JP2016153242A - 転写材料、静電容量型入力装置の製造方法および静電容量型入力装置、並びに、これを備えた画像表示装置 - Google Patents

転写材料、静電容量型入力装置の製造方法および静電容量型入力装置、並びに、これを備えた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量型入力装置に用いることで透明電極パターンの視認性を改良でき、静電容量型入力装置の生産性を向上できる転写材料を提供する。【解決手段】仮支持体と、該仮支持体上に積層された透明硬化性樹脂層とを有し、前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率が1.55以上であることを特徴とする転写材料。【選択図】なし

Description

本発明は、指の接触位置を静電容量の変化として検出可能な静電容量型入力装置の製造方法、および、当該製造方法によって得られる静電容量型入力装置、並びに、当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置に関するものである。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの表面にタブレット型の入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指またはタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
このような入力装置(タッチパネル)には、抵抗膜型、静電容量型などがある。しかし、抵抗膜型の入力装置は、フィルムとガラスとの2枚構造でフィルムを押下してショートさせる構造のため、動作温度範囲の狭さや、経時変化に弱いという欠点を有している。
これに対して、静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。
静電容量型の入力装置としては、前面板の非接触側表面に、マスク層、透明電極パターン、層間絶縁層、透明保護膜などが一体に形成されている静電容量型タッチパネルが知られており、前面板が静電容量型入力装置と一体化しているため、薄層/軽量化が可能となる。特許文献1には、フルオレン樹脂を含むシロキサン樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜を、タッチパネルの保護膜やタッチセンサー用絶縁膜に用いられることが記載されている。
近年、このような静電容量型入力装置において、当面電極のパターン形状が視認されるなどして見栄えが悪くなることを解決することが注目されており、例えば、特許文献2には、ITOパターンなどの透明電極パターンの視認性改良(見えなくすること)には、積層する透明絶縁層の屈折率を上げ、ITOの屈折率との差を小さくすることが有効であることが記載されている。
また、静電容量型タッチパネルを液晶や有機ELディスプレイ上に備えたスマートフォンやタブレットPCでは前面板(直接指で接触する面)にコーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスを用いたものが開発、発表されている。また、前記前面板の一部に、感圧(静電容量変化ではなく、押圧によるメカニカルな機構)スイッチを設置するための開口部が形成されているものが上市されている。これらの強化ガラスは強度が高く、加工が困難であるため、前記開口部を形成するには強化処理前に開口部を形成したのち、強化処理を行うのが一般的である。
特許文献1や2には透明絶縁層や透明保護膜の形成方法として、有機材料を用いる場合は塗布を行う方法のみが記載されている。しかしながら、上記の開口部を有した強化処理後の基板に、特許文献1や2に記載されている塗布法によって特許文献1や2に記載の材料を用いて透明絶縁層や透明保護膜を形成しようとすると、開口部からのレジスト成分のモレやはみ出しを生じ、はみ出した部分を除去する工程が必要になってしまい、生産効率が著しく低下するという問題があった。
一方、特許文献3および4には、カラーフィルター用転写材料が記載されており、転写材料を基板上にラミネートすることが提案されている。しかしながら、これらの文献では液晶表示装置への利用に言及しているもののそのITOパターン視認性を改善することについて検討されておらず、また、静電容量型の入力装置への転写材料の応用についても記載されていなかった。
WO2010−061744号公報 特開2010−061425号公報 特開2007−334045号公報 特開2008−107779号公報
本発明の目的は、静電容量型入力装置に用いることで透明電極パターンの視認性を改良でき、静電容量型入力装置の生産性を向上できる転写材料を提供することにある。
そこで本発明者らは上記課題を解決することを目的として鋭意検討を進めた。その結果、550nmの波長における屈折率が1.55以上である透明硬化性樹脂層を有する転写材料を用いれば、上記の課題を解決することができることを見出して、以下に記載される本発明を提供するに至った。
本発明の課題を解決するための具体的な手段である発明は以下のとおりである。
[1] 仮支持体と、該仮支持体上に積層された透明硬化性樹脂層とを有し、前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率が1.55以上であることを特徴とする転写材料。
[2] [1]に記載の転写材料は、前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上のモノマーを含有することが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の転写材料は、前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上のバインダーを含有することが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の転写材料は、前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上の微粒子を含有することが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の転写材料は、前記仮支持体と、前記透明硬化性樹脂層の間に、熱可塑性樹脂層が積層されたことが好ましい。
[6] [5]に記載の転写材料は、前記熱可塑性樹脂層の110℃で測定した溶融粘度ηcが250Pa・s〜3000Pa・sであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の転写材料は、前記透明硬化性樹脂層が、静電容量型入力装置の透明絶縁層または透明保護層用であることが好ましい。
[8] 透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方と、透明電極パターンを有する静電容量型入力装置の製造方法であって、前記透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方を[7]に記載の転写材料を用いて形成することを特徴とする静電容量型入力装置の製造方法。
[9] [8]に記載の静電容量型入力装置の製造方法は、前面板と、前記前面板の非接触側に前記前面板の非接触側に少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、前記(3)および(5)の要素のうち少なくとも一方を前記転写材料を用いて形成することが好ましい。
(1)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(2)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する透明絶縁層
(4)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
(5) 前記(1)〜(4)の要素の全てまたは一部を覆うように設置された透明保護層
[10] [8]または[9]に記載の静電容量型入力装置の製造方法は、前記前面板が、少なくとも一部に開口部を有することが好ましい。
[11] [8]〜[10]のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置の製造方法で製造されたことを特徴とする静電容量型入力装置。
[12] [11]に記載の静電容量型入力装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
本発明によれば、静電容量型入力装置の透明電極パターンの視認性を改良でき、静電容量型入力装置の生産性を向上できる転写材料を提供するができる。
本発明の静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。 本発明における前面板の一例を示す説明図である。 本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 開口部が形成された強化処理ガラスの一例を示す上面図である。 マスク層が形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された前面板の一例を示す上面図である。 金属ナノワイヤー断面を示す説明図である。
以下、本発明の転写材料、静電容量型入力装置の製造方法、静電容量型入力装置および画像表示装置について説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
《転写材料》
本発明の転写材料は、仮支持体と、該仮支持体上に積層された透明硬化性樹脂層とを有し、前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率が1.55以上であることを特徴とする。
このような構成により、静電容量型入力装置に用いることで透明電極パターンの視認性を改良でき、静電容量型入力装置の生産性を向上できる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、透明電極パターン(好ましくはITO)と前記透明硬化性樹脂層の屈折率差を小さくすることにより、光反射が低減して透明電極パターンが見えにくくない、視認性を改善することができる。
以下、本発明の転写材料について説明する。なお、本発明の転写材料は、ネガ型材料であってもポジ型材料であってもよい。本発明の転写材料は、静電容量型入力装置の透明絶縁層または透明保護層用であることが好ましい。
<仮支持体>
本発明の転写材料は、仮支持体を含む。前記仮支持体としては、可撓性を有し、加圧下または、加圧および加熱下で著しい変形、収縮もしくは伸びを生じない材料を用いることができる。このような仮支持体の例として、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
前記仮支持体の厚みには、特に制限はなく、5〜200μmの範囲が一般的であり、取扱い易さ、汎用性などの点で、特に10〜150μmの範囲が好ましい。
また、前記仮支持体は透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、本発明の転写材料における前記仮支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
<透明硬化性樹脂層>
本発明の転写材料は、透明硬化性樹脂層を有し、前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率が1.55以上である。なお、本明細書中において、特に断りがなく屈折率を用いる場合は、550nmにおける屈折率を意味する。
前記透明硬化性樹脂層は、光硬化性であっても、熱架橋性(熱硬化性)であっても、光硬化性と熱架橋性(熱硬化性)を兼ね備えていてもよい。
前記透明硬化性樹脂層は、光硬化性を少なくとも有することが好ましく、すなわち、前記透明硬化性樹脂層は、前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂層であることが好ましい。前記透明硬化性樹脂層は、光硬化性と熱架橋性(熱硬化性)を兼ね備えていることがより好ましい。
前記透明硬化性樹脂層は、550nmの波長における屈折率が1.55以上であり、1.6以上であることが好ましく、1.66以上であることが透明電極パターンの視認性を改善する観点からより好ましい。なお、前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率の上限値については特に制限はないが、製造コストの観点から2.3以下であることが好ましい。
