JP2016162369A - 通信媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナに対する電磁結合用のコイルの位置の精度を高めることのできる通信媒体を提供する。【解決手段】ICカード10の備えるICモジュール20は、通信端子を有した非接触通信部を備えるICチップ22と、通信端子に接続された結合コイル24とを備える。ICカード10の備えるカード基体30は、アンテナとして機能するアンテナ部を含む大径コイル31と、結合コイル24と電磁結合可能な位置に配置された小径コイル32とを備える。大径コイル31と小径コイル32とは、ひとつながりの被覆導線から形成され、大径コイル31の一部と、小径コイル32の少なくとも一部とは、これらのコイル間における被覆導線の被覆同士の接合によって一体化されている。【選択図】図1

Description

本発明は、2つのコイルを備え、これらコイルの電磁結合を利用して外部機器と通信を行う通信媒体に関する。
外部機器と通信を行う通信媒体の一例として、ICカードが知られている。ICカードの一種である複合型のICカードは、例えば特許文献1に記載のように、非接触型の通信を行うためのインターフェースと接触型の通信を行うためのインターフェースとを併せ持つ1つのICチップを搭載している。
こうした複合型のICカードの一例は、例えば特許文献2に記載のように、ICチップの有する非接触通信用の端子とICカードに組み込まれたアンテナとの電気的な接続の信頼性を高めるために、ICカードが備える2つのコイルによる電磁結合を利用して通信を行っている。
具体的には、特許文献2に記載のICカードは、カード基体と、カード基体に組み付けられたICモジュールとを備えている。ICモジュールの有するモジュール基板には、ICチップが実装され、さらに、ICチップの有する接触通信用の端子に接続された外部端子と、ICチップの有する非接触通信用の端子に接続された第1結合コイルとが実装されている。そして、カード基体には、アンテナコイルと、アンテナコイルに接続された第2結合コイルとが配されている。ICカードにおいて、ICモジュールの備える第1結合コイルと、カード基体の備える第2結合コイルとは、互いに電磁結合が可能な位置に配置され、ICカードの表面には、ICモジュールの有する外部端子が露出される。
こうした構成を有するICカードでは、第1結合コイルと第2結合コイルとが電磁結合することによって、ICチップと外部機器との非接触通信が第1結合コイル、第2結合コイル、および、アンテナコイルを通じて可能になる。また、ICチップの有する外部端子と、外部機器の有する接続端子とが接触することを通じて、ICチップと外部機器との接触通信が可能になる。
特開2009−141461号公報 特許第3800766号
ところで、アンテナコイルと第2結合コイルとは、例えば、金属薄膜から形成された薄膜パターンから構成される。詳細には、まず、カード基体に含まれる基板の表裏に金属薄膜が形成され、金属薄膜がエッチングされることによって、基板の表裏に薄膜パターンが形成される。次に、基板の表に形成された薄膜パターンと、基板の裏に形成された薄膜パターンとが、基板に形成された貫通孔内で導通するように、これらの薄膜パターンが加圧される。しかしながら、アンテナコイルと第2結合コイルとの形成にエッチング工程を要することは、ICカードの製造コストの増大を招き、また、薄膜パターンからなるこれらのコイルに対して加圧が行われることは、これらのコイルの導通状態の信頼性の低下を招く。
これに対し、アンテナコイルと第2結合コイルとを被覆導線から形成することが提案されている。詳細には、被覆導線が治具によって巻き回されることによってアンテナコイルと第2結合コイルとが形成され、これらのコイルが樹脂で封止されることによってカード基体が形成される。こうした構成によれば、上述のような、金属薄膜からアンテナコイルと第2結合コイルとが形成されることに起因した課題は生じない。しかしながら、被覆導線からこれらのコイルが形成される構成では、所定のコイル状に形成されたアンテナコイルと第2結合コイルとが樹脂で挟み込まれてカード状に成形される際に、アンテナコイルに対する第2結合コイルの位置のずれが生じやすい。予め設定されたアンテナコイルと第2結合コイルとの位置関係にずれが生じると、これらのコイルを構成する導線の線間容量が変化して、ICカードにおける共振周波数等の電気的特性が変化してしまう。
なお、通信媒体が、カード状とは異なる形状を有する場合であっても、アンテナコイルと第2結合コイルとが、これらを封止する基体に組み込まれる際には、上記実情が概ね共通している。
本発明は、アンテナに対する電磁結合用のコイルの位置の精度を高めることのできる通信媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する通信媒体は、ICモジュールと、前記ICモジュールが組み付けられた基体とを備える通信媒体であって、前記ICモジュールは、通信端子を有した非接触通信部を備えるICチップと、前記通信端子に接続された結合コイルと、を備え、前記基体は、アンテナとして機能するアンテナ部を含む大径コイルと、前記結合コイルと電磁結合可能な位置に配置された小径コイルと、を備え、前記大径コイルと前記小径コイルとは、ひとつながりの被覆導線から形成され、前記大径コイルの一部と、前記小径コイルの少なくとも一部とは、これらのコイル間における前記被覆導線の被覆同士の接合によって一体化されている。
上記構成によれば、小径コイルの少なくとも一部は、大径コイルと一体化されているため、小径コイルの有する環が、大径コイルの有する環から離れている構成と比較して、大径コイルと小径コイルとが組み込まれて基体が形成される際に、大径コイルに対する小径コイルの相対的な位置にずれが生じることが抑えられる。その結果、アンテナに対する電磁結合用のコイルの位置の精度を高めることができる。
