JP2016155745A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率及び低分散を有し、且つ安定性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供する。【解決手段】光学ガラスは、酸化物基準の質量%で、B2O3成分を8.0〜40.0%、Ln2O3成分(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)を25.0〜80.0%含有し、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%以上50.0%以下含有し、1.65以上1.80以下の屈折率(nd)と、45以上65以下のアッベ数(νd)とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラス、プリフォーム及び光学素子に関する。
近年、光学系を使用する機器のデジタル化や高精細化が急速に進んでおり、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器や、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の画像再生(投影)機器等の各種光学機器の分野では、光学系で用いられるレンズやプリズム等の光学素子の枚数を削減し、光学系全体を軽量化及び小型化する要求が強まっている。
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学系全体の軽量化及び小型化を図ることが可能な、1.65以上1.80以下の高い屈折率(n)を有し、高いアッベ数(ν)を有する高屈折率低分散ガラスの需要が非常に高まっている。これに関し、特許文献1〜2に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2013−063888号公報 国際公開第2010/090014号
しかし、特許文献1〜2に記載されたガラスでは、アッベ数が小さく、又はガラスの安定性が十分でない問題点があった。そのため、1.65以上1.80以下の高い屈折率(n)を有しながらも、よりアッベ数が高く(低分散であり)、且つ安定な光学ガラスが求められていた。
他方で、色収差のうち青色領域の収差(二次スペクトル)の補正において、光学設計で着目される光学特性の指標として、部分分散比(θg,F)が用いられている。部分分散比(θg,F)は、下式(1)により示される。
θg,F=(n−n)/(n−n)・・・・・・(1)
ここで、低分散の凸レンズと高分散の凹レンズとを組み合わせて色収差の補正を行う光学系では、低分散側のレンズに部分分散比(θg,F)の大きい光学材料を用い、高分散側のレンズに部分分散比(θg,F)の小さい光学材料を用い、これらを組み合わせることで、二次スペクトルを補正できる。
しかし、特許文献1〜2に記載されたガラスでは、高屈折率及び低分散を有していても、部分分散比が小さく、二次スペクトルを補正するレンズとして用いるには十分でなかった。すなわち、高い屈折率(n)及び高いアッベ数(ν)を有しながらも、部分分散比(θg,F)の大きい光学ガラスが求められていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高屈折率及び低分散を有し、且つ安定性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供することにある。
また、本発明は、高屈折率及び低分散を有し、且つ色収差の補正に好ましく用いられる光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、B成分及びLn成分(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)にF成分を併用しながらも、各成分の含有量を調整することによって、ガラスにおいて高屈折率及び低分散化が図られながらも、ガラスの安定性が高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者は、各成分の含有量を調整することによって、高屈折率及び低分散化が図られながらも、ガラスの部分分散比がより一層高められることも見出した。
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 酸化物基準の質量%で、B成分を8.0〜40.0%、Ln成分を25.0〜80.0%含有し、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%以上50.0%以下含有し、
1.65以上1.80以下の屈折率(n)と、45以上65以下のアッベ数(ν)とを有する光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
(2) 酸化物基準の質量%で、
La成分 0〜60.0%、
Gd成分 0〜30.0%及び
BaO成分 0〜35.0%
である(1)記載の光学ガラス。
(3) 酸化物基準の質量%で、
SiO成分 0〜20.0%、
成分 0〜20.0%、
Yb成分 0〜20.0%、
TiO成分 0〜20.0%、
Nb成分 0〜10.0%、
WO成分 0〜10.0%、
Bi成分 0〜10.0%、
MgO成分 0〜10.0%、
CaO成分 0〜20.0%、
SrO成分 0〜25.0%、
LiO成分 0〜10.0%、
NaO成分 0〜10.0%、
O成分 0〜10.0%、
ZnO成分 0〜20.0%、
成分 0〜10.0%、
GeO成分 0〜10.0%、
Ta成分 0〜10.0%、
ZrO成分 0〜20.0%、
Al成分を0〜20.0%、
Ga成分 0〜20.0%、
TeO成分 0〜20.0%、
SnO成分 0〜5.0%及び
Sb成分 0〜1.0%
である(1)又は(2)記載の光学ガラス。
(4) 酸化物基準の質量比F/Lnが0.05以上1.00以下である(1)から(3)のいずれか記載の光学ガラス(ここで、Ln成分の含有量は、酸化物基準の質量%での含有量であり、F成分の含有量は、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%での含有量である)。
(5) 酸化物基準の質量比Ln/(SiO+B)が1.00以上である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
