JP2016161958A - 工作機械及び加工プログラム最適化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、CAM等で作成された加工プログラムを最適化してワークの加工を行う工作機械及び加工プログラム最適化方法を提供する。【解決手段】加工プログラムに基づきワーク加工を行う工作機械において、加工プログラム最適化ソフトウエアに基づいて、加工プログラムを最適化する。その加工プログラム最適化においては、曲面形状における近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直して、曲面形状の加工プログラムにおける加工プログラム指令点を円滑化すると共に、前記加工プログラム指令点を間隔適正化する。【選択図】 図8

Description

本発明は、CAM等で作成された加工プログラムを最適化してワークの加工を行う工作機械及び加工プログラム最適化方法に関するものである。
一般的に、工作機械を用いて加工をおこなうためには、加工プログラムが必要であり、その加工プログラムはCAMなどの外部のプログラム作成ソフトウェアにて作成されている。
また、現在の工作機械は、外部で作成された加工プログラムの指令をなるべく正確に実現できるようにつくられており、加工プログラムの指令を高い精度で実現する機械が一般的に良い機械とされている。
特開平1−147610号
しかしながら、外部で作成された加工プログラム自体が、その品質に問題を抱えている場合が存在し、加工プログラムにより、曲線加工において本来の形状には存在しない蛇行や折れを生じる場合があった。
CADの形状データを使って加工プログラムを作成するのがCAMであるが、CAMで加工プログラムを作成する際の計算精度が問題で、CADの形状データを正確に表現した加工プログラムが作成できない場合があった。
すなわち、CADのデータは、面と面との間にはわずかな距離があったり、曲面の構成データが均一でなくきれいな断面が取れない場合など、必ず誤差が存在する。こういった誤差を適切に処理することができずに、本来の形状には存在しない蛇行や折れが加工プログラムに含まれてしまうことがあった。
また、こういった問題は、そもそもCADの形状データ自体の品質が悪過ぎる際にも発生する。その場合には、CAMでいかに精度よく計算したとしても解決できず、同様に本来の形状には存在しない蛇行や折れが加工プログラムに含まれてしまう。
以上のように、CAMの計算精度や元のCADデータの品質が問題で、本来の形状には存在しない蛇行や折れを含む加工プログラムが作成されることがある。それをそのまま利用して加工すると、加工品に面のうねりやキズができ、加工品質が悪くなってしまう。
一方、CAMでの加工プログラムの作成時に、プログラムの品質を高めるために計算精度を上げると、曲面形状の加工プログラムを作成した際に必要以上に指令点が出力されることとなる。このような加工プログラムを用いて工作機械で加工をおこなうと、工作機械上の数値制御装置の演算に非常に時間がかかるために、本来の加工時間よりも長く時間がかかってしまう。
以上のように、曲面形状の加工に対して必要以上に加工プログラム指令点が出力されてしまうと、加工時間が長くなるという課題がある。
上記2点の課題に対して、加工プログラムの指令点列が存在した時に、それぞれの指令位置間に対して順番に作成したスプライン曲線を滑らかに接続し、そのスプライン曲線からの距離が所定のトレランス以内となる直線あるいは円弧をスプライン近似曲線を作成する方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術(特許文献1)では、加工プログラム指令点間それぞれをひとつのセグメントとしているため、傾向の似ている指令点間が連続する場合も異なるセグメントとなるため、作成されるスプライン曲線に不要なうねりが存在する可能性があった。
また、従来技術(特許文献1)では、加工プログラム指令点に対して順番に3次のスプライン曲線を作成し、滑らかに接続していく方式をとっている。これは、隣り合う曲線同士は滑らかになるが、軌跡全体としては最適な決定方法とはならず、作成されるスプライン曲線に不要なうねりが存在する可能性があった。
また、従来技術(特許文献1)では、スプライン曲線を直線に近似する際に、所定のトレランス以内で近似する方式をとっている。これは、多くの場合に常に所定のトレランス量の誤差が発生するプログラム軌跡となってしまうものであった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、曲面形状の加工を含む加工でも、短い加工時間で、加工品質の高い加工を行うことができる工作機械及び加工プログラム最適化方法を提供することである。
