JP2016156646A - 検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の検知ラインを使用し時間差積分で検査画像を取得する際に、被検査物の高さ寸法が大きくても画像のコントラストの悪化を抑制することができる検査装置を提供する。
【解決手段】 一定の速度で移動する被検査物を検査高さ範囲の下限で観察するときの検査ラインの最適なスキャンレートと、被検査物を検査高さ範囲の上限で観察するときの検査ラインの最適なスキャンレートとの、中間の周波数をスキャンレートに設定する。これにより、検査高さ範囲Hが大きな被検査物であっても、コントラストの悪化を抑制できるようになる。
【選択図】図5
【解決手段】 一定の速度で移動する被検査物を検査高さ範囲の下限で観察するときの検査ラインの最適なスキャンレートと、被検査物を検査高さ範囲の上限で観察するときの検査ラインの最適なスキャンレートとの、中間の周波数をスキャンレートに設定する。これにより、検査高さ範囲Hが大きな被検査物であっても、コントラストの悪化を抑制できるようになる。
【選択図】図5
Description
本発明は、X線やテラヘルツ波または赤外線あるいは可視光を使用して被検査物の像を取得して検知する検査装置に係り、特に複数の検知ラインを使用して時間差積分により検査画像を生成する検査装置に関する。
食肉などの食品の検査や包装材に内容物が収納された包装体の検査あるいは電子部品その他の工業製品の検査には、X線やテラヘルツ波あるいは赤外線や可視光などの検査波を使用した検査装置が使用される。この検査装置は被検査物に検査波が照射され、被検査物を通過した検査波が検知されて被検査物の検査画像が取得される。
移動する被検査物の画像を取得する技術として、時間差積分(TDI:Time Delay Integration)を使用したものがある。この検査技術に使用される検知部はTDIカメラとも称されるものであり、被検査物の移動方向と直交する検知ラインが被検査物の移動方向に向けて複数ライン並んで設けられている。それぞれの検知ラインで検査波が取得されて検知出力が得られるが、各検知ラインで取得された検知出力は、被検査物の移動速度に同期して、時間をずらしながら順番に積算される。被検査物の各箇所の画像の濃淡を示す検知出力が、複数の検知ラインで順番に取得されて蓄積されるため、被検査物が全ての検知ラインを通過し終わると、被検査物の全体の画像の濃淡が分布する検査画像が得られる。
この手法を用いると、被検査物に与えられる検査波の強度が低くても良好なコントラストの画像を取得することができ、例えば被検査波としてX線などの放射線を使用する場合には、放射線の放射量を少なくでき、被検査物の被ばく量を低減させることが可能になる。
しかし、複数の検知ラインを使用し時間差積分で検査画像を得る方式では、被検査物の高さ寸法が大きくなると、得られる検査画像のコントラストが低下する問題が生じる。
これは、X線管などの検査波の発生源に対して、複数の検知ラインが並ぶ検査領域が、被検査物の移動方向に広がりを有していることに起因している。被検査物のうちの搬送面から高い位置に離れた観察箇所に着目すると、この観察箇所を通過した検査波を検知する検知ラインと、前記観察箇所の真下に位置する検知ラインとの間に移動方向に位置ずれが発生するため、取得した検査画像に像のぼけなどが発生しやすくなる。
そこで、特許文献1に記載されたX線検査装置では、搬送機構の上流側で被検査物の高さを測定し、被検査物の高さ寸法が増大するにしたがって、時間差積分を行う検知ラインの段数を減少させて、前記角度差によるコントラストの低下を低減しようとしている。
しかし、特許文献1に記載されたX線検査装置は、被検査物の高さ寸法が大きくなるにしたがって、光量を取得する検知ラインの段数を減らしているため、高い被検査物の検査画像を得るときに画像検知部の感度が低下することになり、S/N比が悪化し、検査画像のコントラストが低下してしまう。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、検査高さ範囲が大きい被検査物の検査画像を時間差積分によって取得する際に、感度を落とすことなく、コントラストが良好な画像を取得できる検査装置を提供することを目的としている。
