JP2016160306A - 超臨界発泡方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発泡フイルム等を製造する超臨界発泡方法において、微細な気泡セルを均一に形成できるようにする。【解決手段】 プラスチック樹脂投入口14より、プラスチック樹脂及び無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを当量関係に配合した混合粉末を投入し、塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを反応させ有機酸の金属塩を生成する。一定圧にされた窒素ガス又は炭酸ガスを、圧入口15より圧入する。シリンダー10内は炭酸ガスの臨界温度(31.1℃)及び臨界圧力(7.39MPa)以上になっているので、圧入された窒素ガス又は炭酸ガスはプラスチック樹脂に溶解する。この状態で吐出口16からプラスチック樹脂を押出すと、大気圧下に開放されることとなるので、有機酸の金属塩を発泡核剤として窒素ガス又は炭酸ガスの気泡が発生し、発泡フイルムが形成される。【選択図】 図2

Description

本発明は、断熱カップ、破ビン防止包装材料等に用いられるプラスチック樹脂発泡体の発泡方法に関し、更に詳しくは、窒素ガス又は炭酸ガスの超臨界発泡方法における発泡核剤として、無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを反応させて有機酸の金属塩を生成させ、その金属塩を発泡核剤として用いる超臨界発泡方法に関する。
発泡フイルム、発泡シート等の発泡体は断熱性やクッション性に優れているので多方面に利用されており、断熱カップ、破ビン防止包装材料、果物の包装材料、自動車の天井やドア内面材等に広く利用されている。
このような発泡体を発泡させる方法としては、化学的発泡と物理的発泡の2つの方法があり、化学的発泡は、炭酸水素ナトリウム、アゾジカルボンアミドのようなアゾ化合物、P−トルエンスホニルアジドのようなアジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合物等の加熱されることによって分解ガスを発生する化学的発泡剤を用い、これらの化学的発泡剤を練り込んだ樹脂を押出機を用いてシート状に成形し、その後、加熱炉で加熱することにより発泡させるものであった(例えば、特許文献1参照。)。
物理的発泡は、ブタン、イソブタンジクロロジフロロメタン等の低沸点有機物からなる物理的発泡剤を用いるもので、所定の樹脂を押出機により溶融・混練した高温高圧下で物理的発泡剤を圧入し、発泡最適温度に調節した後、押出して低圧帯(大気圧)に置くことにより発泡させるものであった(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、化学的発泡においては、化学発泡剤の残渣が必ず残り好ましくなく、さらに、アゾ化合物、アジド化合物、ニトロソ化合物等の場合は、発癌性のあるアミン化合物を生成する危険性があるので、安全・衛生上好ましくないものであった。また、物理的発泡においては、ブタン、イソブタンは爆発の危険性があり、ジクロロジフロロメタン等のフロン系ガスはオゾン層を破壊する問題があった。
そこで、爆発の危険性がなく安全・衛生性に優れた炭酸ガスや窒素ガスを用いる方法が提案されており、この方法によれば、連続可塑化装置内で、溶融した熱可塑性樹脂と超臨界状態の二酸化炭素又は窒素の相溶状態の溶融樹脂組成物を形成し、この溶融樹脂組成物を連続可塑化装置先端部に接続したダイスから吐出することにより熱可塑性樹脂発泡体を製造するものであり、また、発泡を均一にするために、発泡核剤としてタルク等の無機微粉末等を用いるものであった。(例えば特許文献3参照)。
また、本出願人は、超臨界発泡によるプラスチック樹脂発泡対体の製造方法を提案している(特許文献4)。
特開平7−41589号公報 特開2000−158537号公報 特開平10−76560号公報 特開2012−172075
しかしながら、前記熱可塑性樹脂発泡体の発泡方法は、気泡を均一にするために微粉末のタルク等を用いるものであるが、タルクの径が大きいため大量に投入しなければならなかった。すなわち、発泡核剤は、溶解しているCOやNが気体となる時にその刺激となるものであり、1個の発泡核剤から1個の気泡を作ると考えると、微細な気泡を多く作るためには多数の発泡核剤を添加する必要がある。したがって、タルクの径が大きいと、当然重量も大きくなるので、タルクを大量に投入しなければならないものである。さらに、タルクの径が大きいと、形成される発泡セルも大きくなるので、破泡しやすいものであった。また、タルクの数が少ないと、溶解している気体が少ないタルクを核として発泡するので、発泡セルの数が少なくなることにより発泡セル自体の大きさが大きくなるので、破泡しやすいものである。
本発明は、以上の問題点を解決し、安全性、衛生性、爆発の危険性、オゾン層の破壊等において問題が無く、しかも、微細な気泡セルを均一に形成することができる反応生成物を発泡核剤とした超臨界発泡方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を達成すべく鋭意検討し、発泡核剤として、タルク等の無機微粉末等を用いることなく、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と常温で固体である有機酸とをプラスチック樹脂に混練し、これらをプラスチック樹脂内で反応させ、その反応生成物である有機酸の金属塩が発泡核剤としての機能を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に係る超臨界発泡方法は、発泡押出機に、プラスチック樹脂と共に、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と常温で固体である有機酸とを当量関係で混合した混合粉末を投入し、プラスチック樹脂を溶融するとともに無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを反応させて有機酸の金属塩を生成・混練し、該発泡押出機の中間部において、炭酸ガスの臨界温度及び臨界圧力以上に維持した状態で窒素ガス又は炭酸ガスを溶融プラスチック樹脂に圧入し、その後溶融プラスチック樹脂をダイスより押出し、生成した有機酸の金属塩を発泡核剤として発泡させることを特徴として構成されている。
