JP2016159594A - 光書込み装置及び画像形成装置 - Google Patents
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OLEDは経時劣化により発光効率が低下する特性を有している。このため、例えば、OLEDの駆動時間が一定時間を超えるとOLEDに供給する駆動電圧を昇圧する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このようにすれば、OLEDが経時劣化しても、OLEDを所望の発光量で安定して発光させることができるので、画質の劣化を防止することができる。
また、印刷ジョブ毎にOLED間で駆動時間が異なり得る。例えば、前ページで駆動されるOLEDは発光量が著しく低下する一方、最後のページのみで駆動されるOLEDは発光量があまり低下しないので、OLED間で光量差が大きくなる。このような場合にはスジムラが発生して、画質の低下が特に顕著になってしまう。
[1]画像形成装置の構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1が備える作像部101Y〜101Kは、制御部102の制御の下、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)各色のトナー像を形成する。
この様にして、作像部101Y〜101Kが形成したYMCK各色のトナー像が互いに重なり合うようにタイミングを合わせて中間転写ベルト103上に1次転写され、カラートナー像となる。中間転写ベルト103がカラートナー像を2次転写ローラー対104まで搬送するのに合わせて、給紙カセット105から供給された記録シートSも2次転写ローラー対104まで搬送される。
なお、光書込み装置100は、印刷ジョブの実行時以外にも、例えば、画像安定化処理を実行する際にも光書込みを行う。
次に、光書込み装置100の構成について説明する。
図2に示されるように、光書込み装置100は、OLEDパネル200とロッドレンズアレイ(SLA: Selfoc Lens Array。日本板硝子の登録商標。)202をホルダー203に収容したものであって、OLEDパネル200にはOLED201が実装されている。OLED201が出射した光ビームLは、ロッドレンズアレイ202によって感光体ドラム110の外周面上に集光される。なお、SLAに代えてMLA(Micro Lens Array)を用いてもよい。また、画像形成装置1の必要箇所と接続するためのケーブル等は図示を省略した。
図3に示されるように、OLEDパネル200は、TFT(Thin Film Transistor)基板300、封止板301及びドライバーIC(Integrated Circuit)302等を備えている。TFT基板300には、多数のOLED201が主走査方向に沿ってライン状に配列されている。これらのOLED201は、一列に配列されていても良いし、千鳥配置にされていても良い。
ドライバーIC302はデジタル輝度信号をアナログ輝度信号(以下、単に「輝度信号」という。)に変換してOLED201毎の駆動回路に入力する。駆動回路は輝度信号に応じてOLED201の駆動電流を生成する。輝度信号は、電流信号であってもよいし電圧信号であってもよい。
駆動TFT522のドレイン端子にはOLED201のアノード端子が接続されており、OLED201のカソード端子は接地配線532に接続されている。また、電源配線531は定電圧源Vpwrに接続されており、接地配線532は接地端子に接続されている。
[3]制御部102のハードウェア構成
次に、制御部102のハードウェア構成について説明する。
CPU601は、画像形成装置1に電源が投入されると、ROM602からブートプログラムを読み出して起動し、その後、RAM(Random Access Memory)603を作業用記憶領域として、HDD(Hard Disk Drive)604から読み出したOS(Operating System)等のプログラムを実行する。
次に、制御部102の機能構成について説明する。
制御部102は、OLED201の経時劣化による発光効率の低下に応じて、所定の発光回数ごとに駆動電流量Iを予め設定された電流量ΔIだけ増加させる
ことによって、OLED201が一定の放射照度(設定光量)で発光するように駆動電流量Iを制御する。
発光時間計数部701は、OELD201毎に累積発光時間countとして、例えば、画像形成装置1の工場出荷時からのOLED201の累積発光回数を計数する。累積発光時間countは、不揮発性の記憶装置であるHDD604に記憶してもよいし、書き込み可能な不揮発性の半導体メモリが制御部102に搭載されている場合には、当該半導体メモリに累積発光時間countを記憶してもよい。
繰上げ時間算出部703は、OLED201毎に印刷ジョブを開始する前の累積発光時間countから閾値時間Thを減算した繰上げ時間Tadvを算出する。
繰下げ時間算出部706は、OLED201毎にジョブ完了時間Tjobから閾値時間Thを減算した繰下げ時間Tpstを算出する。
駆動電流量制御部708は、OLED201毎にタイミング決定部707の判定に応じた電流増加タイミングで駆動電流量Iを増加させる。従って、同じ印刷ジョブであっても、OLED201毎に電流増加タイミングは異なり得る。
次に、制御部102の動作について説明する。