(6) 酸化物基準の質量比(TiO+Nb+WO+Bi)/Fが0.50以下である(1)から(5)のいずれか記載の光学ガラス(ここで、TiO成分、Nb成分、WO成分及びBi成分の含有量は、酸化物基準の質量%での含有量であり、F成分の含有量は、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%での含有量である)。
(7) 酸化物基準のRO成分の質量和が40.0%以下であり、
酸化物基準のRnO成分の質量和が10.0%以下である(1)から(6)のいずれか記載の光学ガラス(式中、RnはLi、Na及びKからなる群より選択される1種以上であり、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である)。
(8) 酸化物基準の質量和(Ln+BaO)が30.0%以上85.0%以下である(1)から(7)のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
(9) 酸化物基準の質量和(Ta+ZrO+Al)が20.0%以下である(1)から(8)のいずれか記載の光学ガラス(式中、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である)。
(10) 屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.01νd+2.15)≦nd≦(−0.01νd+2.35)の関係を満たす(1)から(9)のいずれか記載の光学ガラス。
(11) (1)から(10)のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
(12) (1)から(10)いずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
(13) (12)記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
本発明によれば、高屈折率及び低分散を有し、且つ安定性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供できる。
また、本発明によれば、高屈折率及び低分散を有し、且つ色収差の補正に好ましく用いられる光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供できる。
部分分散比(θg,F)が縦軸でアッベ数(ν)が横軸の直交座標に表されるノーマルラインを示す図である。 本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)とアッベ数(ν)の関係を示す図である。 本願の実施例のガラスについての部分分散比(θg,F)とアッベ数(ν)の関係を示す図である。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%で、B成分を8.0〜40.0%、Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)を25.0〜80.0%含有し、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%以上50.0%以下含有し、1.65以上1.80以下の屈折率(n)と、45以上65以下のアッベ数(ν)とを有する。
成分及びLn成分にF成分を併用しながらも、各成分の含有量を調整することによって、ガラスにおいて高屈折率及び低分散化が図られながらも、ガラスの安定性が高められる。このため、高屈折率及び低分散を有し、且つ安定性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供できる。
また、各成分の含有量を調整することによって、高屈折率及び低分散化が図られながらも、ガラスの部分分散比がより一層高められる。このため、高屈折率及び低分散を有し、且つ色収差の補正に好ましく用いられる光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供できる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所について適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は特に断りがない場合は、全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解されて酸化物に変化すると仮定した場合に、当該酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
成分は、8.0%以上含有することで、ガラス内部で網目構造を形成し、安定なガラス形成を促して耐失透性を高められ、且つアッベ数を大きくできる必須成分である。従って、B成分の含有量は、好ましくは8.0%、より好ましくは11.0%、さらに好ましくは14.0%、さらに好ましくは16.0%を下限とする。
他方で、B成分の含有量を40.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられ、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは40.0%、より好ましくは33.0%、さらに好ましくは28.0%、さらに好ましくは24.0%を上限とし、さらに好ましくは21.0%未満とする。
成分は、原料としてHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いることができる。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、25.0〜80.0%である。
特に、この質量和を25.0%以上にすることで、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められるため、高屈折率低分散ガラスを得易くできる。また、これにより着色を低減できる。従って、Ln成分の含有量の質量和は、好ましくは25.0%、より好ましくは31.0%、さらに好ましくは36.0%、さらに好ましくは42.0%、さらに好ましくは46.0%を下限とする。
他方で、この質量和を80.0%以下にすることで、耐失透性を高められる。従って、Ln成分の含有量の質量和は、好ましくは80.0%以下、より好ましくは78.0%未満、さらに好ましくは75.0%未満、さらに好ましくは72.0%未満とする。