本発明は、被検査物を移動させる移動機構と、移動する被検査物を挟んで一方の側に配置された検査波照射部と、他方の側に配置されて被検査物を透過した検査波を検知する検査波検知部と、が設けられた検査装置において、
前記検査波検知部には、被検査物の移動方向に交差する方向に延びる検知ラインが前記移動方向に複数ライン並べられて設けられており、
それぞれの前記検知ラインの検知出力を時間差積分して検査画像を生成する時間差積分処理部と、前記検知ラインのスキャンレートを、被検査物の検査高さ範囲に応じて設定するスキャンレート設定部と、を有することを特徴とするものである。
前記検査波検知部には、被検査物の移動方向に交差する方向に延びる検知ラインが前記移動方向に複数ライン並べられて設けられており、
それぞれの前記検知ラインの検知出力を時間差積分して検査画像を生成する時間差積分処理部と、前記検知ラインのスキャンレートを、被検査物の検査高さ範囲に応じて設定するスキャンレート設定部と、を有することを特徴とするものである。
本発明の検査装置は、被検査物の移動速度を取得する速度検知部が設けられており、前記スキャンレート設定部では、被検査物の移動速度と前記検査高さ範囲とからスキャンレートが設定されるものである。
本発明の検査装置は、前記検査高さ範囲の下限のコントラストが最良となるスキャンレートを下限周波数f1とし、前記検査高さ範囲の上限のコントラストが最良となるスキャンレートを上限周波数f2としたときに、前記スキャンレートが前記下限周波数f1を超えて前記上限周波数f2未満の範囲で設定されることが好ましい。
さらに本発明の検査装置は、前記下限周波数f1と前記上限周波数f2の中間点の周波数(f1+f2)/2を中心とする、レート幅(Δf=f2−f1)の±α%の範囲でスキャンレートが設定されることが好ましい。例えば、前記αは0以上で30以下である。
本発明の検査装置は、例えば、前記検査高さ範囲に対応したスキャンレートを格納したメモリが設けられており、スキャンレート設定部は、前記メモリから最適なスキャンレートを取り出すものである。
あるいは本発明は、搬送部からの高さが一定間隔おきである各高さにおける最良なスキャンレートがメモリに記憶されており、スキャンレート設定部では、前記検査高さ範囲の範囲内にあるいずれかの高さに対応する最良なスキャンレートが選択されるものであってもよい。
本発明の検査装置は、前記検査高さ範囲は、操作部から入力されて前記スキャンレート設定部に与えられる。あるいは、被検査物の高さを検知する高さ検知部が前記放射線検知部の上流に設けられており、前記高さ検知部の検知出力から前記検査高さ範囲が求められて前記スキャンレート設定部に与えられる。
本発明は、被検査物の検査高さ範囲(検査を必要とする高さ範囲)の大きさに応じて、検知ラインのスキャンレートを設定するため、高さ寸法の大きい被検査物であっても、検査画像のコントラストの悪化を最少限に抑制できるようになる。
図1に示すように、本発明の実施の形態の検査装置1は、被検査物移動領域2と、その上に設置された上部収納部3と、被検査物移動領域2の下に配置された下部収納部4を有している。
被検査物移動領域2は、中間部筐体2aの内部に形成されている。中間部筐体2aには一方の側部に搬入口4aが開口し、これに対向する他方の側部に搬出口4bが開口している。搬入口4aと搬出口4bのそれぞれには、X線遮蔽シート5が設けられており、中間部筐体2aの内部の被検査物移動領域2は、放射線遮蔽領域(X線遮蔽領域)となっている。
被検査物移動領域2に、移動機構6が設けられている。移動機構6は、搬入口4aの外側に上流側ローラ7aが設けられ、搬出口4bの外側に下流側ローラ7bが設けられている。上流側ローラ7aと下流側ローラ7bの間には、両ローラ7a,7bよりも下側に、2つの下段ローラ8a,8bが設けられており、上流側ローラ7aと下流側ローラ7bおよび下段ローラ8a,8bに搬送ベルト9が掛けられている。上流側ローラ7aと下流側ローラ7bのいずれか一方に、搬送モータからの駆動力が与えられ、被検査物を検査する際には、搬送ベルト9が反時計方向へ一定の速度Vで周回する。周回する搬送ベルト9のうちの、上流側ローラ7aから下流側ローラ7bに掛けて移動する部分が、被検査物を搬送する搬送部9aである。
図1に示すように、上部収納部3に上部筐体3aが設けられており、上部筐体3aの内部に、検査波照射部であるX線発生部10が収納されている。X線発生部10では、密閉容器11の内部のX線管12が収納されている。
