ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)訪問地判定システムの構成:
(1−1)サーバの構成:
(1−2)車載器の構成:
(2)訪問地判定システムの処理:
(3)他の実施形態:
(1)訪問地判定システムの構成:
本発明の訪問地判定システムは、車両に搭載された車載器110と通信可能なサーバ10によって実現されている。
(1−1)サーバの構成:
サーバ10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と記録媒体30と通信部45とを備える。制御部20は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。本実施形態において制御部20は、訪問地判定プログラムとしてサーバプログラム21を実行する。通信部45は、サーバ10が車載器110やインターネット200上のコンピュータと通信するための回路である。
記録媒体30には、地図情報30aが記録されている。地図情報30aには車両が走行する道路上に設定されたノードの位置(水平位置、標高)等を示すノードデータ、ノード間を接続する道路区間の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間データ、道路区間についての各種情報(区間長、道路種別、レーン数等)を示すリンクデータ等が含まれている。さらに、地図情報30aにはPOI DB(Point of interest database)が含まれており、地図上の多数の地点(施設、地域等)ごとに各種情報(名称、住所、属性、電話番号等)と位置が記録されたPOI情報が蓄積されている。POI情報は、予め記録媒体30に記録されていなくてもよく、制御部20が通信によってインターネットや他のサーバから取得してもよい。また、制御部20は、複数のPOI DBから同一の地点について複数のPOI情報を取得してもよく、複数のPOI情報間での重複を排除したり、互換性を確保するための処理を行ってもよい。POI情報が示す地点は、経路案内における目的地の候補となる。
記録媒体30には、訪問回数DB30bが記録されている。訪問回数DB30bは、地図情報30aのPOI情報が示す各地点のそれぞれについて訪問回数を記録したデータベースである。記録媒体30には、滞在時間DB30cが記録されている。滞在時間DB30cは、地図情報30aのPOI情報が示す各地点の属性のそれぞれについて平均の滞在時間を記録したデータベースである。例えば、属性としてコンビニエンスストアと百貨店とが存在する場合に、コンビニエンスストアの方が百貨店よりも短い滞在時間が滞在時間DB30cに記録される。
サーバプログラム21は、目的位置取得部21aと動作位置取得部21bと判定部21cとを含む。
目的位置取得部21aは、ユーザが過去に設定した経路案内の目的地の位置である目的位置を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態において、経路案内の目的地とは、経路案内の目的地に設定した上で、実際にユーザが車両によって訪問した地点を意味する。具体的に、目的位置取得部21aの機能により制御部20は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた場合に、当該特定動作が行われた位置を目的位置として取得する。特定動作とは、車両のアクセサリー電源のOFF/ONと、車両のドアの開/閉との少なくとも一方であり、本実施形態では車両のアクセサリー電源のOFF/ONであることとする。
目的位置取得部21aの機能により制御部20は、車載器110から特定動作が行われた際の車両の位置を示す位置情報を受信し、かつ、当該位置情報に目的地情報が添付されている場合には、当該特定動作が行われた際の車両の位置を目的位置として取得する。
位置情報とは、特定動作が行われた際の車両の位置を特定する情報である。目的地情報とは、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた場合に位置情報に添付される情報であって、当該経路案内によって到着した当該経路案内の目的地を特定する情報である。具体的に、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われたとは、経路案内中に当該経路案内の目的地付近に到着し、そのまま車両が当該目的地付近に存在する状態で特定動作が行われた場合を意味する。なお、車両の位置とユーザの位置を同視することとする。
制御部20は、目的地情報が添付された位置情報を受信した場合、訪問回数DB30bにおいて、目的地情報が示す目的地と一致する目的地の訪問回数に1を加算する。訪問回数DB30bにおいては、POI情報が示す地点のうち、ユーザが1度でも訪問した地点ごとに訪問回数が記録されている。制御部20は、目的地情報が示す目的地が訪問回数DB30bに記録済である場合、当該目的地の訪問回数に1を加算する。一方、制御部20は、目的地情報が示す目的地が訪問回数DB30bに未記録である場合、当該目的地を訪問回数DB30bに新たに記録し、訪問回数が1回であると記録する。また、目的地を訪問回数DB30bに新たに記録するにあたり、目的位置を当該目的地に対応付けて記録する。