F成分は、5.0%以上含有することで、ガラスの部分分散比を高め、且つガラス転移点を下げる必須成分である。特に、F成分を含有することで、高い部分分散比を有しながらも、着色の少ない光学ガラスを得られる。従って、F成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは5.5%、さらに好ましくは6.0%、さらに好ましくは6.5%を下限とする。なお、F成分の含有量は、10.0%超としてもよく、10.6%以上としてもよい。
他方で、F成分の含有量を50.0%以下にすることで、ガラスの比重の上昇を抑えられ、且つガラスを失透し難くできる。従って、F成分の含有量は、好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは40.0%、さらに好ましくは30.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは12.0%を上限とする。
F成分は、原料としてZrF、AlF、NaF、CaF、LaF等を用いることができる。
なお、本明細書におけるF成分の含有量は、ガラスを構成するカチオン成分全てが電荷の釣り合うだけの酸素と結合した酸化物でできていると仮定し、それら酸化物でできたガラス全体の質量を100%として、F成分の質量を質量%で表したもの(酸化物基準の質量に対する外割り質量%)である。
La成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高め、且つ可視光についての透過率を高められる任意成分である。従って、La成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは10.0%超、さらに好ましくは17.0%超、さらに好ましくは22.0%超、さらに好ましくは28.0%超としてもよい。
他方で、La成分の含有量を60.0%以下にすることで、ガラスを失透し難くでき、且つガラスの比重の増加を抑えられる。従って、La成分の含有量は、好ましくは60.0%以下、より好ましくは55.0%未満、さらに好ましくは52.0%未満、さらに好ましくは50.0%未満とする。
La成分は、原料としてLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)等を用いることができる。
Gd成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められる任意成分である。従って、Gd成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは5.0%超としてもよい。
他方で、Gd成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの比重の上昇を抑え、部分分散比の低下を抑え、且つ、失透を抑えられる。従って、Gd成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは23.0%以下、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは17.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満とする。
Gd成分は、原料としてGd、GdF等を用いることができる。
BaO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率や耐失透性を高められ、且つ、ガラス原料の熔融性を高められる任意成分である。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.5%超、さらに好ましくは2.5%超、さらに好ましくは5.0%超としてもよい。
他方で、BaO成分の含有量を35.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、且つガラスの失透を低減することができる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは35.0%以下、より好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満とする。
BaO成分は、原料としてBaCO、Ba(NO等を用いることができる。
SiO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの着色を低減でき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.5%超、さらに好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超としてもよい。
他方で、SiO成分の含有量を20.0%以下にすることで、SiO成分を熔融ガラス中に熔解し易くし、高温での熔解を回避することができる。SiO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは17.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは13.0%未満、さらに好ましくは11.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは8.0%未満とする。
SiO成分は、原料としてSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
成分及びYb成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められる任意成分である。特に、Y成分は、ガラスの比重を小さくできる成分でもある。従って、Y成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは5.0%超としてもよい。
他方で、Y成分又はYb成分の含有量を20.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高められる。また、特にYb成分の含有量を20.0%以下にすることで、ガラスの長波長側(波長1000nmの近傍)に吸収が生じ難くなるため、ガラスの赤外線に対する耐性を高められる。従って、Y成分及びYb成分のうち少なくともいずれかの含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満とする。特に、Yb成分の含有量は、5.0%未満としてもよく、1.0%未満としてもよい。