上記構成において、前記被覆導線は、巻き方向を転換する転換位置を含み、かつ、仮想的に区画される複数の導線部から構成され、前記大径コイルは、第1方向に巻かれた第1の前記導線部から構成された前記アンテナ部と、前記第1方向に巻かれた第2の前記導線部と、前記第1方向とは反対の方向である第2方向に巻かれた第3の前記導線部とから構成されて、前記第2の導線部と前記第3の導線部との間に容量を形成するコンデンサ部と、を含むことが好ましい。
上記構成によれば、被覆導線の利用によって、小径コイルとアンテナ部とを含む回路に容量が付加されるため、簡易な構成で上記回路に容量を付加することができる。従来、アンテナが被覆導線から形成されている場合、通信媒体における共振周波数等の電気的特性の調整を目的として、アンテナを含む回路に容量を付加するためには、被覆導線とは別体の独立したコンデンサをアンテナに接続することが必要であり、こうした構成は、通信媒体の製造工程の複雑化や製造コストの増加を招いていた。これに対し、上記構成によれば、アンテナを含む回路への容量の付加に起因した製造工程の複雑化や製造コストの増加が抑えられる。
また、コンデンサ部は、巻き方向が互いに反対となる導線部を含むため、周囲の磁界の変化によって上記導線部の各々に生じる起電力は、互いに打ち消し合う。したがって、コンデンサ部の存在が上記回路のインダクタンスに与える影響は小さいため、被覆導線を利用して容量を付加する構成であっても、インダクタンスの調整に要する負荷が増大することが抑えられる。
上記構成において、前記小径コイルは、前記第1方向に巻かれていることが好ましい。
上記構成によれば、アンテナ部における被覆導線の巻き方向と小径コイルにおける被覆導線の巻き方向とが一致しているため、アンテナ部によって生じる磁界と小径コイルによって生じる磁界とが打ち消し合うことが抑えられる。したがって、信号の送受信を効率よく行うことができる。
上記構成において、前記被覆導線の両端部は、前記大径コイルに含まれていることが好ましい。
上記構成によれば、大径コイルと小径コイルとからなるコイル部材は、大径コイルから巻き始められ、小径コイルが形成された後、大径コイルにて巻き終えられる。こうした構成によれば、上記コイル部材の形成が容易である。また、コンデンサ部の形成のためには、大径コイルの形成の途中で被覆導線の巻き方向を変える必要があるが、上記構成によれば、被覆導線の巻き方向の転換位置の設定も容易である。
上記構成において、前記両端部は、前記コンデンサ部に含まれ、前記両端部における一方の端部の巻き方向は、前記第1方向であり、前記両端部における他方の端部の巻き方向は、前記第2方向であることが好ましい。
上記構成によれば、被覆導線の2つの端部の巻き方向が変えられて、被覆導線の両端部を含む部分にコンデンサ部が形成されている。こうした構成によれば、大径コイルの中間部分にコンデンサ部が形成される構成と比較して、大径コイルにおける被覆導線の巻き方が複雑化することが抑えられ、被覆導線の巻き方向の転換位置の設定も容易である。
上記構成では、前記大径コイルにおいて、前記小径コイルの有する2つの端部の一方と繋がる部分の巻き方向は、前記第1方向であり、前記2つの端部の他方と繋がる部分の巻き方向は、前記第2方向であることが好ましい。
上記構成によれば、大径コイルと小径コイルとの境界部分にて、被覆導線の巻き方向が転換されている。こうした構成によれば、被覆導線の巻き方向の転換が容易であり、被覆導線の巻き方が複雑化することが抑えられる。
上記構成において、前記被覆導線の有する2つの端部の一方の巻き方向は、前記第1方向であり、前記2つの端部の他方の巻き方向は、前記第2方向であり、前記2つの端部は、前記2つの端部における被覆同士の接合によって一体化されて、前記大径コイルから引き出されていてもよい。
上記構成によれば、大径コイルから引き出された部分にて、コンデンサが形成され、引き出された部分の長さを調整することによって、小径コイルとアンテナ部とを含む閉回路に付加される容量の大きさを調整することができる。したがって、通信媒体の電気的特性を容易に微調整することができる。
上記構成において、前記小径コイルの外形は、矩形形状を有し、当該矩形の一辺以上の部分が、前記大径コイルと一体化されていてもよい。
上記構成によれば、小径コイルにて矩形の一辺よりも少ない部分が大径コイルと一体化されている構成と比較して、組み付けの際に大径コイルに対する小径コイルの相対的な位置にずれが生じることが的確に抑えられる。
上記構成において、前記小径コイルの外形は、円形状、楕円形状、および、矩形とは異なる多角形状のいずれかの形状を有し、前記小径コイルが有する環の半分以上の部分が、前記大径コイルと一体化されていてもよい。
上記構成によれば、小径コイルが有する環の半分よりも少ない部分が大径コイルと一体化されている構成と比較して、組み付けの際に大径コイルに対する小径コイルの相対的な位置にずれが生じることが的確に抑えられる。
上記構成において、前記大径コイルは、多段巻きコイルであって、前記第1方向および前記第2方向と直交する断面において、前記第3の導線部に含まれる導線の各々は、前記第2の導線部に含まれる1以上の導線と隣接することが好ましい。
上記構成によれば、第2方向に巻かれた導線部に含まれる導線が、第1方向に巻かれた導線部に含まれる導線と隣接するように導線を配置する場合であっても、平巻きコイルにて同様の構成を実現する場合と比較して、大径コイルの形成が容易である。しかも、上記構成では、第2方向に巻かれた導線部に含まれる導線の各々は、第1方向に巻かれた導線部に含まれる1以上の導線と隣接するため、これらの導線間に形成される静電容量、すなわち、アンテナを含む回路に付加される容量を大きく確保しやすい。
本発明によれば、アンテナに対する電磁結合用のコイルの位置の精度を高めることができる。