上流側ローラ7aと下流側ローラ7bの間を移動する搬送ベルト9の下側に検査波検知部20が設けられている。検査波検知部20は、TDI(Time Delay Integration)カメラまたはTDIセンサと呼ばれるものであり、X線の強度に応じて蛍光を発するシンチレータと、シンチレータで発せられた蛍光を検知する多数のフォトダイオードとを有している。
TDIカメラでは、前記フォトダイオードが、被検査物の移動方向であるY方向と直交するX方向に直線的に並んで1つの検知ライン21が構成され、この検知ラインが複数ライン設けられている。複数の検知ライン21は被検査物の移動方向であるY方向へ向けて平行に並んで配置されている。図1ないし図3には、個々の検知ライン21を独立したラインセンサ素子として図示しているが、実際には、1つのTDIカメラの筐体内に、複数のフォトダイオードがX方向とY方向に規則的に並んで配置され、X方向に並ぶフォトダイオードで1ラインの検知ライン21が構成されている。
この実施の形態では、Y方向に並ぶ検知ライン21のライン数が128ラインである。
この実施の形態では、Y方向に並ぶ検知ライン21のライン数が128ラインである。
図4に示すように、検査波検知部20の各検知ライン21で取得した検知出力(受光信号)は制御部30に与えられる。制御部30は、CPUなどを主体として構成されているものであり、その処理動作により、制御部30の内部に、時間差積分処理部22、同期信号生成部23、スキャンレート設定部24、画像処理部25などが構成されている。制御部30の内部にはメモリ26が設けられている。
図1に示す検査装置1にはワーク速度検知部28が設けられている。ワーク速度検知部28は、上流側ローラ7aと下流側ローラ7bのいずれか従動側のローラに設けられた回転エンコーダである。または、駆動側のローラを駆動する駆動モータに設けられたエンコーダなどである。
ワーク速度検知部28は、前記エンコーダなど以外のものであって、表示・操作パネル(操作部)15から手動で入力された搬送速度Vの情報をデータとして取得する手段であってもよいし、あるいは、データ通信など各種データバスから検査装置1に与えられた搬送速度Vを取得するものであってもよい。
ワーク速度検知部28で取得された被検査物の搬送速度Vの情報はスキャンレート設定部24に送られる。 また、図2に示す被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hの情報がスキャンレート設定部24に与えられる。検査高さ範囲Hの情報は、被検査物Wの種類に応じて図1に示す表示・操作パネル(操作部)15から手入力で設定されてもよいし、検査波検知部20よりも上流側に被検査物Wの高さ寸法を検知する高さ検知部が設けられ、この高さ検知部の検知出力から検査高さ範囲Hが求められてスキャンレート設定部24に与えられてもよい。
スキャンレート設定部24では、前記搬送速度Vの情報と、被検査物Wの前記検査高さ範囲Hの情報とから最適なスキャンレートが設定される。スキャンレートの設定は、搬送速度Vと検査高さ範囲Hと最適スキャンレートとの関係が、メモリ26にテーブルデータとして格納されており、 測定された搬送速度Vと入力された検査高さ範囲Hとから最適なスキャンレートがメモリ26から取り出される。あるいは、メモリ26に、搬送速度Vと検査高さ範囲Hから最適なスキャンレートを算出する数式が格納されており、スキャンレート設定部24において前記数式を使用して最適なスキャンレートが算出されてもよい。
メモリ26に格納されるテーブルデータとしては、少なくとも検査高さ範囲Hと最適スキャンレートとの関係が示されていればよい。例えば、搬送速度Vが固定された検査装置1の場合には、検査高さ範囲Hの情報のみから最適なスキャンレートを設定することができる。また、搬送速度Vの情報が表示・操作パネル(操作部)15から手入力で与えられる場合には、その搬送速度Vの情報に基づいて、検査高さ範囲Hに適したスキャンレートが取り出される。
スキャンレート設定部24で設定されたスキャンレートの情報が同期信号生成部23に送られ、同期信号生成部23で、設定されたスキャンレートに対応した同期信号が生成されて、同期信号が検査波検査部20と時間差積分処理部22に与えられる。検査波検査部20を構成するそれぞれの検知ライン21は、前記同期信号に同期させて、フォトダイオードで受光した光量を蓄積し且つ蓄積された光量のデータを時間差積分処理部22転送する。本明細書でのスキャンレートは、同期信号に同期させて光量を蓄積し転送する周期の逆数である。時間差積分処理部22では、各検知ライン21から転送されるデータを、前記同期信号に同期させて、順番に遅延させて蓄積する処理動作を行う。