後述の透明電極パターンと前記透明硬化性樹脂層との屈折率の差Δnは、0.4以下であることが好ましくは、より好ましくは0.3以下である。
前記透明硬化性樹脂層の屈折率を上記範囲にする方法としては特に制限はないが、前記透明硬化性樹脂層に、屈折率1.55以上のバインダー、屈折率1.55以上のモノマーおよび屈折率1.55以上の微粒子のうち少なくとも1つ以上を添加する方法を挙げることができる。前記透明硬化性樹脂層は、屈折率1.55以上のバインダー、屈折率1.55以上のモノマーおよび屈折率1.55以上の微粒子のうち、いずれか1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記透明硬化性樹脂層は、屈折率1.55以上のバインダーを含むことが好ましく、屈折率1.6以上のバインダーを含むことがより好ましく、屈折率1.66以上のバインダーを含むことが特に好ましい。
前記屈折率1.55以上のバインダーとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。1.55以上の高屈折率バインダーの例としては、少なくとも1個以上のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含むポリマーであることが好ましく、アリール基を含むポリマーであることがより好ましい。好ましい高屈折率ポリマーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニルおよび共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CH2)nOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸およびテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸およびセバシン酸、(3)テレフタル酸およびセバシン酸、(4)テレフタル酸およびイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコールおよび(i)テレフタル酸、イソフタル酸およびセバシン酸および(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸およびアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾールおよびその共重合体、炭酸エステルとビスフェノールから成るポリカーボネートなどが挙げられる。またポリ(メチルフェニルシロキサン)や、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサンなどのケイ素化合物、芳香族を多く含むシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。また、フルオレン、テトラフェニルメタン、1,1,2,2−テトラフェニルエタンまたはビフェニルなどの骨格を持つ化合物が挙げられる。
その中でも、フルオレン、テトラフェニルメタン、1,1,2,2−テトラフェニルエタンまたはビフェニルなどの骨格を持つ化合物が好ましく、特に、フルオレン骨格を持つ化合物が好ましい。
前記透明硬化性樹脂層中における屈折率1.55以上のバインダーの含有量としては特に制限はないが、透明硬化性樹脂層に対して1〜60質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが特に好ましい。
前記透明硬化性樹脂層は、屈折率1.55以上のモノマーを含むことが好ましく、屈折率1.6以上のモノマーを含むことがより好ましく、屈折率1.66以上のモノマーを含むことが特に好ましい。
前記屈折率1.55以上のモノマーとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。前記屈折率1.55以上のモノマーとしては、例えば、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリオキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル、テトラビロモビスフェノールAジエポキシアクリレート等が挙げられる。
その中でも、本発明の転写材料には、前記屈折率1.55以上のモノマーとして、ビスアリールフルオレン系のアクリレートが好ましく、WO2010/061744号の一般式(1)で表される化合物、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドがより好ましく、WO2010/061744号の[0063]段落に記載の化合物が特に好ましい。
前記屈折率1.55以上のモノマーの具体例としては、例えば、大阪ガスケミカル株式会社製オグソールEA−0200、同EA−F5003、同EA−F5503、同EA−F5510などを挙げることができる。
前記透明硬化性樹脂層中における屈折率1.55以上のモノマーの含有量としては特に制限はないが、透明硬化性樹脂層に対して1〜60質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが特に好ましい。
前記透明硬化性樹脂層は、屈折率1.55以上の微粒子を含むことが好ましく、屈折率1.6以上の微粒子を含むことがより好ましく、屈折率1.66以上の微粒子を含むことが特に好ましい。
前記屈折率1.55以上の高屈折率微粒子としては、例えばTi、Zr、Ta、In、Nd、Sn、Sb、Zn,La、W、Ce、Nb、V、Sm、Y等の酸化物又は複合酸化物、硫化物を主成分とする粒子が挙げられる。ここで、主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。より好ましい高屈折率微粒子としては、Ti、Zr、Ta、In、及びSnから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む酸化物もしくは複合酸化物を主成分とする粒子である。
更に好ましくは、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む酸化物もしくは複合酸化物を主成分とする粒子である。
前記透明硬化性樹脂層中における屈折率1.55以上の微粒子の含有量としては特に制限はないが、透明硬化性樹脂層に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることが特に好ましい。
本発明の転写材料がネガ型材料である場合、前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂層であるときの光硬化性樹脂層には、アルカリ可溶性樹脂(屈折率1.55未満のバインダーであることが好ましい)、重合性化合物(屈折率1.55未満のモノマーであることが好ましい)、重合開始剤または重合開始系を含むことが好ましい。
本発明の転写材料に含まれるアルカリ可溶性樹脂としては、特開2011−95716号公報の段落[0025]、特開2010−237589号公報の段落[0033]〜[0052]に記載のポリマーを用いることができる。
前記重合性化合物としては、特許第4098550号の段落[0023]〜[0024]に記載の重合性化合物を用いることができる。
前記重合開始剤または重合開始系としては、特開2011−95716号公報に記載の[0031]〜[0042]に記載の重合性化合物を用いることができる。
さらに、前記光硬化性樹脂層には、添加剤を用いてもよい。前記添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜[0071]に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
また、本発明の転写材料の前記透明硬化性樹脂層を塗布により製造する際の溶剤としては、特開2011−95716号公報の段落[0043]〜[0044]に記載の溶剤を用いることができる。
以上、本発明の転写材料がネガ型材料である場合を中心に説明したが、本発明の転写材料は、ポジ型材料であってもよい。本発明の転写材料がポジ型材料である場合、前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂層である場合は光硬化性樹脂層に、例えば特開2005−221726記載の材料などが用いられるが、これに限られたものではない。
本発明の転写材料を用いて絶縁層を形成する場合、前記透明硬化性樹脂層の層厚は、絶縁性の維持の観点から、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜3μmが更に好ましく、0.5〜2μmが特に好ましい。
本発明の転写材料を用いて透明保護層を形成する場合、前記透明硬化性樹脂層の層厚は、十分な表面保護能を発揮させる観点から、0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
ここで、各層の粘度は、次のようにして測定できる。大気圧および減圧乾燥により、熱可塑性樹脂層あるいは前記透明硬化性樹脂層から溶剤を除去して測定サンプルとし、例えば、測定器として、バイブロン(DD−III型:東洋ボールドウィン(株)製)を使用し、測定開始温度50℃、測定終了温度150℃、昇温速度5℃/分および振動数1Hz/degの条件で測定し、100℃の測定値を用いることができる。
<熱可塑性樹脂層>
本発明の転写材料は、前記仮支持体と、前記透明硬化性樹脂層の間に、熱可塑性樹脂層が積層されたことが、ラミネート時の気泡発生を防止できる観点から好ましい。前記熱可塑性樹脂層はアルカリ可溶性であることが好ましい。熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む。)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであり、対象面の凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質を成分として含む態様が好ましく、ヴィカー(Vicat)法〔具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法〕による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれる少なくとも1種を含む態様が特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルまたはそのケン化物等とのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルまたはそのケン化物との共重合体、ポリ塩化ビニルや塩化ビニルと酢酸ビニルまたはそのケン化物等との塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロン等のポリアミド樹脂などの有機高分子が挙げられる。
本発明の転写材料は、前記熱可塑性樹脂層の層厚は、3〜30μmが好ましい。熱可塑性樹脂層の層厚が3μm未満の場合には、ラミネート時の追随性が不十分で、下地表面の凹凸を完全に吸収できないことがある。また、層厚が30μmを超える場合には、仮支持体への熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥(溶剤除去)に負荷がかかったり、熱可塑性樹脂層の現像に時間を要したりし、プロセス適性を悪化させることがある。前記熱可塑性樹脂層の層厚としては、4〜25μmが更に好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性の有機高分子を含む調製液を塗布等して形成することができ、塗布等の際に用いる調製液は溶媒を用いて調製できる。溶媒には、該層を構成する高分子成分を溶解し得るものであれば特に制限なく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂層および透明硬化性樹脂層の粘度>
本発明の転写材料は、前記熱可塑性樹脂層の110℃で測定した溶融粘度ηcが250Pa・s〜3000Pa・sであることが好ましく、300〜2500Pa・sであることがより好ましく、500〜2000Pa・sであることが特に好ましい。
<他の層>
本発明の転写材料には、透明硬化性樹脂層と熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けたり、あるいは透明硬化性樹脂層の表面に保護フィルムなどを更に設けたりして好適に構成することができる。