通信媒体の一実施形態であるICカードの全体構成を分解して示す分解斜視図である。 ICカードにおけるICモジュールの構成を示す斜視図である。 ICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 ICカードにおけるコイル部材の形成される過程を示す図であって、被覆導線によって大径コイルの一部が形成された状態を示す図である。 ICカードにおけるコイル部材の形成される過程を示す図であって、被覆導線によって小径コイルが形成された状態を示す図である。 ICカードにおけるコイル部材の形成される過程を示す図であって、被覆導線によって大径コイルの残部が形成された状態を示す図である。 ICカードにおけるコイル部材において、大径コイルと小径コイルとの境界部分の付近を拡大して示す拡大平面図である。 ICカードにおけるコイル部材において、被覆導線の両端部の付近を拡大して示すとともに、大径コイルの断面構造を被覆導線の巻き方向とともに示す図である。 ICカードの断面構造を示す断面図である。 変形例のICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 変形例のICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 変形例のICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 変形例のICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 変形例のICカードにおけるコイル部材の構成を示す平面図である。 変形例のICカードにおける大径コイルの断面構造を被覆導線の巻き方向とともに示す断面図である。 変形例のICカードにおける大径コイルの断面構造を被覆導線の巻き方向とともに示す断面図である。 変形例のICカードにおける大径コイルの断面構造を被覆導線の巻き方向とともに示す断面図である。 変形例のICカードにおける大径コイルの断面構造を被覆導線の巻き方向とともに示す断面図である。
図1〜図9を参照して、通信媒体の一実施形態について説明する。本実施形態では、通信媒体はICカードに具体化されている。
[ICカードの構成]
図1に示されるように、ICカード10は、ICモジュール20と、基体の一例であるカード基体30とを備えている。
ICモジュール20は、基板21と、ICチップ22と、外部端子23と、結合コイル24とを備え、ICチップ22と外部端子23と結合コイル24とは、基板21に実装されている。
カード基体30は、大径コイル31と小径コイル32とを含むコイル部材36と、2つのシート部材として示された1つの封止部33とを備え、これら2つのシート部材は、大径コイル31と小径コイル32とを挟んでいる。
ICモジュール20は、カード基体30の封止部33に形成された凹部38に配置されている。
[ICモジュールの構成]
図2を参照して、ICモジュール20の構成について詳細に説明する。
基板21は、カード基体30に対向する対向面S1と、対向面S1とは反対側の面である非対向面S2とを有している。対向面S1には、ICチップ22と結合コイル24とが実装され、非対向面S2には、外部端子23が配置されている。基板21は、例えば、ガラスエポキシやセラミックによって形成されたリジッド基板であってもよいし、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等で形成されたフレキシブル基板であってもよい。
ICチップ22は、接触型の通信機能を実現する接触通信部と、非接触型の通信機能を実現する非接触通信部とを備えている。ICチップ22は、ベアチップであってもよいし、各種のICパッケージやチップサイズパッケージ(CSP)のように封止材で封止されていてもよい。
外部端子23は、ICカード10が外部機器と接触通信を行うときに、外部機器の有する接続端子と電気的に接続される。外部端子23は、基板21に形成されたスルーホールを通じてICチップ22の接触通信部に接続されている。
結合コイル24は、ICチップ22の外側を囲うループ形状を有し、ICチップ22の非接触通信部が有する通信端子に接続されている。結合コイル24は、金属薄膜から形成されてもよいし、被覆導線から形成されてもよい。結合コイル24が金属薄膜から形成されル場合、結合コイル24は、例えば、基板21の対向面S1に成膜された銅箔のエッチングによって形成されてもよいし、対向面S1に印刷によって形成されてもよい。
[カード基体の構成]
図3〜図9を参照して、コイル部材36の構成を中心に、カード基体30の構成について詳細に説明する。なお、図3〜図8では、大径コイル31および小径コイル32について、図3〜図8にて右回りの方向である第1方向に巻かれた導線部を実線で示し、第1方向とは反対の方向である第2方向に巻かれた導線部を破線で示している。また、図3〜図8では、大径コイル31および小径コイル32の構成をわかりやすく示すために、互いに隣接する導線を離して示している。
図3に示されるように、大径コイル31および小径コイル32の各々は、平巻きコイルであって、大径コイル31は、ループ形状を有し、例えば矩形の外形を有する。小径コイル32は、大径コイル31の内側に配置され、大径コイル31よりも小さい内径および外径を有するループ形状を有し、例えば矩形の外形を有する。
大径コイル31は、非接触通信のための電波を送受信するアンテナとして機能するアンテナ部34と、コンデンサとして機能するコンデンサ部35とを有している。コンデンサ部35は、アンテナ部34の外側に位置している。
小径コイル32は、ICモジュール20における結合コイル24と電磁結合することによって、非接触通信による外部機器とICチップ22との間での信号の送受信に寄与する。
大径コイル31と小径コイル32とは、1本の被覆導線が巻き回されることによって形成されており、小径コイル32とアンテナ部34とコンデンサ部35とは、直列に接続されて閉回路を構成している。被覆導線は、絶縁被覆が施された金属線であって、金型を含む治具を用いて被覆導線が巻き回されるとともに、加熱処理等によって互いに隣接する被覆導線の被覆同士が融着されることによって、大径コイル31と小径コイル32とが形成される。
