返し加えた。試験の結果を図6に示す。同図において、「○」は、所定の繰り返し回数の時点において、ダイヤフラムに異常がないことを示し、「×」が、ダイヤフラムに割れが発生した時点を示す。
同図から分かるように、試料2については、6×105回未満の繰り返し回数にて、割れが生じた。これに対し、試料1及び試料3は、107回を超える繰り返し回数においても、割れが生じなかった。
上記の結果から、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されたダイヤフラムは、マルエージング鋼からなるダイヤフラムと同様に、充分な疲労強度を有することが確認できた。一方、Fe、Cr、Ni、Mo、Mn、C、Nを含む合金からなるダイヤフラムであっても、これらの組成比が上記の範囲内にない場合には、疲労強度を確保することが困難であることが分かる。
(実験例2)
次に、図7、図8に示すごとく、ダイヤフラムの耐腐食性を評価した。
すなわち、上述の実験例1に示したように、疲労強度試験において割れが生じなかった試料1と試料3とについて、以下の耐腐食性試験を行った。
耐腐食性試験としては、図7に示すごとく、実施形態1において示した圧電アクチュエータ1の構成要素のうち、筒状部材3、駆動部材4、ダイヤフラム5を互いに接合した状態の組立体を、試験治具6に取り付けた。試験治具6は、駆動部材4の先端と筒状部材3の基端とを、軸方向に挟持すると共に、ダイヤフラムに所定の応力が作用する状態で、組立体を保持している。ここで、所定の応力とは、インジェクタに用いたときに作用する応力と同等の応力(800Mpa)である。
この状態のまま、粗悪燃料相当の溶液に、ダイヤフラムを浸漬する。溶液は、軽油に、水700ppmと酢酸250ppmとを含有させた溶液である。そして、各試料を溶液に浸漬したまま放置し、割れが発生する時間を測定した。その結果を、図8に示す。
試料3については、150時間で割れが発生したのに対し、試料1については、400時間経過しても、割れが発生しなかった。
この結果から、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されたダイヤフラムは、耐腐食性にも優れているといえる。
(実験例3)
本例においては、図9に示すごとく、圧電アクチュエータにおけるダイヤフラムの疲労強度を、ダイヤフラムの硬度(ビッカース硬さ:Hv)との関係において評価した。
評価対象としたダイヤフラムは、上記実験例1に示した試料1と同様の組成のものであるが、硬度をHv380、Hv400、Hv460、Hv500、Hv530と、種々変更したものとした。硬度の調整は、ダイヤフラム作製時における熱処理条件等を調整することにより行った。
各試料につき、圧電アクチュエータの軸方向に相当する方向に沿って、800MPaの荷重を繰り返し加えた。試験の結果を図9に示す。同図において、「○」は、所定の繰り返し回数の時点において、ダイヤフラムに異常がないことを示し、「×」が、ダイヤフラムに割れが発生した時点を示す。
同図から分かるように、硬度Hv380の試料及び硬度Hv530の試料については、106回未満の繰り返し回数にて、割れが生じた。これに対し、硬度Hv400、Hv460、Hv500の試料は、107回を超える繰り返し回数においても、割れが生じなかった。
この結果から、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されたダイヤフラムにおいて、その硬度を、Hv400〜500とすることにより、疲労強度を確保することができると言える。そして、これに加えて、上記実験例1及び実験例2の結果をも勘案すると、上記組成及び硬度を備えたダイヤフラムは、充分な疲労強度を確保しつつ耐腐食性を向上させることができると言える。
(実験例4)
本例においては、図10に示すごとく、ダイヤフラムにおける溶接部(内周溶接部51又は外周溶接部52)からの距離と硬度(ビッカース硬さ:Hv)との関係を評価した。
評価対象は、上述の試料1と試料3である。各試料について、溶接部からの距離が異なる複数の測定点において、ビッカース硬さを測定した。その結果を、図10に示す。同図において、符号L1を付した折れ線が、試料1の測定結果を示し、符号L3を付した折れ線が、試料3の測定結果を示す。
同図から分かるように、試料3は、溶接部からの距離が0.4mm以下においては、溶接部に近付くにつれて硬度の低下が見られる。これに対して、試料1について、硬度低下が見られるのは、溶接部からの距離が0.1mm未満である。また、試料1は、溶接部からの距離が0.1mm以上であれば、Hv450を確保することができるが、試料3は、溶接部からの距離が0.2mm以下において、試料1よりも硬度が低い。
なお、図10において、試料1(L1)、試料3(L3)共に、溶接部からの距離が0mmにおける硬度が少し高くなっているのは、当該箇所が溶接部(溶融部)の端縁であるためと考えられる。
上記の結果から、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成されたダイヤフラムは、溶接部(内周溶接部51又は外周溶接部52)と湾曲部との距離a、bを0.1mm以上確保することで、充分な疲労強度を確保することができることが分かる。そして、溶接部(内周溶接部51又は外周溶接部52)と湾曲部との距離a、bを小さくすることができるため、ダイヤフラムの小型化を実現することができる。その結果、圧電アクチュエータの小型化を実現しやすくなるといえる。
1 圧電アクチュエータ
2 圧電素子
3 筒状部材
4 駆動部材
5 ダイヤフラム

Claims (2)

  1. 軸方向に伸縮する圧電素子(2)と、
    該圧電素子(2)を収容する筒状部材(3)と、
    上記圧電素子(2)の先端側に配され、上記圧電素子(2)の伸縮に伴い軸方向に変位する駆動部材(4)と、
    上記筒状部材(3)と上記駆動部材(4)とを連結するダイヤフラム(5)とを有し、
    上記ダイヤフラム(5)は、Cr:16〜17重量%、Ni:4〜5重量%、Mo:2.5〜3.5重量%、Mn:0.5〜1重量%、C:0.07〜0.1重量%、N:0.07〜0.13重量%、を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる合金によって構成され、
    かつ、上記ダイヤフラム(5)の硬度は、Hv400〜500であることを特徴とする圧電アクチュエータ(1)。
  2. 上記ダイヤフラム(5)は、上記駆動部材(4)に溶接された内周溶接部(51)と、上記筒状部材(3)に溶接された外周溶接部(52)と、上記内周溶接部(51)と上記外周溶接部(52)との間において基端側へ向かって凸の状態で湾曲する湾曲部(53)とを有し、該湾曲部(53)は、上記内周溶接部(51)及び上記外周溶接部(52)からそれぞれ0.1mm以上離れていることを特徴とする圧電アクチュエータ(1)。
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