成分及びYb成分は、原料としてY、YF、Yb等を用いることができる。
TiO成分、Nb成分、WO成分及びBi成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及び部分分散比を高められる任意成分である。
特に、TiO成分及びNb成分は、比重を小さくできる成分でもある。また、Bi成分は、ガラス転移点を低くできる成分でもある。
他方で、TiO成分、Nb成分、WO成分又はBi成分の含有量を低減することで、アッベ数の低下を抑えられ、且つ可視短波長(500nm以下)の光線透過率の悪化を抑えられる。
従って、TiO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。また、Nb成分、WO成分及びBi成分のうち少なくともいずれかの含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
TiO成分、Nb成分、WO成分及びBi成分は、原料としてTiO、Nb、WO、Bi等を用いることができる。
MgO成分、CaO成分及びSrO成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善して耐失透性を高める任意成分である。
他方で、MgO成分、CaO成分又はSrO成分の含有量を低減することで、ガラスの屈折率の低下を抑え、且つ失透を低減できる。
従って、MgO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
また、CaO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
また、SrO成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは18.0%以下、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
MgO成分、CaO成分及びSrO成分は、原料としてMgCO、MgF、CaCO、CaF、Sr(NO、SrF等を用いることができる。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善できる任意成分である。特に、KO成分は、ガラスの部分分散比をより一層高める成分でもある。
他方で、LiO成分、NaO成分又はKO成分の含有量を低減することで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ失透を低減できる。特に、LiO成分の含有量を低減することで、ガラスの部分分散比の低下を抑えられる。従って、LiO成分、NaO成分及びKO成分のうち少なくともいずれかの含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、原料としてLiCO、LiNO、LiF、NaCO、NaNO、NaF、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる。
ZnO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善でき、ガラス転移点を低くでき、且つ失透を低減できる任意成分である。
他方で、ZnO成分の含有量を20.0%以下にすることで、屈折率の低下や失透を低減できる。また、これにより熔融ガラスの粘性が高められるため、ガラスへの脈理の発生を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満とする。
ZnO成分は、原料としてZnO、ZnF等を用いることができる。
成分は、0%超含有する場合に、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を向上できる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
成分は、原料としてAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いることができる。
GeO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、耐失透性を向上できる任意成分である。
他方で、GeO成分は原料価格が高いことから、その量が多いと材料コストが高くなるため、得られるガラスが実用的でなくなる。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
GeO成分は、原料としてGeO等を用いることができる。
Ta成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及び耐失透性を高める任意成分である。
他方で、Ta成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの部分分散比の低下を抑えられる。また、高価なTa成分の低減によるガラスの材料コストの上昇を抑えられ、且つ、高温での熔解を回避することでガラスの製造コストを低減できる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とし、最も好ましくは含有しない。
Ta成分は、原料としてTa等を用いることができる。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及び耐失透性を高める任意成分である。
他方で、ZrO成分の含有量を20.0%以下にすることで、アッベ数の低下を抑えられ、且つ、部分分散比の低下を抑えられる。また、ガラス原料の高温での熔解を回避できるため、ガラスの製造コストを低減できる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
ZrO成分は、原料としてZrO、ZrF等を用いることができる。
Al成分及びGa成分は、0%超含有する場合に、安定なガラスを形成し易くできる任意成分である。
他方で、Al成分又はGa成分の含有量を20.0%以下にすることで、アッベ数の低下を抑制できる。従って、Al成分及びGa成分のうち少なくともいずれかの含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Al成分及びGa成分は、原料としてAl、Al(OH)、AlF、Ga、Ga(OH)等を用いることができる。