大径コイル31が有する環の一部と小径コイル32が有する環の一部とは接している。詳細には、上述のように、互いに隣接する導線の被覆同士が融着により互いに接合されていることによって、大径コイル31が有する環の一部と小径コイル32が有する環の一部とは、一体化されている。図3に示される例では、矩形形状をなす大径コイル31の一辺の一部の最内周と、矩形形状をなす小径コイルの一辺の最外周とが一体となっている。
大径コイル31と小径コイル32とを構成する被覆導線には、巻き方向の転換位置が含まれ、転換位置にて被覆導線の巻き方向が転換されている。
アンテナ部34を構成する被覆導線の巻き方向は一定であり、アンテナ部34を構成する被覆導線の巻き方向が第1方向である。換言すれば、1本の被覆導線を仮想的に複数の部分に区分して、これらの各部を導線部とするとき、アンテナ部34は、第1方向に巻かれた導線部40aから構成される。
一方、コンデンサ部35は、第1方向に巻かれた導線部40bと第2方向に巻かれた導線部40cとから構成され、コンデンサ部35においては、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線と第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線とが互いに隣接している。
また、小径コイル32においては、被覆導線は第1方向に巻かれている。すなわち、小径コイル32は、第1方向に巻かれた導線部40dから構成され、アンテナ部34の巻き方向と小径コイル32の巻き方向とは一致している。
上記構成においては、導線部40a,40b,40c,40dによって、1本の被覆導線が構成され、1本の被覆導線から、コイル部材36が形成されている。
なお、コイル部材36を構成する導線は、第1端部E1と第2端部E2との2つの端部を有し、第1端部E1から第2端部E2に向けて電流が流れるとき、導線部40a,40b,40dでは第1方向に電流が流れ、導線部40cでは第2方向に電流が流れる。反対に、第2端部E2から第1端部E1に向けて電流が流れるとき、導線部40a,40b,40dでは第2方向に電流が流れ、導線部40cでは第1方向に電流が流れる。
図4〜図8を参照して、大径コイル31および小径コイル32における被覆導線の巻き方について、詳細に説明する。
図4に示されるように、まず、大径コイル31の第1端部E1となる部分から、被覆導線が第1方向に巻かれる。図4に示される例では、大径コイル31の第1端部E1となる部分から、被覆導線が第1方向に約6周巻かれている。これにより、大径コイル31における第1方向にまかれた導線部40a,40bが形成される。なお、図4に示される例では、大径コイル31の径方向の内側に向かって、導線部40bとして被覆導線が約3周巻かれた後に、導線部40aとして被覆導線が3周巻かれている。
図5に示されるように、続いて、大径コイル31の一部である第1方向に巻かれた導線部40a,40bがなす矩形の一辺の途中から、径を小さくして被覆導線が第1方向に巻かれて、小径コイル32が形成される。図5に示される例では、小径コイル32として、被覆導線が第1方向に3周巻かれている。これにより、小径コイル32における第1方向に巻かれた導線部40dが形成される。
図6に示されるように、小径コイル32を形成して大径コイル31における第1方向に巻かれた導線部40aの付近まで達した被覆導線は、その後、導線部40a,40bに沿って、第2方向に巻かれる。図6に示される例では、大径コイル31の一部として、被覆導線が第2方向に約3周巻かれている。これにより、大径コイル31における第2方向に巻かれた導線部40cが形成される。
大径コイル31にて、第2方向にまかれた導線部40cに含まれる導線は、大径コイル31の最外周から内側に向かって、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線と交互に配置される。これによって、第1方向に巻かれた導線部40aから構成されるアンテナ部34と、第1方向に巻かれた導線部40bと第2方向に巻かれた導線部40cとから構成されるコンデンサ部35とが形成され、コンデンサ部35がアンテナ部34の外側に配置される。コンデンサ部35においては、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線と第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線とが大径コイル31の径方向に沿って交互に配置され、第1方向に巻かれた導線部40bにおける巻数と第2方向に巻かれた導線部40cにおける巻数とは一致している。
図7に示されるように、上述のような被覆導線の巻き方によって、大径コイル31と小径コイル32との境界部分では、大径コイル31における被覆導線の巻き方向が逆になっている。具体的には、大径コイル31のなかで、小径コイル32の有する2つの端部の一方と繋がる部分、すなわち、小径コイル32の巻き始めの直前の部分である導入部P1では、大径コイル31における被覆導線の巻き方向は第1方向である。一方、大径コイル31のなかで、小径コイル32の有する2つの端部の他方と繋がる部分、すなわち、小径コイル32の巻き終わりの直後の部分である導出部P2では、大径コイル31における被覆導線の巻き方向は第2方向である。換言すれば、小径コイル32の巻き始めの直前の導入部P1は、第1方向に巻かれた導線部40aに含まれ、小径コイル32の巻き終わりの直後の導出部P2は、第2方向に巻かれた導線部40cに含まれている。
