JP2016157688A - 試料加工評価装置 - Google Patents

試料加工評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016157688A
JP2016157688A JP2016028291A JP2016028291A JP2016157688A JP 2016157688 A JP2016157688 A JP 2016157688A JP 2016028291 A JP2016028291 A JP 2016028291A JP 2016028291 A JP2016028291 A JP 2016028291A JP 2016157688 A JP2016157688 A JP 2016157688A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
evaluation apparatus
processing evaluation
fib
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016028291A
Other languages
English (en)
Inventor
藤井 利昭
Toshiaki Fujii
利昭 藤井
鈴木 浩之
Hiroyuki Suzuki
浩之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Science Corp
Original Assignee
Hitachi High Tech Science Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Tech Science Corp filed Critical Hitachi High Tech Science Corp
Priority to US15/048,073 priority Critical patent/US9679743B2/en
Publication of JP2016157688A publication Critical patent/JP2016157688A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】試料を加工し、その場でその試料を多方向からの形態評価を容易に行うことができる試料加工評価装置、または、その場でその試料の特性評価ができる試料加工評価装置を提供する。【解決手段】試料7に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒1、2と、試料7の両端を保持する試料ホルダ6と、試料ホルダ6を載置する試料台5と、を備える試料加工評価装置100であって、試料ホルダ6は、試料台5と荷電粒子ビーム鏡筒1、2との間において、回転軸AXを中心として試料7を回転させることが可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、イオンビームで試料を作製し評価する試料加工評価装置に関するものである。
近年、微小な構造物を作製する技術が発展すると共に、その作製した微小構造物を、その場で形状評価や機械的特性評価することが求められる。
従来、集束イオンビーム(以下、FIBと記載)を用いて、マイクロメートル(μm)レベルの微小試料を加工することが知られている。FIBにより試料を切断し、試料が載置された試料台を回転させ、切断面をその場で走査電子顕微鏡(以下、SEMと記載)により観察する方法が存在する(特許文献1参照)。また、FIBによって微細な回転体の加工を行なうことができるイオンビーム加工装置が知られている(特許文献2参照)。
本明細書における特性評価とは、曲げ、捩り、圧縮、加熱冷却、疲労などの機械的特性の評価を指す。微小試料の引張り特性の評価装置として、SEMの試料室に小さな試料を設置し、この試料に引張り力を加えつつ、微小試料をSEM観察することにより微小試料を構成する結晶粒の形状の変化を検出し、局所的な応力と歪を正確に測定する装置が開示されている(特許文献3参照)。
特開2008−039521号公報 特開2008−191120号公報 特開平4−135079号公報
一般的に、評価対象がシリコン半導体デバイスなどの場合、シリコン基板の片側の表面近傍に注目部となる素子が形成されていることが多いため、評価対象の片面のみを加工して、観察することによって、注目部を形態評価する目的は達成される。しかしながら、注目部が対象物の全体に渡って分散した鉱物など天然物や人工構造物の場合、注目部が必ずしも片面表面に集積している訳ではなく、対象物の外周に亘っての加工及び観察が望まれるが、特許文献1などの従来の技術では困難である。
また、機械的評価として引張り評価は重要な項目のひとつであるが、その他に捩りや曲げ、圧縮など評価も引張り評価と同等に重要な評価項目であり、これらの特性評価も求められるが、特許文献2の技術では困難である。
その他の特性評価の例として、試料の曲げ評価の重要性について説明する。一般に、数10mmレベルの大きい部材に対する機械的特性は、同じ材質であってもμmレベルの部材の機械的特性とは一致せず、小さい試料特有の特性が現れるとされている。例えば、シリコン単結晶のmmレベルの角柱(例えば、5mm×5mm×100mmの四角柱)は極めて脆性的で、両端と中央に垂直負荷を掛ける、所謂三点曲げ試験を行なうと、試料は殆ど曲がること無く脆性的に破断する。しかし、同じシリコン単結晶であっても、例えば、5μm×5μm×100μmの小さい四角柱では弾性的な性質が現れる。このように、近年では、MEMS(微小電気機械システム)部品のようなμmレベルの微細構造物が作製されるが、それらの小さい試料の機械的評価が十分に成されてないのが実情である。この観点で、特許文献2には、引張り評価以外の機械的特性を評価できる記載はない。
また、評価対象試料が、例えば、断面が5μm×5μmで長さが数mmのような細長柱などでは、試料を評価装置外で作製して評価装置に搭載すること自体が試料を破損させる危険性が極めて高い。また、試料を評価装置外で作製することで、変形や酸化などの化学的変質によって機械的特性が変化しているリスクがある。そこで、人手で扱える直径1mm前後の試料を事前に作成して、この試料を評価装置に設置し、その評価装置内で特性評価用の小さい試料に加工して、その場で評価することが得策となる。この観点で、特許文献2には、SEM内で試料を引張評価することが示されているが、同じ評価装置内で試料を作製して、その場で評価できる技術ではない。
さらに、試料に加工する手段として特許文献3には、片持ち状態でFIB加工することは記載されているが、その被加工物の外周の形態評価や特性評価を行なうものではない。
本明細書における試料の特性評価とは、曲げ、捩り、圧縮、加熱冷却、疲労などの機械的特性の評価を指し、本発明による試料加工評価装置は、同じ装置内で評価用の試料を作製(加工)し、同じ試料室内でその試料を多方向から形態評価や特性評価ができる装置である。
また、試料加工評価装置は単に特性値を求めるだけではなく、負荷を与えた状態で評価試料の表面や内部の顕微鏡観察や分析する評価も含む。
上記に鑑み、本発明の目的の一つは、試料を加工し、その場でその試料を多方向から容易に形態評価を行うことができる試料加工評価装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、試料を加工し、その場でその試料の特性評価ができる試料加工評価装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のような試料加工評価装置を提供した。
本発明の試料加工評価装置は、少なくとも試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、前記試料の両端を保持する試料ホルダと、前記試料ホルダを載置する試料台とを備え、前記試料ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間において、回転軸を中心として前記試料を回転させることが可能である。
本発明の一態様として、例えば、試料に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム鏡筒と、前記集束イオンビームの前記試料への照射位置に一致するように電子ビームを照射する電子ビーム鏡筒と、前記試料の両端を保持する試料ホルダと、前記試料ホルダを載置する試料台とを備え、前記試料ホルダは前記試料台と前記集束イオンビーム鏡筒との間にあって、前記集束イオンビーム鏡筒の集束イオンビーム照射軸と前記電子ビーム鏡筒の電子ビーム照射軸が作る面に垂直な回転軸を有し、前記回転軸を中心として前記試料を回転させることが可能である。
本発明の一態様として、例えば、前記試料ホルダは、前記回転軸を中心として前記試料を360°回転させることが可能である。
本発明の一態様として、例えば、前記回転軸は、前記試料台の前記試料ホルダを載置する面に対し、実質的に平行に設定されている。
本発明の一態様として、例えば、前記試料ホルダは、前記試料台に着脱可能に配置された基台と、前記基台に回転可能に保持され、前記回転軸に平行な回転シャフトと、前記回転シャフトに固定され、前記試料を直接に保持する保持部とを備えている。
本発明の一態様として、例えば、前記試料面をクリーニングするガスイオンビームを照射するガスイオンビーム鏡筒を更に有している。
本発明の一態様として、例えば、前記ガスイオンビームの照射によってクリーニングされた前記加工面に前記電子ビームを照射して得られる画像信号から当該加工面の画像データを生成する像形成部と、前記像形成部で形成した画像データを保存する計算処理部と、を更に備える。
本発明の一態様として、例えば、前記画像信号は、前記集束イオンビーム、前記電子ビーム、前記ガスイオンビームのうちの少なくとも一つの照射によって前記加工面から発生する二次電子の二次電子信号、反射電子の反射電子信号、蛍光X線の蛍光X線信号、後方散乱電子の後方散乱電子信号のうちの少なくともいずれか一つである。
本発明の一態様として、例えば、前記計算処理部は取得した複数の画像データを用いて前記試料の立体画像、展開画像、三次元画像のうちの少なくともいずれか一つを構築する。
本発明の一態様として、例えば、試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、前記試料の両端を固定する試料ホルダと、前記試料ホルダを載置する試料台と、を備え、前記試料ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間において、前記試料に対して負荷を与える負荷手段を有している。
本発明の一態様として、例えば、前記負荷は、捩り力、曲げ力、加熱、冷却のうちの少なくともいずれかである。
本発明の一態様として、例えば、前記荷電粒子ビームは、集束イオンビーム、電子ビーム、ガスイオンビームのうちの少なくともいずれかである。
本発明の一態様として、例えば、前記試料ホルダは、前記試料台に着脱可能に配置される基台と、前記基台の上に配置された回転制御部と、前記試料の両端を保持する保持部と、前記回転制御部と前記保持部を連結するシャフトとを備え、前記回転制御部の制御信号に基づき前記シャフトが回転し、前記保持部により保持された前記試料を回転する。
本発明の一態様として、例えば、前記試料を加熱する加熱器が前記保持部に設けられる。
本発明によれば、試料を加工し、その場でその試料を多方向から容易に形態評価を行うことができる試料加工評価装置を提供できる。または、試料を加工し、その場でその試料の特性評価ができる試料加工評価装置を提供できる。
