JP2016162781A - 撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱効果が向上する撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法を提供する。【解決手段】撮像素子12は、複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層19と、第1の層19に接合された第2の層20と、を備え、第2の層20は、第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層27を有し、副材料領域には、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32が配され、第2の層20において、第2の層20から第1の層19に向かう方向に、第1の電極33と、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32と、第2の電極34と、が積層されてペルチェ素子が形成される。【選択図】図3
Description
本発明は、画像信号を出力する撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法に関する。
従来、CCD撮像素子やCMOS撮像素子などの撮像素子と、撮像光学系と、を備える撮像装置が知られている。例えば、特許文献1には、撮像素子に発生した熱を外部に逃がして撮像素子の温度上昇を抑えるために、撮像素子に発生した熱を、熱伝導部材を介して樹脂ハウジングの外部の金属プレートに逃がす構成が開示されている。
しかしながら、従来技術は、撮像素子の裏面に熱伝導部材に接触させる構成であり、撮像素子のセンサ部分で発生した熱を、撮像素子の裏面まで十分に伝導させる必要がある。このため、撮像素子の放熱効果に関して改善の余地があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、放熱効果が向上する撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る撮像素子は、
複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、
前記第1の層に接合された第2の層と、を備え、
該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成される
ことを特徴とする。
複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、
前記第1の層に接合された第2の層と、を備え、
該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成される
ことを特徴とする。
また、本発明に係る撮像装置は、
撮像素子と撮像光学系とを備える撮像装置であって、
前記撮像素子は、
複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、該第1の層に接合された第2の層と、を備え、該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成されており、
前記撮像光学系は、
前記第1の層の受光面上に被写体像を結像し、
前記撮像素子の温度を検出する温度検出部と、
検出された温度に基づいて前記ペルチェ素子の動作を制御する制御部と、をさらに備える
ことを特徴とする。
撮像素子と撮像光学系とを備える撮像装置であって、
前記撮像素子は、
複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、該第1の層に接合された第2の層と、を備え、該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成されており、
前記撮像光学系は、
前記第1の層の受光面上に被写体像を結像し、
前記撮像素子の温度を検出する温度検出部と、
検出された温度に基づいて前記ペルチェ素子の動作を制御する制御部と、をさらに備える
ことを特徴とする。
また、本発明に係る撮像素子の製造方法は、
第1の基板の一方の主面に、フォトダイオードを形成するステップと、
前記第1の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
第2の基板の一方の主面に、第1の電極と、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料と、第2の電極と、を積層してペルチェ素子を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
前記第1の基板の前記密着サブ層と、前記第2の基板の前記密着サブ層と、を接合するステップと、
前記第1の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して光電変換サブ層を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して支持サブ層を形成するステップと、を含む
ことを特徴とする。
第1の基板の一方の主面に、フォトダイオードを形成するステップと、
前記第1の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
