JP2016156067A - ベイナイト鋼レール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学組成が、質量%で、C:0.15〜0.45%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.10〜2.00%、Cr:0.10〜2.00%、Nb:0.0005〜0.0050%を含有し、P:0.025%以下、S:0.025%以下に制限し、残部Feおよび不可避的不純物であり、下記式(1)で計算されるBm値が下記式(2)を満足し、レールの頭部コーナー部および頭頂部表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲において、面積%で、95%以上がベイナイト組織であり、前記範囲の平均硬度が300〜500Hvの範囲であることを特徴とするベイナイト鋼レール。
Bm=(0.06+0.5×C)×(1+1.1×Si)×(1+3.5×Mn)×(1+6.4×Cr) ・・・(1)
85≧Bm≧1 ・・・(2)
【選択図】なし
Description
その結果、フェライト相とセメンタイト相の層状構造を成しているパーライト組織では、疲労ダメージ層が蓄積し易いのに対して、柔らかなフェライト相を母相とし、粒状の硬い炭化物が分散したベイナイト組織は、疲労ダメージ層が蓄積し難いことが明らかとなった。
これらのレールの主な特徴は、耐ころがり疲労損傷性に優れたベイナイト組織を安定に生成させるため、従来の普通炭素鋼レールと比較して炭素量を低減させると同時に、Mn、Cr、Moなどの合金元素を多く添加し、さらに、強度を確保するため適切な熱処理を施したものである(例えば、特許文献1、2参照)。
このような背景から、ベイナイト組織を呈した鋼レールにおいて、レール頭部からの耐疲労損傷性をさらに向上させることが望まれるようになった。
Bm=(0.06+0.5×C)×(1+1.1×Si)×(1+3.5×Mn)×(1+6.4×Cr) ・・・(1)
85≧Bm≧1 ・・・(2)
(2)また、上記(1)のレールには、質量%でさらに、下記a群〜d群の成分の1群または2群以上を選択的に含有させることができる。
a群: Ti:0.0005〜0.0050%、V:0.0005〜0.0050%、N:0.010%以下の1種または2種以上。
b群: Mo:0.01〜1.00%、Ni:0.05〜1.00%、B:0.0001〜0.0050%の1種または2種以上。
c群: Cu:0.05〜1.00%、Co:0.01〜1.00%の1種または2種。
d群: Mg:0.0005〜0.0200%、Ca:0.0005〜0.0200%、Al:0.0040〜0.0300%の1種または2種以上。
Bm=(0.06+0.5×C)×(1+1.1×Si)×(1+3.5×Mn)×(1+6.4×Cr) ・・・(1)
85≧Bm≧1 ・・・(2)
まず、本発明を完成するに至った本発明者らの新たな知見について説明する。
しかしながら、転位(加工)強化はレールに歪を与え、疲労き裂の起点となりえるため、適用は困難である。
固溶強化に関しては、鋼の固溶強化元素であり本発明のベース成分であるSi、C以外で、固溶強化元素として効果が高い元素はPであるが、Pは不純物元素であり、本発明の範囲以上の添加量では鋼を脆化させる作用が大きいため、適用できない。
また、炭化物の析出強化により強化する場合は、再加熱工程で一旦オーステナイト相中に炭化物を固溶させ、オーステナイト相中では析出させずに、ベイナイト組織中に析出させる必要がある。つまり、圧延温度、圧延時の冷却速度、ベイナイト組織を作りこむ際の冷却速度の最適化が必須となり、容易ではない。更に、過剰な析出強化は、ベイナイト組織を脆化させる。
一方、上述の析出強化と比較して、結晶粒の微細化強化は特に強化源となる硬質第二相を生成させることなくベイナイト組織の強化を図ることが可能である。つまり、結晶粒の微細化、即ちベイナイト組織の微細化は、変態前の組織であるオーステナイト相の結晶粒径を微細化することで容易に達成できる。