図8に示されるように、制御部102は、工場出荷時に発光時間計数部701にて累積発光時間countを0に初期化する(S801)。その後、新規の印刷ジョブを実行する際には(S802:YES)、まず、完了時間算出部704にてジョブ完了時間Tjobを算出する(S803)。OLED201毎のジョブ完了時間Tjobは、まず、当該印刷ジョブを実行するために当該OLED201を発光させる発光時間を算出し、得られた発光時間を累積発光時間countに加算して算出される。
また、本実施の形態においては、閾値時間Th以外の電流増加タイミングで駆動電流量Iを増加させたか否かに関わらず、累積発光時間countと電流増加周期periodのみを用いて閾値時間Thが算出される。
繰上げ時間Tadvの方が絶対値が小さい場合には(S808:YES)、直ちに駆動電流量Iを増加させて(S810)、印刷ジョブを実行する(S811)。その後、当該印刷ジョブを完了したら(S812:YES)、ジョブ完了時間Tjobを新たな累積発光時間countとする(S830)。
累積発光時間countを更新したら、ステップS802に進んで上記の処理を繰り返す。
次に、従来技術と比較することによって本発明の効果を説明する。
(1)従来技術
まず、従来技術について、電流増加周期periodが発光回数にして100回である場合を例にとって、説明する。
光量補正される。一方、OLED201を設定光量で発光させるための駆動電流量Iは発光時間に比例して、点線のグラフ902のように増加する。
このような制御を印刷ジョブの実行と並行して行おうとすると、1ラインを走査するたびに15,000個のOLED201すべてについて個別に制御を行わなければならず、駆動電流量Iを制御するための処理負荷が大きくなって印刷ジョブの実行速度が低下してしまう恐れがあるので、駆動電流量Iの制御はジョブ間でのみ行うのが実用的である。
一方、本実施の形態においては、繰上げ時間Tadvの方が繰下げ時間Tpstよりも絶対値が小さい場合には、印刷ジョブの開始時に駆動電流量Iを増加させる。例えば、図11に示されるように、繰上げ時間Tadvの方が繰下げ時間Tpstよりも絶対値が小さい場合には、当該印刷ジョブの開始時に電流増加タイミングを繰り上げる。このようにすれば、印刷ジョブの完了後に駆動電流量Iを増加させる場合と比較して、駆動電流量I(グラフ1101)とOLED201を設定光量で発光させるための駆動電流量(グラフ1102)との差を小さくすることができるので、画像品質の劣化を防止することができる。
印刷ジョブaは、図12(a)に示されるように、開始時の累積発光時間が290回であるので繰上げ時間Tadvが−10回、完了時の累積発光時間が350回であるので繰下げ時間Tpstが50回となる。従って、繰上げ時間Tadvと繰下げ時間Tpstとの積の符号が負であり、かつ、繰上げ時間Tadvの方が絶対値が小さいので、開始時に駆動電流量Iが増加される。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態においては、閾値時間Th以外の電流増加タイミングで駆動電流量Iを増加させたか否かに関わらず、累積発光時間countと電流増加周期periodのみを用いて閾値時間Thが算出される場合を例にとって説明した。
一方、上記実施の形態によれば、図11の網掛け領域1111〜1113に示されるように、理想量1102に対する実際量1101の誤差に偏りが無い。このため、図14の場合と比較すると、図11では実際量1101の移動平均が理想量1102に近くなる。
光量で発光させることできなくなる恐れがある。
しかしながら、印刷ジョブの実行により電流増加タイミングを繰り上げたり繰り下げたりすると、その時点においては実際量と理想量とに差が生じてしまう。このような差が累積すると、やはり発光量の精度が低下する恐れがある。
このような問題に対して、本変形例においては、以下のような対策を施すことができる。
積算時間更新部1501は、電流増加タイミングが印刷ジョブの開始時である場合には繰上げ時間Tadvを、また、電流増加タイミングが印刷ジョブの完了時である場合には繰下げ時間Tpstを積算時間Tacmに加算する。
図16は、本実施の形態に係る制御部102の動作を表すフローチャートである。図8のフローチャートと共通する処理については同じ符号が付されている。また、図8のフローチャートと共通する処理のうち本変形例の説明に不要な個所は省かれている。以下、本変形例において特徴的な処理に注目して説明する。
また、繰上げ時間Tadvよりも繰下げ時間Tpstの方が絶対値が小さい場合には(S808:YES)、積算時間更新部1501にて積算時間Tacmに繰上げ時間Tadvを加算し(S1611)、さもなければ(S808:NO)、積算時間更新部1501にて積算時間Tacmに繰下げ時間Tpstを加算する(S1612)。
このように、印刷ジョブを実行していないときに、閾値時間Thとは異なる電流増加タイミングで駆動電流量Iを増加させて、実際量と理想量とを一致させれば、より高い精度でOLED201を発光させることができる。
(2)上記変形例においては、電流増加タイミングを調整することによって駆動電流量の実際量と理想量とのずれを解消する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて又はこれに加えて次のようにしてもよい。
。このようにすれば、図18の領域1812を図19の領域1901まで小さくするので、理想量1801に対して実際量1802が不足する領域1811、1902の面積の合計が、理想量1801に対して実際量1802が過剰になる領域1901の面積に等しくなるので、理想量1801に対する実際量1802の過不足が均衡する。