TeO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高め、ガラス転移点(Tg)を下げることが可能な任意成分である。
他方で、TeOは白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
TeO成分は、原料としてTeO等を用いることができる。
SnO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの酸化を低減して熔融ガラスを清澄でき、且つガラスの光線透過率を悪化し難くできる任意成分である。
他方で、SnO成分の含有量を5.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を生じ難くできる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)との合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満とする。
SnO成分は、原料としてSnO、SnO、SnF、SnF等を用いることができる。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
他方で、Sb成分の含有量を1.0%以下にすることで、過度の発泡を生じ難くでき、且つ、熔解設備(特にPt等の貴金属)との合金化を低減できる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
Sb成分は、原料としてSb、Sb、NaSb・5HO等を用いることができる。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
酸化物基準の質量%でのLn成分の合計量に対する、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%でのF成分の含有量の比率は、0.05以上1.00以下が好ましい。
特に、この比率を0.05以上にすることで、部分分散比をより高められる。従って、この質量比F/Lnは、好ましくは0.05、より好ましくは0.07、さらに好ましくは0.09、さらに好ましくは0.11を下限とする。
他方で、この比率を1.00以下にすることで、ガラスを失透し難くできる。従って、この質量比F/Lnは、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.50未満、さらに好ましくは0.30未満とする。
SiO成分及びB成分の合計量に対する、Ln成分の合計量の比率(質量比)は、1.00以上が好ましい。これにより、ガラスの屈折率と安定性を高められる。従って、質量比Ln/(SiO+B)は、好ましくは1.00、より好ましくは1.30、さらに好ましくは1.50、さらに好ましくは1.63を下限とする。
なお、質量比Ln/(SiO+B)の上限は、概ね8.00以下、より具体的には6.00以下、さらに具体的には5.00以下であることが多い。
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%でのF成分の含有量に対する、酸化物基準の質量%でのTiO成分、Nb成分、WO成分及びBi成分の合計量の比率は、0.50以下が好ましい。これにより、アッベ数の低下を抑えられる。従って、この質量比(TiO+Nb+WO+Bi)/Fは、好ましくは0.50、より好ましくは0.45、さらに好ましくは0.40、さらに好ましくは0.35、さらに好ましくは0.27を上限とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、40.0%以下が好ましい。これにより、RO成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、RO成分の含有量の質量和は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満とする。
他方で、この和を0%超にすることで、ガラス原料の熔融性やガラスの安定性を高められる。従って、RO成分の合計含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは5.0%超としてもよい。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、10.0%以下が好ましい。これにより、ガラスの屈折率の低下を抑え、且つガラスの安定性を高めて失透を低減できる。従って、RnO成分の合計含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)の合計量及びBaO成分の含有量の和(質量和)は、30.0%以上85.0%以下が好ましい。
特に、この和を30.0%以上にすることで、屈折率をより高められる。従って、この質量和(Ln+BaO)は、好ましくは30.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは56.0%、さらに好ましくは60.0%、さらに好ましくは63.0%を下限とする。
他方で、この和を85.0%以下にすることで、ガラスを失透し難くできる。従って、この質量和(Ln+BaO)は、好ましくは85.0%以下、より好ましくは83.0%未満、さらに好ましくは80.0%未満、さらに好ましくは78.0%未満とする。
Ta成分、ZrO成分及びAl成分の含有量の和(質量和)は、20.0%以下が好ましい。これにより、ガラスの安定性を高められ、且つ部分分散比の低下を抑えられる。従って、この質量和(Ta+ZrO+Al)は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは2.5%未満、さらに好ましくは1.5%未満を上限とする。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
本発明の光学ガラスには、他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、GeO成分はガラスの分散性を高めてしまうため、実質的に含まないことが好ましい。