そこで、本発明者らはオーステナイト相の微細化方法を詳細に検討した。
一つ目は、制御圧延に代表されるような低温での大圧下圧延による再結晶粒の微細化である。しかし、レールは厳格な寸法精度が求められるため、成形が困難な傾向となる低温大圧下圧延は製造上の課題が多く、生産性の問題が大きい。
粒成長を抑制する方法には二つの方法が考えられる。
第一の粒成長抑制方法は、再結晶後に粒成長速度が著しく低くなる温度まで急冷する方法である。しかし、この方法は、製造ライン上で再結晶が終わるタイミングの判断が困難な上、急冷の際に停止温度制御が不完全であると、マルテンサイト組織まで急冷されてしまう製造上の課題がある。
一般的に、析出物を用いて母相(本発明の場合はオーステナイト相)の結晶粒の成長を阻害(ピン止め)する場合、析出物には次の2つの特徴を備えることが望ましい。
一つは「個々の析出物のサイズが小さいこと」、もう一つは「析出物の個数密度(体積分率)が大きいこと」である。これらを満たす程、結晶粒の成長を阻害する力が強くなる。
Nbの具体的な添加量については後述の限定理由において詳細に説明する。
(1)化学成分の限定理由
本実施形態のレールにおける化学成分(鋼成分)を限定した理由について詳細に説明する。
そこで、本発明者らは、C、Si、Mn、Cr含有量を種々変化させた鋼を実験室的に溶解し、C量や合金量とベイナイト組織の関係を調査した。実験の結果、下記式(1)に示すC量、Si量、Mn量、Cr量から計算されるBmの値が、下記式(2)に示す範囲内にあれば、所望の硬度のベイナイト組織が安定的に得られることが分かった。なお、具体的な硬度範囲については後述する。
Bm=(0.06+0.5×C)×(1+1.1×Si)×(1+3.5×Mn)×(1+6.4×Cr) ・・・(1)
85≧Bm≧1 ・・・(2)
以下に、目的、作用、効果別に、これら元素群をa群〜d群と分け、詳細に説明する。
Ti、V、Nは鋼中に微量添加することで、熱間圧延工程中におけるオーステナイト相中に炭化物、窒化物、炭窒化物として析出し(同時に添加するとNbとの複合析出もある)、析出物がオーステナイト相の結晶粒成長を阻害する効果を有する。その結果、オーステナイト結晶粒が微細化するため、ベイナイト組織が微細になり硬度が向上する。ベイナイト鋼レールの硬度向上を目的にこれら元素の1種または2種以上を選択的に添加することが好ましい。それぞれの成分限定理由は以下の通りである。
Nは添加する分だけ窒化物、炭窒化物の形成能が強まるため、下限については限定しない。しかし、N量が0.010%を超えると、析出物が粗大化し、オーステナイト相の粒成長の抑制効果が弱くなり、ベイナイト組織の微細化による高硬度化を達成できない。このため、N量は0.010%以下が望ましい。
Mo、Ni、Bは、鋼の焼入れ性を変化させ、ベイナイト組織の高硬度化またはベイナイト組織の生成を安定化させる元素である。ベイナイト組織の硬度向上、ベイナイト組織安定化を目的にこれらの元素の1種または2種以上を選択的に添加することが好ましい。これら元素の成分限定理由は以下の通りである。
Bは0.0001%未満では、旧オーステナイト粒界からの初析フェライト、パーライト組織の生成を抑制することができず、ベイナイト組織を安定的に得られない。また、B量が0.0050%を超えても、それ以上の効果が期待できない。このため、Bは0.0001〜0.0050%が望ましい。
Cu、Coは、ベイナイト組織の基地の固溶強化(Cu)や微細化(Co)により硬度を向上させる元素である。ベイナイト組織の硬度向上を目的にこれら元素の1種または2種を選択的に添加することが好ましい。これら元素の成分限定理由は以下の通りである。
Mg、Ca、Alは鋼中で酸化物や硫化物、窒化物を形成し、レール圧延時の再加熱中や、圧延中の再結晶後のオーステナイト相の粒成長を阻害する元素である。オーステナイト相の粒成長の阻害により、熱間圧延終了後のオーステナイト相が微細化し、最終的にベイナイト組織が微細となり、ベイナイト組織の硬度が向上する。ベイナイト組織の高硬度化を目的にこれら元素の1種または2種以上を選択的に添加することが好ましい。これら元素の成分限定理由は以下の通りである。