本発明に係る実施形態の試料加工評価装置の全体構成図である。 実施形態の試料加工評価装置の要部構成図であって、試料台の動作と各鏡筒との配置関係を示す図である。 試料台の上に載置され、対象試料の一例として薄片試料を保持する試料ホルダの詳細な構成を示す斜視図である。 薄片試料を回転させる試料ホルダの作用を示す模式図であり、(A)は試料に加工面が形成されることを示す図であり、(B)は試料が回転されて、その加工面にEBを照射して観察している様子を示す図である。 (A)および(B)は従来の試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を説明するための図である。 (A)および(B)は従来の試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を説明するための図であって、図5の続きである。 (A)および(B)は従来の試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を説明するための図であって、図6の続きである。 (A)および(B)は本発明の一実施形態による試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を説明するための図である。 (A)〜(C)は本発明の一実施形態による試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を説明するための図である。 本発明の一実施形態による試料加工評価装置によるTEM観察用薄片試料の作製手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による試料加工評価装置による試料の作製手順を示す別のフローチャートである。 試料台の上に載置され、薄片試料を保持する試料ホルダの別実施形態の詳細な構成を示す斜視図である。 試料ホルダと試料台(一部)の断面図である。 試料ホルダの動作を説明する断面であり、(A)は試料の集束イオンビーム、集束電子ビーム、クランプの関係を示す図で、(B)は(A)から試料ホルダを回転軸周りに90°反時計廻りに回転させた時の位置関係を示す図で、(C)は(B)からさらに回転軸周りに90°反時計廻りに回転させた時の位置関係を示している。 本発明に係る実施形態の試料加工評価装置によって得られた画像情報から再構築した試料の三次元構造の模式図であり、(A)は再構築された立体像、(B)は再構築された立体像の斜断面を露出させた時の立体像を示す。 本発明に係る実施形態の試料加工評価装置によって得られた画像情報から再構築した試料の三次元構造の模式図であり、(A)は再構築された三次元像の模式図であり、(B)は試料の展開図である。 (A)〜(D)は実施形態の試料加工評価装置による試料評価手順を説明するための図である。 実施形態の試料加工評価装置による試料評価手順を説明するフローチャートである。 試料台の上に載置され、試料を保持する試料ホルダの詳細な構成を示す斜視図である。 試料ホルダの別実施形態を示す図である。 実施形態の試料加工評価装置による試料の捩り評価を行う手順を説明するフローチャートである。 実施形態の試料加工評価装置による試料の捩り評価を行う別の手順を説明するフローチャートである。 本発明に係る試料加工評価装置における別の実施例の主要部を示す概略構成図である。
(実施形態例1)
以下、本発明に係る試料加工評価装置の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の試料加工評価装置100の全体構成を示す。試料加工評価装置100は、第1の荷電粒子ビームとしての集束イオンビーム(FIB;Focused Ion Beam)を照射するFIB鏡筒(集束イオンビーム鏡筒)1と、第2の荷電粒子ビームとしての電子ビーム(EB;Electron Beam)を照射するEB鏡筒(電子ビーム鏡筒)2と、第3の荷電粒子ビームとしてのガスイオンビーム(GIB;Gas Ion Beam)を照射するGIB鏡筒(ガスイオンビーム鏡筒)3とを備えている。FIB鏡筒1、EB鏡筒2、GIB鏡筒3は、それぞれ異なる荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒として把握される。
FIB鏡筒1は、液体金属イオン源又はプラズマイオン源を備えており、直径100nm以下の集束イオンビームを形成することができ、試料を積極的に加工できる。また、GIB鏡筒3は、PIG型などの気体イオン源を備えていて、FIB鏡筒1による集束イオンビームほど集束しないイオンビームで、集束イオンビームによる加工面を清浄化するなどの目的で用いる。GIBイオン源は、イオン源ガスとして、ヘリウム、アルゴン、キセノン、酸素、窒素などを用いる。
試料加工評価装置100はさらに、EB、FIB、またはGIBの照射により試料(試料片)7から発生する二次電子の二次電子信号を検出する二次電子検出器4を備えている。また、EBの照射により試料7から発生する反射電子の反射信号を検出する反射電子検出器を備えていても良い。その他、試料から発生する蛍光X線の蛍光X線信号を検出する蛍光X線信号検出器、後方散乱電子の後方散乱電子信号を検出する後方散乱電子信号検出器を設けてもよい。これらの検出器は、後述するように試料7の加工面から発生する電子等を検出する。
試料加工評価装置100はさらに、試料7を保持・固定する試料ホルダ6と試料ホルダ6を載置する試料台5とを備える。試料台5は、図示せぬXYZの三軸方向に移動可能である。さらに試料台5は、後に述べるように傾斜、回転することもできる。試料ホルダ6は試料台に着脱可能で、試料台から外した場合は、通常のFIBとSEMの複合装置である。
試料加工評価装置100はさらに、試料台制御部15を備える。試料台制御部15は図示せぬ駆動機構を制御してXYZの三軸方向に試料台5を移動させる。さらに試料台制御部15は、傾斜駆動部8を制御して試料台5を傾斜させるとともに、回転駆動部10を制御して試料台5を回転させる。
試料加工評価装置100はさらに、試料ホルダ制御部60を備える。試料ホルダ制御部60は、試料台5の上に配置された試料ホルダ6を駆動することにより、試料7の向きを所望の向きに設定する。試料ホルダ6の構成及び作用の詳細は後に述べる。
試料加工評価装置100はさらに、FIB制御部11と、EB制御部12と、GIB制御部13と、像形成部14と、表示部18とを備える。EB制御部12はEB鏡筒2からのEB照射を制御する。FIB制御部11はFIB鏡筒1からのFIB照射を制御する。GIB制御部13はGIB鏡筒3からのGIB照射を制御する。像形成部14は、EBを走査させる信号と、二次電子検出器4で検出した二次電子の二次電子信号とを含む画像信号からSEM像を形成する。表示部18はSEM像等の観察像や装置の各種制御条件等を表示することができる。また、像形成部14は、FIBを走査させる信号と、二次電子検出器4で検出した二次電子の信号とからSIM像を形成する。表示部18はSIM像を表示することもできる。
試料加工評価装置100はさらに、入力部16と、制御部17を備える。オペレータは装置制御に関する条件を入力部16に入力する。入力部16は、入力された情報を制御部17に送信する。制御部17は、FIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、表示部18、試料ホルダ制御部60に制御信号を送信し、装置の全体を制御する。
装置の制御について、例えば、オペレータは表示部18に表示されたSEM像やSIM像などの観察像に基づいて、FIBやGIBの照射領域を設定する。オペレータは表示部18に表示された観察像上に照射領域を設定する加工枠を入力部16により入力する。さらに、オペレータは加工開始の指示を入力部16に入力すると、制御部17からFIB制御部11又はGIB制御部13に照射領域と加工開始の信号が送信され、FIB制御部11からFIBが、又はGIB制御部13からGIBが、試料7の指定された照射領域に照射される。これによりオペレータが入力した照射領域にFIBまたはGIBを照射することができる。
また、試料加工評価装置100は、試料7のEB、FIB、またはGIBの照射領域付近にエッチングガスを供給するガス銃19を備えている。エッチングガスとして、塩素ガス、フッ素系ガス(フッ化キセノン、炭化フッ素など)、ヨウ素ガスなどのハロゲンガスを用いる。試料7の材質と反応するエッチングガスを用いることで、EB、FIB、またはGIBによるガスアシストエッチングを施すことができる。特にEBによるガスアシストエッチングは、イオンスパッタによるダメージを試料7に与えずにエッチング加工することができる。このガス銃19はガス銃制御部20によって、ガスの選択、ガス銃の移動などの制御がなされる。
試料加工評価装置100はさらに、計算処理部21を備える。計算処理部21は、像形成部14によって生成された画像信号に対応するSEM像などの画像データ、試料ホルダの制御データなど種々のデータを蓄えると共に、それぞれのデータを基に計算する。例えば、四角柱の試料について四側面のSEM画像を合成して立体像のように表示部18に表示させたり、必要に応じて、任意の方向に回転させて表示させたりできる。
図2は、試料加工評価装置100の要部であって、試料台5の動作と各鏡筒との配置関係を示す。FIB1b又はGIB3bで加工中の試料7をSEM観察するために、FIB鏡筒1のFIB照射軸(集束イオンビーム照射軸)1aとEB鏡筒2のEB照射軸(電子ビーム照射軸)2a、及び、EB鏡筒2のEB照射軸2aとGIB鏡筒3のGIB照射軸(ガスイオンビーム照射軸)3aは、試料台5の移動により位置調整された試料7上で交差するように配置されている。すなわち、FIB鏡筒1のFIB1bの照射位置と、EB鏡筒2のEB2bの照射位置と、GIB鏡筒3のGIB3bの照射位置は、試料7上で一致する。
試料台5の上面は、試料台5が基準位置にある場合、FIB照射軸1aと直交する関係にあり、また、試料台5の傾斜軸8aは、FIB照射軸1aとGIB照射軸3aとがなす第1の面31の面内に位置し、傾斜軸8aを中心に傾斜機構としての傾斜駆動部8により傾斜することができる。すなわち、傾斜機構としての傾斜駆動部8が、制御部17さらには試料台制御部15の制御の下で駆動し、矢印Aに示すように試料台5を傾斜できる。
なお、FIB照射軸1aとEB照射軸2aとがなす第2の面32は、第1の面31と直交関係にある。
試料台5は、また、回転駆動部10によりFIB照射軸1a軸を中心に試料7を平面内で回転する回転操作も可能となっている。すなわち、回転機構としての回転駆動部10が、制御部17さらには試料台制御部15の制御の下で駆動し、矢印Bに示すように試料台5を平面内で回転させる。回転機構としての回転駆動部10にはサーボモータ等種々のものが使用可能であり特にその種類は限定されない。
次に、試料台5の上に配置された試料ホルダ6の構成、動作、作用について説明する。図3に示すように、試料ホルダ6(ここでは試料ホルダ6A)は、試料台5の上に直接配置された一組の支持部材61(61a,61b)と、一組の回転シャフト63(63a,63b)と、一組の回転シャフト63の各々に固定され、試料7を直接に保持する保持部としてのクランプ65(65a,65b)とを備える。
一組の支持部材61(61a,61b)は試料台5の任意の位置に固定され(取り外し可能であってもよい)、一組の支持部材61(61a,61b)の各々に、回転シャフト63(63a,63b)が回転可能に保持されている。回転シャフト63a,63bは、同一の矢印C方向に回転する。回転シャフト63a,63bに固定されたクランプ65a,65bの各々は、試料7の長手方向の両端部を挟み込んで保持する。
オペレータが、回転シャフト63a,63bにより試料7を回転させる制御に関する件を入力部16に入力する。入力部16は、入力された情報を制御部17に送信する。制御部17は、試料ホルダ制御部60に制御信号を送信し、試料ホルダ制御部60は、回転シャフト63a,63bに駆動信号を送信して回転シャフト63a,63bを回転させる。
回転シャフト63a,63bの回転とともにクランプ65(65a,65b)が試料7を保持した状態で回転シャフト63(63a,63b)が矢印C方向に回転するため、試料7も矢印C方向に回転する。すなわち、試料7は、回転シャフト63a,63bに平行な回転軸AXを中心として、360°回転可能である。なお、本実施形態では、回転シャフト63a,63bは回転軸AX上にあり、回転軸AXは試料台5の傾斜軸8aに平行の関係にある。また、試料ホルダ6Aの回転軸AXは、試料台5の傾斜軸8aのΔZ(例えば2mm)上空にあるため、試料7を加工、観察する際には、試料台5をZ軸方向にΔZだけさげて行うことで、FIB1bによる加工部分をその場で、EB2bによって観察できる。