本発明の転写材料には、複数層を塗布する際および塗布後の保存の際における成分の混合を防止する目的で、中間層を設けることが好ましい。中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜が好ましく、露光時の感度がアップし、露光機の時間負荷を低減し得、生産性が向上する。
前記中間層および保護フィルムとしては、特開2006−259138号公報の段落[0083]〜[0087]および[0093]に記載のものを適宜使用することができる。
<転写材料の作製方法>
本発明の転写材料は、特開2006−259138号公報の段落[0094]〜[0098]に記載の感光性転写材料の作製方法に準じて作製することができる。
具体的に中間層を有する本発明の転写材料を形成する場合には、仮支持体上に、熱可塑性の有機高分子と共に添加剤を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂や添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、この中間層上に更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した透明硬化性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥させて透明硬化性樹脂層を積層することによって、好適に作製することができる。
《静電容量型入力装置の製造方法》
本発明の静電容量型入力装置の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある。)は、透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方と、透明電極パターンを有する静電容量型入力装置の製造方法であって、前記透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方を本発明の転写材料を用いて形成することを特徴とする。
本発明の製造方法によって形成される静電容量型入力装置の構成について説明する。図1は、本発明の静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。図1において静電容量型入力装置10は、前面板1と、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、透明絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層7と、から構成されている。
本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、前面板と、前記前面板の非接触側に前記前面板の非接触側に少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、前記(3)および(5)の要素のうち少なくとも一方を本発明の転写材料を用いて形成することが好ましく、前記(3)および(5)の要素をいずれも本発明の転写材料を用いて形成することがより好ましい。
(1)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(2)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(3)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する透明絶縁層
(4)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
(5) 前記(1)〜(4)の要素の全てまたは一部を覆うように設置された透明保護層
(前面板)
前面板1は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、図1において、前面層1の各要素が設けられている側を非接触面と称する。本発明の静電容量型入力装置10においては、前面板1の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。以下、前面板を、「基材」と称する場合がある。
また、後の転写工程におけるラミネートによる前記透明硬化性樹脂層や前記感光性樹脂層の密着性を高めるために、予め基材(前面板)の非接触面に表面処理を施すことができる。前記表面処理としては、シラン化合物を用いた表面処理(シランカップリング処理)を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。加熱槽を用いてもよく、ラミネータの基板予備加熱でも反応を促進できる。
(透明絶縁層、透明保護層)
図1において、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4は、絶縁層5によって電気的に絶縁されている。
また、図1においては、各構成要素の全てを覆うように透明保護層7が設置されている。透明保護層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。
透明絶縁層5と透明保護層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよいが、同一材料であることが、透明電極パターンの視認性を改善できる観点や、透明絶縁層5と透明保護層7との間の界面における反射を抑制できる観点から好ましい。
特に静電容量型入力装置が透明絶縁層5と透明保護層7をともに有する図1の構成の場合、透明保護層7が第二の透明電極パターン4よりも前面板1側(上側)となり、透明絶縁層5が第二の透明電極パターン4よりも裏側(下側)となるが、透明電極パターンの上下の部材である透明絶縁層5と透明保護層7がともに本発明の転写材料における前記透明硬化性樹脂層によって形成されることが、透明電極パターン視認性を改善する観点からより好ましい。
透明絶縁層5と透明保護層7とを構成する材料は、本発明の転写材料における前記透明硬化性樹脂層に用いられる材料であり、透明電極パターン視認性を改善することができることに加えて、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置の製造方法では、透明絶縁層5および透明保護層7は、本発明の転写材料を用いて透明硬化性樹脂層を前面板1に転写することで形成することが好ましい。
例えば、透明絶縁層5を形成する場合には、前記透明硬化性樹脂層として絶縁性の透明硬化性樹脂層を有する本発明の転写材料を用いて、第一の透明電極パターンが形成された前記前面板1の表面に前記透明硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。透明保護層7を形成する場合には、透明の透明硬化性樹脂層を有する本発明の転写材料を用いて、各要素が形成された前記前面板1の表面に透明硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記透明絶縁層5や透明保護層7を、本発明の転写材料を用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、開口部分近傍でも十分に透明電極パターン視認性を改善することができる。
前記透明絶縁層および透明保護層を、本発明の転写材料を用いて形成する方法について説明する。一般に転写フィルムを用いる場合、転写フィルムの前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層であれば通常のフォトリソグラフィー方式によって前記透明絶縁層および透明保護層を形成することができる。また、転写フィルムの前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂を含んでいない場合にはハーフカットによる転写方法によって、前記透明絶縁層および透明保護層を形成することができる。その中でも、本発明の静電容量型入力装置の製造方法では、フォトリソグラフィー方式が好ましい。
(1)フォトリソグラフィー
フォトリソグラフィー方式を用いて前記透明絶縁層および透明保護層を形成する場合について、パターニング方法を説明する。
本発明の転写材料は、基材(前面板)にラミネートされた後、必要なパターン様に露光され、ネガ型材料の場合は非露光部分、ポジ型材料の場合は露光部分を現像処理して除去することでパターンを得ることができる。この際、現像は熱可塑性樹脂層と、光硬化性樹脂層を別々の液で現像除去してもよいし、同一の液で除去してもよい。必要に応じて、ブラシや高圧ジェットなどの公知の現像設備を組み合わせてもよい。現像の後、必要に応じて、ポスト露光、ポストベークを行ってもよい。
前記透明硬化性樹脂層が光硬化性樹脂層を有する場合に前記透明硬化性樹脂層パターンを形成する方法は、本発明の転写材料から前記保護フィルムを除去する保護フィルム除去工程と、前記保護フィルムが除去された本発明の転写材料の前記光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を基材上に転写する転写工程と、基材上に転写された前記光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を露光する露光工程と、露光された光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を現像してパターン画像を得る現像工程と、を有する方法が挙げられる。この場合、さらに前記転写工程後に、転写された光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層をポスト露光する工程を有することが好ましい。
−転写工程−
前記転写工程は、前記保護フィルムが除去された本発明の転写材料の前記光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を基材上に転写する工程である。
この際、本発明の転写材料の光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を基材にラミネート後、仮支持体を除去することによって行う方法が好ましい。
光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層の基材表面への転写(貼り合わせ)は、光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を基材表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
−露光工程、現像工程、およびその他の工程−
前記露光工程、現像工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0035]〜[0051]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
前記露光工程は、基材上に転写された前記光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を露光する工程である。
具体的には、前記基材上に形成された光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、および中間層を介してマスク上方から露光する方法が挙げられる。
ここで、前記露光の光源としては、光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
前記現像工程は、露光された光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層を現像する工程である。
前記現像は、現像液を用いて行うことができる。前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は光硬化性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。 また、前記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等のいずれでもよい。ここで、前記シャワー現像について説明すると、露光後の光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、熱可塑性樹脂層や中間層を設けた場合には、現像の前に光硬化性樹脂を含む透明硬化性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、ポスト露光工程、ポストベーク工程等、その他の工程を有していてもよい。