また、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く各遷移金属成分、例えばHf、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Mo、Ce、Nd等は、それぞれを単独又は複合して少量含有する場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長の光に対して吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
さらに、PbO等の鉛化合物及びAs等のヒ素化合物、並びに、Th、Cd、Tl、Os、Be、Seの各成分は、近年有害な化学物質として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、これらを実質的に含有しないことが好ましい。これにより、光学ガラスに環境を汚染する物質が実質的に含まれなくなる。そのため、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、この光学ガラスを製造し、加工し、及び廃棄することができる。
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗熔融した後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて900〜1400℃の温度範囲で1〜5時間熔融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、1200℃以下の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、成形型を用いて成形することにより作製される。ここで、成形型を用いて成形されたガラスを得る手段としては、熔融ガラスを成形型の一端に流下するのと同時に、成形型の他端側から成形されたガラスを引き出す手段や、熔融ガラスを金型に鋳込んで徐冷する手段が挙げられる。
[物性]
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び低分散(高アッベ数)を有する。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.65、より好ましくは1.66、さらに好ましくは1.67を下限とする。この屈折率の上限は、好ましくは1.80以下、より好ましくは1.77以下、さらに好ましくは1.74未満であってもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは45以上、より好ましくは48以上、さらに好ましくは50.5以上、さらに好ましくは52超とし、好ましくは65以下、より好ましくは63未満、さらに好ましくは60未満とする。
本発明の光学ガラスは、このような屈折率及びアッベ数を有するため、光学設計上有用であり、特に高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
ここで、本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.01νd+2.15)≦nd≦(−0.01νd+2.35)の関係を満たすことが好ましい。本発明で特定される組成のガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)がこの関係を満たすものであっても、安定なガラスを得られる。
従って、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≧(−0.01νd+2.15)の関係を満たすことが好ましく、nd≧(−0.01νd+2.17)の関係を満たすことがより好ましく、nd≧(−0.01νd+2.20)の関係を満たすことがさらに好ましい。
他方で、本発明の光学ガラスでは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、nd≦(−0.01νd+2.35)の関係を満たすことが好ましく、nd≦(−0.01νd+2.32)の関係を満たすことがより好ましく、nd≦(−0.01νd+2.29)の関係を満たすことがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスは、高い部分分散比(θg,F)を有することが好ましい。
より具体的には、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)は、好ましくは0.515、より好ましくは0.520、さらに好ましくは0.525、さらに好ましくは0.528、さらに好ましくは0.530を下限とする。他方で、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)の上限は、特に限定されないが、好ましくは0.630、より好ましくは0.610、さらに好ましくは0.570であってもよい。また、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)は、アッベ数(ν)との関係において、好ましくは(θg,F)≧(−0.00162×ν+0.6150)の関係を満たす。
このように、本発明の光学ガラスでは、希土類元素成分を多く含有する従来公知のガラスよりも高い部分分散比(θg,F)を有する。そのため、ガラスの高屈折率及び低分散化を図りながらも、この光学ガラスから形成される光学素子を、色収差の補正に好ましく用いることができる。
ここで、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)は、アッベ数(ν)との関係において、好ましくは(−0.00162×ν+0.6150)、より好ましくは(−0.00162×ν+0.6200)、さらに好ましくは(−0.00162×ν+0.6250)を下限とする。他方で、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)との関係における部分分散比(θg,F)の上限は、特に限定されないが、概ね(−0.00162×ν+0.6800)以下、より具体的には(−0.00162×ν+0.6700)以下、さらに具体的には(−0.00162×ν+0.6600)以下であることが多い。本発明で特定される組成のガラスでは、部分分散比(θg,F)及びアッベ数(νd)がこの関係を満たすものであっても、安定なガラスを得られる。