また、上記のような成分組成で構成されるレールは、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊法あるいは連続鋳造法により鋳造され、さらにレール形状に熱間圧延を経て製造される。さらに、必要に応じてレール頭部の金属組織や硬さを制御する目的から熱処理が行われる。
次に、レールの頭部コーナー部および頭頂部表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲における金属組織において、95面積%以上のベイナイト組織に限定した理由を説明する。
レール頭部3は、頭頂部1と、頭頂部1の両端に位置する頭部コーナー部2と、側頭部12とを有する。頭頂部1は、レール延伸方向に沿ってレール頭部の頂部に延在する略平坦な領域である。側頭部12は、レール延伸方向に沿ってレール頭部の側部に延在する略平坦な領域である。頭部コーナー部2は、頭頂部1と側頭部12の間に延在する丸められた角部と、側頭部12の上半分(側頭部12の、鉛直方向に沿った1/2部より上側)とを併せた領域である。
頭頂部1の表面と頭部コーナー部2の表面は、レールの中で、車輪に接触する頻度が最も高い領域である。頭部コーナー部2および頭頂部1の表面を起点として深さ20mmまでの範囲を頭表部3aと呼ぶ。
本発明では、少なくともこの頭表部3a(図中で示した網掛け部)が、面積率で95%以上のベイナイト組織であることが重要である。なお、頭部コーナー部2の一方は、車輪と主に接触するゲージコーナー(G.C.)部である。
前記の頭表部3aの金属組織は全て、直線区間において車輪との接触により生じる転がり疲労損傷に対し、優れた耐性を有するベイナイト組織であることが望ましい。しかし、レールの成分系、更には、熱処理工程時の加速冷却条件の選択によっては、微量な初析フェライト、パーライト組織、マルテンサイト組織が混入することがある。これらの組織が微量に混入しても、レールの特性には悪影響を及ぼさないため、前記の頭表部3a(図1の3aに示す網掛け部分参照)においては、面積率で合計5%までは初析フェライト、パーライト組織、マルテンサイト組織を含んでもかまわない。換言すれば、本発明に係るレールの頭表部3aのベイナイト組織の面積率を95%以上とし、ベイナイト組織以外の上記のような組織が混住する場合は、その組織は面積率で合計5%以下に制限する。したがって、レールの頭表部3aのベイナイト組織の面積率の上限は100%である。なお、本発明における「ベイナイト組織」とはベイナイト組織の面積率が95%以上の状態である。
なお、耐表面損傷性を十分に向上させるには、レール頭表部3aの組織は面積率で98%以上をベイナイト組織とすることが好ましい。
析出物のサイズは以下の方法により測定され、後述する方法で観察した析出物の平均粒子径を測定することで求める。なお析出物が真円に近い場合は、析出物と等しい面積の直径を平均粒子径とする。形状が真球状ではなく、楕円体、直方体の析出物の平均粒子径は、長径(長辺)と短径(短辺)の平均値とする。
平均粒径10〜100nmの析出物が生成していても、その生成数が1mm2あたり40,000個未満の場合には、オーステナイト粒成長抑制効果が弱く、ベイナイト組織の微細化が不十分となるおそれがある。一方、1mm2あたり1,000,000個を上回る場合は、ベイナイト組織の変形が拘束され、延性等の機械的特性が低下し、安全性が損なわれるおそれがある。このため、鋼中の析出物は1mm2あたり40,000〜1,000,000個の範囲が好ましい。
また、レールとしての耐摩耗性の観点から、頭頂部および頭部コーナー部の表面を起点として深さ20mmの範囲の平均硬度は300〜500Hvである必要がある。
頭頂部および頭部コーナー部の表面を起点として深さ20mmの範囲の平均硬度が300Hv未満では、耐疲労損傷特性が向上しない。一方、頭頂部および頭部コーナー部の表面を起点として深さ20mmの範囲の平均硬度が500Hvを越えるものは、強化が過剰であり、疲労き裂の進展に対する抵抗力が低下(脆化)してしまう。このため、頭頂部および頭部コーナー部の表面を起点として深さ20mmの範囲の平均硬度の範囲を300〜500Hvに限定する。耐疲労損傷特性の安定向上のためには、平均硬度を320〜480Hvの範囲とすることが好ましい。