図8に示されるように、被覆導線の巻き始めの端部である第1端部E1と、被覆導線の巻き終わりの端部である第2端部E2とは、互いに隣接し、大径コイル31の最外周部に配置される。第1端部E1は、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれ、第2端部E2は、第2方向に巻かれた導線部40cに含まれ、第1端部E1と第2端部E2との巻き方向は互いに異なっている。このように、第1端部E1と第2端部E2とは、コンデンサ部35に含まれている。
大径コイル31の最外周に位置する導線の巻き方向、すなわち、コンデンサ部35の最外周に位置する導線の巻き方向は、第2方向であり、コンデンサ部35のなかでアンテナ部34と隣り合う導線の巻き方向、すなわち、コンデンサ部35の最内周に位置する導線の巻き方向は第1方向である。
なお、図3〜図8に示される例では、アンテナ部34における被覆導線の巻き数は3巻であり、コンデンサ部35における被覆導線の巻き数は6巻である。
図4〜図8を参照して説明した被覆導線の巻き方によって、アンテナ部34では、各タイミングにおいて電流の流れる方向は、径方向に並ぶ複数の導線間で一致する。一方、コンデンサ部35では、各タイミングにおいて電流の流れる方向は、径方向に隣接する2つの導線間で逆向きになる。
こうした構成によれば、コンデンサ部35では、径方向に隣接する2つの導線を流れる電流によって生じる磁界は、互いに打ち消し合う。また、コンデンサ部35の周囲の磁界の変化によって第1方向に巻かれた導線部40bと第2方向に巻かれた導線部40cとの各々に生じる起電力は、互いに打ち消し合う。その結果、アンテナ部34のみが、電磁誘導を利用した非接触通信用のアンテナコイルとして機能する。したがって、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路において、コンデンサ部35がない場合と比較して、コンデンサ部35の存在によるインダクタンスの変化は小さい。
一方、コンデンサ部35では、近接する導線間に静電容量が形成されるため、コンデンサ部35の存在によって、コンデンサ部35がない場合と比較して、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路には容量が追加される。
従来から、ICカードにおける共振周波数等の電気的特性の調整を目的として、ICカードのアンテナを含む回路に容量を付加することが行われている。アンテナが被覆導線から形成されている場合、アンテナを含む回路に容量を付加するためには、被覆導線とは別体の独立したコンデンサをアンテナに接続することが必要であり、こうした構成は、ICカードの製造工程の複雑化や製造コストの増加を招いていた。
これに対し、本実施形態のICカードでは、アンテナ部34と繋がる被覆導線の利用によって、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路に容量が付加されるため、簡易な構成で上記閉回路に容量を付加することが可能であり、容量の付加に起因した製造工程の複雑化や製造コストの増加が抑えられる。しかも、上述のように、コンデンサ部35の存在が、上記閉回路のインダクタンスに与える影響は小さいため、被覆導線を利用して容量を付加する構成であっても、アンテナの設計の変更等によってインダクタンスを調整する負荷が増大することが抑えられる。
図9に示されるように、コイル部材36が封止部33に挟まれてカード状に成形されることによって、カード基体30が形成される。
封止部33は、樹脂から形成されることが好ましい。例えば、コイル部材36が、ラミネート加工によって2枚の樹脂シートの間に挟まれることにより、これらの樹脂シートから封止部33が形成される。
ここで、本実施形態では、小径コイル32の一部が大径コイル31と一体化されているため、小径コイル32の有する環が、大径コイル31の有する環から離れている構成と比較して、カード基体30の形成の際に、大径コイル31に対する小径コイル32の位置のずれが生じることが抑えられる。
封止部33にて小径コイル32の上に位置する部分には、凹部38が形成される。そして、ICモジュール20は、外部端子23がICカード10の表面に露出し、ICチップ22および結合コイル24がICカード10の内部に面するように、凹部38内に配置される。
ICモジュール20は、例えば、対向面S1の一部が粘着層を介して凹部38の内側面に貼り付けられることによって、凹部38内に固定される。ICモジュール20がカード基体30に組み付けられた状態において、結合コイル24と小径コイル32とは、これらのコイルが電磁結合可能な位置に配置される。
このように構成されるICカード10では、ICカード10が外部機器と接触通信を行うときには、ICモジュール20の外部端子23と外部機器の接続端子とが接触して、ICチップ22と外部機器との間で信号の送受信が行われる。また、ICカード10が外部機器と非接触通信を行うときには、外部機器とアンテナ部34とが近接し、外部機器が発信した信号による電磁誘導によって、大径コイル31と小径コイル32とを含む閉回路に電流が流れる。この際に、結合コイル24と小径コイル32とが電磁結合することによって、ICチップ22と外部機器との間で信号の送受信が行われる。
なお、上記実施形態では、導線部40aが第1の導線部の一例であり、導線部40bが第2の導線部の一例であり、導線部40cが第3の導線部の一例である。
以上、本実施形態の通信媒体の一例であるICカード10によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)大径コイル31の一部と小径コイル32の少なくとも一部とが、これらのコイル31,32間における被覆導線の被覆同士の接合によって一体化されている。そのため、小径コイル32の有する環が、大径コイル31の有する環から離れている構成と比較して、コイル部材36が組み込まれてカード基体30が形成される際に、大径コイル31と小径コイル32との相対的な位置にずれが生じることが抑えられる。その結果、組み付けの際におけるアンテナ部34と小径コイル32との相対的な位置のずれ、すなわち、アンテナと電磁結合用のコイルとの相対的な位置のずれが抑えられるため、アンテナに対する電磁結合用のコイルの位置の精度を高めることができる。
