JP2016159925A - 容器入りインスタント食品 - Google Patents
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Abstract
Description
インスタント食品と、包装材とを備えてなり、
前記包装材が、耐酸化層、遮光層又は耐候性層を備えてなるものであり、
前記包装材内に、前記インスタント食品を導入し、かつ、不活性ガスを充填し、
前記包装材を密閉した状態で包含してなる、容器入りインスタント食品。
インスタント食品を用意し、
前記インスタント食品を、耐酸化層、遮光層又は耐候性層を備えた包装材に入れ、
前記包装材に、不活性ガスを充填し、
前記包装材を密閉することを含んでなるものである。
(インスタント食品)
インスタント(即席)食品とは、通常、調理せず、又は調理処理に時間を要さないで直ちに摂取可能な長期保存性食品をいう。インスタント食品には、広義には、缶詰食品、瓶詰食品、冷凍食品、レトルト食品、粉末食品、乾燥食品、フリーズドライ食品等をも包含するものである。本発明におけるインスタント食品は、好ましくは、水を加えることにより、又は加熱(解凍)することにより、簡易簡便に食することができる食品である。
「水分活性(Water Activity;AW)」とは食品中の自由水の割合を表す指標であり、食品を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義されるものであり、AW = P/POの式によって求められる。
「過酸化物価指数(peroxide value:PV又はPOV)」は、油脂に含まれる過酸化物の量の指標で油脂の劣化の指標であり、ヨウ化カリウムと過酸化物を反応させてヨウ素とし,それを定量した値であり、1kgの油脂中の活性酸素のミリモル数もしくはミリ当量で示す。
「酸価(acid value:AV)」とは、油脂の精製および変質の指標となる数値のひとつであり、油脂1g中に存在する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数として表す。
容器入りインスタント食品は、その保存期間が、5年以上10年以下程度であり、好ましくは6年6ヶ月程度であり、より好ましくは8年程度であり、最も好ましくは10年以上程度である。
本発明におけるインスタント食品の具体例としては、インスタント麺類(ラーメン、そば、うどん、素麺、冷麦、春雨、海藻麺、冷麺、ライスヌードル、好ましくはノンフライメン等、これらに用いられるスープ及びカヤク等)、インスタント穀物(白米、玄米、発芽米、赤及び黒等の色米、赤飯等のイネ科;大豆、小豆、インゲン豆等のマメ科;その他の雑穀、及びこれらの調理品)、インスタント調理済食品(スープ、カレー、シチュー、穀物料理、惣菜、肉料理、魚料理、野菜料理等)、インスタント粉末食品(緑茶、紅茶、ウーロン茶、果実及び海藻由来の茶、ココア、ジュース等の粉末飲料用食品;葛湯、汁粉、スープ粉、味噌汁、お吸い物、海藻スープ、お茶漬け等の汁物用食品)、フリーズドライインスタント食品(コーヒー、緑茶等の粉末飲料用食品;スープ粉、味噌汁、お吸い物等の汁物用食品飲料用食品;果物、野菜、魚類、肉類、これらを用いたカヤク等の乾燥食品)が挙げられる。
包装材は、耐酸化層、遮光層又は耐候性層のいずれか一つを少なくとも備えたものを用いる。また、これらの層は、二種以上の機能を発揮させるものとして構成されてよい。本発明の好ましい態様によれば、少なくとも耐酸化層又は遮光層を備えてなるものが好ましい。本発明にあっては、「層」には、包装材材料表面に、耐候性、耐酸化性又は遮光性の各機能を発揮させるものを塗布することによって達成されるものも包含する。本発明による包装材1は、図1に示す通り、インスタント食品を包含することができる、ある程度の容積を持ったものとして形成されてよく、それ自体可撓性のものがよい。
耐酸化層は、耐酸化剤(酸化防止剤)を含むものとして構成されてよい。耐酸化剤(酸化防止剤)としては、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸2-グルコシド等のビタミンC(アスコルビン酸類);エリソルビン酸類(アスコルビン酸の異性体);α−トコフェロール、δ−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール等のビタミンE(トコフェロール類); BHA(t-ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジt-ブチルヒドロキシトルエン)、 及びt-(ターシャリー)ブチルフェノール;EDTA類 ;五倍子タンニン、没食子タンニン等の没食子酸類;ルチン及びその抽出物、クエルセチン、ルチン酵素分解物、酵素処理ルチン抽出物、酵素処理イソクエルシトリン等のルチン類;茶抽出物;及び酵素分解リンゴ抽出物等が挙げられる。