第2の基板の一方の主面に、第1の電極と、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料と、第2の電極と、を積層してペルチェ素子を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
前記第1の基板の前記密着サブ層と、前記第2の基板の前記密着サブ層と、を接合するステップと、
前記第1の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して光電変換サブ層を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して支持サブ層を形成するステップと、を含む
ことを特徴とする。
本発明に係る撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法によれば、撮像素子の放熱効果が向上する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
はじめに、本発明の一実施形態に係る撮像装置について説明する。図1に示すように、撮像装置10は、撮像光学系11と、撮像素子12と、画像処理部13と、温度検出部14と、制御部15と、を備える。
撮像光学系11は、絞りおよび複数のレンズを含んで構成され、被写体像を結像させる。
撮像素子12は、例えばCMOS撮像素子であって、撮像光学系11によって結像する被写体像を撮像する。また、撮像素子12は、撮像によって生成した撮像画像をアナログの画像信号として、画像処理部13に出力する。本実施形態において、撮像素子12は裏面照射型であるものとして説明するが、これに限られない。また後述するように、撮像素子12は、第1の層および第2の層を含んで構成され、第2の層においてペルチェ素子を有する。
画像処理部13は、例えばAFEおよびDSPなどの画像処理専用のプロセッサを含み、撮像素子12から取得した画像信号に対して、CDS、ゲイン調整(AGC)、およびAD変換(ADC)などの前段画像処理を施す。また、画像処理部13は、撮像画像に対して自動露出(AE)、自動ホワイトバランス(AWB)、色補間、明るさ補正、色補正、およびガンマ補正などの所定の後段画像処理を施す。
温度検出部14は、例えば温度センサを含んで構成され、撮像素子12の温度を検出可能である。
制御部15は、例えば専用のマイクロプロセッサまたは特定のプログラムを読み込むことによって特定の処理を実行する汎用のCPUである。制御部15は、撮像装置10の動作全体を制御する。例えば、制御部15は、温度検出部14によって検出された撮像素子12の温度を取得する。また制御部15は、撮像素子12の温度に基づいて、撮像素子12が有するペルチェ素子の動作を制御する。例えば、制御部15は、撮像素子12の温度を所望の温度に保つように、温度検出部14によって検出された温度に基づくフィードバック制御によってペルチェ素子を動作させる。
次に、撮像光学系11と、撮像素子12と、の位置関係について説明する。図2に示すように、パッケージ基板16に接合された撮像素子12は、撮像素子12の中心位置が撮像光学系11の光軸17上に位置し、かつ、撮像光学系11を通過した光18、すなわち被写体像が撮像素子12の受光面上で結像するように、撮像装置10の筐体内に配置される。以下、撮像素子12の受光面側(図2において上方側)を前面側といい、パッケージ基板16との接合面側(図2において下方側)を背面側という。
次に、撮像素子12の構成について具体的に説明する。図3に示すように、撮像素子12は、第1の層19と、第2の層20と、を備える。図3においては説明のため、撮像素子12の構成要素ごとに縮尺を異ならせて図示している。また、図3は、撮像素子12の複数の画素が配置された少なくとも1つの方向(第1の方向)に沿った、撮像素子12の断面図である。
第1の層19は、画素からの撮像画像信号を出力する撮像機能を有する層であって、例えば3〜4μm程度の厚みを有する。第1の層19は、光電変換サブ層21と、配線サブ層22と、密着サブ層23と、カラーフィルタ24と、マイクロレンズ25と、を含む。
光電変換サブ層21は、主材料として例えばシリコンなどの半導体材料を含む。光電変換サブ層21の一部領域には、画素を構成するフォトダイオード26およびMOSトランジスタが形成される。光電変換サブ層21の前面側の主面は、撮像素子12の受光面に定められる。
配線サブ層22は、主材料として例えばシリコン酸化物などの絶縁材料を含む。配線サブ層22の一部領域には、画素からの撮像画像信号を読み出す回路が形成される。回路は、例えば銅およびアルミニウムなどを用いた配線が積層して構成される。配線サブ層22は、光電変換サブ層21に隣接して背面側に設けられる。
密着サブ層23は、例えばシリコン窒化物などの密着性が高い材料で構成される。密着サブ層23は、配線サブ層22に隣接して背面側に設けられ、第1の層19と第2の層20とを密着して接合するために用いられる。
カラーフィルタ24は、例えばRGBの各色に対応しており、特定の波長帯域の光を通過させるフィルタである。カラーフィルタ24は、各画素に対応して設けられる。また、カラーフィルタ24は、光電変換サブ層21のフォトダイオード26が形成される領域に、光電変換サブ層21に隣接して前面側に設けられる。
マイクロレンズ25は、各画素に対応して設けられるレンズである。マイクロレンズ25は、撮像光学系11を介して照射された光を、カラーフィルタ24を介して撮像素子12の受光面に集光する。