また、大径コイル31と小径コイル32とが1本の被覆導線から形成されているため、大径コイル31と小径コイル32とが別々に形成された後に、これらのコイルが接続される構成と比較して、大径コイル31と小径コイル32とからなるコイル部材36の形成が容易であり、コイル部材36の形成に要する時間も短縮される。
(2)大径コイル31が、第1方向に巻かれた導線部40aから構成されたアンテナ部34、および、第1方向に巻かれた導線部40bと第2方向に巻かれた導線部40cとから構成されて、各導線部40b、40cに含まれる導線間に容量を形成するコンデンサ部35を含む。こうした構成によれば、被覆導線の利用によって、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路に容量が付加されるため、簡易な構成で上記閉回路に容量を付加することが可能であり、容量の付加に起因した製造工程の複雑化や製造コストの増加が抑えられる。
さらに、コンデンサ部35の存在が上記閉回路のインダクタンスに与える影響は小さいため、被覆導線を利用して容量を付加する構成であっても、インダクタンスの調整に要する負荷が増大することが抑えられる。
また、大径コイル31の一部として、上記閉回路に容量を付加するコンデンサ部35が形成されているため、アンテナとして機能するアンテナ部34のみから大径コイル31が構成される場合と比較して、大径コイル31における総巻数は増加する。その結果、大径コイル31の剛性が高められるため、コイル部材36の組み付け時や、コイル部材36が組み付けられた後のカード基体30の加工等の後工程に際して、大径コイル31が変形することが抑えられる。
(3)アンテナ部34の巻き方向と小径コイル32の巻き方向とが一致しているため、アンテナ部34によって生じる磁界と小径コイル32によって生じる磁界とが打ち消し合うことが抑えられる。したがって、信号の送受信を効率よく行うことができる。
(4)コイル部材36を構成する被覆導線の両端部は、大径コイル31に含まれている。すなわち、コイル部材36は、大径コイル31から巻き始められ、小径コイル32が形成された後、大径コイル31にて巻き終えられる。こうした構成によれば、コイル部材36の形成が容易である。また、コンデンサ部35の形成のためには、大径コイル31の形成の途中で被覆導線の巻き方向を変える必要があるが、上記構成によれば、被覆導線の巻き方向の転換位置の設定も容易である。
(5)コイル部材36を構成する被覆導線の両端部が、コンデンサ部35に含まれ、両端部における端部の一方である第1端部E1の巻き方向は、第1方向であり、端部の他方である第2端部E2の巻き方向は、第2方向である。すなわち、被覆導線の2つの端部の巻き方向が変えられて、被覆導線の両端部を含む部分にコンデンサ部35が形成されている。こうした構成によれば、大径コイル31の中間部分にコンデンサ部35が形成される構成と比較して、大径コイル31における被覆導線の巻き方が複雑化することが抑えられ、被覆導線の巻き方向の転換位置の設定も容易である。
(6)大径コイル31において、小径コイル32の有する2つの端部の一方と繋がる部分の巻き方向は、第1方向であり、上記端部の他方と繋がる部分の巻き方向は、第2方向である。すなわち、大径コイル31と小径コイル32との境界部分にて、被覆導線の巻き方向が転換されている。こうした構成によれば、被覆導線の巻き方向の転換が容易であり、コイル部材36における被覆導線の巻き方が複雑化することが抑えられる。
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。なお、図10〜図4では、大径コイル31および小径コイル32について、第1方向に巻かれた導線部を実線で示し、第2方向に巻かれた導線部を破線で示している。また、図10〜図14では、互いに隣接する導線を離して示しており、これによって図13および図14では、被覆導線の屈曲部が強調して示されている。
・図10に示されるように、被覆導線の有する2つの端部が、これらの端部における被覆同士の接合によって一体化されて、大径コイル31から引き出されていてもよい。大径コイル31から引き出された部分である引き出し部37は、第1方向に巻かれた導線部40eと第2方向に巻かれた導線部40fとからなり、第1端部E1は、第1方向に巻かれた導線部40eに含まれ、第2端部E2は、第2方向に巻かれた導線部40fに含まれている。すなわち、第1端部E1の巻き方向は第1方向であり、第2端部E2の巻き方向は第2方向である。そして、各導線部40e,40fに含まれる導線間には、静電容量が形成されている。
こうした構成においては、引き出し部37の長さを調整することによって、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路に付加される容量の大きさを調整することができる。したがって、コイル部材36の電気的特性を容易に微調整することができる。
・上記実施形態では、矩形形状をなす小径コイル32の一辺が、大径コイル31と一体となっている。これに限らず、小径コイル32の周方向における少なくとも一部が大径コイル31の一部と一体化されていれば、小径コイル32にて大径コイル31と一体化される部位は限定されない。
例えば、図11に示されるように、矩形形状の外形を有する小径コイル32の二辺が、大径コイル41と一体となっていてもよい。あるいは、図12に示されるように、矩形形状の外形を有する小径コイル32の三辺が、大径コイル51と一体となっていてもよい。こうした場合、大径コイル41,51は、小径コイル32と一体となっている部分では、小径コイル32に沿って屈曲し、大径コイル41,51は、矩形とは異なる多角形状の外形を有する。