ここで、経路案内とは、走行予定経路を走行するように、車載器110がユーザ(車両の運転者)を案内することである。目的位置取得部21aの機能により制御部20は、車載器110から受信した経路探索要求情報を取得し、当該経路探索要求情報が示す目的地を取得する。そして、制御部20は、公知の経路探索手法を用いて、地図情報30aに規定された道路区間を目的地まで接続する走行予定経路を探索する。さらに、制御部20は、探索した走行予定経路を示す経路情報130bを車両に送信する。
動作位置取得部21bは、車両が移動できない状態から移動できる状態へ遷移させるための動作である特定動作が、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置において行われた場合に、当該特定動作が行われた位置である動作位置を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、動作位置取得部21bの機能により制御部20は、車載器110からアクセサリー電源のOFF/ONが行われた際の車両の位置を示す位置情報を受信し、かつ、当該位置情報に目的地情報が添付されていない場合には、当該車両の位置を動作位置として取得する。
上述したように、目的地情報とは、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた場合に位置情報に添付される情報である。つまり、位置情報に目的地情報が添付されていれば特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて行われたと判断でき、位置情報に目的地情報が添付されていなければ特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われたと判断できる。ここで、特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われた場合には、そもそも経路案内を行っていない状態で特定動作が行われた場合と、経路案内を行っているが当該経路案内の目的地ではない位置で特定動作が行われた場合とが含まれる。本実施形態において、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置とは、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地から所定の判定距離(例えば700m)以内でない位置を意味する。
判定部21cは、目的位置と動作位置とが所定の基準距離以内である場合に、当該目的位置に対応する目的地をユーザが訪問したと判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。判定部21cの機能により制御部20は、動作位置を取得した場合、すなわち目的地情報が添付されていない位置情報を取得した場合に、当該位置情報が示す動作位置から基準距離(例えば300m)以内に存在する目的位置が対応付けられている目的地を訪問回数DB30bにて検索する。そして、動作位置から基準距離以内に存在する目的位置が対応付けられている目的地が検索された場合、制御部20は、当該検索された目的地をユーザが訪問したと判定し、訪問回数に1を加算して訪問回数DB30bを更新する。一方、動作位置から基準距離以内に存在する目的位置が対応付けられている目的地が検索されなかった場合、制御部20は、訪問回数DB30bを更新しない。すなわち、訪問回数DB30bに記録されたいずれの目的地にも訪問していないと判定し、訪問回数DB30bに記録されたすべての目的地における訪問回数に1を加算しない。
(1−2)車載器の構成:
車載器110は、車両に搭載されている。車載器110は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部120と記録媒体130とを備える。制御部120は、記録媒体130やROMに記憶されたプログラムを実行する。本実施形態において制御部120は、このプログラムの一つとして車載器プログラム121を実行する。
記録媒体130には、サーバ10の地図情報30aと同様の地図情報130aが記録されている。また、記録媒体130には、経路情報130bが記録されている。経路情報130bは、サーバ10にて探索された走行予定経路であって目的地まで接続する一連の道路区間を特定する情報である。制御部120は、経路情報130bに基づいて目的地までの経路案内を実行する。
車両は、GPS受信部141と車速センサ142とジャイロセンサ143とユーザI/F部144と通信部145とECU(Electronic Control Unit)146とを備えている。GPS受信部141は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を制御部120に出力する。車速センサ142は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部120は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ143は、車両の水平面内における角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部120は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。ユーザI/F部144は、ユーザの指示を入力し、またユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる入力部を兼ねた表示部やスピーカー等の出力音の出力部を備えている。