尚、パターニング露光は、仮支持体を剥離してから行ってもよいし、仮支持体を剥離する前に露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。マスクを介した露光でも良いし、レーザー等を用いたデジタル露光でも良い。
(2)ハーフカットによる転写
ハーフカットによる転写方法では、まず、透明硬化性樹脂層の画像部と非画像部の境界に剃刀等でプレカット後、非画像部の保護フィルム、透明硬化性樹脂層及び中間層をテープで除去し、さらに画像部の保護フィルムを同様に除去して、基板に透明硬化性樹脂層パターンを転写することが好ましい。
引続き、現像により熱可塑性樹脂層と中間層を除去することで透明硬化性樹脂層パターンを形成することが可能である。
必要に応じて、ブラシや高圧ジェットなどの公知の現像設備を組み合わせてもよい。現像の後、必要に応じて、ポスト露光、ポストベークを行ってもよく、ポストベークを行うことが好ましい。
ハーフカットによる転写方法は、前記本発明の転写フィルムの一部に前記透明硬化性樹脂層を貫通し、かつ前記仮支持体を貫通しない深さの切り込みを入れる工程と、前記切り込みによって囲まれた領域のうち少なくとも一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去する工程と、前記一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去した後の前記転写フィルムを用いて前記透明硬化性樹脂層を形成する工程と、を含むことが好ましい。
前記転写フィルムの一部に前記透明硬化性樹脂層を貫通し、かつ前記仮支持体を貫通しない深さの切り込みを入れる工程を、透明硬化性樹脂層のうち転写する画像部を予めプレカットする工程とも言う。なお、このような深さの切り込みを入れることをハーフカットともいう。
前記切り込みによって囲まれた領域のうち少なくとも一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去する工程を、転写しない非画像部の透明硬化性樹脂層を除去する工程とも言う。
さらに本発明の転写フィルムが、保護フィルムや中間層や熱可塑性樹脂層を含む場合、前記切り込みによって囲まれた領域のうち少なくとも一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去する工程は、非画像部の保護フィルム及び透明硬化性樹脂層、並びに画像部の保護フィルムを除去する工程であることが好ましい。
前記一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去した後の前記転写フィルムを用いて前記透明硬化性樹脂層を形成する工程を、前記画像部の透明硬化性樹脂層を基材上に転写する転写工程とも言う。
さらに本発明の転写フィルムが、保護フィルムや中間層や熱可塑性樹脂層を含む場合、前記一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去した後の前記転写フィルムを用いて前記透明硬化性樹脂層を形成する工程は、前記保護フィルムが除去された前記転写フィルムの前記画像部の透明硬化性樹脂層を基材上に転写する転写工程であることが好ましい。
この場合、さらに前記一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去した後の前記転写フィルムを用いて前記透明硬化性樹脂層を形成する工程は、基材上に転写された仮支持体を剥離する工程を含むことが好ましい。
この場合、さらに前記一部の領域の前記透明硬化性樹脂層を除去した後の前記転写フィルムを用いて前記透明硬化性樹脂層を形成する工程は、熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、本発明の転写フィルムの透明硬化性樹脂層のうち転写する画像部を予めプレカットする工程と、非画像部の保護フィルム及び透明硬化性樹脂層、並びに画像部の保護フィルムを除去する工程と、前記保護フィルムが除去された前記転写フィルムの前記画像部の透明硬化性樹脂層を基材上に転写する転写工程と、基材上に転写された仮支持体を剥離する工程と、熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程とを有する方法がより好ましい。
−プレカット工程−
通常のフォトリソグラフィー方式で画像形成しない場合、転写以前に透明硬化性樹脂層に画像部を形成する必要がある。前記転写フィルムの一部に前記透明硬化性樹脂層を貫通し、かつ前記仮支持体を貫通しない深さの切り込みを入れる工程(プレカット工程)について、以下説明する。
前記切り込みを入れる方法としては特に制限は無く、刃、レーザーなど任意の方法で切り込みを入れることができ、刃で切り込みを入れることが好ましい。また、刃の構造は特に限定されることはない。
前記転写フィルムが、例えば、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、透明硬化性樹脂層、保護フィルムの順に積層されて構成されるとき、例えば、刃もしくはレーザーを用いて、保護フィルムの上から、保護フィルム、透明硬化性樹脂層、中間層を貫き、熱可塑性樹脂層の一部にまで至る切り込みを入れることで、転写する画像部と転写しない非画像部の間を分離することができる。
−非画像部の透明硬化性樹脂層を除去する工程−
プレカットした透明硬化性樹脂層の画像部を選択的に基板に転写するには非画像部を転写させない工夫が必要となる。一つの方法は転写前に非画像部の透明硬化性樹脂層を除去する方法であり、保護フィルム除去した後、非画像部の透明硬化性樹脂層と中間層を同時に剥離する方法である。もう一つは非画像部上の保護フィルムを剥がし、引き続いて透明硬化性樹脂層と中間層を同時に剥離し、さらに画像部上の保護フィルムを剥がす方法である。透明硬化性樹脂層の画像部を転写直前まで保護する観点から、後者の方が好ましい。
−その他の工程−
保護フィルムを除去する工程と、前記保護フィルムが除去された前記転写フィルムの前記画像部の透明硬化性樹脂層を基材上に転写する転写工程と、基材上に転写された仮支持体を剥離する工程と、熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程については、フォトリソグラフィー方式と同様である。
(マスク層)
本発明の静電容量型入力装置の製造方法は、さらにマスク層を形成する工程を有することも好ましい。
図1の前面板1の非接触面上にはマスク層2が設けられている。マスク層2は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
本発明の静電容量型入力装置10には、図2に示すように、前面板1の一部の領域(図2においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層2が設けられている。更に、前面板1には、図2に示すように一部に開口部8を設けることができる。開口部8には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
前記静電容量型入力装置の製造方法は、マスク層2等の前記(3)および(5)の要素以外の層を形成する方法については特に制限はないが、仮支持体と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性フィルムを用いて形成することが好ましく、仮支持体と熱可塑性樹脂層と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性フィルムを用いて形成することがより好ましい。なお、ここでいう前記感光性フィルムとして、本発明の転写材料を用いてもよく、本発明の転写材料以外の感光性フィルムを用いてもよい。
前記マスク層2を、前記感光性フィルムを用いて光硬化性樹脂層を前面板1に転写することで形成する工程の好ましい範囲は、前記透明絶縁層および透明保護層を形成する方法におけるフォトリソグラフィー方式における各工程の好ましい範囲と同様である。
ここで、前記マスク層2や、後述の第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および導電性要素6などの永久材を前記フォトリソグラフィー方式によって形成する場合に用いられる前記感光性フィルムの好ましい態様としては、本発明の転写材料における前記透明硬化性樹脂層の代わりに任意の機能を有する光硬化性樹脂層を設けたものを挙げることができる。また、前記感光性フィルムにおける、光硬化性樹脂層以外の層の好ましい範囲は、本発明の転写材料における前記透明硬化性樹脂層以外の層の好ましい範囲と同様である。
前記マスク層2の形成に前記感光性フィルムを用いる場合には、光硬化性樹脂層に着色剤を含有させることが好ましい。
マスク層2を前記感光性フィルムを用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、前面板の境界ギリギリまで遮光パターンを形成する必要のあるマスク層でのガラス端からのレジスト成分のはみ出しがないため基板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層/軽量化のメリットがあるタッチパネルの製造を可能となる。
さらに、遮光性が必要なマスク層2の形成に、光硬化性樹脂層と仮支持体との間に熱可塑性樹脂層を有する特定の層構成を有する前記感光性フィルムを用いることで感光性フィルムラミネート時の気泡発生を防止し、光モレのない高品位なマスク層2を形成することができる。
また、前記感光性フィルムを用いてマスク層を形成する場合には、光硬化性樹脂層に着色剤を用いることができる。前記着色剤としては、公知の着色剤(有機顔料、無機顔料、染料等)を好適に用いることができる。
前記マスク層は、黒色のマスク層または白色のマスク層(加飾層と言われることもある)であることが好ましい。例えば黒色のマスク層2を形成する場合には、前記光硬化性樹脂層として黒色光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、前記前面板1の表面に前記黒色光硬化性樹脂層を転写することで形成することが好ましい。尚、黒色着色剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。
前記光硬化性樹脂層を黒色のマスク層として用いる場合には、光学濃度の観点から、黒色着色剤を含むことが好ましい。黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記光硬化性樹脂層を白色のマスク層として用いる場合には、特開2005−7765号公報の段落[0015]や[0114]に記載のホワイト顔料を用いることができる。
前記光硬化性樹脂層をその他の色のマスク層として用いるためには、特許第4546276号公報の段落[0183]〜[0185]などに記載の顔料、あるいは染料を混合して用いてもよい。具体的には、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]〜[0054]に記載の顔料および染料、特開2004−361447号公報の段落番号[0068]〜[0072]に記載の顔料、特開2005−17521号公報の段落番号[0080]〜[0088]に記載の着色剤等を好適に用いることができる。
前記着色剤(好ましくは顔料、より好ましくはカーボンブラック)は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記着色剤と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を形成する成分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
前記着色剤は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001μm〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01μm〜0.08μmのものが好ましい。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
着色剤を含む光硬化性樹脂層の層厚は、他層との厚み差の観点から、0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。前記着色剤を含む光硬化性樹脂層の固形分中の着色剤の含有率としては、特に制限はないが、十分に現像時間を短縮する観点から、15〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、25〜50質量%であることが更に好ましい。
本明細書でいう全固形分とは着色剤を含む光硬化性樹脂層から溶剤等を除いた不揮発成分の総質量を意味する。