矩形形状の外形を有する小径コイルの一辺以上が、大径コイルと一体となっている構成では、組み付けの際における大径コイルに対する小径コイルの位置のずれが的確に抑えられる。なお、大径コイルの形状が複雑化して大径コイルの形成が困難になることを抑えるためには、小径コイルにて大径コイルと一体となっている部分は、矩形形状の外形を有する小径コイルの三辺以下であることが好ましい。
また例えば、図13に示されるように、小径コイル42は円形状の外形を有し、小径コイル42が有する環の半分が、大径コイル61と一体となっていてもよい。あるいは、図14に示されるように、小径コイル42が有する環の半分以上が、大径コイル71と一体となっていてもよい。こうした場合、大径コイル61,71は、小径コイル42と一体となっている部分では、小径コイル42に沿って湾曲し、大径コイル61,71は、環の一部に曲線状の部分を含む。なお、小径コイル42は、楕円形状を有していてもよい。
また、小径コイルは、矩形とは異なる多角形形状の外形を有していてもよく、こうした場合にも、小径コイルの少なくとも一部が大径コイルと一体化されていればよい。そして、大径コイルが小径コイルに沿って屈曲することによって、小径コイルが有する環の半分以上が、大径コイルと一体となっていることが好ましい。
小径コイルが有する環のなかで、大径コイルと一体化されている部分の割合が多いほど、組み付けの際における大径コイルと小径コイルとの位置のずれを抑えることができる。
・上記実施形態では、コンデンサ部35では、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線と第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線とが、大径コイル31の径方向に沿って交互に配置されている。これに限らず、コンデンサ部35は、第1方向に巻かれた導線部40bと第2方向に巻かれた導線部40cとから構成されていればよく、これらの導線部40b,40cに含まれる導線の配置は限定されない。
例えば、図15に示されるように、コンデンサ部35では、第1方向および第2方向と直交する断面において、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線が大径コイル31の径方向に沿って3つ連続して配置され、かつ、第2方向に巻かれた導線部40cが大径コイル31の径方向に沿って3つ連続して配置されてもよい。こうした構成によれば、導線部40bに含まれる導線と導線部40cに含まれる導線とが1つずつ交互に配置される構成と比較して、大径コイル31の形成が容易である。ただし、導線部40bに含まれる導線と導線部40cに含まれる導線との平均的な距離を短くしてその間に形成される静電容量を十分に確保するためには、導線部40bに含まれる導線と導線部40cに含まれる導線とが1つずつ交互に配置されていることが好ましい。
また、上記実施形態では、大径コイル31は平巻きコイルであるが、大径コイルは多段巻きコイルであってもよい。この場合、第1方向および第2方向と直交する断面において、第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線の各々は、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線の少なくとも1つと隣接していればよい。
例えば、図16に示されるように、大径コイル81は多段巻きに形成され、第1方向および第2方向と直交する断面において、各段における最外周に、第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線が配置され、各段における最外周以外の部分に、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線が配置されてもよい。
あるいは、図17に示されるように、大径コイル91は多段巻きに形成され、コンデンサ部35においては、第1方向および第2方向と直交する断面において、1つの段に第2方向に巻かれた導線部40cが配置され、当該段と隣接する段に、第1方向に巻かれた導線部40bが配置されてもよい。
あるいは、図18に示されるように、大径コイル101は多段巻きに形成され、第1方向および第2方向と直交する断面において、各段に、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線と第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線とが配置されてもよい。この場合も、第2方向に巻かれた導線部40cに含まれる導線の各々は、第1方向に巻かれた導線部40bに含まれる導線の少なくとも1つと隣接している。
このように、大径コイル81,91,101が多段巻きに形成される構成では、導線部40cに含まれる導線が導線部40bに含まれる導線と隣接するように導線を配置する場合であっても、平巻きコイルにて導線部40bに含まれる導線と導線部40cに含まれる導線とが交互に配置される構成と比較して大径コイル31の形成が容易である。そして、上記構成では、第1方向および第2方向と直交する断面において、導線部40cに含まれる導線の各々が、導線部40bに含まれる導線の少なくとも1つと隣接している。そのため、導線部40bに含まれる導線と導線部40cに含まれる導線との間に形成される静電容量、すなわち、小径コイル32とアンテナ部34とを含む閉回路に付加される容量を、コンデンサ部35の長さに見合う分だけ大きく確保することができる。
・コイル部材36は、1本の被覆導線を利用して形成されていればよく、被覆導線が巻き回された後にコンデンサ部35にて導線が切断され、コンデンサ部35における容量結合を介してアンテナ部34と小径コイル32とコンデンサ部35とを含む閉回路が構成されてもよい。要は、大径コイル31と小径コイル32とは、1本の仮想巻線上に位置する被覆導線、換言すれば、1本の線によってなぞることの可能な、ひとつながりの被覆導線から形成されていればよい。