本発明の他の目的は、本来の形状には存在しない蛇行や折れなどのガタつきが含まれている加工プログラムを円滑化することができ、曲面形状の加工プログラムに不要に過剰な指令点が含まれている加工プログラムの間隔適正化をおこなうことができる工作機械及び加工プログラム最適化方法を提供することである。
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、請求項1に係る発明は、加工プログラムに基づきワーク加工を行う工作機械において、
前記加工プログラムを最適化する加工プログラム最適化手段と、前記加工プログラム最適化手段により最適化された加工プログラムに基づいて機械駆動および加工部を制御する制御手段とを備え、
前記加工プログラム最適化手段が、曲面形状の加工プログラムにおける加工プログラム指令点を円滑化すると共に、前記加工プログラム指令点を間隔適正化することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記加工プログラム最適化手段が、前記曲面形状における近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直すことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記加工プログラム最適化手段が、前記曲面形状における評価関数を最小とする接線ベクトルの組み合わせをとって、元の加工プログラム指令点との距離の総和が最小となる近似曲線を決定することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記加工プログラム最適化手段が、条件に合う複数の加工プログラム指令点間をひとつのセグメントと定め、傾向の似ている加工プログラム指令点間が連続する場合にまとめて3次曲線に近似することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記加工プログラム最適化手段が、スムージング曲線作成時におけるセグメントを近似する3次曲線とセグメントをつなぐ接線ベクトルの決定において、軌跡全体に対する評価関数を作成し、その誤差が最小となる形でそれぞれのセグメントのスムージング曲線を決定することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、加工プログラムに基づきワーク加工を行う工作機械における前記加工プログラムの最適化方法であって、
曲面形状の加工プログラムにおける加工プログラム指令点を円滑化すると共に、前記加工プログラム指令点を間隔適正化することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、前記加工プログラム最適化方法が、前記曲面形状における近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直すことを特徴とする。
曲面形状を含む加工でも、短い加工時間で、加工品質の高い加工を行うことができるという効果を奏する。
本発明を実施したCAMの接続された工作機械1の概略構成図である。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順のフローチャートである。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。 工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法のフローチャートである。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の数式である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法のフローチャートである。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 スムージング曲線の作成方法の説明図である。 本発明の他の実施形態による工作機械1の概略構成図である。 本発明の他の実施形態による工作機械1の概略構成図である。
本発明の実施形態を図面を参照し説明する。
図1は、本発明を実施したCAMの接続された工作機械1の概略構成図である。
