JP2016153753A - 配管探傷装置及び配管探傷方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配管の内周面に形成される減肉部を調査するための配管探傷装置であって、調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能なコイルユニットと、前記コイルユニットが検出する前記渦電流、及び前記コイルユニットと前記配管との相対位置に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する減肉面積評価部と、前記減肉面積評価部で評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記コイルユニットで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する減肉深さ算定部とを備える。
【選択図】 図1
Description
配管の内周面に形成される減肉部を調査するための配管探傷装置であって、
調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能なコイルユニットと、
前記コイルユニットが検出する前記渦電流、及び前記コイルユニットと前記配管との相対位置に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する減肉面積評価部と、
前記減肉面積評価部で評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記コイルユニットで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する減肉深さ算定部と
を備える。
上記(1)の構成によれば、コイルユニットが調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置され、コイルユニットが配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、配管の内周面に誘起された渦電流を検出する。そして、減肉面積評価部は、コイルユニットが検出する渦電流、及びコイルユニットと配管との相対位置に基づいて減肉部の面積の大きさを評価する。そして、減肉深さ算定部は、減肉面積評価部で評価された減肉部の面積の大きさ、及びコイルユニットで検出された減肉部における渦電流の大きさに基づいて、減肉部の深さ(減肉量)を算定する。これにより、調査対象となる配管の内周面に形成される減肉部の減肉量が算定され、磁性材を材料とする配管の内周面に形成される減肉部の減肉量を定量的に評価できる。
前記減肉深さ算定部は、
少なくとも一つの参照用の配管の内周面に形成される減肉部の面積の大きさ、及び該減肉部における渦電流の大きさに関連付けられた該減肉部の深さが記憶された記憶部と、
前記記憶部を参照し、前記減肉面積評価部で評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記コイルユニットで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する深さ算定部と
を有する。
前記記憶部は、前記減肉部の深さを前記減肉部の面積の大きさごとに記憶している。
前記コイルユニットは、コイル支持体と、前記コイル支持体の外周面に前記配管の内周面の周方向に沿って配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能な複数のコイルと、を含み、前記配管の軸方向に移動可能に構成され、
前記減肉面積評価部は、前記複数のコイルのうち、閾値を超える大きさの前記渦電流を検出したコイルの個数に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する。
前記コイルユニットは、前記配管の内周面の周方向に沿って回転可能なコイル支持体と、前記コイル支持体の外周面に配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能な少なくとも一つのコイルと、を含み、前記配管の軸方向に移動可能に構成され、
前記減肉面積評価部は、前記配管の内周面のうち、閾値を超える大きさの前記渦電流が検出された範囲に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する。
前記コイルユニットは、前記コイル支持体を前記配管の内周面に向けて付勢する付勢手段を有する。
上記(6)の構成によれば、コイル支持体を配管の内周面に向けて付勢するので、コイル支持体の外周面に配置されたコイルが配管の内周面に近づけられ、定量的に渦電流を誘起するとともに、配管の内周面に誘起された渦電流を正確に検出する。これにより、調査対象となる配管の内周面に誘起される渦電流が正確に検出され、減肉部の深さが正確に算定されるので、減肉部の深さ(減肉量)を正確かつ定量的に評価できる。
前記コイル支持体は、前記配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径の当接面を有する。
上記(7)の構成によれば、コイル支持体は、配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径の当接面で配管の内周面に当接するので、コイル支持体の外周面に配置されたコイルが配管の内周面に近づけられ、定量的に渦電流を誘起するとともに、配管の内周面に誘起される渦電流を正確に検出する。これにより、調査対象となる配管の内周面に誘起される渦電流が正確に検出され、減肉部の面積及び深さが正確に算定されるので、減肉部の深さ(減肉量)を正確かつ定量的に評価できる。
前記コイル支持体は、周方向の少なくとも一方に前記配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径のガイド面を有するガイドを備える。
上記(8)の構成によれば、コイル支持体は、周方向の少なくとも一方に配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径のガイドのガイド面で配管の内周面に当接するので、コイル支持体が配管の内周面に形成された減肉部に落ち込むのを防止できる。