請求項2に係る超臨界発泡方法は、有機酸の融点が50℃以上であり、生成した有機酸の金属塩の融点が150℃以上であることを特徴として構成されている。
請求項3に係る超臨界発泡方法は、前記プラスチック樹脂が、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であることを特徴として構成されている。
請求項4に係る超臨界発泡方法は、発泡押出機のプラスチック樹脂の投入口にベント孔が2以上ある除湿押出機を連結し、多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤を0.2〜2.0%添加した未乾燥のPET樹脂を除湿押出機に投入し、PET樹脂が加熱・溶融した状態でベント孔から−99.99kPa以上の高真空下で吸引・脱気して発泡押出機に投入することを特徴として構成されている。
請求項5に係る超臨界発泡方法は、多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤が、エポキシ基9〜10個を有するスチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルであることを特徴として構成されている。
請求項1に係る超臨界発泡方法においては、発泡押出機に、プラスチック樹脂と共に、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と常温で固体である有機酸とを当量関係で混合した混合粉末を投入して溶融・混練する。常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と、常温で固体である有機酸とを混合しただけでは反応することはない。プラスチック樹脂の温度が有機酸の融点を超えて初めて反応することになる。すなわち、発泡押出機のシリンダー内のプラスチック樹脂の温度が上昇し有機酸の融点を超えると、有機酸が溶融して液状となり、固体の無機の塩基性物質若しくは炭酸塩の表面に付着するとともに浸み込み接触面積が大きくなる。そして、温度上昇とも相俟って、無機の塩基性物質とは中和反応を起こして有機酸の金属塩を生成する。
また、炭酸塩とは、炭酸塩が有機酸と反応して有機酸の金属塩を生成する。すなわち、炭酸は酸の中で最も弱い酸であり、COが水に溶解して、
Figure 2016160306
の平衡関係にのみ存在し、そのpHは5.6である。ところで一般に、(弱酸の塩+強酸)→(強酸の塩+弱酸)の関係があり、有機酸より弱酸である炭酸の炭酸塩は、有機酸と反応して有機酸の金属塩を生成する。
以上のように、プラスチック樹脂中に混練された無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とが反応し、いずれも有機酸の金属塩を反応生成物として生成する。ところで、これらの反応は分子レベルで反応するものであり、生成した有機酸の金属塩も分子レベルで生成し、プラスチック樹脂中に均一に分散した状態で存在する。そして、有機酸の金属塩の融点が溶融したプラスチック樹脂の温度より高い場合、金属塩は固体で存在するので、発泡核剤としての性質を有することになる。したがって、生成する金属塩は、その融点が所望のプラスチック樹脂の融点より高いものであることが必要である。
ところで1モルの生成物にはアボガドロ数から36.02×1023個の分子が含まれており、生成した単分子生成物はそのまま単分子ではなく、集まって生成物の集合体を作るか、又は結晶に成長すると考えられる。しかしながら無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸との当量混合物は、溶融プラスチック樹脂に混練された状態で反応を起こしているので、有機酸の金属塩は大きな集合体又は結晶になることはなく、微細な状態を維持することとなり、タルクのような固体を物理的に粉砕して作る発泡核剤より、はるかに微細で均一に分散された発泡核剤となる。
また、炭酸塩と有機酸との反応によって発生した炭酸は不安定でありシリンダー内の熱によってただちに分解し、炭酸ガスと水とが発生する。炭酸ガスは臨界温度31.1℃、臨界圧力7.39MPaであり、これらの臨界温度及び臨界圧力以上の条件になると液体でもなく気体でもない超臨界海流体となるが、シリンダー内は上記臨界温度および臨界圧力以上に設定されているので、炭酸ガスは溶融プラスチック樹脂に溶解した状態となっている。ところで、水は臨界温度374.2℃、臨界圧力22.12MPaであり、シリンダー内はこの条件に達していないので超臨界流体とはなっておらず、プラスチック樹脂には溶解していない。従って蒸気となってプラスチック樹脂投入口のホッパーへ逃げたり、高圧力のため熱水となって押出機のダイスから押出されて大気圧下になった時に蒸気となる。
以上のように反応生成物である有機酸の金属塩が均一に分散されたプラスチック樹脂は、シリンダーの中間部において窒素ガス又は炭酸ガスが圧入される。窒素ガスの臨界温度は−147.0℃、臨界圧力は3.39MPaであり、シリンダー内は炭酸ガスの臨界温度及び臨界圧力以上に設定されているので、圧入された窒素ガスは超臨界流体となり炭酸ガスと同様プラスチック樹脂に溶解した状態となっている。