図4に示す制御部30には、画像処理部25が設けられている。時間差積分処理部22で時間差を有して蓄積された各検査ラインの光量は画像処理部25に送られ、被検査物の全体のコントラストを表した検査画像が生成される。
次に、前記検査装置1を使用した被検査物Wの検査動作を説明する。
図2に示すように、検査波照射部であるX線管12から検査波としてX線が照射され、速度Vで移動する被検査物Wを透過したX線が、検査波検知部20の検知ライン21で取得される。図2では、複数の検知ライン21に対して、上流側から下流側へ向けて順番に、符号21−1,21−2,21−2,・・・,21−nを付している。この実施の形態ではn=128である。
図2に示すように、検査波照射部であるX線管12から検査波としてX線が照射され、速度Vで移動する被検査物Wを透過したX線が、検査波検知部20の検知ライン21で取得される。図2では、複数の検知ライン21に対して、上流側から下流側へ向けて順番に、符号21−1,21−2,21−2,・・・,21−nを付している。この実施の形態ではn=128である。
各検知ライン21は、前記同期信号に同期させて光量が蓄積されて、各検知ライン21の検知出力が時間差積分処理部22に転送され、時間差積分処理部22では、時間差積分(TDI:Time Delay Integration)が行われる。
図2に示すように、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hの最下部に位置する任意の点Pに着目すると、時刻t1で点Pを透過したX線の光量が検知ライン21−1で検知されて検出値(i)が得られる。時刻t2で点Pを透過したX線が検知ライン21−2で検知され、検知ライン21−2の検出値と前回の検出値(i)とが時間差を有して積算されて検出値(ii)が得られる。時刻t3で点Pを透過したX線が検知ライン21−3で検知され、検知ライン21−3の検出値と前回の検出値(ii)とが時間差を有して積算されて検出値(iii)が得られる。これが検知ライン21−nまで繰り返される。
時刻t1−t2、t2−t3の各周期は、被検査物Wの速度に合わせて、前記同期信号に同期させて設定される。前記周期の逆数が最適なスキャンレートである。
時間差積分された検出値は、画像処理部25に順次与えられ、画像処理部25において、被検査物Wの全体に対応するコントラストを有する検査画像が生成される。
時間差積分を利用すると、X線管12から発せられるX線の線量が少なくても、高感度でコントラストに優れた検査画像を得ることができる。また、被検査物Wの被ばく量も低下させることができる。
図2には、被検査物Wの検査高さ範囲がHで示されている。この検査高さ範囲Hは、それぞれの被検査物Wにおいて、X線による検査が必要とされる高さ範囲であり、あるいは、時間差積分処理においてコントラストの調整を必要とする高さ範囲である。検査高さ範囲Hは、操作者が被検査物Wの種類ごとに自由に設定することができる。被検査物Wの種類によってはその高さ寸法の全長が検査高さ範囲Hである場合もあるし、その高さ寸法の中の限られた範囲が検査高さ範囲Hとして抽出されるときもある。
ここで、被検査物Wの検査画像を時間差積分で取得する場合には、被検査物Wの検査高さ範囲Hが広くなるにしたがって、検査画像のコントラストが低下していく。これは、被検査物Wの検査高さ範囲H内の各高さ位置によって、検査波検知部20に設定されるべき最適なスキャンレートが相違することに起因している。
図3に示すように、検査波照射部であるX線管12のX線照射点12aがほぼ1点に集約されているのに対し、検査波検知部20の検知ライン21−1,21−2,21−3,・・・,21−nの搬送方向(Y方向)の並び範囲が一定の距離Lを有している。よって、X線照射点12aと検知ライン21−1とを結ぶ線と、X線照射点12aと検知ライン21−nとを結ぶ線とが開き角度θを有している。