第2の層20は、第1の層19を支持する層であって、例えば170μm程度の厚みを有する。また、後述するように、第2の層20は、第2の層20に形成されるペルチェ素子によって、第1の層19で発生した熱を第2の層20に能動的に伝導させる。第2の層20は、支持サブ層27と、絶縁サブ層28と、密着サブ層29と、を含む。
支持サブ層27は、主材料として例えばシリコンまたはガラスなどを含む。支持サブ層27には、第1の方向に主材料30からなる主材料領域と、副材料からなる副材料領域とが交互に配される(位置する)。副材料領域には、副材料である第1導電型半導体材料31と、副材料である第2導電型半導体材料32と、が配される。各材料の材質と、副材料の幅方向における分布、すなわち第1の方向における分布とは、所望の放熱効果を得るために任意に定められる。また、支持サブ層27には、第1の方向に沿って複数の第1の電極33が配される。第1の電極33は、例えば銅などの金属材料で形成される。第1の電極33は、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32の少なくとも一方の背面側に接続される電極であって、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32を交互に直列に接続する回路の一部を構成する。好適には、第1の電極33は、第2の層20の背面側の主面まで延びる。
絶縁サブ層28は、主材料として例えばシリコン酸化物などの絶縁材料を含む。絶縁サブ層28は、支持サブ層27に隣接して前面側に設けられる。また、絶縁サブ層28には、第1の方向に沿って複数の第2の電極34が配される。第2の電極34は、例えば銅などの金属材料で形成される。第2の電極34は、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32の少なくとも一方の前面側に接続される電極であって、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32を交互に直列に接続する回路の一部を構成する。
このように、支持サブ層27および絶縁サブ層28において、第2の層20から第1の層19に向かう方向に、第1の電極33と、第1導電型半導体材料31および前記第2導電型半導体材料32と、第2の電極34と、が積層されてペルチェ素子が形成される。
密着サブ層29は、例えばシリコン窒化物などの密着性が高い材料で構成される。密着サブ層29は、絶縁サブ層28に隣接して前面側に設けられ、第1の層19と第2の層20とを密着して接合するために用いられる。
次に、図4乃至図6を参照して、第1の層19および第2の層20を形成する工程について説明する。以下、当該工程の具体例を、第1の基板に対する加工工程と、第2の基板に対する加工工程と、第1の基板および第2の基板を接合して行う工程と、に分けて説明する。第1の層19および第2の層20を形成する当該工程は、例えば半導体プロセスの前工程に組み込まれる。第1の基板および第2の基板は、例えば一般的なシリコン半導体基板であるものとして説明する。
(第1の基板に対する加工工程)
まず、第1の基板に対する加工工程について説明する。はじめに、図4(a)に示すように、第1の基板35の平坦化された一方の主面にフォトダイオード26およびMOSトランジスタを形成する。続いて、図4(b)に示すように、第1の基板35の当該主面に配線サブ層22を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層23をさらに形成する。
まず、第1の基板に対する加工工程について説明する。はじめに、図4(a)に示すように、第1の基板35の平坦化された一方の主面にフォトダイオード26およびMOSトランジスタを形成する。続いて、図4(b)に示すように、第1の基板35の当該主面に配線サブ層22を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層23をさらに形成する。
(第2の基板に対する加工工程)
次に、第2の基板に対する加工工程について説明する。はじめに、図5(a)に示すように、第2の基板36の平坦化された一方の主面に、銅などの金属膜37を形成し、フォトレジスト38を塗布してパターンニングを行う。続いて、図5(b)に示すように、エッチングを行い、第2の基板36の主面に第1の電極33を形成する。続いて、図5(c)に示すように、フォトレジスト38を除去して、第2の基板36の主材料をエピタキシャル成長させる。続いて、図5(d)に示すように、フォトレジスト39のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第1導電型半導体材料31を積層させる。続いて、図5(e)に示すように、フォトレジスト39を除去して、フォトレジスト40のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第2導電型半導体材料32を積層させる。続いて、図5(f)に示すように、フォトレジスト40を除去し、第1の電極33の形成と同様にして第2の電極34を形成する。そして、例えばシリコン酸化膜を積層して絶縁サブ層28を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層29を形成する。