前記の様に試料7を試料台5の上、特に試料台5と、FIB鏡筒1およびEB鏡筒2との間において、回転軸を中心として回転させた結果、試料7の外周が試料台5の上側、すなわちFIB鏡筒1、EB鏡筒2、GIB鏡筒3が配置された側を向くことが可能となる。よって、試料7を試料加工評価装置100から取り出すことなく、試料7の両面(表面、裏面)を含む外周全体(ここでは図3における斜線部を意味する)を観察、加工することが可能となる。
なお、傾斜駆動部8の駆動により、矢印Aに示すように試料台5を傾斜させることにより(図2参照)、試料7を回転させることもできるが、基準位置から±60°程度であり、試料ホルダ6Aの回転操作の様に、試料7を360°回転させることはできない。また、試料ホルダ6Aは試料7を直接保持するため、試料台5の傾斜に比べ正確に試料7の位置を制御することができる。
図4は上述した試料7を回転させる試料ホルダ6Aの作用を示す模式図である。図4(A)は、試料7の一部がFIB1bを照射することにより加工面(切断面)7aが形成されることを示している。図4(B)は、試料7が試料ホルダ6Aを用いて回転軸AXを中心に矢印C方向に回転されて、その加工面にEB2bを照射して観察している様子を示している。つまり、加工面(切断面)7aに対するEB2bの照射角度、照射位置等を微調整することができ、試料7の加工、観察をより精度良く行うことができる。図4(B)の場合は特にEB2bと加工面7aが垂直の関係にある場合を図示しているが、加工面7aに対する入射EB2bの角度はこれに限らない。本実施形態によれば、試料7の外周全体を観察、加工することが可能となるのみならず、試料7の加工面等の加工、観察の微調整が可能となる。
前記の実施形態では、試料加工評価装置として試料加工評価装置100を挙げたが、本発明は試料加工評価装置100のみならず、単一の荷電粒子ビームを照射する試料加工評価装置にも適用される。
前記の説明では、FIB鏡筒1が鉛直方向に配置されているが、FIB鏡筒1とEB鏡筒2とを入れ替えて配置しても良い。
(実施形態例2)
次に、本発明による試料加工評価装置の別の実施形態例について説明する。
図2に示す試料加工評価装置を用いてTEM試料を作製する。TEM試料はTEM観察する箇所の厚さが10〜100nm程度の薄片部であり、試料の破損を防ぐために取扱いに注意を要する。また、FIB照射面には表面から10〜20nm程度のFIB照射による加工損傷層(非晶質層)が発生する。この加工損傷層がTEM観察像を不明瞭にする。このように、TEM観察においては薄片部の表裏面への異物付着や、薄片部のFIB照射による加工損傷が観察に大きく影響するため、薄片部の両面について付着異物や加工損傷の除去が必要となる。薄片部への付着異物やFIBの加工損傷の除去(クリーニング)は低加速エネルギのGIBの照射によって行なう。
TEM試料の作製には、FIB鏡筒とEB鏡筒とGIB鏡筒を備えた複合装置で行なう。まず、従来の手順を、図5〜図7を用いて説明する。
図5は、従来装置における手順を示した図であり、薄片試料の断面と各ビームの位置関係を説明するための模式図である。図5(A)は、FIB1bによって試料7が厚さ100nm程度に加工された状況を示している。FIB1bによる加工面(側面)7A、7Bの表面にはそれぞれ加工損傷層74A、74Bが形成されている。ここで、試料7の加工面7A、7BはFIB照射軸1aに平行である。
図5(B)は加工面7Aの加工損傷層74Aを除去するために、試料をFIB照射軸1aに対して(つまり、試料台を基準である水平面に対して)10°時計回りに傾斜させた後、加工面にGIB3bを照射している状況を示している。GIB3bは加速電圧が1kV程度、若しくはそれ以下の低エネルギビームであり、ビーム直径が数μmとFIBに比べて太く、GIB3bを走査することで加工面7A全面を軽く弾き飛ばすことができる。こうして加工面7Aの付着異物や加工損傷層を除去(クリーン化)できる。
図6(A)は、クリーン化した加工面7AにEB2bを走査している様子を示す図である。EB2b走査によって得られるSEM画像の鮮明度から加工損傷層74Aの除去状況が確認できる。
図6(B)は、試料7を図6(A)の状態から反時計回り方向に20°試料台を傾斜(FIB照射軸1aに対して10°反時計回りに傾斜)させ、加工面7BにGIB3bを照射する様子を示している。試料台の傾斜によって、加工面7BをGIB3bでクリーン化できる。しかしながら、この状態では、GIB3bの照射後の加工面7BをEB2bで観察することができない。そこで、試料7を図6(A)の状態から試料台を180°回転させる。つまり、図6(B)の操作を行なわない。
図7(A)は、試料台を180°回転させた後の薄片試料の姿勢を示している。加工面7AがGIB3bの照射を受ける位置にあるので、ここで、試料台を時計回りに約20°傾斜させる。
図7(B)は、加工損傷層74Bを有する加工面7BがEB2b照射を受けられる位置で、低エネルギのGIB3b照射による加工面7Bがクリーン化され、クリーン化した姿勢でクリーン化された加工面7BにEB2b照射することでクリーン化した加工面7BをSEM観察している状態を示している。
このように加工面7Bのクリーン化と加工面7BのSEM観察ができる。このような手順によって、薄片試料7の両面に加工損傷層74A、74Bがない理想的なTEM試料ができる。しかしながら、図5(B)、図7(B)での試料台の傾斜や図7(A)の試料台の回転は、時間を要し、観察視野から外れる場合が多く、試料を観察視野に戻して次の作業を実行するまでに時間を要する問題点がある。
そこで、本発明による試料加工評価装置を用いたTEM試料作によって前記の問題点を解決できる。図8は、本実施形態による試料加工評価装置における手順を示した図である。
図8(A)は、図5(A)と同様、初期の位置にあって、試料7の両面がFIB1b照射によって加工され、各々の加工面7A、7Bには加工損傷層74A、74Bが形成されている状態を示している。ここで、FIB1b(FIB照射軸1a)は加工面7A上に有るように図示されているが、試料7の厚さ(紙面上では横幅)が100nm程度と薄いため、FIB1b偏向によって加工面7Bも加工できる。
図6(B)は、次に加工面7Aをクリーン化するために、試料ホルダ6Aを回転軸AX中心に10°時計回りに回転させる。ここで、低エネルギのGIB3bを加工面7Aに照射することで加工面7Aのクリーン化ができる。GIB3bはビーム直径が数μmと太いため、わずかにビーム走査することで、加工面7Aの全面をクリーニングすることができる。
図9(A)は、クリーン化した加工面7AをEB2b走査してクリーン化された加工面7AでSEM観察している状況を示している。また、別の手順として、試料ホルダを回転軸AX中心にさらに所定の角度時計回りに回転させ、EB2bが加工面7Aに垂直照射できる位置関係にしてSEM観察してもよい。この所定の角度とは、荷電粒子ビーム複合装置の構成であるEB照射軸とFIB照射軸の成す角度とクリーン化時の試料の傾斜角から求めることができる。例えば、EB照射軸とFIB照射軸の成す角度が50°、クリーン化時の試料の傾斜角が10°なら、所定の角度は40°である。このようにして試料台を傾斜させることなく、クリーン化した加工面をEB2bによって垂直視することができる。
図9(B)は、加工面7Bをクリーンする状況を示している。図9(A)の状態から試料ホルダを回転軸AX中心に180°回転させることで、加工面7BがGIB3b照射を受けられる位置となる。ここで、低エネルギのGIB3bを加工面7Bに照射することで加工面7Bの加工損傷層74Bが除去できクリーン化できる。
図9(C)は、加工面7Bをクリーン化した状態で、加工面7BにEB2b走査することで加工面7BをSEM観察できる。また、別の手順として、試料ホルダを回転軸AX中心にさらに所定の角度時計回りに回転させ、EB2bが加工面7Bに垂直照射できる位置関係にしてSEM観察してもよい。また、試料7の背後(EB2bの進行方向)に透過電子検出器(不図示)を配置することで、加工面の両面をクリーン化した試料7にEB2bを走査することで、試料7を透過した電子による画像である走査透過電子(STEM)像を得ることができ、TEM観察用の試料として適しているかの判断ができる。もし、STEM像から両面クリーン化した試料7に汚れや不鮮明な箇所が見つかれば、その場で、または、試料ホルダを回転させて加工面7AをGIB3b照射できる位置関係にして、再度GIB3bを照射してクリーン化を促進させてもよい。
このように、本発明による試料加工評価装置によれば、試料台を傾斜や回転すること無く、FIB加工した薄片試料の両面をGIB3b照射によってクリーン化し、EB2bによってSEM観察またはSTEM観察することができ、試料台の傾斜や回転に伴う時間の浪費を削減できる。また、従来手順(図5〜図7)ではできなかったクリーン化後の試料面をSEMで垂直視することができ、より詳細に観察できる。
次に、本実施の形態による試料加工評価装置における動作手順を説明する。図10は、TEM試料のような薄片試料を作製する場合の動作手順を示すフローチャートである。まず、制御部17は試料台を移動させ、試料がFIBによる加工位置に来た時がフローの開始である(ステップS010)。制御部17は、FIBを試料の両面に照射し、厚さ100nm程度の薄片試料に加工する(ステップS110)。
次に制御部17は、試料ホルダ6を10°時計回りに回転させる(ステップS120)。続いて制御部17は、薄片試料に低エネルギのGIBを照射し、薄片試料の側面(加工面)をクリーン化する(ステップS130)。
クリーン化された加工面にEB照射して加工面を観察する(ステップS140)。この時、像形成部14が、EBを走査させる信号と、二次電子検出器4で検出した二次電子の信号とを含む画像信号から加工面の画像を生成し、表示部18が当該画像を表示する。また、この画像信号に対応した画像データを計算処理部21が記憶し、記憶した画像データをもとに計算処理部21が画像を形成し、表示部18が当該画像を表示してもよい。
次に制御部17は、試料ホルダを180°時計回りに回転させる(ステップS150)。このステップよって、試料はクリーン化されてない試料の片面がGIB照射を受ける位置に設置される。なお、ステップS130とステップS140の間に、加工面をEB軸に垂直になるように試料ホルダ6を回転調整してもよい。続いて制御部17は、試料に低エネルギのGIBを照射し、試料の他面をクリーン化する(ステップS160)。
更にステップS140と同様の要領にて、クリーン化された加工面にEB照射して加工面を観察する(ステップS170)。なお、ステップS160とステップS170の間に、加工面をEB軸に垂直になるように試料ホルダを回転調整してもよい。前記一連のフローを行なうことにより、試料台5を傾斜、回転、移動させることなく、試料の薄片化加工(TEM試料作製加工)が終了する(ステップS180)。
このようなステップS100からステップS180を、制御部17が連続的にEB制御部12、FIB制御部11、GIB制御部13、試料ホルダ制御部60を連動させることで、自動的に試料の2面を加工とクリーン化することができる。
なお、図10のフローチャートでは、図8、図9のような加工面がAとBの2面のみであったが、本発明はこれに限られることはなく、三角柱の試料であれば3面、四角柱なら4面を加工するフローを繰り返せばよい。
また、ステップS110は、片面ずつクリーン化の直前に行なってもよいが、後で加工とクリーン化した際に発生するスパッタ粒子が、先にクリーン化した加工面に付着して、汚してしまうリスクがあるため、加工後にTEM観察するような試料では好ましくない。逆に、加工面のSEM像を取得するだけなら、加工面ごとにFIB照射による加工、GIBによるクリーン化、EBによる観察を繰り返しても良い。
図11は、加工面ごとにFIB照射による加工、GIBによるクリーン化、EBによる観察を繰り返す場合のフローチャートである。図11において、ステップ番号が図10の同じものは、各ステップで同じ作業を行なう。
作業フロー開始(ステップS010)後、加工すべき試料の面数を設定する(ステップS050)。試料が三角柱なら3面、四角柱なら4面、n角形ならn面とする。また、試料がたとえ四角柱であっても、加工済みの面を再度加工して、全側面について加工とクリーン化、画像取得を繰り返して行なうような場合は、4の整数倍を設定すればよい。