(第一および第二の透明電極パターン、導電性要素)
前面板1の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する透明絶縁層5とが形成されている。前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、前記導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落[0014]〜[0016]等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図1においては、第二の透明電極パターンが、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。このように、一定の厚みが必要なマスク層と前面板裏面とにまたがって感光性フィルムをラミネートする場合でも、前記感光性フィルムを用いることで真空ラミネータなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程でマスク部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
図3を用いて第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4について説明する。図3は、本発明の静電容量型入力装置における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図3に示すように、第一の透明電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン4は、第一の透明電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図3における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン3を形成する場合、前記パッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図3に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図1において、マスク層2の前面板1とは逆側の面側には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図1においては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および導電性要素6は、(1)導電性光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて形成するか、(2)エッチング処理により形成することができる。
(1)導電性光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いる方法
導電性光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を形成する場合、前記前面板1の表面に前記導電性光硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記第一の透明電極パターン3等を、前記導電性光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、基板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層/軽量化のメリットがあるタッチパネルの製造を可能となる。
前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を、前記感光性フィルムを用いて光硬化性樹脂層を前面板1に転写することで形成する工程の好ましい範囲は、前記透明絶縁層および透明保護層を形成する方法におけるフォトリソグラフィー方式における各工程の好ましい範囲と同様である。
さらに、第一の透明電極パターン3等の形成に、導電性光硬化性樹脂層と仮支持体との間に熱可塑性樹脂層を有する特定の層構成を有する前記感光性フィルムを用いることで前記感光性フィルムラミネート時の気泡発生を防止し、導電性に優れ抵抗の少ないに第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を形成することができる。
前記導電性光硬化性樹脂層を積層した感光性フィルムを用いて、前記第一および第二の透明電極パターン、あるいは別の導電性要素の形成する場合には、以下の導電性繊維などを光硬化性樹脂層に用いることができる。
導電性繊維の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中実構造および中空構造のいずれかが好ましい。
ここで、中実構造の繊維を「ワイヤー」と称することがあり、中空構造の繊維を「チューブ」と称することがある。また、平均短軸長さが5nm〜1,000nmであって、平均長軸長さが1μm〜100μmの導電性繊維を「ナノワイヤー」と称することがある。
また、平均短軸長さが1nm〜1,000nm、平均長軸長さが0.1μm〜1,000μmであって、中空構造を持つ導電性繊維を「ナノチューブ」と称することがある。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属およびカーボンの少なくともいずれかが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、およびカーボンナノチューブの少なくともいずれかが特に好ましい。
−−金属ナノワイヤー−−
−金属−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、および第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、および第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀を主に含有するもの、または銀と銀以外の金属との合金を含有するものが好ましい。
前記銀を主に含有するとは、金属ナノワイヤー中に銀を50質量%以上、好ましくは90質量%以上含有することを意味する。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウムおよびイリジウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−形状−
前記金属ナノワイヤーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状、断面の多角形の角が丸まっている断面形状が好ましい。
前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
前記金属ナノワイヤーの断面の角とは、断面の各辺を延長し、隣り合う辺から降ろされた垂線と交わる点の周辺部を意味する。また、「断面の各辺」とはこれらの隣り合う角と角を結んだ直線とする。この場合、前記「断面の各辺」の合計長さに対する前記「断面の外周長さ」との割合を鋭利度とした。鋭利度は、例えば図9に示したような金属ナノワイヤー断面では、実線で示した断面の外周長さと点線で示した五角形の外周長さとの割合で表すことができる。この鋭利度が75%以下の断面形状を角の丸い断面形状と定義する。前記鋭利度は60%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。前記鋭利度が75%を超えると、該角に電子が局在し、プラズモン吸収が増加するためか、黄色みが残るなどして透明性が悪化してしまうことがある。また、パターンのエッジ部の直線性が低下し、ガタツキが生じてしまうことがある。前記鋭利度の下限は、30%が好ましく、40%がより好ましい。
−平均短軸長さ径および平均長軸長さ−
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、150nm以下が好ましく、1nm〜40nmがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましく、15nm〜35nmが特に好ましい。
前記平均短軸長さが、1nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、150nmを超えると、金属ナノワイヤー起因の散乱が生じ、十分な透明性を得ることができないことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜35μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
前記平均長軸長さが、1μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子(株)製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、および曲率から算出される値を長軸長さとした。
導電性光硬化性樹脂層の層厚は、塗布液の安定性や塗布時の乾燥やパターニング時の現像時間などのプロセス適性の観点から、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜18μmが更に好ましく、1〜15μmが特に好ましい。前記導電性光硬化性樹脂層の全固形分に対する前記導電性繊維の含有量は、導電性と塗布液の安定性の観点から、0.01〜50質量%が好ましく、0.05〜30質量%が更に好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
また、前記感光性フィルムをリフトオフ材として用いて、第一の透明電極層、第二の透明電極層およびその他の導電性部材を形成することもできる。この場合、前記感光性フィルムを用いてパターニングした後に、基材全面に透明導電層を形成した後、堆積した透明導電層ごと前記光硬化性樹脂層の溶解除去を行うことにより所望の透明導電層パターンを得ることができる(リフトオフ法)。
(2)エッチング処理を用いる方法
エッチング処理によって、前記第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6を形成する場合、まずマスク層2等が形成された前面板1の非接触面上にITO等の透明電極層をスパッタリングによって形成する。次いで、前記透明電極層上に前記光硬化性樹脂層としてエッチング用光硬化性樹脂層を有する前記感光性フィルムを用いて露光・現像によってエッチングパターンを形成する。その後、透明電極層をエッチングして透明電極をパターニングし、エッチングパターンを除去することで、第一の透明電極パターン3等を形成することができる。
前記感光性フィルムをエッチングレジスト(エッチングパターン)として用いる場合にも、前記導電性光硬化性樹脂層を用いる方法と同様にして、レジストパターンを得ることができる。前記エッチングは、特開2010−152155号公報の段落[0048]〜[0054]等に記載の公知の方法でエッチング、レジスト剥離を適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプまたはアルカリ性タイプのものを適宜選択すればよい。酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせたものを使用してもよい。また、アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせたものを使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本発明でエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される樹脂パターンは、上述した光硬化性樹脂層を使用して形成されることにより、このような温度域における酸性およびアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮する。したがって、エッチング工程中に樹脂パターンが剥離することが防止され、樹脂パターンの存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
前記エッチング後、ライン汚染を防ぐために必要に応じて、洗浄工程・乾燥工程を行ってもよい。洗浄工程については、例えば常温で純水により10〜300秒間基材を洗浄して行い、乾燥工程については、エアブローを使用して、エアブロー圧(0.1〜5kg/cm2程度)を適宜調整し行えばよい。