以上のように、溶融したプラスチック樹脂は、炭酸ガスの臨界温度以上で、かつ反応生成物である有機酸の金属塩の融点以下の温度、及び炭酸ガスの臨界圧力以上の条件下にあり、窒素ガスや炭酸ガスはプラスチック樹脂に溶解した状態であるとともに、有機酸の金属塩は均一に分散された固体の状態で存在している。この状態で溶融プラスチック樹脂を大気圧下に押出すことにより発泡させる。すなわち、溶融プラスチック樹脂を大気圧下に押出すと、溶融プラスチック樹脂の圧力が低下し、例えば窒素ガスのみの場合(無機の塩基性物質と有機酸との場合)は、窒素ガスの臨界圧力である3.39MPaより低下した時、窒素ガスは固体である微細な有機酸の金属塩を発泡核剤として発泡する。また、炭酸ガスと窒素ガスの場合(炭酸塩と有機酸との場合)は、まず炭酸ガスの臨界圧力である7.39MPaより低下した時、炭酸ガスは固体である微細な有機酸の金属塩を発泡核剤として微細な気泡となる。次いで溶融プラスチックの圧力がさらに低下し、窒素ガスの臨界圧力である3.39MPaより低下した時、既に形成されている炭酸ガスの微細な気泡を核として発泡する。なお、プラスチック樹脂の圧力低下は、ダイスのリップ部の吐出口近傍から始まっていると考えられるので、実際は、リップ部の先端近傍において、発泡セルが形成され始めていると考えられる。
請求項2に係る超臨界発泡方法においては、前記有機酸の融点が50℃以上であるので、有機酸は常温で固体であり、固体の無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と混合しても常温で反応することはなく、発泡押出機の中で融点以上の温度になった時に溶融し、固体の無機の塩基性物質若しくは炭酸塩に浸み込んで初めて反応する。また、生成した有機酸の金属塩の融点が150℃以上であるので、溶融したプラスチック樹脂の温度が有機酸の金属塩の融点以下であれば、有機酸の金属塩は微細な固体として存在し、発砲核剤として有効な効果を発揮する。
請求項3に係る超臨界発泡方法においては、プラスチック樹脂がPE樹脂、PP樹脂、PU樹脂、PS樹脂、PET樹脂であるので、量産されて汎用されており、安価に入手することが出来る。
請求項4に係る超臨界発泡方法においては、発泡押出機のプラスチック樹脂の投入口にベント孔が2以上ある除湿押出機を連結し、PET樹脂を除湿押出機に投入し、PET樹脂が加熱・溶融した状態でベント孔から−99.99kPa以上の高真空下で吸引・脱気して発泡押出機に投入するので、発泡押出機に投入するPET樹脂に必須である乾燥を行う必要がない。したがって、PET樹脂の乾燥に係る費用が不要となり、安価に超臨界発泡を行なうことが出来る。
また、多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤を0.2〜2.0%添加したPET樹脂を用いるので、鎖延長剤によって低分子量のPET分子鎖を結びつけて三次元構造の高分子量のPET樹脂に改質することが出来、押出しや樹脂の発泡に必要な溶融張力を上げることが出来る。その結果、安価な回収PETフレークや繊維用のPET樹脂を用いることが出来るので、安価に超臨界発泡を行なうことが出来る。
請求項5に係る超臨界発泡方法においては、前記多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤が、エポキシ基9〜10個を有するスチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルであるので、高反応性の鎖延長剤であり、低分子量のPET分子鎖を速やかに結びつけ高分子量のPET樹脂に改質することが出来る。したがって、溶融張力の改良を確実かつ迅速に行なうことが出来る。
本発明によるPET樹脂発泡装置の概略図 樹脂発泡装置に用いる発泡押出機のシリンダー部分の概略図 発泡押出機に用いるTダイリップ部分の断面図 発泡押出機に用いるTダイリップ部分の他の断面図 発泡押出機に用いるTダイリップ部分の他の断面図 樹脂発泡装置に用いる除湿押出機のシリンダー部分の概略図 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真 発泡フイルムの断面の電子顕微鏡写真
本発明の超臨界発泡方法は、発泡押出機にプラスチック樹脂と共に、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩の粉末と常温で固体である有機酸の粉末とを当量関係で混合した混合粉末を投入し、プラスチック樹脂を溶融するとともに無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを反応させて有機酸の金属塩を生成・混練し、該発泡押出機の中間部において炭酸ガスの臨界温度及び臨界圧力以上に維持した状態で窒素ガス又は炭酸ガスを溶融プラスチック樹脂に圧入し、その後溶融プラスチック樹脂をダイスより押出し、生成した有機酸の金属塩を発泡核剤として発泡させる。
プラスチック樹脂は、特殊な樹脂である必要はなく、最も一般的に使われているPE樹脂、PP樹脂、PU樹脂、PS樹脂を用いることが出来るが、MFRが0.1〜5.0g/10minであることが好ましく、0.1〜3.0g/10minがより好ましい。すなわち、MFRが小さいほど溶融張力が大きいので、安定した発泡セルを得るためにはMFRは小さいほうが好ましいが、MFRが0.1g/10min未満であると、押出すことが困難となる。
PET樹脂は、多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤を添加することによってPET分子鎖を結び付けて3次元の網目構造とし、高分子のPET樹脂に改質することが出来、溶融張力を付与することが出来る。
常温で固体である無機の塩基性物質としては、金属の酸化物や水酸化物が挙げられ、特に限定されることは無い。例えば、酸化カルシウム(CaO)や水酸化カルシウム(Ca(OH))は、一般的に土壌の中和剤や白線引き等に比較的安全に使われており、かつ安価に入手することができるので好適である。
常温で固体である炭酸塩としては、特に限定されることは無い。例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸カルシウム(CaCO)が挙げられる、これらの内、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムは反応性も高く安価に入手できるので好適である。
常温で固体である有機酸としては、例えば、融点が50℃以上のものとして、クエン酸(mp:150℃)、コハク酸(mp:185℃)、リンゴ酸(mp:130℃)、マロン酸(mp:135℃)、シュー酸(mp:101.5℃)、安息香酸(mp:122℃)、マレイン酸(mp:131℃)、フタル酸(mp:210℃)、セバシン酸(mp:135℃)、ステアリン酸(mp:70℃)、酒石酸(mp:170℃)等が挙げられる。