耐候性層又は遮光層は、有機物質又は無機物質を用いて形成されてよく、例えば、金属層として形成されてよい。金属層は、酸素及び光の遮断として使用されるものであり、貴金属、鉄、銅、アルミニウム等の金属の泊、フィルム、フォイル等で形成されてよく、好ましくはアルミニウムで形成されたものが使用される。
本発明にあっては、インスタント食品を入れた包装材内部に不活性ガスを充填する。より好ましくは、不活性ガスを充填した後に、包装材内部を密閉することが好ましい。充填又は密閉により、酸素を除去し、かつ、外気との接触を防止することができるので、細菌又は黴等を長期間排除することが可能となる。
不活性ガスとしては、例えば、炭酸ガス、窒素ガスが挙げられる。不活性ガス充填にあっては、何れの機器及び方法を用いてもよく、好ましくは、噴射式充填機を用いて行うことが可能である。
本発明にあっては、「酸素を除去」は、包装材内部が無酸素状態になるもものが好ましいが、無酸素状態に近い状態での酸素の残存を許容するものであり、かつ、包装材により脱酸素可能なレベルであれば十分である。包装材の密閉は、入り口を閉じる等の方法、例えば、熱融着等で行ってよい。
本発明の好ましい態様によれば、インスタント食品の特性に合わせて(例えば、インスタント調理済食品)、加熱又は加圧がなされてもよい。加熱又は加圧は、一般的なインスタント食品の製造法と同様の方法で行ってよい。
本発明の好ましい態様によっては、容器に備え付けてなる、容器補助材を備えてなるものが好ましい。
容器補助材10は、様々な材料で構成され、また、様々な形状(多角形、円柱型、多角錐等)で製造されてよく、好ましくは、使用者がインスタント食品の取扱い及び持ちやすい形状で構成されてなる、ものが好ましい。
本発明のより好ましい態様によれば、容器1にノッチ(図5中、破線で図示)を一又は複数設けたものが好ましい。また、ノッチ自体は一又は複数で形成されてよい。お湯を入れる表示ラインとして機能し、また、飲食する際に、このノッチ部分により切除し、容器1の縦の長さを調製することができ、飲食し易くすることが可能となる。
この結果、災害時に、包装資材を開封し、容器入りインスタント食品と、箸、ナイフ、フォーク又は先割れスプーンを取り出し、容器入りインスタント食品を開封して、水又はお湯を入れることで、素早く、飲食することが可能となる。また、容器入りインスタント食品が、容器補助材に保持されることで、容器入りインスタント食品がより安定し、お湯等を入れたり、内容物を攪拌することが容易にできるので、火傷及び漏れを回避することができ、かつ、より容易に食事をすることが可能となる。
包装資材はその形状及び材質は様々なものを用いることができ、紙、プラスチックフィルム、ビニールフィルム等を用いることが可能である。
製造方法は、〔容器入りインスタント食品〕の項で説明したものと同様であってよい。
本発明は、以下の説明の通り、実施することが可能である。
(包装材)
食品衛生法により使用が許容されているフィルムを複数用意し、耐候性層又は遮光層のいずれか一つを備えた包装材を都合3つ調製することができる。また、本発明の好ましい態様として、上記フィルムに、脱酸素層と遮光層とを備えたもの、又は、これに、耐候性層又は脱酸素層を備えた包装材を都合3つ調製することができる。
インスタント食品、即ち、インスタント麺類、インスタント穀物、インスタント調理済食品、インスタント粉末食品、フリーズドライインスタント食品を用意する。本発明にあっては、一般的な湯熱乾燥法で調整されたインスタント麺(好ましくは、ノンフライ麺)を使用することができる。
ガス充填型真空包装機を用いて、不活性ガスを充填し、不活性ガスへの置換率が95%以上、好ましくは98%以上にする。また、本発明の別の態様としては、包装材を構成する脱酸素層によって達成することが可能である。
ポリオレフィン系フィルムに、アルミ箔とを積層させた包装材を準備した。この包装材は、遮光層を兼ね備えてなる。包装材には、食品の作り易さ及び食べやすさを考慮して、二か所に、ノッチを設けた。
一般的な湯熱乾燥方法で得たインスタント麺約60g及び凍結乾燥させたスープ及びかやくを用意し、上記包装材に入れた。
ガス充填型真空包装機(小野食品工業社製)を用いて、上記包装材に窒素ガス充填し、ガス置換率98%として密閉した。これにより、容器入りインスタント食品が得られた。