通信部145は、車載器110がサーバ10と通信するための回路である。ECU146は車両の各部を制御するためのコンピュータである。ECU146は車両のアクセサリー電源の操作(イグニションスイッチの操作)を監視し、アクセサリー電源がOFFに操作された場合にOFF信号を制御部120に出力し、アクセサリー電源がONに操作された場合にON信号を制御部120に出力する。
車載器プログラム121は、経路案内部121aと位置情報送信部121bとを含む。
経路案内部121aは、走行予定経路の案内を行う機能を制御部120に実現させるモジュールである。具体的に、経路案内部121aの機能により制御部120は、ユーザI/F部144に対するユーザの操作に基づいてPOI情報が示す地点のなかから目的地を取得し、当該目的地を指定する経路探索要求情報をサーバ10に送信する。目的地に対応するPOI情報は、インターネット200から取得されてもよい。経路案内部121aの機能により制御部120は、経路探索要求情報に対する応答として受信された経路情報130bを取得し、当該経路情報130bが示す走行予定経路を取得する。そして、制御部120は、例えば走行予定経路を示す線が重畳された地図をユーザI/F部144に出力させたり、走行予定経路上を走行するように交差点での進路案内をユーザI/F部144に出力させる。
位置情報送信部121bは、特定動作が行われた際の車両の位置を示す位置情報をサーバ10に送信する機能を制御部120に実現させるモジュールである。位置情報送信部121bの機能により制御部120は、ECU146からアクセサリー電源のON信号を取得すると、車両の現在位置を、特定動作が行われた際の車両の位置として取得する。なお、ECU146からアクセサリー電源のON信号を取得する場合、必ずその前にアクセサリー電源がOFFになっている。従って、アクセサリー電源のON信号を取得した場合、アクセサリー電源がOFF/ONとなる特定動作が行われたと判断することができる。また、制御部120は、アクセサリー電源がOFFとなる直前に特定した現在位置を、特定動作が行われた際の車両の位置として取得してもよい。さらに、制御部20は、アクセサリー電源がOFFとなる直前に特定した現在位置と、アクセサリー電源がONとなった直後に特定した現在位置とのうち自信度が高い方を、特定動作が行われた際の車両の位置として取得してもよい。位置情報送信部121bの機能により制御部120は、特定動作が行われた際の車両の位置を示す位置情報を生成し、当該位置情報をサーバ10に送信する。
また、位置情報送信部121bの機能により制御部120は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地に車両が存在している場合に、当該目的地を示す目的地情報を記録媒体130に記録しておく。具体的に、制御部120は、経路案内中において当該経路案内の目的地から所定の判定距離(例えば700m)以内に車両が存在することとなった場合に、当該目的地を示す目的地情報を記録媒体130に記録しておく。ただし、制御部120は、記録媒体130に記録されている目的地情報が示す目的地から判定距離以内に車両が存在しなくなった場合に、記録媒体130から目的地情報を削除する。ここで、目的地から所定の判定距離以内に車両が存在するとは、目的地の位置(POI情報が示す目的地の位置、目的位置等)と車両の現在位置との間の距離が判定距離以下であることを意味する。
ここで、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地から判定距離以内に車両が存在する状態でアクセサリー電源がOFFとなり、その後、アクセサリー電源がONとなると、アクセサリー電源がONとなった時点で記録媒体30に目的地情報が記録されていることとなる。一方、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地から判定距離以内に車両が存在していない状態でアクセサリー電源がOFFとなり、その後、アクセサリー電源がONとなると、アクセサリー電源がONとなった時点で記録媒体30に目的地情報が記録されていないこととなる。
制御部120は、アクセサリー電源のON信号を取得して位置情報を生成する際に、記録媒体130に目的地情報が記録されていれば、当該目的地情報を位置情報に添付する。これにより、位置情報を取得したサーバ10は、位置情報が示す位置(特定動作が行われた際の車両の位置)が、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて行われたと判断できる。一方、制御部120は、アクセサリー電源のON信号を取得して位置情報を生成する際に、記録媒体130に目的地情報が記録されていなければ、当該目的地情報を添付することなく、位置情報をサーバ10に送信する。これにより、位置情報を取得したサーバ10は、位置情報が示す位置(特定動作が行われた際の車両の位置)が、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置を示し、当該位置が動作位置であると判断できる。ここで、特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われた場合には、そもそも経路案内を行っていない状態で特定動作が行われた場合と、経路案内を行っているが当該経路案内の目的地から判定距離以内ではない位置で特定動作が行われた場合とが含まれる。