生成した有機酸の金属塩としては、例えば、融点が150℃以上のものとして、クエン酸ナトリウム(mp:300℃)、クエン酸カリウム(mp:230℃)、シュー酸カルシウム(mp:370℃分解)、リンゴ酸ナトリウム(mp:300℃以上)、安息香酸ナトリウム(mp:300℃以上)、フタル酸水素カリウム(mp:295〜300℃)、ステアリン酸ナトリウム(mp:220℃)、ステアリン酸カルシウム(mp:150℃)等が挙げられる。
ところで、常温で固体である有機酸は、溶融プラスチック樹脂との混練時において融解する必要があり、かつ生成した有機酸の金属塩は、溶融プラスチック樹脂の押出し時において発泡核剤として機能させるために固体であることが必要である。すなわち、有機酸の融点は、溶融プラスチック樹脂の加熱温度より低く、かつ有機酸の金属塩の融点は、溶融プラスチック樹脂の加熱温度より高くする必要がある。例えば、炭酸水素ナトリウムとクエン酸とを用い、クエン酸ナトリウムを発泡核剤として利用する場合、クエン酸の融点は150℃、クエン酸ナトリウムの融点は300℃であるので、溶融プラスチック樹脂の温度を150℃以上、300℃未満の温度帯域に調整するものである。したがって、用いるプラスチック樹脂の融点に応じて、有機酸及び有機酸の金属塩を適宜選択するものである。
常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と常温で固体である有機酸とのプラスチック樹脂への添加方法は、例えば、プラスチック樹脂ペレットに流動パラフィン0.05〜0.20%重量%をヘンシェルミキサー等でまぶした後、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩の粉末と、常温で固体である有機酸の粉末とを当量関係で混合した混合粉末を添加し、ヘンシェルミキサー等でミキシングして混合付着させる。この時、塩基性物質若しくは炭酸塩の粉末の粒度と有機酸の粉末の粒度はほぼ同じ程度が好ましく、それらを混合する時やヘンシェルミキサーで混合付着させる時や、投入する時に分級しなければ特に限定されることはない。
また、低温で押出し出来るPE樹脂を用い、常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩のマスターバッチ、及び常温で固体である有機酸のマスターバッチをそれぞれ作成し、当量関係のマスターバッチを所定量、プラスチック樹脂のペレットとドライブレンドで混合添加してもよい。PE樹脂のマスターバッチとして使用する場合は、PE樹脂とPET樹脂は異質な樹脂であるので相溶化剤を用いて相溶化し、マスターバッチ中の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを均一に分散させる必要がある。相溶化剤としてはポリエステルとオレフィンの相溶化剤であるエチレン/アクリル酸/グリシジルメタクリレートコポリマーが好ましい。
本発明による有機酸の金属塩を発泡核剤とする超臨界発泡方法の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1はPET樹脂発泡装置の概略図、図2は発泡押出機のシリンダー部分の概略図、図3は発泡押出機に用いられるTダイリップの断面図、図4はTダイリップの他の断面図、図5はTダイリップの他の断面図、図6はPET樹脂に用いられる除湿押出機のシリンダー部分の概略図である。
図1において、1は有機酸の金属塩を発泡核剤として溶融プラスチック樹脂から発泡フイルムを製造する発泡押出機、2はプラスチック樹脂を乾燥させる除湿押出機であり、この除湿押出機2は、発泡押出機1に投入するプラスチック樹脂を乾燥させる必要がある際、例えば、回収PETフレーク等の未乾燥のPET樹脂を使用する際に用いるものである。したがって、一点鎖線aで囲った部分は、PET樹脂を乾燥させる必要がある際にのみ使用されるものである。
発泡押出機1は、図2に示すように、シリンダー10の内部にスクリュー11が設けられており、このスクリュー11は、基端部(図中左側)から、加圧圧縮部12、ニーダー部13、加圧圧縮部12となっており、加圧圧縮部12は通常の溝巾で形成されたもので、ニーダー部13は溝巾が狭く形成されたものである。したがって、ニーダー部13においては、溝の間を溶融プラスチック樹脂が満たしており、加圧圧縮部12の背圧を10〜20MPaにまで昇圧出来ると共に、生成された有機酸の金属塩を十分に混練することが出来る。
シリンダー10の基端部には、プラスチック樹脂投入口14が設けられ、このプラスチック樹脂投入口14には、定量フィーダー141、ホッパー142が連結されている。また、ニーダー部13の樹脂搬送方向(図中右方向)の近傍には、窒素又は炭酸ガスの圧入口15が設けられ、この圧入口15には、流量計151、プランジャーポンプ152及びガスボンベ153が順次連結されている。さらに、先端部には溶融プラスチック樹脂を送り出す排出口16が設けられ、この排出口16に隣接して発泡フイルムの巻取り手段161が設けられている。
以上のような発泡押出機1においては、ホッパー142、定量フィーダー141を介してプラスチック樹脂投入口14より、プラスチック樹脂及び無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを当量関係に配合した混合粉末を投入し、溶融混練する。添加された有機酸はプラスチック樹脂の熱で溶融状態となり、固体の無機の塩基性物質若しくは炭酸塩に浸み込み、分子レベルで反応する。したがって、反応生成物としての有機酸の金属塩が分子レベルで生成し、この有機酸の金属塩はプラスチック樹脂中に均一に混練される。また、ガスボンベ153からプランジャーポンプ152で一定圧にされた窒素ガス又は炭酸ガスが、流量計151を介して圧入される。圧入された窒素ガス又は炭酸ガスは、シリンダー10内が炭酸ガスの臨界温度(31.1℃)及び臨界圧力(7.39MPa)以上になっているので、窒素ガスも炭酸ガスも超臨界状態になりプラスチック樹脂に溶解する。したがって、プラスチック樹脂中に、微小な有機酸の金属塩が均一混練されるとともに、窒素ガス又は炭酸ガスが溶解した状態になり、この状態で吐出口16から押出されると、大気圧下に開放されることとなるので、有機酸の金属塩を発泡核剤として窒素ガス又は炭酸ガスの気泡が発生し、発泡フイルムが形成される。以下、より詳細に説明する。
