JP5157698B2 - 耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール - Google Patents
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Description
[1]Co:0.05〜1.00%の1種、
[2]Cr:0.05〜2.00%、Mo:0.01〜0.50%の1種または2種、
[3]V:0.005〜0.50%、Nb:0.002〜0.050%の1種または2種、
[4]B:0.0001〜0.0050%の1種、
[5]Cu:0.05〜1.00%の1種、
[6]Ni:0.01〜1.00%の1種、
[7]Ti:0.0050〜0.0500%、Mg:0.0005〜0.0200%、Ca:0.0005〜0.0150%の1種または2種以上、
[8]Al:0.0100〜1.00%の1種、
[9]Zr:0.0001〜0.2000%の1種、
[10]N:0.0060〜0.0200%の1種、
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
請求項1において、レール鋼の化学成分を上記請求範囲に限定した理由について詳細に説明する。
Alは、脱酸材として必須の成分である。また、共析変態温度を高温側へ移動させる元素であり、パーライト組織の高硬度(強度)化に寄与する元素であるが、Al量が0.0100%未満では、その効果が弱い。また、Al量が1.00%を超えると、鋼中に固溶させることが困難となり、粗大なアルミナ系介在物が生成し、レールの靭性が低下すると同時に、粗大な析出物から疲労損傷が発生する。さらに、溶接時に酸化物が生成し、溶接性が著しく低下するため、Al添加量を0.0100〜1.00%に限定した。
オーステナイト粒を微細する析出物として、Li酸化物(LiO2)に着目した理由について詳細に説明する。
まず、パーライト組織1μm2中のLi酸化物(LiO2)の個数を限定する場合に、Li酸化物(LiO2)の大きさを限定した理由について詳細に説明する。
次に、頭部コーナー部および頭頂部表面を起点として、少なくとも深さ20mmの範囲を、硬さHv320〜500の範囲のパーライト組織に限定した理由について説明する。
本成分系では、パーライト組織の硬さがHv320未満になると、レール頭部の耐摩耗性の確保が困難となり、レールの使用寿命が低下する。また、ころがり面に塑性変形起因のフレーキング損傷が発生し、レール頭部の耐表面損傷性が大きく低下する。また、パーライト組織の硬さがHv500を超えると、パーライト組織の延性が著しく低下し、ころがり面のスポーリング損傷が発生し、レール頭部の耐表面損傷性が低下する。このためパーライト組織の硬さをHv320〜500の範囲に限定した。
表1に供試レール鋼の化学成分、直径1〜100nmの大きさのLi酸化物(LiO2)の数(1μm2中)、レール頭部のミクロ組織、硬さを示す。尚、ミクロ組織および硬さは頭表面下2mm位置のデータであり、ミクロ組織におけるパーライトは、面積率で95%以上がパーライト組織であることを意味し、パーライト組織以外の組織の微量は面積率が5%以下であることを意味する。さらに、図5に示す位置から試験片を採取し、図6に示す方法で行った摩耗試験の結果、図7に示す位置から試験片を採取して行った引張試験の結果も併記した。なお、図5は、表1、表2示す摩耗試験における試験片採取位置を図示したものであり、図6は、表1、表2に示す摩耗試験の概要を示したものであり、図6おいて、3レール試験片、4相手材、5冷却用ノズルである。図7は、表1、表2に示す引張試験における試験片採取位置を図示したものである。
[1]頭部引張試験
試験機:万能小型引張試験機
試験片形状:JIS4号相似
平行部長さ:30mm、平行部直径:6mm、伸び測定評点間距離:25mm
試験片採取位置:レール頭部表面下6mm(図7参照)
引張速度:10mm/min、試験温度:常温(20℃)
試験機:西原式摩耗試験機(図6参照)
試験片形状:円盤状試験片(外径:30mm、厚さ:8mm)
試験片採取位置:レール頭部表面下2mm(図5参照)
試験荷重:686N(接触面圧640MPa)
すべり率:20%
相手材:パーライト鋼(Hv380)
雰囲気:大気中
冷却:圧搾空気による強制冷却(流量:100Nl/min)
繰返し回数:70万回
上記限定成分範囲内で、かつ、直径1〜100nmの大きさの微細Li酸化物(LiO2)の数(1μm2中)、レール頭部のミクロ組織、硬さが規定の範囲の耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
鋼:33〜40:成分範囲が本願発明範囲外のレール。
鋼:41〜51:成分範囲が本願発明範囲内であるが、微細Li酸化物(LiO2)の数(1μm2中)が本願発明範囲外であるレール。
鋼:52〜54:成分範囲が本願発明範囲内であるが、頭部のミクロ組織が上記限定外のレール。
鋼:55〜57:成分範囲が本願発明範囲内であるが、頭部の硬さが上記限定外のレール。
2:頭部コーナー部、
3:レール試験片、
4:相手材、
5:冷却用ノズル
Claims (13)
- 質量%で、C:0.65〜1.20%、Si:0.05〜2.00%、Mn:0.05〜2.00%、Li:0.0005〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼レールにおいて、該鋼レールの頭表部の少なくとも一部がパーライト組織であり、前記パーライト組織中の任意断面において、直径1〜100nmの大きさのLi酸化物の合計個数が1μm 2 中に50〜1000個存在することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1において、C:0.90〜1.20%の範囲であることを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1又は2において、質量%で、さらに、Co:0.05〜1.00%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、質量%で、さらに、Cr:0.05〜2.00%、Mo:0.01〜0.50%の1種または2種を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、質量%で、さらに、V:0.005〜0.50%、Nb:0.002〜0.050%の1種または2種を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、質量%で、さらに、B:0.0001〜0.0050%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、質量%で、さらに、Cu:0.05〜1.00%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、質量%で、さらに、Ni:0.01〜1.00%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜8のいずれか1項において、質量%で、さらに、Ti:0.0050〜0.0500%、Mg:0.0005〜0.0200%、Ca:0.0005〜0.0150%の1種または2種以上を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜9のいずれか1項において、質量%で、さらに、Al:0.0100〜1.00%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜10のいずれか1項において、質量%で、さらに、Zr:0.0001〜0.2000%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜11のいずれか1項において、質量%で、さらに、N:0.0060〜0.0200%を含有することを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
- 請求項1〜12のいずれか1項において、前記鋼レールにおける頭部コーナー部および頭頂部表面を起点として、少なくとも深さ20mmの範囲がパーライト組織であり、かつ、その硬さがHv320〜500の範囲であることを特徴とする耐摩耗性および延性に優れたパーライト系レール。
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