図1に示すように、工作機械1は、パソコンからなるCAM3で作成された加工プログラムを最適化する加工プログラム最適化ソフトウエア5aを有するコンピュータ(加工プログラム最適化手段)5と、加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づいて最適化された加工プログラムを入力し、その加工プログラムに従って機械駆動および加工部7を駆動するNC装置(制御手段)9とを有している。
そのNC装置9も、コンピュータよりなり、入力した加工プログラムを保存する加工プログラム保存領域9aを有している。
CAM3、コンピュータ5およびNC装置9は、ROMおよびRAMが接続されたCPUおよび表示機能と入力機能とを有する画面を備えた入力表示装置を有している。
NC装置9は、加工プログラム保存領域9aを有し、このプログラム保存領域9aには加工プログラムが保存される。
機械駆動および加工部7は、テーブル7aと、工具主軸7bと、工具7cと、ワークWとを有する。
次に、工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順について説明する。
図2は、工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順のフローチャートであり、図3〜図7は、工作機械1によって実行される加工プログラムの作成手順の説明図である。
図2のステップ101において、CAM3は、オペレータの指示による所定の作成プログラムに基づいて加工プログラムを作成する。図3は、CAM3により加工プログラムが作成される説明図である。
ステップ103において、CAM3により作成された加工プログラムが、ネットワーク回線等を介して工作機械1のコンピュータ5に転送される。図4は、CAM3により作成された加工プログラムが工作機械1のコンピュータ5に転送される説明図である。
ステップ105において、コンピュータ5は、CAM3により作成された加工プログラムを加工プログラム最適化ソフトウエア5aによって最適化する。図5は、CAM3により作成された加工プログラムが加工プログラム最適化ソフトウエア5aによって最適化される説明図である。
なお、加工プログラムの加工プログラム最適化ソフトウエア5aによる最適化については後で詳しく説明する。
ステップ107において、コンピュータ5により最適化された加工プログラムが、NC装置9の加工プログラム保存領域9aに転送される。図6は、CAM3により作成された加工プログラムがNC装置9の加工プログラム保存領域9aに転送される説明図である。
ステップ109において、NC装置9は、最適化された加工プログラムに基づいて機械駆動および加工部7の駆動制御を行い、ワークWの加工を行う。図7は、NC装置9により、最適化された加工プログラムに基づく機械駆動および加工部7の駆動制御によるワークWの加工される説明図である。
なお、コンピュータ5は、加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づいて加工プログラムの最適化を行う加工プログラム最適化手段として機能する。
次に、加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化について説明する。
図8は、加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法のフローチャートであり、図9〜18は、加工プログラム最適化ソフトウエア5aに基づく加工プログラムの最適化方法の説明図および数式である。
ここで、最適化とは、加工プログラム指定点の円滑化と間隔適正化を指し示すものとする。
図8のステップ201において、コンピュータ5は、加工プログラムの最適化を実行する範囲を抽出する。
すなわち、図9に示すように、加工品質が悪くなる、あるいは加工時間が長くなるといった問題は、加工プログラムにおける短い直線指令が連続している区間にて発生するため、その区間を抽出する。
抽出方法は以下のように行う。
まず、最適化の必要がない以下の軌跡を判別する。
1、円弧にて動作指令されている軌跡
2、直線ではあるが、指定値よりも長い直線の軌跡
3、早送り軌跡(G00)といわれる、加工はせずに位置決め移動のみをおこなう軌跡
上記にて判別した軌跡以外を、最適化が必要な範囲として抽出する。従って、図9に示すように、一連の加工軌跡の中に多数の最適化範囲が存在している区間(黒の実線部分)が、最適化が必要な範囲として抽出される。
次に、ステップ203において、コンピュータ5は、抽出した加工プログラムの直線指令点の全てが、設定されたスムージングトレランスの範囲内に含まれるように、スムージング曲線を作成する。図10に、スムージング曲線作成の説明図を示す。