シリンダー10において、プラスチック投入口14からニーダー部13までの間が第1ステージであり、無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸との反応により生成された有機酸の金属塩をプラスチック樹脂への混練を行なう。すなわち、無機の塩基性物質と有機酸とは中和反応によって有機酸の金属塩が生成する。一方、炭酸塩と有機酸との場合は、有機酸は炭酸より強い酸であり、弱酸の塩+強酸→強酸の塩+弱酸の反応関係式によって、いずれも有機酸の金属塩を生成し、この有機酸の金属塩は、プラスチック樹脂に均一に分散混練される。また、炭酸塩を用いた場合には発生した炭酸ガスがプラスチック樹脂に溶解混練される。したがって、第1ステージにおいては有機酸の金属塩が溶融又は分解しない温度に設定するとともに、また、炭酸ガスの臨界温度(31.1℃)及び臨界圧力(7.39MPa)以上に設定するものであり、炭酸ガスは超臨界流体となってプラスチック樹脂に溶解する。
ニーダー部13の樹脂搬送方向(図中右方向)の端面から排出口16までの間が第2ステージとなっており、第1ステージにおける有機酸の金属塩及び炭酸塩を用いた場合は炭酸ガスの状態を維持したまま、窒素ガス又は炭酸ガスが圧入され、この窒素ガス又は炭酸ガスをプラスチック樹脂内に溶解混練するものである。窒素ガスを圧入する場合は窒素ガスの臨界温度(−147℃)及び臨界圧力(3.39MPa)以上に設定するものであるが、いずれも炭酸ガスの臨界温度、臨界圧力より低いので、炭酸ガスの臨界温度及び臨界圧力を基準とすれば良い。
したがって、第1ステージにおける温度は、樹脂が溶ける温度、PE、PS、PU樹脂であれば120℃以上、PP樹脂であれば160℃以上、PET樹脂であれば260℃以上が好ましく、圧力は7.4MPa以上、10MPa以上がより好ましい。第2ステージにおいては温度も圧力も第1ステージの状態を維持すれば良く、ほぼ同等である。
以上のような発泡押出機に用いるTダイのリップ部について図3〜図5を参照して説明する。
図3に示すTダイのリップ部17は、中央に吐出流路171が形成され先端から吐出される。この先端近傍が第3ステージとなっている。第3ステージは、プラスチック樹脂の圧力が大気圧下に開放されたリップの先端に近づくにつれて低下し、超臨界状態が破れた時に有機酸の金属塩を発泡核剤として発泡する。発泡核剤に炭酸塩を用い第2ステージで窒素ガスを圧入した場合は、プラスチック樹脂に炭酸ガスと窒素ガスが溶解しているので、まず臨界圧力の高い炭酸ガスの超臨界状態が破れて有機酸の金属塩を発泡核剤として一次発泡し、微細な発泡セルを形成する。次いで、プラスチック樹脂がさらに進み、圧力が窒素ガスの臨界圧力まで低下した時、窒素ガスの超臨界状態が破れて、既に形成されている微細な炭酸ガスの発泡セルを発泡核として二次発泡する。窒素ガスの発泡の際、窒素ガスは新たに発泡セルを形成するより、既に形成されている微細な炭酸ガスの発泡セルを大きくすると考えられる。
図4に示すTダイのリップ部17は、吐出流路171が先端に行くに従って広くなるようにテーパー状に形成されている。したがって、テーパーが広がるにつれて圧力が低下するので、炭酸ガスの一次発泡と窒素ガスの2次発泡の間に時間差を取ることが出来、一次、二次発泡を確実にすることが出来る。このテーパーの角度は5〜15度が好ましい。
図5に示すTダイのリップ部17は、吐出流路171が途中から巾広に形成されている。したがって2倍に広げれば樹脂圧15MPaの圧力が1/2の7.5MPaに、3倍に広げれば1/3の5MPaに低下し、炭酸ガスの一次発泡、窒素ガスの二次発泡を確実にすることが出来る。これらの吐出流路171の流路形状はテストしながら最適の設計を行う。
前記除湿押出機2は、図6に示すように、シリンダー20の内部にスクリュー21が設けられ、基端側(プラスチック樹脂投入側、図中左側)から、第1ベント孔22及び第2ベント孔23が形成されている。スクリュー21には、加圧圧縮部24とシール部25とが交互に配置されており、シール部25においては、スクリュー21の溝巾を狭くし、その間を溶融プラスチック樹脂が満たして、加圧圧縮部24における背圧10〜20MPaの高圧と、ベント孔22、23部の−99.9kPaの高真空との圧力差をシールするもので、プラスチック樹脂はスクリュー21の回転のみで押し進むようにして、ベント孔22、23からの溶融プラスチック樹脂の吹き上がりを防止している。
ベント孔22、23はそれぞれコンデンサー(凝縮器)26を介して油回転式真空ポンプ27に連結されており、コンデンサー26は真空度を維持することと、油回転式真空ポンプ27の油の質を維持するためのものである。コンデンサー26がなければ、例えば、水分3,000ppmのPET樹脂を500kg/hrの吐出量で運転したとすれば、500,000g×0.3/100=1,500g/hrもの水蒸気が発生して高真空を維持出来ず、油回転式真空ポンプ27の油も水が混入して変質する。また、シリンダー21の基端側端部には、プラスチック樹脂投入用のホッパー28が設けられている。
以上のような除湿押出機2においては、ホッパー28から投入されたプラスチック樹脂、例えばPET樹脂と鎖延長剤とが加熱・溶融された状態で混練される。溶融したPET樹脂は水と熱による加水分解や熱分解で解重合が起こり、低分子のPET鎖やエチレングリコール、アセトアルデヒドが発生していると考えられる。
しかし、鎖延長剤が最初から添加されて混練されているので、低分子のPET鎖を結び付けて3次元の高分子量化や、エチレングルコールやアセトアルデヒドの捕捉などの重合反応も起こり始めていると考えられる。すなわち、エポキシ基
Figure 2016160306