次に、試料の1面をFIBによって加工を行なう(ステップS111)。継続するステップS120からステップS140は前記と同じである。ステップS140完了後、直前のステップS140で観察した積算面数がステップS050で設定した面数と同じか否かの判断を下す(ステップS145)。同じならフローチャートのY方向に進み、違っていればN方向に進む。
N方向に進むと、次のステップとして、試料ホルダ6を所定角だけ回転させる(ステップS150)。この所定角とは、試料の面数から求めることができる角度であり、四角柱なら90°、正三角柱なら120°、正六角柱なら60°などである。
ステップS150を終えると、ステップS111に戻り、以下、ステップS145まで進み、観察した積算面数がステップS050で設定した面数と同じになるまで繰り返し、同じになった時、フローチャートのY方向に進んで、一連のフローは終了する(ステップS180)。
(実施形態例3)
次に、本発明に係る試料加工評価装置において、試料ホルダ6の別の実施形態について説明する。
図12は試料を回転させる別の試料ホルダ6Bを説明するための斜視図である。図3で示した実施例(試料ホルダ6A)と最も異なる点は、矢印Cで示すように、自発的に回転する回転シャフト63bが試料7の片側一方だけに存在し、試料7の他端の回転シャフト63aはスムーズに回転するために支持部材61cによって、回転可能に支持されているだけの構造になっていることである。試料7の回転ブレを防ぐための両端支持が試料の両側に在る場合、両側の回転シャフト63の回転タイミングの僅かなズレ、回転速度の僅な違いによって、試料7に捩り力が発生し、微細な試料7は即座に破壊される危険性がある。このため、自発的に回転する回転シャフト63bを試料7の片側一方だけに配置し、他端の回転シャフト63aは自発的に回転せず、回転シャフト63bの回転に追従するのみである。
図12において、試料ホルダ6Bは、試料台5の上に直接に配置された一組の支持部材61(61c,61b)と、一組の回転シャフト63(63a,63b)と、一組の回転シャフト63の各々に固定され、試料7を直接に保持する保持部としてのクランプ65(65a,65b)と、クランプ65から回転軸に垂直方向に伸びる腕部71(71a,71b)と、腕部71a,71bを繋ぐ連結部72を備える。回転シャフト63aは、クランプ65a、腕部71a、連結部72、腕部71bのような剛体を介して回転シャフト63bに繋がっているため、回転力は試料7に伝わることなく、支持部材61bに対する回転シャフト63bの回転角は、回転シャフト63aにズレ無く伝わる。このため、試料7には両端でねじれが生じることなく、360°軸回転できる。
これらの試料ホルダ6Bの部品は基台81に固定設置され、基台81は試料台5に着脱できる。試料7の試料ホルダ6Bへの設置は、試料加工評価装置から取り出した基台81に一体化した試料ホルダ6Bを、光学顕微鏡(不図示)などの顕微鏡の下で固定する。
基台81と試料台5の試料7直下には、凹部82がある。凹部82は、試料7の近傍を通過するか、試料7を加工して試料を通過したFIB1bが基台81もしくは試料台5を照射し、その照射部から発生したスパッタ粒子が加工し終えた試料7面に付着し、折角の加工面の清浄さを損ねることを防止するために設けられている。
図13は、回転軸AXに垂直で、試料7のほぼ中央部を通る試料ホルダ6Bの断面図であり、試料7、クランプ65b、腕部71b、連結部72、試料台5、凹部82の位置関係を示している。試料7を通過したFIB1bは、凹部82の深い底面83を照射する。凹部82は試料台5における表面85での開口より底部の方を広くしており、FIB1bが照射した底面83から発生したスパッタ粒子84が凹部82の外に出にくく、特に試料7に付着しないようにしている。また、凹部82の底面83は試料台5の表面85に対して傾斜させ、スパッタ粒子84が試料に付着する量を極力少なくするようにしている。こように、底面83が深いことと凹部82の形状から、試料7に到達するスパッタ粒子の量は格段に低減される。望ましくは、凹部82は試料台5を貫通する穴であれば最良である。
試料7が基準位置にある場合、連結部72は試料7の真下に無く、試料7直下の凹部82を塞がない位置で、かつ、FIB1bが直接照射できない位置にある。また、試料7を360°回転させても、試料台、FIB鏡筒、EB鏡筒、GIB鏡筒に接触することが無い寸法であり、試料7の加工面をEBで観察する場合も、試料面から発生する二次電子が、二次電子検出器に到達するのを妨害することも無い。
次に、図12、図13に示した試料ホルダ6Bを搭載した試料加工評価装置を用いて四角柱の試料を加工する方法について説明する。
本発明による試料加工評価装置では、例えば、予め成形した1辺100μmの正方形断面で、長さ4mmに加工した四角柱試料(例えば、鉱物、ホイスカー)に対して、4側面をFIBで切削加工し、加工した4面をSEMで画像取得して、計算処理部21に画像データを記憶する。計算処理部21は蓄えた4側面のSEM像を合成してSEM画像による四角柱の展開画像や立体画像、三次元画像を再構築することができ、対象とする試料の4方向からの像を観察することができる。
また、FIB1bによる切削面と切削厚さの情報を計算処理部21に記憶しながら、4側面の切削加工と画像取得の作業を繰り返して、計算処理部21に画像データを記憶する。計算処理部21に蓄えた切削面、切削厚さ、SEM画像データから四角柱の内部形態まで把握できる三次元像を再構築することができる。例えば、角柱試料中にある空孔や特殊形態の異物を立体像として再現できる。
このように、4側面の切削加工と画像取得の作業を繰り返す方法を、試料ホルダ6Bを用いた実施例で説明する。図14は、図12、図13の試料ホルダ6Bのみを抜き出して示した図である。図14(A)から(C)の順に回転させて加工と観察すること示している。
図14(A)は、試料7の側面(加工面)7Aと7Cを加工する工程を示している。FIB1bを加工すべき側面7Aまたは7Cに接近させて、側面7A及び7Cを予め定めた厚さ(例えば、10nm、20nm、50nm、100nm)だけ切削する。この時、連結部72は右下にあって、FIB1bによる試料7の加工を妨げないし、FIB1bが直接、連結部72を照射することもない。また、試料7を通過したFIB1bは試料台5の表面を照射するとことが無く、試料台5の表面からのスパッタ粒子が、試料台5の表面に対面する側面7Dに付着することも無い。側面7A及び7Cの切削が完了すれば、EB2bによって、側面7AのSEM画像を取得し、計算処理部21に画像データを保存する。ここで、EB2bによる側面7AのSEM画像を取得する直前に、側面7AにGIB3bを照射して切削面を清浄化(クリーニング)してもよい。切削面の清浄化によってSEM画像の鮮明度が増す利点がある。その後、試料ホルダの回転軸を反時計回りに90°回転させる。
図14(B)は、回転後の試料ホルダの断面図である。ここで、前の工程で加工済みの側面7Cは上面に位置しているので、まず、側面7CのSEM画像を取得する。ここで、EB2bによるSEM画像を取得する直前に、加工面にGIB3bを照射して切削面を清浄化してもよい。
続いてFIB1bにより試料の側面(加工面)7Bと7Dを加工する。加工後、EB2bによって、側面7BのSEM画像を取得し、計算処理部21に画像データを保存する。ここで、EB2bによるSEM画像を取得する直前に、加工面にGIB3bを照射して切削面を清浄化してもよい。その後、試料ホルダの回転軸を反時計回りに90°回転させる。
図14(C)は、回転後の試料ホルダの断面図である。先の工程で加工済みの側面7Dは上面に位置しているので、側面7DのSEM画像を取得する。ここで、EB2bによるSEM画像を取得する直前に、加工面にGIB3bを照射して切削面を清浄化してもよい。
これら、一連の作業により、4側面7A、7B、7C、7DのSEM画像が取得できる。なお、上述の側面のFIBによる切削加工、GIBによる清浄化、EBによる画像取得、画像データ保存、試料ホルダの回転を連続して自動的に行なうように各制御機器を連動させるように制御することで、人手を介さずに大量のデータを得ることができる。
上述した側面のSEM画像データを用いて4側面の展開SEM画像が合成できる。また、四角柱状に合成して、試料の軸回りに回転させながら立体SEM画像を観ることができる。
なお、前記の実施例では、EB2bによる加工面の画像取得は、FIB1bの加工直後としたため、EB2bは加工面に対して斜めに入斜している。この方法に限らず、FIB1b直後に回転調整して、加工面がEB2bに垂直関係となるようにした後、SEM画像を取得してもよい。この場合でも、連結部72がEB2b照射を邪魔することは無く、加工面を垂直視することができる。また、加工面がEB2bに垂直関係となる試料ホルダお回転調整も自動化して、FIBによる切削加工、GIBによる清浄化、試料ホルダの回転調整、EBによる画像取得、画像データ保存、試料ホルダの回転の一連作業を自動化してもよい。
また、前記の実施例では、四角柱の4側面(1周分)の動作について説明したが、これに限らず、4側面の加工を複数周分行なっても良い。試料が加工によって無くなるまで行なってもよい。一回の切削量と試料厚さから概略の周回数が算出できる。複数周分の一連作業によって、試料内部(試料表面からの深さ方向)の構造まで把握できる。
図15は、本発明に係る試料加工評価装置を用いて、4側面のFIB1bによる切削加工とEB2bによる画像取得を試料が無くなるまで繰返して得た全画像データを基に、三次元再構築して得た画像の模式図である。図15(A)は、4側面のSEM画像データを合成して得た四角柱状の立体SEM画像であり、試料には3種類の明暗コントラストを有する層93A、93B、93Cが存在することが確認できる。
図15(B)は、切削加工と画像取得を繰返して得た全データを基に、元の四角柱試料の斜断面が露出するように再構築した立体SEM像である。この画像から、層93Bには、4側面の観察像(図15(A))だけでは確認することができなかった異物95の存在を確認することができる。このように、試料7の全データを利用するために任意の方向の断面を露出させることができる。
図16(A)は、切削加工と画像取得を繰返して得た全データを基にした四角柱試料の三次元再生像96である。四角柱試料の軸に対して傾斜した層97A、97B、97Cのうち層97Bには楕円球状の異物98が広がっていることが確認できる。全データのうち、特定の明度の画像データのみを抽出して画像することで、ある特定の層や構造に注目した三次元像を表示することができる。
図16(B)は、四角柱試料の展開図99(SEM画像の合成図)である。試料の外周を一目で把握できる。
(実施形態例4)
次に、本発明による試料加工評価装置の別の実施形態を説明する。
本実施形態例は、試料加工評価装置における試料ホルダ6が、試料7を搭載した状態で、360°軸回転できることを利用する。本装置を用いることで、試料面に対して浅い角度でEBを結晶試料に照射することで得られる後方散乱電子(反射電子)信号から結晶方位などの測定、所謂、電子線後方散乱回折像解析(EBSD)ができるため、試料7の切削加工とEBSD評価を繰り返し実施することができる。さらに、試料7の切削加工ごとにEBSD評価を行うことで、三次元的なEBSD評価ができる。
図17(A)から(D)は、試料ホルダ6に搭載された多結晶性の四角柱試料についてEBSD画像を取得する手順を示した図であり、FIB軸とEB軸を含む第2の面32(図2参照)での断面図である。試料ホルダ6の回転軸は紙面に垂直である。まず、図17(A)は、四角柱試料7の特定面のFIB加工を示す図である。試料7の特定面がFIB照射軸1aに平行に設置し、予め定めた厚さ(例えば100nm)をFIB1b照射によって切削する。
加工面7aにはFIB照射損傷層7bが形成される場合がある。図17(B)は、FIB1b照射による加工直後に、GIB3b照射によるFIB照射損傷層7bの除去の様子を示している。加工面7aがFIB照射軸1aとGIB照射軸3aの成す面に対して時計方向に約10°の角度となるように回転軸AXを回転する。GIB3b照射によって、FIB照射損傷層7bが除去(クリーニング)され、FIB加工面7aから厚さ約10nmの層が除去されてクリーン面7cが露出し、結晶粒が顕著に現れる。