このようにすれば、理想量に対する実際量の過不足を均衡させることができるので、OLED201の発光量をより高い精度で設定光量に近づけることができる。従って、何れのOLED201も設定光量に近い発光量で発光させることができるので、OLED201間の光量差を抑えることができ、スジムラ等を抑制して、高い画像品質を達成することができる。
すなわち、電流増加タイミングを繰り上げる場合には印刷ジョブの開始時に厳密に一致している必要はなく、印刷ジョブの開始以前に繰り上げればよい。また、電流増加タイミングを繰り下げる場合についても印刷ジョブの完了時に厳密に一致している必要はなく、印刷ジョブの完了以後に繰下げれば、本発明の効果を得ることができる。
すなわち、正の数値αを繰下げ時間Tpstの絶対値に加算した値(Tpst+α)と、繰上げ時間Tadvの絶対値とを比較して、繰上げ時間Tadvの絶対値の方が大きい場合に電流増加タイミングを繰り上げる、としてもよい。このようにすれば、電流増加タイミングを繰り下げる確率が高くなり、OLED201に供給される駆動電流量Iを抑えることができるので、OLED201の劣化速度を抑制すると共に、消費電力を抑制することができる。
100…光書込み装置
102…制御部
201…OLED
701…発光時間計数部
702…閾値時間算出部
703…繰上げ時間算出部
704…完了時間算出部
705…変更要否判定部
706…繰下げ時間算出部
707…タイミング決定部
Claims (12)
- 発光素子毎に累積発光時間が予め設定された閾値に達するたびに、当該発光素子の駆動電流量を増加させて光書込みを行う光書込み装置であって、
ジョブ毎に、当該ジョブの実行期間中に前記閾値に達するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記閾値に達すると判定された発光素子毎に、前記閾値に代えて、当該閾値時間と当該実行期間中における当該発光素子の発光時間に応じて、ジョブ開始以前又はジョブ完了以後に、当該発光素子の駆動電流を増加させる制御を行う電流制御手段と、を備える
ことを特徴とする光書込み装置。 - 前記電流制御手段は、ジョブ開始時とジョブ完了時のうち、
ジョブ開始時の方が累積発光時間が前記閾値に近い場合にはジョブ開始以前に駆動電流を増加させ、
ジョブ完了時の方が累積発光時間が前記閾値に近い場合にはジョブ開始以後に駆動電流を増加させる
ことを特徴とする請求項1に記載の光書込み装置。 - 前記電流制御手段が前記制御を行ったか否かに関わらず、前記判定手段は、予め設定された閾値を用いて前記判定を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光書込み装置。 - 前記判定手段は、ジョブ開始時の累積発光時間から前記閾値を減算した繰上げ時間と、ジョブ完了時の累積発光時間から前記閾値を減算した繰下げ時間と、が互いに異なる符号を有するか否かによって、前記判定を行い、
前記電流制御手段は、前記繰上げ時間と前記繰下げ時間とのうち絶対値が小さい方に係る累積発光時間で前記制御を行う
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の光書込み装置。 - 前記繰上げ時間及び前記繰下げ時間を積算する積算手段と、
前記閾値から前記積算値を減算した累積発光時間である補正タイミングにおいて駆動電流量を増加させる制御を行う第2の電流制御手段と、を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の光書込み装置。 - 前記第2の電流制御手段は、
前記積算値の絶対値が所定値以上となった場合に前記補正タイミングを算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の光書込み装置。 - 前記第2の電流制御手段は、
所定数のジョブを実行するたびに前記補正タイミングを算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の光書込み装置。 - 前記第2の電流制御手段は、
所定の累積発光時間ごとに前記補正タイミングを算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の光書込み装置。 - 前記第2の電流制御手段は、
前記閾値にて前記駆動電流量を増加させる場合と比較して、
前記ジョブ開始以前に前記制御を行う場合には当該制御後の駆動電流量が少なく、
前記ジョブ完了以後に前記制御を行う場合には当該制御後の駆動電流量が多く、
なるように前記制御を行う
ことを特徴とする請求項5から8の何れかに記載の光書込み装置。 - 前記電流制御手段は、
前記積算値の符号が正である場合には、当該符号が負である場合よりも、駆動電流量の増加量が少なくなるように前記制御を行う
ことを特徴とする請求項5から9の何れかに記載の光書込み装置。 - 前記発光素子はOLEDである
ことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の光書込み装置。 - 請求項1〜11の何れかに記載の発光装置を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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