は開裂して、カルボキシル基(−COOH)、アルデヒド基(−CHO)、水酸基(−OH)等の官能基と結び付き、PET分子鎖を3次元の網目構造の高分子にするとともに、解重合で生じたエチレングリコール、エチレングリコールから発生するアセトアルデヒドをも高分子の一部として捕捉する。また、含有している水分は、280℃における飽和水蒸気圧は6.5MPaであるので、背圧10MPa以上では液体の状態である。
そして、エチレングリコール、アセトアルデヒド、水を含んだ溶融PET樹脂は、第1ベント孔22及び第2ベント孔23から−99.9kPa以上の高真空下で吸引・脱気されるので、エチレングリコール(沸点198℃)、アセトアルデヒド(沸点20℃)、水(沸点100℃)は気体となり、第1ベント孔22から吸引・脱気される。また、第1ベント孔22から吸引・脱気し切れなかったエチレングリコール、アセトアルデヒド及び水は、第2ベント孔23により吸引・脱気される。
以上のように、除湿押出機2のシリンダー20を通過することにより、投入されたPET樹脂は、PET樹脂の含有水分が除湿されるとともに低分子量のPET分子鎖が結びつき、3次元構造の高分子量のPET樹脂となる。したがって、PET樹脂は、溶融張力が高くなり発泡に適したPET樹脂に改質されるとともに、除湿したものとなる。
このように、除湿押出機2において、溶融張力が改良されるとともに除湿したPET樹脂は連結部29を通して発泡押出機1に送入され、また、前記プラスチック樹脂投入口14から、無機の塩基性物質若しくは炭酸塩の粉末と有機酸の粉末とを当量関係で混合した混合粉末が所定量投入され、以後、前述したのと同様な過程で発泡フイルムが形成される。
次に、発泡押出機1のシリンダー10内の第1ステージで行われている反応について説明する。
炭酸水素ナトリウムとクエン酸の場合:
以下の化3に示す反応が行なわれている。
Figure 2016160306
3モルの炭酸水素ナトリウムと1モルのクエン酸とが反応して、1モルのクエン酸ナトリウムと3モルの炭酸ガス(体積;3×22400ml=67200ml)と4モルの水とが生成される。当量関係は3モルの炭酸水素ナトリウム=1モルのクエン酸=1モルのクエン酸ナトリウム=3モルの炭酸ガスである。
水酸化カルシウムとシュー酸の場合:
以下の化4に示す反応が行なわれている。
Figure 2016160306
1モルの水酸化カルシウムと1モルのシュー酸とが反応して、1モルのシュー酸カルシウムと4モルの水が生成される。当量関係は1モルの水酸化カルシウム=1モルのシュー酸=1モルのシュー酸カルシウムである。
シリンダー10内に於ける化学反応は、無機の塩化性物質若しくは炭酸塩の分子と有機酸の分子とが反応して分子サイズの有機酸の金属塩が生成される。1モルの有機酸の金属塩にはアボガドロ数から6.02×1023個の分子が存在する。生成された有機酸の金属塩は単独の分子で存在するわけではなく、いくつか集まって集合体を作るか又は結晶まで成長すると考えられる。
しかし、生成された有機酸の金属塩は、大きな集合体又は大きな結晶に成長する前に、シリンダー10のニーダー部13によってプラスチック樹脂と混練されるので、微細な集合体又は結晶のままプラスチック樹脂中に均一に分散される。なおこの場合、有機酸の金属塩の融点が溶融プラスチック樹脂の温度より高くなるように、有機酸の金属塩及び樹脂温度を適宜設定しているので、有機酸の金属塩は溶融プラスチック樹脂内で固体状態を維持し、超臨界発泡の有効な発泡核剤となるものである。
有機酸の金属塩は、どの位の分子が集まって集合体又は結晶になって発泡核剤となるかは定かではない。しかしながら、後述する実施例のテスト1(炭酸水素ナトリウム0.033重量%+クエン酸0.027重量%→クエン酸ナトリウム0.034重量%)では、クエン酸ナトリウム0.034g中にはアボガドロ数から、6.02×1023×(0.034/258)=7.9×1019個の分子が存在する。ところで、発泡フイルムの比重が0.73、発泡セル密度が5.3×10個/cmであるので、これを樹脂100g当たりのセル数に換算すると、5.3×10×(1/0.73)×100=7.3×10個/100gである。したがって、上記クエン酸ナトリウム(0.034g)の分子数(7.9×1019個)を、上記プラスチック樹脂100g当たりのセル数(7.3×10個)で除すると(7.9×1019÷7.3×10)、約1.1×1010個の分子が集まって1個の集合体又は結晶を形成し、発泡核剤として奏効していると推定できる。
テスト2(炭酸水素ナトリウム0.099重量%+クエン酸0.081重量%→クエン酸ナトリウム0.101重量%)では、クエン酸ナトリウム0.101g中にはアボガドロ数から、6.02×1023×(0.101/258)=2.4×1020個の分子が存在する。ところで、発泡フイルムの比重が0.69、発泡セル密度が1.5×10個/cmであるので、これを樹脂100g当たりのセル数に換算すると、1.5×10×(1/0.69)×100=2.2×1010個/100gである。したがって、クエン酸ナトリウム(0.101g)の分子数(2.4×1020個)を、上記プラスチック樹脂100g当たりのセル数(2.2×1010個)で除すると(2.4×1020÷2.2×1010)、約1.1×1010個の分子が集まって1個の集合体又は結晶を形成し、発泡核剤として奏効していると推定出来る。
以上の結果より、炭酸水素ナトリウム(炭酸塩)とクエン酸(有機酸)との添加量を変えても、発泡に寄与するクエン酸ナトリウム(有機酸の金属塩)1個の集合体又は結晶の分子数は1.1×1010個と一定の値となり、反応生成物の集合体又は結晶が均一に分散し、発泡核剤として有効であることが解る。
また、炭酸水素ナトリウム(炭酸塩)とクエン酸(有機酸)との添加量を変化させると、その添加量に比例して発泡セルの密度も変化するので、炭酸塩と有機酸との添加量をコントロールすることにより発泡セルの密度を制御することが出来る。
MFRが0.3g/10min、密度0.92、融点が111℃であるLDPE樹脂ペレットの表面に、流動パラフィン0.15重量%をヘンシェルミキサーを用いて均一に付着させた。次いで炭酸水素ナトリウム252重量部とクエン酸(mp:150℃)210重量部とを当量混合した混合粉末を0.06重量%(テスト1)、0.18重量%(テスト2)添加し、同様にヘンシェルミキサーで混合付着させた。