測定器 :ビッカース硬度計(荷重98N)
測定用試験片採取:レール頭部の横断面からサンプル切り出し。
事前処理 :前記横断面を研磨。
測定方法 :JIS Z 2244に準じて測定。
平均硬度の算定:
・2mm深さ位置(頭部表面):頭部外郭表面から深さ2mmの任意位置において5点以上の測定を行い、平均値を頭部表面の平均硬度とする。
・20mm深さ位置(頭部内部):頭部外郭表面から深さ20mmの任意位置において5点以上の測定を行い、平均値を頭部内部の平均硬度とする。
なお、本発明において「横断面」とは、レール長手方向に垂直な断面である。
表3、4に本発明の範囲外のレール(比較例B01〜B14)の化学成分と諸特性を示す。表2には、化学成分、頭表部(頭頂部表面下2mm位置、20mm位置、頭部コーナー部表面下2mm位置、20mm位置)の金属組織および硬度、直径10〜100nmの析出物の個数(析出物の個数密度)を示す。
尚、表2、4に示す頭表部の金属組織において、面積率の合計で5%超の初析フェライト、パーライト組織、マルテンサイト組織が混入している比較例については、頭表部金属組織の欄に初析フェライト、パーライト組織、マルテンサイト組織も記載した。また、表2、4に記載の頭表部の金属組織において、「ベイナイト」と表記の場合、面積率で合計5%以下の微量な初析フェライト、パーライト組織、初析セメンタイトやマルテンサイト組織が混入しているものも含んでいる。
製鋼工程において転炉および二次精錬(脱ガス)で成分調整を行い、連続鋳造にてレール熱間圧延用の鋼片(ブルーム)に鋳造した。鋼片は熱間圧延工程において、加熱炉にて1260℃で60分間加熱し、加熱炉抽出後は粗圧延工程、中間圧延工程を経て、粗造形圧延を行い、仕上圧延工程にて最終圧延温度940℃でレール形状に圧延した。熱間圧延後は熱処理工程に搬送し、レールの頭頂部の表面が800℃のオーステナイト状態から、冷却速度3℃/secで400℃まで加速冷却を施し、その後は40℃/minで冷却した。
(1)事前処理:レール切断⇒横断面研摩。
(2)測定方法:JIS Z 2244に準じて測定。
(3)測定器:ビッカース硬度計(荷重98N)
(4)測定箇所:レール頭頂部表面から2mm、20mm深さの位置
レール頭部コーナー部表面から2mm、20mm深さの位置
(5)測定数:5点以上測定し、平均値を鋼レールの代表値とした。
(1)観察試料: レール長手方向に対し垂直に切出したレール頭部を研磨したもの
(2)腐食方法: ナイタールに10sec浸漬(非特許文献2参照)。
(3)観察方法: 光学顕微鏡、200倍
(4)測定数:10視野観察し、平均値を各組織の代表値とした。
(1)観察試料:レール長手方向に対し垂直に切出したレール頭部を研磨したもの
(鏡面状態で観察)
(2)観察方法:走査型電子顕微鏡 倍率:1000〜50000倍
(3)測定位置:頭表部の表面を起点として深さ2〜20mmの任意の点
(4)測定方法:観察により、介在物、析出物の分析を行い、その中から硫化物生成元素や炭化物生成元素からなる硫化物、炭化物、窒化物のみ選択し、その面積を求め、面積に相当する円の直径で粒径を算定。生成物が矩形の場合は長辺と短辺の平均値とする。生成物が正方形の場合は直行する二辺の平均値とする。平均粒径が5μmを超えるものを粗大析出物、介在物と定義。
(1)本発明レール(19本)
符号A01〜A19:化学成分値、頭表部の金属組織が本発明範囲内のレール。
(2)比較レール(14本)
符号B01〜B14:C、Si、Cr、Mn、P、S、Nbの添加量が本発明範囲外、およびC量、Si量、Cr量、Mn量から計算されるBm値が1未満、85超のレール。