次いで、樹脂パターンの剥離方法としては、特に限定されないが、例えば、30〜80℃、好ましくは50〜80℃にて攪拌中の剥離液に基材を5〜30分間浸漬する方法が挙げられる。本発明でエッチングマスクとして使用される樹脂パターンは、上述のように45℃以下において優れた薬液耐性を示すものであるが、薬液温度が50℃以上になるとアルカリ性の剥離液により膨潤する性質を示す。このような性質により、50〜80℃の剥離液を使用して剥離工程を行うと工程時間が短縮され、樹脂パターンの剥離残渣が少なくなるという利点がある。すなわち、前記エッチング工程と剥離工程との間で薬液温度に差を設けることにより、本発明でエッチングマスクとして使用される樹脂パターンは、エッチング工程において良好な薬液耐性を発揮する一方で、剥離工程において良好な剥離性を示すことになり、薬液耐性と剥離性という、相反する特性を両方とも満足することができる。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分や、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶液に溶解させたものが挙げられる。前記の剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により剥離してもよい。
本発明の製造方法の過程で形成される静電容量型入力装置の態様例として、図4〜8の態様を挙げることができる。図4は、開口部8が形成された強化処理ガラス11の一例を示す上面図である。図5は、マスク層2が形成された前面板の一例を示す上面図である。図6は、第一の透明電極パターン3が形成された前面板の一例を示す上面図である。図7は、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4が形成された前面板の一例を示す上面図である。図8は、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素6が形成された前面板の一例を示す上面図である。これらは、上記説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
《静電容量型入力装置、および静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置》
本発明の製造方法によって得られる静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<比較例1および実施例1〜10>
[転写材料の調製]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表1に記載の処方からなる透明硬化性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、光学濃度が4.0となるように乾燥膜厚が2.2μmの透明硬化性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と透明硬化性樹脂層とが一体となった転写材料を作製し、各実施例および比較例の転写材料(透明硬化性樹脂層形成用感光性フィルム)とした(透明硬化性樹脂層の膜厚は1.4μm)。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール :11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :6.36質量部
・メチルエチルケトン :52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
:5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) :13.6質量部
・モノマー1(商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製)
:9.1質量部
・フッ素系ポリマー :0.54質量部
上記のフッ素系ポリマーは、C613CH2CH2OCOCH=CH2 40部とH(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH2 55部とH(OCHCH27OCOCH=CH2 5部との共重合体で、重量平均分子量3万、メチルエチルケトン30質量%溶液である(商品名:メガファックF780F、大日本インキ化学工業(株)製)
熱可塑性樹脂層用塗布液H1の溶剤除去後の110℃における粘度ηcを測定し、下記表1に記載した。
(中間層用塗布液:処方P1)
・ポリビニルアルコール :32.2質量部
(商品名:PVA205、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン :14.9質量部
(商品名:K−30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 :524質量部
・メタノール :429質量部
(透明硬化性樹脂層用塗布液)
以下の表1に記載の組成となるように各成分を混合して透明硬化性樹脂層用塗布液を得た。透明硬化性樹脂層用塗布液の溶剤除去後の110℃における粘度ηaを測定し、下記表1に記載した。また、ηa/ηcの値を計算し、下記表1に記載した。
下記表1中、TiO2分散液−Aの調製は以下の方法で行った。
(1)二酸化チタン分散液(分散組成物)の調製
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(商品名)を用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散組成物として二酸化チタン分散液を得た。
(組成)
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(C)) : 150部
・下記特定樹脂1 : 40部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 250部
上記化学式で表される特定樹脂1において、x:y=20:80であり、グラフト鎖の原子数(水素原子を除く)は257、特定樹脂1の重量平均分子量は20500である。
また分散装置は以下の条件で運転した。
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:8m/sec
・ポンプ供給量:10Kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:0.44Kg
分散開始後、30分間隔(1パスの時間)で平均粒子径の測定を行った。
平均粒子径は分散時間(パス回数)とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。分散時間を30分間延長したときの平均粒子径変化が5nm以下となった時点で分散を終了した。尚、この分散液中の二酸化チタン粒子の平均粒子径は40nmであった。
尚、各実施例における二酸化チタンの平均粒子径は、二酸化チタンを含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。
また、上記測定とは別に、得られた分散液に含まれる二酸化チタン粒子の300個について、透過型電子顕微鏡を用いて二酸化チタン粒子の投影面積をそれぞれ求め、対応する円相当径の算術平均値を求めたところ、40nmであった。
下記表1中、屈折率が1.55以上の高屈折率バインダーである化合物1はCR−1030(大阪ガスケミカル(株)社製)である。
下記表1中、モノマー混合物に用いた特開2012−78528号公報の段落番号[0111]に記載の重合性化合物(b2−1)は下記式で表される構造であり、Xはすべてアクリロイル基であり、n=1:トリペンタエリスリトールオクタアクリレート含有率85%、不純物としてn=2及びn=3の合計が15%の混合物である。
下記表1中、ポリマー溶液1に用いた特開2008−146018号公報の段落番号[0058]に記載の下記構造式P−25の化合物は重量平均分子量3.5万であり、ポリマー溶液1は固形分45%の1−メトキシ−2−プロピルアセテート15%、1−メトキシ−2−プロパノール40%溶液である。
下記表1中、ポリマー溶液2に用いたポリマーは下記式(1)で表される構造である。
式(1)
[透明硬化性樹脂層の屈折率の測定]
上記で得られた透明硬化性樹脂層用塗布液をシリコンウエハ上に塗布し、その後ホットプレート上で100℃で2分間加熱して透明パターンを得た。この透明パターンが形成された基板に対して、 ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製 分光エリプソメトリー VUV−VASE(商品名)を用いて、透明パターンの光学定数を測定した。波長550nmにおける透明硬化性樹脂層用塗布液を用いて作製した透明パターンの屈折率を、n(550)とした。得られた結果を下記表1に記載した。
[反射率測定]
透明ガラス基板上に、ITOをスパッタ製膜した後、透明接着剤(住友3M(株)製、8171CL)を介して、黒色PET材を貼り合わせ、積分球反射計(日本分光(株)製、V570)で反射率を測定した(反射ITO)。
次に、同様に、透明ガラス基板上に、ITOをスパッタ製膜した後、上記感光性樹脂組成物を、PET仮支持体との界面で剥離したのち、熱可塑性樹脂および中間層と共に転写した(層形成工程)。
次に、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、熱可塑性樹脂側から露光量I線40mJ/cm2にて露光し
た。次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍(T−PD2を1部と純水9部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で60秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂と中間層を除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを噴くか得て液きりした後、純粋をシャワーにより10秒間吹きつけ、純粋シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。次に、基板を230℃下で60分間加熱処理を行った後、透明接着剤を介して、上記感光性樹脂層を黒色PET材と接着させ、基板全体を遮光した後、積分球反射計で反射率を測定した(反射サンフ゜ル)。
<評価基準>
下記式によりサンプルの反射率を評価した(測定値は550nmの値を用いた)。
式:
(反射サンフ゜ル)/(反射ITO)x100
〇 0%以上、60%未満
△ 60%以上、90%未満
× 90%以上
上記表1より、本発明の転写フィルムを用いて静電容量型入力装置の透明保護層を形成すると、透明電極パターンの視認性を改良できることができ、穴あき基板を用いた静電容量型入力装置を製造するときの生産性を向上できることがわかった。一方、比較例1より、転写フィルムの透明硬化性樹脂層の波長550nmにおける屈折率が本発明で規定する下限値を下回ると、透明電極パターンの反射率が悪化し、視認性を改善できないことがわかった。
<実施例101〜110および比較例101:静電容量型タッチパネルの製造1>
《マスク層の形成》
[マスク層形成用感光性フィルムK1の調製]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、実施例1〜10および比較例1の転写材料の作製に用いた前記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、前記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記処方K1からなる黒色光硬化性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、光学濃度が4.0となるように乾燥膜厚が2.2μmの黒色光硬化性樹脂層を設け、最後に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と黒色光硬化性樹脂層とが一体となった転写材料を作製し、サンプル名をマスク層形成用感光性フィルムK1とした。
(黒色光硬化性樹脂層用塗布液:処方K1)
・K顔料分散物1 :31.2質量部
・R顔料分散物1(下記の組成) :3.3質量部
・MMPGAc(ダイセル化学(株)製) :6.2質量部
・メチルエチルケトン(東燃化学(株)製) :34.0質量部
・シクロヘキサノン(関東電化工業(株)製) :8.5質量部
・バインダー2(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.8万) :10.8質量部