この混合粉末を添加したLDPE樹脂ペレットを用い、図2に示すシリンダー構造と図3に示すTダイリップを有する発泡押出機に投入し、Tダイ法による発泡フイルムを作製した。押出機の設定を以下に示す。
<シリンダーサイズ> 65mmΦ、L/D=30
<第1及び第2ステージの圧力> 17MPa
<第1ステージの温度> 140〜190℃
<第2ステージの温度> 180℃
<加圧窒素ガス注入量> 29ml/樹脂100g(大気圧換算)
<Tダイ温度> 170℃
<Tダイリップギャップ> 0.8mm
<発泡フイルム引取速度> 6m/min
得られた発泡フイルムの評価結果を表1に、電子顕微鏡写真を図7(断面)、図8(断面)に示す。
比較例1
MFRが0.3g/10min、密度0.92g/cm、融点が111℃である実施例1と同じLDPE樹脂ペレットを用い、発泡核剤としてのタルク添加0%(テスト3)、平均粒径12μmのタルク70重量%含有したLDPEマスターバッチをドライブレンドで混合し、タルク分として2.5重量%(テスト4)、5.0重量%(テスト5)、7.0重量%(テスト6)を添加した。その他の条件は、実施例1と全く同様に行なって、発泡フイルムを作製した。
得られた発泡フイルムの評価結果を表1に、電子顕微鏡写真を図9(断面)、図10(断面)、図11(断面)、図12(断面)に示す。
[評価方法]
評価方法を以下に示す。
<発泡核剤(クエン酸ナトリウム(mp:300℃))の生成量> 添加した炭酸水素ナトリウム及びクエン酸の添加量より算出した。すなわち、当量関係より、炭酸水素ナトリウム3モルとクエン酸1モルから、クエン酸ナトリウムは1モル生成されるので、252gの炭酸水素ナトリウムと210gのクエン酸とから、258gのクエン酸ナトリウムが生成されることになり、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との添加量(0.06重量%)より算出(×258/(252+210))する。
<厚み;(μm)> 電子顕微鏡写真の断面から概略推定
<比重> 発泡フイルムを10cm角の正方形に裁断して試験片を作製する。試験片の4辺の厚みをマイクロメーターで測定するとともに、その厚みの平均値と表面積とから体積を算出する。試験片の重量を測定し、この重量を前記体積で除して比重を算出する。なお、試験片は3枚作製し、その平均値より求めた。
<発泡倍率> プラスチック樹脂の密度(0.92)を比重で除して算出する。
<発泡セル密度;(個/cm)> 発泡フイルムをミクロトームで断面方向と平面方向に裁断し、拡大写真より夫々方向のセル数を測定し、断面方向における単位面積(1cm)当りのセル数と、平面方向における単位面積(1cm)当りのセル数を乗じて求める。
<発泡セルサイズ;(μm)> 電子顕微鏡写真の断面から平均的な平面方向と厚み方向を概略測定。
Figure 2016160306
以上の結果より、以下の点が確認できる。
A.発泡剤からの生成核剤(テスト1、2、図7、8)は、タルク核剤(テスト3、4、5、6、図9、10、11、12)に比べ、はるかに少ない添加量で大きな発泡セル密度を得ることができる。例えば、テスト1の生成核剤の量(0.034重量%)は、テスト6のタルク添加量(7.0重量%)の約1/200(7.0/0.034=205)の量であるが、発泡セル密度は10倍以上(5.3×10/3.2×10)である。
また、1個の発泡セルを作る生成核剤、タルク添加量を夫々算出してみると、樹脂100g当たりの核剤の量÷樹脂100g当たりのセル数=セル1個当たりの発泡核剤量から
クエン酸ナトリウムの生成核剤(0.034g)÷5.3×10×1/0.73×100=4.6×10−12
タルク添加量(7.0g)÷3.2×10×1/0.72×100=1.6×10−8
となりクエン酸ナトリウムの生成核剤はタルク核剤の(1.6×10−8÷4.6×10−12=3.5×10)1/3,500の量で発泡核剤となる。
更には前述したクエン酸ナトリウムの生成核剤、発泡セル1個を作るのに奏効する分子の集合体又は結晶の定数1.1×1010を用いて算出してみると、クエン酸ナトリウム1個の分子の重量(252g/6.02×1023)×定数(1.1×1010)=4.7×10−12gと当然のことながら同じテスト結果から導いた定数なので上記と同一となる。
B.テスト1、2の結果より、発泡セル密度は、発泡核剤(生成核剤)の添加量に略正比例しているので、生成核剤がプラスチック樹脂中に均一に分散していることが解る。
C.発泡核剤のないNガスの超臨界発泡のみでは(テスト3、図9)発泡フイルムを得ることはできない。
D.以上のような結果から、本実施例では発泡核剤(生成核剤)の添加量で均一かつ微細な発泡セルを形成することが出来る。
MFRが2.2g/10min、密度が1.05g/cm、ビカット軟化点が103℃のポリスチレン樹脂ペレットに、流動パラフィン0.15重量%をヘンシェルミキサーを用いて均一に付着させた。次いで水酸化カルシウム74重量部とシュー酸(mp:101℃)126重量部とを当量混合した混合粉末を0.20重量%添加し、同様にヘンシェルミキサーで混合付着させた。
この混合粉末を添加したポリスチレン樹脂ペレットを用い、実施例1と同様に、図1に示すシリンダー構造と図2に示すTダイリップを有する押出機に投入し、Tダイ法による発泡フイルムを作製した。押出機の設定を以下に示す。
<第1ステージの温度> 170〜200℃
<第2ステージの温度> 180℃
<加圧窒素ガス注入量> 30ml/樹脂100g(大気圧換算)
<Tダイ温度> 170℃
<Tダイリップギャップ> 0.8mm
<発泡フイルム引取速度> 6m/min
得られた発泡フイルムの発泡セル密度と発泡倍率を実施例1と同様にして求めた。結果を以下に示す。
発泡セル密度:1.9×10個/cm
発泡倍率:1.42倍
常温で固体であるシュー酸(mp:101.5℃)は押出機の中の熱で溶けて固体である塩基性物質の水酸化カルシウムに浸み込んで反応し、押出機の熱では固体であるシュー酸カルシウム(mp:370℃分解)を生成して有効な発泡核剤となっている。