図17(C)は、クリーン面7cにEB照射している様子を示している。試料ホルダ6を予め定めた角度だけ回転させ、クリーン面7cとEB照射軸2aが所定の角度になるようにする。試料加工評価装置におけるFIB照射軸1aとEB照射軸2aが成す角度が、例えば反時計方向に−50°の位置関係であれば、試料ホルダ6の回転軸AXの予め定めた角度は例えば−30°とする。従って、図17(B)の位置から−40°反時計方向に回転させる。このような設定によって、クリーン面7cとEB照射軸2aの成す角度は20°と、比較的低角度となる。このようにクリーンな観察面に対してEBが低角度で照射されることが肝要である。試料ホルダ6が所定の角度回転した後、クリーン面7cにEB2bを照射し、EB2b照射によって発生する反射電子(後方散乱電子)23を専用の検出器(不図示)で検出し、信号データを計算処理部21に保存すると共に、解析することで観察するクリーン面7cの結晶方位を示す画像化できる。必要ならば表示部18にその画像を表示してもよい。
図17(D)は、続いて、試料ホルダ6を元の角度(図17(A)と同じ位置)に戻した様子を示している。この時、試料7を予め定めた厚さ(Δt;例えば100nm)分だけ厚さ方向に移動してΔtだけ切削加工する。または、試料7を予め定めた厚さ分だけ移動せず、FIBを予め定めたΔtだけビーム偏向して切削加工してもよい。以下、予め定めた試料ホルダ6の回転、加工面のクリーン化(図17(B))、予め定めた試料ホルダ6回転、後方散乱電子23の取得(図17(C))、加工面の移動(図17(D))など、上記の手順を繰り返し、切削量の総量、若しくは、切削の回数が予め定めた値に達すればFIB加工を終了する。なお、Δt値は上記に限らず、例えば10nmのように小さくすることで、高分解能の三次元像を構築することができる。それまでに蓄えた画像データと、各切削量(Δt)のデータから、計算処理部21で三次元的な結晶粒の配置を示す画像を構築することができる。一旦、三次元的な結晶粒配置の画像が構築できれば、その画像内の任意の断面の結晶方位を示す画像を再構築できる。
なお、後方散乱電子23を検出する際の試料ホルダの回転角は上記に限ることはなく、検出器の設置位置に依存する。FIB照射軸1aとEB照射軸2aの成す角度、クリーン面7cに対するEB2bの入射角度、反射電子(後方散乱電子)検出器や二次電子検出器の位置関係により試料ホルダ6の回転軸AXの回転角を予め定めておけばよい。
図18は、図17で説明した一連の手順を示したフローチャートである。三次元EBSD測定の一連のフローを開始する(ステップS500)。
まず、試料7の予め定めた面がFIB照射を受ける位置になるように、試料台5と試料ホルダ6を設定する(ステップS550)。次に、試料7の一面を予め定めた厚さだけFIB照射によって切削加工する(ステップS600)。FIB照射による加工面には損傷領域(非晶質層)ができ、EBによる観察に影響する場合は、これをGIB照射によって除去(クリーニング)する(ステップS650)。この時、FIBの加工面がGIB照射に対して適切な位置になるように、試料ホルダ6を予め定めた位置に軸回転させておく。次に、試料ホルダ6をEB照射するのに最適な位置になるように、予め定めた角度だけ回転させる(ステップS700)。ステップS650でクリーン化された加工面にEB照射して、クリーン面7cの照射部分から発生する後方散乱電子を検出する(ステップS750)。検出した信号は計算処理部21に保存するともに、像形成部14によって画像化し、表示部18に加工面の結晶方位画像形成をする(ステップS800)。これでEBSD像を形成できるが、ある一面の画像に過ぎないので、予め切削の総量を定めておくことで、厚みのある立体(三次元)のEBSD像を形成することができる。
ステップS850では、ステップS800の後、予め定めたFIB照射による切削量(切削厚さ又は切削回数)を完了したかを判断する。もし、所定量に達していなければ(ステップS850でN)、試料がステップS550と同じ向きになるように試料ホルダ6を所定角だけ回転させる(S880)。そして、加工面の位置を試料台の移動も含めて所定の位置に設定する。(S550)。以下、ステップ850まで、上記のフローを繰り返す。
ステップS850において、予め定めたFIB照射による切削(切削厚さ又は切削回数)が完了したと判断できたなら(ステップS850でY)、必要に応じて、これまでに計算処理部の蓄えたEBSD画像情報と切削厚さ情報から、三次元のEBSD像を再構築し、表示部に表示する(ステップS900)。これらの手順により一連のフローは完了し、三次元EBSD測定のフローが終了する(ステップS950)。
上記のステップS500からS950に至る一連のフローは、図1におけるFIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、試料ホルダ制御部60を統括する制御部17、計算処理部21を予め定めたプログラムに従って自動的に連続動作させることができる。自動的に画像を表示部18に表示させてもよい。
また、一般的にGIB3bにより試料7の仕上げ加工が施されるが、GIB3bの代わりに、EB2bによるガスアシストエッチングや、FIB1bを用いても良い。FIB1bを用いる場合は、試料7の断面を形成する加工と仕上げ加工とにおいて、FIB1bのビームエネルギを変更することが望ましい。すなわち、試料7の加工面7aを形成する加工では、加速電圧が30から40kVで加速されたFIB1bを用いて高速に、かつビーム径の小さいビームで急峻な断面を形成し、仕上げ加工では、加速電圧1kVから10kV程度の低加速のFIB1bを用いて、試料7への侵入長の小さいビームを用いることで、ダメージの小さい加工を施す。これにより、ダメージの小さい仕上げ加工を施すことができる。
実施形態では、SEM画像(二次電子画像)データを基に立体像や3次元像を再構築したが、本発明はこれに限ることはなく、加工試料面にEB2bを照射して得られる蛍光X線や後方散乱電子信号から、対象試料を構成する元素の三次元分布や、結晶方位の三次元分布を表示することができる。この場合、言うまでもなく適切な検出器の設置が必要であるが、図1には記載していない。また、短時間で三次元像を再構築することができる。
なお、実施形態では、角柱の試料について説明したが、試料形状はこれに限ることは無く、透過電子顕微鏡(以下、TEMと記載)のための薄い平板状試料でもよい。加工後のTEM試料の表裏両面から事前にSEMで確認することができる。特に、TEMの試料は非常に薄く繊細なため、試料の両端に捩り力が加わらない試料ホルダが好ましい。
また、一般的にGIB3bにより試料7の仕上げ加工が施されるが、GIB3bの代わりに、EB2bによるガスアシストエッチングや、FIB1bを用いても良い。FIB1bを用いる場合は、試料7の加工面7aを形成する加工と仕上げ加工とにおいて、FIB1bのビームエネルギを変更することが望ましい。すなわち、試料7の加工面7aを形成する加工では、加速電圧が30から40kVで加速されたFIB1bを用いて高速に、かつビーム径の小さいビームで急峻な断面を形成し、仕上げ加工では、加速電圧1kVから10kV程度の低加速のFIB1bを用いて、試料7への侵入長の小さいビームを用いることで、ダメージの小さい加工を施す。これにより、ダメージの小さい仕上げ加工を施すことができる。
(実施形態例5)
次に、本発明による試料加工評価装置の別の実施形態を説明する。
本実施例は、試料を作製し、その場で機械的特性のうち、捩り評価を行なう例である。
まず、試料台5の上に着脱可能で設置される本実施例5で用いる試料ホルダ106の構成、動作、作用について説明する。図19は、試料ホルダ106(ここでは試料ホルダ106A)の一実施形態であり、試料ホルダ106Aは基台164の上に配置された一組の回転制御部161(161a,161b)と、一組の回転シャフト162(162a,162b)と、試料(試料片)107を保持する保持部としてのクランプ163(163a,163b)とを備える。試料ホルダ106Aは基台164を介して試料台5の上面に着脱可能に固定できる。
本実施例で示す回転制御部161には、回転可能な圧電素子などを含み、例えば、直径3mm、長さ30mmの大きさの圧電素子は、角度分解能が0.1度の性能を有している。試料ホルダ制御部60から供給された信号に対応する制御信号に基づき回転シャフト62を回転制御し、ひいては試料107を回転制御できる。
一組の回転制御部161(161a,161b)の各々には、回転制御部161(161a,161b)とクランプ163(163a,163b)とを連結する回転シャフト162(162a,162b)が回転可能に保持されている。回転シャフト162a,162bの回転軸は同一の回転軸(捩り軸)AX上にあり、矢印Cで示すように回転制御部161a,161bは各々同一向きに同一速度で回転シャフト162a,162bを回転する。回転制御部161a,161bは同一タイミングで回転シャフト162a,162bの回転の開始および停止の操作ができる。回転制御部161a、161bはまた、回転シャフト162a,162bのいずれか一方を回転できる状態にし、他方を回転できないように固定することもできる。これにより、試料107に捩り力を与えることができる。また、回転制御部161a、161bにより回転シャフト162a、162bを同時に動作させて試料107の注目面をSEMで観察し易い角度で停止させた後、回転シャフト162a、162bのいずれか一方を固定状態にし、他方を回転できる状態にして試料107に捩り力を負荷させることができる。この時、試料107の捩り軸は上記の回転軸AXと同じである。クランプ163a、163bの各々は試料107の両端部を挟み込んで保持する。試料107はクランプ163(163a,163b)に接着剤で両端を固着させてもよい。
オペレータは、入力部16で試料107に捩り力を与える条件(例えば、最小捩り角度、最終捩り角度、捩り速度)を入力できる。入力部16は、入力された情報を制御部17に送信する。制御部17は、試料ホルダ制御部60に制御信号を送信し、試料ホルダ制御部160は、回転制御部161a,161bに駆動信号を送信して回転シャフト162a、162bを回転や停止させることができる。
回転制御部161の回転軸AXは試料台5の傾斜軸8aに平行の関係にある。また、試料ホルダ106の回転軸AXは、試料台5の傾斜軸8aのΔZ(例えば5mm)上空にあるため、試料107を加工や観察する際には、試料台5をZ軸方向にΔZだけ下げることで、FIB1bとEB2bとは試料107のほぼ同一箇所に照射でき、試料107を回転させてもFIB1bによる加工部分をその場で、EB2bによって観察することができる。
試料加工評価装置100で扱う試料107は小さく、特に、捩り評価される領域が1mm未満と微細であるため、この試料107を人手で扱うと変形し易く、試料ホルダ106に無負荷状態で設置することは困難である。そこで、試料加工評価装置100では、捩り評価される試料は、試料ホルダへの設置時には人手で扱っても試料自体が変形し難い形状とし、クランプへの固定後、試料加工評価装置100設置のFIB1bまたはGIB3bまたはそれら両方で、所望の寸法になるように加工する。
試料107の寸法例を示す。試料ホルダ106設置前の試料107は、全長30mm、全幅10mm、厚さ100μm(図19では模式的に記載されている)で、長手方向の中央で、全幅の中央部に幅1mm、長さ5mmのくびれ部が残るように両側から機械加工で成形されている。試料107は、両端がクランプ163で固定する固定部で、中央のくびれ部(図19の斜線部)が機械的特性を計測(SEM評価)する部分である。所謂、ダンベル形試験片である。試料107はくびれ部以外で応力集中を起こさぬように、突起部や切削機械加工痕は除去されている。この試料107をクランプ163に固定した後、FIB1bまたはGIB3bまたはそれら両方を照射することによって、くびれ部が例えば、幅100μm、長さ200μm、厚さ100μmとなるように、また、先行して行なう機械加工による形状と不連続とならない形状に加工を施す。なお、試料の形状は上記に限ることは無く、ダンベル形ではない平板でも良いし、角柱でも円柱でも良い。