・フェノチアジン(東京化成(株)製) :0.01質量部
・DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、 日本化薬(株)製)
のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(76質量%)
:5.5質量部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビス(エトキシ
カルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン
:0.4質量部
・界面活性剤(商品名:メガファックF−780F、大日本インキ(株)製)
:0.1質量部
なお、黒色光硬化性樹脂層用塗布液K1の溶剤除去後の100℃の粘度は10000Pa・secであった。
(K顔料分散物1の組成)
・カーボンブラック(商品名:Nipex35、デグッサ社製) :13.1質量%
・下記分散剤1 :0.65質量%
・バインダー1(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) :6.72質量%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :79.53質量%
−R顔料分散物1の組成−
・顔料(C.I.ピグメントレッド177) :18質量%
・バインダー1(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) :12質量%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :70質量%
[マスク層の形成]
次いで、開口部(15mmΦ)が形成された強化処理ガラス(300mm×400mm×0.7mm)に、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基材を基材予備加熱装置で140℃2分間加熱した。得られたシランカップリング処理ガラス基材に、上述から得られたマスク層形成用感光性フィルムK1から保護フィルムを除去し、除去後に露出した黒色光硬化性樹脂層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基材の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記140℃で加熱した基材に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基材と露光マスク(額縁パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、露光マスク面と該黒色光硬化性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を33℃で60秒間、フラットノズル圧力0.1MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基材の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基材上の液だまりを減らした。
その後、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を用いて32℃でシャワー圧を0.1MPaに設定して、45秒現像し、純水で洗浄した。
引き続き、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.1MPaにてシャワーで吹きかけ、更にやわらかいナイロン毛を有する回転ブラシにより、形成されたパターン像を擦って残渣除去を行った。さらに、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で超純水を噴射して残渣除去を行い、
次いで大気下にて露光量1300mJ/cm2にてポスト露光を行い、さらに240℃80分間のポストベーク処理を行って、光学濃度4.0、膜厚2.0μmのマスク層が形成された前面板を得た。
《第一の透明電極パターンの形成》
[透明電極層の形成]
マスク層が形成された前面板を、真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基材の温度250℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)により、厚さ40nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は80Ω/□であった。
[エッチング用感光性フィルムE1の調製]
前記マスク層形成用感光性フィルムK1の調製において、黒色光硬化性樹脂層用塗布液を、下記処方E1からなるエッチング用光硬化性樹脂層用塗布液に代えた以外はマスク層形成用感光性フィルムK1の調製と同様にして、エッチング用感光性フィルムE1を得た(エッチング用光硬化性樹脂層の膜厚は2.0μmであった)。
(エッチング用光硬化性樹脂層用塗布液:処方E1)
・メチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸共重合体
(共重合体組成(質量%):31/40/29、質量平均分子量60000、
酸価163mgKOH/g) :16質量部
・モノマー1(商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製)
:5.6質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートのテトラエチレンオキシドモノ
メタクリレート0.5モル付加物 :7質量部
・分子中に重合性基を1つ有する化合物としてのシクロヘキサンジ
メタノールモノアクリレート :2.8質量部
・2−クロロ−N−ブチルアクリドン :0.42質量部
・2,2−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル
ビイミダゾール :2.17質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 :0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット :0.26質量部
・フェノチアジン :0.013質量部
・界面活性剤(商品名:メガファックF−780F、大日本インキ(株)製)
:0.03質量部
・メチルエチルケトン :40質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール :20質量部
なお、エッチング用光硬化性樹脂層用塗布液E1の溶剤除去後の100℃の粘度は2500Pa・secであった。
[第一の透明電極パターンの形成]
マスク層の形成と同様にして、透明電極層を形成した前面板を洗浄し、保護フィルムを除去したエッチング用感光性フィルムE1をラミネートした(基材温度:130℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分)。仮支持体を剥離後、露光マスク(透明電極パターンを有す石英露光マスク)面と該エッチング用光硬化性樹脂層との間の距離を200μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を25℃で100秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで残渣除去を行い、さらに130℃30分間のポストベーク処理を行って、透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を得た。
透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を、ITOエッチャント(塩酸、塩化カリウム水溶液。液温30℃)を入れたエッチング槽に浸漬し、100秒処理し、エッチング用光硬化性樹脂層で覆われていない露出した領域の透明電極層を溶解除去し、エッチング用光硬化性樹脂層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を得た。
次に、エッチング用光硬化性樹脂層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を、レジスト剥離液(N−メチル−2−ピロリドン、モノエタノールアミン、界面活性剤(商品名:サーフィノール465、エアープロダクツ製)液温45℃)を入れたレジスト剥離槽に浸漬し、200秒処理し、エッチング用光硬化性樹脂層を除去し、マスク層と第一の透明電極パターンとを形成した前面板を得た。
《絶縁層の形成》
マスク層の形成と同様にして、前記第一の透明電極パターン付の前面板を洗浄、シランカップリング処理し、保護フィルムを除去した実施例1〜10および比較例1の転写材料をラミネートした(基材温度:100℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度2.3m/分)。仮支持体を剥離後、露光マスク(絶縁層用パターンを有す石英露光マスク)面と該エッチング用光硬化性樹脂層との間の距離を100μmに設定し、露光量30mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を33℃で60秒間、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を25℃で50秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで残渣除去を行い、さらに230℃60分間のポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターンを形成した前面板を得た。
《第二の透明電極パターンの形成》
[透明電極層の形成]
前記第一の透明電極パターンの形成と同様にして、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターンまで形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し(条件:基材の温度50℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)、厚さ80nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は110Ω/□であった。
第一の透明電極パターンの形成の形成と同様にして、エッチング用感光性フィルムE1を用いて、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、透明電極層、エッチング用光硬化性樹脂層パターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃30分間)。
さらに、第一の透明電極パターンの形成の形成と同様にして、エッチング(30℃50秒間)、エッチング用光硬化性樹脂層を除去(45℃200秒間)することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板を得た。
《第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の形成》
前記第一、および第二の透明電極パターンの形成と同様にして、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し、厚さ200nmのアルミニウム(Al)薄膜を形成した前面板を得た。
前記第一、および第二の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング用感光性フィルムE1を用いて、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、エッチング用光硬化性樹脂層パターンを形成した前面板を得た。(ポストベーク処理;130℃30分間)。
さらに、第一の透明電極パターンの形成の形成と同様にして、エッチング(30℃50秒間)、エッチング用光硬化性樹脂層を除去(45℃200秒間)することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板を得た。
《透明保護層の形成》