・コイル部材36における被覆導線の巻き方向の転換位置は、大径コイル31と小径コイル32との境界部分に限らず、例えば、大径コイル31を形成するために被覆導線が巻かれている途中で、巻き方向が転換されてもよい。
また、大径コイル31において、コンデンサ部35の形成部位は、被覆導線の両端部を含む部位に限らず、例えば、大径コイル31における内周部分にコンデンサ部35が形成され、アンテナ部34はコンデンサ部35の外側に配置されてもよい。こうした場合、被覆導線の両端部は、大径コイル31に含まれていなくてもよい。すなわち、被覆導線の第1端部E1と第2端部E2との少なくとも一方が、小径コイル32に含まれていてもよい。
また、小径コイル32における被覆導線の巻き方向が第2方向であってもよい。すなわち、アンテナ部34の巻き方向と小径コイル32の巻き方向とは一致していなくてもよい。
・大径コイル31は、アンテナ部34のみを含み、コンデンサ部35を含まなくてもよい。こうした構成であっても、上記(1)の効果は得られる。
・ICモジュール20の構成は、上記実施形態の構成に限らず、例えば、ICチップ22と結合コイル24とは、同一平面上に配置されていなくてもよいし、ICチップ22は、結合コイル24の外側の領域に配置されていてもよい。要は、ICモジュール20は、ICチップ22と、ICチップ22に接続されて小径コイル32と電磁結合する結合コイル24とを備えていればよい。
・ICチップ22は、少なくとも非接触通信機能を有していればよく、接触通信機能を有していなくてもよい。すなわち、通信媒体は、外部機器と非接触通信によってのみ、通信を行う装置であってもよい。
・通信媒体は、ICカード10に限らず、スマートフォン、携帯情報端末等の携帯型や小型の電子機器であって、上述した構成を有するICモジュール、および、基体を備えた電子機器であってもよい。
10…ICカード、20…ICモジュール、21…基板、22…ICチップ、23…外部端子、24…結合コイル、30…カード基体、31,41,51,61,71,81,91,101…大径コイル、32,42…小径コイル、33…封止部、34…アンテナ部、35…コンデンサ部、36…コイル部材、37…引き出し部、40a,40b,40c,40d,40e,40f…導線部、E1…第1端部、E2…第2端部。

Claims (10)

  1. ICモジュールと、前記ICモジュールが組み付けられた基体とを備える通信媒体であって、
    前記ICモジュールは、
    通信端子を有した非接触通信部を備えるICチップと、
    前記通信端子に接続された結合コイルと、を備え、
    前記基体は、
    アンテナとして機能するアンテナ部を含む大径コイルと、
    前記結合コイルと電磁結合可能な位置に配置された小径コイルと、を備え、
    前記大径コイルと前記小径コイルとは、ひとつながりの被覆導線から形成され、前記大径コイルの一部と、前記小径コイルの少なくとも一部とは、これらのコイル間における前記被覆導線の被覆同士の接合によって一体化されている
    通信媒体。
  2. 前記被覆導線は、巻き方向を転換する転換位置を含み、かつ、仮想的に区画される複数の導線部から構成され、
    前記大径コイルは、
    第1方向に巻かれた第1の前記導線部から構成された前記アンテナ部と、
    前記第1方向に巻かれた第2の前記導線部と、前記第1方向とは反対の方向である第2方向に巻かれた第3の前記導線部とから構成されて、前記第2の導線部と前記第3の導線部との間に容量を形成するコンデンサ部と、を含む
    請求項1に記載の通信媒体。
  3. 前記小径コイルは、前記第1方向に巻かれている
    請求項2に記載の通信媒体。
  4. 前記被覆導線の両端部は、前記大径コイルに含まれている
    請求項2または3に記載の通信媒体。
  5. 前記両端部は、前記コンデンサ部に含まれ、
    前記両端部における一方の端部の巻き方向は、前記第1方向であり、前記両端部における他方の端部の巻き方向は、前記第2方向である
    請求項4に記載の通信媒体。
  6. 前記大径コイルにおいて、
    前記小径コイルの有する2つの端部の一方と繋がる部分の巻き方向は、前記第1方向であり、前記2つの端部の他方と繋がる部分の巻き方向は、前記第2方向である
    請求項2〜5のいずれか一項に記載の通信媒体。
  7. 前記被覆導線の有する2つの端部の一方の巻き方向は、前記第1方向であり、前記2つの端部の他方の巻き方向は、前記第2方向であり、
    前記2つの端部は、前記2つの端部における被覆同士の接合によって一体化されて、前記大径コイルから引き出されている
    請求項2または3に記載の通信媒体。
  8. 前記小径コイルの外形は、矩形形状を有し、当該矩形の一辺以上の部分が、前記大径コイルと一体化されている
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信媒体。
  9. 前記小径コイルの外形は、円形状、楕円形状、および、矩形とは異なる多角形状のいずれかの形状を有し、前記小径コイルが有する環の半分以上の部分が、前記大径コイルと一体化されている
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信媒体。
  10. 前記大径コイルは、多段巻きコイルであって、
    前記第1方向および前記第2方向と直交する断面において、
    前記第3の導線部に含まれる導線の各々は、前記第2の導線部に含まれる1以上の導線と隣接する
    請求項2〜7のいずれか一項に記載の通信媒体。
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