以上説明した本実施形態において、過去にユーザが意図的に設定した経路案内の目的地にユーザが再訪問する可能性は高いため、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置であっても、過去にユーザが意図的に設定した経路案内の目的地の位置である目的位置に対して基準距離以内にて特定動作が行われた場合に、当該目的地にユーザが再訪問したと判定できる。さらに、目的位置と動作位置とが所定の基準距離以内であるか否かに基づいて訪問したか否かを判定できるため、領域が特定できない目的地についてもユーザが訪問したか否かを判定できる。
また、本実施形態の目的位置は、目的地への経路案内が行われている状態で、目的地にて特定動作が行われた位置であり、実際に目的地をユーザが訪問した際に特定動作が行われた位置が目的位置として取得される。これにより、特定動作が行われた位置同士の比較によって、目的地をユーザが再訪問したか否かを確実に判定できる。例えば、目的地の施設に付属する駐車場内の位置同士の比較よって、目的地をユーザが再訪問したか否かを確実に判定できる。また、車両のアクセサリー電源がOFFからONとなった場合に車両が移動できる状態に遷移すると判断できる。
(2)訪問地判定システムの処理:
まず、車載器110が実行する目的地情報記録処理について説明する。図2Aは目的地情報記録処理のフローチャートである。まず、経路案内部121aの機能により車載器110の制御部120は、目的地を指定する(ステップS100)。すなわち、制御部120は、ユーザI/F部144に対するユーザの操作に基づいてPOI情報が示す地点のなかから目的地を取得し、当該目的地を指定する経路探索要求情報をサーバ10に送信する。次に、経路案内部121aの機能により制御部120は、経路案内によって車両が当該経路案内の目的地に到着したことを確認する(ステップS110)。すなわち、制御部120は、経路探索要求情報に対して応答された経路情報130bから走行予定経路を取得し、当該走行予定経路の案内を行う。そして、制御部120は、走行予定経路に基づく経路案内中において、当該経路案内の目的地と現在位置との間の距離が所定の判定距離(例えば700m)内となった場合に、経路案内によって車両が当該経路案内の目的地に到着したと判定する。
次に、位置情報送信部121bの機能により制御部120は、目的地情報を記録する(ステップS120)。すなわち、制御部120は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地から判定距離以内に車両が存在する場合に、当該目的地を示す目的地情報を記録媒体130に記録する。なお、一度は目的地に到着したと判定しても、その後、当該目的地から判定距離以内に車両が存在しなくなった場合、制御部120は、目的地情報を記録媒体130から削除する。
次に、車載器110が実行する位置情報送信処理について説明する。図2Bは目的地情報記録処理のフローチャートである。位置情報送信処理は、アクセサリー電源がONになった場合に実行される処理である。まず、位置情報送信部121bの機能により制御部120は、車両の現在位置を取得する(ステップS200)。すなわち、制御部120は、アクセサリー電源がONになった際の現在位置を、特定動作が行われた際の車両の位置として取得する。次に、位置情報送信部121bの機能により制御部120は、滞在時間を取得する(ステップS210)。本実施形態において、制御部120は、アクセサリー電源がOFFになった際の現在時刻を記録媒体130に記録しておくとともに、その後、アクセサリー電源がONになった際の現在時刻からアクセサリー電源がOFFになった際の現在時刻を減算することにより滞在時間を取得する。
次に、位置情報送信部121bの機能により制御部120は、車両の現在位置と滞在時間とを示す位置情報をサーバ10に送信するとともに、目的地情報が記録媒体130に記録されている場合には位置情報に目的地情報を添付する(ステップS220)。これにより、サーバ10は、特定動作が行われた際の車両の位置(現在位置)を取得できるととに、当該特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて行われたか否かを判断できる。つまり、位置情報に目的地情報が添付されていれば特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて行われたと判断でき、位置情報に目的地情報が添付されていなければ特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われたと判断できる。ここで、特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われた場合には、そもそも経路案内を行っていない状態で特定動作が行われた場合と、経路案内を行っているが当該経路案内の目的地ではない位置で特定動作が行われた場合とが含まれる。