上述の部分分散比(θg,F)とアッベ数(ν)の関係式は、部分分散比を縦軸に、アッベ数を横軸にした直交座標において、ノーマルラインと平行な直線を用いて表した。ノーマルラインは、従来公知のガラスの部分分散比(θg,F)とアッベ数(ν)の間にみられる直線的な関係を表したものであり、部分分散比(θg,F)を縦軸に、アッベ数(ν)を横軸に採用した直交座標上で、NSL7とPBM2の部分分散比及びアッベ数をプロットした2点を結ぶ直線で表される(図1参照)。そして、従来公知のガラスの部分分散比とアッベ数の関係は、概ねノーマルラインと重複する。
ここで、NSL7とPBM2は株式会社オハラ社製の光学ガラスであり、PBM2のアッベ数(ν)は36.3,部分分散比(θg,F)は0.5828、NSL7のアッベ数(ν)は60.5、部分分散比(θg,F)は0.5436である。
本発明の光学ガラスは、ガラス作製時における耐失透性(明細書中では、単に「耐失透性」という場合がある。)の高い、安定なガラスであることが好ましい。これにより、ガラス作製時におけるガラスの結晶化等による透過率の低下が抑えられるため、この光学ガラスをレンズ等の可視光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。なお、ガラス作製時における耐失透性が高いことを示す尺度としては、例えば液相温度が低いことが挙げられる。
[プリフォーム及び光学素子]
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスから作製したプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスから形成したガラス成形体は、様々な光学素子及び光学設計に有用であるが、その中でも特に、レンズやプリズム等の光学素子に用いることが好ましい。ガラスの安定性が高められることで、径の大きなガラス成形体の形成が可能になるため、光学素子の大型化を図りながらも、カメラやプロジェクタ等の光学機器に用いたときに高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現できる。
また、部分分散比が高められることで、光学素子を光学系における色収差の補正に有用に用いられるため、例えば光学素子をカメラに用いた場合は撮影対象物をより正確に表現でき、光学素子をプロジェクタに用いた場合は所望の映像をより高精彩に投影できる。
本発明の実施例(No.1〜No.35)のガラスの組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)及び部分分散比(θg,F)の値を表1〜表5に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
実施例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、1250〜1300℃の温度範囲の電気炉で2時間にわたって、ガラス原料の熔解と、熔解したガラス原料への攪拌による泡切れを行った後、900〜1070℃に温度を下げてさらに攪拌均質化してから金型に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。
ここで、ガラス原料を熔解してガラスを得る際、F成分及びB成分が揮発するため、ガラス原料の組成と得られるガラスの組成の間に変動が生じる。
各成分についての、ガラス原料の組成とガラスの組成の関係は、特にB成分を16%以上含有し、且つF成分の含有量が45.0%以下の場合においては、概ね以下のとおりである。
成分:(ガラス中の含有量)=0.35×(ガラス原料中の含有量)+10.3(質量%)
F成分:(ガラス中の含有量)=0.44×(ガラス原料中の含有量)+1.39(質量%)
これらの式に基づいて、F成分、B成分及びSiO成分のガラス中の含有量をガラス原料中の含有量に換算した後で、F成分の含有量を外割にして各成分の含有量の合計を100%に換算することで、ガラス原料の組成を求めることができる。
実施例のガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)及び部分分散比(θg,F)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01―2003に基づいて測定した。
そして、測定により得られた屈折率(n)及びアッベ数(ν)の値から、関係式n=−a×ν+bにおける、傾きaが0.01のときの切片bを求めた。
また、測定により得られたアッベ数(ν)及び部分分散比(θg,F)の値から、関係式(θg,F)=−a×ν+bにおける、傾きaが0.00162のときの切片bを求めた。
なお、本測定に用いたガラスは、徐冷降温速度を−25℃/hrとして、徐冷炉にて処理を行ったものを用いた。
Figure 2016155745
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表に示されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.65以上であるとともに、この屈折率(n)は1.80以下、より詳細には1.76以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)が45以上であるとともに、このアッベ数(ν)は65以下、より詳細には60以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.01νd+2.15)≦nd≦(−0.01νd+2.35)の関係を満たしており、より詳細には(−0.01νd+2.20)≦nd≦(−0.01νd+2.29)の関係を満たしていた。そして、本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)及びアッベ数(νd)の関係は、図2に示されるようになった。
これらの光学ガラスは、いずれも失透していない安定なガラスであった。
このため、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、且つ、安定性の高い光学ガラスを得られることが明らかになった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、部分分散比(θg,F)が0.520以上、より具体的には0.525以上であり、高い値を有していた。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν)との間で(θg,F)≧(−0.00162×ν+0.6150)の関係を満たし、より具体的には(θg,F)≧(−0.00162×ν+0.6160)の関係を満たしていた。そして、本願の実施例のガラスについての部分分散比(θg,F)及びアッベ数(νd)の関係は、図3に示されるようになった。