FIB1bやGIB3bなどのイオンビームによる加工は、加工時に試料107に応力を与えることがないので、加工による変形や内部応力の蓄積もない。但し、FIB加工面には、厚さ10nm程度のFIB照射損傷層が形成される。このFIB照射損傷層は、試料の機械的特性を大きく変化させることはないが、試料107が1μm以下など非常に小さい場合や、試料表面の観察や分析を勘案して、FIB照射損傷層を除去することが望ましい。FIB照射損傷層は、低エネルギのGIB照射によって除去(クリーニング)できる。また、試料ホルダ106は試料107に負荷を与えずに回転軸AX中心に360°回転できるため、観察部が四角柱状ならば90°ずつ試料107を回転させることで、試料107の全側面をクリーニングして最終的な試料とする。
試料107の四面のクリーニングが終了した時点で、注目面をEB照射軸2aに垂直になる角度に設定し、一端の回転制御部161aが回転シャフト162aを回転しないように固定し、他端の回転制御部161bが回転シャフト162bを徐々に予め定めた条件に従って回転させ、試料107に捩り力を負荷していく。まず、無負荷の状態でSEM画像を取得し、その後、徐々に負荷を加えていく。一定負荷毎に同一領域のSEM画像を取得し、計算処理部21に捩り負荷値と共に記憶する。
負荷と画像取得を試料107が破断するまで繰り返す。これにより、捩りによる微小亀裂の発生傾向や亀裂伝播の様子を結晶粒レベルで把握することができる。また、捩りによる結晶粒の形状変化や、微小亀裂の発生や伝播状態などをリアルタイムで観察でき、また記録できる。
上記実施例では試料表面をSEM像によって観察していたが、これに限ることはなく、EB照射によって試料から発生する反射電子やX線によって画像形成してもよい。反射電子は二次電子より表面状態に敏感に観察することができ、X線信号によって試料107を構成する元素を明らかにすることができる。
また、試料107の注目部を数10nm程度まで極細化もしくは薄片化加工して、EB照射して透過した電子を透過電子検出器(図示略)で検出して透過像を画像化してもよい。これにより試料内部を原子レベルで観察することができる。
(実施形態例6)
次に、本発明による試料加工評価装置の別の実施形態を説明する。
図20は、試料107の加熱時の捩り特性を評価する際に用いる試料ホルダ106Bである。この実施形態ではクランプ163a,163bに加熱器(例えば、セラミックヒーター)165が設けられており、クランプ163a,163bを介して試料107を加熱できる。試料107の温度は、赤外放射温度計(図示略)によって試料加工評価装置の外から非接触で計測できる。このような構成により、捩り力に加え、試料107の温度条件をも設定でき、種々の温度における捩り試料表面の結晶粒の挙動を観察することができる。特に、試料107が例えば、金属Aと金属Bから成る多結晶合金ABの場合、種々の温度における金属Aの結晶粒と金属Bの結晶粒の挙動を、EB照射によって発生する特性X線を検出することでEB照射範囲(SEM観察領域)の元素分布から把握することができる。
このように、本発明による試料加工評価装置によって、試料107を加熱状態と捩り力の負荷条件下で、結晶粒の移動、すべり、亀裂の発生などの現象を知ることができる。なお、加熱器165の設置個所は必ずしもクランプ163に限ることはなく、例えば、回転シャフト162や回転制御部161であっても良く、加熱器は試料107の両端にあって、同じ温度特性(昇温速度、最高温度、降温速度など)を有して、同時に動作することが望ましい。加熱器は試料107の片側のみに設置されていても良い。
なお、上記では加熱器を設置して、加熱下での捩り評価について説明したが、加熱器の代わりにペルチエ素子のような冷却器を設置し、冷却時の捩り特性を評価することも可能である。
また、上記の実施形態例では、試料加工評価装置としてFIB鏡筒、EB鏡筒、GIB鏡筒を備えた試料加工評価装置100を挙げたが、本発明はこれに限ることはなく、単一のビーム鏡筒、若しくは、上記3本の鏡筒のうちのいずれか2本の鏡筒を組合せた試料加工評価装置にも適用される。また、上記の説明では、FIB鏡筒1が鉛直方向に配置されているが、FIB鏡筒1とEB鏡筒2とを入れ替えて配置しても良い。
図21は、試料加工評価装置における、試料の捩り評価の手順例を示すフローチャートである。
まず、試料107を固定した試料ホルダ106を試料加工評価装置に装填し、搭載された荷電粒子ビーム(例えば、FIB、EB、GIB)が所定の性能を発揮できる状態であることを確認できた時点を、捩り評価フローの開始とする(ステップS020)。試料台の回転機能、FIBによる試料側面の切削機能を利用して、試料ホルダ106に固定された試料107を所定の形状、寸法への加工と表面クリーニングを施して試料の作製を行う(ステップS200)。注目する試料面をEBによる観察ができる位置になるように試料ホルダ106の回転軸を調整し、予め定めた一方の回転制御部161(例えば回転制御部161a)により回転シャフト162(例えば回転シャフト162a)の回転機能を固定し、他方の回転制御部(例えば回転制御部161b)により回転シャフト162(例えば回転シャフト162b)予め定めた速度、回転角、負荷で回転させ、試料107に捩り力の負荷を与える(ステップS300)。予め定めた負荷、角度の時に試料107にEB照射して画像信号を取得する(ステップS400)。画像信号はEB照射時に発生する二次電子、反射電子(後方散乱電子)、透過電子、X線のうちの少なくともいずれかであって、これらの信号から画像を形成する。また、必要に応じてステップS300の負荷を高め、ステップS400の画像取得を繰り返してもよい。試料107が破断するか、予め定めた最大負荷、若しくは最大角度に達した時、一連の捩り評価フローは終了する(ステップS450)。これが試料加工評価装置を用いた捩り評価の基本フローである。
図22は、捩り評価手順の別の実施例を説明するためのフローチャートである。なお、図22におけるステップS020、S300、S400、S450は、図21の各ステップと同じ工程である。
図21における試料の作製ステップS200は、図22のフローではステップS110からS160に細分化される。試料加工評価装置の試料台5に設置された試料ホルダ106は、捩り評価部となる側面がFIB走査方向と一致するように、試料台5のXYZ面内移動と試料ホルダ106の回転調整を行う(ステップS210)。次に、試料107の特定面にFIB照射して試料107を加工する(ステップS220)。続いて、FIB照射による加工を行なった面にGIBを照射して、FIB照射による加工損傷層を除去(クリーン化)する(ステップS230)。
試料107の全側面を加工とクリーン化するために、各面の加工とクリーン化が終わるたびに全側面の加工とクリーン化が終了したかの判断を下す(ステップS240)。側面の加工は、全側面の加工とクリーン化が完了していなければ(ステップS240でN)、試料ホルダ106の回転軸を試料107の面数に応じた所定の角度だけ回転させる(ステップS245)。所定の角度とは、例えば、試料の評価部分が四角柱ならば90°である。続いてステップS220とS230を繰り返す。ステップS240で全側面の加工とクリーン化が完了したと判断すれば(ステップS240でY)、次のステップに進む。なお、ステップS240の判断は、予め明らかな試料の面数、又は、ステップS245での回転角及びステップS220(またはS230)の実行回数から可能である。
ステップS250からS270は試料107に捩り力を負荷するための準備段階であり、注目する試料107の観察面がEB照射に最適な位置になるように、試料ホルダ106の回転軸を調整する(ステップS250)。試料107に負荷を与える前に注目する試料107にEB照射して画像を取得する(ステップS260)。その後、試料ホルダ106における片側の回転制御部161を固定(ロック)する(ステップS270)。なお、ステップS260とS270の順序は逆であってもよい。
引き続いて、上述のステップS300(捩り力の負荷)とS400(試料へのEB照射による画像取得)を実施する。ステップS400の後、試料107に与える捩り力が予め定めた捩り力に到達したか、若しくは最大捩り角度に到達したかの判断を下す(ステップS430)。予め定めた捩り力に到達してなければ(ステップS430でN)、更に負荷を高めるためにステップS300とS400を繰り返す。ステップS430において、予め定めた捩り力に到達すれば(ステップS430でY)、若しくは最大捩り角度に到達した時、一連の手順は終了する(ステップS450)。なお、ステップS300で試料107が破断すれば、ステップS400を経てステップS450に至る。
なお、図21及び図22に記載のステップS020からS450に至る一連のフローは、図1におけるFIB制御部11、EB制御部12、GIB制御部13、像形成部14、試料台制御部15、試料ホルダ制御部60、制御部17及び計算処理部21を予め定めたプログラムに従って連続的に自動的に動作させることで実施され、試料107の捩り評価が自動的に行える。また、自動的に再生画像を表示部18に表示させることができる。
つまり、FIB制御部11は、予め定めた場所を予め定めた切削量だけ加工するために予め定めた加速電圧、FIB直径、ビーム電流、照射時間で試料の加工をするようにFIBを制御する。EB制御部12は、予め定めた加速電圧、EB直径、ビーム電流、照射範囲、照射時間で試料面に照射するようにEBを制御する。GIB制御部13は、FIB加工後に加工面に対して、予め定めた加速電圧、GIB直径、ビーム電流、照射範囲、照射時間で試料面に照射するようにGIBを制御する。試料ホルダ制御部60は、試料107をFIB照射、EB照射、GIB照射に最適な角度に、最適なタイミングで回転するように試料ホルダ106を制御する。像形成部14は、EB照射によって得られた画像信号(二次電子信号、反射電子信号、透過電子信号、X線信号などのうちの少なくともいずれか)を取り込んで、EB照射部の画像を形成する。計算処理部21は、像形成部14で形成した画像データを蓄積し、加工編集し、必要に応じて予め定めたタイミングで表示部に表示する。また、必要ならばガス銃制御部20は、予め定めた時期に、予め定めた位置にノズルを移動させ、予め定めたガス種、照射時間、照射と停止のタイミングなどガス銃を制御する。制御部17は、これら全体を統括制御するように予め仕組んでおけばよい。
(実施形態例7)
次に、本発明による試料加工評価装置の別の実施形態を説明する。本実施例は、試料を作製し、その場でその試料の曲げ評価を行なう例である。
まず、試料台5の上に着脱可能で設置される試料ホルダ206の構成、動作、作用について説明する。図23は、試料ホルダ206の一実施形態であり、図19、図20と共通する回転制御部161、基台164の記載は省略されている。
試料ホルダ206は基台の上に配置された一組の回転制御部と、一組の回転シャフト262(262a,262b)と、試料(試料片)207を回転シャフト262の軸上に保持する保持部263(263a,263b)とを備える。保持部263には試料207を支持する支柱271(271a,271b)も備える。試料ホルダ206は基台を介して試料台5の上面に着脱可能に固定できる。一組の回転シャフト262は回転制御部によって回転制御できる。試料ホルダ206には、試料207の長手方向に垂直方向に負荷を与える負荷部270を備え、負荷部270は負荷制御部(記載略)を介して回転シャフト262に連結されている。このため、試料207を回転させても、同じ方向から試料207に負荷を与えることができる。本実施例における曲げ評価は、支柱271a、271bと負荷部270の3か所で試料に荷重が加える、所謂、三点曲げ評価ができる。
本実施例で用いた試料207は、例えば、5μm×3μm×50μmの微細な角柱であり、評価上、必要ならば切欠き207aを設けてもよい。図23における垂直方向がFIBの照射方向で、試料207に対して切欠き207aをFIBによって加工できる。試料207に負荷を与えることで切欠き207a先端から亀裂が発生し成長する。切欠きに限定されることはなく、必要ならば、切欠きの代わりに試料を貫通する穴をFIBによって加工することも可能である。
負荷を与える時は、回転シャフト262(262a,262b)を回転させて、切欠き207aの先端がSEM観察できる向きに固定する。負荷を与えている間も回転シャフト262を随時回転させて、多方向からSEMによって、亀裂の進展状況を観察することができる。試料207を挟んで電子ビーム鏡筒とは反対の位置に透過電子検出器(図示略)を設置しておき、試料厚さが、電子が透過できるほど十分薄ければ試料内を伝播する亀裂の状況を観察することができる。また、上記の貫通穴の場合は、負荷によって穴端から発生する亀裂の状況をSEMによって把握することもできる。
