JP5867262B2 - 耐遅れ破壊特性に優れたレール - Google Patents
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(3)また、上記(2)のレールには、質量%で、さらに、H≦2.0ppmを含有させることができる。
(a)Cr:0.01〜2.00%、
(b)Mo:0.01〜0.50%、
(c)Co:0.01〜1.00%、
(d)B:0.0001〜0.0050%、
(e)Cu:0.01〜1.00%、
(f)Ni:0.01〜1.00%、
(g)V:0.005〜0.50%、
(h)Nb:0.001〜0.020%、
(j)Mg:0.0005〜0.0200%、
(k)Ca:0.0005〜0.0200%、
(l)REM:0.0005〜0.0500%、
(m)Al:0.0100超〜1.00%、
(n)Zr:0.0001〜0.0200%
(5)また、上記(2)のレールには、質量%でさらに、下記(a)〜(f)及び(j)〜(n)の成分の1種または2種以上選択的に含有させることができる。
(a)Cr:0.01〜2.00%、
(b)Mo:0.01〜0.50%、
(c)Co:0.01〜1.00%、
(d)B:0.0001〜0.0050%、
(e)Cu:0.01〜1.00%、
(f)Ni:0.01〜1.00%、
(j)Mg:0.0005〜0.0200%、
(k)Ca:0.0005〜0.0200%、
(l)REM:0.0005〜0.0500%、
(m)Al:0.0100超〜1.00%、
(n)Zr:0.0001〜0.0200%
本実施形態として、耐遅れ破壊特性に優れたレールにつき、詳細に説明する。以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
本発明のレールにおいて、鋼の化学成分を前述した数値範囲に限定する理由について詳細に説明する。
本発明のレールにおいて、レールの頭表部の少なくとも一部がパーライト組織もしくはベイナイト組織に限定する理由について詳細に説明する。
車輪と接触するレール頭表部では耐摩耗性と耐ころがり疲労損傷性の確保が最も重要である。金属組織とこれらの特性の関係を調査した結果、パーライト組織とベイナイト組織がこれらの特性が最もよいことが確認された。さらに、耐遅れ破壊特性についても、パーライト組織とベイナイト組織を用いることにより、その低下がないことが実験により確認された。そこで、耐摩耗性、耐ころがり疲労損傷性の確保および耐遅れ破壊特性を向上させる目的からパーライト組織もしくはベイナイト組織に限定した。
本発明の一態様において、評価対象とした任意の横断面のTi系炭窒化物の粒径を20〜100nmの範囲に限定した理由について詳細に説明する。
なお、Ti系炭窒化物の粒径は、断面積を測定し、円相当断面に置き換えて、その粒径
を算定し、上記の限定に適用した。
Ti系炭窒化物のサイズや数を制御するTi量の制御について望ましい製造方法を説明する。
Ti系炭窒化物のサイズや数を制御するN量の制御について望ましい製造方法を説明する。
遅れ破壊特性をさらに改善するH量の制御について望ましい製造方法を説明する。
表1に本発明レールの化学成分と諸特性を示す。表1には、化学成分値、頭表部のミクロ組織、頭表部の硬さ、粒径20〜100nmのTi系炭窒化物の数を示す。さらに、図6に示す方法で行った遅れ破壊試験の結果(限界応力値)も併記した。尚、頭表部のミクロ組織は、面積率で5%以下の微量な初析フェライト組織、初析セメンタイト組織やマルテンサイト組織が混入しているものも含んでいる。
表1、表2に示した本発明レールおよび比較レールの水素量分析の方法は下記のとおりである。
(1)分析工程:鋼片鋳造時のモールド内より溶鋼をサンプリング
(2)サンプル保持方法:サンプリング後、急速冷却⇒液体窒素に浸漬
(3)分析方法 熱伝導度法
サンプルサイズ:直径6mm、厚さ1mmの円筒
加熱温度:1900℃(黒鉛るつぼ上でサンプルをインダクションヒーティング)
雰囲気:不活性ガス(Ar)
キャリアガス:N2
分析装置:熱伝導度検出器
表1、表2に示した本発明レールおよび比較レールの頭表部のミクロ組織、頭表部の硬さは、レール頭表部表面から3mm深さの位置で行った。また、硬さはビッカース硬度計で測定した。測定方法は下記に示すとおりである。
(1)事前処理:レール切断⇒横断面研摩。
(2)測定方法:JIS Z 2244に準じて測定。