被検査物Wが速度Vで移動するときに、被検査物Wのうちの搬送部9aから高さh1の箇所が検査波検知部20の各検知ライン21で検知される時間がT1であるのに対し、搬送部9aから高さh2の箇所が検査波検知部20の各検知ライン21で検知される時間はT2であり、検査時間に時間差2・ΔTが生じている。これは、時間差積分によって高さh1の検査画像を良好なコントラストで取得するためのスキャンレートと、高さh2の箇所の検査画像を良好なコントラストで取得するためのスキャンレートとが一致していないことを意味している。
スキャンレートを、高さh1の検査画像を取得するのに適した値に設定すると、高さh2の検査画像を最適なコントラストで取得できなくなり、画像全体がぼかされることになる。これは、高さh2の検査画像を取得するのに適したスキャンレートに設定した場合も同じである。
そこで、図4に示すスキャンレート設定部24では、被検査物Wの検査高さ範囲Hが入力されたときに、検査高さ範囲Hの最下限の画像の取得に適したスキャンレートと、最上限の画像の取得に適したスキャンレートとの間の値が最適なスキャンレートとして選択され、そのスキャンレートが同期信号生成部23に与えられる。
以下の表1には、搬送部(ベルト面)9aからの高さと、スキャンレートならびに画像のコントラスト比との関係が示されている。
表1に示すように、搬送部9aからのそれぞれの高さ位置において、直径が0.3mmのステンレス鋼の球体を速度V=15m/分で水平に等速で移動させ、検知ライン21がn=128ラインの検査波検査部(TDIカメラ)20を使用し、異なるスキャンレートに設定して、球体の画像を取得した。X線管12は定格電力が50kV、3mAのものを使用した。表1には、搬送部(ベルト面)9aからの高さと、スキャンレートを変化させたときのコントラスト比が示されている。コントラスト比は、各高さ位置を移動する前記球体とその背景となるベルト面とのコントラストが最も良好な状態のときを「1.00」に規格化し、それぞれの条件でのコントラストを規格化値「1.00」に対する比率として示している。
図5には、搬送部9aからの高さが0mmを球体が移動したときの前記球体のコントラスト比と、高さが39mmの位置を球体が移動したときの前記コントラスト比が対比されている。図5のグラフは横軸がスキャンレートで縦軸がコントラスト比である。
高さが0mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約5500Hzであり、高さが39mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートが約6100Hzである。図5に示すように、高さが0mmのときのコントラスト比の変化を示す曲線と、高さが39mmのときのコントラスト比の変化を示す曲線は、5500Hzと6100Hzとの中間点である5800Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから39mmの場合には、スキャンレートを約5800Hzに設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
図6は、搬送部9aからの高さが0mmの位置を球体が移動したときの前記球体のコントラスト比と、高さが11mmと20mmで球体が移動したときのコントラスト比とが対比されている。
高さが11mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約5700Hzである。高さが0mmのときのコントラスト比の変化曲線と、高さが11mmのときのコントラスト比の変化曲線は、5500Hzと5700Hzの中間点である5600Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから11mmの場合には、スキャンレートを約5600Hzに設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
高さが20mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約5850Hz(5800Hzと5900Hzの中間点)である。高さが0mmのときのコントラスト比の変化曲線と、高さが20mmのときのコントラスト比の変化曲線は、5500Hzと5850Hzの中間点である5675Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから20mmの場合には、スキャンレートを約5675Hzに設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