ここでは、抽出した加工プログラムの直線指令点の全てが、設定されたスムージングトレランスの範囲内に含まれるように、スムージング曲線を作成する。実際の作成方法としては、スムージング曲線の式を仮に定義し、その曲線の式と各指令点との距離を計算する。曲線と指令点との距離がスムージングトレランスの2分の1を超えるものがあれば、スムージング曲線を定義し直す。すべての指令点からの距離がスムージングトレランスの2分の1になる曲線を、スムージング曲線として決定する。なお、より詳細のスムージング曲線の作成方法については、後述する。
ステップ205において、コンピュータ5は、ステップ時間により計算したプログラム指令候補点を作成する。すなわち、図11に示すように、指令速度でステップ時間進んだ位置に指令候補点を作成する。
以下に、その計算方法を説明する。
図12に示すように、AからBに工具が移動するケースを考える。
AB間の距離が加減速に必要とする距離に比べて十分長い場合、工具速さのグラフは図13に示すようになる。
このグラフは、時間tに関して2次式で構成されており、接線連続である。このグラフをtで積分すると、工具の移動距離を表すことになる。ここでFは指定された速さである。TAからTBを単位ステップ時間ΔTで分割した分割点をTiとすると、図14に示す式がAB間の工具軌跡の途中点PiPi+1の間隔となる。
次に、ステップ207において、コンピュータ5は、指令点出力トレランスにより計算したプログラム指令候補点を作成する。
すなわち、図15に示すように、指令点出力トレランスの範囲内で最も進んだ位置に指令候補点を作成する。
この指令候補点の作成方法を以下に示す。
まず、始点よりも先のスムージング曲線上に任意の点を決め、この任意の点と始点とを結ぶ直線を作成し、この直線とスムージング曲線との距離の最大値を求める。
直線とスムージング曲線の最大値が、指令点出力トレランス以下であれば、任意の点をスムージング曲線上のもう少し先へ進める。直線とスムージング曲線の最大値が、指令点出力トレランス以上であれば、任意の点をスムージング曲線上のもっと手前に戻す。
これを繰り返し、直線とスムージング曲線の最大値が、指令点出力トレランスと等しくなったところを、指令候補点と定める。
ステップ209において、コンピュータ5は、プログラム指令点を確定する。
すなわち、図16に示すように、CとDの指令候補点を比較し、始点に近い方をプログラム指令点に確定する。ここでは、Cで作成した指令候補点の方が始点に近いため、Cで作成した方をプログラム指令点として確定する。
なお、単位時間当たりに実行できるプログラム指令点の数は、NC装置9の演算性能に依存するため、加工時間を削減する目的から極力少なくしたい。そのため、ステップ時間を定め、単位時間当たりにNC装置の性能以上のプログラム指令点が出力されないようにする。
しかし、ステップ時間に依存した距離ごとに指令点を出力したのでは、元の指令点を近似したスムージング曲線との誤差が大きくなってしまう可能性がある。そのため、スムージング曲線と最終的な指令点との距離が指令点出力トレランス以下になる処理を加える。
以上の理由から、点Cと点Dのうち近い方の点を指令点として定める。
次に、ステップ211において、コンピュータ5は、次のプログラム指令点の作成が必要か判断する。
すなわち、プログラム指令点を作成したら、最適化範囲の終点までにプログラム指令点の作成が必要かどうか判断する。この例では、図17に示すように、最適化範囲の終点まで距離があるため、次々とプログラム指令点を繰り返し作成する。
ステップ213において、コンピュータ5は、次の最適化実行範囲の抽出が必要かどうかを判断する。
すなわち、図18に示すように、対象の最適化範囲へのプログラム指令点の作成が完了したとすると、この範囲以外に最適化範囲があるようであればB〜Fを繰り返し実行する。すべての最適化範囲に対して、プログラム指令点の作成が完了したら、プログラムの最適化を終了とする。
次に、図8のステップ203におけるスムージング曲線の作成方法の詳細について説明する。
図19は、スムージング曲線の作成方法のフローチャートであり、図20〜図27は、スムージング曲線の作成方法の説明図である。なお、図20〜図27では、スムージング曲線の作成方法をよりわかり易くするため、図9〜図18における場合とは異なる形状の曲線を用いて説明する。
まず、最適化範囲全体に対して一度に円滑な曲線を求めようとすると、元々の軌跡に対する誤差が大きくなってしまうことがあるという問題について説明する。すなわち、図20に示すような曲線に対して、最適化範囲全体に対して一度に円滑な曲線を求めようとすると、図21に示すように、スムージング曲線の誤差が大きくなってしまう問題がある。