次に、訪問地判定システムとしてのサーバ10が行う訪問地判定処理について説明する。図2Cは、訪問地判定処理のフローチャートである。訪問地判定処理は、サーバ10が車載器110から位置情報を受信するごとに実行される処理である。まず、目的位置取得部21aの機能により制御部20は、訪問回数DB30bから過去の目的位置を取得する(ステップS300)。すなわち、制御部120は、過去に訪問した目的地において特定動作が行われた際の車両の位置である目的位置を記録媒体30から取得する。ここでは、今回、位置情報を送信した車載器110と同一の車載器110が過去に送信した位置情報に基づいて作成された訪問回数DB30bから過去の目的位置が取得される。すなわち、同一のユーザが目的地に訪問した際における過去の目的位置が取得される。
次に、目的位置取得部21aの機能により制御部20は、位置情報に目的地情報が添付されているか否かを判定する(ステップS310)。すなわち、制御部120は、位置情報が示す位置にて行われた特定動作が、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地付近にて行われたか否かを判定する。
位置情報に目的地情報が添付されていると判定しなかった場合(ステップS310:N)、制御部20は、動作位置が過去の目的位置から基準距離(例えば300m)以内であるか否かを判定する(ステップS320)。すなわち、まず動作位置取得部21bの機能により制御部20は、目的地情報が添付されていない位置情報が示す車両の位置を、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置において行われた特定動作の動作位置として取得する。そして、判定部21cの機能により制御部20は、当該動作位置が、過去における経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた位置である目的位置のいずれかから基準距離以内に存在するか否かを判定する。
動作位置が過去の目的位置から基準距離以内であると判定しなかった場合(ステップS320:N)、制御部20は、訪問地判定処理を終了する。すなわち、制御部20は、訪問回数DB30bに記録された目的地のいずれにも訪問していないと判定し、訪問回数DB30bに記録された目的地のいずれの訪問回数に1を加算することなく訪問地判定処理を終了する。
一方、動作位置が過去の目的位置から基準距離以内であると判定した場合(ステップS320:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、目的位置が動作位置から基準距離以内の過去の目的地をユーザが訪問したと判定し、その訪問回数に1を加算する(ステップS330)。すなわち、制御部20は、今回、特定動作が行われた動作位置が、過去における経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた目的位置から基準距離以内である場合、同一の目的地をユーザが訪問したと判定し、その目的地の訪問回数に1を加算する。
ここで、訪問回数DB30bにおいて、動作位置から基準距離以内の目的位置が対応付けられた目的地が複数存在する場合も有り得る。ユーザが、互いに近い位置に存在する複数の目的地を指定することも有り得るからである。そこで、ステップS330において、判定部21cの機能により制御部20は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、当該複数の目的位置に対応する目的地のなかから、訪問したと判定する目的地を、動作位置での滞在時間に基づいて選択する。まず、制御部20は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置に対応する目的地の属性に対応付けられている平均の滞在時間を滞在時間DB30cから取得する。そして、制御部20は、今回の位置情報が示す滞在時間と最も近い平均の滞在時間の属性を有する目的地を、訪問したと判定する目的地として選択する。これにより、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合でも、いずれかの目的地をユーザが訪問したかを判定できる。すなわち、滞在時間が適切な目的地に訪問したと判定できる。
一方、位置情報に目的地情報が添付されていると判定した場合(ステップS310:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地が過去の目的地と一致するか否かを判定する(ステップS340)。すなわち、制御部20は、今回の位置情報に添付された目的地情報が示す目的地(経路案内によって到着した当該経路案内の目的地)が、少なくとも過去に1回訪問した目的地として訪問回数DB30bにすでに記録されているか否かを判定する。
経路案内によって到着した当該経路案内の目的地が過去の目的地と一致すると判定した場合(ステップS340:Y)、判定部21cの機能により制御部20は、一致する目的地をユーザが訪問したと判定し、その訪問回数に1を加算する(ステップS350)。すなわち、制御部20は、今回の位置情報に添付された目的地情報が示す目的地が、少なくとも過去に1回訪問した目的地として訪問回数DB30bにすでに記録されている場合、すでに記録されている目的地の訪問回数に1を加算する。