次に、第2の基板に対する加工工程について説明する。はじめに、図5(a)に示すように、第2の基板36の平坦化された一方の主面に、銅などの金属膜37を形成し、フォトレジスト38を塗布してパターンニングを行う。続いて、図5(b)に示すように、エッチングを行い、第2の基板36の主面に第1の電極33を形成する。続いて、図5(c)に示すように、フォトレジスト38を除去して、第2の基板36の主材料をエピタキシャル成長させる。続いて、図5(d)に示すように、フォトレジスト39のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第1導電型半導体材料31を積層させる。続いて、図5(e)に示すように、フォトレジスト39を除去して、フォトレジスト40のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第2導電型半導体材料32を積層させる。続いて、図5(f)に示すように、フォトレジスト40を除去し、第1の電極33の形成と同様にして第2の電極34を形成する。そして、例えばシリコン酸化膜を積層して絶縁サブ層28を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層29を形成する。
(第1の基板および第2の基板を接合して行う工程)
次に、第1の基板35および第2の基板36を接合して行う工程について説明する。はじめに、図6(a)に示すように、第1の基板35の密着サブ層23と、第2の基板36の密着サブ層29と、を接合する。続いて、図6(b)に示すように、第1の基板35の他方の主面を研磨する。ここで、例えば被研磨面にフォトダイオード26が露出するまで研磨を行い、光電変換サブ層21を形成する。続いて、図6(c)に示すように、光電変換サブ層21の上に、カラーフィルタ24およびマイクロレンズ25を配置する。このようにして、密着サブ層23と、配線サブ層22と、光電変換サブ層21と、カラーフィルタ24と、マイクロレンズ25と、を含む第1の層19が形成される。続いて、図6(d)に示すように、第1の層19が形成された第2の基板36の上下を反転する。そして、図6(e)に示すように、第2の基板36の他方の主面を研磨し、支持サブ層27を形成する。好適には、被研磨面に第1の電極33が露出するまで研磨を行い、支持サブ層27を形成する。このようにして、支持サブ層27と、絶縁サブ層28と、密着サブ層29と、を含む第2の層20が形成される。上述の工程を経て、第1の層19および第2の層20を備える撮像素子ウエハを得る。
次に、第1の基板35および第2の基板36を接合して行う工程について説明する。はじめに、図6(a)に示すように、第1の基板35の密着サブ層23と、第2の基板36の密着サブ層29と、を接合する。続いて、図6(b)に示すように、第1の基板35の他方の主面を研磨する。ここで、例えば被研磨面にフォトダイオード26が露出するまで研磨を行い、光電変換サブ層21を形成する。続いて、図6(c)に示すように、光電変換サブ層21の上に、カラーフィルタ24およびマイクロレンズ25を配置する。このようにして、密着サブ層23と、配線サブ層22と、光電変換サブ層21と、カラーフィルタ24と、マイクロレンズ25と、を含む第1の層19が形成される。続いて、図6(d)に示すように、第1の層19が形成された第2の基板36の上下を反転する。そして、図6(e)に示すように、第2の基板36の他方の主面を研磨し、支持サブ層27を形成する。好適には、被研磨面に第1の電極33が露出するまで研磨を行い、支持サブ層27を形成する。このようにして、支持サブ層27と、絶縁サブ層28と、密着サブ層29と、を含む第2の層20が形成される。上述の工程を経て、第1の層19および第2の層20を備える撮像素子ウエハを得る。
次に、図7のフローチャートを参照して、上述した第1の層19および第2の層20を形成する工程の流れを説明する。
ステップS100:はじめに、第1の基板35の一方の主面にフォトダイオード26およびMOSトランジスタを形成する。
ステップS101:続いて、第1の基板35の当該主面に配線サブ層22を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層23をさらに形成する。
ステップS102:次に、第2の基板36の一方の主面に対して、金属膜37と、フォトレジスト38のパターンと、を形成し、エッチングによって第1の電極33を形成する。
ステップS103:続いて、第2の基板36のフォトレジスト38を除去して、第2の基板36の主材料をエピタキシャル成長させる。
ステップS104:続いて、第2の基板36に対して、フォトレジスト39のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第1導電型半導体材料31を積層させる。
ステップS105:続いて、第2の基板36のフォトレジスト39を除去して、フォトレジスト40のパターンニングおよびエッチングによって、エピタキシャル成長した第2の基板36の主面に形成した溝に、第2導電型半導体材料32を積層させる。
ステップS106:次に、第2の基板36のフォトレジスト40を除去し、第1の電極33の形成と同様にして第2の電極34を形成する。
ステップS107:そして、例えばシリコン酸化膜を積層して絶縁サブ層28を形成し、例えばシリコン窒化膜を積層して密着サブ層29を形成する。
ステップS108:次に、第1の基板35の密着サブ層23と、第2の基板36の密着サブ層29と、を接合する。
ステップS109:続いて、第1の基板35の、ステップS100の一方の主面に対する他方の主面を研磨し、光電変換サブ層21を形成する。