配管の内周面に形成される減肉部を調査するための配管探傷方法であって、
コイルユニットを調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置する配置ステップと、
前記配置ステップで配置されたコイルユニットに電流を供給し、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された前記渦電流、及び前記コイルユニットと前記配管との相対位置に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する減肉面積評価ステップと、
前記減肉面積評価ステップで評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記検出ステップで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する減肉深さ算定ステップと、
を備える。
図1に示すように、本発明の少なくとも一実施形態に係る配管探傷装置1は、配管Pの内周面Sに形成される減肉部Dを調査するためのものである。配管探傷装置1は、コイルユニット2と、減肉面積評価部3と、減肉深さ算定部4とを備えている。
また、コイルユニット2は、交流電源21から供給された交流電流により、調査対象となる配管Pの内周面に渦電流Wを誘起するとともに、配管Pの内周面に誘起された渦電流Wの大きさを検出する。これにより、配管Pに対するコイルユニット2の相対位置と、コイルユニット2が配管Pの内周面Sに誘起する渦電流Wの大きさが検出される。
図2に示すように、コイルユニット2に交流電流Eを流すと、(a)に示すように、交流電流Eと直交する方向に磁界が発生する。発生する磁界Φは、交流電流Eの大きさAとコイルの巻数Tに乗じたものに比例する(Φ=α(A×T))。コイルユニット2を配管Pに近づけると、(b)に示すように、コイルユニット2は配管Pの内周面Sに渦電流Wを誘起し、コイルユニット2に流れる交流電流Eの大きさはAからA1に変化する。(c)に示すように、配管Pの内周面Sに減肉部Dがあると、渦電流Wは減肉部Dを避けて迂回するために、コイルユニット2に流れる交流電流Eの大きさはA1からA2に変化する。
これにより、コイルユニット2は、配管Pの内周面Sに形成された減肉部Dを検出可能となる。
尚、磁性ノイズが大きい試験片についても、多重周波数による位相解析によりノイズを処理可能である。
本発明者らによる鋭意検討の結果、配管Pの内周面Sに渦電流Wを誘起するとともに、配管Pの内周面に誘起された渦電流Wを検出するコイルユニット2では、減肉部Dの面積が同一である場合に減肉部Dの深さと渦電流Wの大きさとの間に相関があり、減肉部Dの面積が異なる場合には減肉部Dの深さが同一であっても渦電流Wの大きさが同一にならないことを見いだした(図3参照)。具体的には、減肉部Dの面積が同一である場合には、渦電流Wの大きさを検出すれば、減肉部Dの深さを算定できることを見いだした。例えば、図3に示すように、コイル径が十分に小さい場合において、減肉部Dの面積が中以上の場合には、同一の面積において、減肉部Dの深さと信号強度とに相関がある。
図4に示すように、幾つかの実施形態では、コイルユニット2は、コイル支持体51と、複数のコイル52とを含む。
例えば、図4に例示する形態では、12個のコイル52をコイル支持体51の外周面に配管Pの内周面Sの周方向に沿って等間隔に配置される。
図6及び図7に示すように、幾つかの実施形態では、コイルユニット2は、コイル支持体61と、少なくとも一つのコイル62とを含む。
コイル支持体61は、配管Pの内周面Sの周方向に沿って回転可能である。
図6及び図7に例示する形態では、コイル支持体61は、調査対象となる配管Pの内周面Sに形成される減肉部Dよりも周方向において幅広であって、調査対象となる配管Pの内径よりも小径な円弧面を有している。これにより、コイル支持体61は、配管Pの内周面Sに対して軸方向に相対移動可能に配置されるとともに、配管Pの内周面Sに対して径方向に移動可能に配置される。
図6及び図7に例示する形態では、少なくとも一つのコイル62は、巻線が交差するクロスコイルで構成される。
上述した幾つかの実施形態において、減肉面積評価部3は、配管Pの内周面Sのうち、閾値を超える大きさの渦電流Wを検出する範囲に基づいて減肉部Dの面積を算定する。
図8に示すように、同一面積及び同一深さの減肉部Dの周りに誘起される渦電流Wを検出する場合でも、コイル52,62と調査対象となる配管Pの内周面Sとの距離が近いと大きな信号レベルを検出することができ、距離が離れると小さな信号レベルしか得られないことがわかる。これにより、減肉部Dの面積及び深さの検出に高精度が要求される場合には、コイル52,62を調査対象となる配管Pの内周面Sにできるだけ近づけて配置することが求められる。
図6及び図7に例示する形態では、コイル支持体61は、回転軸63に固定された円筒状のハウジング64の外周面から径外方向に突出するように取り付けられている。コイル支持体61は、ハウジング64に進退可能に収容され、回転軸63との間に設けられたバネ65の弾性復元力により、配管Pの内周面Sを押圧するように付勢されている。
上述した幾つかの実施形態によれば、コイル支持体61は、配管Pの内周面Sの曲率半径よりも小さな曲率半径の当接面61aで配管Pの内周面Sに当接するので、コイル支持体61の外周面に配置された少なくとも一つのコイル62が配管Pの内周面Sに近づけられ、定量的に渦電流Wを誘起するとともに、配管Pの内周面に誘起される渦電流Wを正確に検出する。これにより、調査対象となる配管Pの内周面Sに誘起される渦電流Wが正確に検出され、減肉部Dの面積及び深さが正確に算定されるので、減肉部Dの深さ(減肉量)を正確かつ定量的に評価できる。
図9及び図10に示すように、本発明の少なくとも一実施形態に係る配管探傷方法は、配管Pの内周面Sに形成される減肉部Dを調査するためのものである。配管探傷方法は、配置ステップ(ステップS1)と、検出ステップ(ステップS2)と、減肉面積評価ステップ(ステップS3)と、減肉深さ算定ステップ(ステップS5)とを備えている。