一方、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地が過去の目的地と一致すると判定しなかった場合(ステップS340:N)、判定部21cの機能により制御部20は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地をユーザが初めて訪問したと判定し、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地を訪問回数DB30bに追加し、その訪問回数に1にし、今回の位置情報が示す目的位置を記録する(ステップS355)。これにより、経路探索の際に指定した目的地に実際にユーザが訪問した場合に、当該目的地を訪問回数DB30bに追加することができる。そして、以後は、経路探索の際に目的として指定しなくても、当該目的地の付近で特定動作を行った場合には、訪問回数に1を加算していくことができる。
以上のようにして、ステップS330,S350,S355のいずれかで訪問回数DB30bの変更内容を設定すると、判定部21cの機能により制御部20は、訪問回数DB30bを更新する(ステップS360)。すなわち、ステップS330,S350,S355のいずれかで設定した変更内容で訪問回数DB30bを更新する。
次に、判定部21cの機能により制御部20は、滞在時間DB30cを更新する(ステップS370)。すなわち、ステップS330,S350,S355のいずれかで目的地をユーザが訪問したと判定した場合、当該目的地の属性についての平均の滞在時間に、今回の位置情報が示す滞在時間を反映させる。すなわち、制御部20は、同一の属性について得られた過去の滞在時間と、今回の位置情報が示す滞在時間との平均値によって、訪問したと判定した目的地の属性についての平均の滞在時間を更新する。これにより、目的地の属性ごとに滞在時間を学習していくことができる。なお、滞在時間DB30cは全車載器110共通で学習されてもよいし、位置情報を送信した車載器110ごとに学習されてもよい。
(3)他の実施形態:
制御部20は、特定動作として、車両のドアの開/閉を考慮して訪問回数を特定してもよい。例えば、運転者のユーザが車両内にて待機したまま、同乗者が目的地に訪問する場合、必ずしもアクセサリー電源がOFF/ONされるわけではない。つまり、アクセサリー電源がONのまま、同乗者の目的地への訪問が完了する場合も有り得る。そこで、動作位置取得部21bの機能により制御部20は、車両のドアの開/閉が、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置において行われた場合に、当該ドアの開/閉が行われた位置を動作位置として取得してもよい。車両のドアの開いた状態とアクセサリー電源がOFFの状態のいずれにおいても車両が移動する可能性は極めて低いため、いずれの動作を行った位置を動作位置としても、実質的には同一の位置となると考えることができる。
車載器110の制御部120は、例えばドア開閉センサの検出信号をECU146から取得することにより車両のドアの開/閉を判定してもよい。また、車両のドアの開くとは、車両の全ドアが閉じた状態からいずれか1枚のドアが開いた状態となることを意味する。一方、車両のドアの閉じるとは、車両のいずれかのドアが開いた状態からすべてのドアが閉じた状態となることを意味する。いずれかの1枚でもドアが開いている状態では、目的地の訪問が継続していると言えるからである。
また、判定部21cの機能により制御部20は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、当該複数の目的位置に対応するすべての目的地をユーザが訪問したと判定してもよい。すなわち、図2CのステップS330において、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置に対応する目的地のなかから、訪問回数に1を加算する目的地を、動作位置での滞在時間に基づいて選択する処理を省略してもよい。例えば、隣接している"ABC"コンビニエンスストアと"XYZ"体育館との双方を目的地として設定したことがあり、これらから基準距離以内にて特定動作を行った場合、制御部20は、"ABC"コンビニエンスストアと"XYZ"体育館との双方の訪問回数に1を加算してもよい。ここで、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合、当該複数の目的位置に対応する目的地は、互いに近くに存在しているにも拘わらず過去に個別に目的地として設定されおり、いずれもユーザが強く意図して設定した目的地であると考えることができる。従って、いずれの目的地にもユーザが再訪問した可能性があり、すべての訪問地をユーザが訪問したと判定することが適切である。