これらのことから、本発明の実施例の光学ガラスは、部分分散比(θg,F)が大きく、この光学ガラスによって得られる光学素子は色収差の補正に有用であることが明らかになった。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、高屈折率及び低分散を有し、安定性が高く、且つ色収差の補正に好ましく用いられることが明らかになった。
さらに、本発明の実施例で得られた光学ガラスを用いて、リヒートプレス成形を行った後で研削及び研磨を行い、レンズ及びプリズムの形状に加工した。また、本発明の実施例の光学ガラスを用いて、精密プレス成形用プリフォームを形成し、この精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形加工した。いずれの場合も、加熱軟化後のガラスには乳白化及び失透等の問題は生じず、安定に様々なレンズ及びプリズムの形状に加工することができた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (13)

  1. 酸化物基準の質量%で、B成分を8.0〜40.0%、Ln成分を25.0〜80.0%含有し、
    酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%以上50.0%以下含有し、
    1.65以上1.80以下の屈折率(n)と、45以上65以下のアッベ数(ν)とを有する光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
  2. 酸化物基準の質量%で、
    La成分 0〜60.0%、
    Gd成分 0〜30.0%及び
    BaO成分 0〜35.0%
    である請求項1記載の光学ガラス。
  3. 酸化物基準の質量%で、
    SiO成分 0〜20.0%、
    成分 0〜20.0%、
    Yb成分 0〜20.0%、
    TiO成分 0〜20.0%、
    Nb成分 0〜10.0%、
    WO成分 0〜10.0%、
    Bi成分 0〜10.0%、
    MgO成分 0〜10.0%、
    CaO成分 0〜20.0%、
    SrO成分 0〜25.0%、
    LiO成分 0〜10.0%、
    NaO成分 0〜10.0%、
    O成分 0〜10.0%、
    ZnO成分 0〜20.0%、
    成分 0〜10.0%、
    GeO成分 0〜10.0%、
    Ta成分 0〜10.0%、
    ZrO成分 0〜20.0%、
    Al成分を0〜20.0%、
    Ga成分 0〜20.0%、
    TeO成分 0〜20.0%、
    SnO成分 0〜5.0%及び
    Sb成分 0〜1.0%
    である請求項1又は2記載の光学ガラス。
  4. 酸化物基準の質量比F/Lnが0.05以上1.00以下である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス(ここで、Ln成分の含有量は、酸化物基準の質量%での含有量であり、F成分の含有量は、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%での含有量である)。
  5. 酸化物基準の質量比Ln/(SiO+B)が1.00以上である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
  6. 酸化物基準の質量比(TiO+Nb+WO+Bi)/Fが0.50以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス(ここで、TiO成分、Nb成分、WO成分及びBi成分の含有量は、酸化物基準の質量%での含有量であり、F成分の含有量は、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%での含有量である)。
  7. 酸化物基準のRO成分の質量和が40.0%以下であり、
    酸化物基準のRnO成分の質量和が10.0%以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス(式中、RnはLi、Na及びKからなる群より選択される1種以上であり、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である)。
  8. 酸化物基準の質量和(Ln+BaO)が30.0%以上85.0%以下である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス(式中、LnはLa、Gd、Y及びYbからなる群より選択される1種以上である)。
  9. 酸化物基準の質量和(Ta+ZrO+Al)が20.0%以下である請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス(式中、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上である)。
  10. 屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が、(−0.01νd+2.15)≦nd≦(−0.01νd+2.35)の関係を満たす請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス。
  11. 請求項1から10のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
  12. 請求項1から10いずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
  13. 請求項12記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
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