図9に例示する形態では、図4に示したコイルユニット2を調査対象となる配管Pの内周面Sに対して軸方向に相対移動可能に配置する。
図10に例示する形態では、図6又は図7に示したコイルユニット2を調査対象となる配管Pの内周面Sに対して周方向及び軸方向に相対移動可能に配置する。
図9に例示する形態では、図4に示したコイルユニット2の複数のコイル52のうち渦電流Wの変化を検出したコイル52の数を抽出することにより、減肉部Dの面積を算定する(ステップS31)。より詳しくは、上述したように、信号振幅がPaV以上のコイルの個数、及び信号振幅がPbV以上のコイルの個数により減肉部Dの面積を算定する。
図10に例示する形態では、図6又は図7に示したコイルユニット2の少なくとも一つのコイル62が渦電流Wの変化を検出する範囲で減肉部Dの面積を算定する(ステップS32)。
図10に例示する形態では、渦電流Wの変化を検出した範囲及び検出部22で検出された最大振幅値から検量線を選定し、減肉量(減肉部Dの深さ)を評価する。
2 コイルユニット
21 交流電源
22 検出部
3 減肉面積評価部
4 減肉深さ算定部
41 記憶部
42 深さ算定部
51 コイル支持体
52 コイル
61 コイル支持体
61a 当接面
62 コイル
63 回転軸
64 ハウジング
65 バネ
66 ガイド
66a ガイド面
67 ガイド
67a ガイド面
P 配管
S 内周面
D 減肉部
W 渦電流
Claims (9)
- 配管の内周面に形成される減肉部を調査するための配管探傷装置であって、
調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能なコイルユニットと、
前記コイルユニットが検出する前記渦電流、及び前記コイルユニットと前記配管との相対位置に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する減肉面積評価部と、
前記減肉面積評価部で評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記コイルユニットで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する減肉深さ算定部と
を備えることを特徴とする配管探傷装置。 - 前記減肉深さ算定部は、
少なくとも一つの参照用の配管の内周面に形成される減肉部の面積の大きさ、及び該減肉部における渦電流の大きさに関連付けられた該減肉部の深さが記憶された記憶部と、
前記記憶部を参照し、前記減肉面積評価部で評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記コイルユニットで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する深さ算定部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の配管探傷装置。 - 前記記憶部は、前記減肉部の深さを前記減肉部の面積の大きさごとに記憶していること
を特徴とする請求項2に記載の配管探傷装置。 - 前記コイルユニットは、コイル支持体と、前記コイル支持体の外周面に前記配管の内周面の周方向に沿って配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能な複数のコイルと、を含み、前記配管の軸方向に移動可能に構成され、
前記減肉面積評価部は、前記複数のコイルのうち、閾値を超える大きさの前記渦電流を検出したコイルの個数に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価すること
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管探傷装置。 - 前記コイルユニットは、前記配管の内周面の周方向に沿って回転可能なコイル支持体と、前記コイル支持体の外周面に配置され、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出可能な少なくとも一つのコイルと、を含み、前記配管の軸方向に移動可能に構成され、
前記減肉面積評価部は、前記配管の内周面のうち、閾値を超える大きさの前記渦電流が検出された範囲に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価すること
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管探傷装置。 - 前記コイルユニットは、前記コイル支持体を前記配管の内周面に向けて付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項5に記載の配管探傷装置。
- 前記コイル支持体は、前記配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径の当接面を有することを特徴とする請求項6に記載の配管探傷装置。
- 前記コイル支持体は、周方向の少なくとも一方に前記配管の内周面の曲率半径よりも小さな曲率半径のガイド面を有するガイドを備えることを特徴とする請求項6に記載の配管探傷装置。
- 配管の内周面に形成される減肉部を調査するための配管探傷方法であって、
コイルユニットを調査対象となる配管の内周面に対して相対移動可能に配置する配置ステップと、
前記配置ステップで配置された前記コイルユニットに電流を供給し、前記配管の内周面に渦電流を誘起するとともに、前記配管の内周面に誘起された前記渦電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された前記渦電流、及び前記コイルユニットと前記配管との相対位置に基づいて前記減肉部の面積の大きさを評価する減肉面積評価ステップと、
前記減肉面積評価ステップで評価された前記減肉部の面積の大きさ、及び前記検出ステップで検出された前記減肉部における前記渦電流の大きさに基づいて、前記減肉部の深さを算定する減肉深さ算定ステップと、
を備えることを特徴とする配管探傷方法。
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