さらに、判定部21cの機能により制御部20は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、所定の属性を有する目的地を除き当該複数の目的位置に対応するすべての目的地をユーザが訪問したと判定してもよい。例えば、隣接している"ABC"コンビニエンスストアと"XYZ"体育館との双方を目的地として設定したことがあり、これらから基準距離以内にて特定動作を行った場合、制御部20は、"XYZ"体育館の訪問回数に1を加算し、"ABC"コンビニエンスストアの訪問回数に1を加算しないようにしてもよい。"ABC"コンビニエンスストアの属性であるコンビニエンスストアは、同一のサービスが多数の地点(チェーン店)で受けられる属性であると言える。このような目的地にユーザが再訪問する可能性が小さいとして、訪問したと判定しないにすることが適切である。これに対して、"XYZ"体育館である属性は例えば利用登録をした場合に利用できる属性であったり、周辺の地域の住民等が繰り返して利用する属性であると言える。このような属性の目的地については、訪問回数に1を加算することが適切である。
また、判定部21cの機能により制御部20は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、ユーザが過去に周辺検索によって設定した目的地を除き当該複数の目的位置に対応するすべての目的地に訪問したと判定してもよい。例えば、車載器110は、車両の現在位置や走行予定経路や目的地の周辺の地図を表示させた状態において、POI情報の周辺検索を行った場合に、車両の現在位置や走行予定経路や目的地の周辺に存在するPOI情報に対応するアイコンを地図上に重畳してユーザI/F部144に表示させてもよい。この構成において、いずれかのアイコンを選択することにより、当該アイコンに対応するPOI情報が示す地点が経路案内の目的地として設定され、当該目的地が訪問回数DB30bに記録され得る。制御部20は、このように周辺検索によって設定された目的地については、目的位置が動作位置から基準距離以内であっても、訪問回数に1を加算しないようにしてもよい。ここで、過去に設定された目的地であっても、偶然行きやすい位置に存在していたために目的地として設定された施設にはユーザが再訪問する可能性が小さいと判断できる。周辺検索の場合、車両の現在位置や走行予定経路から行きやすい施設が目的地として設定されるため、周辺検索された目的地にユーザが再訪問する可能性が小さいとして、目的地に訪問したと判定しないようにすることが適切である。なお、周辺検索とは、必ずしも周辺のPOI情報に対応するアイコンを地図上に表示することでなくてもよく、周辺のPOI情報が示す地点の名称等をリスト表示することであってもよい。
前記実施形態においては、本発明を構成する各手段がサーバ10に備えられたが、むろん本発明を構成する各手段の一部または全部が車載器110に備えられてもよい。ここで、目的位置取得部21aの機能により制御部20は、特定動作が行われた位置を目的位置として取得しなくてもよく、例えばPOI情報にもともと地点の位置として登録されている位置を目的位置として取得してもよい。POI情報にもともと地点の位置とは、例えば地点に対応する施設の中心の位置であってもよい。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。目的地とは、ユーザが経路案内のために過去に設定した目的地であり、必ずしも経路案内によってユーザが実際に訪問した目的地でなくてもよい。ユーザが実際に訪問した目的地でなくても、目的地として設定した地点はユーザが訪問したいという意図があったと見なすことができ、ユーザが将来実際に訪問する可能性が大きいと見なせるからである。例えば、目的地は、経路案内の開始した後における天候や渋滞状況等の変化によって訪問を断念した目的地であってもよい。また、目的地は、経路案内における最終の目的地であってもよいし、途中で経由する目的地であってもよい。目的位置とは、目的地の位置であればよく、例えば地図のデータベースに基づいて取得されてもよいし、実際に目的地に訪問した際のユーザの位置に基づいて取得されてもよい。
判定手段は、目的位置と動作位置とが所定の基準距離以内である場合に、目的地に訪問したと判定するが、目的位置と動作位置とが所定の基準距離よりも大きい場合には目的地をユーザが訪問したと判定しない。ここで、基準距離は、固定の値であってもよいし、例えば目的地の施設属性等に応じて可変の値であってもよい。なお、目的地ごとに訪問回数を特定した情報を用意しておくことにより、当該情報に基づいてユーザの趣向を把握することができ、例えばユーザの趣向に応じた目的地の提案等を行うことが可能となる。従って、本発明の訪問地判定システムは、目的地ごとに訪問回数を特定した情報に基づいて目的地の提案等を行う手段を備えてもよい。
ここで、特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地ではない位置にて行われた場合には、そもそも経路案内を行っていない状態で特定動作が行われた場合と、経路案内を行っているが当該経路案内の目的地ではない位置で特定動作が行われた場合とが含まれる。例えば、経路案内中に当該経路案内の目的地付近(所定の判定距離以内)に到着し、そのまま車両が当該目的地付近に存在する状態で特定動作が行われた場合、特定動作が経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて行われたと見なしてもよい。