ユニチカ(株)製繊維用PET樹脂「MA−2101M」(固有粘度0.62dl/g、水分量3,500ppm)100部と、BASFジャパン(株)製鎖延長剤「ADR4368」を30重量%含有したPETのマスターバッチ1.5部とをヘンシェルミキサーで混合した。この混合樹脂を図1PET樹脂発泡装置の概略に於いて、図6のシリンダー構造を有する除湿押出機(65mmφ、L/P=36、2ベント孔)に投入し、シリンダー温度280℃、ベント孔から−100.6KPaの高真空下で吸引・脱気しながら連結された図2に示すシリンダー構造と図3に示すTダイリップを有する発泡押出機に送入した。
次いで炭酸水素ナトリウム84重量部と安息香酸(mp:122℃)122重量部とを当量混合した混合粉末0.20重量%を発泡押出機の投入口から定量フィーダーで添加した。シリンダー温度270℃で混練しながら発泡押出機の第2ステージに相当する部分にプランジャーポンプで一定圧にされた加圧窒素ガスを圧入し、Tダイリップから大気圧下に押出して発泡フイルムを作製した。
発泡押出機の各種設定を以下に示す。
<シリンダーサイズ> 65mmΦ、L/D=30
<第1及び第2ステージの圧力> 17MPa
<第1ステージの温度> 270℃
<第2ステージの温度> 270℃
<加圧窒素ガス注入量> 30ml/樹脂100g(大気圧換算)
<Tダイ温度> 270℃
<Tダイリップギャップ> 0.8mm
<発泡フイルム引取速度> 6m/min
各種評価結果を以下に示す。
<除湿押出機中の水分量の挙動>
発泡フイルムの引取速度6m/minで連続押出中の加工を一時停止し、除湿押出機の第1及び第2ベント孔位置の樹脂をサンプリングし、含有水分量を測定した。水分測定はプラスチック用水分気化装置ADP−351型(京都電子工業株式会社製)及びカールフィッシャー水分計MKC−210型(京都電子工業株式会社製)を用いた。結果を表2に示す。
Figure 2016160306
未乾燥のPET樹脂中の含有水分量が第1ベント孔の位置では10ppm以下となり、通常PET樹脂の押出し時に必須である50ppm以下をクリアーしている。第2ベント孔の位置では0ppmとなりベント孔から吸引・脱気することにより事前に乾燥する必要がないことが解る。
<発泡セル密度と発泡倍数>
実施例1と全く同様にして発泡セル密度と発泡倍数を求めた。
結果を以下に示す。
発泡セル密度:2.1×10個/cm
発泡倍数:1.42倍
繊維用PET樹脂や回収PETフレーク等の固有粘度の低いPET樹脂でも鎖延長剤を添加して3次元構造の高分子量のPET樹脂とし、固有粘度を上げて溶融張力を高めた樹脂に当量混合した炭酸水素ナトリウムと安息香酸の混合粉末を添加することにより、PET樹脂の熱によって安息香酸(mp:122℃)は溶けて炭酸水素ナトリウムに浸み込んで反応し、PET樹脂の熱では固体である安息香酸ナトリウム(mp:300℃以上)を生成し、有効な発泡核剤となって均一な微細な発泡セルを得ることが出来る。
1 発泡押出機
2 除湿押出機
10 シリンダー
11 スクリュー
12 加圧圧縮部
13 ニーダー部
14 プラスチック樹脂投入口
15 窒素又は炭酸ガスの圧入口
17 Tダイリップ部
20 シリンダー
21 スクリュー
22 第1ベント孔
23 第2ベント孔
ところで1モルの生成物にはアボガドロ数から6.02×1023個の分子が含まれており、生成した単分子生成物はそのまま単分子ではなく、集まって生成物の集合体を作るか、又は結晶に成長すると考えられる。しかしながら無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸との当量混合物は、溶融プラスチック樹脂に混練された状態で反応を起こしているので、有機酸の金属塩は大きな集合体又は結晶になることはなく、微細な状態を維持することとなり、タルクのような固体を物理的に粉砕して作る発泡核剤より、はるかに微細で均一に分散された発泡核剤となる。

Claims (5)

  1. 発泡押出機に、プラスチック樹脂と共に常温で固体である無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と常温で固体である有機酸とを当量関係で混合した混合粉末を投入し、プラスチック樹脂を溶融するとともに無機の塩基性物質若しくは炭酸塩と有機酸とを反応させて有機酸の金属塩を生成・混練し、該発泡押出機の中間部において、炭酸ガスの臨界温度及び臨界圧力以上に維持した状態で窒素ガス又は炭酸ガスを溶融プラスチック樹脂に圧入し、その後溶融プラスチック樹脂をダイスより押出し、生成した有機酸の金属塩を発泡核剤として発泡させることを特徴とする超臨界発泡方法。
  2. 前記有機酸の融点が50℃以上であり、生成した有機酸の金属塩の融点が150℃以上であることを特徴とする請求項1記載の超臨界発泡方法。
  3. 前記プラスチック樹脂が、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂又はポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂であることを特徴とする請求項1及び2記載の超臨界発泡方法。
  4. 前記発泡押出機のプラスチック樹脂の投入口にベント孔が2以上ある除湿押出機を連結し、多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤を0.2〜2.0%添加した未乾燥のPET樹脂を除湿押出機に投入し、PET樹脂が加熱・溶融した状態でベント孔から−99.99kPa以上の高真空下で吸引・脱気して発泡押出機に投入することを特徴とする請求項1記載の超臨界発泡方法。
  5. 前記多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤が、エポキシ基9〜10個を有するスチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルであることを特徴とする請求項4記載の超臨界発泡方法。
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