符号B03はSi量が規定範囲よりも低かったため、耐摩耗性が低い軟質なベイナイト組織となり硬度が低下したばかりか、脱酸不足により、レールの耐疲労損傷特性を低下させる粗大な酸化物が生成した。符号B04は過剰なSiの添加により焼入れ性が著しく向上し、耐摩耗性や耐疲労損傷特性を劣化させるマルテンサイト組織が生成した。
符号B07はCr量が規定範囲よりも低かったため、軟質なベイナイト組織となり、本発明の目的であるベイナイト組織の高硬度化が達成できなかった。符号B08はCr量が規定範囲よりも高かったため、焼入れ性が著しく向上し、耐摩耗性や耐疲労損傷特性を劣化させるマルテンサイト組織が大量に生成した。
符号B10はS量が規定範囲よりも多かったため、耐疲労損傷特性を低下させる粗大な介在物が生成した。
図2にC量と頭頂部表面より2mm下の硬度の関係、図3にC量と頭頂部表面下20mm位置の硬度の関係を示したグラフを示す。
符号B11はNb量が規定範囲よりも低かったため、ベイナイト組織の微細化が図れず、硬度が上昇しなかった。なお、発明例は同一C量で比較して硬度が増加している。C量増加に伴う硬度上昇はベイナイト組織中のセメンタイトの増加によるものである。
符号B13はC量、Si量、Mn量、Cr量は上記規定の範囲内であったが、これらの含有量から計算されるBm値が1未満であり、式(2)の関係を満足することができず、ベイナイト組織を安定的に生成できず、耐疲労損傷特性を悪化させ、レール頭部表面において、ダークスポットが発生しやすいパーライト組織が大量に生成してしまった。
符号B14はC量、Si量、Mn量、Cr量は上記規定の範囲内であったが、これらの含有量から計算されるBm値が85超であり、式(2)の関係を満足することができず、硬度が500Hvを越え、疲労き裂に対する抵抗力のない脆いベイナイト組織となった。
2:頭部コーナー部
3:レール頭部
3a:頭表部(頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として深さ20mmまでの範囲、斜線部)
12:側頭部
Claims (2)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.15〜0.45%、
Si:0.05〜2.00%、
Mn:0.10〜2.00%、
Cr:0.10〜2.00%、
Nb:0.0005〜0.0050%
を含有し、
P:0.025%以下、
S:0.025%以下、
に制限し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
下記式(1)で計算されるBm値が下記式(2)を満足する鋼組成を有し、
レールの頭部コーナー部および頭頂部表面を起点として少なくとも深さ20mmの範囲において、面積%で、95%以上がベイナイト組織であり、かつ前記範囲の平均硬度が300〜500Hvの範囲であることを特徴とするベイナイト鋼レール。
Bm=(0.06+0.5×C)×(1+1.1×Si)×(1+3.5×Mn)×(1+6.4×Cr) ・・・(1)
85≧Bm≧1 ・・・(2) - 質量%で、さらに、下記a群〜d群の成分の1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のベイナイト鋼レール。
a群: Ti:0.0005〜0.0050%、V:0.0005〜0.0050%、N:0.010%以下の1種または2種以上。
b群: Mo:0.01〜1.00%、Ni:0.05〜1.00%、B:0.0001〜0.0050%の1種または2種以上。
c群: Cu:0.05〜1.00%、Co:0.01〜1.00%の1種または2種。
d群: Mg:0.0005〜0.0200%、Ca:0.0005〜0.0200%、Al:0.0040〜0.0300%の1種または2種以上。
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JP5157698B2 (ja) | 耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール |
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