図7は、搬送部9aからの高さが0mmの位置での前記球体のコントラスト比 と、高さが30mmと49mmならびに62mmでのコントラスト比とが対比されている。
高さが30mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約6000Hzである。高さが0mmのときのコントラスト比の変化曲線と、高さが30mmのときのコントラスト比の変化曲線は、5500Hzと6000Hzの中間点である5750Hzよりもやや高い周波数帯である約5800Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから30mmの場合には、スキャンレートを5800Hz付近に設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
高さが49mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約6200Hzである。高さが0mmのときのコントラスト比の変化曲線と、高さが49mmのときのコントラスト比の変化曲線は、5500Hzと6200Hzの中間点である5850Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから49mmの場合には、スキャンレートを約5850Hzに設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
高さが62mmのときに最良のコントラスト比「1.00」となるスキャンレートは約6400Hzである。高さが0mmのときのコントラスト比の変化曲線と、高さが62mmのときのコントラスト比の変化曲線は、5500Hzと6400Hzの中間点である5950Hz付近で交差している。よって、被検査物Wにおいて検査が必要となる検査高さ範囲Hが0mmから62mmの場合には、スキャンレートを約5950Hzに設定すれば、検査高さ範囲Hの各位置での画像のコントラストを最良の状態に設定できる。
被検査物Wの検査高さ範囲Hの下限で検査画像を得るのに適したスキャンレートである下限周波数をf1とし、その上限で検査画像を得るのに適したスキャンレートである上限周波数をf2としたときに、少なくともスキャンレートの周波数を、f1を超えてf2未満の範囲で選択すれば、その被検査物Wの検査画像のコントラストが悪化するのを抑制する効果がある。
また、前記下限周波数f1と前記上限周波数f2の中間点の周波数(f1+f2)/2にほぼ一致する周波数をスキャンレートとして選択すると、その被検査物Wの検査画像を最も良好なコントラストで得ることができる。
ただし、前記下限周波数f1と前記上限周波数f2の中間点の周波数(f1+f2)/2を中心として、レート幅(Δf=f2−f1)の±α%の範囲内にある値をスキャンレートとして設定してもよい。この場合のスキャンレートは、{(f1+f2)/2}±(Δf)×(α/100)である。ただし、αは例えば30以下程度が好ましく、さらに好ましくは15以下である。
ちなみに、被検査物Wの検査高さ範囲Hが30mmを例とすると、f1=5500Hz、f2=6000Hzで、Δfが500Hzである。図7からHが30mmのときに選択すべき最良のスキャンレートは約5800Hzであるから、α=10である。
被検査物Wの検査高さ範囲Hは、操作者が図1に示す表示・操作パネル(操作部)15に表示される入力手順に応じて入力され、この入力装置によってスキャンレート設定部24に入力される。また、検査高さ範囲Hが被検査物Wの高さ寸法に一致しているときは、検査波検知部20の上流側に光学測定方式などによる高さ検知部を設け、移動機構6に供給される被検査物Wの高さ寸法が自動的に測定され、測定値がスキャンレート設定部24に入力される。
メモリ26には、検査高さ範囲Hとこの範囲Hのときに選択すべきスキャンレートがテーブルデータとして格納されており、スキャンレート設定部24では、入力された検査高さ範囲Hに対応したスキャンレートがメモリ26から呼び出され同期信号生成部23に与えられる。