また、負荷を与え続けて、最終的に試料が破断しても、基台や試料台に試料が保持されていれば、破断面をSEMによって観察することができ、破断面から破壊の原因を結晶粒レベルの微視的な評価ができる。
このような構成により微細な試料に曲げ負荷を与えることができ、試料の曲げ評価ができ、また、負荷中も亀裂進展の様子もSEMで多方向から観察することができる。また、試料の加工することもでき、試料形状の補正加工や切欠き加工が可能である。しかも、加工と評価を同じ環境(真空試料室)内で可能であるため、大気による試料の酸化など材料評価上の心配も無視できる。
なお、本実施形態例7では三点曲げを中心に説明したが、試料207の両端をクランプで固定して、両端のクランプを傾斜させることで試料の両端にモーメントを与えた試料の曲げ評価もできる。この場合も、負荷状態で回転軸を回転させることで、負荷中の試料を多方向からSEM観察、分析することができる。
なお、本実施形態例においても、試料の保持部に加熱器や冷却器を設置することで、試料の加熱時または冷却時の曲げ評価を行なうこともできる。
上記各実施例における試料ホルダ6、106、206のサイズ、試料7、107,207の取り付け方法等の詳細は特に限定されず、観察や測定に応じて最適なものを選択することが可能である。また、試料ホルダ6、106、206は試料台5に着脱できるため、試料の特性評価項目によって適した試料ホルダを選択し、試料台5に設置すればよい。
なお、前記の実施形態では、試料ホルダ6、106、206の詳細な構成が示されている。しかしながら、試料ホルダ6、106、206の構成は実施形態のものには限定されない。すなわち、試料ホルダ6、106、206が試料台5の上において、回転軸を中心として試料7、107,207を回転させることが可能であれば、試料ホルダ6、106、206の構成は特に限定されない。また、回転シャフト63a、63b、162a、162b、262a、262bおよび回転軸AXは、試料台5の上面に実質的に平行であることが好ましいが、必ずしもこのような形態には限定されない。極論を言えば、回転軸AXが試料台5に対し垂直にならない限り、試料ホルダ6、106、206を任意に構成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
さらに、上記の実施形態例では、特性評価の例として、捩り、曲げ、加熱、冷却の例を示したが、これらに限定されることはなく、試料を軸方向に圧縮する圧縮評価や、繰返し負荷による疲労評価にも適用できる。例えは、図12で示した試料ホルダ6Bを用いて、試料7の回転を長時間継続させることで、試料の回転疲労特性を評価することができる。この場合、定期的に回転を停止させて、試料の状況をSEMによって観察もしくは組成分析することで、試料の長時間回転による形態、特性評価ができる。
なお、それぞれの負荷状態で多方向から微細領域を観察や分析することができることが共通する利点である。
本発明に係る試料加工評価装置は、試料台の上にて試料を回転させることが可能であるため、試料の外周全体に渡って、正確かつ容易に、加工、観察を行うことができる。
1:FIB鏡筒(集束イオンビーム鏡筒、荷電粒子ビーム鏡筒)
1a:FIB照射軸(集束イオンビーム照射軸)
1b:FIB(集束イオンビーム、第1の荷電粒子ビーム)
2:EB鏡筒(電子ビーム鏡筒、荷電粒子ビーム鏡筒)
2a:EB照射軸(電子ビーム照射軸)
2b:EB(電子ビーム、第2の荷電粒子ビーム)
3:GIB鏡筒(ガスイオンビーム鏡筒、荷電粒子ビーム鏡筒)
3a:GIB照射軸(ガスイオンビーム照射軸)
3b:GIB(ガスイオンビーム、第3の荷電粒子ビーム)
4:二次電子検出器
5:試料台
6、6A、6B:試料ホルダ
7:試料
7a、7A、7B、7C,7D:加工面(側面、切断面)
7b:FIB照射損傷層
7c:クリーン面
8:傾斜駆動部
8a:傾斜軸
10:回転駆動部
11:FIB制御部
12:EB制御部
13:GIB制御部
14:像形成部
15:試料台制御部
16:入力部
17:制御部
18:表示部
19:ガス銃
20:ガス銃制御部
21:計算処理部
23:後方散乱電子(反射電子)
31:第1の面
32:第2の面
60:試料ホルダ制御部
61:支持部材
63:回転シャフト
65:クランプ(保持部)
81:基台
82:凹部
83:底面
84:スパッタ粒子
90:立体再生像
91:試料
92:母材
93A、93B、93C:層
94:斜断面
95:異物
96:三次元再生像
97A、97B、97C:層の三次元像
98:異物の三次元再生像
99:展開図
100:試料加工評価装置
AX:回転軸

Claims (15)

  1. 少なくとも試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、
    前記試料の両端を保持する試料ホルダと、
    前記試料ホルダを載置する試料台と、を備え、
    前記試料ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間にあって、回転軸を中心として前記試料を回転させることが可能である、試料加工評価装置。
  2. 試料に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム鏡筒と、
    前記集束イオンビームの前記試料への照射位置に一致するように電子ビームを照射する電子ビーム鏡筒と、
    前記試料の両端を保持する試料ホルダと、
    前記試料ホルダを載置する試料台と、を備え、
    前記試料ホルダは、前記試料台と前記集束イオンビーム鏡筒との間にあって、前記集束イオンビーム鏡筒の集束イオンビーム照射軸と前記電子ビーム鏡筒の電子ビーム照射軸が作る面に垂直な回転軸を有し、前記回転軸を中心として前記試料を回転させることが可能である、試料加工評価装置。
  3. 請求項1または2に記載の試料加工評価装置であって、
    前記試料ホルダは、前記回転軸を中心として前記試料を360°回転させることが可能である、試料加工評価装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の試料加工評価装置であって、
    前記回転軸は、前記試料台の前記試料ホルダを載置する面に対し、実質的に平行に設定されている試料加工評価装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の試料加工評価装置であって、
    前記試料ホルダは、
    前記試料台に着脱可能に配置された基台と、
    前記基台に回転可能に保持され、前記回転軸に平行な回転シャフトと、
    前記回転シャフトに固定され、前記試料を直接に保持する保持部と、を備える試料加工評価装置。
  6. 請求項2に記載の試料加工評価装置であって、
    前記集束イオンビームによる加工面をクリーニングするガスイオンビームを照射するガスイオンビーム鏡筒を更に備える、試料加工評価装置。
  7. 請求項6に記載の試料加工評価装置であって、
    前記ガスイオンビームの照射によってクリーニングされた前記加工面に前記電子ビームを照射して得られる画像信号から当該加工面の画像データを生成する像形成部と、
    前記像形成部で形成した画像データを保存する計算処理部と、を更に備える試料加工評価装置。
  8. 請求項7に記載の試料加工評価装置であって、
    前記画像信号は、前記集束イオンビーム、前記電子ビーム、前記ガスイオンビームのうちの少なくとも一つの照射によって前記加工面から発生する二次電子の二次電子信号、反射電子の反射電子信号、蛍光X線の蛍光X線信号、後方散乱電子の後方散乱電子信号のうちの少なくともいずれか一つである、試料加工評価装置。
  9. 請求項7または8に記載の試料加工評価装置であって、
    前記計算処理部は取得した複数の画像データを用いて前記試料の立体画像、展開画像、三次元画像のうちの少なくともいずれか一つを構築する、試料加工評価装置。
  10. 試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、
    前記試料を固定する試料ホルダと、
    前記試料ホルダを載置する試料台と、を備え、
    前記試料ホルダは、前記試料台と前記荷電粒子ビーム鏡筒との間において、前記試料ホルダに搭載され、前記試料に対して負荷を与える負荷手段を備える、試料加工評価装置。
  11. 請求項10に記載の試料加工評価装置であって、
    前記試料ホルダは、
    前記試料台に着脱可能に配置される基台と、
    前記基台の上に配置された回転制御部と、
    前記試料の両端を保持する保持部と、
    前記回転制御部と前記保持部を連結するシャフトとを備え、
    前記回転制御部の制御信号に基づき前記シャフトが回転し、前記保持部により保持された前記試料を回転する試料加工評価装置。
  12. 請求項10に記載の試料加工評価装置であって、
    前記負荷は、捩り力、曲げ力、加熱、冷却、圧縮力のうちの少なくともいずれかである、試料加工評価装置。
  13. 請求項10に記載の試料加工評価装置であって、
    前記荷電粒子ビームは、集束イオンビーム、電子ビーム、ガスイオンビームのうちの少なくともいずれかである、試料加工評価装置。
  14. 請求項10に記載の試料加工評価装置であって、
    前記荷電粒子ビームが電子ビームであって、前記電子ビームを前記試料に照射した際に発生する二次電子、反射電子、X線のうちの少なくとも何れかを検出する検出器を備える、試料加工評価装置。
  15. 請求項11に記載の試料加工評価装置であって、
    前記試料を加熱する加熱器または、前記試料を冷却する冷却器が前記保持部に設けられる試料加工評価装置。
JP2016028291A 2015-02-23 2016-02-17 試料加工評価装置 Pending JP2016157688A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/048,073 US9679743B2 (en) 2015-02-23 2016-02-19 Sample processing evaluation apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015033394 2015-02-23
JP2015033394 2015-02-23

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020165849A Division JP7212377B2 (ja) 2015-02-23 2020-09-30 試料加工評価装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016157688A true JP2016157688A (ja) 2016-09-01

Family

ID=56826668

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016028291A Pending JP2016157688A (ja) 2015-02-23 2016-02-17 試料加工評価装置
JP2020165849A Active JP7212377B2 (ja) 2015-02-23 2020-09-30 試料加工評価装置

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020165849A Active JP7212377B2 (ja) 2015-02-23 2020-09-30 試料加工評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2016157688A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019082471A (ja) * 2017-10-27 2019-05-30 住友金属鉱山株式会社 試料の作製方法、清浄化方法、分析方法および電子顕微鏡用試料