ここで、目的位置取得手段は、経路案内によって到着した当該経路案内の目的地にて特定動作が行われた場合に、当該特定動作が行われた位置を目的位置として取得してもよい。すなわち、実際に目的地をユーザが訪問した際に特定動作が行われた位置を目的位置として取得してもよい。これにより、特定動作が行われた位置同士の比較によって、目的地をユーザが再訪問したか否かを確実に判定できる。例えば、目的地の施設に付属する駐車場内の位置同士の比較よって、目的地をユーザが再訪問したか否かを確実に判定できる。
さらに、判定手段は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、当該複数の目的位置に対応する目的地のなかから、訪問したと判定する目的地を、動作位置での滞在時間に基づいて選択してもよい。これにより、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合でも、いずれかの目的地をユーザが訪問したかを判定できる。すなわち、滞在時間が適切な目的地をユーザが訪問したと判定できる。例えば、滞在時間が適切であるか否かは、目的地に実際に訪問した際に学習した滞在時間との比較により判断されてもよいし、目的地における標準的な滞在時間との比較により判断されてもよい。標準的な滞在時間は、目的地の施設属性等に応じて設定されてもよい。
また、判定手段は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、当該複数の目的位置に対応するすべての目的地をユーザが訪問したと判定してもよい。ここで、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合、当該複数の目的位置に対応する目的地は、互いに近くに存在しているにも拘わらず過去に個別に目的地として設定されおり、いずれもユーザが強く意図して設定した目的地であると考えることができる。従って、いずれの目的地にもユーザが再訪問した可能性があり、すべての目的地に訪問したと判定することが適切である。
さらに、判定手段は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、所定の属性を有する目的地を除き当該複数の目的位置に対応するすべての目的地をユーザが訪問したと判定してもよい。ここで、過去に設定された目的地であっても属性によっては、ユーザが強く意図して設定した目的地ではないと判断できる場合や、同一の目的地を再訪問する可能性が低いと判断できる場合もある。例えば、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等のように、同様のサービスが多数の地点にて受けられる施設が目的地として過去に設定された場合、当該目的地にユーザが再訪問する可能性が小さいとして、当該目的地をユーザが訪問したと判定しないようにすることが適切である。
また、判定手段は、動作位置からの距離が基準距離以内となる複数の目的位置が存在する場合に、ユーザが過去に周辺検索によって設定した目的地を除き当該複数の目的位置に対応するすべての目的地をユーザが訪問したと判定してもよい。ここで、過去に設定された目的地であっても、偶然行きやすい位置に存在していたために目的地として設定された施設にはユーザが再訪問する可能性が小さいと判断できる。周辺検索の場合、車両の現在位置や走行予定経路から行きやすい施設が目的地として設定されるため、周辺検索された目的地にユーザが再訪問する可能性が小さいとして、当該目的地をユーザが訪問したと判定しないようにすることが適切である。
特定動作は、車両のアクセサリー電源のOFF/ONと、車両のドアの開/閉との少なくとも一方であってもよい。車両のアクセサリー電源がOFFからONとなった場合に車両が移動できる状態に遷移するとともに、車両のドアが開いた状態から閉じた状態となった場合に車両が移動できる状態に遷移すると言うことができる。ただし、特定動作は、車両を移動可能とするアクセサリー電源以外の電源(例えば電気自動車の主電源)をONにすることであってもよいし、エンジンを始動させることであってもよいし、パーキングブレーキを解除することであってもよいし、シフトレバーをパーキング以外にシフトさせることであってもよい。また、車両のアクセサリー電源のOFF/ONの状況を車両に搭載された車載器が検知してもよいし、車両から持ち出し可能な携帯端末(スマートフォン、携帯電話等)が車両と通信することにより検知してもよい。さらに、車載器の電源がアクセサリー電源とともにON/OFFされる場合、車載器の電源の状態に基づいてアクセサリー電源のOFF/ONが行われたことを検知してもよい。また、車両の備えられた複数のドアのいずれかが最初に開いてから、当該複数のドアのいずれかが最後に閉じるまでを特定動作としてもよい。さらに、同一位置にて複数回の車両のドアの開/閉が行われた場合、当該複数回の車両のドアの開/閉のなかで、ドアが最初に開いてからドアが最後に閉じるまでを単一の特定動作としてもよい。
さらに、本発明のように、特定動作が行われた位置に基づいて訪問したか否かを判定する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えた訪問地判定システムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、訪問地判定システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。