図19に示すスムージング曲線の作成方法は、この問題を解決するものである。
図19のステップ301において、コンピュータ5は、曲線近似するための準備として、対象範囲をセグメントに分割する。
ここでは、ひとつのセグメントは、円滑化公差で直線近似できる範囲までとして定義する。以下に、その方法を述べる。
図22に示すように、最初の点P1とその2つ先の点P3とを直線でつなぐ。この直線と間の点P2との距離をD13-2とする。D13-2が所定のスムージングトレランス以下である場合に、P1〜P3は同じセグメントと規定する。
そして、P1〜P3が同じセグメントと規定できたら、図23に示すように、次にP1とP4を直線でつなぐ。この直線とP2の距離D14-2、および直線とP3の距離D14-3が所定のスムージングトレランス以下である場合に、P1〜P4を同じセグメントと規定する。
P1〜P4が同じセグメントと規定できたら、図24に示すように、次にP1とP5を直線でつなぐ。この直線とP2の距離D15-2、直線とP3の距離D15-3、および直線とP4の距離D15-4が所定のスムージングトレランス以下である場合に、P1〜P5を同じセグメントと規定する。しかし、たとえばD15-2がスムージングトレランスよりも大きい場合には、P1〜P4までの範囲を同じセグメントとし、P4から続く範囲は次のセグメントとなるように規定する。
以上を繰り返し、セグメント分割した例を図25に示す。
ステップ303において、コンピュータ5は、セグメントを近似する3次曲線と、セグメントをつなぐ接ベクトルの決定を行う。
ここで、各セグメントは3次曲線で近似し、セグメントの接続位置では接連続となるように定義する。これにより、3次曲線の両端点での接線ベクトルを定めれば、3次曲線が決定されることになる。さらに、図26の式で示すように、評価関数を3次曲線と元の指令点との距離の総和とし、変数である接線ベクトルを変分法により求める。
ステップ305において、コンピュータ5は、スムージング曲線の決定を行う。
すなわち、図27に示すように、評価関数を最小とする接線ベクトルの組み合わせをとることで、元の加工プログラム指令点との距離の総和が最小となる近似曲線を決定する。
その結果、分割後の範囲それぞれに対して円滑な曲線を作成し、接連続となるようにつなぐことで、適切なスムージング曲線を作成することとなる。
このように、上記実施形態によれば、条件に合う複数の加工プログラム指令点間をひとつのセグメントと定めている。これにより、傾向の似ている加工プログラム指令点間が連続する場合にまとめて3次曲線に近似されるため、うねりのない適切なスムージング曲線の作成が可能であり、より滑らかで高精度な加工が実現できる。
これに対して、従来技術(特許文献1)では、加工プログラム指令点間それぞれをひとつのセグメントとしている。そのため、傾向の似ている指令点間が連続する場合も異なるセグメントとなるため、作成されるスプライン曲線に不要なうねりが存在する可能性がある。
また、上記実施形態によるスムージング曲線作成時におけるセグメントを近似する3次曲線とセグメントをつなぐ接線ベクトルの決定方法によれば、軌跡全体に対する評価関数を作成してその誤差が最小となる形でそれぞれのセグメントのスムージング曲線を決定する方式をとっている。これにより、全体を見てうねりのない適切なスムージング曲線の作成が可能であり、より滑らかで高精度な加工が実現できる。
これに対して、従来技術(特許文献1)では、加工プログラム指令点に対して順番に3次のスプライン曲線を作成し、滑らかに接続していく方式をとっている。これは、隣り合う曲線同士は滑らかになるが、軌跡全体としては最適な決定方法とはならず、作成されるスプライン曲線に不要なうねりが存在する可能性がある。
また、上記実施形態によるプログラム指令点の決定において、ステップ時間により計算したプログラム指令候補点Cと指令点出力トレランスにより計算したプログラム指令候補点Dのうち、より近い方を採用するという方式によれば、D点よりC点が近い場合には、C点を採用する。
これにより、所定のトレランス量を大きく下まわる高精度な軌跡作成が可能である。さらに、C点は、ステップ時間を考慮して作成している点のため、指令点が箇条になり加工時間が長くなることはない。以上により、加工が遅くならずにより滑らかで高精度な加工が実現できる。
これに対して、従来技術(特許文献1)では、スプライン曲線を直線に近似する際に、所定のトレランス以内で近似する方式をとっている。これは、多くの場合に常に所定のトレランス量の誤差が発生するプログラム軌跡となってしまう。