絶縁層の形成と同様にして、前記第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素まで形成した前面板に、保護フィルムを除去した実施例1〜10および比較例1の転写材料をラミネートし、仮支持体を剥離後、露光マスクを介さずに露光量50mJ/cm2(i線)で前面露光し、現像、ポスト露光(1000mJ/cm2)、ポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の全てを覆うように実施例1〜10および比較例1の転写材料を用いて形成した絶縁層(透明保護層)を積層した前面板を得た。
《画像表示装置(タッチパネル)の作製》
特開2009−47936公報に記載の方法で製造した液晶表示素子に、先に製造した前面板を貼り合せ、公知の方法で静電容量型入力装置を構成要素として備えた実施例101〜110および比較例101の画像表示装置を作製した。
《前面板、および画像表示装置の評価》
上述の各工程において、マスク層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板は、開口部、および裏面に汚れがなく、洗浄が容易であり、かつ、他部材の汚染の問題がなかった。
また、マスク層にはピンホールがなく、光遮蔽性に優れていた。
そして、第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターン、およびこれらとは別の導電性要素の、各々の導電性には問題がなく、一方で、第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンの間では絶縁性を有していた。
さらに、本発明の転写フィルムを用いて静電容量型入力装置の透明絶縁層および透明保護層を形成すると、透明絶縁層にも透明保護層にも気泡等の欠陥がなく、透明電極パターンの視認性が改善され、表示特性に優れた画像表示装置が得られた。
[実施例201〜210および比較例201:静電容量型タッチパネルの製造2]
《導電性光硬化性樹脂層を積層した感光性フィルムC1の作製》
マスク層形成用感光性フィルムK1の調製において、黒色光硬化性樹脂層用塗布液を、下記処方C1からなる導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液に代えた以外はマスク層形成用感光性フィルムK1の調製と同様にして、導電性光硬化性樹脂層を積層した感光性フィルムC1を得た(導電性光硬化性樹脂層の膜厚は2.0μm)。
<導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液の調製>
(銀ナノワイヤー分散物(1)の調製)
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した硝酸銀溶液を調製した。その後、前記硝酸銀溶液に1Nのアンモニア水を透明になるまで添加し、全量が100mLになるように、純水を添加して、添加液Aを調製した。
また、グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、添加液Gを調製した。
更に、HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5mLの純水で溶解して、添加液Hを調製した。
次いで、前記添加液A20.6mLを三口フラスコ内に入れ室温にて攪拌した。この液に純水41mL、添加液H20.6mL、および添加液G16.5mLの順でロートにて添加し、90℃で5時間、200rpmで攪拌しながら加熱することで、銀ナノワイヤー水分散物(1)を得た。
得られた銀ナノワイヤー水分散物(1)を冷却した後、ポリビニルピロリドン(商品名:K−30、和光純薬工業(株)製)を銀の質量1に対し0.05となるように撹拌しながら添加し、その後遠心分離し、伝導度が50μS/cm以下になるまで精製し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで更に遠心分離を、行い水を除去し、最終的にプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、銀ナノワイヤー溶剤分散物(1)を調製した。
(導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液C1の調製)
下記組成を攪拌し、最終銀濃度が1.0質量%となるように銀ナノワイヤー分散物(1)と混合し、導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液を調製した。
なお、導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液C1の溶剤除去後の100℃の粘度は4500Pa・secであった。
−導電性光硬化性樹脂層形成用塗布液C1の組成−
・前記バインダー3(固形分:45%) :3.80質量部
・KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) :1.59質量部
・2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:Irgacure379、BASF製)
:0.159質量部
・EHPE−3150(ダイセル化学(株)製) :0.150質量部
・界面活性剤(商品名:メガファックF−781F、大日本インキ製)
:0.002質量部
・MMPGAc(ダイセル化学(株)製) :19.3質量部
《透明電極パターンおよび絶縁層等の形成》
実施例101〜110および比較例101と同様にして、マスク層が形成された前面板を得た後、導電性光硬化性樹脂層を積層した感光性フィルムC1を用いて、第一の透明電極パターンの形成を行った。
まず、マスク層が形成された前面板を洗浄し、保護フィルムを除去した感光性フィルムC1をラミネートした(基材温度:120℃、ゴムローラー温度120℃、線圧100N/cm、搬送速度1.7m/分)。仮支持体を剥離後、露光マスク(透明電極パターンを有す石英露光マスク)面と該導電性光硬化性樹脂層の間の距離を100μmに設定し、露光量100mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を30℃で60秒間、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム系現像液(商品名:T−CD1(富士フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を25℃で60秒間、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間処理し、回転ブラシ、超高圧洗浄ノズルで残渣除去を行い、さらに230℃60分間のポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターンを形成した前面板を得た。
続いて、実施例101〜110および比較例101と同様にして絶縁層を形成した。次いで、導電性光硬化性樹脂層を積層した感光性フィルムC1を用いて、第二の透明電極パターンの形成を行った。さらに、実施例101〜110および比較例101と同様にして、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素、透明保護層の形成を行い、前面板を得た。
また、実施例101〜110よび比較例101と同様にして、実施例201〜210および比較例201の画像表示装置を作製した。
《前面板、および画像表示装置の評価》
上述の各工程において、マスク層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板2は、開口部、および裏面に汚れがなく、洗浄が容易であり、かつ、他部材の汚染の問題がなかった。
また、マスク層にはピンホールがなく、光遮蔽性に優れていた。
そして、第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターン、およびこれとは別の導電性要素の、各々の導電性には問題がなく、一方で、第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンの間では絶縁性を有していた。
さらに、本発明の転写フィルムを用いて静電容量型入力装置の透明絶縁層および透明保護層を形成すると、透明絶縁層にも透明保護層にも気泡等の欠陥がなく、透明電極パターンの視認性が改善され、表示特性に優れた画像表示装置が得られた。
以上のように、本発明の静電容量型入力装置の製造方法によれば、透明電極パターンの視認性が改善され、薄層/軽量化のメリットがある静電容量型入力装置を、簡単な工程で高品位に製造可能にすることができた。このため、本発明の製造方法で製造した静電容量型入力装置、およびそれを用いた画像表示装置は高品位であることがわかる。
1 前面板
2 マスク層
3 第一の透明電極パターン
3a パッド部分
3b 接続部分
4 第二の透明電極パターン
5 絶縁層
6 導電性要素
7 透明保護層
8 開口部
10 静電容量型入力装置
11 強化処理ガラス
12 別の導電性要素

Claims (12)

  1. 仮支持体と、
    該仮支持体上に積層された透明硬化性樹脂層とを有し、
    前記透明硬化性樹脂層の550nmの波長における屈折率が1.55以上であることを特徴とする転写材料。
  2. 前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上のモノマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の転写材料。
  3. 前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上のバインダーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の転写材料。
  4. 前記透明硬化性樹脂層が、屈折率1.55以上の微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写材料。
  5. 前記仮支持体と、前記透明硬化性樹脂層の間に、熱可塑性樹脂層が積層されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写材料。
  6. 前記熱可塑性樹脂層の110℃で測定した溶融粘度ηcが250Pa・s〜3000Pa・sであることを特徴とする請求項5に記載の転写材料。
  7. 前記透明硬化性樹脂層が、静電容量型入力装置の透明絶縁層または透明保護層用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写材料。
  8. 透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方と、透明電極パターンを有する静電容量型入力装置の製造方法であって、
    前記透明絶縁層および透明保護層のうち少なくとも一方を請求項7に記載の転写材料を用いて形成することを特徴とする静電容量型入力装置の製造方法。
  9. 前面板と、前記前面板の非接触側に少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、
    前記(3)および(5)の要素のうち少なくとも一方を、前記転写材料を用いて形成することを特徴とする請求項8に記載の静電容量型入力装置の製造方法。
    (1)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
    (2)前記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
    (3)前記第一の透明電極パターンと前記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する透明絶縁層
    (4)前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、前記第一の透明電極パターンおよび前記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
    (5) 前記(1)〜(4)の要素の全てまたは一部を覆うように設置された透明保護層
  10. 前記前面板が、少なくとも一部に開口部を有することを特徴とする請求項8または9に記載の静電容量型入力装置の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の静電容量型入力装置の製造方法で製造されたことを特徴とする静電容量型入力装置。
  12. 請求項11に記載の静電容量型入力装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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