あるいは、スキャンレート設定部24に検査高さ範囲Hが与えられると、その検査高さ範囲に対応した下限周波数f1と上限周波数f2がテーブルから読み出され、スキャンレート設定部24において、(f1+f2)/2などの計算式によって計算が行われて、スキャンレートが設定されてもよい。
前記スキャンレート設定部24でスキャンレートを設定する他の手法として、表1と同じ測定を行って、搬送部9aからの高さを一定間隔としたときの最良なスキャンレートをメモリ26に記憶しておく。例えば、搬送部9aからの高さが0mm,5mm,10mm,15mmのように5mmおきで最適なスキャンレートを測定してメモリ26に記憶しておく。そして、被検査物Wの検査高さ範囲Hがh0であった場合には、H=0mmとH=h0の範囲内にある5mmおきのいずれかの高さに対応するスキャンレートを選択して、同期信号を生成してもよい。
例えば、h0が50mmであったら、検査高さ範囲25mmにおいて最良とされて記憶されているスキャンレートを設定する。また、h0が55mmであったら、検査高さ範囲25mmにおいて最良とされて記憶されているスキャンレートあるいは検査高さ範囲30mmにおいて最良とされて記憶されているスキャンレートを選択する。
本発明は、検査波としてX線を使用したものを実施の形態としたが、検査波は、テラヘルツ波であってもよいし、赤外線あるいは可視光を使用してもよい。例えば赤外線を使用することで、透光性の包装材の内部に放送された内容物の状態を検査することができる。
1 検査装置
2 被検査物移動領域
6 移動機構
9 搬送ベルト
9a 搬送部
12 X線管
12a X線照射点
20 検査波検査部
21 検知ライン
22 時間差積分処理部
23 同期信号生成部
24 スキャンレート設定部
2 被検査物移動領域
6 移動機構
9 搬送ベルト
9a 搬送部
12 X線管
12a X線照射点
20 検査波検査部
21 検知ライン
22 時間差積分処理部
23 同期信号生成部
24 スキャンレート設定部
Claims (9)
- 被検査物を移動させる移動機構と、移動する被検査物を挟んで一方の側に配置された検査波照射部と、他方の側に配置されて被検査物を透過した検査波を検知する検査波検知部と、が設けられた検査装置において、
前記検査波検知部には、被検査物の移動方向に交差する方向に延びる検知ラインが前記移動方向に複数ライン並べられて設けられており、
それぞれの前記検知ラインの検知出力を時間差積分して検査画像を生成する時間差積分処理部と、前記検知ラインのスキャンレートを、被検査物の検査高さ範囲に応じて設定するスキャンレート設定部と、を有することを特徴とする検査装置。 - 被検査物の移動速度を取得する速度検知部が設けられており、 前記スキャンレート設定部では、被検査物の移動速度と前記検査高さ範囲とからスキャンレートが設定される請求項1記載の検査装置。
- 前記検査高さ範囲の下限のコントラストが最良となるスキャンレートを下限周波数f1とし、前記検査高さ範囲の上限のコントラストが最良となるスキャンレートを上限周波数f2としたときに、前記スキャンレートが前記下限周波数f1を超えて前記上限周波数f2未満の範囲で設定される請求項1または2記載の検査装置。
- 前記下限周波数f1と前記上限周波数f2の中間点の周波数(f1+f2)/2を中心とする、レート幅(Δf=f2−f1)の±α%の範囲でスキャンレートが設定される請求項3記載の検査装置。
- 前記αは0以上で30以下である請求項4記載の検査装置。
- 前記検査高さ範囲に対応したスキャンレートを格納したメモリが設けられており、スキャンレート設定部は、前記メモリから最適なスキャンレートを取り出す請求項1ないし5のいずれかに記載の検査装置。
- 搬送部からの高さが一定間隔おきである各高さにおける最良なスキャンレートがメモリに記憶されており、スキャンレート設定部では、前記検査高さ範囲の範囲内にあるいずれかの高さに対応する最良なスキャンレートが選択される請求項1記載の検査装置。
- 前記検査高さ範囲は、操作部から入力されて前記スキャンレート設定部に与えられる請求項1ないし7のいずれかに記載の検査装置。
- 被検査物の高さを検知する高さ検知部が前記放射線検知部の上流に設けられており、前記高さ検知部の検知出力から前記検査高さ範囲が求められて前記スキャンレート設定部に与えられる請求項1ないし7のいずれかに記載の検査装置。
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