また、指令点をいくつかの区分曲線に近似し、円滑化する方法が知られている。しかしながら、この従来方法では工作機械の駆動部に対する指令が、曲線であるため、数値演算装置が曲線指令に対応していなければならない。
曲線指令に対応した数値演算装置を持たない工作機械においては、加工品質が悪化することと加工時間が長くなることを防止できないという課題がある。本発明では、近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直すというところに特徴がある。これにより、直線指令にのみ対応した数値制御装置に対しても最適化が可能である。
以上のように、本発明では、CAMで作成された加工プログラムを工作機械がそのまま実行するのではなく、加工プログラムの最適化ソフトウェアが加工プログラムを最適化してから実行する仕組みとする。これにより、本来の形状には存在しない蛇行や折れなどのガタつきが含まれている加工プログラムを円滑化することができる。
また、曲面形状の加工プログラムに不要に過剰な指令点が含まれている加工プログラムの間隔適正化をおこなうこともできる。
また、加工プログラムの円滑化と間隔適正化により、加工品質の向上と加工時間の短縮を実現することができる。
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
例えば、図28に示すように、最適化後の加工プログラムをNC装置の外にある加工プログラム外部保存領域11に保存し、工具主軸やテーブルを動作させる際に直接その加工プログラムを実行するようにしても良い。
また、図29に示すように、加工プログラムの最適化ソフトウェアが、工作機械1の外にあるパソコン3上に設け、最適化した加工プログラムを加工プログラム外部保存領域11に転送するようにしても良い。
1 工作機械
3 パソコン
5 コンピュータ
5a 加工プログラムの最適化ソフトウエア
7 機械工藤および加工部
7a テーブル
7b工具主軸
7c工具
9 NC装置
9a 加工プログラム保存領域
W ワーク

Claims (7)

  1. 加工プログラムに基づきワーク加工を行う工作機械において、
    前記加工プログラムを最適化する加工プログラム最適化手段と、前記加工プログラム最適化手段により最適化された加工プログラムに基づいて機械駆動および加工部を制御する制御手段とを備え、
    前記加工プログラム最適化手段が、曲面形状の加工プログラムにおける加工プログラム指令点を円滑化すると共に、前記加工プログラム指令点を間隔適正化することを特徴とする工作機械。
  2. 前記加工プログラム最適化手段は、前記曲面形状における近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直すことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記加工プログラム最適化手段は、前記曲面形状における評価関数を最小とする接線ベクトルの組み合わせをとって、元の加工プログラム指令点との距離の総和が最小となる近似曲線を決定することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  4. 前記加工プログラム最適化手段は、条件に合う複数の加工プログラム指令点間をひとつのセグメントと定め、傾向の似ている加工プログラム指令点間が連続する場合にまとめて3次曲線に近似することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。
  5. 前記加工プログラム最適化手段は、スムージング曲線作成時におけるセグメントを近似する3次曲線とセグメントをつなぐ接線ベクトルの決定において、軌跡全体に対する評価関数を作成し、その誤差が最小となる形でそれぞれのセグメントのスムージング曲線を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。
  6. 加工プログラムに基づきワーク加工を行う工作機械における前記加工プログラムの最適化方法であって、
    曲面形状の加工プログラムにおける加工プログラム指令点を円滑化すると共に、前記加工プログラム指令点を間隔適正化することを特徴とする加工プログラム最適化方法。
  7. 前記加工プログラム最適化方法が、前記曲面形状における近似曲線を作成した後に、直線による連続した指令軌跡に再度出力し直すことを特徴とする請求項6に記載の加工プログラム最適化方法。
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