CN111812134A (zh) * 2020-07-21 2020-10-23 山东省分析测试中心 获取熔覆金属三维组织信息的检测台及其操作办法
JP2020194655A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 Jfeスチール株式会社 試料設置治具

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50111980A (ja) * 1974-02-13 1975-09-03
JPS54147161U (ja) * 1978-04-05 1979-10-13
JPH08512402A (ja) * 1993-04-30 1996-12-24 サーントル ナスィヨナル ドゥ ラ ルシェルシェ スィヤンティフィック 走査電子顕微鏡用の現場引張試験機械および試料
JPH09306403A (ja) * 1996-05-20 1997-11-28 Hitachi Ltd 試料処理装置
JPH10247467A (ja) * 1997-03-04 1998-09-14 Jeol Ltd 試料ホルダ
JP2007250371A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Hitachi High-Technologies Corp イオンビーム加工装置
US20110017922A1 (en) * 2009-07-24 2011-01-27 Omniprobe, Inc. Variable-tilt tem specimen holder for charged-particle beam instruments
JP2011216465A (ja) * 2010-03-18 2011-10-27 Sii Nanotechnology Inc 複合荷電粒子ビーム装置及び試料加工観察方法
JP2013127859A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Nagoya Institute Of Technology 被検査試料測定装置及び被検査試料測定装置の制御方法
JP2013196863A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Hitachi High-Tech Science Corp 荷電粒子ビーム装置及び試料搬送装置
JP2013196972A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Hitachi High-Tech Science Corp 試料観察方法、試料作製方法及び荷電粒子ビーム装置
JP2014063726A (ja) * 2012-08-30 2014-04-10 Hitachi High-Tech Science Corp 複合荷電粒子ビーム装置及び薄片試料加工方法
JP2014209450A (ja) * 2013-03-27 2014-11-06 株式会社日立ハイテクサイエンス 集束イオンビーム装置、それを用いた試料の加工方法、及び集束イオンビーム加工用コンピュータプログラム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52166451U (ja) * 1976-06-09 1977-12-16
JPS5596561U (ja) * 1978-12-26 1980-07-04
DE3002335A1 (de) * 1980-01-23 1981-07-30 Grünzweig + Hartmann Montage GmbH, 6700 Ludwigshafen Waermedaemmendes verschlusssystem fuer druckentlastungsoeffnungen von trennwaenden, insbesondere bei kernreaktorgebaeuden
DE4021837A1 (de) * 1990-07-09 1992-01-16 Zwick Gmbh & Co Vorrichtung zur zufuehrung von proben in eine messeinrichtung
JPH1092365A (ja) * 1996-09-19 1998-04-10 Hitachi Ltd 集束イオンビーム加工用試料ホルダ
JP2000097836A (ja) * 1998-09-27 2000-04-07 Sanyuu Denshi Kk 界面力学特性試験装置
WO2007109616A2 (en) * 2006-03-17 2007-09-27 William Marsh Rice University System and method to measure nano-scale stress and strain in materials
JP5001741B2 (ja) * 2007-07-27 2012-08-15 住友電気工業株式会社 試料用ステージ及び試料の分析方法
KR101878753B1 (ko) * 2012-12-20 2018-07-16 삼성전자주식회사 수직 장착이 가능한 현미경용 시료 스테이지 및 이를 채용한 주사 탐침 현미경

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50111980A (ja) * 1974-02-13 1975-09-03
JPS54147161U (ja) * 1978-04-05 1979-10-13
JPH08512402A (ja) * 1993-04-30 1996-12-24 サーントル ナスィヨナル ドゥ ラ ルシェルシェ スィヤンティフィック 走査電子顕微鏡用の現場引張試験機械および試料
JPH09306403A (ja) * 1996-05-20 1997-11-28 Hitachi Ltd 試料処理装置
JPH10247467A (ja) * 1997-03-04 1998-09-14 Jeol Ltd 試料ホルダ
JP2007250371A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Hitachi High-Technologies Corp イオンビーム加工装置
US20110017922A1 (en) * 2009-07-24 2011-01-27 Omniprobe, Inc. Variable-tilt tem specimen holder for charged-particle beam instruments
JP2011216465A (ja) * 2010-03-18 2011-10-27 Sii Nanotechnology Inc 複合荷電粒子ビーム装置及び試料加工観察方法
JP2013127859A (ja) * 2011-12-16 2013-06-27 Nagoya Institute Of Technology 被検査試料測定装置及び被検査試料測定装置の制御方法
JP2013196863A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Hitachi High-Tech Science Corp 荷電粒子ビーム装置及び試料搬送装置
JP2013196972A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Hitachi High-Tech Science Corp 試料観察方法、試料作製方法及び荷電粒子ビーム装置
JP2014063726A (ja) * 2012-08-30 2014-04-10 Hitachi High-Tech Science Corp 複合荷電粒子ビーム装置及び薄片試料加工方法
JP2014209450A (ja) * 2013-03-27 2014-11-06 株式会社日立ハイテクサイエンス 集束イオンビーム装置、それを用いた試料の加工方法、及び集束イオンビーム加工用コンピュータプログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019082471A (ja) * 2017-10-27 2019-05-30 住友金属鉱山株式会社 試料の作製方法、清浄化方法、分析方法および電子顕微鏡用試料
JP7183690B2 (ja) 2017-10-27 2022-12-06 住友金属鉱山株式会社 試料の作製方法、清浄化方法、分析方法および電子顕微鏡用試料
JP2020194655A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 Jfeスチール株式会社 試料設置治具
JP7095655B2 (ja) 2019-05-27 2022-07-05 Jfeスチール株式会社 試料設置治具
CN111812134A (zh) * 2020-07-21 2020-10-23 山东省分析测试中心 获取熔覆金属三维组织信息的检测台及其操作办法
CN111812134B (zh) * 2020-07-21 2023-07-21 山东省分析测试中心 获取熔覆金属三维组织信息的检测台及其操作办法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7212377B2 (ja) 2023-01-25
JP2020205289A (ja) 2020-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9679743B2 (en) Sample processing evaluation apparatus
JP7212377B2 (ja) 試料加工評価装置
US7317964B1 (en) High speed and repeatability serial sectioning method for 3-D reconstruction of microstructures
JP4691529B2 (ja) 荷電粒子線装置、及び試料加工観察方法
TWI333253B (en) Method and apparatus for sample formation and microanalysis in a vacuum chamber
US8754384B1 (en) Sample preparation stage
KR102056507B1 (ko) 하전 입자 빔 장치 및 시료 관찰 방법
TWI596641B (zh) Composite charged particle beam device and sheet sample processing method
CN105957789B (zh) 用于通过离子铣处理试样的方法、设备、系统和软件
JP4654216B2 (ja) 荷電粒子線装置用試料ホールダ
JPH11108810A (ja) 試料解析方法および装置
JP2008153239A5 (ja)
JP5009126B2 (ja) アトムプローブ用針状試料の加工方法及び集束イオンビーム装置
JP5117764B2 (ja) 荷電粒子ビーム加工装置
JP6517532B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
KR101539738B1 (ko) 주사전자 현미경
JP4988175B2 (ja) 荷電粒子装置用試料台
JP4758526B2 (ja) 微細作業用マイクロマニピュレーション装置
JP4589993B2 (ja) 集束イオンビーム装置
JP2007123289A (ja) 微小試料加工観察方法及び装置
JP5135516B2 (ja) 薄片試料作製方法
JP2004343131A (ja) 試料解析方法および装置
JP4590007B2 (ja) 集束イオンビーム装置、それを用いた試料片作製方法及び試料ホルダ
EP3125270B1 (en) Tem sample mounting geometry
JP2007184295A (ja) 微小試料加工観察方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191023

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200630