(3)測定機:ビッカース硬度計(荷重98N)。
(4)測定箇所:レール頭表部表面から3mm深さの位置。
(5)測定数:5点以上測定し、平均値を鋼レールの代表値とすることが望ましい。
表1、表2に示した本発明レールおよび比較レールの粒径20〜100nmのTi系炭窒化物の測定は、図3に示すようにレール頭表部表面から10〜20mm深さの位置で行った。測定方法は下記に示すとおりである。
(1)事前処理:レール切断⇒横断面から薄膜作製
(2)測定方法
装置:透過型電子顕微鏡
倍率:5万〜50万
粒径測定:観察により個々の析出物の分析を行い、Ti系炭窒化物のみ選択し、その面積を求め、面積に相当する円の直径で粒径を算定。
個数の算定:20視野の観察を行い、所定の直径に該当するTi系炭窒化物数をカウントし、これを単位面積当たりの数に換算し、その平均値を求めた。
表1、表2に示した本発明レールおよび比較レールの遅れ破壊試験の条件は下記に示すとおりである。
(1)レール形状:136ポンドレール(67kg/m)
(2)遅れ破壊試験
試験方法:3点曲げ(スパン長:1.5m、図6参照)
試験姿勢:レール底部に荷重負荷(頭部に引張応力作用)。
応力条件:200〜500MPa(レール頭部表面)
応力負荷時間:500時間
(3)限界応力値:所定の応力で500時間負荷した場合に未破断であった場合の応力の最大値
(1)本発明レール(47本)
符号 A1〜A47:化学成分値、頭表部のミクロ組織、頭表部の硬さ、頭表部の硬さ、粒径20〜100nmのTi系炭窒化物の数が本願発明範囲内のレール。
符号 a1〜a6(6本):C、Si、Mnの添加量、頭表部のミクロ組織が本願発明範囲外のレール。
符号 a7〜a21:Nの添加量、粒径20〜100nmのTi系炭窒化物の数が本願発明範囲外のレール。
2:頭部コーナー部
3:レール頭部
3a:頭表部(頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として深さ20mmまでの範囲、斜線部)
Claims (5)
- 質量%で、C:0.70〜1.20%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.10〜2.00%、Ti:0.0010超〜0.0050未満%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼レールにおいて、前記鋼レールの頭部コーナー部および頭頂部の表面を起点として深さ20mmまでの範囲である頭表部の95%以上がパーライトもしくはベイナイト組織であり、かつ、前記組織中の任意の横断面において、粒径が20〜100nmのTi系炭窒化物が被検面積0.01mm2あたり250〜5000個存在することを特徴とするレール。
- 質量で、さらに、N:0.0010〜0.0035%を含有することを特徴とする請求項1に記載のレール。
- 質量%で、さらに、H:2.0ppm以下であることを特徴とする請求項2に記載のレール。
- 質量%で、さらに、
Cr:0.01〜2.00%、
Mo:0.01〜0.50%、
Co:0.01〜1.00%、
B:0.0001〜0.0050%、
Cu:0.01〜1.00%、
Ni:0.01〜1.00%、
V:0.005〜0.50%、
Nb:0.001〜0.020%、
Mg:0.0005〜0.0200%、
Ca:0.0005〜0.0200%、
REM:0.0005〜0.0500%、
Al:0.0100超〜1.00%、
Zr:0.0001〜0.0200%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または3記載のレール。 - 質量%で、さらに、
Cr:0.01〜2.00%、
Mo:0.01〜0.50%、
Co:0.01〜1.00%、
B:0.0001〜0.0050%、
Cu:0.01〜1.00%、
Ni:0.01〜1.00%、
Mg:0.0005〜0.0200%、
Ca:0.0005〜0.0200%、
REM:0.0005〜0.0500%、
Al:0.0100超〜1.00%、
Zr:0.0001〜0.0200%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2記載のレール。
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