ステップS110:続いて、光電変換サブ層21の上に、カラーフィルタ24およびマイクロレンズ25を配置する。このようにして、密着サブ層23と、配線サブ層22と、光電変換サブ層21と、カラーフィルタ24と、マイクロレンズ25と、を含む第1の層19が形成される。
ステップS111:続いて、第2の基板36の、ステップS102の一方の主面に対する他方の主面を研磨する。好適には、被研磨面に第1の電極33が露出するまで研磨を行い、支持サブ層27を形成する。このようにして、支持サブ層27と、絶縁サブ層28と、密着サブ層29と、を含む第2の層20が形成される。
次に、図8のフローチャートを参照して、第1の層19および第2の層20を形成した撮像素子ウエハに対する加工工程の流れについて説明する。当該工程は、例えば半導体プロセスの後工程に組み込まれる。
ステップS200:はじめに、ダイシングを行い、撮像素子ウエハを所望のチップサイズに切断する。
ステップS201:続いて、ダイスボンディングを行い、所望のチップサイズに切断された撮像素子12をパッケージ基板16に接合する。例えば、撮像素子12は、パッケージ基板16のリードフレームに、接着によって接合される。
ステップS202:そして、ワイヤボンディングを行い、撮像素子12のパッドとパッケージ基板16のパッドとを接続する。
このように、一実施形態に係る撮像素子12は、第1の層19と、主材料領域および副材料領域が交互に配される支持サブ層27を有する第2の層20と、を備える。また、副材料領域には、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32が配される。そして、第2の層20から第1の層19に向かう方向に、第1の電極33と、前記第1導電型半導体材料31および前記第2導電型半導体材料32と、第2の電極34と、が積層されてペルチェ素子が形成される。このように、ペルチェ素子が形成された第2の層20が、発熱する第1の層19に接合して設けられるため、第1の層19で発生した熱を第2の層20の背面側へ能動的に伝導して、放熱効果が向上する。また、第2の層20は、半導体プロセスの前工程において、例えば上述したステップS111の研磨によって形成可能である。このため、ペルチェ素子を含む第2の層20を形成するために、ステップS111の研磨を行った後に追加の工程、すなわち撮像素子12の厚みが比較的薄い状態で追加の工程を要しないため、撮像素子12の製造難度の増加が抑制される。
また、ペルチェ素子の背面側の第1の電極33は、第2の層20の第1の層19と反対側の主面、すなわち第2の層20の背面側の主面まで延びる。このようにして、例えば撮像素子12をパッケージ基板16に接合させると、第2の層20内に配される第1の電極33とパッケージ基板16とが接触するため、放熱効果がさらに向上する。
また、撮像素子12は、裏面照射型の撮像素子である。一般に、裏面照射型の撮像素子は、フォトダイオードや配線層などを形成した基板に、支持基板を接合して製造される。したがって、支持基板を本実施形態に係る第2の基板36として用いることができ、コストの増加が抑制され、および撮像素子12の薄型化が可能となる。
また、一実施形態に係る撮像装置10は、ペルチェ素子が形成される撮像素子12と、撮像素子12の温度を検出する温度検出部14と、検出された温度に基づいてペルチェ素子の動作を制御する制御部15と、を備える。このようにして、撮像素子12の温度を所望の温度に保つようにペルチェ素子を動作させることができ、放熱効果が向上する。
また、一実施形態に係る撮像素子12の製造方法によれば、第1の基板35の一方の主面にフォトダイオード26を形成し、第2の基板36の一方の主面に、第1の電極33と、第1導電型半導体材料31および第2導電型半導体材料32と、第2の電極34と、を積層してペルチェ素子を形成し、第1の基板35と第2の基板36とを接合した後、第1の基板35の他方の主面を研磨して光電変換サブ層21を形成し、第2の基板36の他方の主面を研磨して支持サブ層27を形成する。ここで、支持サブ層27を形成するための研磨において、第2の基板36に形成された第1の電極33の位置を基準として、研磨のエンドポイントが決定可能であるため、膜厚制御性が向上する。
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
また、上述した実施形態において、裏面照射型の撮像素子を例に説明したが、表面照射型の撮像素子にも採用可能である。
10 撮像装置
11 撮像光学系
12 撮像素子
13 画像処理部
14 温度検出部
15 制御部
16 パッケージ基板
17 光軸
18 光
19 第1の層
20 第2の層
21 光電変換サブ層
22 配線サブ層
23 密着サブ層
24 カラーフィルタ
25 マイクロレンズ
26 フォトダイオード
27 支持サブ層
28 絶縁サブ層
29 密着サブ層
30 主材料
31 第1導電型半導体材料
32 第2導電型半導体材料
33 第1の電極
34 第2の電極
35 第1の基板
36 第2の基板
37 金属膜
38、39、40 フォトレジスト
11 撮像光学系
12 撮像素子
13 画像処理部
14 温度検出部
15 制御部
16 パッケージ基板
17 光軸
18 光
19 第1の層
20 第2の層
21 光電変換サブ層
22 配線サブ層
23 密着サブ層
24 カラーフィルタ
25 マイクロレンズ
26 フォトダイオード
27 支持サブ層
28 絶縁サブ層
29 密着サブ層
30 主材料
31 第1導電型半導体材料
32 第2導電型半導体材料
33 第1の電極
34 第2の電極
35 第1の基板
36 第2の基板