本発明時において、長期保存型インスタント麺が存在していなかったことから、実施例1と同様にして、一般的な湯熱乾燥方法で得たインスタント麺約60g及び凍結乾燥させたスープ及びかやくを用意し、一般的なカップラーメンに使用される紙製の容器に入れて、アルミパウチにより密閉した。即ち、市販されている一般的なカップラーメンに準じて調製した。
実施例と比較例とについて、加速度試験(約5年経年程度)を行って、一般生菌数、大腸菌群等度について評価試験を行った。結果は、表1に記載した通りであった。
評価試験は、食品衛生検査指針(微生物編2004年)、及び食品衛生法・企画基準に準じて以下の通りに行った。「陰性」は、微生物の検出が認められなかったことを意味する。
(一般生菌数試験)
標準寒天平板方法(混釈培養法)単位:1gあたり
(大腸菌群)
デキソシコレート寒天平板法(混釈培養法)単位:1gあたり
(黄色ブドウ球菌)
マンニット食塩卵黄鑑定平板法(平板塗沫法)単位:1gあたり
〔黴発生試験〕
採取した検体を25℃、一週間、培養シャーレーに入れた後に、光学顕微鏡を用いたて形態観察し、黴発生の有無を評価した。
〔水分活性評価試験〕
電気抵抗式機器による方法によって測定した。
〔官能評価試験〕
インスタント食品について、指示通りに調理して、男女6名のパネラーによって判断した。インスタント麺、スープ及びかやくすべてについて行った。
「異常」は、パネラー全員が「外観判断」、「味判断」及び「臭い判断」において、調理前及び調理後において、食用に適さないものと判断したものである。
「異常無し」は、パネラー全員が製造直前のものを調理したものと、加速度試験を行った後のものとを比較し、両者に殆ど差異がないものと判断したものである。
実施例1は、比較例1と比較して、味、臭い、外観の全てにおいて、優れた結果が得られた。なお、実施例1は、細菌については、製造後及び加速度試験後のいずれも103オーダーを維持していた。
他方、比較例1は、加速度試験後にあっては、外観は茶褐色変化が著しく、かつ、陳臭いが強く、開封時点で飲食に適せないことが明らかに理解できた。比較例1は、食することが極めて困難なものであり、長くとも6ヶ月程度の保存しかできず、5年以上の長期保存型のインスタント食品を実現することができるものではなかった。
Claims (2)
- 容器入りインスタント食品であって、
インスタント食品と、包装材とを備えてなり、
前記包装材が、耐酸化層、遮光層又は耐候性層を備えてなるものであり、
前記包装材内に、前記インスタント食品を導入し、かつ、不活性ガスを充填し、
前記包装材を密閉した状態で包含してなる、容器入りインスタント食品。 - 容器入りインスタント食品の製造方法であって、
インスタント食品を用意し、
前記インスタント食品を、耐酸化層、遮光層又は耐候性層を備えた包装材に導入し、
前記包装材に、不活性ガスを充填し、
前記包装材を密閉することを含んでなる、容器入りインスタント食品の製造方法。
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JP2015038536A JP2016159925A (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | 容器入りインスタント食品 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06211268A (ja) * | 1993-01-12 | 1994-08-02 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 食品包装材 |
JPH0744624Y2 (ja) * | 1987-12-28 | 1995-10-11 | 中国パール販売株式会社 | カップ式無菌包装容器 |
JP2008081170A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Nissin Food Prod Co Ltd | 即席麺包装体 |
JP3152213U (ja) * | 2009-05-11 | 2009-07-23 | 日本味紀行株式会社 | 袋入り即席麺 |
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2015
- 2015-02-27 JP JP2015038536A patent/JP2016159925A/ja active Pending
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