37 金属膜
38、39、40 フォトレジスト
Claims (5)
- 複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、
前記第1の層に接合された第2の層と、を備え、
該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成される、撮像素子。 - 請求項1に記載の撮像素子であって、
前記第1の電極が、前記第2の層の前記第1の層と反対側の主面まで延びる、撮像素子。 - 請求項1または2に記載の撮像素子は、裏面照射型として構成される、撮像素子。
- 撮像素子と撮像光学系とを備える撮像装置であって、
前記撮像素子は、
複数の画素が少なくとも第1の方向に配置された、撮像機能を有する第1の層と、該第1の層に接合された第2の層と、を備え、該第2の層は、前記第1の方向に沿って主材料領域と副材料領域とが交互に配される支持サブ層を有し、
前記副材料領域には、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料が配され、
前記第2の層において、前記第2の層から前記第1の層に向かう方向に、第1の電極と、前記第1導電型半導体材料および前記第2導電型半導体材料と、第2の電極と、が積層されてペルチェ素子が形成されており、
前記撮像光学系は、
前記第1の層の受光面上に被写体像を結像し、
前記撮像素子の温度を検出する温度検出部と、
検出された温度に基づいて前記ペルチェ素子の動作を制御する制御部と、
をさらに備える、撮像装置。 - 第1の基板の一方の主面に、フォトダイオードを形成するステップと、
前記第1の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
第2の基板の一方の主面に、第1の電極と、第1導電型半導体材料および第2導電型半導体材料と、第2の電極と、を積層してペルチェ素子を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面側に、密着サブ層を形成するステップと、
前記第1の基板の前記密着サブ層と、前記第2の基板の前記密着サブ層と、を接合するステップと、
前記第1の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して光電変換サブ層を形成するステップと、
前記第2の基板の一方の主面に対する他方の主面を研磨して支持サブ層を形成するステップと、
を含む、撮像素子の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015037461A JP2016162781A (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法 |
EP16755024.3A EP3264466B1 (en) | 2015-02-26 | 2016-02-26 | Image pickup element, image pickup device, and method for manufacturing image pickup element |
US15/551,229 US10741597B2 (en) | 2015-02-26 | 2016-02-26 | Image sensor, imaging apparatus, and method of manufacturing image sensor |
PCT/JP2016/001057 WO2016136274A1 (ja) | 2015-02-26 | 2016-02-26 | 撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法 |
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JP2015037461A JP2016162781A (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法 |
Publications (1)
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JP2016162781A true JP2016162781A (ja) | 2016-09-05 |
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ID=56847201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015037461A Pending JP2016162781A (ja) | 2015-02-26 | 2015-02-26 | 撮像素子、撮像装置、および撮像素子の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016162781A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023176522A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 半導体装置 |
-
2015
- 2015-02-26 JP JP2015037461A patent/JP2016162781A/ja active Pending
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